JP2004017552A - 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及びプリンタドライバ - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及びプリンタドライバ Download PDF

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木村 隆
Toshihito Kamei
亀井 稔人
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Abstract

【課題】画像品質の向上と高速処理との両立が十分でない場合が生じる。
【解決手段】文字、グラフィックスの画像データが黒色であるときには小ドットを用いたスムージング処理を施し、黒色でないときにはスムージング処理を施さない。
【選択図】 図30

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理方法及び画像処理装置、画像形成装置及びプリンタドライバに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の各種画像記録装置或いは画像形成装置として用いられる例えばインクジェット記録装置は、高速記録可能で、いわゆる普通紙に特別の定着処理を要せずに記録でき、記録時の騒音発生が無視できる程度に小さいことからオフィス用等として注目されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置は、インク液室と、それに連通したノズルが形成されたインクジェットヘッドを用いて、インク液室内のインクに画像情報に応じて、圧力を加えることにより、インク小滴をノズルから飛翔させ、紙やフィルムなどの被記録体にインク滴を付着させて画像を形成する。
【0004】
また、インクジェット記録装置は、ヘッドの構成からは、シリアル型とライン型とがある。シリアル型記録装置は、インクジェットヘッドを紙の幅方向に走査(主走査)しながら画像を形成し、1回または複数回の走査が終了した後に、紙を搬送し次の記録ラインを形成していくものである。一方、ライン型記録装置は、ノズルがほぼ紙の幅方向全域に形成されたインクジェットヘッドを用いて、幅方向への走査は行なわずに、紙を搬送しながら記録していくものである。
【0005】
ライン型記録装置は、被記録体の幅方向の1ラインを一度に形成していくので記録速度が速いという長所がある一方で、ヘッドそのものが大きくなるため装置全体の大きさが大きくなってしまうこと、高解像度の記録を行なうには、ノズルそのものの配列を高密度にする必要があり、ヘッドの製造コストが高くなる。これに対して、シリアル型記録装置は、比較的小さなヘッドで画像を形成していくため、ヘッドコストを含めて装置のコストが安いという長所があり、現在数多くのシリアル型インクジェットプリンタが実用化されている。
【0006】
ところが、インクジェット記録装置において、特に普通紙上に印字した場合には、画像の色再現性、耐久性、耐光性、インク乾燥性、文字滲み(フェザリング)、色境界滲み(カラーブリード)、両面印刷性等、インクジェット記録特有の画質劣化問題が顕在しており、更に、普通紙に対して高速印字しようとした場合には、これら全ての特性を満足して印刷することは極めて難しい課題となっている。
【0007】
この普通紙印刷に伴なうインクジェット記録装置の特有の問題について説明する。
まず、インクとの関係では、通常、インクジェット印刷(記録)に使用されるインクは、水を主成分とし、これに着色剤、及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。ここで、着色剤としては、染料と顔料とがあり、優れた発色性や安定性が得られる点からカラー色部には従来より染料系インクが用いられる場合が多い。
【0008】
しかしながら、染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、耐水性等の堅牢性は着色剤に顔料を利用したものに対して劣るものであり、特に、耐水性については、インク吸収層を有するインクジェット専用記録紙を使用すれば、ある程度の改善を図ることは可能となるが、普通紙を使用した場合には満足の得られるものとはなっていない。
【0009】
そこで、普通紙を使用した場合における上記の染料系インクを使用することによる問題点を改善するために、着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料系インクを普通紙印刷に使用することが行われている。顔料は染料とは異なり水への溶解性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いられる。
【0010】
このような顔料系インクを用いることで、耐光性や耐水性の向上は得られるものの、他の画質特性とを同時に満足することは難しく、特に、普通紙に高速印字しようとした場合には、高い画像濃度、十分な発色性、色再現性等を得ることが困難で、文字滲み、色境界滲み、両面印刷性、インク乾燥性(定着性)等も十分に満足の得られるものとはなっていない。
【0011】
そこで、上記顔料系インクを使用して普通紙上に印字した場合における問題点を解決する目的で、(a)特開平6−171072号公報や(b)特開2000−355159号公報等に開示されている記録方法が提案されている。
【0012】
すなわち、上記(a)の公報には、インクとして顔料と高分子分散剤と樹脂エマルジョンとを含み、100%Duty印字時の記録紙上の単位面積当たりの固形分付着量を適正範囲に調整することにより、顔料インク特有の顔料凝集による印字ムラを紙種に依らず低減させ、印字滲みが無く、印字濃度の高い画質が得られるというインクジェット記録方法が開示されている。
【0013】
また、上記(b)公報には、インク組成物として顔料表面に分散基を有する単独で水性溶媒に分散可能なように表面処理された顔料と、浸透剤とを含ませたインクでもって、記録媒体側への単位面積当たりのインク組成物吐出量を調整することにより、印字画像の不規則な滲み発生を抑え、また吐出されたインク組成物を記録媒体上で素早く乾燥させて、高い印字濃度の確保と、良好な印字画像が得られるというインクジェット記録方法が開示されている。
【0014】
次に、印字速度(記録速度)との関係について説明すると、シリアル型インクジェット記録装置の場合、印字スピード(記録速度)は、画像の解像度、ノズル密度、ドットを形成する駆動周波数、副走査速度などによって決まる。
【0015】
この中でノズル密度はノズル、液室、流路、アクチュエータの加工精度で限界がある。特に、圧力発生手段にピエゾ素子を用いたインクジェットヘッドの場合、ノズルに対応したチャンネルに分割形成するためには、ダイシングなどの機械的な加工もしくは、印刷による薄膜PZTの形成しかなく、半導体プロセスによって形成するサーマルインクジェットヘッドに比べてノズル密度は低くなってしまう。現在のところ、ピエゾ素子を用いたインクジェットヘッドのノズル密度の上限は360dpi程度である。
【0016】
また、印字スピードを向上するためには、印字領域を1回の主走査で形成する打ち方が好ましい。例えば、ノズル密度が300dpiのヘッドを用いて、副走査方向の解像度が300dpiの画像を形成するときは、ヘッドの移動方向(主走査方向)に1回の走査で形成することが可能であるのに対し、600dpiの画像を形成するときには、2回の主走査と1回の副走査(紙搬送)を行ういわゆるインターレス方式により画像を埋める必要があり、当然1回の走査で形成する方法(ノンインターレス方式)の方が画像を形成するスピードは速い。また、主走査方向に対しても、主走査方向の1ラインを形成する方法として、1回の主走査で形成する方法(1パス印字)と、複数回の主走査で形成する方法(いわゆるマルチパス印字)があるが、当然1回の主走査で形成できる1パス印字のほうが印字速度は速くなる。
【0017】
しかしながら、特に、ピエゾ素子を用いたインクジェット記録装置の場合、前述したように、ノズル密度そのものが低密度であるため、記録速度を上げるために1パス・ノンインターレス方式で画像を形成すると、必然的に画像の解像度は低くなってしまう。
【0018】
このように画像密度が低解像度の場合、画質を向上するには、1画素を多値化する方法が採られている。この多値化の方法としては、例えば、1つのドットそのものの大きさを変える方法や、小さなドットを複数吐出して1画素を形成する方法、あるいは、インクそのものの濃度を変える方法などがある。
【0019】
ところが、多値化による高画質化は、写真などのイメージ画像では有効であるが、グラフィックスや文字などではほとんど効果が得られない。これは、文字、グラフィックスの場合、地肌部が埋まるドットサイズ以上が必要であり、小サイズのドットを使用した場合、低濃度の文字、グラフィックス画像となってしまうためである。したがって、文字グラフィックスなどの2値画像では、低解像度特有の問題が生じてしまい、特に、文字の場合には、文字品質が劣化し、読みづらい文字となってしまう。
【0020】
この低解像度特有の問題とインクの特質との関係について詳しく説明すると、インクジェット記録装置の記録画像は、ヘッドの走査方向、及びそれと直交する方向である記録紙の搬送方向にマトリクス状に形成されたドットで表される。
【0021】
ここで、ドット画像として文字を印写したとき、印字する画像の解像度によって、文字の品質は大きく異なる。例えば、同じ大きさの文字を300dpiで印写したときと600dpiで印写したときとでは、文字を構成するドット数が約4倍異なるため、600dpiで印写したときの方が細かいところまで表現でき、当然のことながら文字品質は良くなる。特に、文字の斜線部では、解像度に従って階段状にドットが増えていく(あるいは、減っていく)ので、300dpiで印写したときの方が、ギザギザ(ジャギー)として認識されやすくなる。
【0022】
したがって、文字滲みが生じるインクを使用した場合にはさほど目立たないジャギーの問題が、文字滲みの生じない(少ない)インクを使用した場合には、特に、低解像度記録時に顕著に現れて文字品質を低下させてしまうことになる。
【0023】
このジャギーを低減する方法として、例えば、(c)特許第2886192号公報に記載されたような出力像の品質を改善する像出力方法がある。これは、文字のビットマップ像の中のサンプル・ウインドウのビットパターンと、あらかじめ定められたビットパターンとを比較して、一致した場合に、サンプルウインドウ中の中心画素を小さなドットに修正するものである。また、同様の方法として、(d)特許3029533号公報に記載されたような画像形成装置がある。これは、黒色のドットデータのなかから、画像の輪郭部分を判別し、エッジドット及び黒色ドット以外の印字ドットの大きさを小さくするものである。
【発明が解決しようとする課題】
前述したような顔料系インクを使用した場合の問題点を解決するために提案されている上記(a)、(b)公報に記載されているインクジェット記録方法のうち、まず、上記(a)公報記載のインクジェット記録方法にあっては、普通紙のようなサイズされた紙に対して、その使用するインクの接触角が70°以上と非常に高いため、印字濃度の向上や文字滲みの低減等の改善は見られる。
【0024】
しかしながら、100%Dutyで記録紙上に印字しようとした場合には、単位面積当たりの固形分付着量が数十ng/m程度も必要となり、インク定着性(乾燥性)の面で不具合を発生する。特に、複数枚の紙を重ねて高速印字する場合には、紙間でインク転写による紙汚れ問題が発生するため高速印字は不向きである。
【0025】
また、紙種によっては、100%Duty印字の際に、その高い接触角のためにベタ部や文字部等に紙の地肌の白スジ等が発生してしまう問題を有している。さらに、カラーの色境界部分では、その高い接触角のために隣接に印字されたドット同士の間で液滴状のままカラーブリードの問題が発生しやすくなっている。
【0026】
一方、上記(b)公報記載のインクジェット記録方法にあっては、浸透剤を使用しているためインク乾燥性(定着性)の面で画質的に有利であり、複数枚の紙を重ねて高速印字する場合には紙間でのインク転写による紙汚れ問題が発生しないため高速印字には向いている。
【0027】
しかしながら、インク構成中に浸透剤を使用しているために、普通紙に印字した場合には染料系インクような文字滲み現象が発生し、特に普通紙の場合、紙の深さ方向へもインクが浸透するためインクの裏抜け現象により、普通紙での両面印刷性が不向きな構成となってしまっている。
【0028】
このように、上記何れの公報に記載のインクジェット記録方法にあっても、顔料系インクを使用した普通紙上での高速印字において、全て十分に満足の得られる高い画像品質が得られるとは言い難いという課題がある。
【0029】
一方、上述したような(c)、(d)の公報に記載されているように小さなドットでジャギーを補正するジャギー補正を行う場合、このジャギー補正を高速に実現する方法として、m×nのウインドウによるパターンパッチングを用いることが好ましく、小さなサイズ(通常7×7以下)のウインドウや参照パターンを用いることにより、2値の文字画像にジャギー補正を行うことは高速に実現可能である。
【0030】
ところが、中間調文字や、2次色、3次色文字の場合には、その画像データを0〜255(つまり8bit情報)の多値データとして処理しなければならないため、文字画像の処理速度が低下してしまうという課題が生じる。
【0031】
また、有色の背景の中に文字を形成した場合、小さなドットでジャギー補正を行うと、小さなドットの部分で紙(被記録体)の地肌が見えることになり、一般に白い紙を使用するため、文字の輪郭部に白いふちが生じる(これを「白輪郭」という)ことになり、画像品質が低下するという課題が生じる。
【0032】
さらに、ジャギー補正で本来はドットのない個所(文字画像を形成しないドット位置)に小さなサイズのドットを付加すると、その白抜き文字を作ったときには、付加した小さなサイズのドットの個所まで、白抜きすなわち文字部としてしまうことになり、白抜き文字がそうでない文字に比べて太くなり、画像品質が一定にならないという課題が生じる。
【0033】
また、従来、アンチエイリアシングと呼ばれているスムージング方法がある。しかしながら、この方法は、輪郭を非常に多くの階調でドットを変化させるため、高精度のスムージングができる一方、その処理が非常に複雑で、処理時間を必要とするため、最近のインクジェット記録装置のように高スループットを要求される記録装置には適していない。
【0034】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、小さなドットを用いて画像の輪郭部をスムーズにする処理を行いながら、処理速度の低下を抑制し、或いは、画像品質の低下を抑制する画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及びプリンタドライバを提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る第1の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の色に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0036】
