JP3814041B2 - ロータ位置検出機構付きステッピングモータ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータのロータ位置を検出する機能をもつロータ位置検出機構付きステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータ位置検出機構付きステッピングモータとしては、例えば、特公昭57−189554号公報に示されるようなものがある。この公報に記載のステッピングモータは、ロータが回転するのに伴ってステータ巻線に誘起される誘起電圧に基づいてロータの回転位置を検出し、通電すべき巻線を指定して最適時に通電制御できるように構成したものである。
【0003】
また、本発明に関わる従来技術としては、周知の通り、可変リラクタンス型多極レゾルバがある。この可変リラクタンス型多極レゾルバは、ロータの小歯とステータの小歯との対向面積の変化をインダクタンスの変化として検出することにより、ロータの回転位置を検知するように構成したものであり、その機械的構造はステッピングモータの構造に類似している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭57−189554号公報に示されるようなステッピングモータにあっては、ロータの回転位置を検出するための物理量として、ロータの回転により発生する誘起電圧を利用するようにしているため、低速回転時のように誘起電圧が小さい場合等にはロータ回転位置の検出が不可能であるという問題点がある。
【0005】
また、上述の如く可変リラクタンス型多極レゾルバの機械的構成はステッピングモータに類似しているが、ハイブリッド型ステッピングモータにおいては、前記レゾルバとは異なり、ロータはシャフト軸方向に着磁された円盤状磁石を挟んだ上下2段のロータセグメントから構成されており、それぞれのロータセグメントが有する小歯は互いに180度位相がずれている。このため、ステータ側からみた、ロータ全体の小歯との対向面積は常に一定となる。従って、ハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま可変リラクタンス型多極レゾルバとして利用してもインダクタンスの変化は得られず、ロータ回転位置の検出信号(情報信号)を取り出すことができない。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、既存のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま利用してロータの回転位置の検出を確実に高精度で行なうことができるようなロータ位置検出機構付きステッピングモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ロータ位置検出用巻線をステータの励磁極に巻回し、磁性材から成るセンサヨークをロータセグメントに対して微少な空隙を介して配置すると共にステータバックヨークに当接配置し、前記ステータの励磁極,前記励磁極の小歯と前記ロータセグメントの小歯との間の空隙,前記ロータセグメント,前記ロータセグメントとセンサヨークとの間の空隙,前記センサヨーク,前記ステータバックヨークを順次通る閉磁路の磁気抵抗の変化に応じて変化する前記ロータ位置検出用巻線のインダクタンスに基づいてロータ位置を検出するように構成している。
【0008】
また、本発明では、前記センサヨークに円周方向に巻回された第1の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第1の補助コイルにより前記閉磁路に引き込むように構成している。
【0009】
また、本発明では、前記センサヨークが設けられない側のロータセグメントに対向する磁性材製の部材を配設すると共に、この部材に円周方向に巻回された第2の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第2の補助コイルにより遮断して前記漏れ磁束が前記ロータ位置検出用巻線に鎖交しないように構成している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図1〜図6を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明の第1実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータ1を示すものであって、このステッピングモータ1は従来のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造を主要構成としてそのまま具備し、その従来の機械的構造に後述の如くセンサヨーク及びロータ位置検出用巻線を付加したものである。その詳細な構造を述べると、次の通りである。
【0012】
