JP2004022446A - 電磁接触器の操作用電磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】定格使用電圧の異なる電磁接触器の機種に対して、電磁石の操作コイルを共用できるようにして部品種類の削減,製品のコスト低減化を図る。
【解決手段】2脚形の固定鉄心7, 可動鉄心7, および鉄心の各脚部に装着した操作コイル9からなる電磁接触器の操作用電磁石5において、各脚部に同一仕様の操作コイル9を装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線するようにし、具体的には操作コイルの仕様(コイル定格電圧)をAC100V(もしくは200V)とし、定格使用電圧AC100V(もしくは200V)の電磁接触器に適用する場合には操作コイルを並列に結線し、定格使用電圧AC200V(もしくは400V)の電磁接触器には操作コイルを直列に結線する。これにより、同じ仕様の操作コイルを共通部品として定格使用電圧が異なる機種の電磁接触器に適用できる。
【選択図】 図1
【解決手段】2脚形の固定鉄心7, 可動鉄心7, および鉄心の各脚部に装着した操作コイル9からなる電磁接触器の操作用電磁石5において、各脚部に同一仕様の操作コイル9を装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線するようにし、具体的には操作コイルの仕様(コイル定格電圧)をAC100V(もしくは200V)とし、定格使用電圧AC100V(もしくは200V)の電磁接触器に適用する場合には操作コイルを並列に結線し、定格使用電圧AC200V(もしくは400V)の電磁接触器には操作コイルを直列に結線する。これにより、同じ仕様の操作コイルを共通部品として定格使用電圧が異なる機種の電磁接触器に適用できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁接触器に搭載した操作用電磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明の実施対象となる電磁接触器の一般的な構成を図5に示す。図において、1は電磁接触器の本体ケース(樹脂ケース)、2は固定接触子、2a,2bは主回路の外部端子、3は橋絡形の可動接触子、3aは接触子ホルダ、4は接触子カバー、5が操作用電磁石であり、該電磁石5は固定鉄心6および可動鉄心7と、固定鉄心6に設けた隈取コイル8と、操作コイル9と、可動鉄心7を上方に付勢する復帰ばね10との組立体からなり、可動鉄心7に接触子ホルダ3aを介して可動接触子3が連結されている。なお、11は操作コイル8の外部端子であり、通常は操作コイル8の外部端子11を制御回路を介して主回路の電源側電路に接続し、制御回路に指令を与えて電磁接触器をON,OFF操作するようにしている。また、図示の固定鉄心6,可動鉄心7は、“E形コア”と呼ばれる3脚形鉄心であり、各鉄心の脚部端面(磁極面)が空隙を隔てて対峙し、操作コイル9はボビンにコイル素線を巻装した構造で、固定鉄心6の中央脚部に嵌挿配備されている。なお、前記鉄心は珪素鋼板を積層してリベット締めした積層鉄心である。
【0003】
上記構成の電磁接触器の動作は周知であり、操作コイル9への給電を切った状態では、可動鉄心7が復帰ばね10のばね付勢により固定鉄心7から離間して主回路接点はOFFである。一方、投入指令により操作コイル9に電流を流すと電磁石が励磁され、コイルの起磁力により固定鉄心6と可動鉄心7の磁極面間に磁気吸引力が働いて可動鉄心が固定鉄心に吸着されるとともに、可動鉄心7の動きに従動して可動接触子3が固定接触子2に接触して主回路接点がONとなる。
【0004】
ここで、電磁石の吸引力Fは次式で表される。
F=μO ×a(n×I)2 / 2×δ2 =a×B2 /2×μO ……(1)
但し、μO :真空の透磁率、δ:空隙長、n:コイルのターン数、I:コイルに流れる電流、a:空隙の面積、B:空隙の有効磁束密度
なお、前記の電磁接触器は、通常は配電盤,制御盤などに装備して使用され、その際の取付け姿勢は図6で示すように主回路の電源側端子を上,負荷側端子を下に向けた横置姿勢で盤内の取付部材(例えば支持レール)に取付けるようにしており、この取付け状態で動作時には電磁石5の可動鉄心7が前後方向に移動して主回路接点を開閉する。
【0005】
ところで、前記の電磁接触器は電動機の制御用などの用途に多く使用されており、電磁接触器のメーカーでは、JISなどの規格に準拠して各容量ごとに定格使用電圧AC100V,200V(単相モータ用)、あるいはAC200V,400V(三相モータ用)などを標準仕様として系列化した多機種の製品を製作している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電磁接触器の開発,製品化に当たっては、製品のコスト低減,および品質,信頼性の向上を図るために、次記のようなことが大きな課題となる。すなわち、