ここで、文字又はグラフィックス画像の色が、黒色のときに第1のモードを選択し、黒色以外のときに第2のモードを選択することが好ましい。また、文字又はグラフィックス画像の色が、1次色のときに第1のモードを選択し、2次色及び3次色のときに第2のモードを選択することが好ましい。
【0037】
本発明に係る第2の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0038】
本発明に係る第3の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の色及び濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0039】
本発明に係る第4の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0040】
本発明に係る第4の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0041】
本発明に係る第5の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色及び濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0042】
本発明に係る第5の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字画像のサイズと、文字画像と隣接する背景の色及び/又は濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成とした。
【0043】
本発明に係る第6の画像処理方法は、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、白抜き文字又は白抜きのグラフィックス画像のときに第2のモードを選択する構成とした。
【0044】
本発明に係る画像処理装置は、本発明に係る画像処理方法を実行する手段を備えている構成とした。
【0045】
本発明に係るプリンタドライバは、本発明に係る画像処理方法を実行するプログラムを含む構成とした。
【0046】
本発明に係る第1の画像形成装置は、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部を形成することでスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードとを有し、文字画像の色に応じて第1のモード又は第2のモードの一方で文字又はグラフィックス画像を形成する構成とした。
【0047】
ここで、文字又はグラフィックス画像の色が黒色のときに第1のモードで画像を形成し、黒色以外のときに第2のモードで画像を形成することが好ましい。また、文字又はグラフィックス画像の色が1次色のときに第1のモードで画像を形成し、2次色及び3次色のときに第2のモードで画像を形成することが好ましい。
【0048】
本発明に係る第2の画像形成装置は、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成する構成とした。
【0049】
本発明に係る第3の画像形成装置は、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成する構成とした。
【0050】
本発明に係る第4の画像形成装置は、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成する構成とした。
【0051】
本発明に係る第5の画像形成装置は、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像が白抜きのときに第2のモードで画像を形成する構成とした。
【0052】
これらの本発明に係る各画像形成装置は、インク滴で画像を形成する装置又は電子写真法で画像を形成する装置とすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一例を示す機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側面説明図である。
【0054】
このインクジェット記録装置装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0055】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側にはヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着している。
【0056】
インクカートリッジ15は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ15からインクをヘッド14内に供給する。
【0057】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0058】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド14としては、後述するように、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板と、この振動板を圧電素子(圧電素子)で変形させるピエゾ型インクジェットヘッドを用いている。
【0059】
ただし、これに限るものではなく、例えば、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板とこれに対向する電極とを備え、静電力で振動板を変形変位させてインクを加圧する静電型ヘッド、圧電素子を用いるものであって振動板の座屈変形を用いるもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のものなどを用いることもできる。
【0060】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0061】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35、36とを配設している。
【0062】
記録時には、キャリッジ13を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を排紙する。
【0063】
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置37は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14をキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0064】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0065】
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃至図7を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの分解斜視説明図、図4は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図5は図4の要部拡大説明図、図6は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図7は同ヘッドのノズル板の平面説明図である。
【0066】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路形成基板(流路形成部材)41と、この流路形成基板41の下面に接合した振動板42と、流路形成基板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45が連通するインク流路である加圧室46、加圧室46に流体抵抗部となるインク供給路47を介してインクを供給する共通液室48を形成し、これらの流路形成基板41のインクに接する面となる加圧室46、インク供給路47、共通液室48を各壁面には有機樹脂膜からなる耐液性薄膜50を成膜している。
【0067】
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して積層型圧電素子52を接合し、この積層型圧電素子42はベース基板53に接合して固定し、この圧電素子52の列の周囲にはスペーサ部材54をベース基板53に接合している。
【0068】
この圧電素子52は、図5にも示すように、圧電材料55と内部電極56とを交互に積層したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると、図5の矢示A方向に伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると矢示A方向と反対方向に収縮するようになっている。ベース基板53及びスペーサ部材54には共通液室48に外部からインクを供給するためのインク供給口49を形成する貫通穴を形成している。
【0069】
また、流路形成基板41の外周部及び振動板42の下面側外縁部をエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したヘッドフレーム57に接着接合し、このヘッドフレーム57とベース基板53とは図示しない部分で接着剤などで相互に固定している。さらに、圧電素子52には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル58を接続し、このFPCケーブル58には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)59を実装している。
【0070】
ここで、流路形成基板51は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、各加圧室56となる貫通穴、インク供給路57となる溝部、共通液室58となる貫通穴をそれぞれ形成している。
【0071】
振動板42はニッケルの金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法で製造している。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部61及び圧電素子52と接合するための厚肉部62を形成するとともに、液室間隔壁に対応する部分にも厚肉部23を形成し、平坦面側を流路形成基板41に接着剤接合し、厚肉部をフレーム17に接着剤接合している。この振動板2の液室間隔壁に対応する厚肉部63とベース基板53との間には支柱部64を介設している。この支柱部64は圧電素子52と同じ構成である。
【0072】
ノズル板43は各加圧液室46に対応して直径10〜30μmのノズル45を形成し、流路形成基板41に接着剤接合している。ここで、複数のノズル45が複数のドット形成手段を構成しており、図7に示すように、ノズル45の列(ノズル列)を主走査方向に対して直交させて配置し、ノズル45、45間のピッチは2×Pnである。また、1つのヘッドにはノズル列を距離Lを隔てて2列、各ノズル列を副走査方向にピッチPnだけずらして千鳥状に配置している。したがって、ピッチPnの画像を1回の主走査及び副走査で形成することができる。
【0073】
このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0074】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、圧電素子52に対して選択的に20〜50Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子52が積層方向に変位して振動板42をノズル45方向に変形させ、加圧液室46の容積/体積変化によって加圧液室46内のインクが加圧され、ノズル45からインク滴が吐出(噴射)される。
【0075】
そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室46内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性によって加圧液室46内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子52への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板42が元の位置に戻って加圧液室46が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、インク供給口49から共通液室48、流体抵抗部であるインク供給路47を経て加圧液室46内にインクが充填される。そこで、ノズル45のインクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のために圧電素子52にパルス電圧を印加しインク滴を吐出させる。
【0076】
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図8を参照して説明する。
この制御部は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュータ(以下、「CPU」と称する。)80と、所要の固定情報を格納したROM81と、ワーキングメモリ等として使用するRAM82と、ホスト側から転送される画像データ(ドットデータ或いはドットパターンデータと称する。)を格納する画像メモリ(ラスデータメモリ)83と、パラレル入出力(PIO)ポート84と、入力バッファ85と、パラレル入出力(PIO)ポート86と、波形生成回路87と、ヘッド駆動回路88及びドライバ89等を備えている。
【0077】
ここで、PIOポート84にはホスト側から画像データなどの各種情報及びデータ、各種センサからの検知信号等が入力され、またこのPIOポート84を介してホスト側や操作パネル側に対して所要の情報が送出される。
【0078】
また、波形生成回路87は、記録ヘッド14の圧電素子52に対して印加する駆動波形を生成出力する。この波形生成回路87としては、後述するように、CPU80からの駆動波形データをD/A変換するD/A変換器を用いることで、簡単な構成で所要の駆動波形を生成出力することができる。
【0079】
ヘッド駆動回路88は、PIOポート86を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、記録ヘッド14の選択されたチャンネルの圧電素子52に対して波形生成回路87からの駆動波形を印加する。さらに、ドライバ89は、PIOポート86を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ17及び副走査モータ27を各々駆動制御することで、キャリッジ13を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ24を回転させて用紙3を所定量搬送させる。
【0080】
この制御部のうちのヘッド駆動制御に係わる部分について図9ないし図11を参照して説明する。なお、図9は同駆動制御に係わる部分のブロック説明図、図10はヘッド駆動回路の一例を示すブロック図、図11は同ヘッド駆動制御に係わる部分の作用説明に供する説明図である。
【0081】
