JPH06315613A

JPH06315613A - 溶剤回収装置

Info

Publication number: JPH06315613A
Application number: JP5124824A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Akaike; 一宏赤池; Kenichi Aoki; 賢一青木
Original assignee: Yushiro Chemical Industry Co Ltd; Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Current assignee: Yushiro Chemical Industry Co Ltd; Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority date: 1993-04-30
Filing date: 1993-04-30
Publication date: 1994-11-15

Abstract

(57)【要約】【目的】塗装ブースや印刷工程などから排出される排
気中に含まれる低濃度の有機溶剤を効率的に除去できる
とともに、設備がコンパクトで、かつ処理経費が安価な
溶剤回収装置を提供する。【構成】排気ｇ中に含まれる低濃度の有機溶剤ｔを油
性媒体と水とのエマルジョンからなる吸収液ｋに吸収さ
せる吸収塔１２、有機溶剤ｔを吸収した溶剤吸収吸収液
ｋと再生塔３４で再生された再生吸収液ｋ′とを熱交換
させる吸収液熱交換器３２、さらに溶剤吸収液ｋを所定
温度に加熱する吸収液加熱器３３、所定温度に加熱され
た溶剤吸収吸収液ｋ中に含まれている有機溶剤や水を減
圧下で分離させる再生塔３４、有機溶剤ガスおよびスチ
ームを凝縮させる凝縮器３５、および凝縮器で凝縮した
有機溶剤ｔと水ｗとを分離させる溶剤分離器３６からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、塗装ブースや印刷工程
などから排出される大量の排気中に含まれる低濃度の有
機溶剤を回収する溶剤回収装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、塗装ブースから排出される大量
の排気中には、塗料中の有機溶剤が含まれているが、排
気量が多い割りに有機溶剤の濃度が低いので、処理が難
しく、殆ど処理されていないのが現状である。

【０００３】一方、有機溶剤を除去するために、従来か
ら行われている処理方法としては、例えば触媒燃焼法、
直接燃焼法、活性炭吸収法などがあるが、塗装ブースや
印刷工程から排出される大量の排気を処理するには、大
型の設備が必要になるとともに、処理経費も高く、経済
的な方法とはいえない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の課題を背景になされたもので、その目的
は、塗装ブースや印刷工程などから排出される大量の排
気中に含まれる低濃度の有機溶剤を効率的に除去できる
とともに、設備がコンパクトで、かつ処理経費が安価な
溶剤回収装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、排気中に含ま
れる低濃度の有機溶剤を油性媒体または油性媒体を主体
とする吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収塔にて有機溶
剤を吸収した溶剤吸収液と再生塔により再生させた再生
吸収液とを熱交換させる吸収液熱交換器と、吸収液熱交
換器を通過した溶剤吸収液を所定温度に加熱する吸収液
加熱器と、吸収液加熱器にて所定温度に加熱された溶剤
吸収液中に含まれている有機溶剤や水分を減圧下で分離
させる再生塔と、再生塔内で分離した有機溶剤ガスおよ
びスチームを凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮した有
機溶剤と水とを分離させる溶剤分離器とからなる溶剤回
収装置を提供するものである。

【０００６】

【作用】吸収塔において大量の排気中に含まれている低
濃度の有機溶剤を吸収した溶剤吸収液は、再生塔で再生
された再生吸収液と吸収液熱交換器にて熱交換して加温
されたのち、吸収液加熱器により所定温度に加熱され、
次いで減圧下の再生塔にて吸収していた有機溶剤や水分
を放出する。再生塔内で吸収液から分離した有機溶剤ガ
スやスチームは、凝縮器にて凝縮されたのち、溶剤分離
器において有機溶剤と水に分離される。

【０００７】油性媒体としては、流動パラフィン、スピ
ンドル油、ポリプロピレングリコール、ドデシルベンゼ
ン、フェニルキシリルエタン（熱媒）、水素化トリフェ
ニル（熱媒）、ネオペンチルグリコールエステル、ジオ
クチルフタレート、高級アルコール（Ｃ₁₃，Ｃ₁₅）など
が適している。

【０００８】また、吸収液は、油性媒体、あるいは油性
媒体を主体とするものであり、具体的には油性媒体単
独、油性媒体、界面活性剤および水からなるエマルジ
ョン、あるいは油性媒体、界面活性剤および水からな
る透明な溶液などが挙げられる。このうち、油性媒体に
少量の水を混合させてなる混合エマルジョンが好まし
い。特に、流動パラフィンに少量の水（２〜５重量％、
最大１０重量％）を混合させることにより、スチームを
キャリヤとして有機溶剤をストリッピングすることがで
きるとともに、第３石油類に相当する流動パラフィンの
引火点を無くし、危険物外とすることができる。

【０００９】一方、吸収液として油性媒体のみを使用す
るときは、キャリヤとしてスチームやチッ素ガスなどの
不活性ガスを再生塔内に供給することが好ましい。さら
に、再生塔内は、３０〜２００Ｔｏｒｒ、好ましくは５
０〜１５０Ｔｏｒｒに減圧されることが好ましい。

