JP2004018569A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】吸水(湿)性が低く、且つ溶融粘度の低い樹脂硬化物の提供。特に電気・電子部品用の配線基板や絶縁材に有用なものを提供する。
【解決手段】
Figure 2004018569

(式中、nは平均値を示し、0〜10の正数を表す。Gはグリシジル基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示す。Qはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を示す。Xは水素原子またはグリシジル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂を合成し、これらを含むエポキシ樹脂組成物を調製し、これを硬化させることによる。特にnの値が0〜1のものは、低粘度性を有する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線板、BGA用基板など)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】
しかし、近年特に電気・電子分野においてはその発展に伴い、高純度化をはじめ低吸湿性、密着性、低誘電率、フィラーを高充填させるための低粘度化等の樹脂の諸特性の一層の向上が求められている。また、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。これらの要求に対し、エポキシ樹脂及びこれを含有する樹脂組成物について多くの提案がなされてはいるが、未だ充分とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、その硬化物において優れた低吸湿性(低吸水性)、耐半田リフロー性、低誘電率(低誘電正接)を示す電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、BGA用基板、ビルドアップ基板など)、接着剤(導電性接着剤など)やCFRPを始めとする各種複合材料用、塗料等に有用なエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような特性を有するエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に付与する方法について鋭意研究の結果、本発明を完成した。即ち、本発明は、
式(1)
【0006】
【化2】
Figure 2004018569
【0007】
(式中、nは平均値を示し、0〜10の正数を表す。Gはグリシジル基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示す。Qはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を示す。Xは水素原子またはグリシジル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂
(2)式(1)において、nが0〜1の正数である前記(1)記載のエポキシ樹脂
(3)式(1)の化合物とビスフェノール類とを重合させることにより得られる変性エポキシ樹脂
(4)前記(1)、(2)、(3)の何れか一項記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物
(4)前記(3)のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
(5)前記(3)のエポキシ樹脂組成物を使用した半導体装置
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
まず上記(1)記載の式(1)のエポキシ樹脂につき説明する。なお、以下の説明において高分子化合物の繰り返し数は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定により算出することができる。本発明のエポキシ樹脂は下記式(2)
【0009】
【化3】
Figure 2004018569
【0010】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子を示す。Qはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を示す。)で表される化合物にエピハロヒドリン類を反応させることによって得られる。
【0011】
式(2)の化合物は、式(3)
【0012】
【化4】
Figure 2004018569
【0013】
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、平均値を示し、0〜10の正数を表す。Qはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を示す。)で表される高分子化合物を加熱高真空化において分子蒸留することにより得ることができる。
式(3)の化合物は市販品が入手可能である。また、Qが水素原子である式(3)の化合物を分子蒸留して得られた式(2)の化合物を必要によりメタノール、エタノール等の溶媒中に溶解し、これに臭素等のハロゲンを混合することにより、Qがハロゲン原子である式(2)の化合物を得ることもできる。このハロゲン化反応終了後は、通常水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物で過剰のハロゲンを中和する。更には式(3)の化合物でQが水素原子である化合物をこのような手法でハロゲン化して出発原料としてもよい。
【0014】
式(2)の化合物とエピハロヒドリン類との反応に使用されるエピハロヒドリン類としては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン等があるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。この反応は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0015】
例えば式(2)の化合物とエピハロヒドリン類の混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を一括または徐々に添加しながら20〜120℃で1〜20時間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応系内から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ更に分液し水は除去しエピハロヒドリン類は反応系内に連続的に戻す方法
でもよい。
【0016】
