JP2004019066A - 寸法安定性に優れる不織布及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を含む不織布であって、洗濯処理後の洗濯収縮率が不織布の経方向、緯方向ともに3%以下であることを特徴とする寸法安定性に優れる不織布。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、おむつや防水シーツなど吸水性物品の保水層などに好適な、極細繊維を含む不織布に関する。さらに詳しくは、洗濯処理を施した際の洗濯収縮率の小さい不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、布おむつや吸水シーツなど洗濯処理して使用される吸水物品の保水材として、天然繊維や合成繊維からなる不織布が利用されている。
【0003】
しかるに、不織布は、一般的に織編物と比較すると構造的に不安定であるため、リネンサプライヤーなどの業務用洗濯によって熱水処理を受けると収縮しやすいという性質を有する。その結果、不織布と織編物とを縫合させてなる吸水物品に業務用洗濯処理を施すと、不織布だけが収縮してしまい、製品外観が大きく損なうという問題があった。
【0004】
特に、不織布の保水性を高めるために、不織布に極細繊維を含ませると、優れた保水性は得られるものの、極細繊維の強伸度が業務用洗濯処理によって低下し、前記の洗濯収縮がより顕著になる傾向にある。
【0005】
上記の業務用洗濯処理による洗濯収縮を低減させるために、不織布を他の織編物に縫合する前に、不織布に予め洗濯処理を繰り返し施し、収縮を発現させた後に縫合させることも行われている。しかるに、かかる方法では、洗濯処理を繰り返すことにより、不織布の布質が著しく低下するという問題があった。
【0006】
以上のような理由から、予め洗濯処理を施す必要のない、洗濯収縮率の小さい不織布の提案が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の問題を解消するためになされたものであり、その課題は、極細糸を含んだ不織布であって、洗濯収縮が低減された、寸法安定性に優れる不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を用いて不織布を得た後、該不織布に特定の熱処理を施すことにより、洗濯による収縮が抑制されることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に到達した。
【0009】
かくして、本発明によれば、「単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を含む不織布であって、洗濯処理後の洗濯収縮率が不織布の経方向、緯方向ともに3%以下であることを特徴とする寸法安定性に優れる不織布」が提供される。
【0010】
その際、前記の極細繊維が、不織布の全重量に対して10〜80重量%含まれていることが好ましい。該不織布の目付け、厚み、嵩高性としては、各々200〜500g/m2、1〜5mm、4〜12cm3/gであることが好ましい。また、かかる不織布の保水量が自重の200%以上であることが好ましい。
【0011】
また、上記の不織布は、少なくとも、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を用いて不織布を得た後、該不織布を、70℃以上の熱水で10秒以上熱水処理し、次いで110〜140℃の温度で5〜30分乾式熱処理を施すことにより、容易に得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明の不織布には、その単糸繊度が1dtex以下(好ましくは0.01〜0.5dtex)の極細繊維が含まれる必要がある。
【0014】
前記の単糸繊度が1dtexよりも大きいと、繊維間の毛細管現象が十分には作用せず、十分な保水性が得られず好ましくない。逆に、該単糸繊度が、0.01dtexよりも小さいと洗濯を繰り返すうちに、極細繊維の強伸度が低下してしまい、不織布の嵩が低下することにより繊維間空隙が小さくなり、その結果、保水性が低下する恐れがある。
【0015】
かかる極細繊維は不織布に少しでも含まれておればよく、極細繊維と他の繊維とを混合して不織布を構成してもよい。その際、前記の極細繊維が、不織布の全重量に対して10〜80重量%含まれていることが好ましい。不織布がかかる極細繊維を含むことにより、繊維間の毛細管現象により、優れた保水性が得られる。
【0016】
ここで、不織布に含まれる極細繊維が10重量%よりも小さいと、十分な保水性が得られない恐れがある。逆に、極細繊維の重量割合が80重量%を越えると、洗濯を繰り返すうちに不織布の嵩が低下し、繊維間空隙が小さくなることによって、保水性が低下する恐れがある。
