JP2004023800A - ブラシレスモータ - Google Patents

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萩村 将巳
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Abstract

【課題】界磁用マグネットの多極化に伴って顕在化する、磁気検出素子のヒステリシス特性がモータ特性に及ぼす影響を低減する。
【解決手段】ブラシレスモータのセンサマグネット6のN極とS極を異なる角度幅に着磁する。センサマグネット6の磁極変化を検出するホールICは、磁極がN極からS極に変化する際は機械角1.3°、S極からN極に変化する際は機械角0.3°だけ遅れてセンサ信号が出力されるヒステリシス特性を有する。センサマグネット6のN極は14°、S極は16°に着磁されており、ヒステリシス特性に基づく遅れにより、ホールICからは15°ピッチでセンサ信号が出力される。界磁用マグネット4の磁極とセンサマグネット6の磁極は、N極同士の間は0.3°、S極同士の間は1.3°の角度差を設けて配置され、界磁用マグネット4の磁極位置とセンサ信号の出力は一致する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータに関し、特に、界磁用マグネットが多極化されたブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは一般に、コイルを巻装した固定子と、界磁用マグネットを備えた回転子とから構成される。コイルは回転子の位置に応じて適宜通電され、回転磁界を形成する。回転子の回転位置は、ホールICなどの磁気検出素子によって検出される。ホールICは、界磁用マグネット又は別途設けたセンサマグネットの磁極変化を捉えてセンサ信号を出力する。このセンサ信号に基づき回転子位置が検出され、回転子が継続して回転するようにコイルの通電タイミングが決定される。これにより回転子の周囲に回転磁界が形成され、回転子が回転駆動される。
【0003】
このようなブラシレスモータは、構成上の近似性から発電機として使用される場合もある。例えば、モータ・発電兼用機としては、自動二輪車用の始動発電機などが知られている。そこでは、エンジン始動時はスタータとして使用され、エンジン始動後は発電機として使用される。ブラシレスモータを始動発電機として用いる場合、回転子はエンジンのクランクシャフトに連結される。モータを駆動するとクランクシャフトが回転しエンジンが始動される。エンジン始動後は回転子がエンジンによって駆動される。回転子が回転すると界磁用マグネットの磁界が固定子側のコイルを切り、これにより固定子側に起電力が生じ発電が行われる。
【0004】
ところで、始動発電機では、スタータとして用いる場合には、エンジン始動時に大きなトルクが必要となる。一方、発電機として用いる場合には、エンジン低回転域での発電量を増加させつつ、高回転域での発電量を抑制して発電時のエンジン負荷低減を図ることが求められる。また、エンジン負荷低減の観点から、コギングトルクの低減も求められる。スタータとしての性能を優先し、トルクを増大させるべく有効磁束を増加させると、発電時のフリクションが大きくなりエンジン負荷が増加する。また、トルク増大のため、太いワイヤを少なく巻く巻線仕様とすると、エンジン低回転域での発電量が減少し、高回転域での発電量が増大する。
【0005】
そこで、始動発電機では、有効磁束を減少させると共に、交番磁界の周波数を高くし、フリクション低減や低回転域での発電量の増加、高回転域での発電量の抑制を図るべく、界磁用マグネットの多極化が試みられている。例えば、従来、始動発電機では界磁用マグネットが12極で構成されていたが、これを24極としたものも検討されており、そこではセンサマグネットもまた多極化される。界磁用マグネットを多極化すると、常用回転域における発電電流が低減し銅損が減少するため、フリクションの低減が図られる。交番磁界の周波数増加に伴い、低回転域での電流実効値が増加し、アイドリング時などの低回転域における発電量不足が解消できる。また、周波数増加に伴い、高回転域でのコイルインピーダンスが増加し、発電電流が減少するためエンジンフリクション低減が図られる。さらに、有効磁束が減少するため、コギングトルクも減少する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブラシレスモータにおいて界磁用マグネットを多極化すると、モータ特性がホールICのヒステリシス特性の影響を受け、十分な性能を発揮できないという問題がある。図3は、ホールICのヒステリシス特性を示す説明図である。図3に示すように、一般にホールICは、チャタリング防止等のためヒステリシス特性を有しており、極性変化とセンサ信号出力との間にはズレがある。また、そのズレも極性変化方向によって異なるという性質がある。例えば、S極からN極に極性が変化した場合、両極間のニュートラルポイントが通過した後、0.3°遅れてセンサ信号がLOとなる。これに対して、N極からS極に極性が変化した場合は、両極間のニュートラルポイントが通過した後、1.3°遅れてセンサ信号がHIとなる。