主制御部91は、ホスト側から送られてくる印字データとしてのフォントデータ(ドットデータ)を処理して、ヘッドの並びに対応した縦横変換を行い、また、インク滴を大滴、小滴、非印字の3値を打ち分けるために必要な2ビットの駆動データSDを生成してヘッド駆動回路(ドライバIC)88に出力する。また、ドライバIC88に対しては、この他、クロック信号CLK、ラッチ信号LAT、駆動波形として画像ドットを形成するサイズのドット(大滴)に対応した駆動波形、小滴に対応した駆動波形を選択するための駆動波形選択信号M1〜M3を出力する。さらに、この主制御部91は内部ROM81に格納した駆動波形データを読み出して駆動波形生成回路87に与える。
【0082】
駆動波形生成回路87は、主制御部91から与えられる駆動波形データをD/A変換してアナログ信号として出力するD/Aコンバータ92と、D/Aコンバータ92からのアナログ信号を実際の駆動電圧まで増幅する増幅器93と、増幅出力をヘッドの駆動による電流を十分供給できるように増幅する電流増幅器94とを含み、例えば、図11に示すような1駆動周期内に複数の駆動パルスを含む駆動波形Pvを生成してドライバIC88に与える。
【0083】
このドライバIC(ヘッド駆動回路)88は、図10に示すように、主制御部91からのクロック信号CKによって駆動データSDを取り込むシフトレジスタ95と、シフトレジスタ95のレジスト値をラッチ信号LATでラッチするラッチ回路96と、ラッチ回路96にラッチされた2ビットの駆動データによって駆動波形選択信号M1〜M3(ロジック信号)を選択するデータセレクタ97と、データセレクタ97の出力(ロジック信号)を駆動電圧レベルに変換するレベルシフタ98と、このレベルシフタ98の出力でオン/オフが制御されるトランスミッションゲート99とからなる。このトランスミッションゲート99は、駆動波形生成回路87からの駆動波形Pvが与えられ、記録ヘッド(インクジェットヘッド)14の各ノズルに対応する圧電素子52に接続されている。
【0084】
したがって、このヘッド駆動回路88は、駆動データSDに応じてデータセレクタ97により、駆動波形選択信号M1〜M3の1つが選択され、ロジック信号である選択した駆動波形選択信号M1〜M3をレベルシフタ98により駆動電圧レベルに変換し、トランスミッションゲート99のゲートに与える。
【0085】
これにより、トランスミッションゲート99は選択された駆動波形選択信号M1〜M3の長さに応じてスイッチングされるので、トランスミッションゲート99が開状態になっているチャンネルに対して駆動波形Pvを構成する駆動パルスが印加される。
【0086】
例えば、図11(a)に示すような複数の駆動パルスを含む駆動波形Pvが与えられているとき、期間T0〜T1の間だけ開状態になるトランスミッションゲート99からは同図(b)に示すように1個の駆動パルスが出力されて圧電素子52に印加されるので、吐出される滴の大きさは小滴となる。同様に、期間T0〜T2の間だけ開状態になるトランスミッションゲート99からは同図(c)に示すように2個の駆動パルスが出力されて圧電素子52に印加されるので、吐出される滴の大きさは中滴となる。さらに同様に、期間T0〜T3の間開状態になるトランスミッションゲート99からは同図(d)に示すように5個の駆動パルスが出力されて圧電素子52に印加されるので、吐出される滴の大きさは大滴となる。
【0087】
このよう複数の駆動パルスを含む駆動波形を生成して、圧電素子に印加する駆動パルス数を選択することで、1つの駆動波形から小滴用、中滴用、大滴用の各波形を生成しているので、駆動波形を供給する回路、信号線が1つでよく、コスト低減、回路基板、伝送線の小型化が図れる。
【0088】
次に、このインクジェット記録装置において使用するインクについて説明する。インクジェット記録装置で吐出させるインク液滴は、次の構成(1)〜(10)よりなる印字用インク(記録用インク)(これを「本発明のインク」という。)から液滴として形成されるものである。
【0089】
(1)顔料(自己分散性顔料)6wt%以上
(2)湿潤剤1
(3)湿潤剤2
(4)水溶性有機溶剤
(5)アニオンまたはノニオン系界面活性剤
(6)炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテル
(7)エマルジョン
(8)防腐剤
(9)pH調製剤
(10)純水
【0090】
すなわち、印字(記録)するための着色剤として顔料を使用し、それを分解、分散させるための溶剤とを必須成分とし、更に添加剤として、湿潤剤、界面活性剤、エマルジョン、防腐剤、pH調整剤とを含んでいる。湿潤剤1と湿潤剤2とを混合するのは各々湿潤剤の特徴を活かすためと、粘度調整が容易にできるためである。
【0091】
以下、上記各インク構成要素について、より具体的に説明する。
(1)の顔料に関しては、特にその種類を限定することなく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0092】
本発明のインクの好ましい態様によれば、これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。顔料の粒径は、0.05μmから10μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、最も好ましくは0.16μm以下である。インク中の着色剤としての顔料の添加量は、6〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜12重量%程度である。
【0093】
本発明のインクの好ましく用いられる顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
【0094】
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
【0095】
その他顔料(例えばカーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
【0096】
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであっても良い。
【0097】
本発明のインクの好ましい態様によれば、ブラックインク用の顔料は、顔料を分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調整するのに用いられる公知の分散液を使用することができる。
【0098】
分散液としては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0099】
本発明のインクの好ましい態様によれば、これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、他の効果を失わせない範囲で適宣添加されて良い。分散剤としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
【0100】
着色剤に使用する顔料は、記録用インク全重量に対して6重量%〜20重量%含有し、0.05μm〜0.16μm以下の粒子径の粒子であり、分散剤により水中に分散されていて、分散剤が、分子量5、000から100、000の高分子分散剤である。水溶性有機溶剤が少なくとも1種類にピロリドン誘導体、特に、2−ピロリドンを使用すると画像品質が向上する。
【0101】
(2)〜(4)の湿潤剤1、2と水溶性有機溶剤に関しては、本発明のインクの場合、インク中に水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にし、インクの乾燥を防止するために、また、溶解安定性を向上するため等の目的で、例えば下記の水溶性有機溶剤が使用される。これら水溶性有機溶剤は複数混合して使用してもよい。
【0102】
湿潤剤と水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2、6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;
【0103】
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
【0104】
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
【0105】
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
【0106】
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
【0107】
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
【0108】
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
【0109】
これら有機溶媒の中でも、特にジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0110】
その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0111】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここでn=2〜5の整数を表す。)で表される。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などがあげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
【0112】
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0113】
(5)の界面活性剤に関しても、特に限定はされないが、アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
【0114】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。
【0115】
本発明のインクにおける表面張力は紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが、本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mJ/m以下が好ましく、より好ましくは35mJ/m以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
【0116】
(6)の炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテルに関しては、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する部分的に水溶性のポリオールおよび/またはグリコールエーテルを記録用インク全重量に対してを0.1〜10.0重量%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性および周波数安定性が得られることが分かった。▲1▼2−エチル−1、3−ヘキサンジオール 溶解度:4.2%(20℃) ▲2▼2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオール 溶解度:2.0%(25℃)。
【0117】
25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤は溶解度が低い代わりに浸透性が非常に高いという長所がある。したがって、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のあるインクを作製することが可能となる。
【0118】
(7)本発明のインクには樹脂エマルジョンが添加されている方が好ましい。樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0119】
本発明のインクの好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
【0120】
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと、(メタ)アクリル酸エステルと、場合により(メタ)アクリル酸エステルと、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジョンとなりにくく、また前記範囲を超える場合、インクの耐水性が低下したり、浸透性が悪化する傾向があるので好ましくない。
【0121】
前記エマルジョンの分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0122】
市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製:いずれも商品名)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製:商品名)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製:商品名)、などが挙げられる。
【0123】
本発明のインクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
【0124】
樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
【0125】
(8)〜(10)本発明のインクには上記着色剤、溶媒、界面活性剤の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
【0126】
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0127】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0128】
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0129】
このように、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテル、および水を少なくとも含んでなるインク構成を用いることにより、普通紙上へ印字した場合でも,▲1▼良好な色調(十分な発色性,色再現性を有する)、▲2▼高い画像濃度、▲3▼文字・画像にフェザリング現象やカラーブリード現象のない鮮明な画質、▲4▼両面印刷にも耐え得るインク裏抜け現象の少ない画像、▲5▼高速印刷に適した高いインク乾燥性(定着性)、▲6▼耐光性,耐水性などの高い堅牢性を有した高画質画像を達成することができ、画像濃度、発色性、色再現性、文字にじみ、色境界にじみ、両面印刷性、定着性等を大幅に改善することができる。
【0130】
次に、このインクジェット記録装置で出力する画像データを処理する本発明に係る画像処理方法を実行する手段を含む本発明に係る画像処理装置の一例について図12を参照して説明する。なお、同図は画像処理装置の概要を説明するブロック説明図である。
【0131】
上述したように、上記の画像形成装置(インクジェット記録装置)では、装置内に画像の描画または文字のプリント命令を受けて実際に記録するドットパターンを発生する機能を持たない構成としているので、画像処理装置としてのホスト側のプリンタドライバでドットパターンの画像データを生成してインクジェット記録装置に印字データとして転送する。
