JP4673489B2 - 車両用発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用発電機、特に周方向に隣接するマグネットとは磁極を異ならせた複数のマグネットが周方向に等間隔をあけてリング状に配置されて成る第1被検出部と、周方向に隣接した3つの前記マグネットに連なる第2被検出部とを有する被検出体が、第1被検出部の中心に回転軸線を有するロータに固定され、第1および第2被検出部に個別に対応した2組のセンサが前記被検出体に対向して固定配置されるロータ回転角度検出装置を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第1被検出部でロータの回転速度を検出し、第2被検出部でロータの回転角度位置を検出するようにした検出装置が、たとえば特開平2−87012号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ステータを囲繞すると共に複数のロータ用マグネットが内面に固着される外筒部と、クランクシャフトの一端部が同軸に挿通、固定される内筒部とをロータケースが備え、内筒部の外周には、ロータの回転角度を検出するために、周方向に互いに等間隔で並ぶ複数の検出用マグネットがそれらの磁極を周方向に隣接する検出用マグネット相互で異ならせてリング状に配置されて成る第1被検出部と、ロータの回転角度が或る一定の角度になったことを検出するための第2被検出部とを有する被検出体が設けられる車両用発電機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、エンジンのクランクシャフトに固定されるロータケースおよび該ロータケースに固定の複数のロータ用マグネットよりなるロータと、前記ロータケースに囲繞されるステータとを備えて、スタータモータに兼用される車両用発電機であって、前記ロータケースは、前記ステータを囲繞すると共に前記複数のロータ用マグネットが内面に固着される外筒部と、前記クランクシャフトの一端部が同軸に挿通、固定される内筒部と、それら外筒部及び内筒部の外端相互を連結するリング板部とを備え、前記内筒部の外周面は、前記リング板部寄りの大径部とこの大径部に段部を介して連なる小径部とを有した段付き面に形成されていて、前記小径部には、前記ロータの回転角度を検出するために、周方向に互いに等間隔で並ぶ複数の検出用マグネットがそれらの磁極を周方向に隣接する検出用マグネット相互で異ならせてリング状に配置されて成る第1被検出部と、前記ロータの回転角度が或る一定の角度になったことを検出するための第2被検出部とを有する被検出体が支持され、前記内筒部の外周面に定され非磁性材料から成るホルダが、前記被検出体を囲繞し且つ前記大径部に嵌合した大径円筒部と、この大径円筒部に中間段部を介して連なり且つ前記小径部に嵌合した小径円筒部とを有する段付円筒状に形成されていて、該ホルダの前記大径円筒部及び前記中間段部前記内筒部の外周面の前記小径部及び前記段部との相互間に該被検出体が保持され、前記第1被検出部に対応する位置に配置した第1のセンサと、前記第2被検出部に対応する位置に配置した第2のセンサとが前記ステータに固定されることを特徴とする。
【0005】
さらに請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記第1のセンサは、前記第1被検出部に対向する複数のホールICであり、前記第2のセンサは、前記第2被検出部に対向する単一のホールICであることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0007】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すものであり、図1は本発明を適用した車両用発電機の縦断面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は第2被検出部に対応する部分でのマグネットの側面図、図4は第2被検出部の3つのマグネットの幅を同一としたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図、図5は第2被検出部の3つのマグネットの幅を同一とするとともにカバーを被検出体に装着したときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図、図6はカバーを被検出体に装着するとともに第2被検出部の両側マグネットの幅を狭めたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図、図7は第2被検出部の両側マグネットの幅を中央マグネットの幅の1/2よりも狭めたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図、図8は中央マグネットおよび両側マグネットの幅による磁束の変化を説明するための図である。