【0017】
かかる極細繊維の種類としては、1dtex以下の単糸繊度が得られるものであれば特に限定されないが、洗濯による強伸度の低下を防止する上で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、アクリル、ポリエチレンなどの合成繊維が好適に例示される。かかる合成繊維を2種以上用いて極細繊維を形成してもよい。また、単糸繊維の断面形状も特に限定されるものではなく、丸断面、扁平や三角などの異型断面であってもよい。さらに、ポリマー中に、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
【0018】
前記極細繊維の製造方法としては、2成分以上の繊維形成性熱可塑性ポリマーを用いて、溶解割繊型、海島型、割繊型複合繊維として、常法の複合紡糸方法で紡糸し、化学的処理工程や物理的処理工程で分割する方法が例示される。なかでも、2成分以上からなる割繊型複合繊維を用い、不織布の製造工程で、ニードルパンチやウオーターニードル等の物理的な力により、該複合繊維を分割することがコストの点で好ましい。
【0019】
前記の極細繊維は、長繊維として不織布中に含まれていてもよいし、短繊維として不織布中に含まれていてもよい。短繊維を採用する際は、カット長は30〜75mmの範囲が適当である。
【0020】
また、本発明の不織布において、前記の極細繊維と他の繊維とで不織布を構成する場合、かかる他の繊維の種類は特に限定されず、綿、麻、羊毛、絹糸等の天然繊維の他、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸に代表されるポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリレート繊維などの合成繊維の1種または複数を組み合わせて使用することが可能である。使用する繊維材料の種類により、高強度、耐摩耗性、難燃性、易リサイクル性、生分解性等の機能を不織布に付加することも可能になる。なかでも、洗濯に対する耐久性の面を考慮すると、天然繊維よりも強度に優れる合成繊維を用いることが好ましい。単糸繊維の断面形状も特に限定されるものではなく、丸断面、扁平や三角などの異型断面であってもよい。また、2種以上のポリマーからなる芯鞘型またはサイドバイサイド型の複合形態を有するバインダー繊維であってもよい。さらに、ポリマー中に、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
【0021】
前記の他の繊維は、長繊維として不織布中に含まれていてもよいし、短繊維として不織布中に含まれていてもよい。短繊維を採用する際は、カット長は30〜75mmの範囲が適当である。
【0022】
次に、本発明の不織布において、洗濯処理後の洗濯収縮率が不織布の経方向、緯方向ともに3%以下(好ましくは2%以下)である必要がある。
【0023】
ここで、本発明でいう洗濯収縮率とは、洗濯機ポエスゲンPWZ501−10D((株)アサヒ製作所製、10層連続式洗濯機)を使用し、社団法人日本ダイアパー事業振興会発行の「貸おむつに関する厚生省のガイドライン」(平成5年11月25日)記載の連続式洗濯機による洗濯(洗濯工程中に消毒効果のある塩素剤を使用する方法)に準拠して行い、その後、油圧脱水機((株)アサヒ製作所製、ASP−350)により、脱水した後、トンネル型乾燥機((株)アサヒ製作所製、APT−3120)を用いて乾燥させ、乾燥したサンプルの洗濯後の収縮率を経方向と緯方向について、n数3で下記式により求め、その平均値をもって洗濯収縮率とする。ただし、経方向とはサンプルの長手方向であり、他方緯方向とは、サンプルの平面内において経方向とは直角方向のことであり、サンプルの形状が、概略正方形の場合は、どちらを経方向としてもよい。
洗濯収縮率(%)=((洗濯前の長さ)−(洗濯後の長さ))/(洗濯前の長さ)×100
ここで、前記の洗濯収縮率が3%を越えると、例えば、不織布を他の織編物と縫合して吸水性物品を構成する場合、収縮率の差から、製品にパッカリングが発生したり、吸水性能が低下する可能性があり、好ましくない。
【0024】
本発明の不織布において、目付けが200〜500g/m2(好ましくは270〜350g/m2)、厚みが1〜5mm(好ましくは1.5〜3mm)、嵩高性が4〜12cm3/g(好ましくは6〜10cm3/g)であることが好ましい。
【0025】
前記の目付けが500g/m2よりも大きいと、不織布をおむつの保水層などととして使用する際、着用者が重量感を感じ、着用快適性を損なう恐れがある。逆に、該目付けが200g/m2よりも小さいと、不織布をおむつの保水層などととして使用する際、十分な保水量が得られない恐れがある。