【0132】
すなわち、ここでは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置として構成される画像処理装置(以下「ホストコンピュータ」という。)で実行されるアプリケーションソフトなどからのプリント命令は、ホストコンピュータ内にソフトウェアとして組み込まれた本発明に係るプリンタドライバで処理してドットパターンの印字データにラスタライズし、これを画像形成装置に転送する。
【0133】
具体的には、ホストコンピュータ内のCPU(主制御部)101によって実行されるアプリケーションソフト102やオペレーティングシステムからの画像の描画又は文字の記録命令(例えば記録する線の位置と太さと形などを記述したものや、記録する文字の書体と大きさと位置などを記述したもの)を、描画データメモリ103に一時的に保存する。なお、これらの命令は、特定のプリント言語で記述されたものである。
【0134】
そして、この描画データメモリ103に記憶された命令は、ラスタライザ104によって解釈され、線の記録命令であれば、指定された位置や太さ等に応じた記録ドットパターンに変換され、また、文字の記録命令であればホストコンピュータ内に保存されているフォントアウトラインデータ108から対応する文字の輪郭情報を呼びだし指定された位置や大きさに応じて記録ドットパターンに変換されてラスタデータメモリ105に記憶される。
【0135】
このとき、ホストコンピュータは、従来の直交格子を基本記録位置として、記録ドットパターンのデータにラスタライズする。このラスタデータメモリ105に記憶された記録ドットパターン(ドットデータ)が印字データとしてインターフェース106を経由してインクジェット記録装置側へ転送されるものである。
【0136】
このドットデータの生成処理時に、ジャギー補正部(処理)107によって小ドットを用いて文字/及び又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理(ジャギー補正)を施す第1のモードと、このスムージング処理を施さない第2のモードとを有し、後述するように、いずれかのモードを選択してドットデータを生成するようにしている。
【0137】
そこで、本発明に係る画像処理方法における第1のモードと第2のモードついて図13以降をも参照して説明する。
先ず、第2のモードについて図13及び図14を参照して説明する。なお、図13はスムージング処理を施さないドットマトリクスによって形成されたドットデータをそのまま出力して形成した出力文字(300dpi)の一例を示す説明図、図14はその出力文字の斜線部のドット配置を拡大して説明するための説明図である。
【0138】
これらの図から分かるように、スムージング処理を施さない第2モードにおいては、低解像度(例えば300dpi程度)での出力の場合、斜線部に階段状変化部が生じる画像となる。これは、図14に示すように斜線部ではドットが階段状に配置される変化点A、B、Cが生じ、変化点で少なくとも1ドット分の段差が生じるためである。
【0139】
次に、第1のモードの異なる例について図15ないし図20を参照して説明する。
まず、図15ないし図17に示す例は、2つの階段状変化部の間の直線を形成するドットの数が4つの場合(これを「傾き1/4の斜線」と称する。)で小ドットを小滴で形成されるドットとした異なる例を説明するための説明図であり、斜線部のドット配置を示したものである。
【0140】
ここで、図15(a)、(b)は変化点の空白部に小滴を付加することで、文字及び/またはグラフィックスの輪郭部を形成するドットの階段状変化部周辺を、この階段状変化部周辺以外を形成するドットより小さなサイズのドット、すなわち小ドットで形成する例を示している。
【0141】
図16は画像ドットを小滴(小ドット)に置換することで、文字及び/またはグラフィックスの輪郭部を形成するドットの階段状変化部周辺を、この階段状変化部周辺以外を形成するドットより小さなサイズのドットで形成する例を示している。
【0142】
図17(a)、(b)は空白部に小滴を付加した上に更に画像ドットについても小滴(小ドット)に置換することで、文字及び/またはグラフィックスの輪郭部を形成するドットの階段状変化部周辺を、この階段状変化部周辺以外を形成するドットより小さなサイズのドットで形成する例を示している。なお、これらの各図中、ドット内の数字はドット位置を示す符号であるが「D」を省略している(以下同じである。)。
【0143】
より詳しく説明すると、図15(a)の第1例は、変化点(階段状変化部)周辺の空白部(本来空白となるドット)D46、D51の位置に、階段状変化部周辺以外を形成する大滴のドットより小さなサイズの小滴のドットを付加した(空白のドットデータを小滴のドットデータに変換した)例である。これにより、変化点の空白部D46、D51には小滴のドットが印字(形成)される。同図(b)の第2例は、変化点周辺の空白部D45、D46、D51、D52の位置に小滴を付加した例である。これにより、変化点の空白部D45、D46、D51、D52には小滴のドットが印字される。
【0144】
図16の第3例は、変化点を形成し変化点周辺のドットである画像ドットD47、D48、D49、D50そのものを階段状変化部周辺以外を形成する大滴のドットより小さなサイズの小滴のドットに置換した(画像ドットデータを大滴のドットデータから小滴のドットデータに変換した)例である。これにより、変化点の画像ドットD47、D48、D49、D50には小滴のドットが印字される。
【0145】
図17(a)の第4例は、変化点周辺の空白部D45、D46、D51、D52に小滴のドットを付加するとともに、変化点を形成する変化点周辺の画像ドットD47、D50を大滴のドットから小滴のドットに置換した例である。これにより、変化点の空白部2つと画像部1つのドットD45、D46、D47、D50、D51、D52には小滴のドットが印字される。同図(b)の第5例は、同図(b)の第4例に加えて、さらに変化点を形成するドットを2つまで、つまり画像ドットD48、D49をもそれぞれ小滴のドットに変換した例である。
【0146】
次に、図18ないし図20に示す例は、2つの階段状変化部の間の直線を形成するドットの数が4つの場合(これを「傾き1/4の斜線」と称する。)で小ドットを小滴で形成されるドットと中滴で形成されるドットとした異なる例を説明するための説明図であり、斜線部のドット配置を示したものである。
【0147】
先ず、図18の第6例は、第2例と同様に、変化点の空白部D45、D46、D51、D52の位置を小ドットに置換するが、このとき、変化点の空白部D45、D52には小滴の小ドットに置換(付加)し、空白部D46、D51には中滴の小ドットに置換(付加)している。これにより、変化点が第1例の場合に比べてより滑らかに変化することになる。
【0148】
図19の第7例は、前記第3例と同様には、変化点を形成するドット(画像ドット)D47、D48、D49、D50そのものを小ドットに置換するが、このとき、変化点の画像ドットD47、D50は小滴の小ドットに置換し、画像ドットD48、D49は中滴の小ドットに置換している。これにより、変化点が第3例の場合に比べてより滑らかに変化することになる。
【0149】
図20(a)の第8例は、前記第4例と同様に、変化点の空白部D45、D46、D51、D52を小ドットに置換するとともに、変化点を形成するドット(画像ドット)D47、D50そのものを小ドットに置換するが、このとき、変化点の空白部2つのドットD45、D46、D51、D52には小滴の小ドットに置換し、画像ドットD48、D49は中滴の小ドットに置換している。これにより、変化点が前記第4例の場合に比べてより滑らかに変化することになる。また、図20(b)の第9例は、前記第5例と同様に、同図(a)の例に加えて、さらに変化点を形成するドットを2つまで、つまり画像ドットD48、D49をもそれぞれ中滴の小ドットに変換した例であり、これにより、第5例の場合に比べてより滑らかに変化することになる。
【0150】
これらの各例によれば、すべて、変化点の階段状の段差が、小滴のドットを形成することによって低減され、ドットの構成だけからも、比較的滑らかな斜線部が形成される。加えて、インクジェット記録では、インクが紙に着弾後広がるという特性がある。また、普通紙に記録した場合、インクジェットでも染料を主体としたインクを用いた場合にはせっかくドットの構成によりジャギーが改善されても、フェザリングと呼ばれるひげ状のにじみにより、輪郭が凸凹したものとなり改善効果がなくなってしまうのに対して、上述した本発明のインクを用いることで、フェザリング等が低減され、ひげ状のにじみはなくなり、ドットの構成による改善効果が比較的そのまま現れるため、より効果的である。
【0151】
さらに、本発明のインクでは、フェザリングが低減するが、全体的なにじみは多少なり生じることから、周囲のドットとあいまってドット同士の輪郭部が滑らかになり、ジャギーが目立たなくなる傾向がある。そのため、このインクジェット特有の現象、さらには本発明のインク特有の現象により、ジャギーはほとんど目立たない滑らかな斜線部を形成することが可能となる。
【0152】
なお、ここでは、傾き1/4の斜線に関して説明したが、それ以外の傾き、例えば1/3、1/5以下の斜線、さらにはそれらのミラー反転、90度、180度、270度回転した斜線に対しても同様に適用することができる。
【0153】
次に、第1のモードにおけるスムージング処理の一例について図21ないし図23を参照して説明する。
小ドットを付加あるいは小ドットに置換する方法としては、パターンマッチングが優れた方法として用いることができる。図21は、パターンマッチングに用いられるウインドウの例である。ウインドウサイズとしては、横m、縦n(m×n)のサイズである。以下の説明では、図22に示すように、ウインドウサイズがm=5、n=5の場合で説明する。
【0154】
プリンタドライバは、フォントデータをビットマップデータに展開し、このビットマップデータの各ビットについて上述したウインドウ単位でパターンマッチングを実施する。
【0155】
そこで、プリンタドライバが実行するスムージング処理について図23を参照して説明する。
先ず、フォントデータの先頭に注目画素をセットする。そして、注目画素を中心に、ウインドウに相当するフォントデータのビットマップデータを取得する。したがって、取得したビットマップデータは5×5の25ドット分のデータである。
【0156】
その後、パターンマッチングにより、取得したデータとあらかじめ設定していた小ドットを付加あるいは小ドットに置換するパターン(以下、「参照パターン」という。)のデータとを比較し、マッチしたか否かを判別し、取得データのパターンと参照パターンとがマッチした場合に、注目画素を小ドット(小滴のドット又は中滴のドット)のデータに置換(生成)する。
【0157】
そして、マッチしなければそのまま、或いは小ドットのデータ生成後、次の注目画素に移動し、注目画素はデータエンドか否かを判別して、データエンドになるまで、パターンマッチングの処理及びドットデータの置換処理を行う。
【0158】
これらの処理は、1画素を1バイトのデータとして扱ってもよいし、1ビットのデータとして扱っても良い。1バイトのデータとして扱う場合は、25ドット分のデータを表すには25バイト必要であるのに対して、1ビットのデータとして扱う場合は、25ドット分のデータを表すには4バイトのデータ量(注目画素以外のデータのみに対して行う場合は3バイトでよい)で済むので、1ビットのデータとして扱ったほうが、処理するデータ数が小さく、メモリーの節約、処理速度の向上が図れる。
【0159】
ただし、処理過程ではこのように1バイトでの処理、1ビットでの処理のどちらも可能ではあるが、最終的に補正を施した印字データは、大滴、中滴、小滴、なしの4値を表すデータであり、すなわち最低2ビットのデータとなる。文字やグラフィックス画像データのように0(空白)、1(印字データ)の2値の画像情報のときには、いったん0(空白)、255(印字データ)のように変換し、空白データ、フォントを形成するデータそのものを小滴を表すデータ(例えばそれぞれ85)に置換される。
【0160】
このようにしてできた、大滴(255)、中滴(例えば128)、小滴(例えば85)、なし(0)のデータを、それぞれ、2ビットで11、10、01、00に変換することで、印字データが作成できる。
【0161】
また、0と1のまま処理するときには、フォントデータと同じサイズの別のメモリ(小滴データ用メモリ、中滴データ用メモリ)設け、その中の小滴、中滴をつける位置に印字データを表す1を生成し、最終的に各メモリ情報から、2ビットのデータを生成すればよい。
【0162】
インクジェット記録装置の場合、生成できるドットのサイズというのは、それほど多くの種類はなく、一般的には4値、すなわち、「大滴」、「中滴」、「小滴」、「なし」で、多くとも8値が実用的な種類である。これは、ドットのサイズがノズルから吐出するインク滴の体積で決まり、その体積を、温度によるばらつき、駆動周波数によるばらつき(周波数特性)、駆動波形変動によるばらつきなどの各種ばらつき要因をなくして、多段階に精度良く制御することが困難なためである。したがって、プリントドライバで生成される印字データは、4値の場合2ビット、8値でも3ビットの情報でドットの種類を表すことができる。
【0163】
ここで、階段状変化部周辺の空白ドットに小ドットを付加する場合の具体例について図24を参照して説明すると、同図(a)に示す参照パターンWを用いて、同図(b)に示すようにフォントデータのD46を注目画素としたとき、両者のドットのパターンは一致するため、同図(c)に示すように注目画素D46の位置のデータが空白のデータから小ドットのデータに置換される。小ドットとして小滴のドットを用いる場合には、具体的な画像データとしては、小滴を示すデータである01(2ビット)が割り当てられる。マッチしなかった場合、例えばフォントデータのD45が注目画素であったときには、元のフォントデータが空白であるので、空白を示すデータである00(2ビット)が割り当てられる。注目画素が空白のデータである場合のみパターンマッチングを行えば、マッチしない場合は常に空白のデータが割り当てられることになる。
【0164】
また、階段状変化部周辺の画像ドットを小ドットに置換する場合の具体例について図25を参照して説明すると、同図(a)に示す参照パターンWを用いて、同図(b)に示すようにフォントデータのD47を注目画素としたとき、両者のドットのパターンは一致するため、同図(c)に示すように注目画素D47の位置のデータが大滴のデータから小ドットのデータに置換される。小ドットとして小滴のドットを用いる場合には、具体的な画像データとしては、小滴を示すデータである01(2ビット)が割り当てられる。マッチしなかった場合、例えばフォントデータのD46が注目画素であったときには、元のフォントデータが画像であるので、大滴を示すデータである11(2ビット)が割り当てられる。注目画素が画像データである場合のみパターンマッチングを行えば、マッチしない場合は常に大滴のデータが割り当てられることになる。
【0165】
このようにして生成した印字データに基づいて大滴、中滴及び/又は小滴のドットを形成して画像を形成することにより、ジャギーが改善された斜線を形成することができる。
【0166】
ところで、参照パターンとしては、5×5のウインドウ及び参照パターンを用いることにより、変化点を中心に前後2ドットの空白及び画像ドットに対して小ドットに置換するかどうかの判断が可能となる。
