JP2004022309A - 直流電力ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流破壊強度およびインパルス破壊強度共に優れ、長尺押出に適したプラスチック絶縁直流電力ケーブルとその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁体層と内部半導電層の界面領域および/または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、少なくとも1種のマレイミド化合物が、その界面から絶縁体層の内部に向かって、その濃度が低くなるように分布しており、界面から100μm隔離した地点における濃度指標値C100と、界面から1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上である内部半導電層、絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルおよびその製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】絶縁体層と内部半導電層の界面領域および/または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、少なくとも1種のマレイミド化合物が、その界面から絶縁体層の内部に向かって、その濃度が低くなるように分布しており、界面から100μm隔離した地点における濃度指標値C100と、界面から1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上である内部半導電層、絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルおよびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は直流電気絶縁特性に優れる直流電力ケーブルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック絶縁電力ケーブルの中でも絶縁層が架橋ポリエチレンからなる架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、電気的特性、機械特性および耐熱性に優れ、メンテナンスが容易であるという種々の利点から、送電用ケーブルの主流を占めている。この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁体層は、一般に低密度ポリエチレンに架橋剤、老化防止剤等を添加した架橋性樹脂組成物を導体上に押出し被覆した後、加圧下で加熱することによって、樹脂組成物を架橋して形成される。しかし、この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルに直流電圧を印加すると、絶縁体層中に空間電荷が蓄積されて、局所的に高電界領域が形成されるため、破壊電圧が著しく低下するという問題があった。
この問題に対し、無水マレイン酸をグラフトしたポリオレフィンをポリエチレンにブレンドすること(特開昭62−100909号公報)、絶縁体層の樹脂組成物にカーボンブラックや酸化マグネシウムを配合すること(特開昭61−253705号、特開平4−368717号)、絶縁体層の樹脂組成物にビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を配合すること(特願2000−225488)などが提案されている。
【0003】
マレイミド化合物を配合した半導電性組成物は、特開昭57−210504号において提案されているが、十分な架橋度の半導電層を得ることが目的であり、半導電組成物側から絶縁体層側へマレイミド化合物を拡散させることを意図したものではない。この場合のマレイミド化合物は、絶縁体層側から半導電組成物側に拡散してくる架橋剤による半導電層の架橋を促進する作用を期待して配合されるものであり、半導電性樹脂組成物に配合するマレイミド化合物の配合量および混練方法、電力ケーブル製造条件などが不適切であれば、直流電気特性に優れる電力ケーブルを製造することはできない。
また、内部半導電層及び/または外部半導電層からベース樹脂や添加剤の一部を絶縁体層に拡散させたことを特徴とする電力ケーブルが提案されているが(特開平4−306511号、特開平5−9884号)、挙げられているベース樹脂や添加剤を絶縁体層に拡散しても、耐水トリー性は改善することはできても、直流電気特性は改善することができない。
前記のカーボンブラックや酸化マグネシウム等の充填剤を配合する手法では、インパルス破壊強度が低下するという問題があり、無水マレイン酸による変性ではインパルス破壊強度に問題はないものの、直流破壊強度において満足のいく特性が得られていない。
絶縁体層に直接ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を配合した場合、良好な直流破壊強度が得られるものの、絶縁体層の樹脂が焼け易くなる。そのため、押出し時に樹脂圧の上昇が認められる、インパルス特性に悪影響を与える、などの問題点があり、前記の化合物の配合量を制限したり、高温分解型の架橋剤を配合したり、スコーチ防止剤を配合するなどの対策が必要となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はかかる問題点を解決し、直流破壊強度およびインパルス破壊強度共に優れ、長尺押出に適したプラスチック絶縁直流電力ケーブルとその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決する手段について鋭意検討を行った結果、内部半導電層、架橋性樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を押出被覆、架橋してなる電力ケーブルにおいて、特定のマレイミド化合物を半導電層の界面から絶縁体層の内部に向かって分布させることにより、インパルス破壊強度および直流破壊強度共に優れ、長尺押出に適した直流電力ケーブルを提供できることを見出した。本発明はこの所見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)絶縁体層と内部半導電層の界面領域および/または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドおよび下記の式(I)で表される化合物の群(以下、化合物群Aという)から選ばれる少なくとも1種の化合物が、絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面から絶縁体層の内部に向かって、その濃度は低くなるように分布しており、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μm隔離した地点における濃度指標値C100と、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上であることを特徴とする内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル、