【0026】
また、前記の厚みが5mmよりも大きいと、不織布をおむつなどの用途に使用する際、おむつを当てている部分とそうでない部分とで大きく段差ができてしまい着用快適性が損なわれる恐れがある。逆に、該厚みが1mmよりも小さいと、洗濯での揉み効果により不織布が切断される恐れがある。なお、本発明において、不織布の厚みは、JIS L 1913 A法により測定した値を使用するものとする。
【0027】
前記の嵩高性は、不織布が繊維間の空隙をどの程度有しているかを示すファクターであり、該嵩高性が4cm3/gよりも小さいと繊維間の空隙が少なく十分な保水量を得ることができない恐れがある。逆に、該嵩高性が12cm3/gを越えると、不織布を構成する繊維の交絡が甘くなり、洗濯により不織布の型崩れが発生しやすくなる恐れがある。なお、本発明において、嵩高性は次の式で算出した値を使用するものとする。
嵩高性(cm3/g)=不織布の厚み(mm)/不織布の目付け(g/m2)×1000
本発明の不織布において、保水量が自重の200%以上(好ましくは250〜500%)であることが好ましい。
【0028】
前記の保水量が、自重の200%未満の場合、不織布をおむつの保水層などの用途に使用すると十分な保水量を得ることができない恐れがある。
【0029】
次に、本発明の不織布の製造方法について、以下説明する。
まず、少なくとも、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を用いて不織布を得る。
【0030】
ここで、用いられる極細繊維は、先に説明したものを使用することができる。そして、先に説明した他の繊維と混合させてもよいことはいうまでもない。
【0031】
これらの繊維を短繊維又は長繊維の状態で開繊、混綿した後、カードに通してウエッブを作製し、さらに公知のニードルパンチやウオーターニードルをかけて不織布を得る。
【0032】
次いで、該不織布を70℃以上(好ましくは80℃以上)の熱水で10秒以上(好ましくは30〜180秒)熱水処理する。70℃以上の熱水で処理することにより、高温水で処理される業務用洗濯においても、高い寸法安定性が得られ易い。逆に、該熱水温度が70℃よりも低いと、洗濯による収縮率が大きくなってしまい、好ましくない。
【0033】
そして、熱水処理された該不織布を必要に応じてマングル等で脱水した後、110〜140℃(好ましくは120〜130℃)の温度で5〜45分(好ましくは10〜30分)乾式熱処理を施す。ここで、該乾熱温度が110℃よりも低いと、業務用洗濯で用いられる乾燥工程以下で乾燥されることになり、十分な寸法安定性が得られない。逆に、該乾熱温度が、140℃を越えると不織布を構成する繊維の種類によっては、不織布の布質が低下する恐れがあり好ましくない。
【0034】
そして、上記の熱処理条件を上記の範囲内で適宜選定することにより、容易に不織布の洗濯収縮率を経方向、緯方向ともに3%以下とすることができる。なお、前記の熱処理は、張力をかけずにフリー収縮させることにより、さらに容易にかかる洗濯収縮率が得られ、好ましい。
【0035】
このようにして得られた本発明の不織布は特定の熱処理が施されているため、その熱セット効果により、業務用洗濯で熱水処理されても、不織布の寸法が保持される。
【0036】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<厚み>JIS L 1913 A法に基づき、厚み(mm)を測定した。
<目付け>JIS L 1913に基づき、目付け(g/m2)を測定した。
<嵩高性>下記の式で嵩高性(cm3/g)を算出した。
嵩高性(cm3/g)=不織布の厚み(mm)/不織布の目付け(g/m2)×1000
<保水量>保水量はJIS L 1096に基づき、試料(202.5cm2)の蒸発性自由水分量を測定し、下記の式で保水量(%)を算出した。
保水量(%)=Mm/W0×100
Mm=W−W0
ただし、Mmは蒸発性自由水分量(g)、Wは水中から引き上げて10分後の試料質量(g)、W0は吸水前の試料質量(g)である。
<洗濯収縮率>洗濯機ポエスゲンPWZ501−10D((株)アサヒ製作所製、10層連続式洗濯機)を使用し、社団法人日本ダイアパー事業振興会発行の「貸おむつに関する厚生省のガイドライン」(平成5年11月25日)記載の連続式洗濯機による洗濯(洗濯工程中に消毒効果のある塩素剤を使用する方法)に準拠して行い、その後、油圧脱水機((株)アサヒ製作所製、ASP−350)により、脱水した後、トンネル型乾燥機((株)アサヒ製作所製、APT−3120)を用いて乾燥させ、乾燥したサンプルの洗濯後の収縮率を経方向と緯方向について、n数3で求め、その平均値をもって洗濯収縮率とした。該洗濯収縮率は不織布のみを1回洗濯した後に測定し、別途、該不織布を保水材に用いて下記の吸水性物品を得て、該吸水性物品を3回洗濯を繰り返し1回目から3回目までの洗濯収縮率を測定した。
