JP2003266668A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003266668A
JP2003266668A JP2002073974A JP2002073974A JP2003266668A JP 2003266668 A JP2003266668 A JP 2003266668A JP 2002073974 A JP2002073974 A JP 2002073974A JP 2002073974 A JP2002073974 A JP 2002073974A JP 2003266668 A JP2003266668 A JP 2003266668A
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JP2002073974A
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Mikio Ohashi
幹夫 大橋
Hitoshi Arita
均 有田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙に対する画像品質が十分でない。 【解決手段】 少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭
素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水
を含み、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で
印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が5〜
40[g/m]の範囲内になるインク滴を吐出させて
画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズル
と、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力
室、加圧液室、液室等とも称される。)と、このインク
流路内のインクを加圧する駆動手段とを備えたインクジ
ェットヘッドを搭載したものである。
【0003】インクジェットヘッドとしては、インク流
路内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段として、圧電素子を用いてインク流路の壁面
を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化
させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの
(特開平2−51734号公報参照)、或いは、発熱抵
抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発
生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆ
るサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参
照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対
向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によ
って振動板を変形させることで、インク流路内容積を変
化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6
−71882号公報参照)などが知られている。
【0004】ところが、インクジェット記録装置におい
ては、特に普通紙上に印字した場合には、画像の色再現
性、耐久性、耐光性、インク乾燥性、文字滲み(フェザ
リング)、色境界滲み(カラーブリード)、両面印刷性
等、インクジェット記録装置特有の画質劣化問題が顕在
しており、更に、普通紙にて高速印字しようとした場合
には、これら全ての特性を満足して印刷することは極め
て難しい課題となっている。
【0005】また、通常、インクジェット印刷に使用さ
れるインクは、水を主成分とし、これに着色剤、及び目
詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有した
ものが一般的である。着色剤としては、染料と顔料とが
あり、優れた発色性や安定性が得られる点からカラー色
部には従来より染料系インクが用いられる場合が多い。
しかし、染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、
耐水性等の堅牢性は着色剤に顔料を利用したものに対し
て劣るものであり、特に、耐水性については、インク吸
収層を有するインクジェット専用記録紙を使用すれば、
ある程度の改善を図ることは可能となるが、普通紙を使
用した場合には満足の得られるものとはなっていない。
【0006】そこで、近年、普通紙を使用した場合での
上記染料系インクに対する問題点を改善するために、着
色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料
系インクの使用が普通紙印字に対して検討、あるいは実
用化がされている。顔料は、染料とは異なり水への溶解
性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、
分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとし
て用いられる。
【0007】顔料を用いることで、耐光性や耐水性の向
上は得られるものの、他の画質特性とを同時に満足する
ことは難しく、特に、普通紙に高速印字しようとした場
合には高い画像濃度、十分な発色性、色再現性等を得る
ことが困難で、文字滲み、色境界滲み、両面印刷性、イ
ンク乾燥性(定着性)等も十分に満足の得られるものと
はなっていない点がいまだある。
【0008】そのため、上記顔料系インクを使用して普
通紙上に印字(記録)した場合に生じる問題点を解決す
る目的で種々の提案がなされている。例えば、特開平
6−171072号公報や特開2000−35515
9号公報などに開示されるものがある。
【0009】上記の公報には、インクとして顔料と高
分子分散剤と樹脂エマルジョンとを含み、100%Du
ty印字時の記録紙上の単位面積当たりの固形分付着量
を適正範囲に調整することにより、顔料インク特有の顔
料凝集による印字ムラを紙種に依らず低減させ、印字滲
みが無く、印字濃度の高い画質が得られるというインク
ジェット記録方法が開示されている。
【0010】また、上記の公報には、インク組成物と
して顔料表面に分散基を有する単独で水性溶媒に分散可
能なように表面処理された顔料と、浸透剤とを含ませた
インクでもって、記録媒体側への単位面積当たりのイン
ク組成物吐出量を調整することにより、印字画像の不規
則な滲み発生を抑え、また吐出されたインク組成物を記
録媒体上で素早く乾燥させて、高い印字濃度の確保と、
良好な印字画像が得られるというインクジェット記録方
法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したの公報記載
のインクジェット記録方法にあっては、普通紙のような
サイズ化された紙に対して、その使用するインクの接触
角が70°以上と非常に高いため、印字濃度の向上や文
字滲みの低減等の改善が見られる。
【0012】しかしながら、100%Dutyで記録紙
上に印字しようとした場合には、単位面積当たりの固形
分付着量が数十ng/m程度も必要となり、インク定
着性(乾燥性)の面で不具合が生じる。特に、複数枚の
紙を重ねて高速印字する場合には紙間でインク転写によ
る紙汚れ問題が発生するため、高速印字には不向きであ
る。
【0013】また、紙種によっては、100%Duty
印字の際に、その高い接触角のためにベタ部や文字部等
に紙の地肌の白スジ等が発生してしまうという課題も有
している。さらに、カラーの色境界部分では、その高い
接触角のために隣接に印字されたドット同士の間で液滴
状のままカラーブリードの問題が発生しやすくなってい
るという課題もある。
【0014】一方、上記の公報記載のインクジェット
記録方法にあっては、浸透剤を使用しているためインク
乾燥性(定着性)の面で画質的に有利であり、複数枚の
紙を重ねて高速印字する場合には紙間でのインク転写に
よる紙汚れ問題が発生しないため高速印字には向いてい
る。
【0015】しかしながら、インク構成中に浸透剤を使
用しているために、普通紙に印字した場合には染料系イ
ンクような文字滲み現象が発生し、特に普通紙の場合、
紙の深さ方向へもインクが浸透するためインクの裏抜け
現象により、普通紙での両面印刷性に不向きであるとい
う課題がある。な構成となってしまっている。
【0016】このように、従来のインクジェット記録装
置にあっては、いずれも、普通紙上での高速印字におい
て、全て十分に満足の得られる高い画像品質が得られな
いという課題がある。
【0017】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、画像品質を向上したインクジェット記録装置を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明に係るインクジェット記録装置は、
少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポ
リオール又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴
を吐出可能で、被印字媒体上の一定面積を印字密度10
0%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量
が5〜40[g/m]の範囲内になるものである。
【0019】請求項2の発明に係るインクジェット記録
装置は、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8
以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水を含む
インク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたときの該
インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms1/2]以
下である被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で
印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が10
[g/m]以上になるものである。
【0020】請求項3の発明に係るインクジェット記録
装置は、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8
以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水を含む
インク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたときの該
インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms1/2]を