図1及び図2に示すように、本例のステッピングモータ1は、小歯2及び3をそれぞれ有するロータ4及びステータ5と、ロータ4に同軸状に組付けられたモータシャフト6と、ロータ4及びステータ5の一端側に配設されたフランジ7と、ロータ4及びステータ5の他端側に配設されたブラケット8とをそれぞれ具備している。上述のロータ4は、図1に示すように磁石9とこの磁石9の左右両箇所に一体的に取付けられたロータセグメント10,11とで構成され、ステータ5は、図2に示すように円筒状のステータバックヨーク12とこのステータバックヨーク12の内周面に突設された例えば8つの励磁極(ステータ極)13a〜13hとから構成されている。そして、ロータセグメント10,11の外周面に所定数の小歯2が形成されると共に、ステータ5の励磁極13a〜13hに所定数の小歯3がそれぞれ形成されており、これらの小歯2,3が僅かな空隙23(図1参照)を隔てて互いに対向するように配置されている。なお、図1に示すように、ステータ5はフランジ7及びブラケット8間に支持されると共に、モータシャフト6はフランジ7及びブラケット8にそれぞれ組付けられた軸受16,17にて回転自在に支持されている。
【0013】
【外1】
【0014】
さらに、本例のロータ位置検出機構付きステッピングモータ1にあっては、磁性体から成るセンサヨーク18が付設されている。このセンサヨーク18は、図1に示すように、中央円柱部18aとこの中央円柱部18aを取り囲む外周リング部18bとを一体成形して成る磁性部材であり、中央円柱部18aがフランジ7側のロータセグメント11の端面に対して微少な空隙24を隔てて平行状に対向配置されると共に、外周リング部18bがステータバックヨーク12のフランジ7側の端面に当接配置された状態で前記フランジ7内に固定配置されている。
【0015】
【外2】
【0016】
【外3】
【0017】
ここで、フランジ7側では、前記センサヨーク18の存在により、ステータ5の励磁極13,この励磁極13の小歯3とロータセグメント11の小歯2との間の空隙23,ロータセグメント11,このロータセグメント11とセンサヨーク18との間の空隙24,センサヨーク18,ステータバックヨーク12を順次通る閉磁路R(図1参照)が形成される。一方、ブラケット8側では、センサヨーク18がないため、既述のような閉磁路Rは形成されない。このため、ステータ5の励磁極13とステータバックヨーク12との間の磁気抵抗は高くなっている。なお、両ロータセグメント10,11間にある磁石9は磁気抵抗が高いため、両ロータセグメント10,11は互いに絶縁された状態となっている。
【0018】
この場合、ステータ5の各励磁極13に発生した搬送波の磁束量は、前記フランジ7側に形成された閉磁路Rの磁束抵抗に応じて変化する。そして、この磁束抵抗は、フランジ7側のロータセグメント11の小歯2とステータ5の励磁極の小歯3との対向面積に応じて変化する。
【0019】
【外4】
【0020】
【外5】
【0021】
上述の接続点P,Qからそれぞれ得られる信号(図4(IV),(V)に示される情報信号)は同期復調器21において搬送波を除去され、この同期復調器21からは図4(VI)において符号37,38でそれぞれ示すようなロータ位置情報を持つ2相信号が得られる。しかして、これらの2相信号37,38に基づいてロータ4の回転位置が検出される。
【0022】
このような構成のステッピングモータ1によれば、2つのロータセグメント10,11のうちの一方のロータセグメント11にステータバックヨーク12への磁路を通すセンサヨーク18を対向させ、これによりモータシャフト6の軸線方向に磁路を設け、前記ロータセグメント11とステータ5の励磁極13との間の磁気抵抗を検出することによりロータ位置の検出を確実に高精度で行なうことができる。
【0023】
また、図5及び図6は本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータ40を示すものである。なお、図5及び図6において、図1〜図3と同様の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0024】
本例のステッピングモータ40は、既述の本発明の第1実施例の構成を全て包含し、さらに第1及び第2の補助コイル41,42を付設して成るものである。上述の第1の補助コイル41は、図5に示すように、センサヨーク18のうちロータセグメント11に対応する中央円柱部18aの外周部において円周方向に巻回されている。一方、ブラケット8側の箇所にはロータセグメント10とほぼ同じ直径を有する有底円筒状磁性体43が前記ロータセグメント10に対して微少な空隙25をもって対向配置され、この円筒状磁性体43の外周部に第2の補助コイル42が円周方向に巻回されている。
【0025】
なお、前記第1及び第2の補助コイル41,42は、そこから発生する磁界が図5において矢印で示すような方向の極性となるように、図6に示す如く接続されている。
【0026】
【外6】
【0027】
【外7】
【0028】