【0037】
(吸水性物品の作製方法)
トリコット2bar編機を用い、バック筬に56dtex/24filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを配して、10/12の組織で地組織を編成し、フロント筬に139dtex/24filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを配して10/45のサテン組織で地組織を編み込み、その表面に3mmのループが形成された編地を得、さらに得られた編地のサテン組織の表面を、針布を用いてセミカット起毛し、ループの一部を切断することにより、ループと毛羽がその表面に混在し、経方向の密度が46本/2.54cm、緯方向の密度が44本/2.54cmの編地を得た。該編地を表裏に使用し、保水材となる不織布を間に挿入した、3層構造にて経70cm、緯30cmの大きさに縫合することにより吸水性物品とした。
【0038】
[実施例1]
ポリエチレン成分(分割後の単糸繊度1.7dtex)の周囲を4個のポリエチレンテレフタレート成分(分割後の単糸繊度0.3〜0.4dtex)が取り囲む割繊型複合繊維(分割前の単糸繊度2.2dtex)を、カット長51mmに短繊維化したもの60重量%と、常法により紡糸された、吸水性アクリル短繊維(単糸繊度3.3tex、カット長64mm)40重量%とを混合した後、カードに通してウエッブを作製し、プレニードルパンチ(片面のみ)を60P/cm2、本パンチ(上下面)を190を60P/cm2にて不織布(原布)を製造した。次いで、80℃の熱水で10秒間処理し、マングルで脱水した後、120℃で15分乾熱処理を施した。その際、該不織布に張力をかけずにフリー収縮させた。
【0039】
得られた不織布の目付けは300g/m2、厚みは2.9mm、嵩高性は9.7cm3/g、保水量は250%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向2.4%、緯方向2.2%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向2.0%、緯方向1.9%、2回目で経緯ともに0%、3回目で経緯ともに0%であった。なお、該吸水性物品において、パッカリング現象は見られなかった。
【0040】
[実施例2]
実施例1と同様の不織布(原布)を、80℃の熱水で30秒間処理し、マングルで脱水した後、130℃で10分乾熱処理を施した。その際、該不織布に張力をかけずにフリー収縮させた。
【0041】
得られた不織布の目付けは306g/m2、厚みは2.7mm、嵩高性は8.8cm3/g、保水量は225%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向2.2%、緯方向2.0%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向1.7%、緯方向1.8%、2回目で経方向0.2%、緯方向0.1%、3回目で経緯ともに0%であった。なお、該吸水性物品において、パッカリング現象は見られなかった。
【0042】
[実施例3]
実施例1と同様の不織布(原布)を、90℃の熱水で60秒間処理し、マングルで脱水した後、140℃で30分乾熱処理を施した。その際、該不織布に張力をかけずにフリー収縮させた。
【0043】
得られた不織布の目付けは310g/m2、厚みは2.8mm、嵩高性は9.0cm3/g、保水量は220%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向1.7%、緯方向1.8%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向1.2%、緯方向1.3%、2回目で経方向0.1%、緯方向0%、3回目で経緯ともに0%であった。なお、該吸水性物品において、パッカリング現象は見られなかった。
【0044】
[比較例1]
実施例1と同様の不織布(原布)に熱水処理および乾熱処理をともに施さずに用いた。
【0045】
かかる不織布の目付けは290g/m2、厚みは2.5mm、嵩高性は8.6cm3/g、保水量は236%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向5.8%、緯方向7.5%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向5.0%、緯方向5.4%、2回目で経方向3.2%、緯方向3.1%、3回目で経方向2.4%、緯方向2.2%であった。なお、該吸水性物品において、保水材と編地との収縮率の差により、パッカリング現象が確認された。
