JP2004018907A - 溝付きプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】
摩擦係数が低く優れた耐摩耗性等の摺動特性を示す上に、優れた耐熱性や耐酸化性も有することによって、溝成形加工という過酷な加工の際にも高い耐久性を発揮する塑性加工用工具である超硬合金製溝付きプラグを提供する。
【解決手段】
本発明に係る超硬合金製溝付きプラグは、超硬合金母材の上にアンカー層を介して硬質炭素膜がコーティングされる構成をとり、当該硬質炭素膜中の水素含有量が低いことを特徴とする。また、更なる耐久性を発揮すべく、アンカー層の下に第二硬質膜を有する構成も本発明に含有される。
【選択図】なし

Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機や熱交換器に組み込まれる伝熱管として用いられる内面溝付き管の内面溝を成形するために使用される超硬合金製溝付きプラグ、及び超硬合金製溝付きプラグを硬質炭素膜でコーティングするための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属を塑性加工するにあたっては、被加工金属を曲げ加工したり、しごき加工したりするための塑性加工用治具が用いられる。斯かる塑性加工用治具は、被加工金属に接触することにより塑性変形させるものであるため、接触部での摩擦係数が低いことや耐摩耗性が良いこと等(摺動特性)が要求される。
【0003】
この摺動特性を改善するために、従来、塑性加工用治具にコーティングを施すことが行なわれてきた。例えば、(1)特開平6−262275号公報、(2)特開2001−79627号公報及び(3)特開2001−279466号公報には、成形面にダイヤモンド状カーボン等を主成分とする被膜がコーティングされている塑性加工用工具が記載されている。
【0004】
しかし、これら従来技術の被膜では、塑性加工用工具が加工に耐えられない場合がある。例えば、ルームエアコン、パッケージエアコン、冷凍ショーケース、冷蔵庫、ラジエータ等に用いられている熱交換器中に組み込まれている内面溝付き管の溝成形加工が、これに該当する。
【0005】
この内面溝付き管は、小型高効率化や省エネルギー化の要請に応えるために、銅や銅合金がその材料として用いられ、伝熱効率を更に高めるため管内面に溝が成形される。この溝成形加工の模式図を、図1に示す。図1によれば溝成形は、円柱状の超硬合金製溝付きプラグ2を銅または銅合金製素管1の中に挿入し、素管1を一方向に引き抜きながら、溝付きプラグ2に整合する位置の素管外面に沿って自転しつつ公転するように配置した複数個の転圧ボール3により、素管1を溝付きプラグ2の外表面に押し付けることによって行なわれる。溝付きプラグ2にはねじれ角:θで溝が形成されているので、当該溝が素管内部に転造されて、図2に示すようにねじれ角:θで溝やフィンが成形される。
【0006】
この溝成形は、塑性加工用工具である溝付きプラグが、被加工体である素管と絶えず接触しつつ管内面に溝を転造するという過酷な条件下における加工であるため、溝成型加工時には、素管の塑性変形により最も高いところで250℃〜350℃もの熱が発生する。従って、溝付きプラグ表面をコーティングする膜については、この程度の温度に対して酸化しにくいという特性が要求される。
【0007】
ところが、上記(1)〜(3)に記載の従来技術は、加工時における塑性加工用工具の耐磨耗性等の摺動特性を考慮した被膜に関するものではあるが、基本的に断続的な曲げ加工等に適用されるものであるので、連続的な溝成形加工時における耐熱性は考慮されていない。具体的には、これら従来技術の炭素被膜は、エタンガス等の炭化水素をキャリアガスとしたプラズマCVD法等によりコーティングされているので、被膜中に多量の水素を含有する。例えば、従来技術(3)の実施例には、膜組成がCH0.25とCH0.24の被膜が記載されているが、溝成形加工では、炭素被膜中にこれ程の水素が含まれていると、この水素が原因となって高温での酸化が進行し、塑性加工用工具の摩耗が著しく進行すると考えられる。
【0008】
また、(4)特開2002−66625号公報に記載の技術のように、非晶質炭素膜をコーティングした溝付きプラグも提案されており、未コーティングの超硬合金製プラグに対し一定の寿命改善効果が得られている。しかし、当該公報に記載されている非晶質炭素膜の製造方法は、上述の(1)〜(3)に記載の技術と同様に、メタンガス等の炭化水素ガスをプラズマCVD法により成膜するものであるため、膜中に一定以上の水素が含まれていることが想定される。従って、当該技術では、近年の生産性向上や製造コストダウンに対応した溝成型加工の高速化においては、銅または銅合金の塑性変形時に発生する熱によって、使用中に非晶質炭素膜の酸化が進行して摩耗が著しく進むと考えられる。