越える被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印
字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が5[g
/m]以上になるものである。
【0021】請求項4の発明に係るインクジェット記録
装置は、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8
以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水を含む
インク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたときの該
インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms1/2]以
下である被印字媒体の一定面積を印字密度100%で印
字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が10〜
30[g/m]の範囲内になるものである。
【0022】請求項5の発明に係るインクジェット記録
装置は、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8
以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水を含む
インク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたときの該
インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms1/2]を
越える被印字媒体の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量が10〜1
5[g/m]の範囲内になるものである。
【0023】ここで、請求項4、5の発明に係るインク
ジェット記録装置においては、被印字媒体に対しインク
滴が接触して1sec後の接触角が10[deg]を越
えることが好ましい。この場合、被印字媒体に対しイン
ク滴が接触して1sec後の接触角が20[deg]以
下であり、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%
で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が1
0〜20[g/m]の範囲内になることが好ましく、
特に、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印
字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が15
[g/m]を越えないことが好ましい。
【0024】また、請求項4又は5の発明に係るインク
ジェット記録装置においては、被印字媒体に対しインク
滴が接触して1sec後の接触角が10[deg]以下
であり、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で
印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が5〜
15[g/m]の範囲内になることが好ましい。この
場合、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印
字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が10
[g/m]を越えないことが好ましい。
【0025】さらに、請求項1の発明に係るインクジェ
ット記録装置においては、被印字媒体上の一定面積を印
字密度100%で印字したときのインク滴の単位面積当
りの付着量が30[g/m]を越えないことが好まし
い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機
構部の側面説明図である。
【0027】このインクジェット記録装置装置は、記録
装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッ
ジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからな
る記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインク
カートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、
給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用
紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記
録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙す
る。
【0028】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
インクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐
出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側に
はヘッド14に各色のインクを供給するための各インク
タンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着し
ている。
【0029】インクカートリッジ15は上方に大気と連
通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へイ
ンクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された
多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインク
ジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧
に維持している。このインクカートリッジ15からイン
クをヘッド14内に供給する。
【0030】ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モ
ータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動さ
れる。
【0031】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノ
ズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド1
4としては、後述するように、インク流路の壁面の少な
くとも一部を形成する振動板と、この振動板を圧電素子
(圧電振動子)で変形させるピエゾ型インクジェットヘ
ッドを用いている。
【0032】ただし、これに限るものではなく、例え
ば、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動
板とこれに対向する電極とを備え、静電力で振動板を変
形変位させてインクを加圧する静電型ヘッド、圧電素子
を用いるものであって振動板の座屈変形を用いるもの、
或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加
熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐
出させるいわゆるサーマル型のものなどを用いることも
できる。
【0033】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット
4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリク
ションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23
と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ
24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬
送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し
角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ロー
ラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0034】そして、キャリッジ13の主走査方向の移
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35、36とを配設している。
【0035】記録時には、キャリッジ13を移動させな
がら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することに
より、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を
記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記
録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した
信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を
排紙する。
【0036】また、キャリッジ13の移動方向右端側の
記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回
復するための回復装置37を配置している。回復装置3
7は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有
している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装
置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14を
キャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
る(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘
度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0037】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チ
ューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気
泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等は
クリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
【0038】次に、このインクジェット記録装置の記録
ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図
3乃至図6を参照して説明する。なお、図3は同ヘッド