【0006】
【化2】
【0007】
(2)前記内部半導電層および/または外部半導電層に用いる半導電性樹脂組成物が、ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した組成物であることを特徴とする(1)に記載の内部半導電層、架橋構造を持つ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル、
(3)ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した前記半導電性樹脂組成物が、180℃以下の温度で混練されることを特徴とする(1)または(2)に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法、及び、
(4)前記絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面が、150℃以上の温度となる時間が5分以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法、
を提供するものである。
【0008】
本発明においては、前記濃度指標値C100およびC1500は以下の手法▲1▼〜▲5▼により求める。
▲1▼電力ケーブル絶縁体層からケーブル長さ方向に対して垂直方向にスライスして厚さ約0.1mmの試料片を採取する。
▲2▼絶縁体層が変形しない適当な温度、時間にて試料片を乾燥し、架橋残渣などの除去を行う。この時、乾燥は真空状態で実施してもよい。
▲3▼絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μmおよび1.5mmの距離隔離した地点における絶縁体層の透過赤外吸収スペクトルを測定する。
▲4▼測定により得られた透過赤外吸収スペクトルチャートにおいて、以下の方法により求める2つの赤外吸収ピークの高さを測定する。
・ピーク1:波数2060cm−1と波数1980cm−1を結んだ直線をベースラインとし、2040cm−1〜2000cm−1の範囲におけるベース樹脂に起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP1とする。
・ピーク2:波数1790cm−1と波数1670cm−1を結んだ直線をベースラインとし、1740cm−1〜1700cm−1の範囲における化合物群Aに起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP2とする。
▲5▼ピーク高さP2をピーク高さP1で除した値をそれぞれの濃度指標値C100およびC1500とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における直流電力ケーブルは、導体上に内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有し、各層を押出被覆、架橋してなるものである。
本発明の絶縁体層は架橋構造をもつ樹脂組成物からなり、その層厚は、例えば30mm〜50mmである。その架橋樹脂組成物は、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン100重量部に対して、架橋剤が0.1〜10重量部配合されていることが好ましく、通常用いられる架橋剤であれば特に限定されない。また、必要に応じて老化防止剤等の慣用の添加剤を配合してもよい。
【0010】
本発明の電力ケーブルは、絶縁体層と内部半導電層の界面領域または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物が、その界面から絶縁体層の内部に向かって、濃度が低くなるように分布している。そして、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μm隔離した地点における、前記手法により求める濃度指標値C100と、1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上である。
このような特性を有する電力ケーブルは、ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部および所定量のカーボンを適切な条件のもとで混練した半導電性樹脂組成物を、内部半導電層及び/または外部半導電層として押出被覆し、引続き適切な条件のもとで架橋処理することにより製造することができる。半導電性樹脂組成物に配合された化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物は、該電力ケーブルの製造工程、特に、架橋過程において絶縁体層側に拡散し、絶縁体層にある濃度勾配を以って分布するからである。その濃度勾配は、前記した濃度指標値C100とC1500との差、│C100−C1500│が0.5以上であり、好ましくは0.6〜20.0である。
【0011】
本発明における内部半導電層および外部半導電層は、半導電性樹脂組成物からなる。この半導電性樹脂組成物を構成するベース樹脂としては、高・中圧法ポリエチレン、低圧法ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−スチレン共重合体、その他共重合体などのポリオレフィンを挙げることができ、これらのうち1種類または数種類を用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明における半導電性樹脂組成物は、必要に応じて老化防止剤を配合してもよく、老化防止剤は一般に使用される老化防止剤を選択する事ができるが、ホスファイト系、チオエーテル系の老化防止剤が好まししく、中でも耐酸化性能を考慮すると、ビス〔2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィドまたは4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が特に好ましい。老化防止剤の配合量は、添加する老化防止剤の種類、耐酸化性能を考慮して配合されるが、通常ベース樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部が適当である。
【0012】