【００１０】以下、図面により本発明の実施例を説明す
る。この実施例では、塗装ブースの排気中から塗料ミス
トと有機溶剤とを回収する場合を例にとる。図１におい
て、仮想線Ｉ−Ｉより左側が溶剤および塗料ミスト除去
部Ａであり、その右側が吸収液の再生・溶剤塗料回収分
離部Ｂになっている。

【００１１】溶剤および塗料ミスト除去部Ａにおいて、
１０は塗装ブースであり、塗装ブース１０は、吹付塗装
室１１と吸収塔１２とから形成されている。吸収塔１２
の下部にある吸収液タンク１３内には、流動パラフィン
に少量（２〜５重量％）の水を混合させて作った混合エ
マルジョンからなる吸収液ｋが収納されている。

【００１２】吸収液タンク１３とその上方に配設させた
第１噴霧ノズル１４とを連通させる管１５の途中には、
循環ポンプ１６が設けられ、吸収液タンク１３内の吸収
液ｋを汲み上げて第１噴霧ノズル１４から噴霧させるよ
うになっている。さらに、第１噴霧ノズル１４の上方に
は、第２噴霧ノズル１７が設けられている。

【００１３】また、吸収塔１２内には、その左右両壁か
ら多数の誘導板１８が交互に突き出ており、吹付塗装室
１１から排出される大量の排気ｇを蛇行させるようにな
っている。さらに、塗装ブース１０の頂部には、排気フ
ァン１９が設置されている。

【００１４】一方、吸収液の再生・溶剤塗料回収分離部
Ｂには、塗料分離機３１、吸収液熱交換器３２、吸収液
加熱器３３、再生塔３４、凝縮器３５、溶剤分離器３
６、真空ポンプ３７、冷却器３８、再生液ポンプ３９、
ミキサー４０および吸収液冷却器４１が設けられてい
る。

【００１５】循環ポンプ１６を含む管１５から吸収液熱
交換器３２に至る分岐管２０の途中には、塗料分離機３
１が設けられている。さらに、吸収液熱交換器３２と再
生塔３４の胴部とを連通させる配管２１の途中には、吸
収液加熱器３３が配設されている。

【００１６】また、再生塔３４の頂部と溶剤分離器３６
の頂部とを連通させる管２２の途中には、凝縮器３５が
設けられているとともに、溶剤分離器３６の頂部から立
上げた排気管２３の途中には、真空ポンプ３７が設けら
れ、再生塔３４内を減圧させるようになっている。さら
に、真空ポンプ３７の下流側には、冷却器３８が設けら
れている。さらに、冷却器３８の底部と溶剤分離器３６
の頂部は管２４によって連通されている。

【００１７】また、再生塔３４と吸収液熱交換器３２と
を連通させる管２５の途中には、再生塔３４から吸収液
熱交換器３２に向かって再生液ポンプ３９とミキサー４
０とが、この順に配設されている。そして、再生液ポン
プ３９とミキサー４０の間にある管２５から分岐した分
岐管２６の上端は、溶剤分離器３６の底部に連通してい
る。また、溶剤分離器３６の鏡面には、有機溶剤回収用
の管２７が接続されている。

【００１８】さらに、吸収液熱交換器３２と第２ノズル
１７とを連通させる管２８の途中には、吸収液冷却器４
１が設けられている。次に、上記した溶剤回収装置の作
用について説明する。

【００１９】吹付塗装室１１から吸収塔１２内に導入さ
れる大量の排気ｇ中には、被塗装物Ｍに塗着しなかった
塗料ミスト（通常、塗着効率は３５〜５０％といわれて
いる）や塗料中の有機溶剤（通常、４０〜５０％）が含
まれているが、吸収塔１２内を蛇行しながら上昇する間
に第１および第２噴霧ノズル１４，１７から噴霧される
吸収液ｋによって塗料ミストの大部分が除去される一
方、有機溶剤も吸収液ｋに吸収される。塗料ミストおよ
び有機溶剤の除去された排気ｇは、換気ファン１９によ
って大気中に排出される。

【００２０】一方、塗料ミストと有機溶剤とを取り込ん
だ吸収液ｋの一部は、再生塔３４に送られるが、吸収液
ｋ内に浮遊している塗料ミストは、塗料分離機３１によ
って分離される。

【００２１】次に、塗料ミストの除去された吸収液ｋ
は、吸収液熱交換器３２を通過する間に再生塔３４で再
生された再生吸収液ｋ′と熱交換し、９０〜１１０℃ま
で加熱される。さらに、吸収液加熱器３３を通過する間
に１００〜１８０℃、好ましくは１２０〜１４０℃まで
加熱され、３０〜２００Ｔｏｒｒに減圧された再生塔３
４に送られる。