の分解斜視説明図、図4は同ヘッドの液室長手方向に沿
う断面説明図、図5は図4の要部拡大説明図、図6は同
ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
【0039】このインクジェットヘッドは、単結晶シリ
コン基板で形成した流路形成基板(流路形成部材)41
と、この流路形成基板41の下面に接合した振動板42
と、流路形成基板41の上面に接合したノズル板43と
を有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出する
ノズル45が連通するインク流路である加圧室46、加
圧室46に流体抵抗部となるインク供給路47を介して
インクを供給する共通液室48を形成し、これらの流路
形成基板41のインクに接する面となる加圧室46、イ
ンク供給路47、共通液室48を各壁面には有機樹脂膜
からなる耐液性薄膜50を成膜している。
【0040】そして、振動板42の外面側(液室と反対
面側)に各加圧室46に対応して積層型圧電振動子52
を接合し、この積層型圧電振動子42はベース基板53
に接合して固定し、この圧電振動子52の列の周囲には
スペーサ部材54をベース基板53に接合している。
【0041】この圧電振動子52は、図5にも示すよう
に、圧電材料55と内部電極56とを交互に積層したも
のである。この圧電常数がd33である圧電振動子52
の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっ
ている。圧電振動子52に駆動信号が印加され充電が行
われると、図5の矢示A方向に伸長し、また圧電振動子
52に充電された電荷が放電すると矢示A方向と反対方
向に収縮するようになっている。ベース基板53及びス
ペーサ部材54には共通液室48に外部からインクを供
給するためのインク供給口49を形成する貫通穴を形成
している。
【0042】また、流路形成基板41の外周部及び振動
板42の下面側外縁部をエポキシ系樹脂或いはポリフェ
ニレンサルファイトで射出成形により形成したヘッドフ
レーム57に接着接合し、このヘッドフレーム57とベ
ース基板53とは図示しない部分で接着剤などで相互に
固定している。さらに、圧電振動子52には駆動信号を
与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合
若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル58を接
続し、このFPCケーブル58には各圧電振動子52に
選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバ
IC)59を実装している。
【0043】ここで、流路形成基板51は、結晶面方位
(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶
液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異
方性エッチングすることで、各加圧室56となる貫通
穴、インク供給路57となる溝部、共通液室58となる
貫通穴をそれぞれ形成している。
【0044】振動板42はニッケルの金属プレートから
形成したもので、エレクトロフォーミング法で製造して
いる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変
形を容易にするための薄肉部61及び圧電振動子52と
接合するための厚肉部62を形成するとともに、液室間
隔壁に対応する部分にも厚肉部23を形成し、平坦面側
を流路形成基板41に接着剤接合し、厚肉部をフレーム
17に接着剤接合している。この振動板2の液室間隔壁
に対応する厚肉部63とベース基板53との間には支柱
部64を介設している。この支柱部64は圧電振動子5
2と同じ構成である。
【0045】ノズル板43は各加圧室46に対応して直
径10〜30μmのノズル45を形成し、流路形成基板
41に接着剤接合している。このノズル板43として
は、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミ
ド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、
及びそれらの組み合わせからなるものを用いることがで
きる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)に
は、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あ
るいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を
形成している。
【0046】このように構成したインクジェットヘッド
においては、圧電素子52に対して選択的に20〜50
Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電
圧が印加された圧電素子52が積層方向に変位して振動
板42をノズル45方向に変形させ、加圧液室46の容
積/体積変化によって加圧液室46内のインクが加圧さ
れ、ノズル45からインク滴が吐出(噴射)される。
【0047】そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室
46内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性
によって加圧液室46内には若干の負圧が発生する。こ
の状態の下において、圧電素子52への電圧の印加をオ
フ状態にすることによって、振動板42が元の位置に戻
って加圧液室46が元の形状になるため、さらに負圧が
発生する。このとき、インク供給口49から共通液室4
8、流体抵抗部であるインク供給路47を経て加圧液室
46内にインクが充填される。そこで、ノズル45のイ
ンクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のイ
ンク滴吐出のために圧電素子52にパルス電圧を印加し
インク滴を吐出させる。
【0048】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図7を参照して説明する。この制御部
は、プリンタコントローラ70とヘッド駆動回路71を
含むエンジンコントローラとから構成されている。プリ
ンタコントローラ70は、ホストコンピュータ等からの
印刷データ等をケーブル或いはネットを介して受信する
インターフェース(以下「I/F」という)72と、C
PU等からなる主制御部73と、各種データの記憶等を
行うRAM74と、各種データ処理のためのルーチン等
を記憶したROM75と、発振回路76と、インクジェ
ットヘッド14への駆動波形Pvを発生させる駆動信号
発生回路77と、ドットパターンデータ(ビットマップ
データ)に展開された印字データ及び駆動波形等をヘッ
ド駆動回路71に送信するためのI/F78とを備えて
いる。
【0049】RAM74は各種バッファ及びワークメモ
リ等として用いる。ROM75は主制御部73によって
実行する各種制御ルーチンとフォントデータ及びグラフ
ィック関数、各種手続き等を記憶している。主制御部7
3は、I/F72に含まれる受信バッファ内の印刷デー
タを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデ
ータをRAM74の所定のエリアで構成した中間バッフ
ァに記憶し、読み出した中間コードデータをROM75
に格納したフォントデータを用いてドットパターンデー
タに展開し、RAM74の異なる所定のエリアに再び記
憶する。
【0050】主制御部73は、記録ヘッド14の1行分
に相当するドットパターンデータが得られると、この1
行分のドットパターンデータを、発振回路76からのク
ロック信号CKに同期して、I/F78を介してヘッド
駆動回路71にシリアルデータSDで送出する。
【0051】ヘッド駆動回路71は、ドライバIC59
上に実装され、プリンタコントロー70からのクロック
信号CK及び印字信号であるシリアルデータSDを入力
するシフトレジスタ81と、シフトレジスタ81のレジ
スト値をプリンタコントローラ70からのラッチ信号L
ATでラッチするラッチ回路82と、ラッチ回路82の
出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフ
タ)83と、このレベルシフタ83でオン/オフが制御
されるアナログスイッチアレイ(スイッチ回路)84と
からなる。スイッチ回路84は、プリンタコントローラ
10の駆動波形発生回路77からの駆動波形Pvを入力
しスイッチアレイからなり、記録ヘッド(インクジェッ
トヘッド)14の各ノズルに対応する圧電素子52に接
続されている。
【0052】そして、シフトレジスタ81にシリアル転
送された印字データSDは、一旦、ラッチ回路82によ
ってラッチされる。ラッチされた印字データはレベルシ
フタ83によってスイッチ回路84のスイッチを駆動で
きる電圧、例えば数十ボルト程度の所定の電圧値まで昇
圧されてスイッチ手段としてのスイッチ回路84に与え
られる。
【0053】このスイッチ回路84の入力側には、駆動
波形発生回路78からの駆動波形Pvが印加されてお
り、スイッチ回路84の出力側には、圧力発生手段とし
ての圧電振動子52が接続されている。したがって、例
えば、スイッチ回路84に加わる印字データが「1」で
ある期間中は、駆動波形Pvから得られる駆動パルスP
が圧電素子52に印加され、この駆動パルスPに応じて
圧電素子52は伸縮を行う。一方、スイッチ回路84に
加わる印字データが「0」の期間中は、圧電素子52へ
の駆動パルスPの供給が遮断される。
【0054】また、この制御部の駆動波形発生回路77
は、図8に示すように、複数の駆動波形のパラメータを
含む駆動波形データを格納したROM91と、このRO
M91から読み出した駆動波形データをD/A変換する
D/A変換器92とを組み合わせて構成し、吐出させる
インク吐出量Mjに応じて主制御部73からROM91
の駆動波形データを読み出させて、駆動波形Pvを生成
出力させる。
【0055】ここで、ピエゾ型ヘッドにあっては、例え
ば、図9に示すように電圧値(波高値)Vpの駆動波形
Pvを圧電素子52に印加する場合、図10に示すよう
に電圧値(波高値)Vpを変化させることによってイン
ク滴吐出量Mjが変化する。そこで、例えば、電圧値
(波高値)Vpの異なる駆動波形データをROM91に
格納しておくことで、吐出させるインク滴の滴量を変化
させることができる。また、予め吐出させる滴量に応じ
た電圧値(波高値)Vpの駆動波形データをROM91
に格納しておけば、所要量の滴量のインク滴を吐出させ
ることができる(この場合、主制御部73による選択制
御は必ずしも必要でない。)。なお、この駆動波形は説
明のための単なる一例にすぎず、種々の駆動波形を用い
ることができる。
【0056】次に、このインクジェット記録装置におい
て使用するインクについて説明する。本発明に係るイン
クジェット記録装置で吐出させるインク液滴は、次の構
成(1)〜(10)よりなる印字用インク(記録用イン
ク)(これを「本発明のインク」という。)から液滴と
して形成されるものである。
【0057】(1)顔料(自己分散性顔料)6wt%以
