JP2007069156A - 吸着装置および吸着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸着塔A,B,C,Dに導入される被処理ガスの流路を、吸着処理の初期には吸着塔を直列(例えば吸着塔AからB)に接続する状態に切り換え、吸着処理の終期には下流側の吸着塔(例えば吸着塔B)のみに被処理ガスを流通させる状態に切り換えている。これにより、吸着処理の初期に高濃度の除去成分の大部分を吸着塔A内の吸着剤に吸着させ、吸着処理の終期における低濃度の除去成分を、吸着処理の初期に殆ど吸着していない吸着塔B内の吸着剤に吸着させることができる。このため、吸着塔内の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されることを防ぐことができ、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着処理できる。
【選択図】 図1
Description
特にケミカルタンカーにおいては、積荷のケミカル(有機成分)の払出後、異なる種類のケミカルをタンクに詰め替える前に、異なる成分の混入を防ぐためにもタンク内に付着あるいは滞留したケミカルを通風乾燥(クリーニング)している。この際、VOCが大気中に放出され、これによる地球温暖化等の環境問題や、乗組員あるいは沿岸住民の健康被害問題が懸念されている。
この特許文献1に記載の構成では、吸着装置は、内部にシリカゲルなどの吸着剤がそれぞれ充填された2つの吸着塔を備えている。これら吸着塔は、導入ラインを介して導入される被処理ガス中の有機溶剤等を当該吸着剤により吸着し、有機溶剤等が除去された清浄な排気ガスを放出ラインから放出する。
導入ラインは、途中で配管によって2本に分岐され、それぞれが各吸着塔の下部に設けられた供給口に接続されている。一方、各吸着塔の上部に設けられる排出口には、それぞれ、配管が接続されて、下流側で合流して放出ラインとされている。
このような吸着塔では、一方の吸着塔で被処理ガスの吸着を行い、他方の吸着塔で内部に充填された吸着剤の再生を行って、これらの切換により連続して被処理ガスの吸着処理を行う、という構成が採られている。
さらに、凝縮手段に設けられた冷却部により、吸着剤を冷却するためのガスの冷却を行っているため、吸着剤冷却手段に新たな冷却部を設ける場合に比べ、冷却部の数を削減できる。これにより吸着装置のコストを低減することができる。
また、循環ループ内で加熱手段により加熱されたキャリアガスを循環させるので、キャリアガスの循環量により、吸着塔の再生時間を調整することができる。
さらに、吸着剤の冷却を行う吸着剤冷却手段は、冷却部で冷却した吸着剤冷却用のガスを運転処理中の吸着塔を介して再生処理中の吸着塔内に導入する構成であるため、冷却部による冷却により、吸着剤冷却用のガスの体積が収縮した場合であっても、運転処理中の吸着塔からの処理済の清浄ガスを加えることができ、これにより、体積収縮分を補給することができる。
このような本発明によれば、JIS−A型のシリカゲルは、非常に微細で多孔質な毛細管構造になっており、被処理ガス中の除去成分の吸着力が高いため、吸着塔内の吸着剤の再生に長時間かかることがあっても、運転中の他の吸着塔内の吸着剤が破過しない。
このような疎水性のシリカゲルは、空気中の湿分を吸着しにくく、湿分による吸着負荷や脱着負荷が少ないため、吸着塔内への吸着剤の充填量が少なくてすみ、再生時間を短縮することができる。
これにより、各配管に設けられたバルブを適宜閉塞・開放するだけで、排気ダクトから排出された被処理ガスの状態に合わせて好適な吸着処理を行うことができる。つまり、簡易な構成であるので吸着装置の製造コストを低廉なものとすることができる。
また、通常、ケミカルタンカーのタンクをクリーニングする場合、右舷及び左舷に設けられた複数のタンクのクリーニングを同時に行うため複数の排気ダクトから同時に被処理ガスが排出されるが、本発明では、これら複数の排気ダクトを連通させる状態に導入側連結管を設けているので、いずれかのタンクのクリーニングを停滞させることなく効率良くクリーニングすることができる。したがって、低コストで高効率の吸着処理を行うことができる。
このような本発明によれば、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度のVOCを含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合であっても、クリーニングの作業の後期において、初期に吸着したVOCが脱着して放出されることを確実に防ぐことができる。したがって、全体の除去率が低下することを防ぐことができる。
このような本発明によれば、前述した吸着装置と同様の効果を奏することができる、すなわち、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できる。
〔吸着装置1の構成〕