半導電性樹脂組成物に導電性を付与する目的で添加されるカーボンは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなどの一般に使用される導電性カーボンブラックを用いることができる。添加するカーボンの量は、半導電層の導電性を考慮して添加されるが、通常ベース樹脂100重量部に対して10〜100重量部が適当である。カーボン配合量が少ないと十分な導電性が得られず、多すぎると押出加工性が低下する。
本発明における半導電性樹脂組成物においては、架橋剤を配合しないことが好ましいが、適当量配合することも可能である。架橋剤を配合する場合、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドや1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等を挙げることができ、通常用いられる架橋剤であれば特に限定されない。架橋剤の配合量は、重量比で、配合される化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物の合計1に対して、架橋剤0.05以下が適当であり、配合量が多過ぎると、架橋剤が分解して生成するラジカルにより、化合物群Aの化合物は絶縁体層側へ拡散する前に半導電層中のベース樹脂と化学的に結合してしまい、半導電層と絶縁体層の界面近傍の絶縁体層にこれらの化合物が十分に供給されなくなる。
【0013】
本発明で半導電性樹脂組成物に配合されるマレイミド化合物は、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドおよび前記の式(I)で表される化合物の群(化合物群A)から少なくとも1種選ばれる。式(I)において、nは1以上の整数であり、1又は2が好ましい。このマレイミド化合物は、ベース樹脂100重量部に対して合計で0.3〜20.0重量部が適当である。さらに好ましい配合量は0.5〜10重量部である。配合量が少な過ぎると直流破壊特性を向上する効果が発揮されなく、また、配合量が多過ぎると半導電性樹脂組成物のコストが上がるため経済的でない。このマレイミド化合物を配合された半導電性樹脂組成物は、内部半導電層と外部半導電層の両層を構成するのが好ましいが、一方の半導電層のみでもかまわない。
【0014】
また、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した半導電性樹脂組成物は、化合物群Aの化合物を配合した以降の工程においては、180℃以下の温度で混練するのが好ましく、さらに好ましい混練温度は160℃以下である。混練方法は特に規定されるものではないが、ベース樹脂に所定量のカーボン、化合物群Aの化合物、その他添加剤を配合して混練してもよいし、予めベース樹脂に所定量のカーボン、その他添加剤を配合して混練したあとに、化合物群Aの化合物を別途配合して混練してもよい。
180℃より高い温度で混練した場合、化合物群Aの化合物のゲル化が進行したり、化合物群Aの化合物とベース樹脂が化学的に結合して網目構造を形成したりする結果、電力ケーブル製造時に半導電層から絶縁体層に化合物群Aの化合物が十分に拡散されないばかりか、絶縁体層との界面に不整が生じる原因となる。
【0015】
本発明において、直流電力ケーブルは導体上に内部半導電層、架橋性樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を押出被覆、架橋して製造されるが、架橋工程において、押出線速、架橋管温度、架橋管長さ、冷却管温度などを適切な条件に設定することにより、化合物群Aの化合物を拡散させようとする絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面における架橋時の熱履歴が、150℃以上の温度となる時間が5分以上となるような条件に設定することが好ましい。150℃より低い温度では化合物群Aの化合物が半導電層から絶縁体層に十分拡散することができない。また、150℃以上の温度となる時間は5分以上が好ましく、5分より少ない時間では化合物群Aの化合物が半導電層から絶縁体層に十分拡散することができない。また、押出から架橋の工程に移行する過程に予熱工程を設けることで、絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面に、150℃以上の温度となる時間が5分以上となるような熱履歴を与えてもよい。
【0016】
このように、本発明は、化合物群Aの化合物を絶縁体層中に効率よく適切な量拡散させるためには、半導電性樹脂組成物に化合物群Aの化合物を適切な量だけ配合し、適切な条件で混練を行い、また、適切な架橋条件を選択することが好ましい。このような実施の態様のもと、本発明で挙げる特性を有する電力ケーブルは製造され、優れた直流電気特性を発現しうるものである。
直流電圧が印加された状況においては、半導電層と絶縁体層の界面に電荷が蓄積され易く、当該部の電界ストレスが強調されることが知られている。本発明によれば、電荷が蓄積され易い半導電層と絶縁体層の界面に集中的に化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を供給することができるため、絶縁体層にビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を直接配合する方法(特願2000−225488)に比べて、効率がよく経済的である。
また、先に記載したように特開平4−306511号、特開平5−9884号で提案されているような、半導電層のベース樹脂や芳香族ビニルモノマーを拡散させても、直流電気特性は改善することはできず、特開昭57−210504号のマレイミド化合物を配合した半導電性組成物を半導電層に用いるだけでは、直流電気特性を改善することはできない。
【0017】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下に記載に限定されるものではない。
(実施例1〜9)
低密度ポリエチレン(三菱化学製、密度=0.92g/cm3、MI=1.0g/10min)ペレットに、架橋剤(日本油脂製、パークミルD)、老化防止剤(旭電化製 AO23)を所定量添加し、ブレンダーを用いて十分に攪拌混合し、架橋性樹脂組成物として電力ケーブルの絶縁体層の製造に供した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製、密度=0.94g/cm3、MFR=15g/10min、VA含量=19wt%)、低密度ポリエチレン(日本ポリケム製、密度=0.92g/cm3、MFR=4g/10min)に、表1に示す割合で架橋剤(化薬アクゾ製、パーカドックス14)、老化防止剤(住友化学製、アンテージ300F)、カーボンブラック(電気化学工業製、アセチレンブラック)、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を配合し、混練から造粒工程を経て予め半導電性樹脂コンパウンドを製造し、これを電力ケーブル製造に供した。