(1) 電磁接触器の製品開発に当たって、電磁接触器の各機種ごとに、電磁石の操作コイルの素線ターン数,素線の太さなどを定格使用電圧に合わせて最適設計して製品を製作しているのが現状である。しかしながら、操作コイルの仕様が異なると、コイルおよびボビンの外形サイズも変わり、さらにこの操作コイルを装着する鉄心の形状,サイズも変わるなど、メーカーが製作する部品の種類が増えることから、これら部品の設計,製造,管理を含めて電磁接触器の製品コストが高くなる。
【0007】
かかる点、定格使用電圧の異なる機種の電磁接触器に搭載する操作コイルの部品共用化が図れれば、設計,製作する操作コイルの種類が減少して製品コストの低減が可能となる。
(2) 一方、電磁接触器には、使用先現場での取付け,および外部からの振動に対して高い安定度が要求される。かかる点、従来製品では図5で述べたように電磁石として鉄心を3脚形とし、操作コイルを鉄心の中央脚部に装着するような構造を採用している。
【0008】
このために、操作コイルが大形となり、かつ図6に示した標準の取付け姿勢では操作コイル9の重心位置が3脚形鉄心の中央脚の高さとなって安定性に欠け、外部から加わる振動に対する振動耐力が低くなるといった問題がある。
また、電磁接触器の電磁石には、吸引動作状態で外部から加わる振動,衝撃などによって主回路接点が不測に開かないようにする磁気保持力が要求される。そこで、操作コイルと別に電磁石の吸着状態での保持力を確保する補助コイルを鉄心に追加装備する対策が考えられるが、従来の3脚形鉄心構造では、各側脚部を通る磁束のバランスを確保するには、追加する補助コイルは操作コイルと一緒に中央脚部に取付ける必要がある。しかしながら、電磁接触器の限られたケースのスペース内で補助コイルを鉄心の中央脚部に追加装備することは、現実として極めて困難である。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は定格使用電圧の異なる電磁接触器の機種に対して電磁石の操作コイルを共用化して製品コストの低減化が図れるようにし、また第2の目的は実使用面での取付けの安定性,並びに耐震性向上が図れるように改良した電磁接触器の操作用電磁石を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明によれば、固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心に装着した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石において、
電磁石の鉄心を2脚形鉄心とし、かつその各脚部に同一仕様の操作コイルを装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線する(請求項1)ものとし、その具体的な実施態様として、操作コイルのコイル定格電圧をAC100V(もしくは200V)とし、定格使用電圧AC100V(もしくは200V)の電磁接触器では操作コイルを並列に結線し、定格使用電圧AC200V(もしくは400V)の電磁接触器では操作コイルを直列に結線するようにする(請求項2)。
【0011】
上記において、同一仕様の操作コイルを並列に結線してAC100V(もしくは200V)の電源に接続した場合と、操作コイルを直列に結線してAC200V(もしくは400V)の電源に接続した場合では、コイルに流れる電流は同じであり、これにより各操作コイルに発生する起磁力,および2脚形鉄心の空隙(固定鉄心と可動鉄心の間の空隙)を通る磁束も同じとなり、電磁石には所定の吸引力が発生して吸引動作する。したがって、定格使用電圧がAC100V(もしくは200V)である機種の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200V(もしくは400V)の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品としてそ適用することができる。
【0012】
また、第2の目的を達成するために、本発明によれば、固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心の脚部に嵌挿した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石であり、2脚形鉄心の各脚部に操作コイルを装着した構成になるものにおいて、
2脚形鉄心の各脚部に装着する操作コイルとしてターン数の異なる大小2種類のコイルを用意し、電磁接触器の標準取付け姿勢で下側に位置する脚部にはターン数の多い大形コイルを、上側の脚部にターン数の少ない小形コイルを装着する(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、電磁接触器を標準取付け姿勢で据え付けた実使用状態では、電磁石鉄心に装着した操作コイルの重心が低くなって取付け姿勢での安定性が増して、振動耐力も改善される。しかも、2脚形鉄心は磁気回路が一つであることから、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着した各操作コイルのアンペアターンを変えてもトータル的な起磁力は同じであり、電磁石の吸引動作特性が変わることはない。
【0014】
