JP2004025135A - 吸着装置および吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着塔への吸着負荷が増大することがなく、効率的に吸着剤を再生することができる吸着装置および吸着方法を提供することにある。
【解決手段】吸着装置1は、吸着塔10A、10B内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着装置であって、吸着塔10A、10Bの被処理ガスの供給口および排出口に接続され、吸着塔10A、10B内にキャリアガスを循環させる循環ループ20と、循環ループ20に設けられ、吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで前記キャリアガスを加熱する加熱器40と、循環ループ20に設けられ、吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記キャリアガスを冷却する冷却器50と、循環ループ20に接続され、吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループ20に戻す凝縮器60とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着塔内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着装置および吸着方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、有機溶剤は機器製造業を始め、様々な業種で幅広く使用されている。有機溶剤は揮発性であるため、有機溶剤を貯蔵する貯蔵設備や有機溶剤を使用する反応設備からは、揮発した有機溶剤等の被処理ガスが排出される。
使用されている代表的な溶剤としては、以下のような例が挙げられる。合繊化繊工業では、アセトン、トルエン、CS等が使用されている。合成樹脂工業ではMEK(メチルエチルケトン)、THF(テトラヒドロフラン)、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、塩化メチレン等が使用されている。合成・天然ゴム工業では、n−ヘキサン、ベンゼン等が使用されている。合成皮革工業では、MEK、THF、ジメチルフォルムアミド等が使用されている。
【0003】
医薬品工業では、メタノール、エタノール等が使用されている。加工紙工業では、MEK、IPA(イソプロピルアルコール)、酢酸エチル、メチルセルソルブ等が使用されている。フィルム工業では、THF、IPA、エタノール、塩化メチル等が使用されている。粘着テープ工業では、MEK、IPA、酢酸エチル、トルエン等が使用されている。磁気テープ工業では、アセトン、トルエン、CS等が使用されている。
【0004】
合成樹脂工業では、MEK、MIBK(イソブチルメチルケトン)、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が使用されている。塗装工業では、MEK、ブタノール、n−ヘキサン、トルエン等が使用されている。印刷工業では、MEK、酢酸エチル、トルエン等が使用されている。その他の分野では、硫化水素、塩化水素、亜硫酸ガス、クロロカーボン類、クロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、6弗化硫黄、亜酸化窒素等が使用されている。
【0005】
上記したように被処理ガス中には、大気に放出すると地球温暖化等の環境問題となる除去すべき成分が含まれていることから、厳しい規制が設けられようとしている。
【0006】
被処理ガス中の除去成分を回収する手段として、吸着剤が利用されているが、吸着剤は、その吸着容量に達すると吸着効率が著しく低下し、破過してしまう。そのため、吸着剤は、吸着容量に達する前に再生を行う必要がある。吸着剤の再生方法としては、吸着剤を吸着塔から抜き取り、別の場所で加熱して、吸着剤に吸着していた除去成分を脱着させて再生する方法等がある。
【0007】
以上のような吸着済の吸着剤を加熱することにより再生する方法は、従来から用いられている方法である。この加熱する再生方法としては、例えば、スチーム加熱方式や、高温ガス方式が知られている。
スチーム加熱方式は、吸着済の吸着剤に高温の水蒸気からなるスチームを吹き付けて、吸着剤を加温し、吸着していた除去成分を除去する方法である(1)。
しかし、このスチーム加熱方式では、高温の水蒸気が水へと液化する。この水の中に飽和した状態の除去成分が含まれてしまい、多量の排水が発生するという問題がある。また、この排水中の除去成分は、飽和した状態で含まれているので、除去成分を含む相と水相とに分離することは困難であり、このことからも多量の排水を低減することはできない。
【0008】
上記(1)の方法での問題を解決するために、複数個の吸着塔を用い、有機溶剤を貯蔵する貯蔵設備や有機溶剤を使用する反応設備から発生する溶剤を回収する方法が提案されている(特開平6−226029号公報参照)(2)。
この(2)の方法では、吸着操作終了後の吸着塔の一塔を、下記工程(a)〜(e)の順序で脱着する。
【0009】
(a)脱着する吸着塔内を減圧し、該塔内を不活性ガスで置換する操作を1回以上行う。
(b)置換した不活性ガスを、該吸着塔を含む循環ライン中で循環させながら加温し、該塔内の吸着層を加熱する。
(c)循環を止め、該吸着塔内を減圧し、被処理ガスの1/10以下の流量の不活性ガスを加温しながら吸着層の脱着を行った後、脱着ガスから溶剤を凝縮回収する。
(d)脱着後の吸着塔に、不活性ガスを被処理ガスの1/10以下の流量で流しながら吸着層のパージと冷却を行う。