【0008】
先ず図1および図2において、この車両用発電機は、スタータモータを兼用するものであり、エンジンのクランクシャフト5に固定的に連結されるロータ6と、リング状に構成されてエンジン本体8に固定的に支持されるステータ7とを備える。
【0009】
ロータ6は、ロータケース9と、該ロータケース9に固着される複数のマグネット10…とで構成されるものであり、ロータケース9は、ステータ7を囲繞する外筒部9aならびにステータ7で囲繞される内筒部9bの外端がリング板部9cで連結されて成り、外筒部9aの内面にマグネット10…が固着される。また内筒部9bにはクランクシャフト5が同軸に挿通されており、このクランクシャフト5に内筒部9bが固定される。その内筒部9bの外周面は、リング板部9c寄りの大径部と、この大径部に段部を介して連なる小径部とを有した段付き面に形成される。
【0010】
ステータ7は、複数の突極11a…を外周部に有するステータコア11と、各突極11a…にボビン12を介してそれぞれ巻装されるコイル13…とで構成されるものであり、ステータコア11が複数のボルト14…でエンジン本体8に締結される。
【0011】
図3を併せて参照して、ロータ6のロータケース9における内筒部9bの外周(特に前記段付き面の小径部)には被検出体15が固定される。この被検出体15は、周方向に隣接するマグネットとは磁極を異ならせた複数たとえば12個のマグネットが周方向に等間隔をあけてリング状に配置されて成る第1被検出部15aと、第1被検出部15aに連なる第2被検出部15bとを有するものであり、ステンレス鋼等の非磁性材料から成るホルダ16内に嵌合、保持される。このホルダ16は、被検出体15を囲繞し且つ内筒部9bの前記段付き面における前記大径部に嵌合した大径円筒部と、この大径円筒部に中間段部を介して連なり且つ前記段付き面における前記小径部に嵌合した小径円筒部とを有する段付円筒状に形成される。而して該ホルダ16が、前記内筒部9bの外周に嵌合、固定されることにより、第1被検出部15aの中心をロータ6の回転軸線に合わせた前記被検出体15が、ホルダ16の前記大径円筒部及び前記中間段部内筒部9bの外周面の前記小径部及び前記段部との相互間に抱持されるようにして該内筒部9bに固定される。
【0012】
第2被検出部15bは、第1被検出部15aの周方向に相互に隣接する3つのマグネットに対応する部分が第1被検出部15aの軸方向一端から軸方向外方に一体に突出することにより形成されており、それらの3つのマグネットのうち、ロータ6の周方向に沿う中央に配置されるとともに外周側をたとえばS極とした中央マグネット17が該中央マグネット17に対応した第1被検出部15a側のマグネットと同一の幅に形成され、前記中央マグネット17の両側に配置されるとともに外周側をたとえばそれぞれN極とした一対の両側マグネット18,18が前記中央マグネット17よりも幅を狭くして、望ましくは、中央マグネット17の幅の1/2よりも幅を狭くして形成される。
【0013】
またロータ6の軸線方向に沿う第1および第2被検出部15a,15bの長さLa,Lbは同一に設定されている。
【0014】
さらに第2被検出部15bを除く第1被検出部15aの前記一端は、磁性材から成るC字形のカバー19で覆われるものであり、このカバー19は、たとえば第1被検出部15aの前記一端への接着により被検出体15に固着される。
【0015】
第1被検出部15aは、ロータ6の回転角度を検出するためのものであり、第1被検出部15aの外周に対向する位置に4つのセンサとしてのホールIC20,20…が配置される。また第2被検出部15bはロータ6の回転角度が或る一定の角度になったことを検出してエンジンの点火時期を定めるためのものであり、第2被検出部15bの外周に対向する位置に単一のセンサとしてのホールIC21が配置される。
【0016】
これらの2組のホールIC20…,21は、合成樹脂から成るホルダ22に埋封されており、ホルダ22がボルト23によりステータ7のステータコア11に固定される。