以上、本発明の実施例につき述べたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の第1及び第2実施例では、フランジ7側の片方にのみセンサヨーク18を配設するようにしたが、ブラケット8側の片方のみに、或いはフランジ7側及びブラケット8側の両方にステータヨーク18を配設することも可能である。両方にステータヨーク18を配設する場合には、2つのロータセグメント10,11と励磁極13との間の磁気抵抗のうちの一つを選択的に検出するようにすればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の本発明は、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ロータ位置検出用巻線をステータの励磁極に巻回し、磁性材から成るセンサヨークをロータセグメントに対して微少な空隙を介して配置すると共にステータバックヨークに当接配置し、ステータの励磁極からセンサヨークを介してステータバックヨークに至る閉磁路の磁気抵抗の変化に応じて変化するロータ位置検出用巻線のインダクタンスに基づいてロータ位置を検出するように構成するようにしたものであるから、既存のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま利用してロータの回転位置の検出を確実に行なうことができる。
【0030】
また、請求項2に記載の本発明は、センサヨークに円周方向に巻回された第1の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を第1の補助コイルにより閉磁路に引き込むように構成したものであるから、この第1の補助コイルの作用にてロータ位置検出巻線におけるインダクタンスの変化の低下を防止でき、ロータ位置の検出に充分な大きさのインダクタンス変化を得ることができる。
【0031】
また、請求項3に記載の本発明は、センサヨークが設けられない側のロータセグメントに対向する磁性材製の部材を配設すると共に、この部材に円周方向に巻回された第2の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を第2の補助コイルにより遮断して漏れ磁束がロータ位置検出用巻線に鎖交しないように構成したものであるから、この第2の補助コイルの作用にて漏れ磁束のロータ位置検出用巻線への通路が遮断されるのに応じてロータ位置検出巻線におけるインダクタンスの変化の低下を防止でき、ロータ位置の検出に充分な大きさのインダクタンス変化を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータの機械的構造を示す断面図である。
【図2】図1におけるX−X線拡大断面図である。
【図3】上述のステッピングモータにおけるロータ位置検出巻線の接続を示す回路図である。
【図4】
【外8】
【図5】本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータの機械的構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータにおけるロータ位置検出巻線の接続を示す回路図である。
【符号の説明】
1,40 ロータ位置検出機構付きステッピングモータ
2 ロータの小歯
3 ステータの小歯
4 ロータ
5 ステータ
6 モータシャフト
7 フランジ
8 ブラケット
9 磁石
10,11 ロータセグメント
12 ステータバックヨーク
13 励磁極
14 モータ駆動用巻線
15 ロータ位置検出用巻線
18 センサヨーク
18a 中央円柱部
18b 外周リング部
20 搬送波発生器
21 同期復調器
23,24 空隙
41 第1の補助コイル
42 第2の補助コイル
R 閉磁路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータのロータ位置を検出する機能をもつロータ位置検出機構付きステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータ位置検出機構付きステッピングモータとしては、例えば、特公昭57−189554号公報に示されるようなものがある。この公報に記載のステッピングモータは、ロータが回転するのに伴ってステータ巻線に誘起される誘起電圧に基づいてロータの回転位置を検出し、通電すべき巻線を指定して最適時に通電制御できるように構成したものである。
【0003】
また、本発明に関わる従来技術としては、周知の通り、可変リラクタンス型多極レゾルバがある。この可変リラクタンス型多極レゾルバは、ロータの小歯とステータの小歯との対向面積の変化をインダクタンスの変化として検出することにより、ロータの回転位置を検知するように構成したものであり、その機械的構造はステッピングモータの構造に類似している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭57−189554号公報に示されるようなステッピングモータにあっては、ロータの回転位置を検出するための物理量として、ロータの回転により発生する誘起電圧を利用するようにしているため、低速回転時のように誘起電圧が小さい場合等にはロータ回転位置の検出が不可能であるという問題点がある。
【0005】