上 (2)湿潤剤1 (3)湿潤剤2 (4)水溶性有機溶剤 (5)アニオンまたはノニオン系界面活性剤 (6)炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエー
テル (7)エマルジョン (8)防腐剤 (9)pH調製剤 (10)純水
【0058】すなわち、印字(記録)するための着色剤
として顔料を使用し、それを分解、分散させるための溶
剤とを必須成分とし、更に添加剤として、湿潤剤、界面
活性剤、エマルジョン、防腐剤、pH調整剤とを含んで
いる。湿潤剤1と湿潤剤2とを混合するのは各々湿潤剤
の特徴を活かすためと、粘度調整が容易にできるためで
ある。
【0059】以下、上記各インク構成要素について、よ
り具体的に説明する。 (1)の顔料に関しては、特にその種類を限定すること
なく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無
機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタ
クト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法に
よって製造されたカーボンブラックを使用することがで
きる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔
料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジ
ゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料な
ど)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、
酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔
料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0060】本発明のインクの好ましい態様によれば、
これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく
用いられる。顔料の粒径は、0.05μmから10μm
以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、
最も好ましくは0.16μm以下である。インク中の着
色剤としての顔料の添加量は、6〜20重量%程度が好
ましく、より好ましくは8〜12重量%程度である。
【0061】本発明のインクの好ましく用いられる顔料
の具体例としては、以下のものが挙げられる。黒色用と
しては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチ
レンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラッ
ク(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.
I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、
アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有
機顔料が挙げられる。
【0062】さらに、カラー用としては、C.I.ピグメン
トイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジス
アゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、
35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、
83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、10
0、101、104、408、109、110、11
7、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ
5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメ
ントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアント
ファーストスカレット)、23、31、38、48:2
(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマ
ネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレ
ッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B
(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1
(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、
63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、
83、88、101(べんがら)、104、105、1
06、108(カドミウムレッド)、112、114、
122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、1
49、166、168、170、172、177、17
8、179、185、190、193、209、21
9、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレー
キ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグ
メントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー
R)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニン
ブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.
ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、1
8、36等がある。
【0063】その他顔料(例えばカーボン)の表面を樹
脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、
顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキ
シル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔
料等が使用できる。
【0064】また、顔料をマイクロカプセルに包含さ
せ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであって
も良い。
【0065】本発明のインクの好ましい態様によれば、
ブラックインク用の顔料は、顔料を分散剤で水性媒体中
に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加さ
れるのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知
の顔料分散液を調整するのに用いられる公知の分散液を
使用することができる。
【0066】分散液としては、例えば以下のものが挙げ
られる。ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル
酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル
酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキル
エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸
−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合
体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪
酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢
酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0067】本発明のインクの好ましい態様によれば、
これらの共重合体は重量平均分子量が3、000〜5
0、000であるのが好ましく、より好ましくは5、0
00〜30、000、最も好ましくは7、000〜1
5、000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分
散させ、他の効果を失わせない範囲で適宣添加されて良
い。分散剤としては1:0.06〜1:3の範囲が好ま
しく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲で
ある。
【0068】着色剤に使用する顔料は、記録用インク全
重量に対して6重量%〜20重量%含有し、0.05μ
m〜0.16μm以下の粒子径の粒子であり、分散剤に
より水中に分散されていて、分散剤が、分子量5、00
0から100、000の高分子分散剤である。水溶性有
機溶剤が少なくとも1種類にピロリドン誘導体、特に、
2−ピロリドンを使用すると画像品質が向上する。
【0069】(2)〜(4)の湿潤剤1、2と水溶性有
機溶剤に関しては、本発明のインクの場合、インク中に
水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望
の物性にし、インクの乾燥を防止するために、また、溶
解安定性を向上するため等の目的で、例えば下記の水溶
性有機溶剤が使用される。これら水溶性有機溶剤は複数
混合して使用してもよい。
【0070】湿潤剤と水溶性有機溶剤の具体例として
は、例えば以下のものが挙げられる。エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2、6−ヘ
キサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価
アルコール類;
【0071】エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価
アルコールアルキルエーテル類;
【0072】エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価
アルコールアリールエーテル類;
【0073】2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3
−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、
γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
【0074】ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、
N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
【0075】モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
