JP2004023903A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グロメット10の円筒部10bの開放端部10gから突出する長尺部材2の屈曲を規制する規制手段11をグロメット10に設ける。長尺部材2に横方向の力が作用して、長尺部材2が屈曲しようとすると、長尺部材2が規制手段11に当接して屈曲が規制される。これによって、長尺部材2と充填剤3の接合部12に作用する力を緩和して長尺部材2と充填剤3との剥がれを防止するようにした構成を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グロメットに係り、例えばワイヤハーネス等を保護すると共に、ワイヤハーネスと充填剤との接合部からの水等の侵入を防止するシール性に優れ、ワイヤハーネス等を車両に配索するのに好適なグロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車輛のエンジンルームから室内へワイヤハーネス等を配線するために、グロメットが用いられている。グロメットは、エンジンルームと室内とを仕切るパネルにワイヤハーネス等を通すためのものであって、パネルに設けられた取付孔に嵌め込み、取付孔を密封状態に保ちながらワイヤハーネス等を貫通させるようになっている。
【0003】
図10に示すように、従来のグロメット1は、ワイヤ挿通部1aと、シール部1bと、取付部1cとが、合成ゴム等により一体に成形されて製作されている。ワイヤ挿通部1aは、ワイヤハーネス2を挿通させて保持するためのものであって、内径寸法がワイヤハーネス2の外径寸法と略同じ寸法となっている。
【0004】
シール部1bは、ワイヤハーネス2を挿通させた後、シール部1b内に充填剤3を充填してワイヤハーネス2を水密に封止するようになっている。
取付部1cは、周溝1dを有し、パネル4に設けられた取付孔4aに周溝1dを嵌合させて取付孔4aを密封状態に保持するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワイヤハーネス2に横方向から力が作用すると、ワイヤハーネス2は、充填剤3の表面側の接合部5で曲げられ、結果としてワイヤハーネス2と充填剤3とが、充填剤3の接合部5を起点として剥がれる場合があった。
ワイヤハーネス2と充填剤3と間に隙間が生じると、シール性が損なわれ、隙間から水等が室内に侵入し、室内の床や室内のものを濡らしてしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤハーネスに横方向から力が作用しても、ワイヤハーネスと充填剤との間のシール性を確保し、安定した防水性を有するグロメットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、取付板に形成された取付孔に長尺部材を挿通保持するために、前記長尺部材を挿通可能な円筒部を有し、前記円筒部内に充填剤が充填されるグロメットであって、
前記円筒部の開放端部から突出する前記長尺部材の屈曲を規制する規制手段が設けられていることをことを特徴としている。
【0008】
ここで、グロメットは、車輛のエンジンルームと室内とを仕切るパネル等にワイヤハーネス等を通すために、例えば合成ゴム等で一体成形された部材である。取付板としては、一例として車輛のエンジンルームと室内を仕切るパネル等が例示できる。また、長尺部材としては、例えばエンジンルームから室内に配線されるワイヤハーネス等を例示できる。更に規制手段としては、例えば板状、筒状、コイル状あるいは棒状等に、グロメットより大きな剛性を有する合成樹脂、金属あるいは合成ゴム等で成形されたプロテクタを例示できる。
【0009】
このように構成されたグロメットにおいては、円筒部の開放端部から突出する長尺部材の屈曲を規制する規制手段が設けられている。長尺部材に横方向の力が作用すると、長尺部材が屈曲しようとするが、規制手段に当接して屈曲が規制される。
これによって、長尺部材は、充填剤の接合部での曲げが防止される。
【0010】
従って、このグロメットにおいては、長尺部材と充填剤とが剥がれて隙間が生じ、シール性能が損なわれることはない。
これによって、従来のような、長尺部材と充填剤の隙間から水等が室内に侵入し、床や室内のものを濡らしてしまうという問題を解消できることになる。
【0011】
また、本発明は、請求項2に記載したように、請求項1に記載したグロメットであって、前記規制手段は、前記長尺部材に対して略平行に配置された壁部材であることを特徴としている。
【0012】
ここで、壁部材としては、断面略半円形、断面略L字形あるいは帯状の部材であり、グロメットより大きな剛性を有する、例えば金属、合成樹脂、合成ゴム等で製作されたプロテクタを例示できる。