【0009】
一方、硬質炭素膜の他にも、銅に対する優れた摺動特性を有する被膜が案出されている。例えば、(5)佐藤悌介ら「ウェアー(Wear)」第220号,第154〜160頁(1998年)では、種々の被膜と銅との摩擦摩耗特性が調査され、CrNが優れた耐磨耗性と低摩擦係数を示すことが明らかにされており、(6)特開平8−132310号公報には、ドリル表面にCrNとCrOの二層膜をコーティングすることにより、被削材と銅との潤滑性を向上させてドリルの寿命を改善することが記載されている。
【0010】
しかしCrNは、その低硬度故に、内面溝付き管のような過酷な組成加工では、溝付きプラグの寿命を延ばすことができない。また、同様にCrNとCrOの二層膜も硬度が劣るため、銅や銅合金中に含まれる硬質の介在物によって塑性加工用工具の摩耗が進行する。因みにこれらの膜硬度は、ビッカース硬度で2000以下である。
【0011】
近年、生産性向上のために、溝成形加工においても加工速度の高速化が求められているが、この高速化によって塑性加工条件はいっそう厳しくなるため、溝付きプラグ交換頻度の増加や使用量の増加が問題となっている。この様な状況下、溝成形加工において高い耐久性を有する溝付きプラグが切望されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、溝成形という過酷な加工時においても、塑性加工用工具である溝付きプラグの寿命を延ばすべく、摩耗係数が低く、良好な耐摩擦性を示す等の摺動特性に優れ、且つ耐熱性、耐酸化性に優れた被膜を提供することにある。
【0013】
本発明者らは、この目的を達成すべく、まず溝成形時の超硬合金製溝付きプラグの摩耗状況を調査し、溝付きプラグが寿命に至る原因を調査した。図3は、溝成形加工後における溝付きプラグの拡大写真であり、図4は、図3における銅凝着部分を更に拡大したものである。
【0014】
図3,4によれば、溝付きプラグの構造中、素管に溝を成形する凸部の端縁近傍部に、銅が凝着していることが判る。これは、端縁近傍部と被加工体との接触が端縁部ほどではないため明確な摩耗は見られないが、表面にMg,Si,P,Ca等からなる非晶質酸化物が付着して表面が荒れることにより更に銅が付着すると考えられる。付着した銅は、溝付きプラグの素管に対する摺動特性を低下させ、プラグ寿命を短くする原因になる。また、プラグに付着する非晶質酸化物は、溝成形加工前の素管洗浄工程で使用される工業用水中に由来するため、銅合金の成分組成調整では避けることができない。
【0015】
一方、凸部の端縁部には、明らかな摩耗が観察される。これは、当該端縁部は素管の塑性変形が大きい部分に接触するので、銅と共に流動する上述の非晶質酸化物や素管の成分に含まれる金属間化合物によって摩耗がアグレッシブに進行するためである。このために銅の流動が阻害され、溝部分への銅の流入が少なくなり、溝の形成が悪くなる結果となる。
【0016】
従って、これら銅の凝着や摩擦による溝付きプラグ寿命の改善のために被膜をコーティングすることが考えられ、この被膜が有すべき特性としては、上記非晶質酸化物との付着性が低いこと、非晶質酸化物や金属間化合物によって摩耗され難い程度の硬度を有すること、及び優れた耐熱性や耐酸化性を有することが挙げられる。
【0017】
本発明は、上記特性を有する被膜を探索すべく鋭意研究を重ねることによって完成されたものであり、本発明に係る溝付きプラグは、上記特性を有する被膜をコーティングされることにより溝成形加工において高い耐久性を示し、その寿命が長いため、効率的な内面溝付き管の生産を可能とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の溝付きプラグは、内面溝付き管の内面溝を成形するために使用される超硬合金製溝付きプラグであって、アンカー層を介して硬質炭素膜がコーティングされており、この硬質炭素膜の組成を二次イオン質量分析により分析したとき、炭素二次イオン強度(I)に対する水素二次イオン強度(I)の比であるI/Iの値が0.7以下(好ましくは、0.55以下)であることを特徴とする。
【0019】
上記アンカー層は、タングステンを含む下層と、タングステン及び炭素を含む上層とで構成されており、この上層が、上記硬質炭素膜に近づくにつれ炭素濃度が高くなっているものが好ましく、また、上記アンカー層と上記超硬合金との間に、(Cr1−x,Al)Nの組成(0<x<1)を有する第二硬質膜がコーティングされていることが好ましい。
【0020】