(e)別の吸着運転中の吸着塔の処理ガスを、工程(d)を終了した吸着塔に導入して吸着層を冷却し、冷却に用いた処理ガスを被処理ガス側に戻す。
【0010】
この(2)の方法では、工程(d)において吸着層のパージや冷却のために使用するパージガスは、不活性ガスや被処理ガスである。このパージガスには、もともと含まれる水分は少なく、そのため、冷却後に発生する排水を少なくすることができる。従って、(1)の方法において生じた問題は解決できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(2)の方法では、上記した工程(b)において、脱着操作においては不活性ガスの循環を止めなければならない。この脱着操作の間、吸着層からの脱着ガス中の未凝縮分は、吸着運転中の別の吸着塔内に戻されてしまうことになる。従って、吸着塔の吸着負荷が増大するという問題が生ずる。
【0012】
本発明の目的は、吸着塔への吸着負荷が増大することがなく、効率的に吸着剤を再生することができる吸着装置および吸着方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために、本発明の吸着装置は、吸着塔内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着装置であって、前記吸着塔の被処理ガスの供給口および排出口に接続され、前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループと、前記循環ループに設けられ、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで前記キャリアガスを加熱する加熱手段と、前記循環ループに設けられ、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記キャリアガスを冷却する冷却手段と、前記循環ループに接続され、前記吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻す凝縮手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
ここで、充填される吸着剤としては、熱履歴に耐えるものであれば基本的に採用可能であり、含有される物質に合った吸着剤を選択できる。例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等各種の吸着剤を使用することができる。
一般的に云えば、被処理ガス中の除去すべき成分となる有機溶剤は、可燃性物質であるケースが多く、このようなケースでは吸着剤自体が可燃物である活性炭の使用は避ける場合が多い。
【0015】
更に、好ましくは高温焼成か、もしくは疎水化処理剤で処理されたシリカゲル、あるいはシリカ/アルミナ比が80以上のハイシリカゼオライトがより好ましい。
また、空気中の水分を吸着してしまうと回収した液体から水を分離することが必要となるため、できるだけ水分を吸着することがなく、且つ炭化水素は吸着する疎水性の吸着剤が好ましい。但し、有機溶剤が窒素等の不活性ガス気流中に含まれる場合にはこの限りではない。
【0016】
本発明の吸着装置では、吸着塔の数に特に制限はなく、吸着塔の吸着剤の吸着時間および再生時間を調整して、好ましい吸着塔の数を設定する。
【0017】
例えば、吸着塔に充填される吸着剤としては、安価なシリカゲル等が挙げられる。上記した吸着時間とは、当然のことながら、吸着塔に導入される被処理ガスの除去成分を吸着剤が吸着する時間のことをいう。
一方、再生時間とは、吸着剤を加熱する時間と、吸着剤から脱着した除去成分を含むキャリアガスをスウィープする時間と、吸着剤を冷却する時間との合計をいう。ここで、加熱時間とは、吸着した吸着剤を昇温したキャリアガスで加温するための時間をいう。スウィープ時間とは、例えば、被処理ガス中の成分を含まないガスにより、被処理ガス中の除去成分等が吸着塔や循環ループ内に残らないように、除去するための時間をいう。
冷却時間とは、冷却したキャリアガスで前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで冷却するための時間をいう。
【0018】
この再生時間は、一般的に、20〜60分程度である。各吸着処理の間の無駄な時間を無くすために、この再生時間の間は、吸着の処理を継続する必要がある。従って、吸着処理する被処理ガスの吸着の負荷が高い場合は、吸着塔の個数を増加することにより対応する。
【0019】
ここで、循環ループでは、ブロア等によりキャリアガスを循環させている。ブロアの必要なヘッド、必要な流量は、吸着剤を再生する時間をどのように設定するかによって決定される。
【0020】
加熱手段としては、一般的にはスチームを熱源とするが、熱水や熱油も使用可能であり、通常の熱交換器(プレートフィン式、シェルアンドチューブ式、プレート式等)から選択可能である。また電気ヒータも適宜使用可能である。
冷却手段としては、通常の熱交換器(プレートフィン式、シェルアンドチューブ式、プレート式等)から選択可能である。
凝縮器としては、通常の熱交換器(プレートフィン式、シェルアンドチューブ式、プレート式等)から選択可能である。
【0021】
本発明の吸着装置では、前記循環ループは、複数の吸着塔のそれぞれの供給口および排出口に接続され、この循環ループに設けられる切換手段で循環経路を切り換えることにより、前記複数の吸着塔内の吸着剤のいずれかを再生可能に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、前記複数の吸着塔内の吸着剤のいずれかを再生可能に構成されていることにより、例えば、1つの吸着塔が、被処理ガスの吸着処理を行っている間に、他の吸着塔の吸着剤から除去成分を加熱したキャリアガスにより脱着させ、再度使用可能な状態にすることができる。
