JP2004019058A - 繰り返し洗濯可能な不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】保水性と繰り返し洗濯後の保水性保持率に優れ、かつ着用者に対する皮膚刺激が低減された、繰り返し洗濯可能な不織布を提供すること。
【解決手段】単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維10〜80重量%と、単糸繊度が1.0dtexより大で6.0dtex以下の繊維(A)90〜20重量%とからなることを特徴とする繰り返し洗濯可能な不織布。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極細繊維を含む吸水性不織布に関する。さらに詳しくは、保水性と繰り返し洗濯後の保水性保持率に優れ、かつ着用者に対する皮膚刺激が低減された、おむつや防水シーツなど吸水性物品の保水層などに好適な、繰り返し洗濯可能な不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸水性不織布として、吸水性繊維を用いた不織布が知られている(例えば特開平10−310961号公報など)。しかるに、かかる吸水性繊維からなる短繊維を用いて不織布を構成すると、不織布が直接肌に触れた際、繊維が皮膚に突き刺さり着用者がチクチク感を覚えることがあった。
【0003】
かかる問題を解消するために、本発明者らは、先に特願2001−077925号において、布帛を構成する繊維の単糸繊度を細くして、毛細管現象を利用することにより、優れた保水性を有し、かつ皮膚への刺激の少ない吸水性不織布を提案した。しかるに、その後鋭意検討したところ、このような細い単糸繊度を有する繊維からなる不織布は、着用者がチクチク感を覚えることなく、優れた保水性が得られるものの、洗濯を繰り返すうちに繊維間空隙が小さくなり、保水性が低下することが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題を解消するためになされたものであり、その課題は、保水性と洗濯を繰り返した後の保水性保持率に優れ、かつ着用者に対する皮膚刺激が低減された、繰り返し洗濯可能な不織布を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維と、特定の単糸繊度を有する繊維(A)とを所定の重量比率で用いて不織布を構成することにより、極細繊維の毛細管現象によって保水性が維持されつつ洗濯による保水性の低下が抑制されることを見出した。また、前記繊維(A)の単糸繊度が6.0dtex以下であるとき、着用者に対する皮膚刺激が低減されることを見出した。そして、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に到達した。
【0006】
かくして、本発明によれば、「単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維10〜80重量%と、単糸繊度が1.0dtexより大で6.0dtex以下の繊維(A)90〜20重量%とからなることを特徴とする繰り返し洗濯可能な不織布」が提供される。
【0007】
その際、前記の極細繊維としては、2成分以上からなる割繊型複合繊維が割繊されたものが好ましく例示される。他方、繊維(A)としては合成繊維が好ましく例示される。かかる不織布の目付け、厚み、嵩高性としては、各々200〜500g/m、1〜5mm、4〜12cm/gであることが好ましい。また、不織布の保水量が自重の200%以上であることが好ましい。さらに、100回洗濯後の保水性保持率が70%以上であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
まず、本発明の不織布には、その単糸繊度が1dtex以下(好ましくは0.01〜0.5dtex)の極細繊維が、不織布の全重量に対して10〜80重量%(好ましくは30〜70重量%)含まれる必要がある。
【0010】
ここで、前記の単糸繊度が1dtexよりも大きいと、繊維間の毛細管現象が十分には作用せず、十分な保水性が得られず好ましくない。逆に、該単糸繊度が、0.01dtexよりも小さいと洗濯を繰り返すうちに、極細繊維の強伸度が低下してしまい、不織布の嵩が低下することにより繊維間空隙が小さくなり、その結果、保水性が低下する恐れがある。
【0011】
また、不織布に含まれる極細繊維が10重量%よりも小さいと、十分な保水性が得られず好ましくない。逆に、極細繊維の重量割合が80重量%を越えると、洗濯を繰り返すうちに不織布の嵩が低下することにより繊維間空隙が小さくなり、その結果、保水性が低下するので好ましくない。
【0012】
かかる極細繊維の種類としては、1dtex以下の単糸繊度が得られるものであれば特に限定されないが、洗濯による強伸度の低下を防止する上で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、アクリル、ポリエチレンなどの合成繊維が好適に例示される。かかる合成繊維を2種以上用いて極細繊維を形成してもよい。また、単糸繊維の断面形状も特に限定されるものではなく、丸断面、扁平や三角などの異型断面であってもよい。さらに、ポリマー中に、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
【0013】
前記極細繊維の製造方法としては、2成分以上の繊維形成性熱可塑性ポリマーを用いて、溶解割繊型、海島型、割繊型複合繊維として、常法の複合紡糸方法で紡糸し、化学的処理工程や物理的処理工程で分割する方法が例示される。なかでも、2成分以上からなる割繊型複合繊維を用い、不織布の製造工程で、ニードルパンチやウオーターニードル等の物理的な力により、該複合繊維を分割することがコストの点で好ましい。