この(Cr1−x,Al)Nの組成を有する第二硬質膜は、岩塩構造型であることが好ましく、そのxの値は、0<x≦0.8の条件を満たすことが好ましく、更に好ましいxの値は0.15≦x≦0.75である。
【0021】
これら本発明の硬質炭素膜のコーティング方法は、カーボンターゲット固体蒸発源を使用して、スパッタリング法またはアークイオンプレーティング法によってコーティングすることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超硬合金製溝付きプラグの特徴は、構成等を適切に規定された被膜を超硬合金にコーティングされることにより、耐摩擦性等の摺動特性に優れ、且つ高い耐熱性、耐酸化性を享有し、過酷な溝成形加工においても高い耐久性を発揮することができる点にある。特に、被膜中の水素含有量の低減を図ることにより、耐熱性及び耐酸化性を発揮することができる点に最大の特長を有する。従って、本発明の超硬合金製溝付きプラグは、内面溝付き管を生産するにあたっての最適な塑性加工用工具である。
【0023】
以下に、本発明の実施形態及びその効果について説明する。
【0024】
本発明の溝付きプラグの材質は、「超硬合金」である。過酷な溝成形加工においては、使用される塑性加工用工具の材質自体が高い硬度を有さなければ、加工に耐えられないからである。斯かる「超硬合金」は、本発明の目的を達成できる程度の硬度を有するものであれば特に限定されないが、一般的には、炭化タングステン粉末(WCパウダー)にコバルト粉末(Coパウダー)などを混合して、成形後、1400℃もの高温で焼結して製造するものであり、ダイヤモンドのモース硬度を10とした場合のモース硬度が9.5程度であるものをいう。
【0025】
加工されるべき素管は特に限定されないが、一般的には伝熱性に優れる銅または銅合金製のものが使用される。
【0026】
本発明の目的を達成するための被膜としては、水素含有量が少ない「硬質炭素膜」(ダイヤモンドライクカーボン、いわゆるDLC)が最適である。硬質炭素膜であれば十分な硬度を有し、非晶質酸化物の付着性が低いため、過酷な溝成形加工に適し、また、水素含有量が少なければ、加工時に発生する熱による影響を受け難く、耐酸化性に優れるからである。
【0027】
この「硬質炭素膜」の膜厚は、1μm以上10μm以下が好ましい。1μm未満であると耐酸化磨耗性が不十分であり、10μmを超えると膜応力が高くなり、膜の密着性が不足して剥離が発生するからである。
【0028】
この被膜中水素の絶対量を正確に定量測定するのは困難であるが、本発明では、「二次イオン質量分析」(Secondary Ion Mass Spectroscopy、いわゆるSIMS)を採用した。二次イオン質量分析では、膜組成成分のそれぞれについて、安定した(同じ組成を有する膜であれば一定の)イオン強度を定量的に測定することができ、組成成分の原子比を直接得ることはできないものの、少なくとも膜中水素の炭素に対する量を相対的に把握することができるからである。
【0029】
本発明で採用した二次イオン質量分析は、セシウムイオン(Cs)で硬質炭素膜から膜の深さ方向にスパッタ(sputter)したときに膜から飛び出す水素イオン(I)と炭素イオンの二次イオン強度(I)とを測定することによって行なった。但し、測定感度の点から、実際に測定する二次イオンは、水素イオンにCsが結合した(H+Csイオンと炭素イオンにCsが結合した(C+Csイオンであり、それぞれの強度をIとIとして、膜中水素の炭素に対する存在量の相対的な指標として採用することにした。従って、炭素二次イオン強度(I)に対する水素二次イオン強度(I)の比である「I/I」は、膜中に存在する炭素に対する水素の絶対原子比ではなく、本発明において採用する便宜的な指標である。
【0030】
本発明では、種々の「I/I」値に対する溝付きプラグの寿命を測定したところ、当該値が0.7以下のときに耐酸化性の顕著な向上が観察され、プラグの寿命が長くなることが明らかにされた。従って、本発明では、「I/I」の値が「0.7以下」であることが必須であり、好ましくは「0.55以下」であり、更に好ましくは「0.4以下」である。
【0031】
本発明の硬質炭素膜は、「アンカー層」を介して超硬合金にコーティングされていることが必要である。硬質炭素膜は共有結合物質であり、金属結合やイオン結合が強い物質とは密着性が悪いため、アンカー層を介在させることにより密着性を向上させることが必要であるからである。
【0032】