【0046】
[比較例2]
実施例1と同様の不織布(原布)を、60℃の熱水で30秒間処理し、マングルで脱水した後、130℃で10分乾熱処理を施した。その際、該不織布に張力をかけずにフリー収縮させた。
【0047】
得られた不織布の目付けは295g/m2、厚みは2.6mm、嵩高性は8.8cm3/g、保水量は204%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向3.8%、緯方向4.2%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向3.0%、緯方向3.1%、2回目で経方向2.6%、緯方向2.5%、3回目で経方向1.3%、緯方向1.4%であった。なお、該吸水性物品において、保水材と編地との収縮率の差により、パッカリング現象が確認された。
【0048】
[比較例3]
実施例1と同様の不織布(原布)を、70℃の熱水で10秒間処理し、マングルで脱水した後、105℃で20分乾熱処理を施した。その際、該不織布に張力をかけずにフリー収縮させた。
【0049】
得られた不織布の目付けは298g/m2、厚みは2.6mm、嵩高性は8.7cm3/g、保水量は196%であった。そして、この不織布の洗濯収縮率は経方向3.3%、緯方向3.8%であった。さらに、該不織布を用いた吸水性物品の洗濯収縮率は1回目で経方向2.9%、緯方向2.9%、2回目で経方向2.2%、緯方向2.1%、3回目で経方向0.7%、緯方向0.9%であった。なお、該吸水性物品において、保水材と編地との収縮率の差により、パッカリング現象が確認された。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、極細糸を含んだ不織布であって、洗濯処理による洗濯収縮が低減された、寸法安定性に優れる不織布が提供される。かかる不織布は織編物とともに吸水物品を構成しても、業務用洗濯処理によって、製品外観を損なうことがないので、おむつや防水シーツなど吸水性物品の保水層などの用途に好適である。
Claims (7)
- 単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を含む不織布であって、洗濯処理後の洗濯収縮率が不織布の経方向、緯方向ともに3%以下であることを特徴とする寸法安定性に優れる不織布。
- 前記の極細繊維を、不織布の全重量に対して10〜80重量%含む請求項1に記載の寸法安定性に優れる不織布。
- 目付けが200〜500g/m2である請求項1または請求項2に記載の寸法安定性に優れる不織布。
- 厚みが1〜5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の寸法安定性に優れる不織布。
- 嵩高性が4〜12cm3/gである請求項1〜4のいずれかに記載の寸法安定性に優れる不織布。
- 保水量が、自重の200%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の寸法安定性に優れる不織布。
- 少なくとも、単糸繊度が1.0dtex以下の極細繊維を用いて不織布を得た後、該不織布を、70℃以上の熱水で10秒以上熱水処理し、次いで110〜140℃の温度で5〜45分乾式熱処理を施すことを特徴とする寸法安定性に優れる不織布の製造方法。
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JP2011006807A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Teijin Fibers Ltd | 乾式不織布および繊維製品 |
JP2015505912A (ja) * | 2011-12-01 | 2015-02-26 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | コイル状フィラメント不織布ウェブの作製方法及び物品 |
CN104674456A (zh) * | 2015-02-06 | 2015-06-03 | 北京大源非织造有限公司 | 一种拒水性非织造布的制造方法 |
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2002
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