【0013】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材が長尺部材に対して略平行に配置されている。長尺部材が屈曲しようとすると、長尺部材が壁部材に直接接触することにより、長尺部材の屈曲を直接的に規制できることになる。
従って、このグロメットにおいては、従来のような長尺部材の屈曲に起因する長尺部材と充填剤との剥がれを確実に防止することができることになる。
【0014】
また、本発明は、請求項3に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、前記充填剤に埋設されていることを特徴としている。
【0015】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材が充填剤に埋設され、長尺部材に隣接して固定されているので、長尺部材に屈曲が発生すると、直ちに壁部材に当接する。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材が曲り始めると、すぐに曲りが規制され、長尺部材の曲りが阻止される。これによって、従来のような、長尺部材が大きく曲がって、長尺部材と充填剤との間に隙間が生じるという問題を解消できることになる。
【0016】
また、本発明は、請求項4に記載したように、請求項3に記載したグロメットであって、前記壁部材は、前記長尺部材に密着していることを特徴としている。
【0017】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、長尺部材に密着して状態で充填剤に埋設されているので、充填剤の接合部で長尺部材の曲りが生じることがない。
従って、このグロメットにおいては、従来のような充填剤とワイヤハーネスの接合部に力が作用することはなく、請求項3の効果を更に向上させることができ、長尺部材が充填剤から剥がれるという問題を確実に解消できることになる。
【0018】
また、本発明は、請求項5に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、前記円筒部の外周面に沿うと共に前記円筒部の前記開放端部から突出するように固定されていることを特徴としている。
【0019】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、円筒部の外周面に沿うと共に、円筒部の開放端部から突出するように固定されている。これによって、円筒部近傍において、横方向からの力が、長尺部材に直接に作用することが阻止できることになる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材を屈曲させる方向に作用する力の作用点が、円筒部から遠くなるので、充填剤の接合部に加わる力を緩和できることになる。
【0020】
また、本発明は、請求項6に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、断面略半円形状であることを特徴としている。
【0021】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、断面略半円形状となっているので、横方向から長尺部材に作用する力の方向に合わせて円筒部に容易に配設することができる。
従って、確実に長尺部材の屈曲を防止でき、また作業性が向上することになる。また、長尺部材がワイヤハーネス等のように断面略円形の部材である場合には、壁部材の面積の全体で長尺部材を支持することができる。従って、壁部材の一部に力が集中することがなく、長尺部材に作用する力を分散させて支承できることになる。
【0022】
また、本発明は、請求項7に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、断面略L字形状であることを特徴としている。
【0023】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、断面略L字形状の単純な形状となっているので、請求項6で述べた効果に加えて、壁部材を容易、かつ、安価に製作できることになる。
【0024】
また、本発明は、請求項8に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、円筒形状であることを特徴としている。
【0025】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、円筒形状となっているので、長尺部材を屈曲させるように作用する力がどの方向から作用しても、長尺部材の屈曲を確実に防止できることになる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材に作用する力の方向と無関係に、従来のような長尺部材が充填剤から剥がれ、シール性能が劣化するという問題を解消できることになる。
【0026】