図1には、本発明の一実施形態に係る吸着装置1が示されている。この吸着装置1は、例えば、左舷および右舷にペアで設けられたタンクa,b、および、左舷および右舷にペアで設けられたタンクc,dの計4基のタンクを備えた図示しないケミカルタンカーに搭載されている。そして、吸着装置1は、各タンクa,b,c,dにそれぞれ対応する吸着塔A,B,C,Dと、これら吸着塔A,B,C,Dに被処理ガスを導入するための導入ライン10と、吸着塔A,B,C,Dで吸着処理(後述)された後の被処理ガスを放出するための放出ライン20と、循環ループ30とを備えている。
そして、各吸着塔A,B,C,Dの内部に充填される吸着剤は、JIS−A型のシリカゲルであり、比表面積が500m2/g以上、関係湿度50%での吸湿率が25%以下の疎水性シリカゲルである。このような疎水性シリカゲルは、JIS−A型のシリカゲルを400〜600℃で、20分〜4時間程度焼成することで得られる。また、シランカップリング剤等で表面処理することによっても得ることができる。
なお、上述したバルブ110,120,130,140,210,220,230,240,250,260は、本発明における流路切換手段として機能する。
このような循環ループ30は、不活性ガス導入管31と、不活性ガス導入管31および後述する加熱手段40を接続する配管32と、加熱手段40および吸着塔A,B,C,Dのそれぞれの排出口を接続する配管33と、吸着塔A,B,C,Dのそれぞれの供給口に接続された配管34と、この配管34が接続された配管34と、このブロア35および配管32を接続する配管36とを備えて構成されている。
上記操作で循環ループ30および吸着塔A,B,C,Dに導入された不活性ガスは、そのままキャリアガスとして循環され、後述する脱着工程および凝縮工程において、主に吸着塔A,B,C,D内部の吸着剤を加熱および冷却するために使用される。
このような不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、希ガス、エンジン排ガス、燃焼排ガス等の酸素を含有しない、あるいは酸素濃度が低い(例えば4%以下)ガスが用いられる。
配管33は、一端が後述する加熱手段40に接続され、他端側が4つに分岐されている。すなわち、配管33の他端側には、吸着塔Aの排出口に接続される配管331と、吸着塔Bの排出口に接続される配管332と、吸着塔Cの排出口に接続される配管333と、吸着塔Dの排出口に接続される配管334とが設けられている。これら配管331,332,333,334の途中には、それぞれ再生用切換手段としてのバルブ335,336,337,338が設けられている。
配管36は、前述したように一端がブロア35に接続され、他端側が2つに分岐されている。すなわち、配管36の他端側には、後述する凝縮手段50における冷却部51に接続された配管361と、バルブ363に接続された配管362とが設けられている。このバルブ363は本発明における再生用切換手段に相当し、このバルブ363を開放することにより、配管32と、加熱手段40と、配管33と、吸着塔A,B,C,Dと、配管34と、ブロア35と、配管36とでキャリアガスが循環可能な一連の閉経路が形成される。
凝縮液受槽53は、冷却部51にて凝縮された後、凝縮液導入管52を介して滴下した液状の除去成分を受容する。
配管56は導入配管11におけるバルブ110と吸着塔Aとの間に接続され、配管57は導入配管12におけるバルブ120と吸着塔Bとの間に接続され、配管58は導入配管13におけるバルブ130と吸着塔Cとの間に接続され、配管59は導入配管14におけるバルブ140と吸着塔Dとの間に接続されている。これら配管56,57,58,59の途中には、再生用切換手段としてのバルブ560,570,580,590が設けられている。これらバルブ560,570,580,590は、後述するスウィープ工程や吸着剤冷却工程などを対応する吸着塔に対して施す場合に開放される。
配管62は、ブロア61の排出方向先端から循環ループ30の配管32の途中までを接続する。この配管62には、再生用切換手段としてのバルブ620が設けられている。このバルブ620は、後述するスウィープ工程において開放され、当該開放により吸着処理中の吸着塔からの清浄ガスあるいは当該吸着塔を通過したキャリアガスが循環ループ30内に供給可能になる。
配管63は、ブロア61の排出方向先端から、循環ループ30の配管33における分岐点よりも上流側までを接続する。この配管63には、再生用切換手段としてのバルブ630が設けられている。このバルブ630は、後述する吸着剤冷却工程において開放され、当該開放により吸着処理中の吸着塔からの清浄ガスあるいは当該吸着塔を通過したキャリアガスが循環ループ30内に供給可能になる。
次に、このような吸着装置1の動作について説明する。なお、ここでは、説明の簡易化のために、吸着塔A,Bの吸着処理および吸着塔Aの再生処理についてのみ説明するが、吸着塔C,Dの吸着処理および吸着塔B,C,Dの再生処理についても同様であり、かつ、吸着塔A,Bと吸着塔C,Dとの同時稼動も可能である。