また、本発明によれば、電磁石の吸着状態での保持力を高めるために、前記の操作コイルとは別に、電磁石の可動鉄心を吸着状態に保持する補助コイルを鉄心に追加装備し(請求項4)、さらに電磁石の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件で前記補助コイルを通電する制御手段を備える(請求項5)ものとし、その制御手段を、鉄心に巻装した誘導コイルと、該誘導コイルの出力で補助コイルを通電制御する補助リレーとから構成する(請求項6)。
【0015】
これにより、電磁石の吸引動作状態での磁気保持力が高まるので、外部から加わる振動,衝撃などで主回路接点が不測に開くことを防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図5に対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
〔実施例1〕
図1(a),(b) は本発明の請求項1,2に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、電磁石5が2脚形の固定鉄心6および可動鉄心7と、固定鉄心6の各脚部に分けて装着した操作コイル9とからなる。ここで、図示実施例の操作コイル9は、コイル定格電圧をAC100Vとして所定の起磁力が得られるように素線ターン数,素線径などを選定して設計,製作した同一仕様のもを装備している。
【0017】
そして、この電磁石5を定格使用電圧AC100Vの電磁接触器(単相モータ用)に搭載する場合には、(a) 図のように鉄心の各脚部に装着した2個の操作コイル9を並列に接続して結線するように各コイル9の端子9a,9bの間を配線した上で、電磁接触器の主回路電路(AC100V)に接続して使用する。一方、この電磁石5を同じ容量で定格使用電圧がAC200Vの電磁接触器(単相モータ用)に適用する場合には、(b) 図のように2個の操作コイル9を直列に接続して結線し、電磁接触器の主回路電路(AC200V)に接続して使用する。
【0018】
これにより、(a) 図,(b) 図のいずれの使用条件でも、各操作コイル9に流れる電流は同じであり、したがって各操作コイルに発生する起磁力,および2脚形鉄心の空隙(固定鉄心と可動鉄心の間の空隙)を通る磁束も同じとなり、電磁石には所定の吸引力が発生して吸引動作する。したがって、定格使用電圧がAC100Vである単相用の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200Vの電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用できる。
【0019】
また、3相用の電磁接触器に適用する電磁石の操作コイルについては、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着する操作コイル9を、そのコイル定格電圧をAC200Vとして所定の起磁力が得られるように設計,製作する。そして、定格使用電圧がAC200Vの3相用電磁接触器に適用する場合には、各操作コイル9を(a) 図と同様に並列に結線してAC200Vの電源から給電するようにし、定格使用電圧がAC400Vの3相用電磁接触器に適用する場合には、各操作コイル9を(b) 図と同様に直列に結線してAC400Vの電源から給電を受けるようにする。これにより、前記と同様に、同一容量で定格使用電圧がAC200Vおよび400Vの3相用の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用できる。
【0020】
〔実施例2〕
図2は本発明の請求項3に対応する操作用電磁石の実施例を示すものである。この実施例においては、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着した操作コイルについて、図6に示した電磁接触器の標準取付け姿勢の状態で上側の脚部に巻装した操作コイルを91,下側の脚部に巻装した操作コイルを92として、下側の操作コイル92のターン数(ボビンに巻く素線の巻回数)を上側の操作コイル92のターン数よりも多く選定し、操作コイル91のアンペアターンと操作コイル92のアンペアターンの合計で電磁石5に要求される所定の起磁力を得るようにしている。なお、2脚形鉄心の磁気回路では、各脚部に分けて配した操作コイルのターン数の配分を変えても、二つの操作コイルのアンペアターンの合計が同じであれば鉄心を通る磁束量は変わることはない。
【0021】
上記構成によれば、電磁石5として必要な吸引力を確保しつつ、鉄心の下側脚部に装着した操作コイル92が上側の操作コイル91よりも重量が重く、したがって電磁石の重心位置が下がる。これにより、電磁接触器の取付け状態での安定性,振動耐力が増す。なお、下側の操作コイル92に太い素線を用いることにより、ターン数の増加に伴うコイルの電気抵抗の増加分を低く抑えて通電による発熱量を上側の操作コイル91と同じ程度まで低減でき、これにより鉄心の熱的な歪みを低く抑えて運転時の安定性も確保できる。
【0022】
〔実施例3〕