また、上述の如く可変リラクタンス型多極レゾルバの機械的構成はステッピングモータに類似しているが、ハイブリッド型ステッピングモータにおいては、前記レゾルバとは異なり、ロータはシャフト軸方向に着磁された円盤状磁石を挟んだ上下2段のロータセグメントから構成されており、それぞれのロータセグメントが有する小歯は互いに180度位相がずれている。このため、ステータ側からみた、ロータ全体の小歯との対向面積は常に一定となる。従って、ハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま可変リラクタンス型多極レゾルバとして利用してもインダクタンスの変化は得られず、ロータ回転位置の検出信号(情報信号)を取り出すことができない。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、既存のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま利用してロータの回転位置の検出を確実に高精度で行なうことができるようなロータ位置検出機構付きステッピングモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ロータ位置検出用巻線をステータの励磁極に巻回し、磁性材から成るセンサヨークをロータセグメントに対して微少な空隙を介して配置すると共にステータバックヨークに当接配置し、前記ステータの励磁極,前記励磁極の小歯と前記ロータセグメントの小歯との間の空隙,前記ロータセグメント,前記ロータセグメントとセンサヨークとの間の空隙,前記センサヨーク,前記ステータバックヨークを順次通る閉磁路の磁気抵抗の変化に応じて変化する前記ロータ位置検出用巻線のインダクタンスに基づいてロータ位置を検出するように構成している。
【0008】
また、本発明では、前記センサヨークに円周方向に巻回された第1の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第1の補助コイルにより前記閉磁路に引き込むように構成している。
【0009】
また、本発明では、前記センサヨークが設けられない側のロータセグメントに対向する磁性材製の部材を配設すると共に、この部材に円周方向に巻回された第2の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第2の補助コイルにより遮断して前記漏れ磁束が前記ロータ位置検出用巻線に鎖交しないように構成している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図1〜図6を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明の第1実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータ1を示すものであって、このステッピングモータ1は従来のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造を主要構成としてそのまま具備し、その従来の機械的構造に後述の如くセンサヨーク及びロータ位置検出用巻線を付加したものである。その詳細な構造を述べると、次の通りである。
【0012】
図1及び図2に示すように、本例のステッピングモータ1は、小歯2及び3をそれぞれ有するロータ4及びステータ5と、ロータ4に同軸状に組付けられたモータシャフト6と、ロータ4及びステータ5の一端側に配設されたフランジ7と、ロータ4及びステータ5の他端側に配設されたブラケット8とをそれぞれ具備している。上述のロータ4は、図1に示すように磁石9とこの磁石9の左右両箇所に一体的に取付けられたロータセグメント10,11とで構成され、ステータ5は、図2に示すように円筒状のステータバックヨーク12とこのステータバックヨーク12の内周面に突設された例えば8つの励磁極(ステータ極)13a〜13hとから構成されている。そして、ロータセグメント10,11の外周面に所定数の小歯2が形成されると共に、ステータ5の励磁極13a〜13hに所定数の小歯3がそれぞれ形成されており、これらの小歯2,3が僅かな空隙23(図1参照)を隔てて互いに対向するように配置されている。なお、図1に示すように、ステータ5はフランジ7及びブラケット8間に支持されると共に、モータシャフト6はフランジ7及びブラケット8にそれぞれ組付けられた軸受16,17にて回転自在に支持されている。
【0013】
【外1】
【0014】
さらに、本例のロータ位置検出機構付きステッピングモータ1にあっては、磁性体から成るセンサヨーク18が付設されている。このセンサヨーク18は、図1に示すように、中央円柱部18aとこの中央円柱部18aを取り囲む外周リング部18bとを一体成形して成る磁性部材であり、中央円柱部18aがフランジ7側のロータセグメント11の端面に対して微少な空隙24を隔てて平行状に対向配置されると共に、外周リング部18bがステータバックヨーク12のフランジ7側の端面に当接配置された状態で前記フランジ7内に固定配置されている。
【0015】
【外2】
【0016】
【外3】
【0017】
