JP2004025383A - ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】硬度が高い金属材料を穴加工する際に、ドリル本体の先端の主切刃における回転中心側の部分や外周コーナー部が欠損するのを抑制し、硬度が高い金属材料に対して長期にわたって安定した穴加工が行えるようにする。
【解決手段】ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成され、ドリル本体の先端の中心から両側にチゼル刃12が形成されると共に、各チゼル刃と連続してそれぞれドリル本体の外周に伸びた2つの主切刃13が形成されたドリルにおいて、各主切刃の外周コーナー部13a を円弧状に形成すると共に、ドリル本体の先端角をβとした場合に、ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと円弧状に形成された外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成され、ドリル本体の先端の中心から両側にチゼル刃12が形成されると共に、各チゼル刃と連続してそれぞれドリル本体の外周に伸びた2つの主切刃13が形成されたドリルにおいて、各主切刃の外周コーナー部13a を円弧状に形成すると共に、ドリル本体の先端角をβとした場合に、ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと円弧状に形成された外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属材料等に穴加工を行うのに使用するドリルに係り、特に、高硬度の金属材料に穴加工を行うのに適したドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属材料等に穴加工を行うにあたっては、一般に、図1(A),(B)に示すように、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成されると共に、このドリル本体10の先端の回転中心から外周側に向かって2つの主切刃13が形成されたドリルが使用されていた。
【0003】
そして、このようなドリルにより金型等の硬質な金属材料に穴加工を行うにあたっては、一般に、金属材料を熱処理して硬化させる前の軟らかい状態で穴加工を行い、その後、これを熱処理して硬化させるようにしている。
【0004】
また、このように穴加工を行った金属材料を熱処理した場合、金属材料が変形して穴の精度が狂うため、再度仕上げの穴加工を行うようにしている。
【0005】
しかし、このように2度の穴加工を行うことは面倒であり、このため、近年においては、金属材料を熱処理して硬化させた後に穴加工することが試みられるようになった。
【0006】
ここで、上記のように金属材料を熱処理して硬化させた場合、この金属材料の硬度がHRC60〜65程度になる。
【0007】
そして、このように硬化された金属材料に対して上記のようなドリルを用いて穴加工を行った場合、このドリル本体10の先端に設けられた上記の主切刃13における回転中心側の部分が欠損したり、また上記の主切刃13における外周コーナー部13aが欠損したりするという問題があった。
【0008】
このため、従来においては、ドリル本体10先端の回転中心側におけるそれぞれの主切刃13間に間隔を設けて、回転中心側の部分が欠損するのを抑制したり、特開2000―59136号公報や特開2002−36018号公報等に示されるように、上記の主切刃13における外周コーナー部13aを円弧状に形成して、主切刃13における外周コーナー部13aが欠損するのを抑制することが提案されている。
【0009】
しかし、上記のようにドリル本体10先端の回転中心側におけるそれぞれの主切刃13間の間隔が適切でないと、穴加工を行う際における食い付き時に刃先が振れやすくなり、精度のよい穴加工が行えなくなったり、また上記のように主切刃13における外周コーナー部13aを円弧状に形成しただけでは、上記のように硬度が高い金属材料を穴加工する際に、依然として主切刃13における外周コーナー部13aが欠損するという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ドリルにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、硬度が高い金属材料を穴加工する際に、ドリル本体の先端に設けられた主切刃における回転中心側の部分や外周コーナー部が欠損するのを抑制し、硬度が高い金属材料に対して長期にわたって安定した穴加工が行えるようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明におけるドリルにおいては、上記のような課題を解決するため、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成され、このドリル本体10の先端の中心から両側にチゼル刃12が形成されると共に、各チゼル刃12と連続してそれぞれドリル本体10の外周に伸びた2つの主切刃13が形成されてなるドリルにおいて、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると共に、このドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしたのである。
【0012】
そして、この発明におけるドリルのように、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると、主切刃13の外周コーナー部13aの強度が高まり、さらにドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにすると、主切刃13の外周コーナー部13aにおける切削性が低下するのを少なくしながら、主切刃13の外周コーナー部13aの強度を十分に高めることができるようになる。すなわち、上記のすくい角γo が−10°より+側になると、外周コーナー部13aにおける強度を十分に高めることができなくなる一方、すくい角γo が−20°より−側になると、外周コーナー部13aにおける切削性が悪くなる。