【0076】ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオ
ジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン等である。
【0077】これら有機溶媒の中でも、特にジエチレン
グリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコー
ル200〜600、トリエチレングリコール、グリセロ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジ
オール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン
が好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性
不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0078】その他の湿潤剤としては、糖を含有してな
るのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、
オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類
があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フル
クトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラ
クトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、ス
クロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げ
られる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シ
クロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在す
る物質を含む意味に用いることとする。
【0079】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH(CHOH)nCHOH(ここでn=2〜5
の整数を表す。)で表される。)、酸化糖(例えば、ア
ルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などがあ
げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例として
はマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
【0080】これら糖類の含有量は、インク組成物の
0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の
範囲が適当である。
【0081】(5)の界面活性剤に関しても、特に限定
はされないが、アニオン性界面活性剤としては、例えば
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられ
る。
【0082】非イオン性界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。前記界
面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いること
ができる。
【0083】本発明のインクにおける表面張力は紙への
浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下
の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定さ
れる静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭6
3−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒
以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれ
も使用できるが、本発明ではWilhelmy式の吊り
板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40
mJ/m2以下が好ましく、より好ましくは35mJ/
2以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
【0084】(6)の炭素数8以上のポリオールまたは
グリコールエーテルに関しては、25℃の水中において
0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する部分的
に水溶性のポリオールおよび/またはグリコールエーテ
ルを記録用インク全重量に対してを0.1〜10.0重
量%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ
性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性および周波
数安定性が得られることが分かった。2−エチル−
1、3−ヘキサンジオール 溶解度:4.2%(20
℃) 2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジ
オール 溶解度:2.0%(25℃)。
【0085】25℃の水中において0.1〜4.5重量
%未満の間の溶解度を有する浸透剤は溶解度が低い代わ
りに浸透性が非常に高いという長所がある。したがっ
て、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の
間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや
他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のある
インクを作製することが可能となる。
【0086】(7)本発明のインクには樹脂エマルジョ
ンが添加されている方が好ましい。樹脂エマルジョンと
は、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であ
るエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としては
アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジ
エン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系
樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げら
れる。
【0087】本発明のインクの好ましい態様によれば、
この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体
であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径
はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、1
50nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜10
0nm程度である。
【0088】これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子
を、場合によって界面活性剤とともに水に混合すること
によって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂ま
たはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メ
タ)アクリル酸エステルまたはスチレンと、(メタ)アク
リル酸エステルと、場合により(メタ)アクリル酸エス
テルと、界面活性剤とを水に混合することによって得る
ことができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合
は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界
面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジ
ョンとなりにくく、また前記範囲を越える場合、インク
の耐水性が低下したり、浸透性が悪化する傾向があるの
で好ましくない。
【0089】前記エマルジョンの分散相成分としての樹
脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜
400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当
である。
【0090】市販の樹脂エマルジョンとしては、マイク
ロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アク
リル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製:い
ずれも商品名)、ボンコート4001(アクリル系樹脂
エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製:商品
名)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂
エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製:商品
名)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エ
マルジョン、日本ゼオン株式会社製:商品名)、サイビ
ノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サ
イデン化学株式会社製:商品名)、などが挙げられる。
【0091】本発明のインクは、樹脂エマルジョンを、
その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%となるよう
含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%
の範囲である。
【0092】樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質
を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定
着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの
種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦
性をも向上させる効果を有する。
【0093】(8)〜(10)本発明のインクには上記着
色剤、溶媒、界面活性剤の他に従来より知られている添
加剤を加えることができる。例えば、防腐防黴剤として
はデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2