上記の方法においてエピハロヒドリン類の使用量は式(2)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜10モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(2)の化合物の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.2モルの範囲である。また、上記反応においてジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を添加することにより加水分解性ハロゲン濃度の低いエポキシ樹脂が得られ、電子材料封止材としての用途に適し、例えば全塩素濃度で1500ppm以下、より好ましくは1000ppm以下であることが好ましい。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリン類の重量に対し5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%の範囲である。また前記の溶媒以外にもメタノール、エタノール等のアルコール類を添加することによっても反応が進み易くなる。またトルエン、キシレン、ジオキサン等も使用することができる。
【0017】
また、式(2)で表される化合物と過剰のエピハロヒドリン類の混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を触媒として使用し、50℃〜150℃で1〜20時間反応させて得られた式(2)の化合物のハロヒドリンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜20時間反応させてハロヒドリンエーテルを閉環させて本発明のエポキシ樹脂を得ることもできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は式(2)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
【0018】
通常、これらの反応物は水洗後、または水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリン類を除去した後、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行う。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は式(2)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0019】
反応終了後副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、さらに加熱減圧下トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去することにより加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂を得ることができる。
【0020】
また、一旦得られた式(1)のエポキシ樹脂を、式(2)の化合物と重合させることにより、nの値の大きい式(1)のエポキシ樹脂を得ることができる。重合は、必要によりトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に式(1)及び式(2)の化合物を溶解し、水酸化ナトリウム、トリフェニルホスフィン、三級アンモニウム塩等の触媒を添加して加熱する事により行う。式(1)と(2)の化合物の使用比率は、通常エポキシ基が当量比で水酸基よりも多くなるように仕込む。
【0021】
以上のように得られたエポキシ樹脂は、式(1)において、全てのXが水素原子であるエポキシ樹脂であるが、更にエピハロヒドリンと2級のアルコール性水酸基を反応を行うことにより、Xの全てないしは一部がグリシジル基である多官能のエポキシ樹脂を得ることができる。
【0022】
その具体的な方法としては、このエポキシ樹脂の2級アルコール性水酸基とエピハロヒドリンとを、DMSO、第4級アンモニウム塩、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは環状エーテル類とアルカリ金属水酸化物の共存下で反応させることにより、エポキシ化をおこなうことができ、更にアルカリ金属水酸化物の量を調節することによりXがグリシジル基である割合を任意に制御することが可能である。
【0023】
DMSOあるいは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、環状エーテル類の使用量は、式(1)で全てのXが水素原子であるエポキシ樹脂に対して5〜300重量%が好ましい。第4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられ、その使用量は式(1)でXが水素原子のエポキシ樹脂の2級アルコール性水酸基1当量に対して0.3〜50gが好ましく、特に0.5〜20gが好ましい。
【0024】
この反応に使用されるエピハロヒドリンとしては、前記と同様にエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリンなどがあるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。その使用量は式(1)で全てのXが水素原子であるエポキシ樹脂の2級アルコール性水酸基1当量に対して1当量以上であることが好ましい。
【0025】
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等が使用できるが水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(1)で全てのXが水素原子であるエポキシ樹脂のエポキシ化させたい2級アルコール性水酸基1当量に対して好ましくは1〜10倍当量、特に好ましくは1〜2倍当量使用すればよい。アルカリ金属水酸化物は固形でも水溶液でもかまわない。また、水溶液を使用する場合は反応中、反応系内の水は常圧下、減圧下に於て反応系外に留去しながら反応を行うこともできる。
【0026】
反応温度は30〜100℃が好ましい。反応終了後、過剰のエピハロヒドリン及び溶剤類を減圧下蒸留回収した後、有機溶剤に樹脂を溶解させ、アルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行うこともできる。一方、反応終了後、水洗分離を行い副生塩及び溶剤類を分離し、油層より過剰のエピハロヒドリン及び溶剤類を減圧下蒸留回収した後、有機溶剤に樹脂を溶解させ、アルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行ってもよい。有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が使用できるが、メチルイソブチルケトンが好ましい。それらは単独もしくは混合系でも使用できる。かくして、式(1)でXの一部ないしは全部がグリシジル基であるエポキシ樹脂が得られる。
こうして得られた本発明のエポキシ樹脂は式(1)においてnが平均値で0〜10の正数を表すが、0〜1のものは低粘度であるため好ましい。
【0027】
以下、上記(3)記載の本発明のエポキシ樹脂につき説明する。
上記(3)の変性エポキシ樹脂(以下、変性エポキシ樹脂)は、一旦得られた式(1)のエポキシ樹脂を、ビスフェノール類と重合させることにより得ることができる。重合は、必要によりトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に式(1)及びビスフェノール類を溶解し、水酸化ナトリウム、トリフェニルホスフィン、三級アンモニウム塩等の触媒を添加して加熱する事により行う。式(1)とビスフェノール類の使用比率は、通常エポキシ基が当量比で水酸基よりも多くなるように仕込む。
