JP2004018854A - 酸性媒染染料と反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物及びこれを用いた天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法 - Google Patents

酸性媒染染料と反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物及びこれを用いた天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色、特に黒、紺系の濃色染色において、染色物の堅牢度を低下させることなしに、クロム酸の使用量と排水残クロム量を低減させることのできるクロム媒染用組成物及び染色方法の提供。
【解決手段】酸性媒染染料と(1)式又は(2)式の骨格を有する反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物及び当該組成の染浴でクロム媒染することを特徴とする、天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法。
Figure 2004018854

【選択図】  なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸性媒染染料と反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物及びこれを用いた天然タンパク質繊維またはその混紡物の染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸性媒染染料によるクロム媒染染色は、羊毛等の天然タンパク質繊維を深みのある黒、紺系に濃色染色するのに好適な方法として良く知られている。
しかし、この染色では、多量の重クロム酸塩を使用し、排水残浴中にも少なからず全クロムが溶出するなど、環境衛生の面で問題がある為、一般的には重クロム酸の使用量をできる限り減らして実施されており、これ以上の重クロム酸の使用減量は堅牢度の低下や発色色相の安定性と再現性が損なわれ無理とされていた。
一方、反応染料での天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色では、クロム媒染染色に比べて重金属を使用という環境衛生の面での問題は減少するものの、特に黒、紺系で濃度の深みがでず、湿潤堅牢度も劣る等の問題があり、アンモニアソーピングなどの後処理が不可欠となっている。また、このソーピング後の染料脱落の多さが排水の環境問題にも影響している。
【0003】
しかし、安価な黒の反応染料であるC.I.Reactive Black5をメインに使用した染色においては、アンモニアソーピングをおこなっても汗堅牢度は向上するがポッチングではウール汚染が著しい等の問題がある。
また特に羊毛用途の反応染料では、調色用のYellow染料の湿潤堅牢度が悪く、これが更に黒、紺系の染色物の堅牢度を悪くするといった問題、更には、この調色用染料がソーピングにより脱落し易く、染色あがりの色相にぶれをもたらす等の問題がある。
更に、ウール等の反応染料による染色後は、通常、アンモニアソーピング等のアルカリ処理をおこなうと共に、この後の中和処理として、通常常温で酸通しをおこない、その後水洗工程に移り乾燥するが、この処理で、アルカリ汗堅牢度は向上しても、熱湯、ポッチング堅牢度等は、逆に悪くなるといった問題も派生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウール等の天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色、特に黒、紺系の濃色染色において、染色物の堅牢度を低下させることなしに、使用重クロム酸と排水残クロム量を低減させることのできるクロム媒染について鋭意研究の結果到達したものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
即ち、本発明は第一に、酸性媒染染料と(1)式又は(2)式の骨格を有する反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物を提供するものである。
【0006】
【化2】
Figure 2004018854
【0007】
本発明は第二に、酸性媒染染料と上記反応染料とを混合した染浴でクロム媒染することを特徴とする、天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法を提供するものである。
本発明において上記の酸性媒染染料に対して使用する反応染料の望ましい量は、酸性媒染染料の50〜150重量パーセントに相当する量である。
本発明の特定の反応染料は、クロム化により1:3錯体を形成しているものと思われ、これは、反応染料の未媒染と比較して湿潤堅牢度が1級以上向上すること、色相がダーク、深みとなることからも推察される。
【0008】
酸性媒染染料は一般的にクロム化により1:2〜1:3錯体を形成するといわれているが、酸性媒染染料のクロム媒染時に使用されるクロム酸の量は、1:2錯体を形成していると仮定した場合のおよそ理論量の2倍以上である。
この点、反応染料をクロム化する場合は、前記1:3錯体を形成しているとした場合の理論量程度で充分であり、酸性媒染染料と併用する本発明においては、酸性媒染染料のクロム化に使用される過剰量のクロム酸によってもクロム化される為、酸性媒染染料と反応染料の混合割合によっては、反応染料用のクロム酸の使用量は極めて少量で足りる。
【0009】
【発明の実施の形態】