【0013】
そして、上記のようにドリルを構成すると、熱処理により硬化されて硬度がHRC60〜65程度になった金属材料に穴加工を行う場合においても、各主切刃13の外周コーナー部13aが欠損するのが抑制されて、安定した穴加工が長く行えるようになる。
【0014】
また、この発明におけるドリルにおいて、請求項2に記載したように、上記のチゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xと直交する方向における接線X,X間の間隔δ1が0.10〜0.25mmの範囲になるようにすると、上記のような高硬度の金属材料に穴加工を行う際における食い付きがよくなって刃先が振れるのが抑制されると共に、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのも抑制されるようになる。すなわち、上記の接線X,X間の間隔δ1が0.10mm未満になると、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損しやすくなる一方、上記の間隔δ1が0.25mmを越えると、穴加工を行う際における食い付きが悪くなって刃先が振れ、精度のよい穴加工が行えなくなる。
【0015】
また、この発明におけるドリルにおいて、請求項3に記載したように、ドリル本体10の先端から見た上記の各主切刃13の外周側の部分を直線状に形成し、各主切刃13における上記の直線部分に対して、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10〜15°の範囲で傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0〜0.25mmの範囲になるようにすると、高硬度の金属材料に穴加工を行う際に、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのがより一層抑制されるようになる。
【0016】
さらに、この発明におけるドリルにおいて、請求項4に記載したように、ドリル本体10を先端からテーパー状に収縮した形状に形成し、そのバックテーパーが0.2/100〜0.3/100の範囲になるようにすると、高硬度の金属材料に穴加工を行う際に、このドリルの外周が穴の加工面に接触して擦れるのが抑制されると共に、切削時におけるドリルの直進性が低下するということがなく、切削時における抵抗が増大したり、発熱したり、切削音が発生したり、加工面が傷ついたりするのが抑制されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態に係るドリルを添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0018】
この実施形態におけるドリルにおいては、図2(A),(B)に示すように、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11を形成すると共に、このドリル本体10の先端の回転中心から両側にチゼル刃12を形成し、各チゼル刃12と連続するようにして、それぞれドリル本体10の外周に伸びた2つの主切刃13を形成している。なお、図面上は明確でないが、上記のドリル本体10は先端からテーパー状に収縮した形状に形成されており、好ましくは、バックテーパーが0.2/100〜0.3/100の範囲になるようにする。
【0019】
そして、上記の各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると共に、このドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしている。
【0020】
ここで、上記のすくい角γo は、ラジアルレーキをγf 、リード角をα、アキシャルレーキ(ねじれ角)をγp とした場合、下記の式(1)で表される。
【0021】
γo =tan−1 (tanγf ・cos α+tan γp ・sin α)…(1)
【0022】
そして、上記のリード角αは、図3(A)に示すように、主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成していない場合には、ドリル本体10の先端角βの半分のβ/2になるが、図3(B)に示すように、主切刃13の外周コーナー部13aを主切刃線Kと外周線Mとのなす角の二等分線上に中心をもつ半径Rの円弧状に形成した場合には、上記のリード角αはドリル本体10の先端角βの4分の1のβ/4になる。
【0023】
また、ドリル本体10の先端における直径をD、心厚をdとした場合、上記のラジアルレーキγf は下記の式(2)で表され、ドリル本体10の先端における直径Dが同じ場合には心厚dによって変化する。
【0024】
γf =sin−1−(d/D)…(2)
【0025】
そして、上記の式(1),(2)の結果から、上記の心厚dを大きくしたり、アキシャルレーキ(ねじれ角)γp を小さくしたり、ドリル本体10の先端角βを小さくしたりすることによって、上記のすくい角γo を−側に大きくなり、主切刃13の外周コーナー部13aの強度が高くなる。
【0026】
なお、上記の主切刃13の外周コーナー部13aに設ける円弧の半径Rについては、主切刃13の外周コーナー部13aにおける切削性が低下するのを少なくしながら外周コーナー部13aの強度を高めるため、ドリル本体10の先端における直径Dの0.08〜0.13倍程度にすることが好ましい。
【0027】
また、この実施形態におけるドリルにおいては、図2(B)に示すように、チゼル刃12と連続してドリル本体10の外周に伸びた上記の各主切刃13を、それぞれドリル本体10の外周に伸びた直線状の第1切刃13bと、この第1切刃13bとチゼル刃12との間の直線状の第2切刃13cとで構成している。
【0028】
ここで、上記のように第1切刃13bとチゼル刃12との間に直線状の第2切刃13cを設けた場合、チゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xは上記の直線状になった各第2切刃13cの方向と一致することになる。そして、上記の各接線Xに対して直交する方向における接線X,X間の間隔δ1を0.10〜0.25mmの範囲になるようにしている。