【0014】
前記の極細繊維は、長繊維として不織布中に含まれていてもよいし、短繊維として不織布中に含まれていてもよい。短繊維を採用する際は、カット長は35〜75mmの範囲が適当である。
【0015】
次に、本発明の不織布には、その単糸繊度が1dtexより大で6dtex以下(好ましくは1.5〜2.0dtex)の繊維(A)が、不織布の全重量に対して90〜20重量%(好ましくは70〜30重量%)含まれる必要がある。繊維(A)は、不織布中にあって、構造体の嵩性を保持する役割を持つものであり、不織布に含まれる繊維(A)が20重量%よりも小さいと、洗濯を繰り返すうちに不織布の嵩が低下することにより繊維間空隙が小さくなり、その結果、保水性が低下するので好ましくない。逆に、繊維の重量割合が90重量%を越えると、相対的に、前記極細繊維の重量割合が低下するため、保水性が低下するので好ましくない。
【0016】
かかる繊維(A)の種類は特に限定されず、綿、麻、羊毛、絹糸等の天然繊維の他、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸に代表されるポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリレート繊維などの合成繊維の1種または複数を組み合わせて使用することが可能である。使用する繊維材料の種類により、高強度、耐摩耗性、難燃性、易リサイクル性、生分解性等の機能を不織布に付加することも可能になる。なかでも、洗濯に対する耐久性の面を考慮すると、天然繊維よりも強度に優れる合成繊維を用いることが好ましい。単糸繊維の断面形状も特に限定されるものではなく、丸断面、扁平や三角などの異型断面であってもよい。また、2種以上のポリマーからなる芯鞘型またはサイドバイサイド型の複合形態を有するバインダー繊維であってもよい。さらに、ポリマー中に、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
【0017】
前記の繊維(A)は、長繊維として不織布中に含まれていてもよいし、短繊維として不織布中に含まれていてもよい。短繊維で使用されても、繊維(A)の単糸繊度が前記の範囲内であれば、着用者がチクチク感を覚えることもない。なお、短繊維を採用する際は、カット長は30〜75mmの範囲が適当である。
【0018】
本発明の不織布は、前記のように、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維10〜80重量%と、単糸繊度が1.0dtexより大で6.0dtex以下の繊維(A)90〜20重量%とからなる。その際、着用者がチクチク感を覚えない程度であれば、単糸繊度が6.0dtexより大の繊維が、不織布に少量含まれていてもさしつかえない。
【0019】
次に、本発明の不織布において、目付けが200〜500g/m(より好ましくは270〜350g/m)、厚みが1〜5mm(より好ましくは1.5〜3.0mm)、嵩高性が4〜12cm/g(より好ましくは6〜10cm/g)であることが好ましい。
【0020】
前記の目付けが500g/mよりも大きいと、不織布をおむつの保水層などととして使用する際、着用者が重量感を感じ、着用快適性を損なう恐れがある。逆に、該目付けが200g/mよりも小さいと、不織布をおむつの保水層などととして使用する際、十分な保水量が得られない恐れがある。
【0021】
また、前記の厚みが5mmよりも大きいと、不織布をおむつなどの用途に使用する際、おむつを当てている部分とそうでない部分とで大きく段差ができてしまい着用快適性が損なわれる恐れがある。逆に、該厚みが1mmよりも小さいと、洗濯での揉み効果により不織布が切断される恐れがある。なお、本発明において、不織布の厚みは、JIS L 1913 A法により測定した値を使用するものとする。
【0022】
前記の嵩高性は、不織布が繊維間の空隙をどの程度有しているかを示すファクターであり、該嵩高性が4cm/gよりも小さいと繊維間の空隙が少なく十分な保水量を得ることができない恐れがある。逆に、該嵩高性が12cm/gを越えると、不織布を構成する繊維の交絡が甘くなり、洗濯により不織布の型崩れが発生しやすくなる恐れがある。なお、本発明において、嵩高性は次の式で算出した値を使用するものとする。
嵩高性(cm/g)=不織布の厚み(mm)/不織布の目付け(g/m)×1000
本発明の不織布において、保水量が自重の200%以上(より好ましくは250〜500%)であることが好ましい。かかる保水量が、自重の200%未満の場合、不織布をおむつの保水層などの用途に使用すると十分な保水量を得ることができない恐れがある。そして、少ない回数の失禁で保水量が飽和状態となり、多回数の交換が必要となり、介護者の負担増加につながり易い。逆に、該保水量が自重の500%を越える場合、多回数の失禁を保水することが可能になるが、着用者が湿潤状態で長時間放置されることにもなりかねず、床ずれなどの原因になる恐れがある。
【0023】
また、本発明の不織布において、100回洗濯後の吸水保持率が70%以上(より好ましくは80%以上)であることが好ましい。かかる100回洗濯後の吸水保持率が70%未満の場合、不織布を多数回洗濯を繰り返して利用するリネンサプライ用途などに用いた際、新品製品と使用済製品とを混入して使用するため、各製品ごとの保水性能のばらつきが生じ、製品価値が低下する恐れがある。そして、介護者の交換タイミングを狂わすことになりかねない。なお、本発明でいう洗濯は、JIS L 0217 102法に基づいて行うものとする。
【0024】
本発明の不織布は、前記の繊維を適宜用いて、公知の製造方法により製造することができる。すなわち、原料である綿を開繊、混綿した後、カードに通してウエッブを作製し、さらにニードルパンチやウオーターニードルをかけて不織布を製造する方法などがあげられる。