【0167】
例えば、図26(a)の参照パターンを用いた場合には、図27の画素位置(ドット位置)D45のドット(データ)を小滴に置換することができる。同様に、図26(b)の参照パターンを用いた場合には、図27の画素位置(ドット位置)D47のドット(データ)を小滴に置換することができる。さらに、図26(c)の参照パターンを用いた場合には、図27の画素位置(ドット位置)D48のドット(データ)を小滴に置換することができる。
【0168】
このように、変化点の前後2ドット分に対して実施可能な理由は、例えば図27に示すパターンにおいて、図中のドット位置Deを注目画素としたときには変化点がウインドウの外になるため、変化点を検出できなくなるからである。これを解消して、ドット位置Deの位置にも小滴を付加する場合には、ウインドウ及び参照パターンを7×7のサイズにすることにより可能となる。すなわち、ウインドウのサイズ、参照パターンのサイズを大きくすることにより、水平あるいは垂直に近い斜線の変化点を検出でき、その傾きに応じた小滴を付加することが可能となり、それらの斜線品質をよりいっそう最適にすることができる。
【0169】
実験によると、前述のような本発明のインクを用いた場合、インクの広がりによる隣接ドットとの凹凸の低減から、7ドット以下の小滴付加でも、十分文字品質の向上が図れることが分かり、また、処理速度も、10PPM以上のスループットを達成することができることが分かった。したがって、ウインドウのサイズとしては、m≦7あるいはn≦7のサイズが好ましい。
【0170】
上述したように、文字画像の斜線部に見られる輪郭が階段状に変化する個所の近傍のドットを、小滴で、あるいは小滴と中滴で形成することで、ジャギーを滑らかにすることができ、これを高速に実現する方法としては、m×nのウインドウによるパターンパッチングで行うことが好ましい。
【0171】
これによって、低解像度のインクジェット記録装置でも文字品質、グラフィックス画像品質を向上することができ、例えば、300dpiの画像でも、450dpiや600dpiと遜色のない文字、グラフィックス画像が得られる。この場合、ドット形成速度が同じであれば、当然印字ドットが少ない300dpiの方が速く印字できる。
【0172】
このように、小ドットを用いたスムージング処理(ジャギー補正)を施すことによって、印字速度と文字、グラフィックスの画像品質とを両立することはできるが、本発明者が径の小さなドットでジャギーを滑らかに補正したさまざまな画像を評価した結果、まだ解決しなければならないことがあることを見出した。
【0173】
その1つ目は、中間調文字や2次色、3次色文字でのジャギー補正による処理速度についてである。上述したように小さなサイズ(通常7×7以下)のウインドウや参照パターンを用いることにより、2値の文字画像にジャギー補正を行うことは高速に実現可能である。ところが、中間調文字や、2次色、3次色文字の場合、その画像データを0〜255(つまり8bit情報)の多値データとして処理しなければならないため、文字画像の処理速度が低下してしまうことになる。
【0174】
2つ目は、有色の背景の中に文字を形成した場合に生じる。すなわち、図28を参照して説明すると、同図(a)はジャギー補正を行わない場合、同図(b)は小さなドットでジャギー補正を行った場合の一例で、背景(背景ドットDb)を例えばイエローのべた画像、文字部(文字ドットDc)を黒のべた画像で形成し、文字のジャギー補正部は小さなサイズのドットDsで形成している。
【0175】
このとき、ジャギー補正を行わない場合には、文字のドットDcと背景のドットDbは同じサイズのドット同士が白抜けなどが生じることなく隣接する。それに比べて、小さなドットDsでジャギー補正を行った場合には、小さなドットDsの部分で紙の地肌が見え、一般に白い紙を使用するため、文字の輪郭部に白いふち(白輪郭)が生じることになる。
【0176】
3つ目は、白抜き文字を形成したときに生じる。すなわち、図29を参照して説明すると、同図(a)はジャギー補正を行わない場合の白抜き文字であり、同図(b)はジャギー補正を行った場合の白抜き文字である。
【0177】
このとき、ジャギー補正を行わない場合には、文字のドットDcrがそのまま抜かれて背景のドットDbrに対して白抜きとなるが、ジャギー補正を行った場合には、文字輪郭の階段状変化部で、本来はドットのない箇所に小さなサイズのドットDsrが付加されることで、その白抜き文字を作ったときには、付加した小さなサイズのドットDsrの個所まで、白抜きすなわち文字部となってしまうため、ジャギー補正を行った場合のほうが、白文字の斜線部が太ってしまうことになる。
【0178】
そこで、スムージング処理を施す場合(第1のモード)とスムージング処理を施さない場合(第2のモード)について比較してみると、文字品質という点では、第1のモードでは、ドットの構成上、ギザギザ(ジャギー)が目立ちやすく、第2のモードでは、ジャギーはほとんど目立たないため、第2のモードで出力する方が極めて優れた文字品質となる。
【0179】
また、文字の処理速度という点で考えると、第1のモードは従前からの文字の処理と何ら変わるところはなく、アプリケーションソフトからの文字情報(ベクトルフォントなど)が文字の濃度に応じてビットマップデータに変換され、ビットマップデータに応じて、中間調処理、インク総量規制等の画像処理が施されて、インクジェットヘッドへの画像信号(駆動データ)となる。そして、この画像信号は、インクジェットヘッドを駆動するための駆動素子(ドライバーIC)に入力され、画像信号に応じて、ドライバーICに形成されたトランスミッションゲートなどのスイッチング素子のON/OFF状態が切り替わって、インクジェットヘッドのアクチュエータ部に駆動電圧が印加されてノズルからインク滴が吐出し、紙に画像が形成される。
【0180】
一方、第2のモードでは、アプリケーションソフトからの文字情報(ベクトルフォントなど)が文字の濃度に応じてビットマップデータに変換されるところで、ジャギーの補正処理を施すことになる。そのため、第1のモードの処理に比べると、ジャギー補正のための処理時間が必要となり、遅くなってしまう。
【0181】
以上からは、文字品質の点では第2のモードを、処理速度の点では第1のモードが優れているといえる。本発明者は、上述したように種々の出力文字を評価した結果、文字品質の向上と高速の処理速度を両立した画像処理方法を見出したものである。以下に、本発明の画像処理方法について説明する。
【0182】
先ず、本発明に係る画像処理方法の第1実施形態について図30を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0183】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その色が黒色か否かを判別して、黒色であるときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0184】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その色が黒色でないとき(黒色以外の色であるとき)には、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0185】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスタデータメモリに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、黒文字や黒のグラフィックス画像(黒の罫線など)は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、黒以外の色文字やカラーのグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然ジャギー補正は施されない。
【0186】
このような画像処理方法により、黒文字、黒のグラフィックス画像のみにスムージング処理が施されることとなる。
【0187】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加し或いは小さなドットに置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の色に基づいて選択するようにしたので、すべての色の文字でスムージング処理を行うときに比べて、処理速度が短縮され、画像形成速度の高速化を図ることができる。
【0188】
また、この画像処理方法で処理した画像データに基づいてインクジェット記録装置で画像を形成することにより、文字、グラフィックス画像に小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うことで、低解像度での記録が可能となり、高速記録を実現した上で、更に色によって、スムージングされた画像を印字するか、されていない画像を印字するかを選択しているので、スムージングのための処理が短縮でき、更なる高速記録が可能となる。
【0189】
特に、顔料、湿潤剤、炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテル、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、水溶性有機溶剤、水を少なくとも含んでなる、顔料濃度が6wt%以上で、かつインク粘度が8cp(25℃)以上のインクを用いることにより、普通紙上へ印字したときの,良好な色調(十分な発色性,色再現性を有する),高い画像濃度,文字・画像にフェザリング現象やカラーブリード現象のない鮮明な画質,両面印刷にも耐え得るインク裏抜け現象の少ない画像,高速印刷に適した高いインク乾燥性(定着性),耐光性,耐水性などの高い堅牢性を実現した上で、更に文字や、グラフィックス画像の輪郭部を形成するドットの階段状変化部周辺を、小さなサイズのドットで形成し、階段状変化部を補正することにより、文字品質、斜線品質がさらに向上した極めて良好な画像を得ることができる。
【0190】
そして、一般的な文書では、白地に黒文字や、黒の罫線が用いられることが極めて多いため、特に、文字、グラフィックス画像の色が黒かどうかで、スムージングするかどうかの選択を行うことにより、一般的に用いられて使用頻度が高い文書で、高速記録と、ジャギー補正による文字品質、グラフィックス画像品質を両立することができるようになる。
【0191】
本発明に係る画像処理方法の第2実施形態について図31を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0192】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その色が1次色か否かを判別して、1次色であるときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0193】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その色が1次色でないとき(2次色、3次色、4次色の色であるとき)には、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0194】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスタデータメモリに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、1次色の文字やグラフィックス画像(Y、M、C、Kの罫線など)は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、黒以外の色文字やカラーのグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然ジャギー補正は施されない。
【0195】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像の色が1次色か、それ以外(2次色、3次色)かによって選択が行われ、1次色の文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。
【0196】
すなわち、文字やグラフィックス画像が、YMCKの時には、スムージング処理を行い、多少なりともRGBであるときには、スムージング処理を施さない。この場合、1次色とそれ以外の色(2次色、3次色)の判別は、YMCKの画像データが、0=無色とすると、どれか1つの色が0以外で残る3色が0であるかどうかを見れば容易に判別できる。
【0197】
これにより、白地に黒文字や、黒の罫線に加えて、さらにY,M,Cの文字、グラフィックスでの選択、すなわち1次色とそれ以外での選択を行うことで、高速記録と、ジャギー補正による文字品質、グラフィックス画像品質を両立できる使用色が増え、より多くの文書を、高速に、高品質に得ることが可能となる。
【0198】
本発明に係る画像処理方法の第3実施形態について図32を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0199】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その濃度が所定値以上か否かを判別して、その濃度が所定値以上であるときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0200】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その濃度が所定値以上でないとき(所定値未満であるとき)には、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0201】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、濃度の濃い文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、濃度の薄い文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然濃度に係りなくジャギー補正は施されない。
【0202】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像の濃度によって選択が行われ、濃度が濃い文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。すなわち、文字やグラフィックス画像が、所定の濃度と同じまたは所定濃度より濃いときには、スムージング処理を施し、所定濃度より薄い時には、スムージング処理を施さない。
【0203】
(実施例1)
この第3実施形態に係る画像処理方法によってスムージング処理を施した文字(第1のモード)と、スムージング処理を施さない文字(第2のモード)、すなわち大滴のみで印字した文字を、次の条件で印字しその文字品質を評価した。この評価結果を表1に示している。
【0204】
ヘッド:384ノズル/色
ノズルピッチ=84μm(300dpi相当)
画像解像度:300dpi
ドットサイズ:大滴120μm、中滴80μm、小滴40μm
文字:MS明朝
フォントサイズ:10、12、20ポイント
文字色:黒
文字濃度:10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%