本実施形態では、ケミカルタンカーにおけるタンクa,bのクリーニングを行う。すなわち、初期に高濃度(例えば3%)のVOCなどの除去成分を含む被処理ガスがタンクa,bから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う。
ここで、吸着塔Aによる吸着処理が停止し、吸着塔Bによる吸着処理のみが実施されている吸着処理の終期において、同時並行して吸着塔Aの再生処理を行う。ここで、再生処理は、再生処理準備工程、脱着工程、凝縮工程、スウィープ工程、吸着剤冷却工程を備えている。
まず、バルブ120,220のみが開放された状態から、さらにバルブ335,345,570を開放し、これら以外の全てのバルブは閉塞したままとする。次に、循環ループ30のインベントリーの約60%以上に相当する量の不活性ガスを、不活性ガス導入管31から導入する。この不活性ガスは、不活性ガス導入管31から、配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、配管361、冷却部51、配管54、配管57、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28へと流れて大気放出される。
このようにすることで、吸着塔Aの再生処理に当って循環ループ30の経路内の酸素濃度を最小燃焼酸素濃度(MOC)以下に下げることができ、これにより、次工程の脱着工程にて脱着された除去成分による爆発雰囲気が生成されないことになる。
この後、ブロア35を起動し、さらに加熱手段40を駆動する。次に、バルブ363を開放してバルブ570を閉塞する。つまり、バルブ120,220,335,345,363のみが開放された状態とし、これらのバルブ以外の全ては閉塞したままとする。そして、不活性ガス導入管31から配管32を介して加熱手段40に導入された不活性のキャリアガスは、吸着塔A内の除去成分が脱着可能な温度(例えば、約40〜160℃)まで加熱される。加熱されたキャリアガスは、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、および、配管362を順に経由して、再度配管32に戻る。すなわち、加熱されたキャリアガスは循環ループ30によって形成された吸着塔Aを経由する閉経路内を循環する。これにより、吸着塔A内の吸着剤に吸着された除去成分が脱着して、キャリアガスによって当該閉経路内を循環する。このキャリアガスの循環量は、所定の時間内に、除去成分が脱着する温度まで吸着剤を加熱するのに必要な量とする。
上記脱着工程により充分に除去成分が脱着したら、凝縮手段50によりキャリアガス中の除去成分を冷却除去する。具体的には、冷却部51を駆動し、ブロア35および加熱手段40は駆動したままとする。そして、バルブ550を開放する。つまり、バルブ120,220,335,345,363,550のみが開放された状態とし、これらのバルブ以外の全ては閉塞したままとする。これにより、循環ループ30の上記閉経路(配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、および、配管362)内を循環するキャリアガスが、配管361を介して冷却部51へと流れ、冷却部51にて当該キャリアガス中に含まれる除去成分が冷却凝縮された後、配管54および配管55を介して当該閉経路内へと戻る。
なお、冷却部51にて冷却されたキャリアガスは、再度加熱手段40にて加熱されて当該閉経路内を循環するので、吸着塔A内の吸着剤に吸着した除去成分の脱着も同時に進行する。また、凝縮手段50側に流すキャリアガスの量は、上記閉経路内を循環するキャリアガスの5〜30%程度が好ましい。5%を大きく下回ると、上記閉経路内を循環する除去成分の濃度が高くなり、吸着剤からの除去成分の除去効率が低下する可能性がある。一方、30%を大きく超えた場合には、凝縮及び加熱に大きなエネルギーを必要とするため、コストが増加する可能性がある。
上記凝縮工程により充分にキャリアガスから除去成分を凝縮除去したら、吸着剤冷却手段60により循環ループ30の上記閉経路および凝縮手段50の各部内に残存する除去成分を含んだキャリアガスを排出する(スウィープ)。
具体的には、まず、ブロア35の吸い込み側ダンパーを絞ることまたは、インバータ制御等によりブロア35の回転数を下げることにより、キャリアガスの流量を設定する。この流量は、ブロア35がサージング(流量が周期的に変動)しない条件とする。
なお、不活性ガス導入管31からの不活性ガスの供給に余裕がある場合には、不活性ガスの導入を継続し、吸着塔Bからの清浄ガスの導入を省くことも可能である。
上記スウィープ工程の後、吸着塔A内の吸着剤を冷却する。この吸着剤の冷却は、上記スウィープ工程で循環ループ30の上記閉経路内にパージされた清浄ガスを吸着剤冷却用のガスとして使用し、これを冷却部51で冷却し、吸着処理中の吸着塔Bを介して吸着塔Aに導入することで行われる。
具体的には、まず、バルブ620を閉塞し、バルブ630を開放する。次に、ブロア35,61の吸い込み側のダンパーを開けるか、インバータ制御等によりブロア35,61の回転数を上げることにより、流量を適宜調整する。この流量は、所定の時間内で吸着塔B内の吸着剤を冷却するのに必要な流量とする。
