JP2007069156A - 吸着装置および吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できる吸着装置を提供する。
【解決手段】吸着塔A,B,C,Dに導入される被処理ガスの流路を、吸着処理の初期には吸着塔を直列(例えば吸着塔AからB)に接続する状態に切り換え、吸着処理の終期には下流側の吸着塔(例えば吸着塔B)のみに被処理ガスを流通させる状態に切り換えている。これにより、吸着処理の初期に高濃度の除去成分の大部分を吸着塔A内の吸着剤に吸着させ、吸着処理の終期における低濃度の除去成分を、吸着処理の初期に殆ど吸着していない吸着塔B内の吸着剤に吸着させることができる。このため、吸着塔内の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されることを防ぐことができ、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着処理できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去する吸着装置および吸着方法に関する。
従来、有機溶剤は、機器製造業における塗装処理を始めとして様々な業種で幅広く使用されている。このような有機溶剤において、高い揮発性を有する揮発性有機化合物(VOC : Volatile Organic Compounds)は、貯蔵設備から蒸発により放散したり、使用設備からの乾燥排気などから希薄なベーパーとして大気へ排出されてしまう。
特にケミカルタンカーにおいては、積荷のケミカル(有機成分)の払出後、異なる種類のケミカルをタンクに詰め替える前に、異なる成分の混入を防ぐためにもタンク内に付着あるいは滞留したケミカルを通風乾燥(クリーニング)している。この際、VOCが大気中に放出され、これによる地球温暖化等の環境問題や、乗組員あるいは沿岸住民の健康被害問題が懸念されている。
このような問題に際して、従来、被処理ガス中に含まれたVOCなどの除去成分を吸着剤により吸着除去する吸着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の構成では、吸着装置は、内部にシリカゲルなどの吸着剤がそれぞれ充填された2つの吸着塔を備えている。これら吸着塔は、導入ラインを介して導入される被処理ガス中の有機溶剤等を当該吸着剤により吸着し、有機溶剤等が除去された清浄な排気ガスを放出ラインから放出する。
導入ラインは、途中で配管によって2本に分岐され、それぞれが各吸着塔の下部に設けられた供給口に接続されている。一方、各吸着塔の上部に設けられる排出口には、それぞれ、配管が接続されて、下流側で合流して放出ラインとされている。
このような吸着塔では、一方の吸着塔で被処理ガスの吸着を行い、他方の吸着塔で内部に充填された吸着剤の再生を行って、これらの切換により連続して被処理ガスの吸着処理を行う、という構成が採られている。
特開2004−25135号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、吸着処理において、導入ラインを介して導入された被処理ガスは、いずれかの吸着塔を一度しか通過することができない。このため、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度(例えば3%)のVOCを含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合、吸着処理の終期において、初期に吸着したVOCが脱着して放出ラインから放出されてしまい、全体の除去率が低下してしまう、という問題が一例として挙げられる。
本発明の目的は、上記した問題に鑑みて、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できる吸着装置および吸着方法を提供することにある。
上記目的を達するために、本発明の吸着装置は、吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着装置であって、複数の前記吸着塔と、これら吸着塔に前記被処理ガスを導入するための導入ラインと、複数の前記吸着塔で前記吸着処理された後の前記被処理ガスを大気に放出するための放出ラインと、前記導入ラインおよび前記放出ラインに設けられ、複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を、前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に切り換え、前記吸着処理の終期には下流側の前記吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に切り換える流路切換手段とを備えていることを特徴とする。
ここで、被処理ガスのもととなる有機溶剤としては、以下のようなものが例示できる。合繊化繊工業においては、例えば、アセトン、トルエン、二硫化炭素等が挙げられる。合成樹脂工業においては、MEK(メチルエチルケトン)、THF(テトラヒドロフラン)、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、塩化メチレン等が挙げられる。合成・天然ゴム工業では、n−ヘキサン、ベンゼン等が挙げられる。合成皮革工業では、MEK、THF、ジメチルフォルムアミド等が挙げられる。
医薬品工業においては、メタノール、エタノール等が挙げられる。加工紙工業においては、MEK、IPA(イソプロピルアルコール)、酢酸エチル、メチルセルソルブ等が挙げられる。フィルム工業では、THF、IPA、エタノール、塩化メチル等が挙げられる。粘着テープ工業では、MEK、IPA、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。磁気テープ工業では、アセトン、トルエン、二硫化硫黄等が挙げられる。
合成樹脂工業においては、MEK、MIBK(イソブチルメチルケトン)、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。塗装工業では、MEK、ブタノール、n−ヘキサン、トルエン等が挙げられる。印刷工業では、MEK、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。その他の分野では、クロロカーボン類、クロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類等が挙げられる。
また、吸着塔に充填される吸着剤としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等各種の吸着剤を使用することができるが、熱履歴に耐えるものであれば特に限定されない。
このような本発明によれば、吸着処理の初期には、複数の吸着塔を直列に接続して被処理ガス中の除去成分の大部分を上流側の吸着塔における吸着剤に吸着させ、吸着処理の終期には、吸着処理の初期に殆ど吸着していない下流側の吸着塔における吸着剤に被処理ガス中の除去成分を吸着させることができる。このため、吸着処理の終期において、吸着塔の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されることを防ぐことができる。したがって、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度の除去成分を含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合であっても、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できる。
