JP2002045740A - 塗料ヤニ取り装置および塗料ヤニ取り方法 - Google Patents

塗料ヤニ取り装置および塗料ヤニ取り方法

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JP2002045740A
JP2002045740A JP2001032440A JP2001032440A JP2002045740A JP 2002045740 A JP2002045740 A JP 2002045740A JP 2001032440 A JP2001032440 A JP 2001032440A JP 2001032440 A JP2001032440 A JP 2001032440A JP 2002045740 A JP2002045740 A JP 2002045740A
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coating
paint
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tank
filtrate
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JP2001032440A
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Hisaomi Nakamura
壽臣 中村
Masao Uchimaki
正雄 内牧
Fumihiro Murakami
文宏 村上
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MURAKAMI KOGYO KK
RIKKEN KK
TOKYO MARU'T KK
Nippon Paint Co Ltd
Murakami Kogyo Co Ltd
Original Assignee
MURAKAMI KOGYO KK
RIKKEN KK
TOKYO MARU'T KK
Nippon Paint Co Ltd
Murakami Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の成分である合成樹脂等から発生するヤ
ニや臭気成分の除去性に優れた塗料ヤニ取り装置を提供
する。 【解決手段】 塗装用熱風乾燥炉において、炉内のガス
の一部を吸引し、ジェットスクラバーが内蔵された冷却
装置を備えた除去装置に導き、排気ガス中に含まれてい
る溶剤、樹脂分解物、ヤニ等については、除去装置内の
ジェットスクラバーで除去する。また、電着塗装時に発
生する隔膜液および/またはUF濾液が除去装置に補給
されるようにすることにより、電着塗装時に発生する隔
膜液やUF濾液に含有している固形分が除去されなが
ら、隔膜液やUF濾液の水成分が蒸発し、その減容が図
られることとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装時において発
生する塗装ミスト、蒸発する有機溶剤および塗装品を焼
付乾燥する際に発生する有機溶剤及びヤニを除去する塗
料ヤニ取り装置、塗料ヤニ取り方法、並びにそれらを利
用した塗装用熱風乾燥炉に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装業界の塗装においては、例えば自動
車車体等の塗装ラインでは塗装用熱風乾燥炉が使用され
ており、この塗装用熱風乾燥炉においては、燃料(例え
ば都市ガス)を直火式燃焼バーナー等で燃焼させ、直接
的に空気を加熱することによって、被塗物の塗膜を硬化
させるための熱風が形成され、被塗物に塗布された塗膜
を硬化・乾燥させている。
【0003】この際、塗装時には塗膜樹脂の熱重合反応
時に樹脂及び添加剤が分解遊離した樹脂反応遊離ガスが
発生し、それがいわゆる樹脂臭の原因となり、また、塗
料中の溶剤(特に、シンナー)の加熱による半分解物が
発生して、悪臭の原因となる。特に、樹脂が反応して遊
離してくるガス(樹脂反応遊離ガス)は、乾燥炉出入り
口付近において「ヤニ」となり、その「ヤニ」自体が被塗物
を汚染してしまったり、「ヤニ」が炉壁やダクト類等に付
着してそれが乾燥炉のメインテナンスやコンベアの運転
に支障をきたしてしまう場合があり、作業環境を悪化さ
せたり、周辺の機器の作動に悪影響を与えている。
【0004】これらの諸問題を解決するために種々の方
法が提案されてきており、特に乾燥炉においては、直接
燃焼脱臭炉、触媒燃焼脱臭炉、吸着式脱臭炉による方法
が挙げられる。そして例えば、吸着式脱臭炉において
は、活性炭やピオライト等の充填された吸着層が備え付
けられており、炉内雰囲気の一部がこの吸着層に導入さ
れると、この部分でヤニや悪臭物質等が吸着除去される
こととなる。
【0005】ここで、直接燃焼脱臭炉は750℃で0.