図3は本発明の請求項4〜6に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、電磁石5の吸着状態での保持力を高める手段として、2脚形の固定鉄心6には、その各脚部に装着した操作コイル9とは別に、補助コイル12を鉄心のヨーク部に追加装備している。そして、電磁石5の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件、つまり可動鉄心7が固定鉄心6に吸着された状態を捉えて前記補助コイル12を通電するための制御手段として、固定鉄心6のヨーク部に巻装した誘導コイル13、および該誘導コイル13の出力で動作する補助リレー14を設け、この補助リレーのリレー接点(a接点)を補助コイル12の電源回路(操作コイル9の電源と同じ)に接続している。
【0023】
また、図4は電磁石5の吸引動作過程における空隙長(固定鉄心6と可動鉄心7の磁極面間の空隙)と鉄心の磁束密度との関係を表した図であり、その横軸の「接触」は可動鉄心が固定鉄心に吸着して主回路接点がONとなる位置を、「開放」は固定鉄心6と可動鉄心7が離間した主回路接点OFFの位置を表す。
ここで、鉄心の磁束密度は空隙長の減少に伴って増加し、「接触」位置で最大となる。また、誘導コイル13には鉄心を通る磁束(交番磁束)との鎖交により電圧が誘起し、その出力で補助リレー14がON動作すると補助コイル12が励磁されるわけであるが、この場合に補助リレー14は、鉄心の磁束密度がB1 以上の範囲に動作域を設定(リレー接点の復帰ばねを調整する)しておく。
【0024】
これにより、電磁石5の吸引動作過程で可動鉄心7が固定鉄心6に殆ど接触する状態になると、誘導コイル13の出力で補助リレー14が動作し、そのリレー接点が閉じて補助コイル12が通電される。その結果、電磁石5の吸着状態では操作コイル9のアンペアターンに補助コイル12のアンペアターンが加算されて磁気保持力が高くなる。したがって、電磁接触器の使用状態で外部から振動,衝撃が加わっても、投入状態にある主回路接点が不測に開いたりする動作トラブルを防ぐことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次記の効果を奏する。
(1) 2脚形鉄心の各脚部に標準仕様の操作コイルを装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線するようにしたことにより、定格使用電圧がAC100V(もしくは200V)である機種の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200V(もしくは400V)の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用することができ、これにより電磁接触器の製作コスト低減化が図れる。
【0026】
(2) 2脚形鉄心の各脚部に装着する操作コイルとしてターン数の異なる大小2種類のコイルを用意し、電磁接触器の標準取付け姿勢で下側に位置する脚部にはターン数の多い大形コイルを、上側の脚部にターン数の少ない小形コイルを装着することにより、電磁接触器を標準取付け姿勢で据え付けた使用状態では、電磁石鉄心に装着した操作コイルの重心が低くなって取付け姿勢での安定性が増して、振動耐力も改善される。
【0027】
(3) 2脚形鉄心の各脚部に操作コイルを装着した電磁石において、前記操作コイルとは別に、電磁石の可動鉄心を吸着状態に保持する補助コイルを鉄心に追加装備し、さらに電磁石の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件で前記補助コイルを通電する制御手段を備えることにより、電磁石の吸引動作状態で補助コイルを励磁して鉄心の保持力を高めることができ、これにより外部から加わる振動,衝撃などで主回路接点が不測に開離するトラブルを防止して電磁接触器の信頼性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に対応する電磁石の操作コイル結線図であり、(a),(b) はそれぞれ操作コイルを並列,および直列に接続した結線状態を表す図
【図2】本発明の実施例2に対応する電磁石の略示構成図
【図3】本発明の実施例3に対応する操作用電磁石のコイル配置,および補助コイルの励磁制御回路を表す図
【図4】図3の電磁石における空隙長と鉄心の磁束密度との関係を表す特性線図
【図5】操作用電磁石に3脚形電磁石を採用した従来における電磁接触器の一般的な構成断面図
【図6】図5の電磁接触器の実使用状態における標準取付け姿勢を表す図
【符号の説明】
2 固定接触子
3 可動接触子
5 操作用電磁石
6 固定鉄心
7 可動鉄心
9 操作コイル
10 復帰ばね(負荷)
12 補助コイル
13 誘導コイル
14 補助リレー