また、本発明では、複数の前記吸着塔は、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、複数の前記吸着塔におけるそれぞれの前記供給口および前記排出口に接続され、再生用切換手段で循環経路を換えることにより、複数の前記吸着塔のうち再生処理の対象となるいずれかの前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループと、前記循環ループに設けられ、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで、前記キャリアガスを加熱する加熱手段と、前記循環ループに接続され、前記吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却して、前記除去成分を凝縮する冷却部が設けられるとともに、前記冷却部による凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻す凝縮手段と、前記凝縮手段に設けられた前記冷却部により、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで吸着剤冷却用のガスを冷却し、複数の前記吸着塔のうち、前記吸着処理中の他の吸着塔を介して前記再生処理中の前記吸着塔に前記吸着剤冷却用のガスを導入する吸着剤冷却手段とを備えていることが好ましい。
このような本発明によれば、循環ループには、加熱手段と、凝縮手段とが設けられているため、加熱手段により加熱されて吸着剤の除去成分を脱着させたキャリアガスを凝縮手段により冷却し、除去成分を除去し、再度、除去成分を含まないキャリアガスを循環ループに戻している。この間、キャリアガスが吸着処理中の吸着塔内に流れることはほとんどないので、吸着処理中の吸着塔の負荷を低減させることができる。
さらに、凝縮手段に設けられた冷却部により、吸着剤を冷却するためのガスの冷却を行っているため、吸着剤冷却手段に新たな冷却部を設ける場合に比べ、冷却部の数を削減できる。これにより吸着装置のコストを低減することができる。
また、循環ループ内で加熱手段により加熱されたキャリアガスを循環させるので、キャリアガスの循環量により、吸着塔の再生時間を調整することができる。
さらに、吸着剤の冷却を行う吸着剤冷却手段は、冷却部で冷却した吸着剤冷却用のガスを運転処理中の吸着塔を介して再生処理中の吸着塔内に導入する構成であるため、冷却部による冷却により、吸着剤冷却用のガスの体積が収縮した場合であっても、運転処理中の吸着塔からの処理済の清浄ガスを加えることができ、これにより、体積収縮分を補給することができる。
そして、本発明では、前記吸着剤冷却手段は、前記加熱手段にて前記キャリアガスが加熱されて前記吸着剤に吸着した前記除去成分が脱着した後に、不活性ガスまたは前記吸着処理中の他の吸着塔からの吸着処理後の前記被処理ガスで、脱着した前記除去成分を含んだキャリアガスを排出してから、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記吸着剤冷却用のガスを冷却することが好ましい。
ここで、吸着塔内の吸着剤から除去成分を脱着させた直後の状態では、吸着塔や循環ループ内のキャリアガスには、吸着剤から脱着した除去成分が、冷却部の温度における平衡濃度で含有されている。そして、除去成分が除去された吸着剤を吸着性能が発揮できる温度まで冷却する必要があるが、このまま冷却したのでは吸着塔内の温度の低下につれて、除去成分が再び吸着剤に吸着される場合がある。そこで、本発明のように、吸着剤を冷却する前に前記循環ループ内部および前記再生処理中の吸着塔内部に存在する除去成分を含んだキャリアガスを排出してから、その後に吸着剤を冷却しているので、吸着剤に除去成分が再吸着することを防止できる。
また、本発明では、吸着剤としてJIS−A型のシリカゲルを使用することが好ましい。
このような本発明によれば、JIS−A型のシリカゲルは、非常に微細で多孔質な毛細管構造になっており、被処理ガス中の除去成分の吸着力が高いため、吸着塔内の吸着剤の再生に長時間かかることがあっても、運転中の他の吸着塔内の吸着剤が破過しない。
さらに、本発明では、前記吸着剤として、比表面積500m/g以上で、関係湿度50%での吸湿率25%以下の疎水性シリカゲルを使用することが好ましい。
このような疎水性のシリカゲルは、空気中の湿分を吸着しにくく、湿分による吸着負荷や脱着負荷が少ないため、吸着塔内への吸着剤の充填量が少なくてすみ、再生時間を短縮することができる。
また、本発明では、複数の前記吸着塔は、前記被処理ガスを排気する複数の排気ダクトに対応してそれぞれ設けられて、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、前記導入ラインは、前記排気ダクトとこれに対応する前記吸着塔の前記供給口とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた導入配管と、前記導入配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも上流側とを接続する導入側連結管と、を備えており、前記放出ラインは、一端が前記吸着塔の前記排出口に接続されて他端側から前記吸着処理後の前記被処理ガスが大気放出可能とされ、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた放出配管と、前記放出配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも下流側とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた直列連結管とを備えていることが好ましい。
このような本発明によれば、吸着処理の初期において、複数の導入配管に設けられた各バルブのうち上流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管に設けられたバルブを開放し、かつ、複数の放出配管に設けられた各バルブのうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に流路を切り換えることができる。一方、吸着処理の終期において、複数の導入配管に設けられた各バルブのうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管に設けられたバルブを閉塞し、かつ、複数の放出配管に設けられた各バルブのうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、下流側の吸着塔のみに被処理ガスを導入することができる。
これにより、各配管に設けられたバルブを適宜閉塞・開放するだけで、排気ダクトから排出された被処理ガスの状態に合わせて好適な吸着処理を行うことができる。つまり、簡易な構成であるので吸着装置の製造コストを低廉なものとすることができる。
また、通常、ケミカルタンカーのタンクをクリーニングする場合、右舷及び左舷に設けられた複数のタンクのクリーニングを同時に行うため複数の排気ダクトから同時に被処理ガスが排出されるが、本発明では、これら複数の排気ダクトを連通させる状態に導入側連結管を設けているので、いずれかのタンクのクリーニングを停滞させることなく効率良くクリーニングすることができる。したがって、低コストで高効率の吸着処理を行うことができる。
そして、本発明では、初期には高濃度の前記除去成分を含んで排出され、その後徐々に前記除去成分の濃度が減少する排出パターンを持つ被処理ガスに対して前記吸着処理を行うことが好ましい。
このような本発明によれば、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度のVOCを含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合であっても、クリーニングの作業の後期において、初期に吸着したVOCが脱着して放出されることを確実に防ぐことができる。したがって、全体の除去率が低下することを防ぐことができる。