電力ケーブルは、断面積200mm2の導体上に表1に示す前記半導電性樹脂組成物を厚さ1mmで押出被覆して内部半導電層とし、その上に前記架橋性樹脂組成物を厚さ3.5mmで押出被覆して絶縁体層とし、さらにその上に前記半導電性樹脂組成物を厚さ0.7mmで押出被覆して外部半導電層を形成してケーブルコアを作製した。このケーブルコアを圧力10kg/cm2の窒素雰囲気中で、加熱を行い、配合した有機過酸化物を開始剤とするラジカル反応により架橋を進行させた。次いで、常法により、金属遮蔽層および防食層を設け、電力ケーブルを作製した。
【0018】
【表1】
【0019】
(実施例10〜11)
実施例1〜9と同様の方法により電力ケーブルを作製した。実施例10では、表2に示す組成の半導電性樹脂コンパウンドを内部半導電層のみに適用し、外部半導電層には化合物群Aの化合物を配合しない半導電性樹脂コンパウンドを適用した。また、実施例11では、表2に示す組成の半導電性樹脂コンパウンドを外部半導電層のみに適用し、内部半導電層には化合物群Aの化合物を配合しない半導電性樹脂コンパウンドを適用した。
【0020】
【表2】
【0021】
(比較例1〜4)
実施例1と同様の方法により電力ケーブルを作製した。その際、内部半導電層および外部半導電層には表3に示す割合で添加剤を配合した半導電性樹脂組成物を使用した。
【0022】
【表3】
【0023】
(試 験)
各実施例および比較例で得られた電力ケーブルに対して、下記の特性及び物性試験を行い評価し、その結果を表4及び表5に示した。
(1)直流破壊特性
有効長8mの電力ケーブルを用意し、導体温度が90℃になる様に通電しながら、スタート電圧を−60kVとし、−20kV/10分のステップアップで昇圧し、破壊電圧を測定した。
(2)インパルス(Imp)破壊特性
有効長8mの電力ケーブルを用意し、導体温度が90℃になる様に通電しながら、スタート電圧を−50kV/3回とし、−20kV/3回のステップアップで昇圧し、破壊電圧を測定した。
(3)半導電層と絶縁体層の界面不整
ケーブル後口1mを採取し、光学顕微鏡により界面の不整について観察を行い、高さ10μm以上の突起の数をカウントした。
(4)濃度指標値
以下の手法▲1▼〜▲5▼により濃度指標値C100とC1500を求めた。
▲1▼電力ケーブル絶縁体層からケーブル長さ方向に対して垂直方向にスライスして厚さ約0.1mmの試料片を採取する。
▲2▼絶縁体層が変形しない適当な温度、時間にて試料片を乾燥し、架橋残渣などの除去を行う。この時、乾燥は真空状態で実施してもよい。
▲3▼絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μmおよび1500μmの距離隔離した地点における絶縁体層の透過赤外吸収スペクトルを測定する。
▲4▼測定により得られた透過赤外吸収スペクトルチャートにおいて、以下の方法により求める2つの赤外吸収ピークの高さを測定する。
・ピーク1:波数2060cm−1と波数1980cm−1を結んだ直線をベースラインとし、2040cm−1〜2000cm−1の範囲におけるベース樹脂に起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP1とする。
・ピーク2:波数1790cm−1と波数1670cm−1を結んだ直線をベースラインとし、1740cm−1〜1700cm−1の範囲における化合物群Aに起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP2とする。
▲5▼ピーク高さP2をピーク高さP1で除して、濃度指標値C100及びC1500を求める。
そして、濃度指標値C100とC1500との差、│C100−C1500│を表4、表5に示した。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
表4、表5に示すように、本実施例1〜11の電力ケーブルはいずれも直流破壊強度、インパルス(Imp)破壊強度共に優れる。また、化合物群Aの化合物を半導電層から絶縁体層に拡散することで供給できるので、絶縁体層を形成する樹脂組成物に化合物群Aの化合物を添加しないから、押出工程において焼けが発生せず、長尺ケーブルを押し出すことが可能である。
それに対して、比較例1の電力ケーブルは半導電性樹脂組成物に化合物群Aの化合物が配合されてないため、直流破壊強度が改善されていない。
比較例2は、請求項2に係る発明に対する比較例である。半導電性樹脂組成物に配合した化合物群A化合物の量が多すぎたため、半導電層と絶縁体層の界面に突起が発生し、インパルス(Imp)破壊強度が低下してしまった。
比較例3では、請求項3に係る発明に対する比較例である。半導電性樹脂組成物の混練温度が200℃と高すぎたため、化合物群Aの化合物のゲル化が進行したり、ベース樹脂との化学的な結合が進行し、界面に不整が生じ、絶縁体層との界面に化合物群Aの化合物が十分に供給されなかった。したがって、直流破壊強度インパルス破壊強度共に改善されていない。
比較例4では、請求項4に係る発明に対する比較例である。半導電層と絶縁体層の界面における架橋時の熱履歴が、150℃以上の温度領域にある時間が5分より少なく、化合物群Aの化合物が半導電層と絶縁体層の界面近傍の絶縁体層に十分拡散供給されなかった結果、直流破壊特性が十分でない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を、半導電層と絶縁体層の界面に局所的に供給することが可能であり、低コストで直流破壊特性に優れる電力ケーブルを供給することができる。また、本発明における製法では、絶縁体層の押出工程において焼けが発生しないため、インパルス破壊特性を損なうことなく長尺ケーブルを製造することも可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は直流電気絶縁特性に優れる直流電力ケーブルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック絶縁電力ケーブルの中でも絶縁層が架橋ポリエチレンからなる架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、電気的特性、機械特性および耐熱性に優れ、メンテナンスが容易であるという種々の利点から、送電用ケーブルの主流を占めている。この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁体層は、一般に低密度ポリエチレンに架橋剤、老化防止剤等を添加した架橋性樹脂組成物を導体上に押出し被覆した後、加圧下で加熱することによって、樹脂組成物を架橋して形成される。しかし、この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルに直流電圧を印加すると、絶縁体層中に空間電荷が蓄積されて、局所的に高電界領域が形成されるため、破壊電圧が著しく低下するという問題があった。