【0029】
また、この実施形態におけるドリルにおいては、ドリル本体10の外周に伸びた上記の直線状の各第1切刃13bと、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lとが平行になっている。
【0030】
なお、この実施形態におけるドリルにおいては、上記のように各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれドリル本体10の外周に伸びた直線状の各第1切刃13bと平行になるようにしたが、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのをより一層抑制するため、図4に示すように、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10〜15°の範囲で傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0〜0.25mmの範囲になるようにすることが好ましい。
【0031】
また、この実施形態におけるドリルにおいて、さらに主切刃13の強度を高めて欠損を抑制するため、主切刃13にホーニングを行うようにすることが好ましい。
【0032】
【実施例】
次に、この発明の条件を満たしている実施例のドリルと、この発明の条件を満たしていない比較例のドリルとを用いて、高硬度の金属材料に対して穴加工を行い、この発明の条件を満たしている実施例のドリルが優れていることを明らかにする。
【0033】
(実施例1)
実施例1においては、微粒子超硬合金を用い、前記の図2(A),(B)に示すようなドリルを製造した。
【0034】
ここで、この実施例1のドリルにおいては、先端の直径Dが6.0mmでバックテーパーが0.1/100になったドリル本体10に対して、心厚dが2.7mmになるようにして、ねじれ角γp が15°になった2つのねじれ溝11を形成すると共に、ドリル本体10の先端角βが140°になるようにした。
【0035】
そして、各主切刃13の外周コーナー部13aを半径Rが0.6mmの円弧状に形成すると共に、この外周コーナー部13aの逃げ角を10°、各主切刃13に対する2番逃げ面14の逃げ角を5°にし、またチゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xに対して直交する方向における接線X,X間の間隔δ1が0.10mmになるようにした。
【0036】
ここで、この実施例1のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo は−14.4°になっていた。
【0037】
そして、上記のように製造したドリルをTiAlNでコーティングした。
【0038】
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10におけるバックテーパーを0.25/100にすると共に、前記の図4に示すように、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10°傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0.05mmになるようにした。
【0039】
そして、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にしてドリルを製造した。なお、前記のすくい角γo は、実施例1のドリルと同じ−14.4°になっていた。
【0040】
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成しないようにし、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0041】
なお、この比較例1のドリルにおいては、図3(A)に示すような角張った外周コーナー部13aのすくい角γo が+4.8°になっていた。
【0042】
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10における心厚dが2.1mmになるようにして、ねじれ角γp が15°になった2つのねじれ溝11を形成し、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0043】
なお、この比較例2のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−8.5°になっていた。
【0044】
(比較例3)
比較例3においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10における心厚dが2.4mmになるようにして、ねじれ角γp が20°になった2つのねじれ溝11を形成し、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0045】
なお、この比較例2のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−8.9°になっていた。
【0046】
次に、上記のように製造した実施例1,2及び比較例1〜3の各ドリルを使用し、HRCが60のSKD11からなる金属材料の被削材に対して、それぞれ切削油を供給しながら、周速度10m/分で回転させると共に、1回転あたりの送りを0.05mmにして、切削深さ20mmまでの穴加工を連続して行った。
【0047】
この結果、比較例1のドリルにおいては、数個の穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じ、比較例2のドリルにおいては、合計で2mの穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じ、比較例3のドリルにおいては、合計で2.4mの穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じた。