ジャギー補正方法:図20(b)  参照パターン数=104パターン
印字方法:パス数(1ライン形成するスキャン数)=1、インターレス=なし
紙:出願人 マイペーパTA(商品名)
【0205】
【表1】
Figure 2004017552
【0206】
なお、同表中、
××:ジャギーがかなり目立ち、文字品質劣悪
× :ジャギーが目立ち、文字品質悪
△ :ジャギーは多少目立つ
○ :ジャギーは判別できず、文字品質良好
◎ :ジャギーはまったくわからず、文字品質きわめて良好
を意味している。
【0207】
この結果から、文字やグラフィックスの濃度が薄いときにはスムージングの効果がなく、スムージングをかけないときと略同じ品質となるのに対し、濃度が濃いときにはスムージングをかけないと品質が低下する。したがって、濃度が薄いときにはスムージング処理を施さず、濃度が濃いとき、好ましくは濃度30%以上、特に濃度40%以上では必須でジャギー補正(スムージング処理)を行うことより、すべての文字やグラフィックス画像でジャギー補正を行うときに比べて、処理速度が向上し、しかも文字品質はすべての濃度で高品質が確保できることが分かる。
【0208】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の濃度で選択するようにしたので、すべての色の文字でスムージング処理を行うときに比べて、処理速度が短縮され、画像形成速度の高速化が実現できるようになる。また、ジャギーが目立ちやすく、かつ一般的な文書で使用頻度が高い、濃度の濃い文字や、グラフィックス画像で、ジャギー補正を行うようにしたので、一般的な文書では、2つのモードを混在した文字を作成しても、すべての文字でほとんどジャギーが目立つことがなく、スループットの高速化と、文字品位の向上を両立させることができる。
【0209】
なお、本実施例においては、普通紙に印字したときの例を示したが、コート紙や,光沢紙、OHPフィルムなどに印字するときにも本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。また、これらの紙種によって、ジャギー補正処理を実施する場合と、しない場合とを選択してもよい。
【0210】
また、本実施例では、300dpiで文字を印字した例を示したが、より低解像度の200dpi、150dpiの文字に対しても、文字を構成するドット径が大きくなり、階段状の段差がさらに目立つことから、本実施例が好適に適用でき、その効果も大きくなる。
【0211】
本発明に係る画像処理方法の第4実施形態について図33を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0212】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その色が所定の色(ここでは、「黒色」で説明する。)か否かを判別し、その色が黒色であれば、その濃度が所定濃度以上か否かを判別して、その濃度が所定濃度以上であるときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0213】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その色が黒色でないとき(黒以外の色のとき)、あるいはその濃度が所定濃度以上でないとき(所定濃度未満であるとき)には、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0214】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、黒色であって、濃度の濃い文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、黒色以外の色、あるいは濃度の薄い文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然色や濃度に係りなくジャギー補正は施されない。
【0215】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像の色及び濃度によって選択が行われ、ジャギーが目立ちやすい、黒色のしかも濃度が濃い文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。
【0216】
なお、ここでは「所定の色」を黒色として説明したが、所定の色を1次色として、1次色かそれ以外の色かを判断しても良いし、また、1次色の中でも目立ちやすい黒、マゼンタ、シアンかどうかを判断するようにしてもよい。
【0217】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の色と濃度の両方で選択するようにしたので、ずべての色の文字でスムージング処理を行うときに比べて、処理速度が短縮され、画像形成速度の高速化が実現できる。また、ジャギーが目立ちやすく、かつ一般的な文書で使用頻度が高い、濃度の濃い黒文字や、黒罫線で、ジャギー補正を行うようにすることができ、一般的な文書では、2つのモードを混在した文字を作成しても、すべての文字でほとんどジャギーが目立つことがなく、スループットの高速化と、文字品位の向上を両立させることができる。
【0218】
本発明に係る画像処理方法の第5実施形態について図34を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0219】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その文字やグラフィックス画像に隣接する背景色が所定の色か否かを判別し、背景色が所定の色でないときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0220】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その背景色が所定の色であるときには、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0221】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、背景色が所定の色でない文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、背景色が所定の色である文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然背景色に係りなくジャギー補正は施されない。
【0222】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像と隣接する背景色によって選択が行われ、隣接する背景色が所定の色でない文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。
【0223】
このような画像形成方法により、背景の色とジャギー補正による小滴、中滴が接することで生じる白輪郭の問題がなく、しかも、白地に黒文字といった極めて一般的に用いられる背景と文字との組み合わせのときには、ジャギー補正が施された高品位の文字、グラフィックス画像が得られる。この場合、「所定の色」とは、例えば、黒、青、緑、赤、シアン、マゼンタといった暗い色であり、暗い色が背景色のときにはスムージング処理を施さず、逆に黄色、白地などの明度が高い、明るい色のときにはスムージング処理を施す方がよい。
【0224】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の背景色で選択するようにしたので、ジャギー補正による文字、グラフィックス画像品質の向上と、ジャギーによる白輪郭発生問題の解決を両立し、色付き背景のなかに高品位の文字、グラフィックス画像を形成することが可能となる。
【0225】
次に、本発明に係る画像処理方法の第6実施形態について図35を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0226】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、その背景濃度が所定濃度以上か否かを判別して、その背景濃度が所定濃度以上でないとき(所定濃度未満であるとき)には、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0227】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、その背景濃度が所定濃度以上であるときには、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0228】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、背景濃度の薄い文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、背景濃度の濃い文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然背景濃度に係りなくジャギー補正は施されない。
【0229】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像に隣接する背景の濃度によって選択が行われ、背景濃度が薄い文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。すなわち、文字やグラフィックス画像に隣接する背景濃度が所定の濃度より薄いときには、スムージング処理を施し、所定濃度より濃いときには、スムージング処理を施さない。
【0230】
(実施例2)
この第6実施形態に係る画像処理方法によってスムージング処理を施した文字(第1のモード)と、スムージング処理を施さない文字(第2のモード)、すなわち大滴のみで印字した文字を、次の条件で印字しその文字品質を評価した。この評価結果を表2に示している。
【0231】
ヘッド:384ノズル/色
ノズルピッチ=84μm(300dpi相当)
画像解像度:300dpi
ドットサイズ:大滴120μm、中滴80μm、小滴40μm
文字:MS明朝
フォントサイズ:10ポイント
文字色:黒
背景濃度:10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%
ジャギー補正方法:図20(b)  参照パターン数=104パターン
印字方法:パス数(1ライン形成するスキャン数)=1、インターレス=なし
紙:出願人 マイペーパTA(商品名)
【0232】
【表2】
Figure 2004017552
【0233】
なお、同表中、
×:白輪郭が目立ち、画像品質悪
△:所々に白輪郭の発生は見られるものの、画像品質は許容できるレベル
◎:白輪郭の発生なし
を意味している。
【0234】
この結果からわかるように、白輪郭は濃い背景の中に濃い文字を形成したときに目立ちやすく、画像劣化がおきやすい。一方、ジャギー補正を行わない文字を見ると、背景が濃い方がジャギーそのものはわかりにくく、背景が薄いほうが目立つことが分かる。
【0235】
したがって、背景の濃度に応じて補正(スムージング処理)を行うモードと行わないモードで印字することで、ジャギー補正による文字品質向上と、白輪郭の発生問題の解決を両立した画像形成を行うことができる。
【0236】
具体的には、背景の濃度が好ましくは50%以上、最適には90%以上のときにはジャギー補正を行わないで、それ以下のときにジャギー補正を行うようにすることで、白輪郭の発生とジャギー補正による文字品位の向上を両立できる。
【0237】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の背景の濃度で選択して画像形成するようにしたので、ジャギー補正による文字、グラフィックス画像品質の向上と、ジャギーによる白輪郭発生問題の解決を両立し、色付き背景のなかに高品位の文字、グラフィックス画像を形成することができる。特に、背景の濃度として、白輪郭が目立ち、逆にジャギーは目立ちにくい濃い背景のときの白輪郭の発生がなくなり、スムージングによる文字品位、グラフィックス画像品質の向上と、白輪郭の低減を両立できる。
【0238】
次に、本発明に係る画像処理方法の第7実施形態について図36を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0239】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、隣接する背景色が所定の色、例えば黒、青、赤、緑、シアン、マゼンタか否かを判別し、背景色が所定の色でなければ、更にその背景濃度が所定濃度以上か否かを判別して、その背景濃度が所定濃度以上でない(所定濃度未満である)ときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0240】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、隣接する背景色が所定の色、例えば黒、青、赤、緑、シアン、マゼンタであるとき、あるいは所定の色でないが、その背景濃度が所定濃度以上であるときには、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0241】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、所定の背景色でなく、背景濃度の薄い文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、所定の色である背景色或いは背景濃度の濃い文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然背景色や背景濃度に係りなくジャギー補正は施されない。
【0242】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像に隣接する背景の色及び濃度によって選択が行われ、背景色が所定の色でなく、背景濃度が薄い文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施される。すなわち、文字やグラフィックス画像に隣接する背景色が所定の色でなく、背景濃度が所定の濃度より薄いときには、スムージング処理を施し、背景色が所定の色であったり、背景濃度が所定濃度より濃いときには、スムージング処理を施さない。
【0243】
(実施例3)
色と濃度を変えた背景の中の黒文字を用いて、この第7実施形態に係る画像処理方法によってスムージング処理を施した文字(第1のモード)と、スムージング処理を施さない文字(第2のモード)、すなわち大滴のみで印字する文字を、次の条件で印字し、その文字品質(白輪郭の発生)を評価した。この評価結果を表3に示している。なお、黒100%背景に黒文字は文字として見えないはずであるため、べた画像となるかどうかで判断した。
【0244】
ヘッド:384ノズル/色
ノズルピッチ=84μm(300dpi相当)
画像解像度:300dpi
ドットサイズ:大滴120μm、中滴80μm、小滴40μm
文字:MS明朝
フォントサイズ:10ポイント
文字色:黒
背景色:Y、M、C、K、R、G、B、白
背景濃度:10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%
ジャギー補正方法:図20(b)  参照パターン数=104パターン