この問題に対し、無水マレイン酸をグラフトしたポリオレフィンをポリエチレンにブレンドすること(特開昭62−100909号公報)、絶縁体層の樹脂組成物にカーボンブラックや酸化マグネシウムを配合すること(特開昭61−253705号、特開平4−368717号)、絶縁体層の樹脂組成物にビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を配合すること(特願2000−225488)などが提案されている。
【0003】
マレイミド化合物を配合した半導電性組成物は、特開昭57−210504号において提案されているが、十分な架橋度の半導電層を得ることが目的であり、半導電組成物側から絶縁体層側へマレイミド化合物を拡散させることを意図したものではない。この場合のマレイミド化合物は、絶縁体層側から半導電組成物側に拡散してくる架橋剤による半導電層の架橋を促進する作用を期待して配合されるものであり、半導電性樹脂組成物に配合するマレイミド化合物の配合量および混練方法、電力ケーブル製造条件などが不適切であれば、直流電気特性に優れる電力ケーブルを製造することはできない。
また、内部半導電層及び/または外部半導電層からベース樹脂や添加剤の一部を絶縁体層に拡散させたことを特徴とする電力ケーブルが提案されているが(特開平4−306511号、特開平5−9884号)、挙げられているベース樹脂や添加剤を絶縁体層に拡散しても、耐水トリー性は改善することはできても、直流電気特性は改善することができない。
前記のカーボンブラックや酸化マグネシウム等の充填剤を配合する手法では、インパルス破壊強度が低下するという問題があり、無水マレイン酸による変性ではインパルス破壊強度に問題はないものの、直流破壊強度において満足のいく特性が得られていない。
絶縁体層に直接ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を配合した場合、良好な直流破壊強度が得られるものの、絶縁体層の樹脂が焼け易くなる。そのため、押出し時に樹脂圧の上昇が認められる、インパルス特性に悪影響を与える、などの問題点があり、前記の化合物の配合量を制限したり、高温分解型の架橋剤を配合したり、スコーチ防止剤を配合するなどの対策が必要となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はかかる問題点を解決し、直流破壊強度およびインパルス破壊強度共に優れ、長尺押出に適したプラスチック絶縁直流電力ケーブルとその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決する手段について鋭意検討を行った結果、内部半導電層、架橋性樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を押出被覆、架橋してなる電力ケーブルにおいて、特定のマレイミド化合物を半導電層の界面から絶縁体層の内部に向かって分布させることにより、インパルス破壊強度および直流破壊強度共に優れ、長尺押出に適した直流電力ケーブルを提供できることを見出した。本発明はこの所見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)絶縁体層と内部半導電層の界面領域および/または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドおよび下記の式(I)で表される化合物の群(以下、化合物群Aという)から選ばれる少なくとも1種の化合物が、絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面から絶縁体層の内部に向かって、その濃度は低くなるように分布しており、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μm隔離した地点における濃度指標値C100と、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上であることを特徴とする内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル、
【0006】
【化2】
【0007】
(2)前記内部半導電層および/または外部半導電層に用いる半導電性樹脂組成物が、ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した組成物であることを特徴とする(1)に記載の内部半導電層、架橋構造を持つ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル、
(3)ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した前記半導電性樹脂組成物が、180℃以下の温度で混練されることを特徴とする(1)または(2)に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法、及び、
(4)前記絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面が、150℃以上の温度となる時間が5分以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法、
を提供するものである。
【0008】
本発明においては、前記濃度指標値C100およびC1500は以下の手法▲1▼〜▲5▼により求める。
▲1▼電力ケーブル絶縁体層からケーブル長さ方向に対して垂直方向にスライスして厚さ約0.1mmの試料片を採取する。
▲2▼絶縁体層が変形しない適当な温度、時間にて試料片を乾燥し、架橋残渣などの除去を行う。この時、乾燥は真空状態で実施してもよい。
▲3▼絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μmおよび1.5mmの距離隔離した地点における絶縁体層の透過赤外吸収スペクトルを測定する。
▲4▼測定により得られた透過赤外吸収スペクトルチャートにおいて、以下の方法により求める2つの赤外吸収ピークの高さを測定する。
・ピーク1:波数2060cm−1と波数1980cm−1を結んだ直線をベースラインとし、2040cm−1〜2000cm−1の範囲におけるベース樹脂に起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP1とする。
・ピーク2:波数1790cm−1と波数1670cm−1を結んだ直線をベースラインとし、1740cm−1〜1700cm−1の範囲における化合物群Aに起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP2とする。