【0022】
このような本発明によれば、循環ループ内で、キャリアガスを加熱して、吸着剤より除去成分を脱着させ、冷却凝縮させているので、外部に影響を及ぼすことなく吸着剤の再生を行える。
【0023】
本発明の吸着装置では、前記凝縮手段で凝縮された液状の除去成分を回収する密閉型の凝縮液受槽を備え、この凝縮液受槽は、その液状の除去成分が溜められる以外の空間が、前記凝縮手段を介して前記循環ループと連通し、前記凝縮液受槽には、前記循環ループ内の圧力変化に応じて該凝縮液受槽内の液状の除去成分の体積を変化させる体積可変手段が設けられていることが好ましい。
【0024】
ここで、循環ループ内のキャリアガスは、加熱、冷却されるので、その体積の膨張・収縮を起こしている。このキャリアガスの膨張・収縮は、キャリアガス中の除去成分の濃度に影響を及ぼし、前述した除去成分を含むキャリアガスのスウィープ時、スウィープされた除去成分を含むキャリアガスを運転中の吸着塔に導入した際、吸着剤への吸着負荷を増大させる原因となっている。
【0025】
この構成によれば、例えば、循環ループ内のキャリアガスの体積が膨張した場合には、凝縮液受槽から体積可変手段へ凝縮した除去成分を授受することにより、凝縮液受槽の気相部分の体積を拡大し、循環ループ内のキャリアガスの体積膨張分を吸収する。
一方、循環ループ内のキャリアガスの体積が収縮した場合には、体積可変手段から凝縮液受槽へ凝縮した除去成分を授受することにより、凝縮液受槽の気相部分の体積を縮小し、循環ループ内のキャリアガスの体積収縮分を補給する。
従って、前記循環ループ内の圧力変化に応じて該凝縮液受槽内の液状の除去成分の体積を変化させることにより、吸着工程中の吸着塔へ循環ループからキャリアガスが戻ることが無いので、吸着負荷が著しく増大することはない。
【0026】
本発明の吸着装置では、前記吸着塔は、その下部が供給口とされ、その上部が排出口とされ、前記循環ループは、前記吸着塔の供給口から排出口に向かって前記キャリアガスを循環させる送風手段を備えていることが好ましい。
ここで、吸着塔内に充填された吸着剤が、微粉末として存在する場合がある。この場合には、吸着剤が吸着塔の下部に集中して圧力損失が増大する。
この構成によれば、前記吸着塔の供給口から排出口に向かって前記キャリアガスを循環させるようにして供給すれば、吸着塔の下部に微粉末状の吸着剤が、集中することにより吸着塔の下部を閉塞したり、圧力損失を増大させることもない。従って、スムーズに被処理ガスを供給することができるので、効率的に被処理ガスの吸着処理を行うことができる。
【0027】
本発明の吸着装置では、前記キャリアガスは、不活性ガスであることが好ましい。
ここで、不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を採用することができる。この中でも、安価な窒素ガスを用いることがより好ましい。
【0028】
被処理ガス中の除去成分が酸素と接触すると爆発的に燃焼し易い成分であったりする場合には、できる限り、酸素の少ない、酸素と接触しにくい雰囲気とすることが必要となる。ここで、前記キャリアガスは、不活性ガスであるならば、吸着塔や循環ループ内を酸素濃度の低い、不活性ガスの雰囲気下とすることができる。従って、除去成分等が爆発的に燃焼することがなくなるので、安全性を高めることができる。
【0029】
本発明の吸着方法は、吸着塔内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着方法であって、前記吸着塔の被処理ガスの供給口および排出口に接続され、前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループにより吸着塔内にキャリアガスを循環させ、前記循環ループに設けられた加熱手段により、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで前記キャリアガスを加熱して、前記吸着塔内の吸着剤から除去成分を脱着させる脱着操作を行い、前記循環ループに接続された凝縮手段により、除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻し、この冷却凝縮後、前記循環ループにキャリアガスをパージして除去成分を含むキャリアガスを取り除くスウィープ操作を行い、このスウィープ操作後、前記循環ループに設けられた冷却手段により、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記キャリアガスを冷却する冷却操作を行うことを特徴とする。
【0030】
吸着塔内の吸着剤の脱着操作が終了した状態では、吸着剤は、除去成分を放出した状態である。そのため、吸着塔や循環ループ内には、少量なりとも、除去成分が残存している場合がある。この吸着剤自体は、脱着が終了した後は、吸着性能が発揮できる温度まで冷却する必要がある。しかし、このまま冷却したのでは、吸着塔内の温度の低下につれて、除去成分が再び吸着剤に吸着される場合がある。従って、以上のスウィープ操作後、冷却操作を行うようにすれば、吸着剤に除去成分が再吸着することもないので、吸着剤の吸着性能を低下させることはない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る吸着塔10A、10Bを備えた吸着装置1が示されている。