5〜1秒間排気ガスを燃焼させて排気ガス中のヤニ等の
有機物質を分解するものである。また、触媒燃焼脱臭炉
は白金触媒で加熱温度を低下させることによって、35
0〜450℃で排気ガスを加熱し、ヤニ等の有機物を分
解する。
【0006】しかし、直接燃焼脱臭炉においては、廃熱
利用の課題が残されていた。また、吸着式脱臭炉におい
ては、その吸着層で樹脂反応遊離ガスや溶剤半分解物、
ヤニ等を完全に除去するためには十分ではなく、吸着層
の交換に要するランニングコストが高価であるという問
題があった。更に、樹脂反応遊離ガスや溶剤半分解物等
は高温ではガス状物質であるが、温度が低い部位(特
に、乾燥炉の出口部分、入口部分)では液状ないし固体
に相変化し、被塗物を汚染するなどの問題を生じてい
た。
【0007】さらに、触媒燃焼式脱臭炉では、炉内の雰
囲気のバランスを保つために、脱臭処理層はバーナー能
力で必要とされる燃焼用新鮮空気供給量に見合う量に限
られている。このために、電着被塗物、特にカチオン電着
被塗物のように乾燥温度が170℃〜180℃というよ
うに高く、かつ水、溶剤、樹脂分解物等の揮発分が多い
乾燥炉では、炉内循環空気(熱風)の揮発物濃度が高くな
ってしまい、触媒に対して過負荷となって処理効率の低
下を来たすという難点があった。そして、処理効率の低
下が生じてしまうと、吸着式脱臭装置の場合と同様に、
「ヤニ」による被塗物ならびに乾燥炉壁の汚染、乾燥装置
のメインテナンスやコンベアの運転に対する支障を招来
することとなる。
【0008】ここで、上記したような問題は、被塗物の
大型化に伴って塗装用熱風乾燥炉を大型化し、それに応
じて樹脂反応遊離ガスや溶剤半分解物、ヤニの発生量が
増加した場合には、より顕著になる。
【0009】ところで、自動車ボディーの下塗り等の際
には一般的に電着塗装(電気泳動塗装)が採用されてい
るが、電着塗装時には隔膜液とUF濾液が発生する。こ
こで、電着塗装時に発生する隔膜液は主に酢酸を含有し
た溶液であり、UF濾液は電着液中に含まれる狭雑イオ
ンないし電着に適さない低分子量物であるが、これらは
通常、産業廃棄物として廃棄されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決するた
めに、新たに排気ガス処理流路にジェットスクラバー装
置を導入して排気ガス中に含まれる「ヤニ」や悪臭物質を
分離除去する提案を行なったが、特に「ヤニ」の分離除
去の場合には不十分さが生じる場合もあった。
【0011】すなわち、図1および図2に示すように、
排気ガス吸い込み口1から陰圧状態で吸入されたガス
は、水流塔8内のジェットノズル7で高速噴射された水
と接触して、水槽2に落下する。水槽2に貯留されてい
る水は、ポンプ6でジェットノズル7に戻される。この
過程において、排気ガスは、その温度が高いので(電着
塗料においては150〜170℃)、水の一部を蒸発さ
せながら、水槽の水温を約50℃程度にまで上昇させ
る。ここで、「ヤニ」は高温(例えば150〜170℃)
ではガス状態であるが、水槽の水により冷却されて、低
温(例えば50℃)では液体ないし固体となって水表面
に析出するので、この相変化を利用して「ヤニ」を捕集
し、除去する。
【0012】水槽から排出されるガスはミスト(霧状の
細かい水の粒)を多く含み、温度が高く(例えば50
℃)、相対湿度はほぼ100%である。これら排気ガス
が外部に排気されたとき、外気で温度が低下(例えば2
0℃)され、排気ガスが結露して白煙を発する。
【0013】ところで、被塗物の乾燥炉においては、塗
膜樹脂の熱重合反応時に樹脂及び添加剤が分解遊離した
樹脂反応遊離ガスが発生していわゆる樹脂臭の原因とな
り、また塗料中の溶剤、特にシンナーの加熱による半分
解物が発生して悪臭の原因となっている。したがって、
排気ガスが結露して白煙を発する白煙部分には、「ヤニ」
および悪臭の原因となる物質が多く含まれている。しか
し、水面上に析出した「ヤニ」等の物質を効率よく捕集す
る方法が見出せなかった。また、悪臭物質を分離除去す
るという効果が十分に得られなかった。
【0014】加えて、「ヤニ」等の捕集・除去を行うにあ
たっては、その過程でロスした水等を効率よく補充する
必要があり、その際には環境保全等の観点から見て好適
な手段を採用するのが望ましい。
【0015】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、塗装用熱
風乾燥炉から発生するヤニ、樹脂反応遊離ガス、溶剤半