【0048】
これに対して、実施例1,2の各ドリルにおいては、合計で8mの穴加工を行った時点においても、主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じるということがなく、穴加工面もきれいであった。
【0049】
また、実施例1のドリルにおいては、合計で8mの穴加工を行った時点におけるドリル本体10先端の摩耗が0.4mmであったが、実施例2のドリルにおいては、その摩耗が0.1mm以下であり、また切削抵抗や切削音も実施例1のドリルに比べて低くなっていた。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明におけるドリルにおいては、各主切刃の外周コーナー部を円弧状に形成すると共に、ドリル本体の先端角をβとした場合に、ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線と円弧状に形成された主切刃の外周コーナー部とが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしたため、各主切刃の外周コーナー部における切削性が低下するのを少なくしながら、各主切刃の外周コーナー部の強度を十分に高めることができるようになった。
【0051】
この結果、この発明におけるドリルの場合、硬度が高い金属材料を穴加工する際に、ドリル本体の先端に設けられた主切刃における回転中心側の部分や外周コーナー部が欠損するのが抑制され、硬度が高い金属材料に対して長期にわたって安定した穴加工が行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドリルの概略側面図及び概略正面図である。
【図2】この発明の一実施形態に係るドリルの概略側面図及び概略正面図である。
【図3】主切刃の外周コーナー部が円弧状に形成されていないドリルと、主切刃の外周コーナー部が円弧状に形成されたドリルとにおいて、それぞれ外周コーナー部のすくい角を求める状態を示した説明図である。
【図4】上記の実施形態に係るドリルの改良例を示した概略正面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 ねじれ溝
12 チゼル刃
13 主切刃
13a 主切刃の外周コーナー部
13b 主切刃の第1切刃
13c 主切刃の第2切刃
14 2番逃げ面
15 3番逃げ面
β ドリル本体の先端角
L 2番逃げ面と3番逃げ面との交線
X チゼル刃と主切刃とが連続する点での主切刃の接線
Z ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線
δ1 チゼル刃と主切刃とが連続する点での各主切刃の接線と直交する方向における接線間の間隔
δ2 各主切刃における2番逃げ面と3番逃げ面との交線と直交する方向における交線間の間隔
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属材料等に穴加工を行うのに使用するドリルに係り、特に、高硬度の金属材料に穴加工を行うのに適したドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属材料等に穴加工を行うにあたっては、一般に、図1(A),(B)に示すように、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成されると共に、このドリル本体10の先端の回転中心から外周側に向かって2つの主切刃13が形成されたドリルが使用されていた。
【0003】
そして、このようなドリルにより金型等の硬質な金属材料に穴加工を行うにあたっては、一般に、金属材料を熱処理して硬化させる前の軟らかい状態で穴加工を行い、その後、これを熱処理して硬化させるようにしている。
【0004】
また、このように穴加工を行った金属材料を熱処理した場合、金属材料が変形して穴の精度が狂うため、再度仕上げの穴加工を行うようにしている。
【0005】
しかし、このように2度の穴加工を行うことは面倒であり、このため、近年においては、金属材料を熱処理して硬化させた後に穴加工することが試みられるようになった。
【0006】
ここで、上記のように金属材料を熱処理して硬化させた場合、この金属材料の硬度がHRC60〜65程度になる。
【0007】
そして、このように硬化された金属材料に対して上記のようなドリルを用いて穴加工を行った場合、このドリル本体10の先端に設けられた上記の主切刃13における回転中心側の部分が欠損したり、また上記の主切刃13における外周コーナー部13aが欠損したりするという問題があった。
【0008】
このため、従来においては、ドリル本体10先端の回転中心側におけるそれぞれの主切刃13間に間隔を設けて、回転中心側の部分が欠損するのを抑制したり、特開2000―59136号公報や特開2002−36018号公報等に示されるように、上記の主切刃13における外周コーナー部13aを円弧状に形成して、主切刃13における外周コーナー部13aが欠損するのを抑制することが提案されている。
【0009】
しかし、上記のようにドリル本体10先端の回転中心側におけるそれぞれの主切刃13間の間隔が適切でないと、穴加工を行う際における食い付き時に刃先が振れやすくなり、精度のよい穴加工が行えなくなったり、また上記のように主切刃13における外周コーナー部13aを円弧状に形成しただけでは、上記のように硬度が高い金属材料を穴加工する際に、依然として主切刃13における外周コーナー部13aが欠損するという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ドリルにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、硬度が高い金属材料を穴加工する際に、ドリル本体の先端に設けられた主切刃における回転中心側の部分や外周コーナー部が欠損するのを抑制し、硬度が高い金属材料に対して長期にわたって安定した穴加工が行えるようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明におけるドリルにおいては、上記のような課題を解決するため、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成され、このドリル本体10の先端の中心から両側にチゼル刃12が形成されると共に、各チゼル刃12と連続してそれぞれドリル本体10の外周に伸びた2つの主切刃13が形成されてなるドリルにおいて、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると共に、このドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしたのである。