吸着塔10A、10Bは、導入ライン11を介して導入される有機成分を含む被処理ガス中の有機溶剤等の除去成分を吸着剤により吸着し、有機溶剤等が除去された清浄な排気ガスを放出ライン12から放出する設備である。
吸着塔10A、10B内に充填される吸着剤としては、高温焼成か、もしくは疎水化処理剤で処理されたシリカゲル、あるいはシリカ/アルミナ比が80以上のハイシリカゼオライトがあげられる。
【0032】
導入ライン11は、途中で配管13A、13Bによって2本に分岐され、それぞれが吸着塔10A、10Bの下部に設けられた供給口に接続され、配管13A、13Bの途中にはバルブ14A、14Bが設けられている。
一方、吸着塔10A、10Bの上部に設けられる排出口には、それぞれ、配管15A、15Bが接続されるとともに、バルブ16A、16Bが設けられ、バルブ16A、16Bの下流側で合流して放出ライン12とされる。
【0033】
このような吸着塔10A、10Bでは、一方の吸着塔10Aで被処理ガスの吸着を行い、他方の吸着塔10Bで内部に充填された吸着剤の再生を行って、これらの切換により連続して被処理ガスの吸着処理を行っている。具体的には、吸着塔10Aで吸着操作、吸着塔10Bで再生操作を行う場合、バルブ14A、16Aを開として、吸着塔10Aに被処理ガスを導入し、バルブ14B、16Bを閉として吸着塔10Bに被処理ガスが導入されないようにする。
【0034】
2つある吸着塔10A、10Bを切り換えて、片方の吸着塔が、被処理ガス中の除去成分を吸着するようにし、もう片方の吸着塔では、同時に吸着剤の再生が行われている。本実施形態では、吸着塔10Aで吸着工程を行うようにし、吸着塔10Bで再生工程を行うようにする。
【0035】
次に、吸着塔10B内部の吸着剤を再生する吸着装置1は、吸着塔10A、10Bの他に、循環ループ20と、加熱器40と、冷却器50と、凝縮器60と、凝縮液受槽70とを備えて構成されている。
【0036】
循環ループ20は、キャリアガスを図1中の矢印で示したA方向に循環させるループとして構成され、各吸着塔10A、10Bの配管13A、13Bから分岐した配管21A、21Bと、各配管21A、21Bの途中に介在するバルブ22A、22Bと、配管21A、21Bの合流部分に配置されるブロア23と、ブロア23の下流側に接続される配管24と、さらにその上流で分岐する配管25A、25Bと、配管25A、25Bの途中に介在するバルブ26A、26Bと、冷却器50の下流で加熱器40との合流部の上流側に設けられたバルブ27と、配管25A、25Bの下流側で合流する部分に接続される配管28と、吸着塔10A、10Bの排出側の配管15A、15Bのそれぞれに接続される配管29A、29Bと、配管29A、29Bの途中に介在するバルブ30A、30Bとを備えている。
【0037】
なお、バルブ27の上流側と導入ライン11の間に、接続管31が設けられ、接続管31の途中にはバルブ32が介在している。
この接続管31は、後述する循環ループ20内でのスウィープ操作時、除去成分を含むキャリアガスを導入ライン11に導入し、吸着塔10A内での吸着剤で除去成分を吸着させ清浄な排ガスとして排出するために設けられている。
【0038】
循環ループ20には、バルブ26Aと配管28との間に加熱器40、バルブ26Bと配管28との間に冷却器50が設けられている。また、循環ループ20には、配管24に接続管61を介して凝縮器60が接続されている。
【0039】
加熱器40は、吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度までキャリアガスを加熱するものであり、スチームを使用して加熱する装置である。
冷却器50は、吸着剤が吸着性能を発揮できる温度までキャリアガスを冷却するものであり、プレート式の熱交換器である。この冷却器50と加熱器40は、それぞれの冷却能力および加熱能力が略同等である。
【0040】
冷却器50および凝縮器60は、冷却器50、チラーユニット51、配管52、ポンプ53、凝縮器60、配管54、冷却器50のように接続され、熱交換用冷媒の循環のための、閉ループを形成している。
チラーユニット51は、熱交換用冷媒を冷却する。熱交換用冷媒としては、冷却水が用いられ、この冷却水は、7〜10℃に冷却されている。
ポンプ53は、熱交換用冷媒を冷却器50や凝縮器60等が形成する閉ループ内に循環させる。
【0041】
凝縮器60は、吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループ20に戻すものであり、プレート式の熱交換器である。
【0042】
また、凝縮器60は、接続管62、オリフィス63、バルブ64を介して、配管21A、21Bの合流部分と接続されている。この接続管62は、凝縮器60の上部に接続されている。オリフィス63は、接続管62内の冷却凝縮後のキャリアガスの流量を制限するために用いる。さらに、接続管62と導入ライン11の間には、接続管65が設けられ、接続管65の途中には制御弁66が介在している。
【0043】
凝縮液受槽70は、凝縮器60で凝縮された液状の除去成分を回収するための密閉型の容器であり、その液状の除去成分が溜められる以外の空間が、凝縮器60を介して循環ループ20と連通している。凝縮液受槽70は、凝縮器60の下側に配置されている。
【0044】
凝縮器60の下部に設けられた導入管71は、凝縮液受槽70内に挿入されている。この導入管71は、凝縮器60で凝縮した除去成分を回収する凝縮液受槽70に除去成分を移すためのものである。凝縮液受槽70の上部には、ベント70Aが設けられており、接続管62と連通している。
【0045】