一般的には、酸性媒染染料によるウール等の黒、紺系の濃色染色では、酢酸・蟻酸を用いて100℃で30分酸性染色後、同温度付近で重クロム酸を投入し、同温度で30分処理したのち水洗、乾燥する。
一方、反応染料によるウール等の黒、紺系の濃色染色では、酢酸,蟻酸,ポリオキシエチレンアルキルアミン系の両性活性剤を用い、100℃で90分処理したのち、同浴、又は 新浴にてアンモニア等のアルカリソーピングをおこない、その後、新浴にて酢酸液で常温,5乃至10分程度中和処理をおこない、水洗、乾燥する。
本発明の染色方法では、酸性媒染染料と反応染料を混合してクロム媒染する点以外は、上記した酸性媒染染料の一般的なクロム媒染に反応染料の一般的な染色方法を加味した方法でおこなえば良い。
即ち、酢酸,蟻酸,ポリオキシエチレンアルキルアミン系の両性活性剤の使用量は、酸性媒染染料以外に反応染料にも充当する点を考慮して決定し、また重クロム酸の使用量は、酸性媒染染料以外に反応染料にも若干量が消費される点を考慮して決定すればよい。
【0010】
本発明の染色方法によれば、反応染料を一部用いているにもかかわらずアルカリソーピングなしで、天然タンパク質繊維の色相をダーク、深みにし、酸性媒染染料を単独で用いた場合に近い堅牢度を得ることが可能である。
しかし、更に酸性媒染染料単独使用の場合と同等の堅牢度を得るためには、染色後、アルカリソーピング、次いで、酢酸による中和処理をおこなうと良い。この中和処理にあたっては前記した反応染料単独使用による一般的な染色の場合とは異なり、例えば、70〜90℃の高温でおこなう方が良好なポッチング結果が得られる。
更に、調色に際しては、反応染料を使用せずに酸性媒染染料を使用することにより、堅牢度低下を最低限に防止することも可能である。
【0011】
本発明は、天然タンパク質繊維又はその混紡物の黒、紺系の濃色染色に特に好適なものであり、かかる濃色染色に当たっては、後記に例示する酸性媒染染料の中から主として黒、紺系の染料を選択使用する。しかしながら調色用染料としては各種のものを使用することが可能である。
酸性媒染染料としては、例えば次のものが挙げられる。
【0012】
C.I.モルダントエロー  3、C.I.モルダントエロー  5、 C.I.モルダントエロー  8、C.I.モルダントエロー  12、C.I.モルダントエロー  23、C.I.モルダントエロー  26、C.I.モルダントオレンジ  1、C.I.モルダントオレンジ  2、C.I.モルダントオレンジ  4、C.I.モルダントオレンジ  6、C.I.モルダントオレンジ  29、C.I.モルダントレッド   3、C.I.モルダントレッド
5、C.I.モルダントレッド   7、C.I.モルダントバイオレット
1、C.I.モルダントブルー   1、C.I.モルダントブルー
9、C.I.モルダントブルー  13、C.I.モルダントブルー  29、C.I.モルダントグリーン 17、C.I.モルダントグリーン 28、C.I.モルダントブラウン 15、C.I.モルダントブラウン 33、C.I.モルダントブラック  1、C.I.モルダントブラック  7、C.I.モルダントブラック  9、C.I.モルダントブラック 11。
【0013】
また、本発明において酸性媒染染料と併用するに好適な反応染料としては、具体的には次のものを例示することができる。
【0014】
C.I.リアクティブブルー   1、C.I.リアクティブブルー   2、C.I.リアクティブブルー   4、C.I.リアクティブブルー   5、C.I.リアクティブブルー  19、C.I.リアクティブブルー  49、C.I.リアクティブブルー  50、C.I.リアクティブブルー  69、C.I.リアクティブブルー 166、C.I.リアクティブブルー 222、C.I.リアクティブブルー 225、C.I.リアクティブブラック  5。
【0015】
【実施例】
実施例1
浴比1:30、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製 ポリオキシエチレンアルキルアミン配合品)2.0%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を2.5%o.w.f.と、C.I.モルダントブラック9を2.5%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。
同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 1.2%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない色相良好な黒色染色物を得た。このものの染色吸尽性は良好で、湿潤堅牢度も良好であった。
【0016】
実施例2
浴比1:30、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製 ポリオキシエチレンアルキルアミン配合品)2.0%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を2.5%o.w.f.と、C.I.モルダントブラック9を2.0%o.w.f.及びC.I.モルダントエロー8を0.5%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。
同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 0.7%o.w.f. を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない色相良好な黒色染色物を得た。
【0017】
実施例3