【0017】
ところで前記カバー19の板厚dは、ロータ6の軸線方向に沿う第2被検出部15bの長さ15bよりも小さく設定されており、望ましくは、第1被検出部15aの一端と、第2被検出部15bに対向して固定配置される前記ホールIC21の中心との間のロータ6の軸線方向に沿う距離Lcよりも小さく設定される。而してこの実施例では、たとえば第1および第2被検出部15a,15bの長さLa,Lbが5mmであるときに、カバー19の板厚dは1mm程度に設定される。
【0018】
次にこの実施例の作用について説明すると、ロータ6の回転角度が或る一定の角度になったことを検出してエンジンの点火時期を定めるための第2被検出部15bは、その第2被検出部15bとともに被検出体15を構成するリング状の第1被検出部15aのうち周方向に相互に隣接する3つのマグネットに対応する部分(たとえばこの実施例では外周側をN,S,N極としたマグネットに対応する部分)が、第1被検出部15aの軸方向一端から軸方向外方に一体に突出することにより形成されるものであり、また第2被検出部15bを除く部分で第1被検出部15aの前記一端が磁性材から成るC字形のカバー19で覆われている。
【0019】
このような被検出体15の構造により、第2被検出部15bのホールIC21による磁極検出精度を向上することができる。
【0020】
すなわち第2被検出部15bが、外周側をたとえばN,S,N極として周方向に隣接する3つのマグネット18,17,18を有し、それらの3つのマグネット18,17,18が第1被検出部15aの対応するマグネットと同一幅であったときのロータ6の回転に伴なう磁束密度の変化特性は、図4で示すようになり、両側磁極18および中央マグネット17間の切り替わり時における磁束密度の変化率を大きくし、3つの磁極以外の部分での磁束密度を低下させることができる。
【0021】
しかるに、前記3つのマグネット18,17,18以外の部分では、第1被検出部15a側からの影響を受けて磁束密度を「0」に抑えることで困難であるので、斜線部で示す領域をホールIC21による検出レベルに設定すると、ホールIC21による誤検出が生じる可能性がある。
【0022】
次いで、第2被検出部15bの3つのマグネット18,17,18の幅を同一とするとともに第2被検出部15b以外の部分で第1被検出部15aの一端をカバー19で覆ったときのロータ6の回転に伴なう磁束密度の変化特性は、図5で示すようになり、第1被検出部15a側からの影響が第2被検出部15bに及ぶことをカバー19により極力阻止することで、3つのマグネット18,17,18以外の部分での磁束密度をより一層低下させることができる。
【0023】
このようにして、第2被検出部15bにおける3つのマグネット18,17,18のうち中央マグネット17がホールIC21に対応する部分を通過する際の磁束密度の変化率を大きくするとともに、第2被検出部15bを除く部分で第1被検出部15aの一端を磁性材から成るC字形のカバー19で覆うことによって第1被検出部15aの磁束が第2被検出部15bに悪影響を及ぼすことを極力抑制し、第2被検出部15bにおける中央マグネット17をホールIC21で検出する際の検出精度を向上することができる。
【0024】
しかも第2被検出部15bが備える3つのマグネット18,17,18のうち、ロータ6の周方向に沿う中央に配置される中央マグネット17が該中央マグネット17に対応した第1被検出部15a側のマグネットと同一の幅に形成されるのに対し、中央マグネット17の両側で第2被検出部15bが備える一対の両側マグネット18,18が前記中央マグネット17よりも幅を狭くして形成されるので、第2被検出部15bの磁極検出精度をさらに向上することができる。
【0025】
すなわち、中央マグネット17および一対の両側マグネット18,18を第1被検出部15aの対応マグネットに対応させて同一幅に設定しておくと、第1被検出部15aからの第2被検出部15bにおける両側マグネット18,18への磁束による影響を完全に排除することはできず、上記図5で示したように、第2被検出部15bの3つのマグネット18,17,18以外の部分でも磁束を「0」に抑えることができなかった。これは第2被検出部15bの両側マグネット18,18に対応するマグネットの両外側で第1被検出部15aに配置されるマグネットが前記両側マグネット18,18に近接していることによるものと思料される。
【0026】