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁接触器に搭載した操作用電磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明の実施対象となる電磁接触器の一般的な構成を図5に示す。図において、1は電磁接触器の本体ケース(樹脂ケース)、2は固定接触子、2a,2bは主回路の外部端子、3は橋絡形の可動接触子、3aは接触子ホルダ、4は接触子カバー、5が操作用電磁石であり、該電磁石5は固定鉄心6および可動鉄心7と、固定鉄心6に設けた隈取コイル8と、操作コイル9と、可動鉄心7を上方に付勢する復帰ばね10との組立体からなり、可動鉄心7に接触子ホルダ3aを介して可動接触子3が連結されている。なお、11は操作コイル8の外部端子であり、通常は操作コイル8の外部端子11を制御回路を介して主回路の電源側電路に接続し、制御回路に指令を与えて電磁接触器をON,OFF操作するようにしている。また、図示の固定鉄心6,可動鉄心7は、“E形コア”と呼ばれる3脚形鉄心であり、各鉄心の脚部端面(磁極面)が空隙を隔てて対峙し、操作コイル9はボビンにコイル素線を巻装した構造で、固定鉄心6の中央脚部に嵌挿配備されている。なお、前記鉄心は珪素鋼板を積層してリベット締めした積層鉄心である。
【0003】
上記構成の電磁接触器の動作は周知であり、操作コイル9への給電を切った状態では、可動鉄心7が復帰ばね10のばね付勢により固定鉄心7から離間して主回路接点はOFFである。一方、投入指令により操作コイル9に電流を流すと電磁石が励磁され、コイルの起磁力により固定鉄心6と可動鉄心7の磁極面間に磁気吸引力が働いて可動鉄心が固定鉄心に吸着されるとともに、可動鉄心7の動きに従動して可動接触子3が固定接触子2に接触して主回路接点がONとなる。
【0004】
ここで、電磁石の吸引力Fは次式で表される。
F=μO ×a(n×I)2 / 2×δ2 =a×B2 /2×μO ……(1)
但し、μO :真空の透磁率、δ:空隙長、n:コイルのターン数、I:コイルに流れる電流、a:空隙の面積、B:空隙の有効磁束密度
なお、前記の電磁接触器は、通常は配電盤,制御盤などに装備して使用され、その際の取付け姿勢は図6で示すように主回路の電源側端子を上,負荷側端子を下に向けた横置姿勢で盤内の取付部材(例えば支持レール)に取付けるようにしており、この取付け状態で動作時には電磁石5の可動鉄心7が前後方向に移動して主回路接点を開閉する。
【0005】
ところで、前記の電磁接触器は電動機の制御用などの用途に多く使用されており、電磁接触器のメーカーでは、JISなどの規格に準拠して各容量ごとに定格使用電圧AC100V,200V(単相モータ用)、あるいはAC200V,400V(三相モータ用)などを標準仕様として系列化した多機種の製品を製作している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電磁接触器の開発,製品化に当たっては、製品のコスト低減,および品質,信頼性の向上を図るために、次記のようなことが大きな課題となる。すなわち、
(1) 電磁接触器の製品開発に当たって、電磁接触器の各機種ごとに、電磁石の操作コイルの素線ターン数,素線の太さなどを定格使用電圧に合わせて最適設計して製品を製作しているのが現状である。しかしながら、操作コイルの仕様が異なると、コイルおよびボビンの外形サイズも変わり、さらにこの操作コイルを装着する鉄心の形状,サイズも変わるなど、メーカーが製作する部品の種類が増えることから、これら部品の設計,製造,管理を含めて電磁接触器の製品コストが高くなる。
【0007】
かかる点、定格使用電圧の異なる機種の電磁接触器に搭載する操作コイルの部品共用化が図れれば、設計,製作する操作コイルの種類が減少して製品コストの低減が可能となる。
(2) 一方、電磁接触器には、使用先現場での取付け,および外部からの振動に対して高い安定度が要求される。かかる点、従来製品では図5で述べたように電磁石として鉄心を3脚形とし、操作コイルを鉄心の中央脚部に装着するような構造を採用している。
【0008】
このために、操作コイルが大形となり、かつ図6に示した標準の取付け姿勢では操作コイル9の重心位置が3脚形鉄心の中央脚の高さとなって安定性に欠け、外部から加わる振動に対する振動耐力が低くなるといった問題がある。
また、電磁接触器の電磁石には、吸引動作状態で外部から加わる振動,衝撃などによって主回路接点が不測に開かないようにする磁気保持力が要求される。そこで、操作コイルと別に電磁石の吸着状態での保持力を確保する補助コイルを鉄心に追加装備する対策が考えられるが、従来の3脚形鉄心構造では、各側脚部を通る磁束のバランスを確保するには、追加する補助コイルは操作コイルと一緒に中央脚部に取付ける必要がある。しかしながら、電磁接触器の限られたケースのスペース内で補助コイルを鉄心の中央脚部に追加装備することは、現実として極めて困難である。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は定格使用電圧の異なる電磁接触器の機種に対して電磁石の操作コイルを共用化して製品コストの低減化が図れるようにし、また第2の目的は実使用面での取付けの安定性,並びに耐震性向上が図れるように改良した電磁接触器の操作用電磁石を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明によれば、固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心に装着した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石において、