分解物等をこれまで以上に効率的かつ完全に分離回収す
ることができ、かつ塗装工程全体から見た場合に省資源
・環境保全に資することができるようなものであって、
塗装用熱風乾燥炉が大型化してこれらの発生量が著しく
増加した場合でも十分に対処することができるような排
気ガス処理装置の塗料ヤニ取り装置を提供することにあ
る。
【0016】より具体的に言えば、本発明の目的は、ジ
ェットスクラバー方式の塗料ヤニ取り装置の性能を十分
にアップさせることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明は、ジェットスクラバーと循環する
水を積極的に冷却することによって、「ヤニ」及び「悪臭
原因物質」を強力に析出させるようにし、それを水面上
により効率よく析出させるようにすることによって「ヤ
ニ」を効率よく分離捕集するようにした事を特徴とす
る。
【0018】より具体的には、本発明は以下のようなも
のを提供する。
【0019】(1) 被塗物に熱風を吹き付けることに
よって当該被塗物に塗布された塗膜の加熱重合処理・乾
燥を行う塗装用熱風乾燥炉において塗装用熱風乾燥炉の
循環水槽に冷却装置を備えるジェットスクラバー方式の
除去装置が備え付けられていることを特徴とする塗料ヤ
ニ取り装置。
【0020】ここで、「ジェットスクラバー方式の除去
装置」とは、ジェットスクラバー(特開平9−3230
20号公報、特開平11−207137号公報、特開平
11−253749号公報、特開2000−10754
0号公報等)を備え、当該ジェットスクラバーのジェッ
ト水流によって排気ガスを吸引し、ジェット水流中に排
気ガスを巻き込んで急冷する排気ガス除去装置のことを
意味する。
【0021】また、「加熱重合処理・乾燥」は、加熱重
合処理もしくは乾燥処理のいずれかだけを行う場合、加
熱重合処理及び乾燥処理の両方を行う場合のいずれをも
含む意味である。
【0022】ここで、急冷効果を十分に発揮するため
に、塗装用熱風乾燥炉の循環水槽に冷却装置を備えてい
る。すなわち、本発明では水槽の水温を積極的に低下さ
せる事が重要である。冷却により排気ガスが低温化すれ
ばする程、排気ガスに含まれる低分子量物質が水面上に
析出することとなる。この低分子量物質は悪臭原因物質
に属するので、本発明は「ヤニ」物質の除去のみならず悪
臭原因物質をも除去することができる。
【0023】なお、本発明における「ヤニ取り」とは、
主にヤニを除去することを意味するが、これに限らず、
樹脂反応遊離ガス、溶剤半分解物等の悪臭原因物質を除
去することも併せて可能である。
【0024】(2) 前記除去装置が、ジェットノズル
から高速噴射される複数の塔を備えていることを特徴と
する上記(1)記載の塗料ヤニ取り装置。
【0025】すなわち、単数の塔よりも複数の塔により
ジェットノズルから高速噴射するほうが、ジェットスク
ラバーのジェット水流による排気ガスの吸引力が増し、
ジェット水流中に排気ガスを巻き込んで急冷し、さらに
塔そのものが、外気との間で熱交換の役割りを持ち、水
槽内の冷却を促進する効果が顕著になる。
【0026】(3) 前記除去装置が、循環水槽を備
え、前記循環水槽に浮遊したヤニを分離するためにオー
バーフロー槽を備えていることを特徴とする上記(1)
または(2)記載の塗料ヤニ取り装置。
【0027】一般に、ヤニは高温下では流動性がある
が、低温になると粘度が高くなる。すなわち、吸引され
た排気ガスを急冷することで循環水槽に流動性が悪くな
り、水の比重より低いヤニ自体が浮遊し、この浮遊した
ヤニをオーバーフローさせることで、ヤニを除去するこ
とができ、この除去されたヤニを留めておくためにオー
バーフロー槽を設ける。また、オーバーフロー槽が取り
付けられていることにより、連続的にヤニを分離するこ
とができるようになる。なお、オーバーフロー槽は、貯
水部の内部に取り付けられていても、外部に取り付けら
れていてもよい。
【0028】(4) 前記除去装置の排気口に、デミス
ターが連結されていることを特徴とする上記(1)から
(3)いずれか記載の塗料ヤニ取り装置。
【0029】すなわち、排気ガスが冷却され温度低下さ
せられると、ミストを発生するので、デミスターでミス
トを除去する。加えて、排気ガスが更に低温化すること
で、冷却で液体ないし固体となった「ヤニ」以外の低分子
量物質も液化することとなるが、これについてもこのデ
ミスターで除去される。
【0030】(5) 前記除去装置の排気口とデミスタ
ーとの間の流路に新鮮空気流入部を備えていることを特