ここで、フランジ7側では、前記センサヨーク18の存在により、ステータ5の励磁極13,この励磁極13の小歯3とロータセグメント11の小歯2との間の空隙23,ロータセグメント11,このロータセグメント11とセンサヨーク18との間の空隙24,センサヨーク18,ステータバックヨーク12を順次通る閉磁路R(図1参照)が形成される。一方、ブラケット8側では、センサヨーク18がないため、既述のような閉磁路Rは形成されない。このため、ステータ5の励磁極13とステータバックヨーク12との間の磁気抵抗は高くなっている。なお、両ロータセグメント10,11間にある磁石9は磁気抵抗が高いため、両ロータセグメント10,11は互いに絶縁された状態となっている。
【0018】
この場合、ステータ5の各励磁極13に発生した搬送波の磁束量は、前記フランジ7側に形成された閉磁路Rの磁束抵抗に応じて変化する。そして、この磁束抵抗は、フランジ7側のロータセグメント11の小歯2とステータ5の励磁極の小歯3との対向面積に応じて変化する。
【0019】
【外4】
【0020】
【外5】
【0021】
上述の接続点P,Qからそれぞれ得られる信号(図4(IV),(V)に示される情報信号)は同期復調器21において搬送波を除去され、この同期復調器21からは図4(VI)において符号37,38でそれぞれ示すようなロータ位置情報を持つ2相信号が得られる。しかして、これらの2相信号37,38に基づいてロータ4の回転位置が検出される。
【0022】
このような構成のステッピングモータ1によれば、2つのロータセグメント10,11のうちの一方のロータセグメント11にステータバックヨーク12への磁路を通すセンサヨーク18を対向させ、これによりモータシャフト6の軸線方向に磁路を設け、前記ロータセグメント11とステータ5の励磁極13との間の磁気抵抗を検出することによりロータ位置の検出を確実に高精度で行なうことができる。
【0023】
また、図5及び図6は本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータ40を示すものである。なお、図5及び図6において、図1〜図3と同様の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0024】
本例のステッピングモータ40は、既述の本発明の第1実施例の構成を全て包含し、さらに第1及び第2の補助コイル41,42を付設して成るものである。上述の第1の補助コイル41は、図5に示すように、センサヨーク18のうちロータセグメント11に対応する中央円柱部18aの外周部において円周方向に巻回されている。一方、ブラケット8側の箇所にはロータセグメント10とほぼ同じ直径を有する有底円筒状磁性体43が前記ロータセグメント10に対して微少な空隙25をもって対向配置され、この円筒状磁性体43の外周部に第2の補助コイル42が円周方向に巻回されている。
【0025】
なお、前記第1及び第2の補助コイル41,42は、そこから発生する磁界が図5において矢印で示すような方向の極性となるように、図6に示す如く接続されている。
【0026】
【外6】
【0027】
【外7】
【0028】
以上、本発明の実施例につき述べたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の第1及び第2実施例では、フランジ7側の片方にのみセンサヨーク18を配設するようにしたが、ブラケット8側の片方のみに、或いはフランジ7側及びブラケット8側の両方にステータヨーク18を配設することも可能である。両方にステータヨーク18を配設する場合には、2つのロータセグメント10,11と励磁極13との間の磁気抵抗のうちの一つを選択的に検出するようにすればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の本発明は、ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ロータ位置検出用巻線をステータの励磁極に巻回し、磁性材から成るセンサヨークをロータセグメントに対して微少な空隙を介して配置すると共にステータバックヨークに当接配置し、ステータの励磁極からセンサヨークを介してステータバックヨークに至る閉磁路の磁気抵抗の変化に応じて変化するロータ位置検出用巻線のインダクタンスに基づいてロータ位置を検出するように構成するようにしたものであるから、既存のハイブリッド型ステッピングモータの機械的構造をそのまま利用してロータの回転位置の検出を確実に行なうことができる。
【0030】
また、請求項2に記載の本発明は、センサヨークに円周方向に巻回された第1の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を第1の補助コイルにより閉磁路に引き込むように構成したものであるから、この第1の補助コイルの作用にてロータ位置検出巻線におけるインダクタンスの変化の低下を防止でき、ロータ位置の検出に充分な大きさのインダクタンス変化を得ることができる。
【0031】
また、請求項3に記載の本発明は、センサヨークが設けられない側のロータセグメントに対向する磁性材製の部材を配設すると共に、この部材に円周方向に巻回された第2の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を第2の補助コイルにより遮断して漏れ磁束がロータ位置検出用巻線に鎖交しないように構成したものであるから、この第2の補助コイルの作用にて漏れ磁束のロータ位置検出用巻線への通路が遮断されるのに応じてロータ位置検出巻線におけるインダクタンスの変化の低下を防止でき、ロータ位置の検出に充分な大きさのインダクタンス変化を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータの機械的構造を示す断面図である。