実施例2と同様に染色をおこない、染色物をアンモニア2.5%o.w.f.の新浴にて80℃、20分処理し、その後酢酸2.0%o.w.f.の新浴にて同様に80℃、20分処理し、水洗、乾燥をおこない色相良好な黒色染色物を得た。このもののアルカリ汗及びポッチング堅牢度試験は、コットン、ウール汚染とも5級の優れたものが得られた。
【0018】
比較試験例1
浴比1:30、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製 ポリオキシエチレンアルキルアミン配合品)2.0%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を6.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で90分染色をおこなった後、染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(1−A)を得た。
90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸2.0%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製 ポリオキシエチレンアルキルアミン配合品)2.0%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を6.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ0.6%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(1−B)を得た。
前者は通常の反応染色であり、後者は反応染料のクロム媒染染色を実施したものである。
これらの染色物についてのポッチング試験(JIS L 0875−1975)、汗アルカリ性試験(JIS L 0848−1996)の結果を後記表1に示す。
前者では、アンモニアソーピング後処理を実施しないならば汗アルカリ性試験とポッチング試験で著しい添付布汚染(汗ではコットン、ポッチングではウール)が見られる。
しかし、後者のクロム媒染したものは、いずれの試験の添付汚染も大きく改善される。
【0019】
比較試験例2
浴比1:30、90%酢酸1.0%o.w.f.、80%蟻酸2.0%o.w.f.、C.I.モルダントブラック9を5.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 1.2%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。80℃まで徐冷し、染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(2−A)を得た。
次に 90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製)2.0%o.w.f.、C.I.リアクティブブラックを5.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で90分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(2−B)を得た。
この染色物(2−B)を25%アンモニア2.5%o.w.f.添加した新浴にて80℃で20分処理し、90%酢酸1%sol.の液にて常温で中和処理後、水洗、乾燥をおこなったものを(2−B2)とする。
更に、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製)2.0%o.w.f.、C.I.モルダントブラック9を2.5%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を2.5%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 0.6%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(2−C)を得た。
これらの染色物についてのポッチング試験、汗アルカリ性試験の結果を後記表2に示す。
こうして得られた染色物のうち、2−Aが最も優れた湿潤堅牢度を有し、2−Bが最も悪い。2−B2は汗アルカリ性試験のコットン汚染は改善されるが、ポッチング試験のウール汚染は全く改善されない。2−Cは汗アルカリ試験のコットン汚染も、ポッチングのウール汚染もかなり改善され、2−Aよりわずか劣る程度で実用範囲と判断される。
【0020】
比較試験例3
浴比1:30、90%酢酸1.0%o.w.f.、80%蟻酸2.0%o.w.f.、C.I.モルダントブラック9を5.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 1.2%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(3−A)を得た。
上記において、重クロム酸の使用量を半分の0.6%まで減らしたほかは同様にして染色物(3−B)を得た。
更に、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸2.0%o.w.f.、ミグレガールWB(センカ製)2.0%o.w.f.、C.I.モルダントブラック9を2.5%o.w.f.、C.I.リアクティブブラックを2.5%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ 0.6%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(3−C)を得た。