以上のような、本発明は、吸着装置としてのみならず、吸着方法としても成立しうるものである。すなわち、本発明の吸着方法は、吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着方法であって、複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を切り換える流路切換手段により、前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に前記流路を切り換え、前記吸着処理の終期には下流側の吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に前記流路を切り換えることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した吸着装置と同様の効果を奏することができる、すなわち、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔吸着装置1の構成〕
図1には、本発明の一実施形態に係る吸着装置1が示されている。この吸着装置1は、例えば、左舷および右舷にペアで設けられたタンクa,b、および、左舷および右舷にペアで設けられたタンクc,dの計4基のタンクを備えた図示しないケミカルタンカーに搭載されている。そして、吸着装置1は、各タンクa,b,c,dにそれぞれ対応する吸着塔A,B,C,Dと、これら吸着塔A,B,C,Dに被処理ガスを導入するための導入ライン10と、吸着塔A,B,C,Dで吸着処理(後述)された後の被処理ガスを放出するための放出ライン20と、循環ループ30とを備えている。
吸着塔A,B,C,Dは、タンクa,b,c,dから導入ライン10を介して導入される被処理ガス中のVOCなどの除去成分(例えば、有機溶剤等)を吸着剤により吸着する吸着処理を実施し、この吸着処理後の除去成分が除去された清浄な排気ガス(清浄ガス)を放出ライン20から放出する設備である。
そして、各吸着塔A,B,C,Dの内部に充填される吸着剤は、JIS−A型のシリカゲルであり、比表面積が500m/g以上、関係湿度50%での吸湿率が25%以下の疎水性シリカゲルである。このような疎水性シリカゲルは、JIS−A型のシリカゲルを400〜600℃で、20分〜4時間程度焼成することで得られる。また、シランカップリング剤等で表面処理することによっても得ることができる。
導入ライン10は、タンクaの排気ダクトと吸着塔Aの下部に設けられた供給口とを接続する導入配管11と、タンクbの排気ダクトと吸着塔Bの下部に設けられた供給口とを接続する導入配管12と、タンクcの排気ダクトと吸着塔Cの下部に設けられた供給口とを接続する導入配管13と、タンクdの排気ダクトと吸着塔Dの下部に設けられた供給口とを接続する導入配管14と、を備えている。これら導入配管11,12,13,14の途中には、それぞれバルブ110,120,130,140が設けられている。これらバルブ110,120,130,140の開放により吸着塔A,B,C,Dに被処理ガスが導入可能とされる。
また、導入ライン10には、導入配管11のバルブ110よりも上流側と導入配管12のバルブ120よりも上流側とを接続する導入側連結管15、および、導入配管13のバルブ130よりも上流側と導入配管14のバルブ140よりも上流側とを接続する導入側連結管16が設けられている。これにより、タンクa,bからの被処理ガスが吸着塔A,Bのいずれにも供給可能とされ、タンクc,dからの被処理ガスが吸着塔C,Dのいずれにも供給可能とされている。すなわち、導入側連結管15によりタンクa,bの排気ダクトが連通した状態となり、導入側連結管16によりタンクc,dの排気ダクトが連通した状態となる。
放出ライン20は、吸着塔Aの上部に設けられた排出口に接続された放出配管21と、吸着塔Bの上部に設けられた排出口に接続された放出配管22と、吸着塔Cの上部に設けられた排出口に接続された放出配管23と、吸着塔Dの上部に設けられた排出口に接続された放出配管24と、を備えている。これら放出配管21,22,23,24の途中には、それぞれバルブ210,220,230,240が設けられている。これらバルブ210,220,230,240の開放により吸着塔A,B,C,Dからの清浄ガスが大気に放出可能とされる。
また、放出ライン20には、放出配管21のバルブ210よりも上流側と導入配管12のバルブ120よりも下流側とを接続する直列連結管25、および、放出配管23のバルブ230よりも上流側と導入配管14のバルブ140よりも下流側とを接続する直列連結管26が設けられている。これら直列連結管25,26の途中には、それぞれバルブ250,260が設けられている。これらバルブ250,260を開放することにより、吸着塔Aを上流側としかつ吸着塔Bを下流側とした直列の流路が形成され、また、吸着塔Cを上流側としかつ吸着塔Dを下流側とした直列の流路が形成されるようになる。
そして、放出配管21,22,23,24の他端側は配管27に接続されて合流し、この配管27の一部には排気管28が接続されている。この排気管28を介して吸着塔A,B,C,Dから排出された清浄ガスが大気放出可能とされている。また、配管27は、後述する吸着剤冷却手段60のブロア61に接続されており、これにより後述するスウィープ工程および吸着剤冷却工程において吸着塔A,B,C,Dから排出された清浄ガスが利用可能とされている。
なお、上述したバルブ110,120,130,140,210,220,230,240,250,260は、本発明における流路切換手段として機能する。
循環ループ30は、吸着塔A,B,C,Dの供給口および排出口に接続され、再生用切換手段であるバルブにより循環経路を換えることにより、吸着塔A,B,C,Dのうちいずれか一方の吸着塔内にキャリアガス等を循環させるものである。
このような循環ループ30は、不活性ガス導入管31と、不活性ガス導入管31および後述する加熱手段40を接続する配管32と、加熱手段40および吸着塔A,B,C,Dのそれぞれの排出口を接続する配管33と、吸着塔A,B,C,Dのそれぞれの供給口に接続された配管34と、この配管34が接続された配管34と、このブロア35および配管32を接続する配管36とを備えて構成されている。
不活性ガス導入管31には、図示しない不活性ガス供給手段から窒素ガスなどの不活性ガスが一定の流量で供給される。この不活性ガスは、後述する再生処理準備工程およびスウィープ工程において、循環ループ30および吸着塔A,B,C,D内部における爆発雰囲気の生成を防止するため、あるいは、吸着装置1の各部内に存在するガス成分を排出するために使用される。
上記操作で循環ループ30および吸着塔A,B,C,Dに導入された不活性ガスは、そのままキャリアガスとして循環され、後述する脱着工程および凝縮工程において、主に吸着塔A,B,C,D内部の吸着剤を加熱および冷却するために使用される。
このような不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、希ガス、エンジン排ガス、燃焼排ガス等の酸素を含有しない、あるいは酸素濃度が低い(例えば4%以下)ガスが用いられる。
配管32は、後述するバルブ363と後述する加熱手段40とを接続し、途中に不活性ガス導入管31と後述する配管62が接続されている。
配管33は、一端が後述する加熱手段40に接続され、他端側が4つに分岐されている。すなわち、配管33の他端側には、吸着塔Aの排出口に接続される配管331と、吸着塔Bの排出口に接続される配管332と、吸着塔Cの排出口に接続される配管333と、吸着塔Dの排出口に接続される配管334とが設けられている。これら配管331,332,333,334の途中には、それぞれ再生用切換手段としてのバルブ335,336,337,338が設けられている。
配管34は、前述したように一端がブロア35に接続され、他端側が4つに分岐されている。すなわち、配管34の他端側には、吸着塔Aの供給口に接続される配管341と、吸着塔Bの供給口に接続される配管342と、吸着塔Cの供給口に接続される配管343と、吸着塔Dの供給口に接続される配管344とが設けられている。これら配管341,342,343,344の途中には、それぞれ再生用切換手段としてのバルブ345,346,347,348が設けられている。