このように吸着塔Bからの清浄ガスを循環させ、当該清浄ガスの温度が所定の温度まで下がった時点で冷却操作を終了し、ブロア35,61を停止させる。
従って、このような上記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)流路切換手段としてのバルブにて、吸着塔A,Bに導入される被処理ガスの流路を、吸着処理の初期には吸着塔A,Bを直列に接続する状態に切り換え、吸着処理の終期には下流側の吸着塔Bのみに被処理ガスを流通させる状態に切り換えている。これにより、吸着処理の初期に高濃度の除去成分の大部分が吸着塔A内の吸着剤に吸着し、吸着処理の終期における低濃度の除去成分は、吸着処理の初期に殆ど吸着していない吸着塔B内の吸着剤に吸着される。このため、吸着処理の終期には吸着塔Aに対する流路は遮断されているので、吸着塔A内の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されることを防ぐことができる。したがって、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度の除去成分を含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合であっても、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着処理できる。
また、スウィープ工程においても、未凝縮の除去成分を含むキャリアガスを吸着塔B内に導入することとなるが、この除去成分の量も非常に微量であるため、吸着塔Bには、大きな負荷がかからない。
さらに、吸着剤を比表面積が500m2/g以上であり、関係湿度50%での吸湿率が25%以下の疎水性シリカゲルとしており、空気中の湿分を吸着しにくく、湿分による吸着剤への吸着負荷や脱着負荷が少ないため、吸着塔A,B,C,D内への吸着剤の充填量が少なくてすみ、再生時間を短縮することができる。
通常、吸着塔A,B,C,D内の吸着剤には、微粉末等が含まれているため、被処理ガスを下降流となるように供給すると、吸着剤の層が微粉末により閉塞され、圧力損失が増大してしまい、被処理ガスがスムーズに流れなくなる可能性がある。これに対し、本実施形態のように、処理ガスが上昇流として吸着塔A,B,C,D内を通るような構成とすることで、スムーズに被処理ガスを流すことができ、効率的に被処理ガスの吸着処理を行うことができる。
そして、吸着処理の初期において、複数の導入配管11,12,13,14に設けられた各バルブ110,120,130,140のうち上流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管25,26に設けられたバルブ250,260を開放し、かつ、複数の放出配管21,22,23,24に設けられた各バルブ210,220,230,240のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、複数の吸着塔を直列に接続する状態に流路を切り換えることができる。
一方、吸着処理の終期において、複数の導入配管11,12,13,14に設けられた各バルブ110,120,130,140のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管25,26に設けられたバルブ250,260は閉塞し、かつ、複数の放出配管21,22,23,24に設けられた各バルブ210,220,230,240のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、下流側の吸着塔のみに被処理ガスを流通させることができる。
これにより、各配管に設けられたバルブを適宜閉塞・開放するだけで、排気ダクトから排出された被処理ガスの状態に合わせて好適な吸着処理を行うことができる。つまり、簡易な構成であるので吸着装置の製造コストを低廉なものとすることができる。
このような濃度変化するガスの処理においては、初期に吸着した有機成分が濃度が低下したガスを流通させることによって脱着してしまい、全体の除去率が低下してしまう。
そこで、本実施形態のように、吸着処理の初期には複数の吸着塔A,B,C,Dを直列に接続して被処理ガスを流通させ、終期には下流の吸着塔(例えば吸着塔B、D)のみにガスを流通させる。これにより、初期の高濃度有機成分は直列接続された吸着塔のうち、上流側の吸着剤に吸着除去され、この吸着塔を切り離すことにより、吸着済みの有機成分の脱着を防ぐことができ、全体の除去率を高く維持することができる。
ここで、吸着剤の加熱にはスチーム吹き込み、電気加熱などの手段を採用することができる。
しかし、スチーム吹き込みでは、スチームを吸着塔A,B,C,D内に直接吹き込むと、スチームの凝縮水と脱着した除去成分とが混じってしまい、大量の排水が発生してしまう。ケミカルタンカーにおいては、スロップタンクに一時保管することになるが、通常、スロップタンクはそれほど大きくなく、排水を全て保管することは困難である。