これらの染色物についてのポッチング試験、汗アルカリ性試験、残浴のクロム量の結果を後記表3に示す。
こうして得られた染色物のうち、3−Aが最も優れた湿潤堅牢度を有するが、染色後の残浴のクロム量は多い。3−Bは使用重クロム酸の量を半分に減らしたものだが、3−Aと比較して残浴のクロム量は半分以下に減らすことができるが、湿潤堅牢度、特にポッチングでのウール汚染低下が見られた。
3−Cは3−Aと比較して、湿潤堅牢度はほとんど遜色なく、残浴クロム量を半分以下に減少させることができた。
【0021】
比較試験例4
浴比1:30、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、C.I.リアクティブブラック5を6.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で60分染色をおこなった後、染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(4−A)を得た。
上記と同様の助剤を用いた染浴で、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ0.6%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。染色物を水洗、乾燥をおこない黒色染色物(4−B)を得た。
また、蟻酸の使用量を2.0%o.w.f.まで増やしたほかは4−Bと同様にして染色物(4−C)を得た。
これらの染色物についてのポッチング試験、汗アルカリ性試験の結果を後記表4に示す。
これらを比較すると、汗アルカリ性試験ではほとんど3者とも遜色なかったが、蟻酸を多めに用いた4−Cがポッチング試験でウール汚染がかなり向上した。
【0022】
比較試験例5
浴比1:30、90%酢酸2.0%o.w.f.、80%蟻酸0.5%o.w.f.、C.I.リアクティブブルー50を4.0%o.w.f.添加した染浴に、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で60分染色をおこなった後、染色物を水洗、乾燥をおこない青色染色物(5−A)を得た。
上記と同様の染浴で、2/48ウール糸を浸漬し、40℃より60分かけて100℃まで昇温する。同温度で30分染色をおこなった後、80℃まで徐冷し、重クロム酸カリ0.6%o.w.f.を染浴に添加し、10分で100℃まで昇温、更に30分間染色する。
染色物を水洗、乾燥をおこない青色染色物(5−B)を得た。
これらの染色物についてのポッチング試験、汗アルカリ性試験の結果を後記表5に示す。
両者を比較すると、汗アルカリ性試験ではほとんど遜色なかったが、後者は、前者に比べて色相がダークとなり、ポッチング試験でウール汚染がかなり向上した。
尚、以下の表1〜表5中、ポッチング試験及び汗アルカリ性試験の上段、中段、下段の数値は、順に変退色、ウール添付汚染、コットン添付汚染の結果を示す。
【0023】
【表1】
Figure 2004018854
【0024】
【表2】
Figure 2004018854
【0025】
【表3】
Figure 2004018854
【0026】
【表4】
Figure 2004018854
【0027】
【表5】
Figure 2004018854
【0028】
【発明の効果】
本発明は、酸性媒染染料とともに特定の反応染料を併用してクロム媒染するものであり、これにより、酸性媒染染料を単独使用してクロム媒染する場合に比較してクロム酸の使用量を大幅に減少させることができ、排水中の含有クロム量も軽減させることが可能となった。
また本発明によれば、反応染料を一部用いているにもかかわらずアルカリソーピングなしで、天然タンパク質繊維の色相をダーク、深みにし、酸性媒染染料を単独で用いた場合に近い堅牢度を得ることが可能である。
反応染料をクロム化したものも、特にアルカリソーピング後のポッチングでは、未クロムの反応染料と同程度のウール汚染がみられるが、この点も、十分な酸通しの処理で改善できることがわかっている。
更に、本発明では、調色用の染料に反応染料を用いず、酸性媒染染料を用いてクロム媒染することが可能であり、この点で調色染料使用による堅牢度低下も回避することができる。

Claims (4)

  1. 酸性媒染染料と(1)式又は(2)式の骨格を有する反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物。
    Figure 2004018854
  2. 酸性媒染染料とその50〜150重量パーセントに相当する量の反応染料とからなる請求項1記載のクロム媒染用の染料組成物。
  3. 酸性媒染染料と請求項1記載の反応染料とを混合した染浴でクロム媒染することを特徴とする、天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法。
  4. 酸性媒染染料に対しその50〜150重量パーセントに相当する量の反応染料を混合した染浴でクロム媒染する請求項3記載の天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法。
JP2002215880A 2002-06-19 2002-06-19 酸性媒染染料と反応染料とからなるクロム媒染用の染料組成物及びこれを用いた天然タンパク質繊維又はその混紡物の染色方法 Withdrawn JP2004018854A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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