電磁石の鉄心を2脚形鉄心とし、かつその各脚部に同一仕様の操作コイルを装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線する(請求項1)ものとし、その具体的な実施態様として、操作コイルのコイル定格電圧をAC100V(もしくは200V)とし、定格使用電圧AC100V(もしくは200V)の電磁接触器では操作コイルを並列に結線し、定格使用電圧AC200V(もしくは400V)の電磁接触器では操作コイルを直列に結線するようにする(請求項2)。
【0011】
上記において、同一仕様の操作コイルを並列に結線してAC100V(もしくは200V)の電源に接続した場合と、操作コイルを直列に結線してAC200V(もしくは400V)の電源に接続した場合では、コイルに流れる電流は同じであり、これにより各操作コイルに発生する起磁力,および2脚形鉄心の空隙(固定鉄心と可動鉄心の間の空隙)を通る磁束も同じとなり、電磁石には所定の吸引力が発生して吸引動作する。したがって、定格使用電圧がAC100V(もしくは200V)である機種の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200V(もしくは400V)の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品としてそ適用することができる。
【0012】
また、第2の目的を達成するために、本発明によれば、固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心の脚部に嵌挿した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石であり、2脚形鉄心の各脚部に操作コイルを装着した構成になるものにおいて、
2脚形鉄心の各脚部に装着する操作コイルとしてターン数の異なる大小2種類のコイルを用意し、電磁接触器の標準取付け姿勢で下側に位置する脚部にはターン数の多い大形コイルを、上側の脚部にターン数の少ない小形コイルを装着する(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、電磁接触器を標準取付け姿勢で据え付けた実使用状態では、電磁石鉄心に装着した操作コイルの重心が低くなって取付け姿勢での安定性が増して、振動耐力も改善される。しかも、2脚形鉄心は磁気回路が一つであることから、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着した各操作コイルのアンペアターンを変えてもトータル的な起磁力は同じであり、電磁石の吸引動作特性が変わることはない。
【0014】
また、本発明によれば、電磁石の吸着状態での保持力を高めるために、前記の操作コイルとは別に、電磁石の可動鉄心を吸着状態に保持する補助コイルを鉄心に追加装備し(請求項4)、さらに電磁石の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件で前記補助コイルを通電する制御手段を備える(請求項5)ものとし、その制御手段を、鉄心に巻装した誘導コイルと、該誘導コイルの出力で補助コイルを通電制御する補助リレーとから構成する(請求項6)。
【0015】
これにより、電磁石の吸引動作状態での磁気保持力が高まるので、外部から加わる振動,衝撃などで主回路接点が不測に開くことを防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図5に対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
〔実施例1〕
図1(a),(b) は本発明の請求項1,2に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、電磁石5が2脚形の固定鉄心6および可動鉄心7と、固定鉄心6の各脚部に分けて装着した操作コイル9とからなる。ここで、図示実施例の操作コイル9は、コイル定格電圧をAC100Vとして所定の起磁力が得られるように素線ターン数,素線径などを選定して設計,製作した同一仕様のもを装備している。
【0017】
そして、この電磁石5を定格使用電圧AC100Vの電磁接触器(単相モータ用)に搭載する場合には、(a) 図のように鉄心の各脚部に装着した2個の操作コイル9を並列に接続して結線するように各コイル9の端子9a,9bの間を配線した上で、電磁接触器の主回路電路(AC100V)に接続して使用する。一方、この電磁石5を同じ容量で定格使用電圧がAC200Vの電磁接触器(単相モータ用)に適用する場合には、(b) 図のように2個の操作コイル9を直列に接続して結線し、電磁接触器の主回路電路(AC200V)に接続して使用する。
【0018】