被処理ガス中に空気中の水分が含まれると凝縮液は2液相に分離する。このため、凝縮液受槽70の内部には仕切り板70Bを設けて、凝縮液受槽70内の空間を、回収部70Cと排出部70Dとに分割している。回収部70Cでは2液の相分離に必要な滞留時間を確保し、軽質液が仕切り板70Bをオーバーフローして排出部70Dに溜まる。
【0046】
なお、導入管71の先端は回収部70Cの2液相界面制御目標位置より若干低い位置に設置する。
ここで、被処理ガス中には、空気中に含まれる水分も含まれており、吸着塔内では、除去成分と同時に、この水分も、吸着剤に吸着される。このため、被処理ガス中の除去成分には、水分も含まれ、有機物等の除去成分と水分の2相となる場合がある。この除去成分と水分との2相の界面を乱すと、分離効果が損なわれる。そのため、溜められた液状の除去成分の液面よりも導入管71の先端が上側にあると、導入管71より滴下される液状の除去成分が、溜められた除去成分の液面を乱し、分離効果を損なう。従って、導入管71の先端は回収部70Cの2液相界面制御目標位置より若干低い位置に設置するようにすれば、除去成分の液面を乱すこともないので、分離効果を損なうこともない。
【0047】
排出部70Dは、仕切り板70Bを超えて回収部70Cからあふれた液状の除去成分を溜める。排出部70Dには側面部に排出口が設けられ、この排出口から軽質液除去成分を排出する。この排出口には、配管72が接続され、配管72の途中には、回収液シフトポンプ73、制御弁74が、この順番で設けられている。回収液シフトポンプ73、制御弁74は、排出する除去成分の流量を調節する。
【0048】
凝縮液受槽70の下側には、バッファータンク80が配置されている。凝縮液受槽70の下部には、制御弁81および導入管82が設けられている。導入管82は、バッファータンク80内に挿入されている。バッファータンク80の上部には、鈎形状のベント80Aが設けられている。
【0049】
バッファータンク80の下部側の側面には、排出口が設けられ、この排出口から導入した重質相液状除去成分を排出する。この排出口には、配管83が接続され、配管83の途中には、バッファ液シフトポンプ84、制御弁85が、この順番で設けられている。
【0050】
バッファ液シフトポンプ84、制御弁85はバッファータンク80の重質液の界面の位置がある範囲に入るように調節する。バッファ液シフトポンプ84と制御弁85との間には、戻り管86が接続され、戻り管86の途中には、制御弁87が設けられている。戻り管86は、凝縮液受槽70の上側より、凝縮液受槽70の内部に挿入されている。なお、戻り管86の先端は、凝縮液受槽70の回収部70Cに溜められた液状の除去成分の軽質液・重質液の界面より下側に達している。
【0051】
ここで、循環ループ20内に存在するキャリアガス等は、加熱・冷却等されるため膨張・収縮するために体積が変化する。このため、凝縮液受槽70およびバッファータンク80内に、回収され、溜められる重質液除去成分の滞液量は、キャリアガス等の体積の変化量以上の量になるようにしておく。
循環ループ20内の圧力変化に応じて凝縮液受槽70内の重質液を制御弁81を介してバッファータンク80へ移送あるいは制御弁87を介して返送することにより、循環ループ20の圧力を制御する。
【0052】
不活性ガス発生装置90は、循環ループ20内のバルブ26Aと加熱器40との間に設けられ、キャリアガスとなる窒素ガスを発生するものである。このキャリアガスは、所定の温度まで加熱された後、吸着塔10A、10B内の吸着剤を加熱して、吸着剤に吸着された除去成分を気化、脱着させることにより、再生を行うものである。
【0053】
この吸着装置1の運転方法について説明する。
(前準備)
まず、吸着装置1の循環ループ20内の圧力制御をするために、制御弁66、81、87を作動状態とする。
ここで、循環ループ20内の圧力は、制御弁81、87を用いて通常圧力(例えば、1961.3Pa(200mmHOを換算した値))に制御し、さらに高い圧力(例えば、3922.6Pa(400mmHOを換算した値))に達する場合には、制御弁66を用いて制御を行う。
【0054】
また、凝縮液受槽70内の回収された液状の除去成分のレベル制御のために、制御弁74を作動状態とする。さらに、バッファータンク80内の授受された液状の除去成分のレベル制御のために、制御弁85を作動状態とする。
【0055】
チラーユニット51を起動して、熱交換用冷媒を冷却する。熱交換用冷媒としては、冷却水が用いられ、この冷却水を7〜10℃に冷却する。その後、ポンプ53を起動し、熱交換用冷媒を冷却器50、チラーユニット51、配管52、ポンプ53、凝縮器60、配管54、冷却器50のように循環させる。そして、冷却器50、凝縮器60は、起動しておく。
【0056】
さらに、不活性ガス発生装置90を起動して、バルブ26A、配管25A、凝縮器60にキャリアガス(窒素ガス)を通過させ、凝縮液受槽70およびバッファータンク80内にキャリアガス(窒素ガス)を充填する。この際、公知の酸素濃度計等を凝縮液受槽70およびバッファータンク80に予め取り付けておき、凝縮液受槽70およびバッファータンク80内の酸素濃度を測定できるようにしておく。凝縮液受槽70およびバッファータンク80内の酸素濃度を除去成分が、燃焼することがない酸素濃度になるまで、凝縮液受槽70およびバッファータンク80内にキャリアガス(窒素ガス)を充填する。
【0057】
(吸着塔10Aの吸着工程)
吸着塔10A、10Bは吸着と再生を交互に切換えて使用する。まず、バルブ14A、16Aを開き、導入ライン11を介して導入される被処理ガス中の除去成分を吸着剤により吸着し、清浄となった排気ガスを放出ライン12から放出する。
【0058】
(吸着塔10Bの再生工程)
吸着塔の再生操作は、再生操作前準備、脱着操作、スウィープ操作、冷却操作を備えている。この再生操作に要する時間は、20〜60分程度である。