また、本発明は、請求項9に記載したように、請求項2に記載したグロメットであって、前記壁部材は、コルゲートチューブ状であることを特徴としている。
【0027】
このように構成されたグロメットにおいては、壁部材は、コルゲートチューブ状の部材として構成されている。コルゲートチューブは、可撓性を有するため、長尺部材に横方向から力が作用すると、長尺部材と共にコルゲートチューブも屈曲することになる。
これによって、長尺部材に作用する力がコルゲートチューブにも分散され、長尺部材の屈曲部が一箇所に集中することが防止され、長尺部材を損傷から保護できることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態のグロメット10は、ワイヤ挿通部10aと、円筒部10bと、取付部(図示せず)とが合成ゴム等によって一体に成形されて製作されている。円筒部10b、および取付部は、ワイヤ挿通部10aから連続し、かつ、ワイヤ挿通部10aの互いに反対側に形成されている。
【0029】
ワイヤ挿通部10aは、長尺部材であるワイヤハーネス2を貫通孔10dに挿通させて保持するためのものであって、貫通孔10dの内径寸法は、ワイヤハーネス2の外径寸法と略同じ寸法となっている。
取付部は、図10に示す従来のグロメット1と同様に、周溝(図示せず)を有し、取付板であるパネル(図示せず)に設けられた取付孔(図示せず)に周溝を嵌合させて密封状態に保持するようになっている。
【0030】
円筒部10bは、円錐形状部10eを介してワイヤ挿通部10aに連続して形成されており、貫通孔10dに連通する充填室10fが形成されている。
そして、取付部、ワイヤ挿通部10aの貫通孔10d、および充填室10fにワイヤハーネス2を挿通させた後、円筒部10b内に充填剤3を充填してワイヤハーネス2を水密に封止するようになっている。
【0031】
充填剤3には、規制手段であるプロテクタ11が、ワイヤハーネス2に沿うようにテープ等に固定され、かつ、略平行に埋設されている。プロテクタ11は、少なくともグロメット10より大きな剛性を有する合成樹脂、金属あるいは合成ゴム等で製作された断面略U字形の部材であり、円筒部10bの開放端部10gから外方に突出して配置されている。
なお、充填剤3は、ワイヤハーネス2に対してプロテクタ11をテープ等に固定してから充填してもよく、あるいはワイヤハーネス2に対してプロテクタ11を所定寸法離間するように配置してから充填してもよい。
【0032】
前述したグロメット10によれば、ワイヤハーネス2に横方向から力が作用すると、ワイヤハーネス2は、僅かに曲げられた状態でプロテクタ11に当接する。それ以後の屈曲は、プロテクタ11によって阻止される。
従って、充填剤3の接合部12には、ほとんど力がかからず、充填剤3とワイヤハーネス2との剥がれが防止できる。また、これによって、ワイヤハーネス2と充填剤3との間に隙間が形成されることはなく、水等が室内に侵入することが阻止される。
【0033】
図2に示すように、本発明に係る第2実施形態のグロメット20は、ワイヤ挿通部20aと、円筒部20bと、取付部20cとが、合成ゴム等によって一体に成形されて製作されている。円筒部20bは、ワイヤ挿通部20aから連続して形成されている。また、取付部20cは、円筒部20bの反対側に配設され、ワイヤ挿通部20aと蛇腹部20dを介して連続して形成されている。
【0034】
ワイヤ挿通部20aは、長尺部材であるワイヤハーネス2を貫通孔(図示せず)に挿通させて保持するためのものであって、貫通孔の内径寸法は、ワイヤハーネス2の外径寸法と略同じ寸法となっている。
円筒部20bには、ワイヤハーネス2の外径寸法より大きな内径寸法を有するカップ状の充填室20eが、ワイヤ挿通部20aの貫通孔に連通して形成されている。
【0035】
取付部20cは、取付板であるパネル(図示せず)に設けられた取付孔(図示せず)と同一形状の略U字形状のリブが二重に設けられており、リブの全周にわたって周溝20fが形成されている。
パネルへの取付け時に、周溝20fをパネルの取付孔に嵌合させて密封状態に保持するようになっている。
【0036】
壁部材であるプロテクタ21は、グロメット20より大きい剛性を有する、例えば金属、合成樹脂、硬質ゴム等の素材を断面略U字形に成形して製作されている。プロテクタ21は、ワイヤハーネス2に沿うようにテープ等に固定され、充填剤3に埋設されている。
なお、充填剤3は、ワイヤハーネス2に対してプロテクタ21をテープ等に固定してから充填してもよく、あるいはワイヤハーネス2に対してプロテクタ21を所定寸法離間するように配置してから充填してもよい。
【0037】
プロテクタ21は、ワイヤハーネス2と密着させて配置してもよく、また、ワイヤハーネス2との間に適宜の隙間を設け、隙間に充填剤3を充填するようにしてもよい。プロテクタ21とワイヤハーネス2とが密着している場合には、ワイヤハーネス2に横方向から力が作用すると、ワイヤハーネス2は、全く屈曲することなくプロテクタ21で保持される。