これにより、(a) 図,(b) 図のいずれの使用条件でも、各操作コイル9に流れる電流は同じであり、したがって各操作コイルに発生する起磁力,および2脚形鉄心の空隙(固定鉄心と可動鉄心の間の空隙)を通る磁束も同じとなり、電磁石には所定の吸引力が発生して吸引動作する。したがって、定格使用電圧がAC100Vである単相用の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200Vの電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用できる。
【0019】
また、3相用の電磁接触器に適用する電磁石の操作コイルについては、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着する操作コイル9を、そのコイル定格電圧をAC200Vとして所定の起磁力が得られるように設計,製作する。そして、定格使用電圧がAC200Vの3相用電磁接触器に適用する場合には、各操作コイル9を(a) 図と同様に並列に結線してAC200Vの電源から給電するようにし、定格使用電圧がAC400Vの3相用電磁接触器に適用する場合には、各操作コイル9を(b) 図と同様に直列に結線してAC400Vの電源から給電を受けるようにする。これにより、前記と同様に、同一容量で定格使用電圧がAC200Vおよび400Vの3相用の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用できる。
【0020】
〔実施例2〕
図2は本発明の請求項3に対応する操作用電磁石の実施例を示すものである。この実施例においては、2脚形鉄心の各脚部に分けて装着した操作コイルについて、図6に示した電磁接触器の標準取付け姿勢の状態で上側の脚部に巻装した操作コイルを91,下側の脚部に巻装した操作コイルを92として、下側の操作コイル92のターン数(ボビンに巻く素線の巻回数)を上側の操作コイル92のターン数よりも多く選定し、操作コイル91のアンペアターンと操作コイル92のアンペアターンの合計で電磁石5に要求される所定の起磁力を得るようにしている。なお、2脚形鉄心の磁気回路では、各脚部に分けて配した操作コイルのターン数の配分を変えても、二つの操作コイルのアンペアターンの合計が同じであれば鉄心を通る磁束量は変わることはない。
【0021】
上記構成によれば、電磁石5として必要な吸引力を確保しつつ、鉄心の下側脚部に装着した操作コイル92が上側の操作コイル91よりも重量が重く、したがって電磁石の重心位置が下がる。これにより、電磁接触器の取付け状態での安定性,振動耐力が増す。なお、下側の操作コイル92に太い素線を用いることにより、ターン数の増加に伴うコイルの電気抵抗の増加分を低く抑えて通電による発熱量を上側の操作コイル91と同じ程度まで低減でき、これにより鉄心の熱的な歪みを低く抑えて運転時の安定性も確保できる。
【0022】
〔実施例3〕
図3は本発明の請求項4〜6に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、電磁石5の吸着状態での保持力を高める手段として、2脚形の固定鉄心6には、その各脚部に装着した操作コイル9とは別に、補助コイル12を鉄心のヨーク部に追加装備している。そして、電磁石5の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件、つまり可動鉄心7が固定鉄心6に吸着された状態を捉えて前記補助コイル12を通電するための制御手段として、固定鉄心6のヨーク部に巻装した誘導コイル13、および該誘導コイル13の出力で動作する補助リレー14を設け、この補助リレーのリレー接点(a接点)を補助コイル12の電源回路(操作コイル9の電源と同じ)に接続している。
【0023】
また、図4は電磁石5の吸引動作過程における空隙長(固定鉄心6と可動鉄心7の磁極面間の空隙)と鉄心の磁束密度との関係を表した図であり、その横軸の「接触」は可動鉄心が固定鉄心に吸着して主回路接点がONとなる位置を、「開放」は固定鉄心6と可動鉄心7が離間した主回路接点OFFの位置を表す。
ここで、鉄心の磁束密度は空隙長の減少に伴って増加し、「接触」位置で最大となる。また、誘導コイル13には鉄心を通る磁束(交番磁束)との鎖交により電圧が誘起し、その出力で補助リレー14がON動作すると補助コイル12が励磁されるわけであるが、この場合に補助リレー14は、鉄心の磁束密度がB1 以上の範囲に動作域を設定(リレー接点の復帰ばねを調整する)しておく。
【0024】
これにより、電磁石5の吸引動作過程で可動鉄心7が固定鉄心6に殆ど接触する状態になると、誘導コイル13の出力で補助リレー14が動作し、そのリレー接点が閉じて補助コイル12が通電される。その結果、電磁石5の吸着状態では操作コイル9のアンペアターンに補助コイル12のアンペアターンが加算されて磁気保持力が高くなる。したがって、電磁接触器の使用状態で外部から振動,衝撃が加わっても、投入状態にある主回路接点が不測に開いたりする動作トラブルを防ぐことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次記の効果を奏する。