(吸着塔10Bの再生操作前準備)
ここで、吸着塔10Bでは、既に吸着操作を行った状態である。まず、バルブ14B、16B、22A、30Aを閉じ、バルブ22B、30Bを開いておく。その後、バルブ26A、27を閉じ、バルブ26B、32を開いておく。不活性ガス発生装置90を起動して、循環ループ20内を除去成分が、燃焼することがない酸素濃度になるまで、キャリアガス(窒素ガス)を充填する。キャリアガスの量は、望ましくは、循環ループ20内容積の60体積%以上となるようにする。
【0059】
この際、キャリアガス(窒素ガス)は、不活性ガス発生装置90、加熱器40、配管28、バルブ30B、配管15B、吸着塔10B、配管13B、配管21B、バルブ22B、ブロア23、配管24、配管25A、配管25B、バルブ26B、冷却器50、接続管31を経て、導入ライン11まで達する。除去成分が燃焼することがない酸素濃度になるまで、キャリアガス(窒素ガス)を充填し、充填し終わったら、バルブ26Aを開き、バルブ26B、32を閉じる。
【0060】
(吸着塔10Bの脱着操作)
ブロア23を起動する。キャリアガス(窒素ガス)の循環量は、所定の時間内に吸着剤から除去成分が脱着する温度まで、加熱するのに必要な量とする。その後、バルブ64を開き、加熱器40を起動し、キャリアガス(窒素ガス)を加熱する。この加熱する温度は、40〜160℃になるまで行う。この目的の温度で5分以上保持するようにする。
【0061】
この際、吸着剤から除去成分が脱着して発生した脱着ガスは、吸着塔10Bから、配管13B、配管21B、バルブ22B、ブロア23、配管24、接続管61を経て、凝縮器60に達する。この凝縮器60内では、冷却凝縮後のキャリアガスと冷却凝縮された液状の除去成分とが存在する。冷却凝縮後のキャリアガスは、凝縮器60の上部より、接続管62、オリフィス63、バルブ64を経て、再度循環ループ20内に戻される。冷却凝縮後のキャリアガスの流量は、循環ループ20内の循環量の5〜30体積%程度になるようにする。
【0062】
冷却凝縮後のキャリアガスの流量が、循環ループ20内の循環量の5体積%未満であると、吸着剤の脱着量と、除去成分が冷却凝縮する量とのバランスがとれなくなるので、循環ループ20内の圧力が上昇する場合がある。
冷却凝縮後のキャリアガスの流量が、循環ループ20内の循環量の30体積%を超えると、加熱器40で与える熱と凝縮器60で奪う熱が無意味に消費されることとなり、エネルギーの利用効率が低下する場合がある。
【0063】
冷却凝縮された液状の除去成分は、導入管71より排出され、凝縮液受槽70に回収される。ここで、循環ループ20の温度上昇と吸着剤からの脱着ガスが発生することにより、循環ループ20内の圧力が上昇する。
そこで、制御弁81を開き、凝縮液受槽70で回収した液状の除去成分は、バッファータンク80に授受されることにより、凝縮液受槽70内の気相部分の容積を拡大して、循環ループ20内の体積膨張分を吸収する。このようにして、循環ループ20内の圧力を一定に保つ。
【0064】
(吸着塔10Bのスウィープ操作)
循環ループ20にキャリアガスをパージして除去成分を含むキャリアガスを取り除くスウィープ操作を行う。
具体的には、まず、ブロア23の上流側に設けられているダンパ(図示せず)を絞ること、あるいは、ブロア23のインバータ制御等によりブロア23の回転数を下げること、により流量を設定する。この設定する流量は、キャリアガス(窒素ガス)の導入量の流量でブロア23がサージング(流量が周期的に変動する)しない条件になるものである。
【0065】
その後、バルブ26A、27を閉じ、バルブ26B、32を開く。不活性ガス発生装置90でキャリアガス(窒素ガス)を発生させる。
この際、キャリアガス(窒素ガス)は、循環ループ20内にパージされ、循環ループ20内を以下のように流れる。すなわち、不活性ガス発生装置90、加熱器40、配管28、バルブ30B、配管15B、吸着塔10B、配管13B、配管21B、バルブ22B、ブロア23、配管24、配管25B、バルブ26B、冷却器50、バルブ32、接続管31を経て、導入ライン11まで達する。キャリアガス(窒素ガス)は、加熱器40、バルブ27、配管28、バルブ30B、配管15Bの組成が燃焼することがない濃度になるまで充填される。
【0066】
次に、不活性ガス発生装置90の起動を止め、キャリアガス(窒素ガス)の発生を停止すると共に加熱器40を停止する。その後、バルブ16Bを開けて吸着塔処理ガスを導入し、実質的に循環ループ20から除去成分が無くなるまでスウィープする。スウィープするために必要な吸着塔処理ガスの導入量は、吸着塔10Bの容積の1〜10倍の量である。
【0067】
(吸着塔10Bの冷却操作)
まず、バルブ27を開き、バルブ32を閉じる。バルブ16Bも閉じる。ブロア23に設けられているダンパ(図示せず)を開けること、あるいは、ブロア23のインバータ制御等によりブロア23の回転数を上げること、により流量を設定する。この設定する流量は、所定の時間で吸着塔10B内の吸着剤が冷却するに必要な流量である。
【0068】
冷却器50により、循環ガスが冷却され、この冷却された循環ガスが、吸着塔10Bまで達し、吸着剤を冷却する。その後、所定の流量に達したら、ブロア23を停止する。以上で、冷却操作が終了する。
【0069】
ここで、循環ループ20の温度降下により、循環ループ20内の圧力が下降する。そこで、制御弁87を開き、バッファータンク80の重質液除去成分を凝縮液受槽70に移すことで、凝縮液受槽70内の気相部分の容積を縮小して、循環ループ20内の体積収縮分を補給する。このようにして、循環ループ20内の圧力を一定に保つ。