−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息
香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等
が使用できる。
【0094】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるもので
あれば、任意の物質を使用することができる。その例と
して、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の
アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモ
ニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニ
ウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0095】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。
【0096】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジ
イソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエ
リスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライ
ト等がある。
【0097】そこで、以上のようなインク(以下「本発
明のインク」という。)を用いてインク滴を吐出させる
ことで画像を形成する本発明に係るインクジェット記録
装置の第1実施形態について図11をも参照して説明す
る。
【0098】図11は、被印字媒体(被記録媒体:イン
ク滴を付着させるものの意味)として普通紙を利用し、
その普通紙上に本発明のインクでもってベタ画像部(5
1.0[mm]×149.0[mm]の一定面積領域)に
インク液滴を付着させ、そのときの紙上の単位面積当た
りのインク滴付着量(Gm)を変化させたときの値と、
そのベタ画像部の画像濃度値(光学濃度:OD値)との
関係を実験的に調査した結果を表わしたものである。
【0099】ここで、インク液滴の単位面積当たりの付
着量(Gm)の測定方法としては、ベタ画像部を任意の
画像解像度に設定し(例えば720dpiなど)、その
解像度を印字密度(印字率)100%で印字した場合
に、紙上に付着したインク滴重量[g]を電子天秤等で
計測し、その計測された重量[g]を上記ベタ画像部の
印字領域面積[m]で除することにより、求めること
ができる。
【0100】また、ベタ画像部の画像濃度(OD値)に
ついては、X−Rite社製反射型分光濃度計(X−R
ite・938型:商品名)等を利用し、画像の表側よ
り被印字ベタ画像部での反射率分光濃度として計測した
ものである。
【0101】ところで、画像品質として全体の画像が見
やすくなる適正な光学濃度(OD)値としては、通常、
ベタ画像部においてOD=1.2以上の値が必要であ
る。したがって、図8に示すように、例えば、NBSリ
コー社製普通用紙(商品名:マイペーパーTA)Aを利
用して、適正な画像濃度(OD)値であるOD=1.2
以上の値をベタ画像部にて得ようとしたい場合には、前
記して求めた単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)
の値を5[g/m]以上とすることにより、必要な画
像濃度値(OD=1.2以上の値)を達成し得ることが
できる。
【0102】また、例えば、紙種が異なって、OAペー
パー用紙やペーパーライン用紙のような海外製の普通用
紙Bのように、比較的画像濃度が出難い紙種の被印字媒
体を利用する場合には、適正な画像濃度(OD)値を得
るためには、前記単位面積当たりのインク滴付着量(G
m)の値を10[g/m]以上とすることにより、必
要な画像濃度値(OD=1.2以上の値)を達成し得る
ことができる。
【0103】さらに、上記単位面積当たりのインク滴付
着量(Gm)を増大させることにより、ベタ画像部での
画像濃度(OD)値を最大値であるOD=1.7(紙種
Aの場合)、もしくはOD=1.5(紙種Bの場合)程
度まで増大させることはできるものの、何れの紙種
(A、B)でもインク滴付着量(Gm)が40[g/m
]以上の範囲ではベタ画像部での画像濃度(OD)値
は飽和状態にあるため、それ以上インク滴付着量(G
m)を増加させても画像濃度(OD)値を増大させる効
果はほとんどないことが実験的に判明した。
【0104】したがって、第1実施形態に係るインクジ
ェット記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性
有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエ
ーテル及び水を含むインク滴を吐出させて普通紙上に印
字(記録)する場合、被印字媒体(普通紙)上の一定面
積を印字密度100%で印字したときのインク滴の単位
面積当りの付着量Gmが5〜40[g/m]の範囲内
になる滴量のインク滴を吐出させて画像を形成する。
【0105】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが5〜
40[g/m]の範囲内になる滴量のインク滴を吐出
させる駆動波形Pvを生成して出力する。
【0106】この場合、複数種の被印字媒体を使用可能
としたときには、例えば図示しないホスト側から与えら
れる用紙(被印字媒体)の種別を示す情報、あるいは、
記録装置本体で設定される用紙(被印字媒体)の種別を
示す情報を取り込んで、被印字媒体が普通紙であるとき
には、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印
字したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが5
〜40[g/m]の範囲内になるインク吐出量Mjが
得られる駆動波形データを駆動波形発生回路77のRO
Mから読み出して駆動波形を生成出力させるようにする
ことが好ましい。
【0107】これにより、本発明のインクを用いて普通
紙に印字した場合でも画像解像度に依らず、文字、画像
等が十分見えやすい印字濃度(OD値:1.2以上)で
もって、より高い画像濃度が得られるようになるため、
高速印刷をした場合でも、より鮮明で印字品質の高いカ
ラー画像を出力をすることができる。
【0108】次に、本発明のインクを用いてインク滴を
吐出させることで画像を形成する本発明に係るインクジ
ェット記録装置の第2実施形態及び第3実施形態につい
て図12ないし図15をも参照して説明する。
【0109】本発明のインクジェット記録装置では、
水、着色剤、水溶性有機溶媒、界面活性剤などを含有す
るインクを用いることができ、水溶性有機溶媒や界面活
性剤の種類、含有量などを調整することにより、所望の
ブリストー法における被印字媒体へのぬれ時間および吸
収係数を有するインクを得ることができる。
【0110】ここで、ブリストー法における被印字媒体
へのぬれ時間および吸収係数は、図12に示す浸透性測
定装置を用いて次のようにして求めることができる。す
なわち、同図において、インクジェット記録用インク1
01が40μl入ったインク溜め102を回転ホイール
103の周面に密着して特定の移動速度で移動している
印字用紙104に接触させ、インク溜めのスリット(ス
リット幅1mm、スリット長さ17.5mm)を通して
印字用紙104面にインクを吸収させることにより印字
用紙面上に図13に示すインク転移跡を得て、次の式か
らインクの接触時間tとインクの転移量Vを求める。
【0111】すなわち、インクの接触時間t(ms)=
スリット幅d(mm)×1000/紙の移動速度S(m
m/秒)で求めることができる。また、インクの転移量
V(ml/m)=インク量Q(μl)×1000/
(インク転移跡の長さL(mm)×スリット長さw(m
m))で求めることができる。
【0112】次に、印字用紙104の移動速度を変化さ
せて、それぞれの移動速度の場合におけるインクの接触
時間tとインクの転移量Vを同様に求める。上記のよう
にして求められたインクの接触時間tとインクの転移量
Vから、t1/2に対してVをプロットし、図14に示す
ようなインクの印字用紙への吸収曲線を描き、インク吸
収曲線が横軸に対して平行である間の時間をぬれ時間、
それ以降のインク吸収曲線の傾きをインク吸収係数とし
て、それぞれの値を求めることができる。
【0113】上記ブリストー法により、本発明のインク
を使用した場合での前記各紙種A、Bにおけるインク吸
収係数を測定した結果、紙種Aの場合にはインク吸収係
数が8〜9[ml/m/ms1/2]程度の値を示
し、また、紙種Bの場合にはインク吸収係数が3〜4
[ml/m/ms1/2]程度の値を示すことが判明
した。
【0114】そこで、図15に、上記インク吸収係数が
異なる紙種A及び紙種Bについて、前記ベタ画像部での
単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)の値を変化さ
せたときの、そのベタ画像部での粒状度との関係につい
て、実験的に調査した結果を示している。
【0115】ここで、本明細書で言う「粒状度」とは、
以下のように定義して測定したもののことをいう。すな
わち、印字された上記ベタ画像部を被測定画像部とし、
その画像部に対して、解像度1000dpi相当のスキ
ャナ装置でもってRGBカラーモードにて測定画像の読
み込みを行う。次に、その読み込みまれた画像データ
(RGB)を色度(CIE(1976)L)データに変
換し、その色度データをフーリエ変換して、ウィーナス
ペクトラムWS(u)、WSc1(u)、WS
c2(u)を得る。WS(u)は明度成分、WSc1
(u)、WSc2(u)は色度成分に対するウィーナス
ペクトラムを表わす。このフーリエ変換後のウィーナス
ペクトラムは複素平面における原点を中心に0〜180
度の範囲で円周方向に平均をとることでデータの1次元
化を図っている。次に、カラー粒状度(CG)として、
次の(1)式で表わせられるものを定義する。
【0116】
【数1】
【0117】この(1)式における視覚の空間周波数特
性であるVTFは、以下の(2)式で表わされる。
【0118】
【数2】
【0119】ここで、ffは、網膜上の空間周波数特性を
意味する。
【0120】また、上記(1)式におけるh(L)は平
均明度に対する補正関数であり、次の(3)式で表され
る。
【0121】
【数3】
【0122】ここで、t=0.01044、t
0.8978、である。
【0123】また、上記式での重み係数としてPL*
a*、Pb*を以下の値に設定する。 PL*=1.4052 Pa*=1.146 Pb*=0.548
【0124】次に、メディアンフィルタを用いて、パワ
ースペクトラム内のスパイク状のスペクトル成分のみを
除去した近似カーブを算出する。次に、明度成分のパワ
ースペクトラムと前記の近似カーブとの差分、つまりス
パイク状のスペクトル成分のみを抽出し、その総和をテ
クスチャ成分(T)とする。そして、最終的には上記
各値を次式に代入し、「総合粒状度」と定義して、各イ
ンク付着量値でのベタ画像に対する粒状度として測定を
行った。すなわち、総合粒状度は(4)式で表される。
【0125】
【数4】
【0126】ここで、α=0.4157873、β=3.