【0025】
さらに、前記の繊維(A)としてバインダー繊維を含ませて加熱処理を行い、成型加工を行うことも可能である。この際、バインダー繊維が他繊維と溶融融着することにより、成形性が維持され、洗濯を繰り返した後でも不織布の嵩低下を防止できるが、他方、不織布の剛性があがるという問題が生じるため、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
【0026】
本発明の不織布において、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維の繊維間空隙に毛細管現象が生じるため、優れた保水性が得られる。また、単糸繊度が1.0dtexより大で6.0dtex以下の繊維(A)が不織布に含まれるため、洗濯を繰り返したのちの不織布の嵩低下が抑制される。その結果、洗濯による保水性の低下が抑制される。そして、該繊維(A)の単糸繊度は、皮膚に突きささる程太くはないので、着用者がチクチク感を覚えることもない。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<厚み>JIS L 1913 A法に基づき、厚み(mm)を測定した。
<目付け>JIS L 1913に基づき、目付け(g/m)を測定した。
<嵩高性>下記の式で嵩高性(cm/g)を算出した。
嵩高性(cm/g)=不織布の厚み(mm)/不織布の目付け(g/m)×1000
<保水量>保水量はJIS L 1096に基づき、試料(202.5cm)の蒸発性自由水分量を測定し、下記の式で保水量(%)を算出した。
保水量(%)=Mm/W0×100
Mm=W−W0
ただし、Mmは蒸発性自由水分量(g)、Wは水中から引き上げて10分後の試料質量(g)、W0は吸水前の試料質量(g)である。
<肌への皮膚刺激>10名の被験者の肘内側(屈曲部)に、1cmの大きさにカットした試料を24時間貼り付けてもらい、皮膚刺激を感じたかどうか申告していただいた。皮膚刺激を感じた人数が、1名以下の場合を○、2〜4名の場合を△、5名以上を×として評価した。
<保水性保持率>試料の洗濯処理については、JIS L 0217 102法にしたがって実施した。すなわち、60℃の水1リットルに対して、0.5gの石鹸と、3gのメタ珪酸ナトリウムを添加、溶解して洗濯液とした。この洗濯液に浴比が1:10となるように試料および必要に応じて負荷布を投入してシリンダ型洗濯機の運転を開始した。30分間処理した後、運転を止め、洗濯液を取り除き、40℃の新しい水を注入し、浴比1:20となるように調整した後、5分間すすぎ洗いを行う。その後運転を止め、この水を取り除き、再び40℃の新しい水を注入し、浴比が1:20となるように調整した後、引き続き10分間すすぎ洗いを行った。そして、ただちに試料を取り出し、遠心脱水機で脱水し、直射日光の影響を受けない状態で風乾させた。この操作を100回繰り返した後の試料の保水量を測定し、下記の式により、保水性保持率(%)を算出した。
保水性保持率(%)=(洗濯100回後の保水量)/(洗濯前の保水量)×100
【0028】
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートを第1成分、ナイロン6を第2成分とし、重量比1:1の割合で16分割可能な割繊型複合繊維(分割後の単糸繊度0.25dtex)を、カット長51mmに短繊維化された極細繊維40重量%と、常法により紡糸、延伸、ポリエチレンテレフタレート短繊維(単糸繊度1.7dtex、カット長51mm)60重量%とを混合した後、カードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0029】
得られた不織布の目付けは300g/m、厚みは2.6mm、嵩高性は8.7cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が350%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が300%で、その保水性保持率が85.0%であった。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0030】
[実施例2]
ポリエチレン成分(分割後の単糸繊度1.7dtex)の周囲を6個のポリエチレンテレフタレート成分(分割後の単糸繊度0.28dtex)が取り囲む割繊型複合繊維を、カット長51mmに短繊維化したもの60重量%と、常法により紡糸された、吸水性アクリル短繊維(単糸繊度5.0dtex、カット長64mm)40重量%とを混合した後、カードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0031】
得られた不織布の目付けは300g/m、厚みは2.9mm、嵩高性は9.7cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が415%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が324%で、その保水性保持率が78.1%であった。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0032】
[実施例3]
実施例1において、極細繊維の混合割合を70重量%、他方、ポリエチレンテレフタレート短繊維の混合割合を30重量%に変え、これらを混合したものをカードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0033】