▲5▼ピーク高さP2をピーク高さP1で除した値をそれぞれの濃度指標値C100およびC1500とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における直流電力ケーブルは、導体上に内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有し、各層を押出被覆、架橋してなるものである。
本発明の絶縁体層は架橋構造をもつ樹脂組成物からなり、その層厚は、例えば30mm〜50mmである。その架橋樹脂組成物は、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン100重量部に対して、架橋剤が0.1〜10重量部配合されていることが好ましく、通常用いられる架橋剤であれば特に限定されない。また、必要に応じて老化防止剤等の慣用の添加剤を配合してもよい。
【0010】
本発明の電力ケーブルは、絶縁体層と内部半導電層の界面領域または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物が、その界面から絶縁体層の内部に向かって、濃度が低くなるように分布している。そして、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μm隔離した地点における、前記手法により求める濃度指標値C100と、1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上である。
このような特性を有する電力ケーブルは、ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部および所定量のカーボンを適切な条件のもとで混練した半導電性樹脂組成物を、内部半導電層及び/または外部半導電層として押出被覆し、引続き適切な条件のもとで架橋処理することにより製造することができる。半導電性樹脂組成物に配合された化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物は、該電力ケーブルの製造工程、特に、架橋過程において絶縁体層側に拡散し、絶縁体層にある濃度勾配を以って分布するからである。その濃度勾配は、前記した濃度指標値C100とC1500との差、│C100−C1500│が0.5以上であり、好ましくは0.6〜20.0である。
【0011】
本発明における内部半導電層および外部半導電層は、半導電性樹脂組成物からなる。この半導電性樹脂組成物を構成するベース樹脂としては、高・中圧法ポリエチレン、低圧法ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−スチレン共重合体、その他共重合体などのポリオレフィンを挙げることができ、これらのうち1種類または数種類を用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明における半導電性樹脂組成物は、必要に応じて老化防止剤を配合してもよく、老化防止剤は一般に使用される老化防止剤を選択する事ができるが、ホスファイト系、チオエーテル系の老化防止剤が好まししく、中でも耐酸化性能を考慮すると、ビス〔2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィドまたは4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が特に好ましい。老化防止剤の配合量は、添加する老化防止剤の種類、耐酸化性能を考慮して配合されるが、通常ベース樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部が適当である。
【0012】
半導電性樹脂組成物に導電性を付与する目的で添加されるカーボンは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなどの一般に使用される導電性カーボンブラックを用いることができる。添加するカーボンの量は、半導電層の導電性を考慮して添加されるが、通常ベース樹脂100重量部に対して10〜100重量部が適当である。カーボン配合量が少ないと十分な導電性が得られず、多すぎると押出加工性が低下する。
本発明における半導電性樹脂組成物においては、架橋剤を配合しないことが好ましいが、適当量配合することも可能である。架橋剤を配合する場合、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドや1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等を挙げることができ、通常用いられる架橋剤であれば特に限定されない。架橋剤の配合量は、重量比で、配合される化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物の合計1に対して、架橋剤0.05以下が適当であり、配合量が多過ぎると、架橋剤が分解して生成するラジカルにより、化合物群Aの化合物は絶縁体層側へ拡散する前に半導電層中のベース樹脂と化学的に結合してしまい、半導電層と絶縁体層の界面近傍の絶縁体層にこれらの化合物が十分に供給されなくなる。
【0013】
本発明で半導電性樹脂組成物に配合されるマレイミド化合物は、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドおよび前記の式(I)で表される化合物の群(化合物群A)から少なくとも1種選ばれる。式(I)において、nは1以上の整数であり、1又は2が好ましい。このマレイミド化合物は、ベース樹脂100重量部に対して合計で0.3〜20.0重量部が適当である。さらに好ましい配合量は0.5〜10重量部である。配合量が少な過ぎると直流破壊特性を向上する効果が発揮されなく、また、配合量が多過ぎると半導電性樹脂組成物のコストが上がるため経済的でない。このマレイミド化合物を配合された半導電性樹脂組成物は、内部半導電層と外部半導電層の両層を構成するのが好ましいが、一方の半導電層のみでもかまわない。
【0014】
また、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した半導電性樹脂組成物は、化合物群Aの化合物を配合した以降の工程においては、180℃以下の温度で混練するのが好ましく、さらに好ましい混練温度は160℃以下である。混練方法は特に規定されるものではないが、ベース樹脂に所定量のカーボン、化合物群Aの化合物、その他添加剤を配合して混練してもよいし、予めベース樹脂に所定量のカーボン、その他添加剤を配合して混練したあとに、化合物群Aの化合物を別途配合して混練してもよい。