本発明の「アンカー層」は、硬質炭素膜を超硬合金へ安定に密着させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、下層としてタングステンを超硬合金上にコーティングした後に、上層として当該タングステン層から硬質炭素膜まで、タングステンに対する炭素の組成が硬質炭素膜に近づくにつれ高くなるようなタングステン−炭素混合傾斜層をコーティングした二層構造が好ましい。超硬合金と硬質炭素膜を良好に密着させることができるからである。
【0033】
溝成形加工においては、素管との連続的な接触により発生する熱を原因として溝付きプラグ表面の酸化が起こり、摩耗することによって溝付きプラグは寿命を迎える。従って、硬質炭素膜を厚くすれば寿命は延びると考えられるが、上述した通り膜厚が10μmを超えると被膜の剥離が生じる。このことから本発明では、超硬合金とアンカー層との間に、超硬合金との密着性を有し且つ高硬度であって、銅に対する優れた摺動特性を有する第二硬質膜を存在せしめるものを好ましい態様として採用した。即ち、加工が進むにつれプラグ表面の酸化は徐々に進行し、炭素硬質膜が摩耗して超硬合金が露出すると合金がアグレッシブに摩耗され寿命に至るが、硬質炭素膜の下に耐酸化性が高く且つ高硬度の膜が存在していれば、硬質炭素膜が酸化摩耗してもプラグの摩耗はより進行し難くなり、プラグ寿命は更に延びる結果となる。図5に、本発明に係る膜組成の模式図を示す。左図の様に、本発明に係る溝付きプラグの被膜は、アンカー層を介して硬質炭素膜(DLC)がコーティングされている構成をとるが、右図に示すように、アンカー層と超硬合金との間に第二硬質膜を有していてもよい。
【0034】
本発明の「第二硬質膜」としては、(Cr1−x,Al)Nの組成(0<x<1)を有するものが好適である。(Cr1−x,Al)Nは、他の硬質膜(TiN、TiCN、TiAlN、CrN等)に比して高いビッカース硬度を示し、且つ銅との摩耗係数が低く優れた摺動特性を有するからである。
【0035】
(Cr1−x,Al)Nは、CrNにAlを添加することによって製造するが、Al添加量が増加するにつれて、その硬度も上昇する(図6)。しかし、図6に示すように、xが0.8を超えると、却って硬度低下がみられる。これは、xが0.8を超えると結晶構造が高硬度の岩塩構造から低硬度の六方晶構造に変わるためと考えられる。従って、(Cr1−x,Al)Nは、岩塩構造型であることが好ましい。また、Al添加量が増加するにつれ銅との摩擦係数が上昇するため(図7)、溝成形加工時における銅の流動性が低下する。従って、膜の硬度や摩擦係数を考慮すれば、xの好ましい範囲は0<x≦0.8であり、更に好ましくは0.15≦x≦0.75、更に好ましくは0.2≦x≦0.65、特に好ましくは0.25≦x≦0.6である。
【0036】
(Cr1−x,Al)Nの膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。これは、0.5μm未満では耐磨耗性が不十分となり、10μmを超えると膜応力が大きくなって剥離が発生し易くなるからである。この下限は、1μm以上であることが更に好ましく、特に好ましくは1.5μmである。上限については、更に好ましくは7μm以下であり、特に好ましくは5μm以下である。
【0037】
硬質炭素膜をコーティングする方法としては、Ar等の不活性ガスを主成分とする雰囲気ガス中、カーボンターゲットを蒸発源とするスパッタリング法またはアークイオンプレーティング法(AIP法)を挙げることができる。これらは、プラズマCVD法等と異なり水素を含む炭化水素系ガスを使用する必要がないため、膜中への水素混入量を低減することができるので、本発明に係る被膜のコーティングに適しているからである。図8にスパッタリング法の概略図を示す。即ちスパッタリング法とは、真空チャンバーへ導入しイオン化したArガス等をスパッタターゲットに衝突させ、スパッタされた炭素をコーティング対象物(溝付きプラグ)にコーティングする方法である。また、図9,10にアークイオンプレーティング法の概略図を示す。本法では、AIPターゲットから真空アーク放電により炭素を蒸気化、イオン化し、基板に被膜させる。従って、両方法とも炭化水素系ガスを使用することなくコーティングすることができるが、チャンバー内には吸着している水分や水素等の水素含有ガスが存在しているため、炭化水素系ガスを用いなくても若干の水素が膜中に取り込まれることがある。しかし、少量の水素であれば、膜中に含有されていても、本発明の目的を達成する程度の耐酸化性は得られる。また、本発明の目的を達成できる程度であれば、不活性ガス中にメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、ベンゼン等、少量の炭化水素系ガスを導入して硬質炭素膜をコーティングしてもよい。
【0038】