【0007】
従って、センサマグネットの位置とセンサ信号との間には、このようなホールICのヒステリシス特性により、遅れ角度分だけズレが生じる。図4は、従来のブラシレスモータにおけるセンサマグネットの着磁パターンとセンサ信号出力との関係を示す説明図である。図4に示すように、センサマグネットがS極からN極に極性が変化する際にはセンサ信号は0.3°遅れて変化し、N極からS極に極性が変化する際にはセンサ信号は1.3°遅れて変化する。このため、S極に対応するセンサ信号の出力角度は14°、N極に対応するセンサ信号の出力角度は16°となる。
【0008】
センサマグネットの極性変化とホールICのセンサ信号変化は、ホールICのヒステリシス特性によるため、界磁用マグネットが多極化される以前からも存在する。センサマグネットが12極,30°間隔で着磁されている場合もセンサ信号の遅れは存在し、そこでのセンサ信号の出力角度は29°,31°となる。つまり、センサマグネットの着磁角度にかかわらず、センサ信号の出力角度と着磁角度との間には従前から±1°の差違が生じていた。
【0009】
しかしながら、界磁用マグネットを多極化すると、分母が小さくなる分だけ±1°の影響が大きくなる。すなわち、界磁用マグネットを24極とした場合は、12極の場合に比して、着磁角度に対するセンサ信号出力角度のズレの割合が2倍となる。このため、センサ信号をDUTY比に換算すると、24極の場合には16°:14°=53.3%:46.7%となり、12極の場合(51.7%:48.3%)に比してその違いが無視できない存在となる。そして、界磁用マグネットが多極化すればするほど、センサマグネットの着磁パターンとセンサ信号とのズレが大きくなり、DUTY比も50%,50%から離れて行く。DUTY比が50%から大きく離れ、センサ信号変化がセンサマグネットの磁極変化から大きくずれてしまうと、回転子位置の検出精度が低下し最適なタイミングでコイルに通電することができなくなる。
【0010】
また、電気角は機械角よりも影響が大きく、機械角1°のズレは12極の場合は電気角6°であるのに対し、24極では12°となる。モータ駆動中の制御は電気角に基づいて行われており、電気角が大きくずれるとモータの正確な制御が難しくなる。このため、多極化によりフリクションや発電量等の問題は解決されるものの、ホールICのヒステリシス特性がモータ特性に及ぼす影響が無視できないものとなり、その改善が求められていた。
【0011】
本発明の目的は、界磁用マグネットの多極化に伴って顕在化する、ホールICのヒステリシス特性がモータ特性に及ぼす影響を抑制することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータは、コイルが巻装された固定子と、前記固定子の外周又は内周に回転自在に配設され、複数個の界磁用マグネットが周方向に沿って取り付けられた回転子と、前記界磁用マグネットと同極数の磁極を備え、前記磁極のN極とS極が異なる角度幅に着磁されたセンサマグネットと、前記センサマグネットの極性変化に伴ってセンサ信号を出力する磁気検出素子とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明のブラシレスモータでは、センサマグネットのN極とS極を異なる着磁角度幅に設定したので、磁気検出素子のヒステリシス特性を打ち消し、磁気検出素子から等ピッチのセンサ信号を出力させることが可能となる。従って、センサ信号ピッチと界磁用マグネットの着磁角度を一致させることが可能となり、界磁用マグネットを多極化しても、回転子の位置検出精度が低下することがなく、磁気検出素子のヒステリシス特性がモータ特性に及ぼす影響を抑制することが可能となる。
【0014】
前記ブラシレスモータにおいて、前記磁気検出素子として、前記センサ信号の出力が前記センサマグネットの磁極変化に対して所定角度の遅れるヒステリシス特性を有するものを用い、前記センサマグネットのN極とS極の着磁角度幅の差を前記遅れ角度に基づいて設定するようにしても良い。
【0015】
また、前記ブラシレスモータにおいて、前記界磁用マグネットの磁極と前記センサマグネットの磁極の間に、前記遅れ角度に基づいて設定される所定の角度差を設けるようにしても良い。これにより、界磁用マグネットの磁極位置とセンサ信号出力との間をズレなく符合させることが可能となる。従って、制御負担を増大させることなく界磁用マグネットの位置検出精度を向上でき、モータ特性の向上が図られる。
【0016】