(1) 2脚形鉄心の各脚部に標準仕様の操作コイルを装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線するようにしたことにより、定格使用電圧がAC100V(もしくは200V)である機種の電磁接触器と、同一容量で定格使用電圧がAC200V(もしくは400V)の電磁接触器に対して、コイルの結線を変えるだけで同一仕様の操作コイルを共通部品として適用することができ、これにより電磁接触器の製作コスト低減化が図れる。
【0026】
(2) 2脚形鉄心の各脚部に装着する操作コイルとしてターン数の異なる大小2種類のコイルを用意し、電磁接触器の標準取付け姿勢で下側に位置する脚部にはターン数の多い大形コイルを、上側の脚部にターン数の少ない小形コイルを装着することにより、電磁接触器を標準取付け姿勢で据え付けた使用状態では、電磁石鉄心に装着した操作コイルの重心が低くなって取付け姿勢での安定性が増して、振動耐力も改善される。
【0027】
(3) 2脚形鉄心の各脚部に操作コイルを装着した電磁石において、前記操作コイルとは別に、電磁石の可動鉄心を吸着状態に保持する補助コイルを鉄心に追加装備し、さらに電磁石の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件で前記補助コイルを通電する制御手段を備えることにより、電磁石の吸引動作状態で補助コイルを励磁して鉄心の保持力を高めることができ、これにより外部から加わる振動,衝撃などで主回路接点が不測に開離するトラブルを防止して電磁接触器の信頼性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に対応する電磁石の操作コイル結線図であり、(a),(b) はそれぞれ操作コイルを並列,および直列に接続した結線状態を表す図
【図2】本発明の実施例2に対応する電磁石の略示構成図
【図3】本発明の実施例3に対応する操作用電磁石のコイル配置,および補助コイルの励磁制御回路を表す図
【図4】図3の電磁石における空隙長と鉄心の磁束密度との関係を表す特性線図
【図5】操作用電磁石に3脚形電磁石を採用した従来における電磁接触器の一般的な構成断面図
【図6】図5の電磁接触器の実使用状態における標準取付け姿勢を表す図
【符号の説明】
2 固定接触子
3 可動接触子
5 操作用電磁石
6 固定鉄心
7 可動鉄心
9 操作コイル
10 復帰ばね(負荷)
12 補助コイル
13 誘導コイル
14 補助リレー
Claims (6)
- 固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心に装着した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石において、
電磁石の鉄心を2脚形鉄心とし、かつその各脚部に同一仕様の操作コイルを装着した上で、電磁接触器の定格使用電圧に合わせて双方の操作コイルを並列もしくは直列に結線することを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。 - 請求項1記載の操作用電磁石において、操作コイルの仕様のコイル定格電圧AC100V(もしくは200V)とし、定格使用電圧AC100V(もしくは200V)の電磁接触器では操作コイルを並列に結線し、定格使用電圧AC200V(もしくは400V)の電磁接触器では操作コイルを直列に結線することを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。
- 固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心に装着した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石であり、操作コイルを2脚形鉄心の各脚部に装着した構成になるものにおいて、
2脚形鉄心の各脚部に装着する操作コイルとしてターン数の異なる2種類のコイルを用意し、電磁接触器の標準取付け姿勢で下側に位置する脚部にはターン数の多いコイルを、上側の脚部にターン数の少ないコイルを装着したことを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。 - 固定鉄心, 可動鉄心, および固定鉄心に装着した操作コイルからなる脚形電磁石の可動鉄心に可動接触子を連繋し、電磁石の吸引動作で接触子を開閉操作するようにした電磁接触器の操作用電磁石であり、操作コイルを2脚形鉄心の各脚部に装着した構成になるものにおいて、
前記操作コイルとは別に、電磁石の可動鉄心を吸着状態に保持する補助コイルを追加装備したことを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。 - 請求項4記載の操作用電磁石において、電磁石の吸引動作過程で鉄心の磁束密度が所定値を超えた条件で補助コイルを通電する制御手段を備えたことを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。
- 請求項5記載の操作用電磁石において、制御手段が、鉄心に巻装した誘導コイルと、該誘導コイルの出力で補助コイルを通電制御する補助リレーとからなることを特徴とする電磁接触器の操作用電磁石。
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