【００２２】減圧下の再生塔３４内でフラッシュするこ
とにより、吸収液ｋ中に含まれる少量の水分が蒸発して
スチームとなり、スチームをキャリアとして有機溶媒が
効率よくストリッピングされる。

【００２３】再生塔３４を出たスチームおよび有機溶剤
ガスは、凝縮器３５でその大部分が凝縮され、次の溶剤
分離器３６で水ｗと有機溶剤ｔとに油水分離される。そ
して、比重の小さい上層の有機溶剤ｔは、管２７を通っ
て回収され、比重の大きい下層の水ｗは、管２６を通っ
てミキサー４０に供給される。

【００２４】一方、再生液ポンプ３９によって再生塔３
４内からミキサー４０に供給された流動パラフィンは、
水ｗと混合されてエマルジョン化し、新たな吸収液ｋ′
に再生される。

【００２５】再生された吸収液ｋ′は、吸収液熱交換器
３２によって５０〜７０℃に冷却され、さらに吸収液冷
却器４１によって３０〜４０℃に再冷却されたあと、第
２噴霧ノズル１７から吸収塔１２内に噴霧され、排気ｇ
中の塗料ミストと有機溶剤とを吸収しながら吸収液タン
ク１３内に流入し、吸収液タンク１３内の吸収液ｋに含
まれる有機溶剤の濃度を５００〜２０００ｐｐｍ、好ま
しくは７００〜１，２００ｐｐｍに保持する。

【００２６】真空ポンプ３７から排出される排気中の有
機溶剤ガスやスチームの殆どは、冷却器３８によって液
化されて溶剤分離器３６に戻されるが、冷却器３８を通
過した極く少量の有機溶剤ガスやスチームは、排気管２
３から大気中に排出される。

【００２７】上記のように、本発明は、気液接触器タイ
プの吸収塔１２、減圧下で使用する気液分離器タイプの
再生塔３４、液液分離器タイプの溶剤分離器３６、およ
び再生塔３４で分離された油性媒体と溶剤分離器３６で
分離された水とを混合させて吸収液ｋを再生させるミキ
サー４０とを使用したから、塗装ブースから排出される
大量の排気中に含まれる低濃度の有機溶剤や塗料ミスト
を効率的に除去できるようになった。また、設備もコン
パクトになるばかりでなく、処理経費も安価になった。

【００２８】以上で本発明の実施例を説明したが、本発
明は、この実施例に限定されることはなく、その要旨を
逸脱しない範囲での変更などがあっても本発明に含まれ
るものである。

【００２９】すなわち、上記実施例は、塗装ブースから
排出される排気中の塗料ミストと有機溶剤とを回収する
場合について例示したが、印刷工程からでる排気中の有
機溶剤回収にも適用できる。ただ、その場合は、塗料を
含まないため、塗料分離機が不要となるから、使用しな
いか、あるいは撤去することができる。

【００３０】また、上記実施例は、溶剤および塗料ミス
ト除去部Ａと吸収液の再生・溶剤塗料回収分離部Ｂと
を、１対１で対応させた場合について例示したが、１ユ
ニットの吸収液の再生・溶剤塗料回収分離部Ｂに対して
多数の溶剤および塗料ミスト除去部Ａを対応させる場合
にも適用できる。

【００３１】さらに、ミキサーは、吸収液冷却器の出口
側に配設させても良い。さらに、吸収液として、油性媒
体を使用する場合には、ミキサーは不要になるが、吸収
液は排気中に含まれる水分を吸収するため、過剰な水分
を除去する溶剤分離器は必要である。

【００３２】

【発明の効果】上記のように、本発明によれば、塗装ブ
ースや印刷工程などから排出される大量の排気中に含ま
れる低濃度の有機溶剤を効率的に除去できるようになっ
た。また、設備も吸収液の再生・溶剤塗料回収分離部が
１ユニットで対応できるためコンパクトになり、処理経
費も安価になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る溶剤回収装置の概略図である。

【符号の説明】

１２吸収塔３２吸収液熱交換器３３吸収液加熱器３４再生塔３５凝縮器３６溶剤分離器ｇ排気ｋ吸収液ｋ′再生吸収液ｔ有機溶剤ｗ水

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】排気中に含まれる低濃度の有機溶剤を油
性媒体または油性媒体を主体とする吸収液に吸収させる
吸収塔と、吸収塔にて有機溶剤を吸収した溶剤吸収液と
再生塔により再生させた再生吸収液とを熱交換させる吸
収液熱交換器と、吸収液熱交換器を通過した溶剤吸収液
を所定温度に加熱する吸収液加熱器と、吸収液加熱器に
て所定温度に加熱された溶剤吸収液中に含まれている有
機溶剤や水分を減圧下で分離させる再生塔と、再生塔内
で分離した有機溶剤ガスおよびスチームを凝縮させる凝
縮器と、凝縮器で凝縮した有機溶剤と水とを分離させる
溶剤分離器とからなる溶剤回収装置。