このようなバルブ335,345を開放することにより吸着塔A内部にキャリアガスが導入可能とされ、バルブ336,346を開放することにより吸着塔B内部にキャリアガスが導入可能とされ、バルブ337,347を開放することにより吸着塔C内部にキャリアガスが導入可能とされ、バルブ338,348を開放することにより吸着塔D内部にキャリアガスが導入可能とされている。
ブロア35は、吸着塔A,B,C,Dの排出口から供給口に向かって循環ループ30内のキャリアガスを循環させる送風手段である。
配管36は、前述したように一端がブロア35に接続され、他端側が2つに分岐されている。すなわち、配管36の他端側には、後述する凝縮手段50における冷却部51に接続された配管361と、バルブ363に接続された配管362とが設けられている。このバルブ363は本発明における再生用切換手段に相当し、このバルブ363を開放することにより、配管32と、加熱手段40と、配管33と、吸着塔A,B,C,Dと、配管34と、ブロア35と、配管36とでキャリアガスが循環可能な一連の閉経路が形成される。
また、前述のように、循環ループ30における配管32,33の間には加熱手段40が設けられている。この加熱手段40は、循環ループ30内を循環するキャリアガスを、吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで加熱するものである。このような加熱手段40としては、スチームを熱源とする、プレートフィン式、シェルアンドチューブ式、プレート式等の熱交換器を採用できる。
以上のような、循環ループ30には、吸着剤から除去成分を脱着させたキャリアガスを冷却して当該除去成分を凝縮し、さらに、この除去成分を除去したキャリアガスを循環ループ30に戻す凝縮手段50と、吸着剤冷却用のガスを冷却して後述する再生処理中の吸着塔内の吸着剤の温度を下げる吸着剤冷却手段60とが接続されている。
凝縮手段50は、循環ループ30の配管361に接続された冷却部51と、この冷却部51の下部から延びる凝縮液導入管52と、この凝縮液導入管52の下端が接続された凝縮液受槽53と、一端が冷却部51に接続された配管54と、この配管54の他端側が分岐されて構成された配管55,56,57,58,59とを備えている。また、この凝縮手段50では、循環ループ30の配管34,ブロア35,配管36,361,362,バルブ363および配管32を使用している。
冷却部51は、後述する凝縮工程において、配管361から導入されたキャリアガスを冷却し、吸着塔A,B,C,D内部の吸着剤から脱着された除去成分を当該キャリアガスから凝縮する。また、冷却部51は、後述するスウィープ工程および吸着剤冷却工程において、配管361から導入されたキャリアガスを冷却する。このような冷却部51としては、熱交換用冷媒(例えば、水等)を循環させる、プレートフィン式、シェルアンドチューブ式、プレート式等の一般的な熱交換器を採用することができるが、凝縮液が凝縮液受槽53にスムーズに落下するものであればいずれでもよい。
凝縮液受槽53は、冷却部51にて凝縮された後、凝縮液導入管52を介して滴下した液状の除去成分を受容する。
配管55は、分岐された配管54の他端側の一部であり、配管34におけるブロア35の直前に接続されている。この配管55には、再生用切換手段としてのバルブ550が設けられている。このバルブ550は、後述する凝縮工程において開放される。
配管56は導入配管11におけるバルブ110と吸着塔Aとの間に接続され、配管57は導入配管12におけるバルブ120と吸着塔Bとの間に接続され、配管58は導入配管13におけるバルブ130と吸着塔Cとの間に接続され、配管59は導入配管14におけるバルブ140と吸着塔Dとの間に接続されている。これら配管56,57,58,59の途中には、再生用切換手段としてのバルブ560,570,580,590が設けられている。これらバルブ560,570,580,590は、後述するスウィープ工程や吸着剤冷却工程などを対応する吸着塔に対して施す場合に開放される。
吸着剤冷却手段60は、吸着塔A,B,C,D内の吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで、吸着剤冷却用のガスを冷却し、このガスを吸着塔A,B,C,Dのうち、吸着処理中の吸着塔(例えば、吸着塔B)を介して再生処理中の吸着塔(例えば、吸着塔A)に導入する。なお、吸着剤冷却用のガスには、キャリアガス、および、吸着処理中の吸着塔から発生した清浄ガスを使用する。
このような吸着剤冷却手段60は、放出ライン20の配管27に接続されたブロア61と、ブロア61の排出方向先端から2方に分岐して延びる配管62,63とを備えている。また、この吸着剤冷却手段60では、循環ループ30の配管32,33,34,ブロア35および配管36と、凝縮手段50の冷却部51,配管54,56,57,58,59と、導入ライン10の導入配管11,12,13,14と、放出ライン20の放出配管21,22,23,24および配管27とを使用している。
ブロア61は、ブロア35と略同様の性能を有するものであり、冷却部51で吸着剤を冷却するために冷却されたガスを吸着処理中の吸着塔を介して、再生処理中の吸着塔に送る役割を果たしている。
配管62は、ブロア61の排出方向先端から循環ループ30の配管32の途中までを接続する。この配管62には、再生用切換手段としてのバルブ620が設けられている。このバルブ620は、後述するスウィープ工程において開放され、当該開放により吸着処理中の吸着塔からの清浄ガスあるいは当該吸着塔を通過したキャリアガスが循環ループ30内に供給可能になる。
配管63は、ブロア61の排出方向先端から、循環ループ30の配管33における分岐点よりも上流側までを接続する。この配管63には、再生用切換手段としてのバルブ630が設けられている。このバルブ630は、後述する吸着剤冷却工程において開放され、当該開放により吸着処理中の吸着塔からの清浄ガスあるいは当該吸着塔を通過したキャリアガスが循環ループ30内に供給可能になる。
以上のような凝縮手段50と吸着剤冷却手段60とは、バルブ550とバルブ560,570,580,590とで冷却部51からのガスの排出経路が切り換えられることにより適宜作動し、冷却部51ではこのバルブの切り換えに応じてキャリアガスの冷却または吸着剤冷却用のガスの冷却の何れか一方のみが行われる。
〔吸着装置1の動作〕
次に、このような吸着装置1の動作について説明する。なお、ここでは、説明の簡易化のために、吸着塔A,Bの吸着処理および吸着塔Aの再生処理についてのみ説明するが、吸着塔C,Dの吸着処理および吸着塔B,C,Dの再生処理についても同様であり、かつ、吸着塔A,Bと吸着塔C,Dとの同時稼動も可能である。
(吸着塔A,Bの吸着処理)
本実施形態では、ケミカルタンカーにおけるタンクa,bのクリーニングを行う。すなわち、初期に高濃度(例えば3%)のVOCなどの除去成分を含む被処理ガスがタンクa,bから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う。
まず、吸着処理の初期において、バルブ110,250,220を開放し、これら以外の全てのバルブを閉塞する。そして、タンクa,bから排出された被処理ガスは導入配管11,12に導入され、導入側連結管15を介してタンクbからの被処理ガスが導入配管11に合流する。合流したタンクa,bからの被処理ガスは、導入配管11、吸着塔A、放出配管21、直列連結管25、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28を経由して、吸着塔A,Bにて吸着処理されて清浄ガスとなった後に大気放出される。これにより、高濃度の除去成分の大部分が吸着塔A内の吸着剤に吸着し、吸着塔B内の吸着剤には僅かな量しか吸着しない。