アークイオンプレーティング法で硬質炭素膜をコーティングする場合には、マクロパーティクルという数μm程度のドロップレットがターゲットから発生して膜の表面に付着するため、コーティング後に鏡面研磨してマクロパーティクルを除去するのが好ましい。
【0039】
(Cr1−x,Al)N膜も、スパッタリング法やアークイオンプレーティング法でコーティングすることができる。但し、スパッタリング法を採用した場合には、滑らかな膜ができるためコーティング後の鏡面研磨は必要ないが、アークイオンプレーティング法の場合には、硬質炭素膜のコーティングと同様に、マクロパーティクルを除去するため鏡面研磨を行なうことが好ましい。
【0040】
アンカー層のコーティング方法としては、スパッタリング法が好ましい。これは、膜厚の制御や構成成分濃度の傾斜制御が、比較的容易に遂行できるからである。
【0041】
本発明の溝付きプラグは、例えば図1に示すような態様で、素管内の溝成形のために使用される。図1において、4は引き抜きダイス、5はフローティングプラグで、フローティングプラグ5の先端方向にはタイロッド9を介して溝付きプラグ2が回転自由に連結されている。溝付きプラグ2の設置位置には、その周囲を当該溝付きプラグ2側へ押し付けられた状態で公転し且つ自転するボール3が均一な角度間隔で4個設置されている。溝付きプラグ2のさらに下流側位置には、仕上げダイス6が設置されている。素管1を引抜ダイス4内にセットし、素管1の内部に図1の状態にフローティングプラグ5をセットし、素管1内のフローティングプラグ5の上流側部分に潤滑油を供給する。次いで素管1を適切な速度で図1中右方向へ引き抜き、素管1とボール3との接触部にも潤滑油を連続供給しながら、素管1の周囲に各ボール3を押し付けた状態で適切な回転速度で公転させる。ボール3の公転方向は溝付きプラグ2の回転方向と一致させる。素管1は、まず引き抜きダイス4とフローティングプラグ5とによる引抜加工により縮径され、次いで溝付きプラグ2とボール3とによる溝転造加工によりさらに縮径されながら、その内面に溝付きプラグ2の溝8が転造される。その後、仕上げダイス6による空引き加工により、さらに縮径されて仕上げられる。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0043】
(実施例1)
スパッタリング法により、種々のガス雰囲気下で溝付きプラグに硬質炭素膜をコーティングし、その炭素二次イオン強度(I)に対する水素二次イオン強度(I)の比であるI/Iの値を測定した。
【0044】
(1) 超硬合金製溝付きプラグ:
超硬合金製溝付きプラグは、直径8mm×長さ18mm、溝幅:0.5mm、溝深さ0.2mm、溝ねじれ角:30度、凸部幅:0.2mm、表面粗さRa:0.03μmのものを使用した。これにより素管内部には、フィン幅:0.5mm、溝深さ0.2mm、溝ねじれ角:30度、溝幅:0.2mmの溝が転造された。
【0045】
(2) スパッタリング法によるアンカー層(W/W−C傾斜組成層)のコーティング:
図8に示すRF(高周波)電源:10と2つのDCマグネトロンスパッタ源:16を有する真空チャンバー内:17の基板台に、洗浄した溝付きプラグと超硬基板(12mm×5mm):15を、DCマグネトロンスパッタ源:16にスパッタターゲット:14としてタングステンターゲット固体蒸発源とカーボンターゲット固体蒸発源を設置し、チャンバー内を3×10−6 torr(1torrは、約133Pa)以下に真空引きした。
【0046】
その後、Arガスを3mtorrまでチャンバー内に導入し、200Wで高周波を印加してArプラズマを発生させ、Arイオンによる基材表面のスパッタエッチングを10分間行ない、溝付きプラグと超硬基板表面のクリーニングを行なった。
【0047】
次に、チャンバー内をArガスで3mtorrのままにして基板に−100Vのバイアスを印加し、またタングステンターゲット固体蒸発源に500WのDCパワーを印加して、溝付きプラグと超硬基板表面に膜厚50nmのタングステン層をコーティングした。
【0048】
更に、タングステンターゲット固体蒸発源のパワーを500Wから0Wまで連続的に減少するのに対し、カーボンターゲット固体蒸発源のDCパワーを0Wから500Wまで連続的に増加させることにより、タングステンとカーボンの組成が連続的に変化する傾斜組成層を膜厚200nmでコーティングしてアンカー層を形成した。
【0049】
(3) スパッタリング法による硬質炭素膜(DLC膜)のコーティング:
アンカー層のコーティング後、引き続いてDCパワーを500W、Ar雰囲気中でカーボンターゲット固体蒸発源のスパッタを行ない、アンカー層上に膜厚2μmの硬質炭素膜をコーティングした。