この場合に使用されるビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ビフェノール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシフェニルスルフィド、ジヒドロキシフェニルエーテル等が上げられるがこれらに限定されることはない。また、これらは単独でも2種以上併用しても良い。
この反応に際して、2級アルコール性水酸基が生成するが、この水酸基も前述のような方法によりその全てまたは一部をグリシジル化することができる。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の式(1)のエポキシ樹脂または変性エポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用することが出来る。併用する場合、本発明の式(1)のエポキシ樹脂または変性エポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
【0029】
式(1)のエポキシ樹脂または変性エポキシ樹脂と併用されうるエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物においてはシアネートエステル樹脂を含有させても良い。シアネートエステル樹脂の具体例としては、ジシアナートベンゼン、トリシアナートベンゼン、ジシアナートナフタレン、ジシアンートビフェニル、2、2’ービス(4ーシアナートフェニル)プロパン、ビス(4ーシアナートフェニル)メタン、ビス(3,5ージメチルー4ーシアナートフェニル)メタン、2,2’ービス(3,5−ジメチルー4ーシアナートフェニル)プロパン、2,2’ービス(4ーシアナートフェニル)エタン、2,2’ービス(4ーシアナートフェニル)ヘキサフロロプロパン、ビス(4ーシアナートフェニル)スルホン、ビス(4ーシアナートフェニル)チオエーテル、フェノールノボラックシアナート、フェノール・ジシクロペンタジエン共縮合物の水酸基をシアネート基に変換したもの等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、シアネート樹脂を含む場合、必要に応じてシアネート基を三量化させてsym−トリアジン環を形成するために、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、鉛アセチルアセトナート、ジブチル錫マレエート等の触媒を含有させることもできる。触媒は、熱硬化性樹脂組成物の合計重量100重量部に対して通常0.0001〜0.10重量部、好ましくは0.00015〜0.0015重量部使用する。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その好ましい実施態様において硬化剤を含有する。硬化剤としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが使用できる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0033】
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により硬化促進剤を含有する。用いうる硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3アミン系化合物、トリフェニルホスフィン化合物等、公知の硬化促進剤が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
【0034】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて溶融シリカ、結晶シリカ、多孔質シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、フォルステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク等の粉体、またはこれらを球形状あるいは破砕状にした無機充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂などを添加することができる。また、特に半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得る場合、上記の無機充填材の使用量はエポキシ樹脂組成物中、通常80〜92重量%、好ましくは83〜90重量%の範囲である。
【0035】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を所定の割合で均一に混合することにより得られ、通常130〜180℃で30〜500秒の範囲で予備硬化し、更に、150〜200℃で2〜15時間、後硬化することにより充分な硬化反応が進行し、本発明の硬化物が得られる。又、エポキシ樹脂組成物の成分を溶剤等に均一に分散または溶解させ、溶媒を除去した後硬化させることもできる。
【0036】
こうして得られる本発明の硬化物は、耐湿性、耐ハンダリフロー性、低誘電率(低誘電正接)を有する。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐湿性、耐ハンダリフロー性の要求される広範な分野で用いることが出来る。具体的には、絶縁材料、積層板、封止材料等あらゆる電気・電子部品用材料として有用である。又、成形材料、複合材料の他、塗料材料、接着剤等の分野にも用いることが出来る。特に半導体封止においては、耐ハンダリフロー性が有益なものとなる。
【0037】
本発明の半導体装置は前記の本発明のエポキシ樹脂組成物で封止されたもの等の本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有する。半導体装置としては、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定される物ではな
い。また実施例において、エポキシ当量、溶融粘度、軟化点、全塩素濃度は以下の条件で測定した。
Figure 2004018569
【0039】
実施例1
式(2)においてQ=H=水素原子の化合物82重量部、エピクロルヒドリン(ECH、以下同様)278重量部、ジメチルスルホキシド(DMSO、以下同様)55重量部を反応容器に仕込み、加熱、撹拌、溶解後、温度を45℃に保持しながら、反応系内を45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液50重量部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共沸により留出してくるECHと水を冷却、分液した後、有機層であるECHだけを反応系内に戻しながら反応を行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、45℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。ついで水洗を繰り返し、副生塩とジメチルスルホキシドを除去した後、油層から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に220重量部のメチルイソブチルケトンを添加し残留物を溶解させた。このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液3重量部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することによりエポキシ樹脂(E1)107重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E1)のエポキシ当量は236、全塩素濃度は580ppm、溶融粘度0.025Pa・s、軟化点45℃、式(1)におけるn=0.1(平均値)であった。