次に、吸着処理の終期において、バルブ120,220を開放し、これら以外の全てのバルブを閉塞する。そして、タンクa,bから排出された被処理ガスは導入配管11,12に導入され、導入側連結管15を介してタンクaからの被処理ガスが導入配管12に合流する。合流したタンクa,bからの被処理ガスは、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28を経由して、吸着塔Bのみにて吸着処理されて清浄ガスとなった後に大気放出される。これにより、吸着処理の終期における低濃度の除去成分は、吸着処理の初期に殆ど吸着していない吸着塔B内の吸着剤に吸着される。当然に、吸着処理の終期には吸着塔Aに対する流路は遮断されているため、吸着塔A内の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されてしまうことはない。
(吸着塔Aの再生処理)
ここで、吸着塔Aによる吸着処理が停止し、吸着塔Bによる吸着処理のみが実施されている吸着処理の終期において、同時並行して吸着塔Aの再生処理を行う。ここで、再生処理は、再生処理準備工程、脱着工程、凝縮工程、スウィープ工程、吸着剤冷却工程を備えている。
(再生処理準備工程)
まず、バルブ120,220のみが開放された状態から、さらにバルブ335,345,570を開放し、これら以外の全てのバルブは閉塞したままとする。次に、循環ループ30のインベントリーの約60%以上に相当する量の不活性ガスを、不活性ガス導入管31から導入する。この不活性ガスは、不活性ガス導入管31から、配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、配管361、冷却部51、配管54、配管57、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28へと流れて大気放出される。
このようにすることで、吸着塔Aの再生処理に当って循環ループ30の経路内の酸素濃度を最小燃焼酸素濃度(MOC)以下に下げることができ、これにより、次工程の脱着工程にて脱着された除去成分による爆発雰囲気が生成されないことになる。
(脱着工程)
この後、ブロア35を起動し、さらに加熱手段40を駆動する。次に、バルブ363を開放してバルブ570を閉塞する。つまり、バルブ120,220,335,345,363のみが開放された状態とし、これらのバルブ以外の全ては閉塞したままとする。そして、不活性ガス導入管31から配管32を介して加熱手段40に導入された不活性のキャリアガスは、吸着塔A内の除去成分が脱着可能な温度(例えば、約40〜160℃)まで加熱される。加熱されたキャリアガスは、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、および、配管362を順に経由して、再度配管32に戻る。すなわち、加熱されたキャリアガスは循環ループ30によって形成された吸着塔Aを経由する閉経路内を循環する。これにより、吸着塔A内の吸着剤に吸着された除去成分が脱着して、キャリアガスによって当該閉経路内を循環する。このキャリアガスの循環量は、所定の時間内に、除去成分が脱着する温度まで吸着剤を加熱するのに必要な量とする。
(凝縮工程)
上記脱着工程により充分に除去成分が脱着したら、凝縮手段50によりキャリアガス中の除去成分を冷却除去する。具体的には、冷却部51を駆動し、ブロア35および加熱手段40は駆動したままとする。そして、バルブ550を開放する。つまり、バルブ120,220,335,345,363,550のみが開放された状態とし、これらのバルブ以外の全ては閉塞したままとする。これにより、循環ループ30の上記閉経路(配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、および、配管362)内を循環するキャリアガスが、配管361を介して冷却部51へと流れ、冷却部51にて当該キャリアガス中に含まれる除去成分が冷却凝縮された後、配管54および配管55を介して当該閉経路内へと戻る。
この工程をしばらく続けると、当該閉経路内を循環するキャリアガスに含まれる除去成分の濃度が、冷却されたキャリアガスの飽和量以下に下がる。
なお、冷却部51にて冷却されたキャリアガスは、再度加熱手段40にて加熱されて当該閉経路内を循環するので、吸着塔A内の吸着剤に吸着した除去成分の脱着も同時に進行する。また、凝縮手段50側に流すキャリアガスの量は、上記閉経路内を循環するキャリアガスの5〜30%程度が好ましい。5%を大きく下回ると、上記閉経路内を循環する除去成分の濃度が高くなり、吸着剤からの除去成分の除去効率が低下する可能性がある。一方、30%を大きく超えた場合には、凝縮及び加熱に大きなエネルギーを必要とするため、コストが増加する可能性がある。
(スウィープ工程)
上記凝縮工程により充分にキャリアガスから除去成分を凝縮除去したら、吸着剤冷却手段60により循環ループ30の上記閉経路および凝縮手段50の各部内に残存する除去成分を含んだキャリアガスを排出する(スウィープ)。
具体的には、まず、ブロア35の吸い込み側ダンパーを絞ることまたは、インバータ制御等によりブロア35の回転数を下げることにより、キャリアガスの流量を設定する。この流量は、ブロア35がサージング(流量が周期的に変動)しない条件とする。
次に、バルブ363,550を閉じ、バルブ570を開く。つまり、バルブ120,220,335,345,570のみが開放された状態とし、これらのバルブ以外の全ては閉塞した状態とする。そして、不活性ガス導入管31から循環ループ30内の上記閉経路のインベントリーの約60%に相当する不活性ガスを導入する。不活性ガス導入管31から導入された不活性ガスは、配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、配管361、冷却部51、配管54、配管57、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28へと流れて大気放出される。これにより、上記閉経路内の酸素濃度を最小燃焼酸素濃度(MOC)以下に下げることができる。
この後、不活性ガス導入管31からの不活性ガスの導入を停止するとともに、加熱手段40の駆動を停止する。そして、バルブ620を開き、さらに、ブロア61を起動する。すると、吸着塔Bからの清浄ガスが放出配管22、配管27、ブロア61、配管62、配管32、加熱手段40、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、配管361、冷却部51、配管54、配管57、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28へと流れて大気放出され、一部は配管27から再度ブロア61に取り込まれて循環する。以上より、循環ループ30の上記閉経路および凝縮手段50の各部内がスウィープされる。ここで、スウィープを行うために必要なガスの量は一般には、吸着塔Aの容積の1〜10倍程度である。
なお、不活性ガス導入管31からの不活性ガスの供給に余裕がある場合には、不活性ガスの導入を継続し、吸着塔Bからの清浄ガスの導入を省くことも可能である。
(吸着剤冷却工程)
上記スウィープ工程の後、吸着塔A内の吸着剤を冷却する。この吸着剤の冷却は、上記スウィープ工程で循環ループ30の上記閉経路内にパージされた清浄ガスを吸着剤冷却用のガスとして使用し、これを冷却部51で冷却し、吸着処理中の吸着塔Bを介して吸着塔Aに導入することで行われる。
具体的には、まず、バルブ620を閉塞し、バルブ630を開放する。次に、ブロア35,61の吸い込み側のダンパーを開けるか、インバータ制御等によりブロア35,61の回転数を上げることにより、流量を適宜調整する。この流量は、所定の時間内で吸着塔B内の吸着剤を冷却するのに必要な流量とする。
そして、吸着塔Bからの清浄ガスは、放出配管22、配管27、ブロア61、配管63、配管33、配管331、吸着塔A、配管341、配管34、ブロア35、配管36、配管361、冷却部51、配管54、配管57、導入配管12、吸着塔B、放出配管22、配管27および排気管28へと流れて大気放出され、一部は配管27から再度ブロア61に取り込まれて循環する。