【0012】
そして、この発明におけるドリルのように、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると、主切刃13の外周コーナー部13aの強度が高まり、さらにドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにすると、主切刃13の外周コーナー部13aにおける切削性が低下するのを少なくしながら、主切刃13の外周コーナー部13aの強度を十分に高めることができるようになる。すなわち、上記のすくい角γo が−10°より+側になると、外周コーナー部13aにおける強度を十分に高めることができなくなる一方、すくい角γo が−20°より−側になると、外周コーナー部13aにおける切削性が悪くなる。
【0013】
そして、上記のようにドリルを構成すると、熱処理により硬化されて硬度がHRC60〜65程度になった金属材料に穴加工を行う場合においても、各主切刃13の外周コーナー部13aが欠損するのが抑制されて、安定した穴加工が長く行えるようになる。
【0014】
また、この発明におけるドリルにおいて、請求項2に記載したように、上記のチゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xと直交する方向における接線X,X間の間隔δ1が0.10〜0.25mmの範囲になるようにすると、上記のような高硬度の金属材料に穴加工を行う際における食い付きがよくなって刃先が振れるのが抑制されると共に、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのも抑制されるようになる。すなわち、上記の接線X,X間の間隔δ1が0.10mm未満になると、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損しやすくなる一方、上記の間隔δ1が0.25mmを越えると、穴加工を行う際における食い付きが悪くなって刃先が振れ、精度のよい穴加工が行えなくなる。
【0015】
また、この発明におけるドリルにおいて、請求項3に記載したように、ドリル本体10の先端から見た上記の各主切刃13の外周側の部分を直線状に形成し、各主切刃13における上記の直線部分に対して、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10〜15°の範囲で傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0〜0.25mmの範囲になるようにすると、高硬度の金属材料に穴加工を行う際に、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのがより一層抑制されるようになる。
【0016】
さらに、この発明におけるドリルにおいて、請求項4に記載したように、ドリル本体10を先端からテーパー状に収縮した形状に形成し、そのバックテーパーが0.2/100〜0.3/100の範囲になるようにすると、高硬度の金属材料に穴加工を行う際に、このドリルの外周が穴の加工面に接触して擦れるのが抑制されると共に、切削時におけるドリルの直進性が低下するということがなく、切削時における抵抗が増大したり、発熱したり、切削音が発生したり、加工面が傷ついたりするのが抑制されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態に係るドリルを添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0018】
この実施形態におけるドリルにおいては、図2(A),(B)に示すように、ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11を形成すると共に、このドリル本体10の先端の回転中心から両側にチゼル刃12を形成し、各チゼル刃12と連続するようにして、それぞれドリル本体10の外周に伸びた2つの主切刃13を形成している。なお、図面上は明確でないが、上記のドリル本体10は先端からテーパー状に収縮した形状に形成されており、好ましくは、バックテーパーが0.2/100〜0.3/100の範囲になるようにする。
【0019】
そして、上記の各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成すると共に、このドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしている。
【0020】
ここで、上記のすくい角γo は、ラジアルレーキをγf 、リード角をα、アキシャルレーキ(ねじれ角)をγp とした場合、下記の式(1)で表される。
【0021】
γo =tan−1 (tanγf ・cos α+tan γp ・sin α)…(1)
【0022】
そして、上記のリード角αは、図3(A)に示すように、主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成していない場合には、ドリル本体10の先端角βの半分のβ/2になるが、図3(B)に示すように、主切刃13の外周コーナー部13aを主切刃線Kと外周線Mとのなす角の二等分線上に中心をもつ半径Rの円弧状に形成した場合には、上記のリード角αはドリル本体10の先端角βの4分の1のβ/4になる。
【0023】