9060293、const=0.053109の値が設定さ
れる。
【0127】すなわち、「総合粒状度」の値が小さいほ
ど、ベタ画像部にてザラツキ感の少ない平滑・均一なベ
タ画像(インク滴で均一に埋まっているベタ画像)が描
かれているということである。
【0128】なお、粒状度の測定方法(粒状性評価尺
度)としては、上記方法以外に銀塩写真等の評価で用い
られているANSI PH-2.40-1985「root mean square (rm
s) granularity of film」に規定された濃度分布Diの
標準偏差で定義される(5)式の「RMS粒状度」を用
いる方法や、ハードコピー画像(電子写真等)の分野で
広く用いられているXerox社のDooleyとShawの提案によ
るNWS(ノイズウィーナスペクトラム)を適用し、視覚
の空間周波数特性(Visual Transfer Function :VTF)と
カスケ−ドした後に積分した値で定義される(6)式の
「粒状性(GraininessScale :GS)」を用いる方法を適用
しても良いが、インクジェット画像の場合には前記した
「総合粒状度」を用いる方法が最も明確な粒状度が得ら
れるため、より好ましい。
【0129】
【数5】
【0130】
【数6】
【0131】なお、(6)式中、uは空間周波数、WSD
(u)はウィーナスペクトラム、exp(-1.8D)の項は濃度と
人の知覚する明るさの差を補正するために主観評価実験
により求められた平均濃度Dを変数とした関数である。
【0132】したがって、図15の調査結果(関係図)
では、前記インク吸収係数が大きい(8〜9[ml/m
/ms1/2]程度)紙種Aや、比較的インク吸収係
数が小さい(3〜4[ml/m/ms1/2]程度)
紙種Bの場合に、前記単位面積当たりのインク滴付着量
(Gm)の値が比較的小さい範囲では、ベタ画像部での
白スジ等が目に付き、所望の画像がインク滴で均一に埋
め尽くされる状態とならないため、ザラツキ感(粒状
感)が感じられる。その視覚感覚は前記「総合粒状度」
の値としては、図のように比較的高い値として現れる。
【0133】また、前記インク滴付着量(Gm)を増加
させることにより、紙種Aの場合には5[g/m]以
上、紙種Bの場合には10[g/m]以上とすること
により、ベタ画像部での粒状度の値を最も低くすること
ができ、本発明のインクを使用した場合でもベタ画像部
で白スジ無く、所望のインク滴で均一に埋まった画像を
得ることができる。
【0134】そして、更に、前記インク滴付着量(G
m)を増加させることで、両紙種A及びBともに普通紙
上での印字ムラが顕著に現れてくるため、前記単位面積
当たりのインク滴付着量(Gm)の値が比較的大きい範
囲にて、再度、またザラツキ感(粒状感)が感じられ、
前記「総合粒状度」の値も図15に示すように高くなる
という傾向を示している。
【0135】そこで、第2実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性有機
溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエーテ
ル及び水を含むインク滴を吐出させ、インク滴を着弾さ
せたときの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/m
1/2]以下である被印字媒体に印字する場合、該被
印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したと
きのインク滴の単位面積当りの付着量が10[g/
]以上になる滴量のインク滴を吐出させて画像を形
成する。
【0136】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが10
[g/m]以上になる滴量のインク滴を吐出させる駆
動波形Pvを生成して出力する。
【0137】この場合、複数種の被印字媒体を使用可能
としたときには、例えば図示しないホスト側から与えら
れる用紙(被印字媒体)の種別を示す情報、あるいは、
記録装置本体で設定される用紙(被印字媒体)の種別を
示す情報を取り込んで、被印字媒体が少なくとも、顔
料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグ
リコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、イ
ンク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]以下である被印字媒体であ
るときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100
%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量G
mが10[g/m]以上になるインク吐出量Mjが得
られる駆動波形データを駆動波形発生回路77のROM
から読み出して駆動波形を生成出力させるようにするこ
とが好ましい。
【0138】これにより、インクが広がり難い(インク
を吸収し難い)被印字媒体に印字する場合に、ベタ画像
部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しない(ベタ部がほ
ぼ均一に埋まる)高い画像品質が得られるようになるの
で,比較的より少ないインク量で文字・画像等の裏写り
問題が少なく,両面,及び高速印刷に適したカラー画像
を出力することができる。
【0139】また、第3実施形態に係るインクジェット
記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性有機溶
剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル
及び水を含むインク滴を吐出させ、インク滴を着弾させ
たときの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]を越える被印字媒体に印字する場合、該被印字
媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したときの
インク滴の単位面積当りの付着量が5[g/m]以上
になる滴量のインク滴を吐出させて画像を形成する。
【0140】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが5
[g/m]以上になる滴量のインク滴を吐出させる駆
動波形Pvを生成して出力する。
【0141】この場合、複数種の被印字媒体を使用可能
としたときには、例えば図示しないホスト側から与えら
れる用紙(被印字媒体)の種別を示す情報、あるいは、
記録装置本体で設定される用紙(被印字媒体)の種別を
示す情報を取り込んで、被印字媒体が少なくとも、顔
料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグ
リコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、イ
ンク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]を越える被印字媒体である
ときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%
で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gm
が5[g/m]以上になるインク吐出量Mjが得られ
る駆動波形データを駆動波形発生回路77のROMから
読み出して駆動波形を生成出力させるようにすることが