このように吸着塔Bからの清浄ガスを循環させ、当該清浄ガスの温度が所定の温度まで下がった時点で冷却操作を終了し、ブロア35,61を停止させる。
以上のようにして、吸着塔Aの再生処理は終了する。次に、吸着塔Aを吸着処理させ、吸着塔Bの再生処理を行う。まず、バルブ110,210を開き、バルブ120,220を閉じる。また、バルブ336,346,560を開き、バルブ335,337,338,345,347,348,363,550,570,580,590,620,630を閉じる。そして、前述した再生処理準備工程で述べた手順と略同様に不活性ガスを導入してから、再生処理を行う。
〔実施形態の効果〕
従って、このような上記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)流路切換手段としてのバルブにて、吸着塔A,Bに導入される被処理ガスの流路を、吸着処理の初期には吸着塔A,Bを直列に接続する状態に切り換え、吸着処理の終期には下流側の吸着塔Bのみに被処理ガスを流通させる状態に切り換えている。これにより、吸着処理の初期に高濃度の除去成分の大部分が吸着塔A内の吸着剤に吸着し、吸着処理の終期における低濃度の除去成分は、吸着処理の初期に殆ど吸着していない吸着塔B内の吸着剤に吸着される。このため、吸着処理の終期には吸着塔Aに対する流路は遮断されているので、吸着塔A内の吸着剤に一度吸着された除去成分が脱着して大気に放出されることを防ぐことができる。したがって、ケミカルタンカーのクリーニングのように、初期に高濃度の除去成分を含む被処理ガスがタンクから排出され、その後徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ被処理ガスの吸着処理を行う場合であっても、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着処理できる。
(2)循環ループ30には、加熱手段40と、凝縮手段50とが設けられているため、加熱手段40により加熱されて吸着剤の除去成分を脱着させたキャリアガスを凝縮手段50により冷却して、除去成分を除去し、再度、脱着した除去成分を含まないキャリアガスを循環ループ30に戻している。この間、キャリアガスが吸着処理中の吸着塔(例えば、吸着塔B)内に流れることはほとんどないので、吸着処理中の吸着塔(例えば、吸着塔B)の負荷を増大させることはない。
また、スウィープ工程においても、未凝縮の除去成分を含むキャリアガスを吸着塔B内に導入することとなるが、この除去成分の量も非常に微量であるため、吸着塔Bには、大きな負荷がかからない。
(3)また、凝縮手段50で、循環ループ30を循環するキャリアガスの一部を凝縮することで、循環ループ30内には、除去成分をほとんど含まないキャリアガスが順次導入される。そして、この除去成分をほとんど含まないキャリアガスが加熱手段40により加熱されて、吸着剤の除去成分の脱着を行うため、吸着剤からの除去成分の脱着を効率よく行うことができる。
(4)吸着装置1では、吸着剤から除去成分を除去する際に、減圧を行う必要がないため、吸着塔A,Bを減圧に耐えうる構造とする必要がなく、吸着塔A,Bにかかるコストを低減することができる。また、減圧を行う必要がないので、減圧用の真空ポンプ等の構成が不要であり、吸着装置1を安価なものとすることができる。
(5)さらに、吸着剤冷却手段60では、凝縮手段50に設けられた冷却部51により、吸着剤を冷却するためのガスの冷却を行っている。従って、吸着剤冷却手段60に新たな冷却部を設ける場合にくらべ、冷却部の数を削減できる。これにより吸着装置1のコストを低減することができる。
(6)循環ループ30内で加熱手段40により加熱されたキャリアガスを循環させる構成を採用しているので、キャリアガスの循環量により、吸着塔Aの再生時間を調整することができる。
(7)吸着剤の冷却の際に、吸着処理中の吸着塔(例えば吸着塔B)を介して再生処理中の吸着塔(例えば吸着塔A)内に吸着剤冷却用のガスを導入する構成としたので、吸着剤冷却用のガスの冷却に伴って体積が収縮した場合であっても、吸着処理中の吸着塔Bからの処理済の清浄ガスを加えることができ、体積収縮分を補給することができる。
(8)除去成分を除去するためのキャリアガスの冷却と、吸着剤を冷却するための吸着剤冷却用のガスの冷却とを同時に行った場合には、冷却部51に大きな負荷がかかることとなる。これに対し、本実施形態では除去成分を除去するための冷却と、吸着剤冷却用のガスの冷却の何れか一方のみが冷却部51で行われ、これらが同時に行われることがないので、冷却部51に大きな負荷がかかることがない。
(9)凝縮手段50では、循環ループ30の配管34,ブロア35,配管36,361,362,バルブ363および配管32を使用している。また、吸着剤冷却手段60では、循環ループ30の配管32,33,34,ブロア35および配管36と、凝縮手段50の冷却部51,配管54,56,57,58,59と、導入ライン10の導入配管11,12,13,14と、放出ライン20の放出配管21,22,23,24および配管27とを使用している。このため、凝縮手段50および吸着剤冷却手段60として設ける新たな配管等の数を削減できる。
(10)吸着塔A,B,C,D内に充填されているJIS−A型のシリカゲルは、非常に微細で多孔質な毛細管構造になっており、被処理ガス中の除去成分の吸着力が高いため、吸着塔(例えば吸着塔A)内の吸着剤の再生に長時間かかっても、運転中の他の吸着塔(例えば、吸着塔B)内の吸着剤が破過しない。
さらに、吸着剤を比表面積が500m/g以上であり、関係湿度50%での吸湿率が25%以下の疎水性シリカゲルとしており、空気中の湿分を吸着しにくく、湿分による吸着剤への吸着負荷や脱着負荷が少ないため、吸着塔A,B,C,D内への吸着剤の充填量が少なくてすみ、再生時間を短縮することができる。
(11)吸着塔A,B,C,Dは、被処理ガスの供給口が下部側に設けられており、排出口が上部側に設けられているため、被処理ガスが上昇流として吸着塔A,B,C,D内を流れることとなる。
通常、吸着塔A,B,C,D内の吸着剤には、微粉末等が含まれているため、被処理ガスを下降流となるように供給すると、吸着剤の層が微粉末により閉塞され、圧力損失が増大してしまい、被処理ガスがスムーズに流れなくなる可能性がある。これに対し、本実施形態のように、処理ガスが上昇流として吸着塔A,B,C,D内を通るような構成とすることで、スムーズに被処理ガスを流すことができ、効率的に被処理ガスの吸着処理を行うことができる。
(12)吸着塔A,B,C,D内の吸着剤の脱着工程が終了した状態では、吸着塔A,B,C,Dや循環ループ30内のキャリアガスには、吸着剤から脱着した除去成分が、冷却部51の温度における平衡濃度で存在する。除去成分が除去された吸着剤を吸着性能が発揮できる温度まで冷却する必要があるが、このまま冷却したのでは吸着塔A,B,C,D内の温度の低下につれて、除去成分が再び吸着剤に吸着される場合がある。そこで、本実施形態のように、スウィープ工程を設け、除去成分を含むキャリアガスを取り除き、その後、吸着剤冷却工程を設けることで、吸着剤に除去成分が再吸着することが防止できる。これにより、吸着剤の吸着性能の低下を防ぐことができる。
(13)導入配管11,12,13,14と、バルブ110,120,130,140と、導入側連結管15,16と、放出配管21,22,23,24と、バルブ210,220,230,240と、直列連結管25,26と、バルブ250,260とで、吸着塔A,B,C,Dへと導入される被処理ガスの流路を形成している。
そして、吸着処理の初期において、複数の導入配管11,12,13,14に設けられた各バルブ110,120,130,140のうち上流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管25,26に設けられたバルブ250,260を開放し、かつ、複数の放出配管21,22,23,24に設けられた各バルブ210,220,230,240のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、複数の吸着塔を直列に接続する状態に流路を切り換えることができる。