また、ドリル本体10の先端における直径をD、心厚をdとした場合、上記のラジアルレーキγf は下記の式(2)で表され、ドリル本体10の先端における直径Dが同じ場合には心厚dによって変化する。
【0024】
γf =sin−1−(d/D)…(2)
【0025】
そして、上記の式(1),(2)の結果から、上記の心厚dを大きくしたり、アキシャルレーキ(ねじれ角)γp を小さくしたり、ドリル本体10の先端角βを小さくしたりすることによって、上記のすくい角γo を−側に大きくなり、主切刃13の外周コーナー部13aの強度が高くなる。
【0026】
なお、上記の主切刃13の外周コーナー部13aに設ける円弧の半径Rについては、主切刃13の外周コーナー部13aにおける切削性が低下するのを少なくしながら外周コーナー部13aの強度を高めるため、ドリル本体10の先端における直径Dの0.08〜0.13倍程度にすることが好ましい。
【0027】
また、この実施形態におけるドリルにおいては、図2(B)に示すように、チゼル刃12と連続してドリル本体10の外周に伸びた上記の各主切刃13を、それぞれドリル本体10の外周に伸びた直線状の第1切刃13bと、この第1切刃13bとチゼル刃12との間の直線状の第2切刃13cとで構成している。
【0028】
ここで、上記のように第1切刃13bとチゼル刃12との間に直線状の第2切刃13cを設けた場合、チゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xは上記の直線状になった各第2切刃13cの方向と一致することになる。そして、上記の各接線Xに対して直交する方向における接線X,X間の間隔δ1を0.10〜0.25mmの範囲になるようにしている。
【0029】
また、この実施形態におけるドリルにおいては、ドリル本体10の外周に伸びた上記の直線状の各第1切刃13bと、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lとが平行になっている。
【0030】
なお、この実施形態におけるドリルにおいては、上記のように各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれドリル本体10の外周に伸びた直線状の各第1切刃13bと平行になるようにしたが、ドリル本体10の回転中心側におけるチゼル刃12や主切刃13が欠損するのをより一層抑制するため、図4に示すように、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10〜15°の範囲で傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0〜0.25mmの範囲になるようにすることが好ましい。
【0031】
また、この実施形態におけるドリルにおいて、さらに主切刃13の強度を高めて欠損を抑制するため、主切刃13にホーニングを行うようにすることが好ましい。
【0032】
【実施例】
次に、この発明の条件を満たしている実施例のドリルと、この発明の条件を満たしていない比較例のドリルとを用いて、高硬度の金属材料に対して穴加工を行い、この発明の条件を満たしている実施例のドリルが優れていることを明らかにする。
【0033】
(実施例1)
実施例1においては、微粒子超硬合金を用い、前記の図2(A),(B)に示すようなドリルを製造した。
【0034】
ここで、この実施例1のドリルにおいては、先端の直径Dが6.0mmでバックテーパーが0.1/100になったドリル本体10に対して、心厚dが2.7mmになるようにして、ねじれ角γp が15°になった2つのねじれ溝11を形成すると共に、ドリル本体10の先端角βが140°になるようにした。
【0035】
そして、各主切刃13の外周コーナー部13aを半径Rが0.6mmの円弧状に形成すると共に、この外周コーナー部13aの逃げ角を10°、各主切刃13に対する2番逃げ面14の逃げ角を5°にし、またチゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xに対して直交する方向における接線X,X間の間隔δ1が0.10mmになるようにした。
【0036】
ここで、この実施例1のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo は−14.4°になっていた。
【0037】
そして、上記のように製造したドリルをTiAlNでコーティングした。
【0038】
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10におけるバックテーパーを0.25/100にすると共に、前記の図4に示すように、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10°傾斜させると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0.05mmになるようにした。
【0039】
そして、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にしてドリルを製造した。なお、前記のすくい角γo は、実施例1のドリルと同じ−14.4°になっていた。
【0040】
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、各主切刃13の外周コーナー部13aを円弧状に形成しないようにし、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0041】
なお、この比較例1のドリルにおいては、図3(A)に示すような角張った外周コーナー部13aのすくい角γo が+4.8°になっていた。
【0042】
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10における心厚dが2.1mmになるようにして、ねじれ角γp が15°になった2つのねじれ溝11を形成し、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0043】
なお、この比較例2のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−8.5°になっていた。