【0050】
(4) 二次イオン質量分析によるI/Iの測定:
二次イオン質量分析により、以下の条件で硬質炭素膜の各組成の二次イオン強度を測定したところ、I/Iの値は0.2であった(表1中No.1)。
[測定条件]
使用装置       : CAMECA ims5F二次イオン質量分析装置
一次イオン      : Cs
一次イオンエネルギー : 5.5KeV
一次イオン電流    : 30nA
分析領域       : 33μmΦ
測定中資料室真空度  : 1.5×10−7Pa。
【0051】
(5) 種々のガス雰囲気下でのコーティング:
アンカー層のコーティングまでは上記(1)、(2)と同様に行ない、その後、上記(3)中Arガスを種々のAr−メタン混合ガス中で硬質炭素膜のコーティングを行なって、上記(4)と同様にI/Iの値を測定した。その結果を表1中No.2〜6に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004018907
【0053】
表1から明らかなように、炭素硬質膜のコーティング時のガス組成中、炭化水素含有量を増加させるほど炭素硬質膜中の水素量は多くなり、10%メタンガスを混入させた時点でI/Iの値が0.7を超えていることがわかる。
【0054】
(実施例2)
実施例1中(1)〜(3)に従って、アンカー層のコーティングは行なわず、Arイオンによる基材表面のスパッタエッチングを10分間行なった後に、引き続きDCパワーを500WでAr雰囲気中カーボンターゲット固体蒸発源のスパッタを行ない、基板上に直接硬質炭素膜を膜厚2μmでコーティングした。しかし、チャンバーから基板を取り出したときに硬質炭素膜の剥離が認められた。従って、溝付きプラグに硬質炭素膜をコーティングするにあたっては、アンカー層の存在が必須であることが明らかとなった。
【0055】
(実施例3)
アークイオンプレーティング(AIP)法により硬質炭素膜をコーティングし、I/Iの値を測定した。
【0056】
図9と10に示すアークカソード源19と2つのDCマグネトロンスパッタ源16を有する真空チャンバー内17の基板台に、洗浄した溝付きプラグと超硬基板(12mm×5mm):15を、DCマグネトロンスパッタ源16にタングステンターゲット固体蒸発源とカーボンターゲット固体蒸発源を、アークカソード源19にAIPターゲット18としてカーボンターゲット固体蒸発源を設置し、実施例1中(1)、(2)と同様にアンカー層をコーティングした。
【0057】
その後、アーク放電を行ない、溝付きプラグと超硬基板上に膜厚2μmの硬質炭素膜をコーティングした。コーティング後にはマクロパーティクルを除去するため、溝付きプラグの表面をダイヤモンドパウダーで研磨して、表面粗さRaを0.04とした。
【0058】
得られた硬質炭素膜について、実施例1中(4)と同様にI/Iの値を測定したところ0.01であった(表2中No.7)。
【0059】
(実施例4)
比較例としてプラズマCVD法により硬質炭素膜をコーティングし、I/Iの値を測定した。
【0060】
実施例1中(1)、(2)と同様にアンカー層のコーティングまで行なった後、チャンバー内にベンゼンガスを導入してチャンバー内圧力を0.4torrとし、基板に高周波(出力:500W)を印加して高周波プラズマを発生させて、基板上に膜厚2μmの硬質炭素膜をコーティングした。
【0061】
基板をチャンバーから取り出し、実施例1中(4)と同様に二次イオン質量分析を行ない、I/Iの値を測定した(表2中No.8)。
【0062】
また、ガスをベンゼンガスからメタンガスに代え、プラズマCVD法によって同様に膜厚膜厚2μmの硬質炭素膜をコーティングし、I/Iの値を測定した(表2中No.9)。
【0063】
【表2】
Figure 2004018907
【0064】
表2により、アークイオンプレーティング法によれば、非常に水素含有量の低い硬質炭素膜がコーティングできることが判る。また、プラズマCVD法では、炭化水素ガスを雰囲気ガスとして使用せざるを得ず、結果として水素含有量の高い硬質炭素膜しかコーティングできないことが明確となった。
【0065】
(実施例5)
実施例1、3、4により製造した超硬合金製溝付きプラグ、及び比較例として無処理の超硬合金製溝付きプラグを使用し、図1に示す態様に従って、外径13mmの銅合金素管の引抜加工及び溝成形加工を行ない、溝付きプラグの寿命を測定した。
【0066】
引抜加工の引抜速度は40m/分、図1中のボール3の公転速度は約2,000rpmとし、素管は、最終的に外径約7mmまで縮径した。溝付きプラグの寿命は、プラグの摩耗によって素管に成形される溝深さが当初の90%に低下したときの素管引抜重量(単位:トン(t))により判定した。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