また、プロテクタ21とワイヤハーネス2との間に隙間が設けられている場合には、ワイヤハーネス2に多少の融通性を付与することができる。ワイヤハーネス2の設置条件に応じて、いずれかを選択することも可能である。
【0038】
プロテクタ21の一端21aは、円筒部20bの開放端部20gから突出している。プロテクタ21の開放端部20gからの突出長さは、長い程、ワイヤハーネス2の屈曲を保護する性能が大きい。
設置スペースおよびワイヤハーネス2に作用する力の大きさ等の使用条件に応じて、最適長さが決定される。通常は、円筒部20bの直径と略同等の長さに設定される。
【0039】
前述したグロメット20によれば、第1実施形態のグロメット10と同様に、ワイヤハーネス2に横方向から力が作用しても、ワイヤハーネス2はプロテクタ21によって支持され、ワイヤハーネス2の屈曲が直接的に規制される。
従って、ワイヤハーネス2と充填剤3との接合部に力が作用せず、充填剤3からのワイヤハーネス2の剥がれが防止され、シール性能が劣化することはない。
【0040】
図3は、本発明に係る第3実施形態のグロメットの斜視図である。なお、以下に説明する実施の形態において、既に図2において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0041】
図3に示すように、本発明に係る第3実施形態のグロメット30は、断面略L字形に形成されたプロテクタ31が、ワイヤハーネス2と略平行にテープ等に固定されて円筒部20b内に配置され、充填剤3に埋設されている。プロテクタ31の一端31aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
なお、充填剤3は、ワイヤハーネス2に対してプロテクタ31をテープ等に固定してから充填してもよく、あるいはワイヤハーネス2に対してプロテクタ31を所定寸法離間するように配置してから充填してもよい。
【0042】
前述したグロメット30によれば、第1実施形態のグロメット10と同様に、充填剤3からのワイヤハーネス2の剥がれが防止される。また、プロテクタ31の形状が簡単な形状となっているので、容易、かつ、安価に製作できる。
【0043】
図4に示すように、本発明に係る第4実施形態のグロメット40は、円筒形状のプロテクタ41を有し、ワイヤハーネス2が挿通されて円筒部20b内に配置され、充填剤3に埋設されている。プロテクタ41の一端41aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
【0044】
前述したグロメット40によれば、第1実施形態のグロメット10と同様の効果がある。更に、プロテクタ41が円筒形状となっているので、どの方向から力が作用してもワイヤハーネス2はプロテクタ41に当接し、ワイヤハーネス2の屈曲を確実に防止できる。
【0045】
図5に示すように、本発明に係る第5実施形態のグロメット50は、ワイヤハーネス2が挿通されたコルゲートチューブ状のプロテクタ51が、円筒部20b内に配置され、充填剤3に埋設されている。プロテクタ51の一端51aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
なお、コルゲートチューブ状のプロテクタ51には、軸方向に切目51bを設けるようにしてもよく、この場合には、切目51bを開いてワイヤハーネス2に被せることができるので、ワイヤハーネス2への装着が容易となる。
【0046】
前述したグロメット50によれば、プロテクタ51は可撓性を有しているので、大きな剛性を持つプロテクタに比較すると、ワイヤハーネス2の支持性能は弱い。しかし、ワイヤハーネス2にある程度の自由度を付与することができ、またワイヤハーネス2に作用する力が一箇所に集中することはなく、分散されるので、ワイヤハーネス2の特定の部位の損傷を回避できる利点がある。
【0047】
図6に示すように、本発明に係る第6実施形態のグロメット60は、断面略U字形に形成されたプロテクタ61が、円筒部20bの外周面20hに沿わせて配置、固定されている。プロテクタ61と円筒部20bの固定は、接着あるいはテーピング等により行うことができる。プロテクタ61の一端61aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
【0048】
前述したグロメット60によれば、ワイヤハーネス2に作用する力の作用点を、円筒部から遠くでき、充填剤の接合部に加わる力を緩和できる。
また、プロテクタ61の向きを、力が作用する方向に合わせて配設することが容易であり、作業性がよい。
【0049】
図7に示すように、本発明に係る第7実施形態のグロメット70は、断面略L字形に形成されたプロテクタ71が、円筒部20bの外周面20hに沿わせて配置、固定されている。プロテクタ71と円筒部20bの固定は、接着あるいはテーピング等により行うことができる。