徴とする上記(1)から(4)いずれか記載の塗装用熱
風乾燥炉。
【0031】排気ガスは低温(例えば50℃程度以下)
であるものの、室温と比較しても依然として高く、かつ
相対湿度はほぼ100%というようなものであるため、
新鮮空気吸い込み口から新鮮な空気を吸い込んで、この
排気ガスと合流させて排気ガスの温度を低下させるよう
にしている。
【0032】また、温度が低下した排気ガスは再びミス
トを発生するので、デミスターによって更にミストを除
去する。
【0033】ここで、本発明に係るヤニ取り装置による
以下のような方法も本発明の範囲に含まれる。
【0034】(6) 塗膜乾燥に供するための塗装用熱
風乾燥炉で発生するヤニを除去するためのヤニ取り装置
において、循環水槽に冷却手段を具備したジェットスク
ラバー方式の除去手段によって除去することを特徴とす
る塗料ヤニ取り方法。
【0035】(7) 前記除去装置の循環槽には電着塗
装時に発生する隔膜液またはUF濾液のいずれか一つ以
上を貯留するタンクが接続されており、当該除去装置の
循環槽に補給される水が、電着塗装時に発生する隔膜液
および/またはUF濾液であることを特徴とする(1)
から(4)いずれか1項に記載の塗料ヤニ取り装置。
【0036】即ち、本発明に係る塗料ヤニ取り装置で
は、排ガスが高温であるので、循環水が熱せられて蒸発
する。このために、蒸発によってロスした循環水を常時
補充する必要があり、そのための補給水が必要となって
くる。
【0037】ここで、本発明に係る塗料ヤニ取り装置を
使用した場合には、電着塗装時に発生する隔膜液やUF
濾液に含有している固形分を除去することができるの
で、この隔膜液やUF濾液を上記の「補給水」として利
用した場合には、本発明に係る塗料ヤニ取り装置によっ
て、隔膜液やUF濾液に含有する固形分がヤニと同時に
除去されることから、何ら問題を生ずることなく使用を
することができる。
【0038】そして、電着塗装時に発生する隔膜液やU
F濾液を、本発明に係る塗料ヤニ取り装置の「補給水」
として使用した場合には、隔膜液やUF濾液の水成分が
蒸発し、その減容が図られることとなるので、結果的に
隔膜液やUF濾液の産業廃棄物費用が低減されることと
なり、利用者に有益である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0040】図3は、本発明に係る塗料ヤニ取り装置の
循環水槽に冷却装置を取り付けた形態を説明するための
ブロック図である。この図3に示されるように、水槽2
の外部に冷却水槽9を設置し、互いの水槽の間で処理水
を循環することにより、水槽の処理水を冷却せしめる。
【0041】図4は、本発明に係る塗料ヤニ取り装置の
循環水槽に冷却装置を備えるジェットスクラバー装置を
取り付けた形態を示す図(平面図)である。この図4に
示されるように、ジェットスクラバー装置の周囲に空気
冷却の熱交換器13を設置する。こうすることで、パイ
プ状の熱交換器13内を処理水が循環し、空冷による方
式で処理水を冷却させることができる。ここで、熱交換
器13のパイプは水槽の周囲をスパイラル状に配置さ
れ、処理水を水槽上部より取り入れ、水槽下部へ戻すこ
とが好ましい。
【0042】図5は、本発明に係る塗料ヤニ取り装置の
循環水槽に冷却装置を備えるジェットスクラバー装置を
取り付けた形態を示す図(側面図)である。この図5に
示されるように、ジェットノズル部から高速噴射される
流路を形成する水流塔8はそれ自体が熱交換器で構成さ
れており、複数の水流塔8を備えることで、この水流塔
8の熱交換機能を増強することができる。特に、水流塔
を多く設置し、かつ、外気との接触面積を増加する、あ
るいは、水流塔の高さを高くして、かつ、外気との接触
面積を増加することで、水流塔の熱交換機能を更に増強
することが可能である。
【0043】図6は、本発明に係る塗料ヤニ取り装置の
循環水槽にオーバーフロー槽を備えるジェットスクラバ
ー装置を取り付けた形態を示す図(側面図)である。こ
の図5に示されるように、水槽2の表面に浮遊している
「ヤニ」はオーバーフロー槽11に自然に流入され、水槽
2のオーバーフロー槽11内にあるストレーナー12上
に集積される。また、濾液はポンプ14を通して、水槽
2に戻される。この循環を繰り返すことで、効率よく
「ヤニ」を分離捕集することができる。なお、「ヤニ」を
集積するためのストレーナーは、これ以外に不織布、ろ
紙、濾布等も採用が可能である。