【図2】図1におけるX−X線拡大断面図である。
【図3】上述のステッピングモータにおけるロータ位置検出巻線の接続を示す回路図である。
【図4】
【外8】
【図5】本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータの機械的構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るロータ位置検出機構付きステッピングモータにおけるロータ位置検出巻線の接続を示す回路図である。
【符号の説明】
1,40 ロータ位置検出機構付きステッピングモータ
2 ロータの小歯
3 ステータの小歯
4 ロータ
5 ステータ
6 モータシャフト
7 フランジ
8 ブラケット
9 磁石
10,11 ロータセグメント
12 ステータバックヨーク
13 励磁極
14 モータ駆動用巻線
15 ロータ位置検出用巻線
18 センサヨーク
18a 中央円柱部
18b 外周リング部
20 搬送波発生器
21 同期復調器
23,24 空隙
41 第1の補助コイル
42 第2の補助コイル
R 閉磁路
Claims (3)
- ロータ及びステータに小歯をそれぞれ有するハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ロータ位置検出用巻線をステータの励磁極に巻回し、磁性材から成るセンサヨークをロータセグメントに対して微少な空隙を介して配置すると共にステータバックヨークに当接配置し、前記ステータの励磁極,前記励磁極の小歯と前記ロータセグメントの小歯との間の空隙,前記ロータセグメント,前記ロータセグメントとセンサヨークとの間の空隙,前記センサヨーク,前記ステータバックヨークを順次通る閉磁路の磁気抵抗の変化に応じて変化する前記ロータ位置検出用巻線のインダクタンスに基づいてロータ位置を検出するように構成したことを特徴とするロータ位置検出機構付きステッピングモータ。
- 前記センサヨークに円周方向に巻回された第1の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第1の補助コイルにより前記閉磁路に引き込むように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロータ位置検出機構付きステッピングモータ。
- 前記センサヨークが設けられない側のロータセグメントに対向する磁性材製の部材を配設すると共に、この部材に円周方向に巻回された第2の補助コイルを付設し、磁路から漏れ出る漏れ磁束を前記第2の補助コイルにより遮断して前記漏れ磁束が前記ロータ位置検出用巻線に鎖交しないように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ位置検出機構付きステッピングモータ。
Priority Applications (1)
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JP6073897A JP3814041B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ロータ位置検出機構付きステッピングモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6073897A JP3814041B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ロータ位置検出機構付きステッピングモータ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10257745A JPH10257745A (ja) | 1998-09-25 |
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Family Applications (1)
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JP6073897A Expired - Fee Related JP3814041B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ロータ位置検出機構付きステッピングモータ |
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-
1997
- 1997-03-14 JP JP6073897A patent/JP3814041B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10257745A (ja) | 1998-09-25 |
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