180℃より高い温度で混練した場合、化合物群Aの化合物のゲル化が進行したり、化合物群Aの化合物とベース樹脂が化学的に結合して網目構造を形成したりする結果、電力ケーブル製造時に半導電層から絶縁体層に化合物群Aの化合物が十分に拡散されないばかりか、絶縁体層との界面に不整が生じる原因となる。
【0015】
本発明において、直流電力ケーブルは導体上に内部半導電層、架橋性樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を押出被覆、架橋して製造されるが、架橋工程において、押出線速、架橋管温度、架橋管長さ、冷却管温度などを適切な条件に設定することにより、化合物群Aの化合物を拡散させようとする絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面における架橋時の熱履歴が、150℃以上の温度となる時間が5分以上となるような条件に設定することが好ましい。150℃より低い温度では化合物群Aの化合物が半導電層から絶縁体層に十分拡散することができない。また、150℃以上の温度となる時間は5分以上が好ましく、5分より少ない時間では化合物群Aの化合物が半導電層から絶縁体層に十分拡散することができない。また、押出から架橋の工程に移行する過程に予熱工程を設けることで、絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面に、150℃以上の温度となる時間が5分以上となるような熱履歴を与えてもよい。
【0016】
このように、本発明は、化合物群Aの化合物を絶縁体層中に効率よく適切な量拡散させるためには、半導電性樹脂組成物に化合物群Aの化合物を適切な量だけ配合し、適切な条件で混練を行い、また、適切な架橋条件を選択することが好ましい。このような実施の態様のもと、本発明で挙げる特性を有する電力ケーブルは製造され、優れた直流電気特性を発現しうるものである。
直流電圧が印加された状況においては、半導電層と絶縁体層の界面に電荷が蓄積され易く、当該部の電界ストレスが強調されることが知られている。本発明によれば、電荷が蓄積され易い半導電層と絶縁体層の界面に集中的に化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を供給することができるため、絶縁体層にビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどの化合物を直接配合する方法(特願2000−225488)に比べて、効率がよく経済的である。
また、先に記載したように特開平4−306511号、特開平5−9884号で提案されているような、半導電層のベース樹脂や芳香族ビニルモノマーを拡散させても、直流電気特性は改善することはできず、特開昭57−210504号のマレイミド化合物を配合した半導電性組成物を半導電層に用いるだけでは、直流電気特性を改善することはできない。
【0017】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下に記載に限定されるものではない。
(実施例1〜9)
低密度ポリエチレン(三菱化学製、密度=0.92g/cm3、MI=1.0g/10min)ペレットに、架橋剤(日本油脂製、パークミルD)、老化防止剤(旭電化製 AO23)を所定量添加し、ブレンダーを用いて十分に攪拌混合し、架橋性樹脂組成物として電力ケーブルの絶縁体層の製造に供した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製、密度=0.94g/cm3、MFR=15g/10min、VA含量=19wt%)、低密度ポリエチレン(日本ポリケム製、密度=0.92g/cm3、MFR=4g/10min)に、表1に示す割合で架橋剤(化薬アクゾ製、パーカドックス14)、老化防止剤(住友化学製、アンテージ300F)、カーボンブラック(電気化学工業製、アセチレンブラック)、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を配合し、混練から造粒工程を経て予め半導電性樹脂コンパウンドを製造し、これを電力ケーブル製造に供した。
電力ケーブルは、断面積200mm2の導体上に表1に示す前記半導電性樹脂組成物を厚さ1mmで押出被覆して内部半導電層とし、その上に前記架橋性樹脂組成物を厚さ3.5mmで押出被覆して絶縁体層とし、さらにその上に前記半導電性樹脂組成物を厚さ0.7mmで押出被覆して外部半導電層を形成してケーブルコアを作製した。このケーブルコアを圧力10kg/cm2の窒素雰囲気中で、加熱を行い、配合した有機過酸化物を開始剤とするラジカル反応により架橋を進行させた。次いで、常法により、金属遮蔽層および防食層を設け、電力ケーブルを作製した。
【0018】
【表1】
【0019】
(実施例10〜11)
実施例1〜9と同様の方法により電力ケーブルを作製した。実施例10では、表2に示す組成の半導電性樹脂コンパウンドを内部半導電層のみに適用し、外部半導電層には化合物群Aの化合物を配合しない半導電性樹脂コンパウンドを適用した。また、実施例11では、表2に示す組成の半導電性樹脂コンパウンドを外部半導電層のみに適用し、内部半導電層には化合物群Aの化合物を配合しない半導電性樹脂コンパウンドを適用した。
【0020】
【表2】
【0021】
(比較例1〜4)
実施例1と同様の方法により電力ケーブルを作製した。その際、内部半導電層および外部半導電層には表3に示す割合で添加剤を配合した半導電性樹脂組成物を使用した。
【0022】
【表3】
【0023】
(試 験)
各実施例および比較例で得られた電力ケーブルに対して、下記の特性及び物性試験を行い評価し、その結果を表4及び表5に示した。
(1)直流破壊特性
有効長8mの電力ケーブルを用意し、導体温度が90℃になる様に通電しながら、スタート電圧を−60kVとし、−20kV/10分のステップアップで昇圧し、破壊電圧を測定した。
(2)インパルス(Imp)破壊特性
有効長8mの電力ケーブルを用意し、導体温度が90℃になる様に通電しながら、スタート電圧を−50kV/3回とし、−20kV/3回のステップアップで昇圧し、破壊電圧を測定した。
(3)半導電層と絶縁体層の界面不整
ケーブル後口1mを採取し、光学顕微鏡により界面の不整について観察を行い、高さ10μm以上の突起の数をカウントした。
(4)濃度指標値
以下の手法▲1▼〜▲5▼により濃度指標値C100とC1500を求めた。
▲1▼電力ケーブル絶縁体層からケーブル長さ方向に対して垂直方向にスライスして厚さ約0.1mmの試料片を採取する。
▲2▼絶縁体層が変形しない適当な温度、時間にて試料片を乾燥し、架橋残渣などの除去を行う。この時、乾燥は真空状態で実施してもよい。
▲3▼絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μmおよび1500μmの距離隔離した地点における絶縁体層の透過赤外吸収スペクトルを測定する。