以上で、吸着塔10Bの吸着剤の再生操作は、完了する。そして、吸着塔10Aは、吸着操作を行った状態となっている。吸着塔を切り換えて、吸着塔10Aで再生操作が行われ、吸着塔10Bで吸着操作が行われるようにする。まず、バルブ14B、16Bを開け、バルブ14A、16A、22B、30Bを閉じ、バルブ22A、30Aを開いておく。以下、前述の(再生操作前準備)で説明したようにキャリアガスを充填し、再生操作を行う。
【0070】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)循環ループ20内で、キャリアガスを加熱して、吸着剤より除去成分を脱着させ、冷却凝縮させているので、外部に影響を及ぼすことなく吸着剤の再生を行える。
【0071】
(2)循環ループ20内で、キャリアガスを加熱して、吸着剤より除去成分を脱着させ、冷却凝縮させているので、吸着運転中の吸着塔10Aに戻ることはない。従って、吸着塔10Aの吸着負荷が増大することがない吸着装置1とすることができる。また、吸着負荷が増大することがないので、効率的に吸着剤を再生することができる。
【0072】
(3)複数の吸着塔10A、10B内の吸着剤のいずれかを再生可能に構成されていることにより、吸着塔10Aが、被処理ガスの吸着処理を行っている間に、吸着塔10Bの吸着剤から除去成分を加熱したキャリアガスにより脱着させ、再度使用可能な状態にすることができる。
【0073】
(4)凝縮液受槽70とバッファータンク80により、循環ループ20内の圧力変化に応じて凝縮液受槽70内の液状の除去成分の体積を変化させることにより、吸着工程中の吸着塔へ循環ループ20からキャリアガスが戻ることが無いので、吸着負荷が著しく増大することはない。
【0074】
(5)吸着塔10A、10Bの供給口から排出口に向かってキャリアガスを循環させるようにして供給すれば、吸着塔10A、10Bの下部に微粉末状の吸着剤が、集中することにより吸着塔10A、10Bの下部を閉塞したり、圧力損失を増大させることもない。従って、スムーズに被処理ガスを供給することができるので、効率的に被処理ガスの吸着処理を行うことができる。
【0075】
(6)被処理ガス中の除去成分が酸素と接触すると爆発的に燃焼し易い成分であったりする場合には、できる限り、酸素の少ない、酸素と接触しにくい雰囲気とすることが必要となる。ここで、キャリアガスは、不活性ガス(窒素ガス)であり、吸着塔10A、10Bや循環ループ20内を酸素濃度の低い、不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気下とすることができる。従って、除去成分等が爆発的に燃焼することがなくなるので、吸着処理における安全性を高めることができる。
【0076】
(7)体積可変手段であるバッファータンク80は、凝縮液受槽70の下側に配置されていることにより、凝縮液受槽70内の凝縮液をポンプ等の設備を必要とせずに、重力による落下によりバッファータンク80に授受することができる。従って、吸着装置1の設置面積を減少させることができるので、吸着装置1の省スペース化を図ることができる。
【0077】
(8)凝縮液受槽70は、凝縮器60の下側に配置されていることにより、凝縮器60内の凝縮液をポンプ等の設備を必要とせずに、重力による落下により凝縮液受槽70に授受することができる。従って、吸着装置1の設置面積を減少させることができるので、吸着装置1の省スペース化を図ることができる。
【0078】
(9)加熱器40および冷却器50は、それぞれの加熱能力および冷却能力が略同等であることにより、略同程度の圧力損失となるので、吸着装置1のプロセスバランスを良好に保つことができる。
【0079】
(10)導入管71の先端は、回収部70Cに溜められた除去成分の液面より下側に達しているようにしているから、除去成分の液面を乱すこともないので、分離効果を損なうこともない。
【0080】
(11)スウィープ操作後、冷却操作を行うようにしているから、吸着剤に除去成分が再吸着することもないので、吸着剤の吸着性能を低下させることはない。
【0081】
(12)凝縮器60中の冷却凝縮後のキャリアガスを接続管62を介して、凝縮器60の上部より排出することにより、冷却凝縮後のキャリアガスが、上昇させることで、凝縮器60から排出されることになる。従って、凝縮器60の内部で除去成分が蓄積することがなく、伝熱面がブランキングされ、伝熱効果が著しく低下するのを防ぐことができる。
【0082】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、不活性ガスとしては、窒素ガスを採用していたが、これに限られず、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を採用することができる。その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
【0083】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
前記実施形態において、具体的条件を下記の通りとして被処理ガスの吸着・再生を行った。
【0084】
Figure 2004025135
【0085】
上記の条件で吸着・再生の切り替えインターバルを1時間に設定した結果、次のような性能を確認できた。
(吸着剤再生条件)
循環するガスの量    1800 m/hr
加熱器40  熱源   176 ℃(圧力 8kg/cmG 飽和スチーム)
吸着剤温度       20分で120 ℃まで昇温
吸着剤のスウィープ    360m/hr にて10分間実施
【0086】