さらに、前記ブラシレスモータにおいて、前記磁気検出素子として、前記センサマグネットの磁極変化からセンサ信号の出力値が変化するまでの間に、磁極がN極からS極に変化する際は機械角A°、S極からN極に変化する際は機械角B°の遅れを有するものを用い、前記センサマグネットのN極とS極の着磁角度幅の差は、前記遅れ角度の差の絶対値の2倍(2×|A−B|°)に設定するようにしても良い。
【0017】
また、ブラシレスモータにおいて、前記界磁用マグネットの磁極を等分に配置すると共に、前記界磁用マグネットの磁極と前記センサマグネットの磁極を、N極同士の間はB°、S極同士の間はA°の角度差を設けて配置するようにしても良い。
【0018】
加えて、前記回転子をエンジンのクランクシャフトに接続し、前記ブラシレスモータを前記エンジンのスタータとして使用すると共に、前記エンジン始動後は前記コイルに生じる起電力により前記ブラシレスモータを発電機として使用しても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である始動発電機の構成を示す断面図である。図1の始動発電機1は、ブラシレスモータと発電機を兼用したアウタロータ型の回転電機であり、例えば自動二輪車におけるACG(交流発電機)スタータとして使用される。始動発電機1は、大きく分けて回転子2と固定子3とから構成されており、回転子2には界磁用マグネット4が、固定子3にはコイル5が取り付けられている。
【0020】
回転子2は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に取り付けられる。回転子2は、固定子3の外側に回転自在に配設され、フライホイールとしても機能する。回転子2は、有底円筒形状のロータヨーク11と、ロータヨーク11に取り付けられクランクシャフトに固定されるボスロータ12とを備えている。ロータヨーク11とボスロータ12は共に鉄等の磁性材料にて形成されている。ロータヨーク11の円筒部11aの内周面には、界磁用マグネット4が周方向に沿って複数個配設されている。ここでは、界磁用マグネット4は、内面側の極性が交互にN極とS極になるように24個等分に15°ピッチで配置されている。
【0021】
ボスロータ12は、円盤状のフランジ部12aと略円筒形状のボス部12bとからなる。フランジ部12aは、ロータヨーク11の底部11bに同心的に取り付けられる。ボス部12bはフランジ部12aから回転中心線に沿って突設され、クランクシャフトにテーパ結合される。クランクシャフトが回転するとボス部12bが共に回転し、回転子2がコイル5の外側にて回転する。ボス部12bの先端には円筒形状のセンサマグネット6が取り付けられている。センサマグネット6は界磁用マグネット4の磁極に対応して、同磁極数(24極)に着磁されている。センサマグネット6の外周にはマグネットカバー13が外装されている。
【0022】
固定子3は、複数枚の鋼板を重ねて形成したステータコア14を備えている。ステータコア14には複数個の突極が形成されており、突極の周囲にコイル5が巻装されている。固定子3にはホールIC(磁気検出素子)7を備えたセンサユニット8が取り付けられている。センサユニット8は、ねじ15によってステータコア14の端部に固定されている。ホールIC7はセンサマグネット6の外側に配設され、センサマグネット6の磁極変化に伴いセンサ信号を出力する。センサ信号は図示しない制御装置に送られる。
【0023】
自動二輪車のスタータスイッチがONされると、制御装置はコイル5に通電を行い始動発電機1がモータとして機能する。制御装置はセンサ信号に基づきコイル5に適宜通電を行い、回転子2の周囲に回転磁界を形成する。これにより、回転子2が回転駆動されエンジンを始動させる。一方、エンジンが始動しスタータスイッチがOFFされると、回転子2がエンジンによって回転され、始動発電機1は発電機として機能する。すなわち、回転子2が固定子3の周囲で回転すると、界磁用マグネット4の磁界がコイル5を切り、起電力が生じ発電が行われる。
【0024】
このような始動発電機1においても、ホールIC7は、センサ信号の出力に際し、センサマグネット6の磁極変化に対して所定角度の遅れを有するヒステリシス特性を持っている。すなわち、ホールIC7は、センサマグネット6の磁極変化からセンサ信号の出力値が変化するまでの間に、磁極がN極からS極に変化する際は機械角1.3°(A°)、S極からN極に変化する際は機械角0.3°(B°)の遅れを有している。
【0025】
そこで、24極の界磁用マグネット4を有する始動発電機1では、多極化に伴う弊害防止のため、センサマグネット6の着磁パターンに工夫が凝らされている。図2は図1の始動発電機における界磁用マグネット4及びセンサマグネット6の着磁パターンとセンサ信号出力との関係を示す説明図である。図2に示すように、センサマグネット6はN極とS極が異なる角度幅に着磁されている。ここでは、N極は14°、S極は16°にそれぞれ着磁されている。