また、電気加熱は吸着塔の構造が複雑となるためコスト高となり、また吸着剤は伝熱が悪いため全体の加熱には非効率である。
一方、キャリアガスの循環による加熱は、加熱手段40とキャリアガスが隔離されているので、排水の発生は少量であるためスロップタンクへの保管は容易であり、また回収再利用も容易となる。また電気加熱と比べても効率的な加熱が可能である。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
また、吸着塔A,B,C,Dの下部を被処理ガスの供給口とし、上部を排出口としたが、これに限らず、上部を供給口、下部を排出口としてもよい。
[実施例1]
前記実施形態と同様の吸着装置1を用いて以下に示すような条件で、クリーニングガス(被処理ガス)の吸着処理を行った。
ケミカルタンカー 499GT船(8タンク)
有機成分 ベンゼン1300kL(1タンクあたり163kL)
クリーニングガス流量 4800 m3/hr(1タンクあたり600 m3/hr)
クリーニングガス組成 ベンゼン max.3% その他は空気
クリーニング時間 3時間
吸着塔 各タンクの排気ダクトに設置(計8基)
吸着剤 JIS-A型シリカゲル 500℃ 2時間焼成品
(比表面積 580m2/g、関係湿度50%での吸湿率21%)
吸着剤充填量 2800kg(1タンクあたり350kg)
クリーニング3時間のうち、最初の30分間は左舷側から右舷側へと吸着塔を直列にガスを流し、残りの時間は下流の右舷側の吸着塔だけで吸着操作を行った。
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は95%であった。
(吸着剤再生条件)
循環ガス量 800 m3/hr
加熱源 176℃(8kg/cm2G スチーム)
吸着剤温度 60分で140℃まで昇温
吸着剤のスウィープ 200 m3/hrにて10分間実施
吸着剤の冷却 400 m3/hrの吸着塔出口ガス(30℃)を60分間流
通し、吸着剤の温度を40℃以下まで冷却した。
上記操作により吸着剤は完全に再生でき、その後のクリーニング操作時の有機成分の吸着処理も問題なくできた。
実施例1において、ベンゼンをトルエンとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は96%であった。
実施例1において、左舷側と右舷側の吸着塔を連通させず、それぞれの吸着塔でそれぞれのタンクからのクリーニングガスを個別に吸着処理したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は88%であった。
実施例2において、左舷側と右舷側の吸着塔を連通させず、それぞれの吸着塔でそれぞれのタンクからのクリーニングガスを個別に吸着処理したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は89%であった。
以上のような実施例1,2および比較例1,2の結果より、実施例1,2は比較例1,2と比較して有機成分除去率が高いため、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できていることが確認された。
10…導入ライン
11,12,13,14…導入配管
110,120,130,140…バルブ(流路切換手段)
15,16…導入側連結管
20…放出ライン
21,22,23,24…放出配管
210,220,230,240…バルブ(流路切換手段)
25,26…直列連結管
250,260…バルブ(流路切換手段)
30…循環ループ
31…不活性ガス導入管
32,33,34,36…配管
331,332,333,334…配管
335,336,337,338…バルブ(再生用切換手段)
341,342,343,344…配管
345,346,347,348…バルブ(再生用切換手段)
361,362…配管
40…加熱手段
50…凝縮手段
51…冷却部
60…吸着剤冷却手段
A,B,C,D…吸着塔
Claims (8)
- 吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着装置であって、
複数の前記吸着塔と、
これら吸着塔に前記被処理ガスを導入するための導入ラインと、
複数の前記吸着塔で前記吸着処理された後の前記被処理ガスを大気に放出するための放出ラインと、
前記導入ラインおよび前記放出ラインに設けられ、複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を、前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に切り換え、前記吸着処理の終期には下流側の前記吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に切り換える流路切換手段とを備えている
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項1に記載の吸着装置において、