そこで中央マグネット17の両側で第2被検出部15bが備える一対の両側マグネット18,18の幅を中央マグネット17よりも狭くすると、一対の両側マグネット18,18と、それらの両側マグネット18,18に対応するマグネットの両外側で第1被検出部15aに配置されるマグネットとの間の距離を極力大きくすることができる。たとえば中央マグネット17がなす中心角を30度とし、両側マグネット18,18がなす中心角をたとえば28度としたときには、図6で示すように、第1被検出部15a側から第2被検出部15bに磁束の悪影響を及ぼすことをより一層効果的に抑制して、第2被検出部15bの3つのマグネット18,17,18以外の部分でも磁束をほぼ「0」に抑え、ホールIC21による第2被検出部15bの磁極検出精度をさらに向上することができる。
【0027】
また一対の両側マグネット18,18の幅を中央マグネット17の幅の1/2よりも狭くすべく、中央マグネット17の中心角を30度とし、両側マグネット18,18がなす中心角をたとえば3度としたときには、図7で示すように、第2被検出部15b以外の部分では中央マグネット17の外周側の磁極とは反対の極性の磁束が生じることになる。すなわち中央マグネット17の幅よりも狭いが比較的幅の大きな両側マグネット18,18が中央マグネット17の両側に配置されている場合には、図8(a)で示すように、両側マグネット18,18においてN極からS極に向う磁束は、中央マグネット17による磁束の影響を受けずにそのまま残るのに対し、中央マグネット17の幅の1/2よりも狭い両側マグネット18,18が中央マグネット17の両側に配置されている場合には、図8(b)で示すように、中央マグネット17のN極からS極に向う磁束によって両側マグネット18,18の周辺磁束が影響を受け、中央マグネット17の強い磁束だけが両側マグネット18,18の両側に残るからである。
【0028】
而して、第2被検出部15b以外の部分では中央マグネット17の外周側の磁極とは反対の極性の磁束を生じさせることにより、検出すべき磁束密度と斜線部で示すホールIC21の検知レベルとの差を大きくすることができ、モータ電流等のノイズによる乱れが生じることを防止して、ホールIC21による第2被検出部15bの磁極検出精度をさらに一層向上することができる。
【0029】
またロータ6の軸線方向に沿う第1および第2被検出部15a,15bの長さLa,Lbが同一に設定されることにより、第1および第2被検出部15a,15bに個別に対応する2組のホールIC20…,21を、ロータ6の軸線方向にバランスよく配置することができる。
【0030】
さらにカバー19の板厚dが、ロータ6の軸線方向に沿う第2被検出部15bの長さLbよりも小さく設定されており、カバー19が第2被検出部15bから外方に突出することがないので、被検出体15およびカバー19をコンパクトに纏めることができる。
【0031】
しかもカバー19は、磁束通路となる磁性材で形成されるのであるが、第1被検出部15aのカバー19側の一端と、第2被検出部15bに対向して固定配置されるホールIC21の中心との間のロータ6の軸線方向に沿う距離Lcよりも小さくなるようにカバー19の板厚dが設定されることにより、カバー19の板厚dを極力薄くし、磁束による悪影響が第2被検出部15bの磁極検出精度に及ぶことを防止することができる。
【0032】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エンジンのクランクシャフトに固定されるロータケースおよび該ロータケースに固定の複数のロータ用マグネットよりなるロータと、前記ロータケースに囲繞されるステータとを備えて、スタータモータに兼用される車両用発電機であって、前記ロータケースは、前記ステータを囲繞すると共に前記複数のロータ用マグネットが内面に固着される外筒部と、前記クランクシャフトの一端部が同軸に挿通、固定される内筒部と、それら外筒部及び内筒部の外端相互を連結するリング板部とを備え、前記内筒部の外周面は、前記リング板部寄りの大径部とこの大径部に段部を介して連なる小径部とを有した段付き面に形成されていて、前記小径部には、前記ロータの回転角度を検出するために、周方向に互いに等間隔で並ぶ複数の検出用マグネットがそれらの磁極を周方向に隣接する検出用マグネット相互で異ならせてリング状に配置されて成る第1被検出部と、前記ロータの回転角度が或る一定の角度になったことを検出するための第2被検出部とを有する被検出体が支持され、前記内筒部の外周面に定され非磁性材料から成るホルダが、前記被検出体を囲繞し且つ前記大径部に嵌合した大径円筒部と、この大径円筒部に中間段部を介して連なり且つ前記小径部に嵌合した小径円筒部とを有する段付円筒状に形成されていて、該ホルダの前記大径円筒部及び前記中間段部前記内筒部の外周面の前記小径部及び前記段部との相互間に該被検出体が保持され、前記第1被検出部に対応する位置に配置した第1のセンサと、前記第2被検出部に対応する位置に配置した第2のセンサとが前記ステータに固定されることを特徴とする車両用発電機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した車両用発電機の縦断面図