印字方法:パス数(1ライン形成するスキャン数)=1、インターレス=なし
紙:出願人 マイペーパTA(商品名)
【0245】
【表3】
Figure 2004017552
【0246】
なお、同表中、
×:白輪郭が目立ち、画像品質悪
△:所々に白輪郭の発生は見られるものの、画像品質は許容できるレベル
◎:白輪郭の発生なし
を意味している。
【0247】
この結果より、濃度の値としては、具体的には、背景の濃度が好ましくは50%以上、最適には90%以上のときにはジャギー補正を行わないで、それ以下のときにジャギー補正を行うようにすることで、白輪郭の発生とジャギー補正による文字品位向上を両立できることが分かる。
【0248】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像の背景の色と濃度で選択して画像形成するようにしたので、ジャギー補正による文字、グラフィックス画像品質の向上と、ジャギーによる白輪郭発生問題の解決を両立し、色付き背景のなかに高品位の文字、グラフィックス画像を形成することが可能となる。特に、背景の色とその濃度で選択することで、白輪郭が目立ち、逆にジャギーは目立ちにくい黒や、青、シアンなどの濃い背景のときの白輪郭の発生がなくなり、スムージングによる文字品位、グラフィックス画像品質の向上と、白輪郭の解決が両立できる。
【0249】
次に、本発明に係る画像処理方法の第8実施形態について図37を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字の画像データであるか否かを判別する。
【0250】
そして、取得した画像データが文字の画像データであるときには、文字サイズが所定サイズ以上か否かを判別し、文字サイズが所定サイズ以上であれば、更に隣接する背景色が所定の色、例えば黒、青、赤、緑、シアン、マゼンタか否かを判別し、背景色が所定の色でなければ、更にその背景濃度が所定濃度以上か否かを判別して、その背景濃度が所定濃度以上でない(所定濃度未満である)ときには、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0251】
これに対して、取得した画像データが文字の画像データでないとき、および、画像データが文字の画像データであるが、文字サイズが所定サイズ以上でないとき、あるいは、隣接する背景色が所定の色、例えば黒、青、赤、緑、シアン、マゼンタであるとき、若しくは背景色が所定の色でないが、その背景濃度が所定濃度以上であるときには、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0252】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、所定の文字サイズより小さく、所定の背景色でなく、背景濃度の薄い文字画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、所定の色である背景色或いは背景濃度の濃い文字などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然背景色や背景濃度に係りなくジャギー補正は施されない。
【0253】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字サイズ、文字画像に隣接する背景の色及び濃度によって選択が行われ、文字サイズが所定サイズ以上の文字で、背景色が所定の色でなく、背景色の濃度が薄い文字のみにスムージング処理が施される。すなわち、文字サイズが所定サイズ以上で、文字画像に隣接する背景色が所定の色でなく、背景濃度が所定の濃度より薄いときには、スムージング処理を施し、文字サイズが小さかったり、背景色が所定の色であったり、背景濃度が所定濃度より濃いときには、スムージング処理を施さない。
【0254】
(実施例4)
色と濃度を変えた背景にフォントサイズを変えた黒文字を用いて、この第8実施形態に係る画像処理方法によってスムージング処理を施した文字(第1のモード)と、スムージング処理を施さない文字(第2のモード)、すなわち大滴のみで印字する文字を、次の条件で印字し、その文字品質(白輪郭の発生)を評価した。この評価結果を表4及び表5に示している。なお、黒100%背景に黒文字は文字として見えないはずであるため、べた画像となるかどうかで判断した。
【0255】
ヘッド:384ノズル/色
ノズルピッチ=84μm(300dpi相当)
画像解像度:300dpi
ドットサイズ:大滴120μm、中滴80μm、小滴40μm
文字:MS明朝
フォントサイズ:6、10、12、20、40ポイント
文字色:黒
背景色(濃度100%):Y、M、C、K、R、G、B、白
背景濃度(背景青色):10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%
ジャギー補正方法:図20(b)  参照パターン数=104パターン
印字方法:パス数(1ライン形成するスキャン数)=1、インターレス=なし
紙:出願人 マイペーパTA(商品名)
【0256】
【表4】
Figure 2004017552
【0257】
なお、同表中、
×:白輪郭が目立ち、画像品質悪
△:所々に白輪郭の発生は見られるものの、画像品質は許容できるレベル
◎:白輪郭の発生なし
を意味している。
【0258】
【表5】
Figure 2004017552
【0259】
なお、同表中、
×:白輪郭が目立ち、画像品質悪
△:所々に白輪郭の発生は見られるものの、画像品質は許容できるレベル
◎:白輪郭の発生なし
【0260】
この結果より、フォントサイズとしては、6ポイント以下では、補正をかけない方がよく、それより大きなサイズのときには、ジャギー補正を行ったほうがよい。また、背景の色が、黄色や白地のときには、フォントサイズに係らず、ジャギー補正を行ったほうがよい。これは、背景が明るいために、白輪郭が目立たないためである。また、濃度の値としては、濃度80%より薄いときには、フォントサイズに係らずジャギー補正をかけることで、文字品位の向上と白輪郭問題の解決を両立することができる。
【0261】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字のフォントサイズと、背景の色または濃度で選択して画像形成するようにしたので、ジャギー補正による文字品質の向上と、ジャギーによる白輪郭発生問題の解決を両立し、色付き背景のなかに高品位の文字を形成することが可能となる。特に、本発明者らの評価から、文字のフォントサイズが小さいときに白輪郭により文字が読みにくくなり、一方ジャギー補正をしたときと、しないときの差は小さいフォントではほとんどないことが判明し、小さいフォントでは補正を行わないで文字を形成するようにしたので、小さいフォントサイズでも、白輪郭の発生がなく、スムージングによる文字品位の向上と、白輪郭の解決が両立できる。
【0262】
次に、本発明に係る画像処理方法の第9実施形態について図38を参照して説明する。
まず、アプリケーションソフト等で作成された画像データを取得し、この画像データが文字、グラフィックスの画像データであるか否かを判別する。
【0263】
そして、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データであるときには、白抜きか否かを判別する。白抜きかどうかは、文字やグラフィックス画像のYMCKの各色の画像データ、あるいはRGBの各色の画像データが白を表すデータかどうかを見れば良い。例えば、YMCKの画像データで、0が白、255が各色の100%濃度を表すとき、全色0であれば、白抜きと判断できる。
【0264】
このとき、白抜きでなければ、前述したようなジャギー補正処理を行って、文字やグラフィックス画像の情報(ベクトル情報など)を大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0265】
これに対して、取得した画像データが文字やグラフィックスの画像データでないとき、および、画像データが文字やグラフィックスの画像データであるが、白抜きであるときには、いずれも、ジャギー補正を行わないで、従前通りのビットマップデータに変換され、中間調処理やインク総量規制処理を経て、大、中、小滴によるドットの情報を有する印字データに変換する。
【0266】
そして、それぞれで作成された印字データは、文字やグラフィックス以外の画像の印字データと合成されラスターデータメモリーに格納され、記録装置に送られる。記録装置では、入力された印字データに基づいて、白抜き以外の文字やグラフィックス画像は、スムージング処理であるジャギー補正を施した画像が記録紙に印字され、白抜きの文字やグラフィックス画像などはジャギー補正の施されていない画像が印字される。写真画像などの文字やグラフィックス画像以外の画像は、当然ジャギー補正は施されない。
【0267】
このように、ここでは、第1のモードと第2のモードのいずれのモードとするかは、文字やグラフィックス画像が白抜きか否かによって選択が行われ、白抜きでない文字やグラフィックス画像のみにスムージング処理が施され、白抜きの文字やグラフィックス画像にはスムージング処理が施されない。
【0268】
本発明者は、黒、青の背景に対し、ジャギー補正を行った白抜き文字と行わない白抜き文字を作成して、その斜線部の太りを評価した結果、ジャギー補正を行った場合の白抜き文字が太るという現象が見られた。また、ジャギーについては、周りの背景部がべた画像であることから、インク付着量がおおく、そのため、白抜きの文字内にも若干入り込んでくるため、階段状変化部が滑らかにならされ、補正なしの場合でも、ジャギーは十分とはいえないまでも、改善されることが判明した。したがって、白抜き文字の場合には、ジャギー補正を行わないことで、文字太りのない、しかもジャギーの改善された白抜き文字を得ることができる。
【0269】
このように、ドットマトリクスで画像を形成するとき、文字やグラフィックス画像の斜線部で現れる階段状変化部に、小さなドットを付加、置換することでスムージングを行うモードと、これを行わないモードを、文字、グラフィックス画像が白抜きかどうかで選択して画像形成するようにしたので、ジャギー補正による文字、グラフィックス画像品質の向上と、ジャギーによる白抜き時の文字太りの解決を両立し、ジャギー補正による通常の文字、グラフィックス画像での品質の向上と、白抜き文字、白抜きのグラフィックス画像の高品質化を両立することができる。
【0270】
以上の各実施例形態におけるスムージング処理(=ジャギー補正処理)は、パーソナルコンピュータ(PC)に搭載したプリンタドライバで行った。これは、最近のPCなどの情報処理装置のCPU性能の向上により、インクジェット記録装置内で処理するより速くなる可能性があることから、好ましい方法といえる。したがって、この画像処理方法を実現したプログラムを含むプリンタドライバを、CDや、フレキシブルディスクなどの記憶媒体に記憶し、必要に応じてPCにインストールすることで、高速処理と、スムージング処理が可能なシステムを提供することが可能となる。
【0271】
また、本発明に係る画像処理方法を実現するプログラムをプリンタドライバとしてではなく、例えばインクジェット記録装置内に搭載してもよい。この場合、その実現方法は、インクジェット記録装置のROMなどの記憶手段にプログラムとして本発明に係る画像処理を行うプログラムを記憶しておき、CPUで本発明の各処理を行うようにすればよい。
【0272】
この実施形態について、図39を参照して簡単に説明すると、このインクジェット記録装置300は、記録装置全体の制御を司るCPU(主制御部)301と、各種プログラム及び前記パターンマッチングを行うための参照パターン、上記画像処理のためのプログラムなどを格納したROM302とでフォームウエアを構成し、ホスト(PC)200のアプリケーションソフト201によって与えられる文字コードデータなどの印字データ等を描画データメモリ304に格納する。
【0273】
そして、この描画データメモリ303に記憶されたデータは、ラスタライザ304によって解釈され、線の記録命令であれば、指定された位置や太さ等に応じた記録ドットパターンに変換され、また、文字の記録命令であればフォントデータ308から対応する文字の輪郭情報を呼びだし指定された位置や大きさに応じて記録ドットパターン(ビットマップデータ)に変換してラスタデータメモリ305に記憶する。
【0274】
このとき、CPU301は、ビットマップデータから輪郭部の階段状変化部の検知を行って、前述した画像処理を実行することで、参照パターンを用いて、階段状変化部周辺を、階段状変化部以外を形成するドットよりも小さなサイズのドットのデータに変換するスムージング処理を施す第1のモードと、スムージング処理を施さない第2のモードのいずれかで、記録ドットパターンを作成する。
【0275】
そして、ラスタデータメモリ305に記憶された記録ドットパターン(ドットデータ)をプリンタエンジン310に出力して、インクジェットヘッドの圧力発生手段の駆動、主走査、副走査を行って画像を記録する。
【0276】
なお、ここでは、CPUを用いたソフトウエア(プログラム)で階段状段差部の検知とドットデータの変換を行ったが、ハードウエアのみで実現することも可能である。
【0277】
このようにインクジェット記録装置側でビットマップ展開と画像処理とを行うことで、ホストとインクジェット記録装置間のデータ転送がビットマップデータを用いないので高速になり、スループット向上が図れる。
【0278】
また、本発明の画像形成方法をハードウエーで実現することもでき、それをインクジェット記録装置内に実装することもできる。
【0279】
さらに、上記説明では、全て、画像形成装置がインクジェット記録装置である例で説明したが、電子写真方を用いて画像を形成する画像形成装置の場合も、画像はドットマトリクスで形成されることから、文字やグラフィックス画像では、同様のジャギーが発生する。これに対しても、本発明は極めて好適に作用し、同様の効果を得ることができる。
【0280】
また、CRTや、液晶ディスプレーなどの表示装置でも、そこに表示される画像はドットマトリクスで形成されることから、文字やグラフィックス画像では、同様のジャギーが発生する。これに対しても、本発明は極めて好適に作用し、同様の効果を得ることができる。
【0281】
ここで、電子写真方法を用いた画像形成装置の一例について図40及び図41を参照して簡単に説明する。なお、図40は画像形成装置の概略構成図、図42は同画像形成装置を構成するプロセスカートリッジの概略構成図である。
【0282】
この画像形成装置440は、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の4色でフルカラー画像を形成するレーザプリンタの一例であり、各色用の画像信号に応じたレーザビームを出射する4つの光書き込み装置442M、442C、442Y、442Bkと、作像用の4つのプロセスカートリッジ441M、441C、441Y、441Bkと、画像が転写される記録用紙を収納する給紙カセット443と、給紙カセット443から記録用紙を給紙する給紙ローラ444と、記録用紙を所定のタイミングで搬送するレジストローラ445と、記録用紙を各プロセスカートリッジの転写部に搬送する転写ベルト446と、記録用紙に転写された画像を定着する定着装置449と、定着後の記録用紙を排紙トレイ451に排紙する排紙ローラ450等を備えた構成となっている。
【0283】