プロテクタ71の一端71aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
【0050】
前述したグロメット70によれば、第6実施形態のグロメット60と同様の効果を有する。また、プロテクタ71の製作が容易である。
【0051】
図8に示すように、本発明に係る第8実施形態のグロメット80は、円筒形状のプロテクタ81が、円筒部20bの外周面20hに嵌合し、固定されている。プロテクタ81と円筒部20bの固定は、接着あるいはテーピング等により行うことができる。
プロテクタ81の一端81aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。
【0052】
前述したグロメット80によれば、第6実施形態のグロメット60と同様の効果を有する。また、ワイヤハーネス2に作用する力の方向に無関係に、ワイヤハーネス2を保護できる。
【0053】
図9に示すように、本発明に係る第9実施形態のグロメット90は、コルゲートチューブ状のプロテクタ91が、円筒部20bの外周面20hに嵌合し、固定されている。プロテクタ91と円筒部20bの固定は、接着あるいはテーピング等により行うことができる。プロテクタ91の一端91aは、円筒部20bの開放端部20gから突出して配設されている。プロテクタ91には、軸方向に切目91bを設けて、円筒部20bへの装着を容易にすることも可能である。
【0054】
なお、コルゲートチューブ状のプロテクタ91の開放端部20gからの突出長さは、プロテクタ91が可撓性を有しているので、可撓性のないプロテクタ61,71,および81に比較して長くすることがワイヤハーネス2の保護の観点から有効である。
【0055】
前述したグロメット90によれば、第6実施形態のグロメット60と同様の効果を有する。また、ワイヤハーネス2に作用する力が、コルゲートチューブ状のプロテクタ91にも分散され、力が一箇所に集中することがない。
【0056】
なお、本発明のグロメットは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、グロメットを合成ゴムで一体成形した例について説明したが、その他の可撓性材料でグロメットを成形してもよく、一体に成形しなくてもよい。
【0057】
その他、前述した各実施形態において例示した長尺部材、円筒部、充填剤、グロメット、規制手段、壁部材等の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0058】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、円筒部の開放端部から突出する長尺部材の屈曲を規制する規制手段が設けられている。長尺部材に横方向の力が作用して長尺部材が屈曲しようとすると、規制手段に当接して屈曲が規制される。これによって、長尺部材が、充填剤の接合部で曲げられることが防止できる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材と充填剤とが剥がれてシール性能が損なわれることはない。従来のような、長尺部材と充填剤との隙間から水等が室内に侵入し、床等を濡らしてしまうという問題を解消できる。
【0059】
また、本発明によれば、請求項2に記載したように、壁部材が長尺部材に対して略平行に配置されているので、長尺部材が壁部材に直接接触することにより、長尺部材の屈曲を直接的に規制できる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材の屈曲に起因する長尺部材と充填剤との剥がれを確実に防止することができる。
【0060】
また、本発明によれば、請求項3に記載したように、壁部材が充填剤に埋設され、長尺部材に隣接して固定されているので、長尺部材に屈曲が発生すると、直ちに壁部材に当接し、長尺部材の屈曲を規制する。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材が大きく曲がって、長尺部材と充填剤との間に隙間が生じ、シール性能が損なわれるという問題を解消できる。
【0061】
また、本発明によれば、請求項4に記載したように、壁部材は、長尺部材に密着して状態で充填剤に埋設されているので、充填剤と長尺部材の接合部で、長尺部材に曲りが生じることがない。
従って、充填剤の接合部に力が作用することがなく、請求項3で述べた効果を更に確実にすることができ、長尺部材が充填剤から剥がれるという問題を解消できる。
【0062】
また、本発明によれば、請求項5に記載したように、壁部材は、円筒部の外周面に沿うと共に、円筒部の開放端部から突出するように固定されている。これによって、長尺部材を屈曲させるように作用する力が、円筒部近傍の長尺部材に直接加わることが阻止できる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材に横方向から作用する力の作用点が、円筒部から遠くなるので、充填剤の接合部に作用する力を緩和できる。