【図2】 図1の2−2線拡大断面図
【図3】 第2被検出部に対応する部分でのマグネットの側面図
【図4】 第2被検出部の3つのマグネットの幅を同一としたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図
【図5】 第2被検出部の3つのマグネットの幅を同一とするとともにカバーを被検出体に装着したときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図
【図6】 カバーを被検出体に装着するとともに第2被検出部の両側マグネットの幅を狭めたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図
【図7】 第2被検出部の両側マグネットの幅を中央マグネットの幅の1/2よりも狭めたときの回転角度に応じた磁束密度の変化特性を示す図
【図8】 中央マグネットおよび両側マグネットの幅による磁束の変化を説明するための図
【符号の説明】
5・・・・クランクシャフト
6・・・・ロータ
7・・・・ステータ
9・・・・ロータケース
9a・・・外筒部
9b・・・内筒部
9c・・・リング板部
10・・・ロータ用マグネット
15・・・被検出体
15a・・第1被検出部
15b・・第2被検出部
16・・・ホルダ
19・・・カバー
20・・・第1のセンサとしてのホールIC
21・・・第2のセンサとしてのホールIC

Claims (2)

  1. エンジンのクランクシャフト(5)に固定されるロータケース(9)および該ロータケース(9)に固定の複数のロータ用マグネット(10)よりなるロータ(6)と、前記ロータケース(9)に囲繞されるステータ(7)とを備えて、スタータモータに兼用される車両用発電機であって、
    前記ロータケース(9)は、前記ステータ(7)を囲繞すると共に前記複数のロータ用マグネット(10)が内面に固着される外筒部(9a)と、前記クランクシャフト(5)の一端部が同軸に挿通、固定される内筒部(9b)と、それら外筒部(9a)及び内筒部(9b)の外端相互を連結するリング板部(9c)とを備え、
    前記内筒部(9b)の外周面は、前記リング板部(9c)寄りの大径部とこの大径部に段部を介して連なる小径部とを有した段付き面に形成されていて、前記小径部には、前記ロータ(6)の回転角度を検出するために、周方向に互いに等間隔で並ぶ複数の検出用マグネットがそれらの磁極を周方向に隣接する検出用マグネット相互で異ならせてリング状に配置されて成る第1被検出部(15a)と、前記ロータ(6)の回転角度が或る一定の角度になったことを検出するための第2被検出部(15b)とを有する被検出体(15)が支持され、
    前記内筒部(9b)の外周面に定され非磁性材料から成るホルダ(16)が、前記被検出体(15)を囲繞し且つ前記大径部に嵌合した大径円筒部と、この大径円筒部に中間段部を介して連なり且つ前記小径部に嵌合した小径円筒部とを有する段付円筒状に形成されていて、該ホルダ(16)の前記大径円筒部及び前記中間段部前記内筒部(9b)の外周面の前記小径部及び前記段部との相互間に該被検出体(15)が保持され、
    前記第1被検出部(15a)に対応する位置に配置した第1のセンサ(20)と、前記第2被検出部(15b)に対応する位置に配置した第2のセンサ(21)とが前記ステータ(7)に固定されることを特徴とする車両用発電機。
  2. 前記第1のセンサは、前記第1被検出部(15a)に対向する複数のホールIC(20)であり、前記第2のセンサは、前記第2被検出部(15b)に対向する単一のホールIC(21)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用発電機。
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