Figure 2004018907
【0068】
表3から明らかなように、I/Iの値が0.7以下のものは、無処理の溝付きプラグ(表3中No.10)に対して約1.4倍以上の寿命を示したのに対し、0.76以上のものでは、無処理の溝付きプラグの寿命と殆ど差が見られなかった。この結果より、硬質炭素膜のコーティング時に炭化水素系ガスを混入させた場合には、硬質炭素膜中に存在する水素が多くなる(I/Iの値が高くなる)ことによって、プラグ寿命が短くなることが明らかとなった。
【0069】
(実施例6)
アンカー層の下に第二硬質膜((Cr1−x,Al)N膜)をコーティングした溝付きプラグを製造し、I/Iの値と寿命を測定した。
【0070】
(1) アークイオンプレーティング法による第二硬質膜のコーティング:
図9、10に示すアークカソード源と2つのDCマグネトロンスパッタ源を有する真空チャンバー内の基板台に、洗浄した溝付きプラグと超硬基板(12mm×5mm)を、スパッタ源にタングステンターゲット固体蒸発源とカーボンターゲット固体蒸発源を、アークカソードにCr0.47Al0.53のターゲット固体蒸発源を設置し、チャンバー内を3×10−6 torr以下に真空引きした。
【0071】
その後、Arガスを3mtorrまでチャンバー内に導入し、200Wで高周波を印加してArプラズマを発生させ、Arイオンによる基材表面のスパッタエッチングを10分間行ない、溝付きプラグと超硬基板表面のクリーニングを行なった。
【0072】
次に、基板に−100Vのバイアスを印加し、チャンバー内に窒素ガスを導入して圧力を20mtorrとした後に、Cr0.47Al0.53ターゲット固体蒸発源にアーク放電を起こすことにより、溝付きプラグに膜厚2μmのCrAlN膜をコーティングした。これ以上のコーティングを行なわないものを比較例とし(表4中No.21)、他のものは更にアンカー層及び硬質炭素膜のコーティングを行なった。
【0073】
(2) スパッタリング法によるアンカー層(W/W−C傾斜組成層)のコーティング:
真空チャンバーから一旦溝付きプラグを取り出し、ダイヤモンドパウダーで研磨して表面粗さRaを0.04μmとした後、再び元の真空チャンバー内にセットし、チャンバー内を3×10−6 torr以下に真空引きした。
【0074】
次にチャンバー内にArガスを導入して圧力を3mtorrとした後に、実施例1中(2)と同様の方法で、アンカー層としてW/W−C傾斜組成層をコーティングした。
【0075】
(3) スパッタリング法による硬質炭素膜(DLC膜)のコーティング:
続いてチャンバー内にAr+5%CH混合ガスを導入し圧力を3mtorrとした後、カーボンターゲット固体蒸発源に500WのDCパワーを印加することにより、スパッタとガス中のCHのカーボンにより膜厚3μmの硬質炭素膜をコーティングした。
【0076】
(4) 第二硬質膜の組成測定:
第二硬質膜の組成を電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)で測定したところ、本コーティング条件(上記実施例6(1))では、ターゲット組成よりもややCrリッチのCr0.5Al0.5の組成となっていた。
【0077】
(5) 種々の第二硬質膜を有する溝付きプラグの製造:
上記実施例6(1)中、種々のCrAlターゲット固体蒸発源を使用することによって、組成の異なる第二硬質膜を有する溝付きプラグを製造した。それぞれの組成は、上記実施例6(4)と同様に電子プローブマイクロアナライザーによって測定した。
【0078】
(6) I/Iの値と寿命の測定:
/Iの値は、上記実施例1(4)と同様の方法で測定した。また、溝付きプラグの寿命は、上記実施例5と同様の方法で測定した。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
Figure 2004018907
【0080】
表4から明らかなように、第二硬質膜としてCrNをコーティングしたNo.11は、第二硬質膜のないNo.3とほぼ同等の寿命を示し、第二硬質膜の効果が殆ど認められなかった。試験後におけるNo.11のプラグ表面を観察すると、素管の塑性変形が大きい部分と接触しているプラグ表面の硬質炭素膜及びその下にある第二硬質膜(CrN膜)も摩耗して表面が粗くなっていた。この表面粗度の劣化によって素管(銅)の流動性が悪くなり、溝付きプラグは寿命に至ったと考えられる。
【0081】