一方、吸着処理の終期において、複数の導入配管11,12,13,14に設けられた各バルブ110,120,130,140のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放し、直列連結管25,26に設けられたバルブ250,260は閉塞し、かつ、複数の放出配管21,22,23,24に設けられた各バルブ210,220,230,240のうち下流側の吸着塔に対応するバルブのみを開放すれば、下流側の吸着塔のみに被処理ガスを流通させることができる。
これにより、各配管に設けられたバルブを適宜閉塞・開放するだけで、排気ダクトから排出された被処理ガスの状態に合わせて好適な吸着処理を行うことができる。つまり、簡易な構成であるので吸着装置の製造コストを低廉なものとすることができる。
(14)ここで、通常、ケミカルタンカーは航海の安全上、左舷と右舷のタンクに同一の有機成分を同量積載し、積荷と荷卸は左右同時に行われている。そして、通風乾燥によるクリーニング操作も左右同時に行われている。したがって、クリーニングの排気ガス中の有機成分濃度は、初期に高濃度(例えば3%)のガスが発生し、その後約3時間かけて徐々に濃度が減少するような排出パターンを持つ。
このような濃度変化するガスの処理においては、初期に吸着した有機成分が濃度が低下したガスを流通させることによって脱着してしまい、全体の除去率が低下してしまう。
そこで、本実施形態のように、吸着処理の初期には複数の吸着塔A,B,C,Dを直列に接続して被処理ガスを流通させ、終期には下流の吸着塔(例えば吸着塔B、D)のみにガスを流通させる。これにより、初期の高濃度有機成分は直列接続された吸着塔のうち、上流側の吸着剤に吸着除去され、この吸着塔を切り離すことにより、吸着済みの有機成分の脱着を防ぐことができ、全体の除去率を高く維持することができる。
(15)そして、ケミカルタンカーにおけるタンクのクリーニングに際して、導入側連結管15,16にて複数の排気ダクトを連通させる状態にしているので、いずれかのタンクのクリーニングを停滞させることなく効率良くクリーニングすることができる。
(16)また、本実施形態では、吸着塔A,B,C,D内の吸着剤に吸着された除去成分を脱着させるために、脱着工程および凝縮工程において、加熱手段40にてキャリアガスを加熱して、この加熱されたキャリアガスを介して吸着塔A,B,C,D内の吸着剤を加熱している。
ここで、吸着剤の加熱にはスチーム吹き込み、電気加熱などの手段を採用することができる。
しかし、スチーム吹き込みでは、スチームを吸着塔A,B,C,D内に直接吹き込むと、スチームの凝縮水と脱着した除去成分とが混じってしまい、大量の排水が発生してしまう。ケミカルタンカーにおいては、スロップタンクに一時保管することになるが、通常、スロップタンクはそれほど大きくなく、排水を全て保管することは困難である。
また、電気加熱は吸着塔の構造が複雑となるためコスト高となり、また吸着剤は伝熱が悪いため全体の加熱には非効率である。
一方、キャリアガスの循環による加熱は、加熱手段40とキャリアガスが隔離されているので、排水の発生は少量であるためスロップタンクへの保管は容易であり、また回収再利用も容易となる。また電気加熱と比べても効率的な加熱が可能である。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、吸着装置1は、例えば、左舷および右舷にペアで設けられたタンクa,b、および、左舷および右舷にペアで設けられたタンクc,dの計4基のタンクを備えた図示しないケミカルタンカーに搭載されているとしたが、これに限らない。すなわち、ケミカルタンカーのタンクは左舷および右舷にペアで3つ以上、すなわち計6基あるいは8基、10基などいずれの数量で設けられてもよい。また、左舷および右舷に1つずつペアで設けられたタンクに対して複数の吸着塔を連結した状態で設けるだけでなく、3つセットあるいは4つセットなどのタンクに対して複数の吸着塔を連結した状態で設ける構成としてもよい。さらに、3つセットのタンクと2つペアのタンクとを備えたケミカルタンカー、すなわち、タンクの合計数が奇数であるケミカルタンカーに対しても本発明の吸着装置は適用可能である。また、本実施形態の吸着装置は、ケミカルタンカーだけでなく、その他の貯蔵設備や使用設備、輸送設備に対しても適用することができる。
また、前記実施形態では、吸着剤をシリカゲルとしたが、これに限らず、熱履歴に耐えられるものであればよく、例えば、ゼオライト等であってもよい。また、活性炭を使用してもよい。
さらに、前記実施形態では、加熱手段40の熱原としてスチームを採用したが、これに限られず、例えば、熱水、熱油、熱源としてもよい。さらに、加熱器として電気ヒータを使用してもよい。
また、前記各実施形態では、凝縮手段50は、循環ループ30の配管34,ブロア35,配管36,361,362,バルブ363および配管32を使用しているとしたが、これに限らず、凝縮手段は個別に配管、ブロアおよびバルブを備えている構成としてもよい。同様に、吸着剤冷却手段60は、循環ループ30の配管32,33,34,ブロア35および配管36と、凝縮手段50の冷却部51,配管54,56,57,58,59と、導入ライン10の導入配管11,12,13,14と、放出ライン20の放出配管21,22,23,24および配管27とを使用しているとしたが、これに限らず、吸着剤冷却手段は個別に配管、ブロアおよびバルブを備えている構成としてもよい。
また、前記実施形態では、吸着装置1は、スウィープ工程を実施できるものであるとしたが、これに限らず、スウィープ工程が実施できないような構成であってもよい。この場合には、再生処理時間を短縮することができる。
そして、前記実施形態では、吸着塔A,B,C,Dには被処理ガスの排出口から循環ループ30内のキャリアガスを導入し、被処理ガスの供給口からキャリアガスを排出する構成としたが、これに限らず、供給口からキャリアガスを供給し、排出口からキャリアガスを排出させてもよい。
また、吸着塔A,B,C,Dの下部を被処理ガスの供給口とし、上部を排出口としたが、これに限らず、上部を供給口、下部を排出口としてもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
前記実施形態と同様の吸着装置1を用いて以下に示すような条件で、クリーニングガス(被処理ガス)の吸着処理を行った。

ケミカルタンカー 499GT船(8タンク)
有機成分 ベンゼン1300kL(1タンクあたり163kL)
クリーニングガス流量 4800 m/hr(1タンクあたり600 m/hr)
クリーニングガス組成 ベンゼン max.3% その他は空気
クリーニング時間 3時間
吸着塔 各タンクの排気ダクトに設置(計8基)
吸着剤 JIS-A型シリカゲル 500℃ 2時間焼成品
(比表面積 580m/g、関係湿度50%での吸湿率21%)
吸着剤充填量 2800kg(1タンクあたり350kg)
吸着塔の切り換えについて、左舷4基と右舷4基の吸着塔のうち、前後方向同位置にある左右それぞれの吸着塔を1セットとし、計4セットとする。それぞれのセットで左舷側吸着塔出口からバルブを介し右舷側吸着塔入り口に配管で連通させた。
クリーニング3時間のうち、最初の30分間は左舷側から右舷側へと吸着塔を直列にガスを流し、残りの時間は下流の右舷側の吸着塔だけで吸着操作を行った。
(吸着処理の結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は95%であった。
その後、下記の条件で1塔ずつ吸着剤の再生を行った。なお、スウィープおよび冷却後のガスは冷却凝縮器で30℃まで冷却した後、次回再生予定の吸着塔に流通させた。
(吸着剤再生条件)
循環ガス量 800 m/hr