【0026】
このような着磁形態を採ると、ホールIC7から出力されるセンサ信号は、センサマグネット6の磁極がS極からN極に変化すると、まず0.3°遅れてHIとなる。センサマグネット6の磁極がN極のときはセンサ信号はHI状態で維持される。次に、センサマグネット6の磁極がN極からS極に変化すると、センサ信号は1.3°遅れてLOとなる。このため、センサ信号のHI状態は、遅れ角度の差(1.3°−0.3°=1°)から、N極の着磁角度よりも1°分だけ長くなる。これに対し当該始動発電機1では、センサマグネット6におけるN極の着磁角度は14°に設定されているため、図2に示すように、センサ信号は15°(14°+1°)分だけ出力される。
【0027】
また、センサマグネット6の磁極がN極からS極に変化すると、ホールIC7から出力されるセンサ信号は、まず1.3°遅れてLOとなり、センサマグネット6の磁極がS極のときはセンサ信号はLO状態で維持される。次に、センサマグネット6の磁極がS極からN極に変化すると、センサ信号は0.3°遅れてHIとなる。このため、センサ信号のHI状態は、遅れ角度の差から、S極の着磁角度よりも1°分だけ短くなる。この場合も、センサマグネット6のS極着磁角度は16°に設定されているため、図2に示すように、センサ信号は15°(16°−1°)分だけ出力される。すなわち、ホールIC7のセンサ信号は、センサマグネット6の磁極変化方向によらず、常に15°分ずつ出力される。
【0028】
このように、ホールIC7のヒステリシス特性に鑑み、センサマグネット6のN極とS極の着磁角度幅を、遅れ角度差の絶対値の2倍(2×|A−B|°=2×|1.3−0.3|°)に設定すると、ヒステリシス特性の影響を受けることなく、15°ピッチの50%,50%DUTYのセンサ信号を得ることができる。従って、センサ信号ピッチと界磁用マグネット4の着磁角度を一致させることが可能となり、界磁用マグネット4を多極化しても、回転子2の位置検出精度が低下することがない。このため、ホールIC7のヒステリシス特性によってモータ特性が影響されることがなく、設計仕様に基づいた安定的なモータ動作を確保できる。
【0029】
一方、センサマグネット6の磁極と界磁用マグネット4の磁極は、通常、同じ着磁角度の磁極が同じ位置に同数設定される。ところが、図2に一点鎖線にて示したように、例えば両者のN極端同士を合わせると、界磁用マグネット4の位置とセンサ信号出力との間に0.3°ずつズレが生じる。かかるズレは制御上で調整することは可能であるが、制御負担を考慮すると機械的に解決することが望ましい。そこで、当該始動発電機1では、界磁用マグネット4の磁極とセンサマグネット6の磁極を、前述の遅れ角度に基づいて所定の角度差を設けて配置し、界磁用マグネット4の位置とセンサ信号出力との間のズレを補正している。
【0030】
図2に示すように、ここでは界磁用マグネット4の磁極とセンサマグネット6の磁極は、N極同士の間は0.3°、S極同士の間は1.3°の角度差を設けて配置されている。これを磁極の中心間の角度差で見ると、センサマグネット6のN極,S極がそれぞれ14°,16°となっている関係から、N極同士、S極同士の間はそれぞれ0.8°の角度差となる。このように両マグネット間に角度差を設けると、図2に示すように、界磁用マグネット4の磁極位置とセンサ信号出力との間はズレなく符合する。すなわち、15°ピッチに揃えられたセンサ信号出力は、正確に界磁用マグネット4の磁極位置を示すことになる。従って、制御負担を増大させることなく界磁用マグネット4の位置検出精度を向上でき、モータ特性の向上が図られる。
【0031】
なお、界磁用マグネット4の磁極とセンサマグネット6の磁極との間の角度差は、センサマグネット6の着磁時に着磁コイルを0.8ー(磁極中心間での角度差)ずらして着磁を行うことによって設定される。この場合、両マグネットの磁極角度差は、界磁用マグネット4の磁極をずらして設定することも可能ではある。しかしながら、セグメント状の界磁用マグネット4の磁極位置をずらすよりも、リング状のセンサマグネット6の着磁位置をずらす方が容易であるため、センサマグネット6側の磁極をずらして角度差を設けている。
【0032】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施の形態では、本発明のブラシレスモータを発電機兼用の装置(始動発電機)に適用した例を示したが、発電機として使用しないブラシレスモータにも本発明が適用可能なのは言うまでもない。また、自動二輪車用の始動発電機以外の他の用途のモータにも本発明のブラシレスモータは適用可能である。さらに、前述の実施の形態では、アウタロータ型のブラシレスモータに本発明を適用した例を示したが、回転子が固定子の内側に配設されるいわゆるインナーロータ型のブラシレスモータに本発明を適用することも可能である。
【0033】