これに対してNo.12〜14にかけては、Al量の増加と共にプラグ寿命の向上がみられた。これは、下地であるCrAlN膜の硬度が上昇したために摩耗の進行が抑えられた結果と考えられる。
【0082】
更にAl量が増加すると、次第にプラグ寿命の低下がみられた(No.15〜18)。試験後のプラグ表面を見ると、硬質炭素膜摩耗部分から露出したCrAlN膜の摩耗による表面粗さの上昇はNo.12〜15程ではないが、Al量が増えることによりCrAlN膜と素管(銅)との摩擦係数が上昇するため、硬度は上昇するものの僅かな摩耗による表面粗さの劣化によっても素管(銅)の流動性が悪くなるために、寿命が短くなったと思われる。
【0083】
No.19は、AlNの硬度が超硬合金母材よりも柔らかいために摩耗が進行して寿命に至り、No.20もCrNの硬度は超硬合金母材と同程度であるため、これも摩耗が進行すると共にCa、Mg、P、Si等の酸化物付着を介した銅のプラグへの凝着も生じた結果寿命を迎え、CrAlN膜のみがコーティングされたNo.21では摩耗はそれほど進行していないが、No.20と同様に酸化物付着を介した銅の凝着が発生して寿命に至ったと考えられる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の溝付きプラグは、摩擦係数が低く優れた耐摩耗性等の摺動特性を示す上に優れた耐熱性や耐酸化性も有する塑性加工用工具である。従って、溝成形加工のような過酷な加工に際しても、高い耐久性を発揮する。
【0085】
また、本発明の溝付きプラグへの硬質炭素被膜のコーティング方法としては、スパッタリング法またはアークイオンプレーティング法が採用されるが、これら両方法によれば、低水素含有量の硬質炭素被膜をコーティングすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝成形加工の模式図
【図2】内面溝付き管
【図3】溝付きプラグの摩耗・凝着形態図
【図4】図3における銅凝着部分の断面の透過電子顕微鏡像
【図5】本発明で採用される被膜の構成図
【図6】(Cr1−x,Al)N膜の組成と硬度の関係図
【図7】(Cr1−x,Al)N膜と銅との摩擦係数の関係図
【図8】スパッタリング法の概略図
【図9】アークイオンプレーティング法の概略図
【図10】アークイオンプレーティング法で使用されるチャンバーの上面図
【符号の説明】
1:素管
2:溝付きプラグ
3:ボール
4:引抜ダイス
5:フローティングプラグ
6:仕上げダイス
7:素管内に転写された溝付きプラグの溝
8:溝付きプラグの溝
9:タイロッド
b:引き抜き方向
10:RF(高周波)電源
11:DC(直流)バイアス電源
12:DCスパッタ電源
13:基板台
14:スパッタターゲット
15:基板(溝付きプラグ、超硬基板)
16:DCマグネトロンスパッタ源
17:真空チャンバー
18:AIPターゲット
19:アークカソード源
20:アーク電源

Claims (8)

  1. 内面溝付き管の内面溝を成形するために使用される超硬合金製溝付きプラグであって、アンカー層を介して硬質炭素膜がコーティングされており、この硬質炭素膜の組成を二次イオン質量分析により分析したとき、炭素二次イオン強度(I)に対する水素二次イオン強度(I)の比であるI/Iの値が0.7以下であることを特徴とする溝付きプラグ。
  2. 上記I/Iの値が、0.55以下である請求項1に記載の溝付きプラグ。
  3. 上記アンカー層が、タングステンを含む下層と、タングステン及び炭素を含む上層とで構成されており、この上層が、上記硬質炭素膜に近づくにつれ炭素濃度が高くなっている請求項1または2に記載の溝付きプラグ。
  4. 上記アンカー層と上記超硬合金との間に、(Cr1−x,Al)Nの組成(0<x<1)を有する第二硬質膜がコーティングされている請求項1〜3のいずれかに記載の超硬合金製溝付きプラグ。
  5. 上記(Cr1−x,Al)Nの組成を有する第二硬質膜が、岩塩構造型である請求項4に記載の超硬合金製溝付きプラグ。
  6. 上記(Cr1−x,Al)Nの組成を有する第二硬質膜中のxの値が、0<x≦0.8の条件を満たす請求項4または5に記載の超硬合金製溝付きプラグ。
  7. 上記(Cr1−x,Al)Nの組成を有する第二硬質膜中のxの値が、0.15≦x≦0.75の条件を満たす請求項4または5に記載の超硬合金製溝付きプラグ。
  8. 上記硬質炭素膜のコーティング方法であって、カーボンターゲット固体蒸発源を使用して、スパッタリング法またはアークイオンプレーティング法によってコーティングすることを特徴とする請求項1に記載の硬質炭素膜のコーティング方法。
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