加熱源 176℃(8kg/cmG スチーム)
吸着剤温度 60分で140℃まで昇温
吸着剤のスウィープ 200 m/hrにて10分間実施
吸着剤の冷却 400 m/hrの吸着塔出口ガス(30℃)を60分間流
通し、吸着剤の温度を40℃以下まで冷却した。
(吸着剤再生の結果)
上記操作により吸着剤は完全に再生でき、その後のクリーニング操作時の有機成分の吸着処理も問題なくできた。
[実施例2]
実施例1において、ベンゼンをトルエンとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は96%であった。
[比較例1]
実施例1において、左舷側と右舷側の吸着塔を連通させず、それぞれの吸着塔でそれぞれのタンクからのクリーニングガスを個別に吸着処理したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は88%であった。
[比較例2]
実施例2において、左舷側と右舷側の吸着塔を連通させず、それぞれの吸着塔でそれぞれのタンクからのクリーニングガスを個別に吸着処理したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
(結果)
吸着塔出口濃度を測定した結果、クリーニング操作全体での有機成分除去率は89%であった。
[考察]
以上のような実施例1,2および比較例1,2の結果より、実施例1,2は比較例1,2と比較して有機成分除去率が高いため、被処理ガス中に含まれた除去成分を高効率で吸着除去できていることが確認された。
本発明の一実施形態に係る吸着装置を示す模式図である。
符号の説明
1…吸着装置
10…導入ライン
11,12,13,14…導入配管
110,120,130,140…バルブ(流路切換手段)
15,16…導入側連結管
20…放出ライン
21,22,23,24…放出配管
210,220,230,240…バルブ(流路切換手段)
25,26…直列連結管
250,260…バルブ(流路切換手段)
30…循環ループ
31…不活性ガス導入管
32,33,34,36…配管
331,332,333,334…配管
335,336,337,338…バルブ(再生用切換手段)
341,342,343,344…配管
345,346,347,348…バルブ(再生用切換手段)
361,362…配管
40…加熱手段
50…凝縮手段
51…冷却部
60…吸着剤冷却手段
A,B,C,D…吸着塔

Claims (8)

  1. 吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着装置であって、
    複数の前記吸着塔と、
    これら吸着塔に前記被処理ガスを導入するための導入ラインと、
    複数の前記吸着塔で前記吸着処理された後の前記被処理ガスを大気に放出するための放出ラインと、
    前記導入ラインおよび前記放出ラインに設けられ、複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を、前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に切り換え、前記吸着処理の終期には下流側の前記吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に切り換える流路切換手段とを備えている
    ことを特徴とする吸着装置。
  2. 請求項1に記載の吸着装置において、
    複数の前記吸着塔は、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、
    複数の前記吸着塔におけるそれぞれの前記供給口および前記排出口に接続され、再生用切換手段で循環経路を換えることにより、複数の前記吸着塔のうち再生処理の対象となるいずれかの前記吸着塔内にキャリアガスを循環させる循環ループと、
    前記循環ループに設けられ、前記吸着剤に吸着された除去成分の脱着温度まで、前記キャリアガスを加熱する加熱手段と、
    前記循環ループに接続され、前記吸着剤から脱着された除去成分を含むキャリアガスを冷却して、前記除去成分を凝縮する冷却部が設けられるとともに、前記冷却部による凝縮後のキャリアガスを再度、循環ループに戻す凝縮手段と、
    前記凝縮手段に設けられた前記冷却部により、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで吸着剤冷却用のガスを冷却し、複数の前記吸着塔のうち、前記吸着処理中の他の吸着塔を介して前記再生処理中の前記吸着塔に前記吸着剤冷却用のガスを導入する吸着剤冷却手段とを備えている
    ことを特徴とする吸着装置。
  3. 請求項2に記載の吸着装置において、
    前記吸着剤冷却手段は、前記加熱手段にて前記キャリアガスが加熱されて前記吸着剤に吸着した前記除去成分が脱着した後に、不活性ガスまたは前記吸着処理中の他の吸着塔からの吸着処理後の前記被処理ガスで、脱着した前記除去成分を含んだキャリアガスを排出してから、前記吸着剤が吸着性能を発揮できる温度まで前記吸着剤冷却用のガスを冷却する
    ことを特徴とする吸着装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸着装置において、
    吸着剤としてJIS−A型のシリカゲルを使用する
    ことを特徴とする吸着装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸着装置において、
    前記吸着剤として、比表面積500m/g以上で、関係湿度50%での吸湿率25%以下の疎水性シリカゲルを使用する
    ことを特徴とする吸着装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の吸着装置において、
    複数の前記吸着塔は、前記被処理ガスを排気する複数の排気ダクトに対応してそれぞれ設けられて、それぞれ前記被処理ガスが導入される供給口、および、前記吸着処理後の前記被処理ガスを排出する排出口を備えており、
    前記導入ラインは、
    前記排気ダクトとこれに対応する前記吸着塔の前記供給口とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた導入配管と、
    前記導入配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも上流側とを接続する導入側連結管と、を備えており、
    前記放出ラインは、
    一端が前記吸着塔の前記排出口に接続されて他端側から前記吸着処理後の前記被処理ガスが大気放出可能とされ、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた放出配管と、
    前記放出配管の前記バルブよりも上流側とこれに隣接する前記導入配管の前記バルブよりも下流側とを接続し、かつ、途中に前記流路切換手段としてのバルブが設けられた直列連結管とを備えている
    ことを特徴とする吸着装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の吸着装置において、
    初期には高濃度の前記除去成分を含んで排出され、その後徐々に前記除去成分の濃度が減少する排出パターンを持つ被処理ガスに対して前記吸着処理を行う
    ことを特徴とする吸着装置。
  8. 吸着塔内に充填された吸着剤により被処理ガス中の除去成分を吸着除去して吸着処理する吸着方法であって、
    複数の前記吸着塔に導入される前記被処理ガスの流路を切り換える流路切換手段により、
    前記吸着処理の初期には複数の前記吸着塔を直列に接続する状態に前記流路を切り換え、
    前記吸着処理の終期には下流側の吸着塔のみに前記被処理ガスを流通させる状態に前記流路を切り換える
    ことを特徴とする吸着方法。
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