複数の前記吸着塔は、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、
複数の前記吸着塔におけるそれぞれの前記供給口および前記排出口に接続され、再生用切換手段で循環経路を換えることにより、複数の前記吸着塔のうち再生処理の対象となるいずれかの前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループと、
前記循環ループに設けられ、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで、前記キャリアガスを加熱する加熱手段と、
前記循環ループに接続され、前記吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却して、前記除去成分を凝縮する冷却部が設けられるとともに、前記冷却部による凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻す凝縮手段と、
前記凝縮手段に設けられた前記冷却部により、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで吸着剤冷却用のガスを冷却し、複数の前記吸着塔のうち、前記吸着処理中の他の吸着塔を介して前記再生処理中の前記吸着塔に前記吸着剤冷却用のガスを導入する吸着剤冷却手段とを備えている
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項2に記載の吸着装置において、
前記吸着剤冷却手段は、前記加熱手段にて前記キャリアガスが加熱されて前記吸着剤に吸着した前記除去成分が脱着した後に、不活性ガスまたは前記吸着処理中の他の吸着塔からの吸着処理後の前記被処理ガスで、脱着した前記除去成分を含んだキャリアガスを排出してから、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記吸着剤冷却用のガスを冷却する
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸着装置において、
吸着剤としてJIS−A型のシリカゲルを使用する
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸着装置において、
前記吸着剤として、比表面積500m2/g以上で、関係湿度50%での吸湿率25%以下の疎水性シリカゲルを使用する
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の吸着装置において、
複数の前記吸着塔は、前記被処理ガスを排気する複数の排気ダクトに対応してそれぞれ設けられて、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、
前記導入ラインは、
前記排気ダクトとこれに対応する前記吸着塔の前記供給口とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた導入配管と、
前記導入配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも上流側とを接続する導入側連結管と、を備えており、
前記放出ラインは、
一端が前記吸着塔の前記排出口に接続されて他端側から前記吸着処理後の前記被処理ガスが大気放出可能とされ、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた放出配管と、
前記放出配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも下流側とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた直列連結管とを備えている
ことを特徴とする吸着装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の吸着装置において、
初期には高濃度の前記除去成分を含んで排出され、その後徐々に前記除去成分の濃度が減少する排出パターンを持つ被処理ガスに対して前記吸着処理を行う
ことを特徴とする吸着装置。 - 吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着方法であって、
複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を切り換える流路切換手段により、
前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に前記流路を切り換え、
前記吸着処理の終期には下流側の吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に前記流路を切り換える
ことを特徴とする吸着方法。
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