【0040】
実施例2
式(2) においてQ=H=水素原子の化合物82重量部、メタノール130重量部、水13重量部を反応容器に仕込み、温度を30℃に保持しながら臭素160重量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に30℃で1時間反応を行い、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和後に再び30℃で1時間反応を行った。反応終了後、静置し、分離した水層を系内から除去した。そこへ、ECH231重量部を加え、系内の温度を70℃に保持しながら、フレーク状の水酸化ナトリウム21重量部を1時間かけて添加後、更に1時間同温度で反応を行った。反応終了後、水洗を繰り返し、副生塩とメタノールを除去した後、油層から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に360重量部のメチルイソブチルケトンを添加し残留物を溶解させた。このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液7重量部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することによりエポキシ樹脂(E2)177重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E2)のエポキシ当量は407、溶融粘度0.24Pa・s、軟化点76℃、n=0.1(平均値)であった。
【0041】
実施例3
実施例1で得られたエポキシ樹脂(E1)74重量部に式(2)においてQ=H=水素原子の化合物26重量部を反応容器に仕込み、加熱、撹拌、溶解後、温度を150℃に保持し、トリフェニルホスフィン0.5重量部を添加し、同温度で5時間反応を行ったところ、エポキシ樹脂(E3)99重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E3)のエポキシ当量は699、溶融粘度0.8Pa・s、軟化点80℃、n=2.5(平均値)であった。
【0042】
実施例4
実施例1で得られたエポキシ樹脂(E1)63重量部にテトラブロモビスフェノールA37重量部を反応容器に仕込み、、加熱、撹拌、溶解後、温度を150℃に保持し、トリフェニルホスフィン0.5重量部を添加し、同温度で5時間反応を行ったところ、変性エポキシ樹脂(E4)98重量部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E4)のエポキシ当量は818、溶融粘度1.1Pa・s、軟化点85℃であった。
【0043】
実施例5
実施例1で得られたエポキシ樹脂(E1)81重量部にビスフェノールA18重量部を反応容器に仕込み、、加熱、撹拌、溶解後、温度を150℃に保持し、トリフェニルホスフィン0.5重量部を添加し、同温度で5時間反応を行ったところ、変性エポキシ樹脂(E5)98重量部を得た。得られた変性エポキシ樹脂(E5)のエポキシ当量は645、溶融粘度0.6Pa・s、軟化点68℃であった。
【0044】
実施例6、比較例1〜2
実施例1で得られたエポキシ樹脂(E1)及び比較例としてXD−1000−2L(日本化薬(株)製  エポキシ当量240、軟化点56℃、溶融粘度0.5ポイズ)(以下XD−2L)、YX−4000(油化シェルエポキシ(株)製  エポキシ当量193、軟化点105℃、溶融粘度0.1ポイズ)(以下YX)を使用し、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製  KBM403)、離型剤(東亜化成株式会社製  微粉カルナバ)、三酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂(日本化薬(株)製  BREN−S)、無機充填材としてシリカ((株)龍森製 MSR−2212)を表2に示す割合(重量部)で配合し、2軸ロールにより混練し、粉砕、タブレット化した。その後このタブレットをトランスファー成型により175℃、120秒、70Kg/cm2 の条件で予備硬化して、160℃で2時間、更に180℃で8時間で後硬化させて得られた硬化物を用いて以下の特性を測定した。
・吸水率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した前後の重量増加率(%)
また、前記タブレットでスパイラルフローを以下の条件で測定した。
Figure 2004018569
【0045】
【表1】
Figure 2004018569
【0046】
【発明の効果】
本発明の、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は、はその硬化物において優れた低吸水(低吸湿)性を有する。また、特に式(1)におけるn=0体は低粘度であるため、その組成物において無機充填材をより多く含有させることができるため、硬化物の低吸水性が尚いっそうの向上する。このため、半導体封止材に使用した場合、耐ハンダリフロー性に極めて優れた半導体装置を得ることが出来、その他にも塗料(妨錆塗料等)、接着剤等にも有用である。

Claims (6)

  1. 式(1)
    Figure 2004018569
    (式中、nは平均値を示し、0〜10の正数を表す。Gはグリシジル基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示す。Qはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を示す。Xは水素原子またはグリシジル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂
  2. 式(1)において、nが0〜1の正数である請求項1記載のエポキシ樹脂
  3. 式(1)の化合物とビスフェノール類とを重合させることにより得られる変性エポキシ樹脂
  4. 請求項1、2、3の何れか一項記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物
  5. 請求項4記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
  6. 請求項4記載のエポキシ樹脂組成物を使用した半導体装置
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