4つのプロセスカートリッジ441M、441C、441Y、441Bkの構成は同じであり、図41に示すように、各プロセスカートリッジ441は、ケース内に像担持体であるドラム状の感光体452と、帯電ローラ453と、現像器454と、クリーニングブレード459等を一体に備えている。
【0284】
また、現像器454内には、トナー供給ローラ、帯電ローラ、静電搬送基板457、トナー戻しローラ458が設けられており、各色のトナーが収納されている。また、プロセスカートリッジ441の背面側には、光書き込み装置からのレーザビームが入射される窓口となるスリット460が設けられている。
【0285】
各光書き込み装置442M、442C、442Y、442Bkは、半導体レーザ、コリメートレンズ、ポリゴンミラー等の光偏向器、走査結像用光学系等から構成され、装置外部のパーソナルコンピュータ等のホスト(画像処理装置)から入力される各色用の画像データに応じて変調されたレーザビームを出射し、各プロセスカートリッジ441M、441C、441Y、441Bkの感光体452上を走査し、静電荷像(静電潜像)を書き込む。
【0286】
そして、画像形成が開始されると、各プロセスカートリッジ441M、441C、441Y、441Bkの感光体452が帯電ローラ453で均一に帯電され、各光書き込み装置442M、442C、442Y、442Bkから画像データに応じたレーザビームが照射されて各感光体上に各色の静電潜像が形成される。感光体452上に形成された静電潜像は、現像器454の静電搬送基板457で静電搬送された各色のトナーにより現像され顕像化される。感光体452と静電搬送基板457の対向部間にパスル状の現像バイアスが印加され、感光体452上の静電潜像が、静電搬送基板457で搬送されて来たトナーによりホッピング現象される。また、現像に供されなかったトナーは静電搬送基板457で搬送されてトナー戻しローラ458に戻される。
【0287】
各441Bk、441Y、441C、441Mの各色の画像形成に同期して、供給カセット443内の記録用紙が供給ローラ444で給紙され、レジストローラ445により所定のタイミングで転写ベルト446に向けて搬送される。そして、記録用紙は転写ベルト446に担持されて4つのプロセスカートリッジ441Bk、441Y、441C、441Mの感光体に向けて順次搬送され、各感光体上のBk、Y、C、Mの各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。4色のトナー像が転写された記録用紙は、定着ベルト447と加圧ローラ448からなる定着装置449に搬送され、4色のトナー像からなるカラー画像が定着されて排紙トレイ451に排紙される。
【0288】
この画像形成装置においては、図42(a)〜(c)に示すように、各光書き込み装置442M、442C、442Y、442Bkから出射するレーザビームのオン時間又はオフ時間を変化させることによってドットサイズを変化させることができる。
【0289】
したがって、前述したように画像処理装置側或いは画像形成装置側で、画像のうち少なくとも文字及び/またはグラフィックスの輪郭部を形成するドットの階段状変化部周辺を、この階段状変化部周辺以外を形成するドットより小さなサイズのドットで形成し或いはドットデータに変換するスムージング処理を行う第1のモードと、これを行わない第2のモードを選択するようにすればよい。
【0290】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1ないし第3の画像処理方法によれば、スムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の色、濃度或いは色及び濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかを選択する構成としたので、高速処理で高品位画像を出力できるようになる。
【0291】
本発明に係る第4ないし第7の画像処理方法は、スムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色、背景の濃度、背景の色及び濃度、文字画像のサイズと、文字画像と隣接する背景の色及び/又は濃度、或いは白抜きか否かに基づいて第2のモードを選択する構成としたので、白輪郭を低減し、高品位画像を出力できるようになる。
【0292】
本発明に係る画像処理装置によれば、本発明に係る画像処理方法を実行する手段を備えているので、高速処理で高品位画像を出力でき、あるいは、白輪郭を低減し、高品位画像を出力できる。
【0293】
本発明に係るプリンタドライバによれば、本発明に係る画像処理方法を実行するプログラムを含む構成としたので、高速処理で高品位画像を出力でき、あるいは、白輪郭を低減し、高品位画像を出力できる。
【0294】
本発明に係る第1及び第3の画像形成装置によれば、スムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードとを有し、文字画像の色或いは濃度に基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成する構成としたので、高速処理で高品位画像を形成できる。
【0295】
本発明に係る第3ないし第5の画像形成装置によれば、スムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色、背景の濃度、白抜きか否かに基づいて基づいて第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成する構成としたので、白輪郭を低減し、高品位の画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの一例を示す分解斜視説明図
【図4】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図5】図4の要部拡大説明図
【図6】同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図
【図7】同ヘッドのノズル板の平面説明図
【図8】同記録装置の制御部の概要を説明するブロック図
【図9】同制御部のヘッド駆動制御に係わる部分のブロック説明図
【図10】図9のヘッド駆動回路の一例を示すブロック図
【図11】同ヘッド駆動制御に係わる部分の作用説明に供する説明図
【図12】本発明に係る画像処理方法を実現するプログラムを含む本発明に係るプリンタドライバを搭載した本発明に係る画像処理装置となるホスト側の構成の一例を説明するブロック図
【図13】第1のモードでの出力結果を説明する説明図
【図14】同出力例における斜線部のドット配置を示す図
【図15】第2のモードの第1例及び第2例の説明に供する説明図
【図16】同じく第3例の説明に供する説明図
【図17】同じく第4例及び第5例の説明に供する説明図
【図18】同じく第6例の説明に供する説明図
【図19】同じく第7例の説明に供する説明図
【図20】同じく第8例及び第9例の説明に供する説明図
【図21】スムージング処理でのパターンマッチングに用いられるウインドウの説明に供する説明図
【図22】ウインドウサイズの説明に供する説明図
【図23】パターンマッチング処理(スムージング処理)の一例の説明に供するフロー図
【図24】同処理の具体的説明に供する説明図
【図25】同処理の具体的説明に供する説明図
【図26】パターンマッチング処理の説明に供する参照パターンの異なる例を説明する説明図
【図27】パターンマッチング処理を行った場合のドットデータの変換の説明に供する説明図
【図28】白輪郭の発生の説明に供する説明図
【図29】文字太りの説明に供する説明図
【図30】本発明に係る画像処理方法の第1実施形態の説明に供するフロー図
【図31】本発明に係る画像処理方法の第2実施形態の説明に供するフロー図
【図32】本発明に係る画像処理方法の第3実施形態の説明に供するフロー図
【図33】本発明に係る画像処理方法の第4実施形態の説明に供するフロー図
【図34】本発明に係る画像処理方法の第5実施形態の説明に供するフロー図
【図35】本発明に係る画像処理方法の第6実施形態の説明に供するフロー図
【図36】本発明に係る画像処理方法の第7実施形態の説明に供するフロー図
【図37】本発明に係る画像処理方法の第8実施形態の説明に供するフロー図
【図38】本発明に係る画像処理方法の第9実施形態の説明に供するフロー図
【図39】本発明に係るインクジェット記録装置の制御部の一例の説明に供するブロック図
【図40】電子写真方法を用いる画像形成装置の概略構成図
【図41】同画像形成装置のプロセスカートリッジの概略構成図
【図42】ドットサイズの変更の説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、87…駆動波形生成回路、88…ヘッド駆動回路、91…主制御部、107…ジャギー補正部。

Claims (20)

  1. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の色に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項1に記載の画像処理方法において、前記文字又はグラフィックス画像の色が、黒色のときに前記第1のモードを選択し、黒色以外のときに前記第2のモードを選択することを特徴とする画像処理方法。
  3. 請求項1に記載の画像処理方法において、前記文字又はグラフィックス画像の色が、1次色のときに前記第1のモードを選択し、2次色及び3次色のときに前記第2のモードを選択することを特徴とする画像処理方法。
  4. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  5. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の色及び濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  6. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  7. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  8. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色及び濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  9. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字画像のサイズと、文字画像と隣接する背景の色及び/又は濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかを選択することを特徴とする画像処理方法。
  10. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理方法において、大きさの異なる複数のドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、白抜き文字又は白抜きのグラフィックス画像のときに前記第2のモードを選択することを特徴とする画像処理方法。
  11. 複数のドットからなる画像を出力するための画像データを処理する画像処理装置において、前記請求項1ないし10のいずれかに記載の画像処理方法を実行する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  12. 複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置用の画像データを処理するプリンタドライバにおいて、前記請求項1ないし10のいずれかに記載の画像処理方法を実行するプログラムを含むことを特徴とするプリンタドライバ。
  13. 少なくとも2種類の大きさのドットを形成でき、被記録体の上に複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置において、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部を形成することでスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードとを有し、文字画像の色に応じて前記第1のモード又は第2のモードの一方で文字又はグラフィックス画像を形成することを特徴する画像形成装置。
  14. 請求項13に記載の画像形成装置において、前記文字又はグラフィックス画像の色が黒色のときに前記第1のモードで画像を形成し、黒色以外のときに前記第2のモードで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13に記載の画像形成装置において、前記文字又はグラフィックス画像の色が1次色のときに前記第1のモードで画像を形成し、2次色及び3次色のときに前記第2のモードで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  16. 少なくとも2種類の大きさのドットを形成でき、被記録体の上に複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置において、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像の濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  17. 少なくとも2種類の大きさのドットを形成でき、被記録体の上に複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置において、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の色に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  18. 少なくとも2種類の大きさのドットを形成でき、被記録体の上に複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置において、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像と隣接する背景の濃度に基づいて前記第1のモードと第2のモードのいずれかで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  19. 少なくとも2種類の大きさのドットを形成でき、被記録体の上に複数のドットからなる画像を形成する画像形成装置において、小さなサイズのドットにより文字及び/又はグラフィックス画像の輪郭部にスムージング処理を施す第1のモードと、該スムージング処理を施さない第2のモードを有し、文字又はグラフィックス画像が白抜きのときに前記第1のモードで画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項13ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、この画像形成装置はインク滴で画像を形成する装置又は電子写真法で画像を形成する装置であることを特徴とする画像形成装置。
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