吸着剤の冷却は、1800 m/hr のガスを30℃に冷却して30分間循環し、吸着剤の温度を40℃以下まで冷却した。(吸着運転時の吸着塔の排出側で32℃、供給側で40℃であった。)
以上のように吸着・再生を行い、吸着塔から排出されたガスの濃度を調べると以下のようになった。
吸着塔から排出されたガスの組成  o−クロロトルエン  6 体積ppm
{(193−6)/193}×100≒97
従って、除去効率は、97%であった。
【0087】
[実施例2]
実施例1と異なるのは、被処理ガスの組成である。
Figure 2004025135
【0088】
他の条件は、実施例1と同様に行った。
吸着塔供給側での全炭化水素(THC)の濃度    1750 ppmC
吸着塔排出側での全炭化水素(THC)の濃度    75   ppmC
{(1750−75)/1750}×100≒96
従って、除去効率は、96%であった。
【0089】
実施例1、2の結果より、除去効率が高いので、吸着負荷を増大させることなく、被処理ガスより除去成分を除去していることがわかる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、吸着塔への吸着負荷が増大することがなく、効率的に吸着剤を再生することができる吸着装置および吸着方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の吸着装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1   吸着装置
10A、10B   吸着塔
20   循環ループ
23   ブロア
40   加熱器
50   冷却器
60   凝縮器
70   凝縮液受槽
80   バッファータンク

Claims (6)

  1. 吸着塔内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着装置であって、
    前記吸着塔の被処理ガスの供給口および排出口に接続され、前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループと、
    前記循環ループに設けられ、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで前記キャリアガスを加熱する加熱手段と、
    前記循環ループに設けられ、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記キャリアガスを冷却する冷却手段と、
    前記循環ループに接続され、前記吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻す凝縮手段とを備えていることを特徴とする吸着装置。
  2. 請求項1に記載の吸着装置において、
    前記循環ループは、複数の吸着塔のそれぞれの供給口および排出口に接続され、この循環ループに設けられる切換手段で循環経路を切り換えることにより、前記複数の吸着塔内の吸着剤のいずれかを再生可能に構成されていることを特徴とする吸着装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の吸着装置において、
    前記凝縮手段で凝縮された液状の除去成分を回収する密閉型の凝縮液受槽を備え、
    この凝縮液受槽は、その液状の除去成分が溜められる以外の空間が、前記凝縮手段を介して前記循環ループと連通し、
    前記凝縮液受槽には、前記循環ループ内の圧力変化に応じて該凝縮液受槽内の液状の除去成分の体積を変化させる体積可変手段が設けられていることを特徴とする吸着装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸着装置において、
    前記吸着塔は、その下部が供給口とされ、その上部が排出口とされ、
    前記循環ループは、前記吸着塔の供給口から排出口に向かって前記キャリアガスを循環させる送風手段を備えていることを特徴とする吸着装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸着装置において、
    前記キャリアガスは、不活性ガスであることを特徴とする吸着装置。
  6. 吸着塔内に充填された吸着剤により有機成分を含む被処理ガス中の除去成分を吸着し、その吸着剤の再生を行う吸着方法であって、
    前記吸着塔の被処理ガスの供給口および排出口に接続され、前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループにより吸着塔内にキャリアガスを循環させ、
    前記循環ループに設けられた加熱手段により、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで前記キャリアガスを加熱して、前記吸着塔内の吸着剤から除去成分を脱着させる脱着操作を行い、
    前記循環ループに接続された凝縮手段により、除去成分を含むキャリアガスを冷却凝縮し、冷却凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻し、
    この冷却凝縮後、前記循環ループにキャリアガスをパージして除去成分を含むキャリアガスを取り除くスウィープ操作を行い、
    このスウィープ操作後、前記循環ループに設けられた冷却手段により、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記キャリアガスを冷却する冷却操作を行うことを特徴とする吸着方法。
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