得られた不織布の目付けは230g/m、厚みは2.0mm、嵩高性は8.6cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が280%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が199%で、その保水性保持率が71.1%であった。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0034】
[実施例4]
実施例1と同様の極細繊維70重量%と、実施例2と同様の吸水性アクリル短繊維30重量%を混合し、カードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0035】
得られた不織布の目付けは420g/m、厚みは2.0mm、嵩高性は4.8cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が250%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が238%で、その保水性保持率が95.2%であった。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0036】
[比較例1]
実施例1において、極細繊維の混合割合を8重量%、他方、ポリエチレンテレフタレート短繊維の混合割合を92重量%に変え、これらを混合したものをカードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0037】
得られた不織布の目付けは320g/m、厚みは2.5mm、嵩高性は7.8cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が186%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が173%で、その保水性保持率が93.1%であった。洗濯後の保水性保持率は十分であったが、ブランクでの保水量が低く、おむつなどの保水層として利用するには不十分であった。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0038】
[比較例2]
実施例1において、極細繊維の混合割合を90重量%、他方、ポリエチレンテレフタレート短繊維の混合割合を10重量%に変え、これらを混合したものをカードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0039】
得られた不織布の目付けは280g/m、厚みは1.9mm、嵩高性は6.7cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が428%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が248%で、その保水性保持率が57.9%であった。洗濯後の保水性保持率が低いため、おむつなどの保水層として使用するには、多数回の洗濯を繰り返しての使用は困難である。また、皮膚刺激評価では、10人中10人とも皮膚刺激を感じなかった。
【0040】
[比較例3]
実施例1において、極細繊維の混合割合を40重量%、他方、親水加工を施したポリエチレンテレフタレート短繊維(単糸繊度6.6dtex、カット長51mm)60重量%を混合した後、カードに通してウエッブを作製し、ニードルパンチで不織布を得た。
【0041】
得られた不織布の目付けは310g/m、厚みは2.5mm、嵩高性は8.1cm/gであった。この不織布を繰り返し洗濯したところ、ブランク(未洗濯)の保水量が375%だったのに対し、洗濯100回後の保水量が318%で、その保水性保持率が84.8%であった。皮膚刺激評価では、10人中5人が皮膚刺激を感じ、皮膚に発赤などの症状がみられ、皮膚刺激が確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、保水性と繰り返し洗濯後の保水性保持率に優れ、かつ着用者に対する皮膚刺激が低減された、繰り返し洗濯可能な不織布が得られる。かかる不織布は、おむつや防水シーツなど吸水性物品の保水層などの用途に好適である。

Claims (8)

  1. 単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維10〜80重量%と、単糸繊度が1.0dtexより大で6.0dtex以下の繊維(A)90〜20重量%とからなることを特徴とする繰り返し洗濯可能な不織布。
  2. 極細繊維が、2成分以上からなる割繊型複合繊維が割繊されたものである請求項1に記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  3. 繊維(A)が、合成繊維である請求項1または請求項2に記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  4. 目付けが200〜500g/mである請求項1〜3のいずれかに記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  5. 厚みが1〜5mmである請求項1〜4のいずれかに記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  6. 嵩高性が4〜12cm/gである請求項1〜5のいずれかに記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  7. 保水量が自重の200%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
  8. 100回洗濯後の保水性保持率が70%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の繰り返し洗濯可能な不織布。
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