▲4▼測定により得られた透過赤外吸収スペクトルチャートにおいて、以下の方法により求める2つの赤外吸収ピークの高さを測定する。
・ピーク1:波数2060cm−1と波数1980cm−1を結んだ直線をベースラインとし、2040cm−1〜2000cm−1の範囲におけるベース樹脂に起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP1とする。
・ピーク2:波数1790cm−1と波数1670cm−1を結んだ直線をベースラインとし、1740cm−1〜1700cm−1の範囲における化合物群Aに起因する赤外吸収ピークの頂点までの高さを実測し、その値をピーク高さP2とする。
▲5▼ピーク高さP2をピーク高さP1で除して、濃度指標値C100及びC1500を求める。
そして、濃度指標値C100とC1500との差、│C100−C1500│を表4、表5に示した。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
表4、表5に示すように、本実施例1〜11の電力ケーブルはいずれも直流破壊強度、インパルス(Imp)破壊強度共に優れる。また、化合物群Aの化合物を半導電層から絶縁体層に拡散することで供給できるので、絶縁体層を形成する樹脂組成物に化合物群Aの化合物を添加しないから、押出工程において焼けが発生せず、長尺ケーブルを押し出すことが可能である。
それに対して、比較例1の電力ケーブルは半導電性樹脂組成物に化合物群Aの化合物が配合されてないため、直流破壊強度が改善されていない。
比較例2は、請求項2に係る発明に対する比較例である。半導電性樹脂組成物に配合した化合物群A化合物の量が多すぎたため、半導電層と絶縁体層の界面に突起が発生し、インパルス(Imp)破壊強度が低下してしまった。
比較例3では、請求項3に係る発明に対する比較例である。半導電性樹脂組成物の混練温度が200℃と高すぎたため、化合物群Aの化合物のゲル化が進行したり、ベース樹脂との化学的な結合が進行し、界面に不整が生じ、絶縁体層との界面に化合物群Aの化合物が十分に供給されなかった。したがって、直流破壊強度インパルス破壊強度共に改善されていない。
比較例4では、請求項4に係る発明に対する比較例である。半導電層と絶縁体層の界面における架橋時の熱履歴が、150℃以上の温度領域にある時間が5分より少なく、化合物群Aの化合物が半導電層と絶縁体層の界面近傍の絶縁体層に十分拡散供給されなかった結果、直流破壊特性が十分でない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を、半導電層と絶縁体層の界面に局所的に供給することが可能であり、低コストで直流破壊特性に優れる電力ケーブルを供給することができる。また、本発明における製法では、絶縁体層の押出工程において焼けが発生しないため、インパルス破壊特性を損なうことなく長尺ケーブルを製造することも可能となる。
Claims (4)
- 絶縁体層と内部半導電層の界面領域および/または絶縁体層と外部半導電層の界面領域において、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドおよび下記の式(I)で表される化合物の群(以下、化合物群Aという)から選ばれる少なくとも1種の化合物が、絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面から絶縁体層の内部に向かって、その濃度は低くなるように分布しており、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から100μm隔離した地点における濃度指標値C100と、絶縁体層と内部半導電層の界面または絶縁体層と外部半導電層の界面から1.5mm隔離した地点における濃度指標値C1500との差、│C100−C1500│が0.5以上であることを特徴とする内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル。
- 前記内部半導電層および/または外部半導電層に用いる半導電性樹脂組成物が、ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した組成物であることを特徴とする請求項1に記載の内部半導電層、架橋構造を持つ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブル。
- ベース樹脂100重量部に対して、化合物群Aから選ばれる少なくとも1種の化合物を合計で0.3〜20.0重量部と、所定量のカーボンを配合した前記半導電性樹脂組成物が、180℃以下の温度で混練されることを特徴とする請求項1または2に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法。
- 前記絶縁体層と内部半導電層の界面および/または絶縁体層と外部半導電層の界面が、150℃以上の温度となる時間が5分以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の内部半導電層、架橋構造をもつ樹脂組成物からなる絶縁体層、外部半導電層を有する直流電力ケーブルの製造方法。
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JP2011515791A (ja) * | 2008-02-20 | 2011-05-19 | アーベーベー・リサーチ・リミテッド | 絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法 |
JP2011222324A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Viscas Corp | 電力ケーブル及びそれに用いる半導電性樹脂組成物 |
JP2012023007A (ja) * | 2010-07-13 | 2012-02-02 | Ls Cable Ltd | 空間電荷低減効果を有する直流用電力ケーブル |
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002175021A patent/JP2004022309A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011515791A (ja) * | 2008-02-20 | 2011-05-19 | アーベーベー・リサーチ・リミテッド | 絶縁された高電圧直流ケーブルまたは高電圧直流終端部または接続部を設けるための方法 |
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