【0044】図7は、本発明に係る塗装用熱風乾燥炉に
新鮮空気流入部を備えた形態を示す図である。排気口と
デミスターとの間の流路に新鮮空気流入部を備えること
で、吸い込み口15から新鮮空気を吸い込み、排気ガス
と合流させて、排気ガスの温度を低下させるようにして
いる。
【0045】ここで、温度低下させられた排気ガスは再
びミストを発生するので、デミスター4で更にミストを
除去する。加えて、排気ガスが更に低温化することで、
冷却により液体ないし固体となった「ヤニ」以外の低分子
量物質も液化することとなるが、これについてもこのデ
ミスター4で除去されることとなる。従って、水槽2か
ら排出されるガスのミスト除去、高温高湿度下にある槽
内の湿度を低下させることができる。さらに温度を低下
させるために、ガス結露で発生するミストを再度デミス
ター4で除去する。これにより、排気ガスが外気の空気
に接触しても白煙を発することがなくなる。
【0046】図8は、蒸発によってロスした循環水を常
時補充するのに好適な塗料ヤニ取り装置の構成を図示し
たブロック図である。なお、図1〜図7と同一の構成要
素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】この実施形態に係る塗料ヤニ取り装置に
は、図8に示されるように、電着塗装時に発生する隔膜
液もしくはUF濾液、またはその両方を貯留しているタ
ンク16が、ポンプ17を介して接続されている。そし
て、タンク16に貯留されている隔膜液及び/またはU
F濾液は、高温の排ガスに触れて蒸発してロスした循環
水を補う「補給水」として、ポンプ17により、塗料ヤ
ニ取り装置に供給される。
【0048】このような構成を備える本実施形態に係る
塗料ヤニ取り装置によれば、蒸発によってロスした循環
水が常時補充されることとなる。そして、この際に使用
される「補給水」が、産業廃棄物として廃棄されてきて
いたものであるために、本装置によれば、省資源化と環
境保全が図られるようになる。またこの一方で、本発明
に係る塗料ヤニ取り装置を使用した場合には、電着塗装
時に発生する隔膜液やUF濾液に含有している固形分が
除去されながら、隔膜液やUF濾液の水成分が蒸発し、
その減容が図られることとなるので、結果的に隔膜液や
UF濾液の産業廃棄物費用が低減されることとなる。
【0049】
【実施例】本発明に係る脱臭装置を実際の乾燥炉に取り
付けて、排気ガスの濃度を調査した。乾燥炉は平型乾燥
炉であり、排気風量は100Nm/min、LPGガス
(24000Kcal/kg)は60m/Hrで供給した。炉
内温度140℃、外気温度25℃の条件下で、被塗物は
ロッカーであった。また、塗料はメラミンアルキド塗料
であった。
【0050】排気ガスを3点比較式臭気袋法に供すると
ともに、検知管による有機ガス濃度および粉じんの測定
を行った。その結果を、従来の結果と比較しつつ以下に
示す。なお、本発明の実施例として図4、図6および図
7に示す形態をとった。
【0051】
【表1】
【0052】以上の結果から明らかなように、本発明に
係る塗料ヤニ取り装置が取り付けられた塗装用熱風乾燥
炉によれば、炉内から発生する排気ガスの清浄性が従来
のものよりも格段に優れている。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る塗料
ヤニ取り装置によれば、「ヤニ」および悪臭原因物質を水
面上により効率よく析出させ、効率よく分離捕集するこ
とができ、「ヤニ」物質の除去のみならず悪臭原因物質も
除去することができる。また、炉内でヤニが大量に発生
するような状態であったとしても、ほぼ完全にヤニの除
去を行うことができるため、乾燥炉内および循環ダクト
が「ヤニ」で汚れるというような事態を回避することがで
き、これらの清掃作業、メインテナンス作業を軽減させ
ることができる。
【0054】更に、従来からの吸着脱臭炉では、乾燥炉
出口は入口周辺では排気ガスが作業場に噴出し、それが
作業環境を悪化させていたが、本発明に係る塗装用熱風
乾燥炉ではこの問題も著しく改善されている。これと同
時に、従来からの塗装用熱風乾燥炉では、上記作業環境
の悪化以外に、周辺の機器の作動に著しい悪影響を及ぼ
すような場合もあったが、本発明に係る塗装用熱風乾燥
炉ではこの問題も著しく改善されており、近年叫ばれて
いる環境浄化の面でも好ましい。
【0055】また、本発明に係る塗装用熱風乾燥炉にお
いては、除去装置に冷却装置を備えていないものと比較
して、排ガス中の臭気濃度を低減する効果が確認でき