【0063】
また、本発明によれば、請求項6に記載したように、壁部材は、断面略半円形状となっているので、横方向から長尺部材に作用する力の方向に合わせ、円筒部に配設することができ、壁部材が有効に機能する。また、円筒部への壁部材の取付けも容易であり、作業性が向上する。
【0064】
また、本発明によれば、請求項7に記載したように、壁部材は、断面略L字形状となっているので、請求項6で述べた効果に加えて、壁部材を容易、かつ、安価に製作できる。
【0065】
また、本発明によれば、請求項8に記載したように、壁部材は、円筒形状となっているので、長尺部材を屈曲させるように作用する力が、どの方向から作用しても長尺部材の屈曲を確実に防止できる。
従って、このグロメットにおいては、長尺部材に作用する力の方向に無関係に、長尺部材が充填剤から剥がれることが防止され、シール性能が劣化することもない。
【0066】
また、本発明によれば、請求項9に記載したように、壁部材は、コルゲートチューブ状の部材として構成されている。コルゲートチューブは、可撓性を有するため、長尺部材に横方向から力が作用すると、長尺部材と共にコルゲートチューブも屈曲する。これによって、長尺部材に作用する力が、コルゲートチューブの全長にわたって分散され、長尺部材の屈曲が一箇所に集中することが阻止され、長尺部材を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す要部断面図である。
【図2】第2実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図3】第3実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図4】第4実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図5】第5実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図6】第6実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図7】第7実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図8】
第8実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図9】第9実施形態のグロメットを示す斜視図である。
【図10】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 ワイヤハーネス(長尺部材)
3 充填剤
10,20,30,40,50,60,70,80,90 グロメット
10b,20b 円筒部
10g,20g 開放端部
20h 外周面
11,21,61 壁部材(規制手段)
31,71 壁部材(規制手段)
41,81 壁部材(規制手段)
51,91 壁部材(規制手段)
Claims (9)
- 取付板に形成された取付孔に長尺部材を挿通保持するために、前記長尺部材を挿通可能な円筒部を有し、前記円筒部内に充填剤が充填されるグロメットであって、
前記充填剤から突出する前記長尺部材の屈曲を規制する規制手段が設けられていることを特徴とするグロメット。 - 前記規制手段は、前記長尺部材に対して略平行に配置された壁部材であることを特徴とする請求項1に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、前記充填剤に埋設されていることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、前記長尺部材に密着していることを特徴とする請求項3に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、前記円筒部の外周面に沿うと共に前記円筒部の前記開放端部から突出するように固定されていることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、断面略半円形状であることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、断面略L字形状であることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、円筒形状であることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
- 前記壁部材は、コルゲートチューブ状であることを特徴とする請求項2に記載したグロメット。
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