なお、始動発電機1では、エンジン始動後直ちに発電機として機能する必要はなく、例えば、加速性能向上のため、エンジン始動後もモータとして使用し、スタート時の動力補助などを行っても良い。また、4ストロークエンジンでは、排気→吸入行程時にトルク低下が生じ易いが、その際に始動発電機1によってトルクを補助することも可能である。これにより、排気ガスがクリーンな4ストロークエンジンにおいて2ストロークエンジン並のパワーを得ることが可能となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明のブラシレスモータによれば、センサマグネットのN極とS極を異なる角度幅に着磁したので、磁気検出素子のヒステリシス特性を打ち消し、磁気検出素子から等ピッチのセンサ信号を出力させることが可能となる。従って、センサ信号ピッチと界磁用マグネットの着磁角度を一致させることが可能となり、界磁用マグネットを多極化しても、回転子の位置検出精度が低下することがなく、磁気検出素子のヒステリシス特性がモータ特性に及ぼす影響を抑制することが可能となる。
【0035】
また、界磁用マグネットの磁極とセンサマグネットの磁極の間に、磁気検出素子の遅れ角度に基づいて所定の角度差を設けることにより、界磁用マグネットの磁極位置とセンサ信号出力との間をズレなく符合させることが可能となる。従って、制御負担を増大させることなく界磁用マグネットの位置検出精度を向上でき、モータ特性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である始動発電機の構成を示す断面図である。
【図2】図1の始動発電機における界磁用マグネット及びセンサマグネットの着磁パターンとセンサ信号出力との関係を示す説明図である。
【図3】ホールICのヒステリシス特性を示す説明図である。
【図4】従来のブラシレスモータにおけるセンサマグネットの着磁パターンとセンサ信号出力との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1  始動発電機
2  回転子
3  固定子
4  界磁用マグネット
5  コイル
6  センサマグネット
7  ホールIC
8  センサユニット
11  ロータヨーク
11a 円筒部
11b 底部
12  ボスロータ
12a フランジ部
12b ボス部
13  マグネットカバー
14  ステータコア
15  ねじ

Claims (6)

  1. コイルが巻装された固定子と、
    前記固定子の外周又は内周に回転自在に配設され、複数個の界磁用マグネットが周方向に沿って取り付けられた回転子と、
    前記界磁用マグネットと同極数の磁極を備え、前記磁極のN極とS極が異なる角度幅に着磁されたセンサマグネットと、
    前記センサマグネットの極性変化に伴ってセンサ信号を出力する磁気検出素子とを有することを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1記載のブラシレスモータにおいて、前記磁気検出素子は、前記センサ信号の出力が前記センサマグネットの磁極変化に対して所定角度の遅れるヒステリシス特性を有し、前記センサマグネットのN極とS極の着磁角度幅の差は、前記遅れ角度に基づいて設定されることを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 請求項2記載のブラシレスモータにおいて、前記界磁用マグネットの磁極と前記センサマグネットの磁極の間に、前記遅れ角度に基づいて設定される所定の角度差を設けたことを特徴とするブラシレスモータ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記磁気検出素子は、前記センサマグネットの磁極変化からセンサ信号の出力値が変化するまでの間に、磁極がN極からS極に変化する際は機械角A°、S極からN極に変化する際は機械角B°の遅れを有し、前記センサマグネットのN極とS極の着磁角度幅の差は、前記遅れ角度の差の絶対値の2倍(2×|A−B|°)に設定されることを特徴とするブラシレスモータ。
  5. 請求項4記載のブラシレスモータにおいて、前記界磁用マグネットは磁極が等分に配置され、前記界磁用マグネットの磁極と前記センサマグネットの磁極は、N極同士の間はB°、S極同士の間はA°の角度差を設けて配置されることを特徴とするブラシレスモータ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記ブラシレスモータは、前記回転子がエンジンのクランクシャフトに接続され、前記エンジンのスタータとして使用されると共に、前記エンジン始動後は前記コイルに生じる起電力により発電機としても使用されることを特徴とするブラシレスモータ。
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