た。
【0056】また更に、本発明に係る塗装用熱風乾燥炉
においては、従来型吸着脱臭炉のものと比較して、排気
ガス処理の量的なキャパシティが大きいため、大型の被
塗物の塗装を行う場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来からの除去装置に冷却装置を備えていな
い排気ガス処理装置の構成態様を示す正面図である。
【図2】 従来からの除去装置に冷却装置を備えていな
い排気ガス処理装置の構成態様を示す側面図である。
【図3】 本発明に係る塗料ヤニ取り装置の循環水槽に
冷却装置を取り付けた形態を説明するためのブロック図
である。
【図4】 本発明に係る塗料ヤニ取り装置の循環水槽に
冷却装置を備えるジェットスクラバー装置を取り付けた
形態を示す図(平面図)である。
【図5】 本発明に係る塗料ヤニ取り装置の循環水槽に
冷却装置を備えるジェットスクラバー装置を取り付けた
形態を示す図(側面図)である。
【図6】 本発明に係る塗料ヤニ取り装置の循環水槽に
冷却装置を備えるジェットスクラバー装置を取り付けた
形態を示す図(側面図)である。
【図7】 本発明に係る塗装用熱風乾燥炉に新鮮空気流
入部を備えた形態を示す図である。
【図8】 蒸発によってロスした循環水を常時補充する
のに好適な塗料ヤニ取り装置の構成を図示したブロック
図である。
【符号の説明】
1 ガス吸い込み口 2 水槽 3 エリミネーター 4 デミスター 5 ガス吹き出し口 6 ポンプ 7 ジェットノズル 8 水流塔 9 冷却水槽 10 チラー 11 オーバーフロー槽 12 ストレーナー 13 空気冷却熱交換器 14 ポンプ 15 新鮮空気吸い込み口 16 タンク 17 ポンプ
フロントページの続き (71)出願人 500240494 株式会社東京マルティー 東京都新宿区高田馬場3丁目13番1号 (72)発明者 中村 壽臣 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 内牧 正雄 千葉県流山市向小金井84番地 (72)発明者 村上 文宏 埼玉県川越市上戸新町7番4号 Fターム(参考) 4D032 AB09 AC21 4D073 AA01 BB03 DC04 DC07 DC14 DC25 DD02 DD08 4D075 BB24Z BB26Z BB33Z BB65Z CA47 DA23 DC12 4F042 AA09 DB30 DB34 DB40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物に熱風を吹き付けることによって
    当該被塗物に塗布された塗膜の加熱重合処理・乾燥を行
    う塗装用熱風乾燥炉において、 塗装用熱風乾燥炉の循環水槽に冷却装置を備えるジェッ
    トスクラバー方式の除去装置が備え付けられていること
    を特徴とする塗料ヤニ取り装置。
  2. 【請求項2】 前記除去装置が、ジェットノズルから高
    速噴射される複数の塔を備えていることを特徴とする請
    求項1記載の塗料ヤニ取り装置。
  3. 【請求項3】 前記除去装置が、循環水槽を備え、前記
    循環水槽に浮遊したヤニを分離するためにオーバーフロ
    ー槽を備えていることを特徴とする請求項1または2記
    載の塗料ヤニ取り装置。
  4. 【請求項4】 前記除去装置の排気口に、デミスターが
    連結されていることを特徴とする請求項1から3いずれ
    か1項に記載の塗料ヤニ取り装置。
  5. 【請求項5】 前記除去装置の排気口とデミスターとの
    間の流路に新鮮空気流入部を備えていることを特徴とす
    る請求項1から4いずれか1項に記載の塗装用熱風乾燥
    炉。
  6. 【請求項6】 塗膜乾燥に供するための塗装用熱風乾燥
    炉で発生するヤニを、循環水槽に冷却手段を具備したジ
    ェットスクラバー方式の除去手段によって除去すること
    を特徴とする塗料ヤニ取り方法。
  7. 【請求項7】 前記除去装置の循環槽には電着塗装時に
    発生する隔膜液またはUF濾液のいずれか一つ以上を貯
    留するタンクが接続されており、当該除去装置の循環槽
    に補給される水が、電着塗装時に発生する隔膜液および
    /またはUF濾液であることを特徴とする請求項1から
    4いずれか1項に記載の塗料ヤニ取り装置。
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