【0044】
(比較例3)
比較例3においては、上記の実施例1におけるドリルにおいて、ドリル本体10における心厚dが2.4mmになるようにして、ねじれ角γp が20°になった2つのねじれ溝11を形成し、それ以外は、上記の実施例1のドリルの場合と同様にして、ドリルを製造した。
【0045】
なお、この比較例2のドリルにおいては、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと各主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−8.9°になっていた。
【0046】
次に、上記のように製造した実施例1,2及び比較例1〜3の各ドリルを使用し、HRCが60のSKD11からなる金属材料の被削材に対して、それぞれ切削油を供給しながら、周速度10m/分で回転させると共に、1回転あたりの送りを0.05mmにして、切削深さ20mmまでの穴加工を連続して行った。
【0047】
この結果、比較例1のドリルにおいては、数個の穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じ、比較例2のドリルにおいては、合計で2mの穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じ、比較例3のドリルにおいては、合計で2.4mの穴加工を行った時点で主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じた。
【0048】
これに対して、実施例1,2の各ドリルにおいては、合計で8mの穴加工を行った時点においても、主切刃13の外周コーナー部13aに欠損が生じるということがなく、穴加工面もきれいであった。
【0049】
また、実施例1のドリルにおいては、合計で8mの穴加工を行った時点におけるドリル本体10先端の摩耗が0.4mmであったが、実施例2のドリルにおいては、その摩耗が0.1mm以下であり、また切削抵抗や切削音も実施例1のドリルに比べて低くなっていた。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明におけるドリルにおいては、各主切刃の外周コーナー部を円弧状に形成すると共に、ドリル本体の先端角をβとした場合に、ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線と円弧状に形成された主切刃の外周コーナー部とが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲になるようにしたため、各主切刃の外周コーナー部における切削性が低下するのを少なくしながら、各主切刃の外周コーナー部の強度を十分に高めることができるようになった。
【0051】
この結果、この発明におけるドリルの場合、硬度が高い金属材料を穴加工する際に、ドリル本体の先端に設けられた主切刃における回転中心側の部分や外周コーナー部が欠損するのが抑制され、硬度が高い金属材料に対して長期にわたって安定した穴加工が行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドリルの概略側面図及び概略正面図である。
【図2】この発明の一実施形態に係るドリルの概略側面図及び概略正面図である。
【図3】主切刃の外周コーナー部が円弧状に形成されていないドリルと、主切刃の外周コーナー部が円弧状に形成されたドリルとにおいて、それぞれ外周コーナー部のすくい角を求める状態を示した説明図である。
【図4】上記の実施形態に係るドリルの改良例を示した概略正面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 ねじれ溝
12 チゼル刃
13 主切刃
13a 主切刃の外周コーナー部
13b 主切刃の第1切刃
13c 主切刃の第2切刃
14 2番逃げ面
15 3番逃げ面
β ドリル本体の先端角
L 2番逃げ面と3番逃げ面との交線
X チゼル刃と主切刃とが連続する点での主切刃の接線
Z ドリル本体の軸心に対してβ/4傾斜した線
δ1 チゼル刃と主切刃とが連続する点での各主切刃の接線と直交する方向における接線間の間隔
δ2 各主切刃における2番逃げ面と3番逃げ面との交線と直交する方向における交線間の間隔
Claims (4)
- ドリル本体10の外周に2つのねじれ溝11が形成され、このドリル本体10の先端の中心から両側にチゼル刃12が形成されると共に、各チゼル刃12と連続してそれぞれドリル本体10の外周に伸びた2つの主切刃13が形成されてなるドリルにおいて、各主切刃13の外周コーナー部13aが円弧状に形成されると共に、このドリル本体10の先端角をβとした場合に、ドリル本体10の軸心に対してβ/4傾斜した線Zと上記の円弧状に形成された主切刃13の外周コーナー部13aとが接する点におけるすくい角γo が−10〜−20°の範囲であることを特徴とするドリル。
- 請求項1に記載したドリルにおいて、上記のチゼル刃12と主切刃13とが連続する点での各主切刃13の接線Xと直交する方向における接線X,X間の間隔δ1が0.10〜0.25mmの範囲になっていることを特徴とするドリル。
- 請求項1又は2に記載したドリルにおいて、ドリル本体10の先端から見た上記の各主切刃13の外周側の部分が直線状になっており、各主切刃13における上記の直線部分に対して、各主切刃13における2番逃げ面14と3番逃げ面15との交線Lが、それぞれ2番逃げ面14が外周側に向かって広がるように10〜15°の範囲で傾斜して形成されると共に、上記の各交線Lと直交する方向における交線L,L間の間隔δ2が0〜0.25mmの範囲になっていることを特徴とするドリル。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載したドリルにおいて、上記のドリル本体10が先端からテーパー状に収縮した形状になっており、そのバックテーパーが0.2/100〜0.3/100の範囲であることを特徴とするドリル。
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