好ましい。
【0142】これにより、インクが広がり易い(インク
を吸収し易い)被印字媒体に印字する場合に、ベタ画像
部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しない(ベタ部がほ
ぼ均一に埋まる)高い画像品質が得られるようになるの
で、比較的より少ないインク量で文字・画像等の裏写り
問題が少なく、両面、及び高速印刷に適したカラー画像
を出力することができる。
【0143】そして、これらの第2、第3実施形態を組
み合わせて、被印字媒体の種別に応じて、少なくとも、
顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又は
グリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、
インク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]以下の被印字媒体に印字す
るときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100
%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が
10[g/m]以上になる滴量のインク滴を吐出さ
せ、該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]を越える被印字媒体に印字するときには、被印
字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したとき
のインク滴の単位面積当りの付着量が5[g/m]以
上になる滴量のインク滴を吐出させて、画像を形成する
ようにすることで、使用する普通紙の紙種の違いによら
ず、ベタ画像部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しない
(ベタ部がほぼ均一に埋まる)高い画像品質が得られる
ようになるので、比較的より少ないインク量で文字・画
像等の裏写り問題が少なく、両面、及び高速印刷に適し
たカラー画像を出力することができる。
【0144】ここで、これらの第2、第3実施形態に係
るインクジェット記録装置におけるインク滴が紙面上に
接触して1sec後に紙とインク滴との間に形成される前
進接触角について図16及び図17をも参照して説明す
る。図16は、上記した本発明のインクを使用し、上記
紙種Aの普通紙上に細線(ライン)画像を印字した場合
での、その印字された細線(ライン)の1品質を示すエ
ッジ幅の値と、そのインク滴が紙面上に接触して1sec
後に紙とインク滴との間に形成される前進接触角の値と
の関係について、実験的に調査した結果を表わしたもの
である。
【0145】ここで、本明細書で言う「ラインのエッジ
幅」とは、基本的には[ISO13660]規格におけ
るライン幅の定義に準拠しており、以下のようにして測
定定義した値のことをいう。
【0146】すなわち、印字された上記細線(ライン)
画像部を被測定画像部とし、その画像部に対して、解像
度2540dpi 相当のスキャナ装置でもってRGBカラ
ー(C、M、Y版)モード、あるいはモノクロ(K版)
モードにて測定画像の読み込みを行う。次に、その読み
込まれた画像データ(0〜255)を濃度データに変換
し、その濃度データを反射率データに変換して、境界エ
ッジ部の検出を行う。ここで、その境界エッジ部でのス
レッシュレベル(=R10、R90)を(7)式及び
(8)式のように定義する。
【0147】
【数7】
【0148】
【 数8】
【0149】そして、図17に表わされるように各R1
0、R90のスレッシュレベルにて、その境界エッジ間
距離のストローク方向での平均値をラインエッジ幅W
(W、W)と定義し、そのWとWの各測定値の
平均をその被測定ライン画像に対するラインエッジ幅と
して定義し、測定を行った。すなわち、ラインエッジ幅
の値が小さいほど、ライン画像のエッジ部が鮮明でボケ
や滲みの少ないライン画像が描かれているということで
ある。
【0150】また、前記紙とインク滴との間で形成され
る前進接触角の測定方法については、協和界面科学社製
の自動接触角計を用いて計測し、約5μl程度のインク
量を紙に接触させた後、その1sec後に紙とインクとの
間に形成される前進接触角の値を読み取ったものを表わ
している。
【0151】上述した図16の調査結果(関係図)で
は、上記1sec後の前進接触角の値が10[deg]未
満の範囲ではラインエッジ幅の値が50μm以上あり、
ラインの境界エッジ部の幅が広がっていることが分か
る。したがって、ラインの幅方向端部にて画像濃度が急
峻に切替わっていないために、文字画像等を描いた場合
には、よりボケた(滲んだ)画像として見え、特に、よ
り小さい文字や細線を描こうとした場合には、より文字
品質の劣化を招く原因(要因)となっている。
【0152】そこで、より小さい文字や細線を描いた場
合でも、より鮮明な画像が得られるようにするため、前
記1sec後の前進接触角の値を10[deg]を越える
値に調整することにより、図16に示すようにラインエ
ッジ幅の値を常に50μm以下の値とすることができ、
より小さい文字や細線を描いた場合でも常に鮮明な文字
や画像を描くことができるようになる。
【0153】したがって、本発明でのインクを使用して
普通紙上に印字する場合、前記1sec後の前進接触角の
値が10[deg]を越える値になるように、前記イン
ク構成を調整したり、接触角が変化するよう普通紙上で
何らかの前処理を施してインク印字することにより、文
字画像等でボケ(滲み)感が無く、より小さい文字や細
線画像において、鮮明で良好な画像が得られる。
【0154】次に、接触角と単位面積当りのインク滴付
着量との関係について図18ないし図20を参照して説
明する。図18は、上記した本発明インクを使用し、前
記1sec後の前進接触角の値がそれぞれ約10[de
g]、約20[deg]、約30[deg]と異なる3
種類の普通紙(紙種A、B、Cとする。)に対して、前
記したような細線(ライン)画像を印字した場合での、
その印字された細線(ライン)の1品質を示すエッジR
MSの値と、前記したベタ画像部を印字密度(印字率)
100%で印字した場合に、そのベタ画像から得られる
単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)の値を変化さ
せたときとの関係について、実験的に調査した結果を表
わしている。
【0155】また、図19は、上記した本発明インクを
使用し、前記1sec後の前進接触角の値がそれぞれ約1
0[deg]、約20[deg]、約30[deg]と
異なる3種類の普通紙(紙種A、B、C)に対して、前
記したベタ画像を印字して、そのベタ画像部での単位面
積当たりのインク滴付着量(Gm)の値を変化させたと
きの、そのベタ画像部での前記した粒状度との関係につ
いて、実験的に調査した結果を表わしている。
【0156】ここで、紙種A、B、Cの具体例として
は、本発明インクを使用した場合、例えば、紙種A相当
としてはNBSリコー社製普通用紙(商品名:マイペー
パーTA)、紙種B相当としては富士ゼロックス・オフ
ィス・サプライ社製普通用紙(商品名:マルチエース)
や海外製普通用紙のIJボンド紙、紙種C相当としては
海外製普通用紙のOAペーパー紙やペーパーライン紙な
どを使用した場合が挙げられる。
【0157】また、本明細書で言う「エッジRMS」と
は、以下のように定義して測定したもののことをいう。
すなわち、印字された上記細線(ライン)画像部を被測
定画像部とし、その画像部に対して、解像度2540dp
i 相当のスキャナ装置でもってRGBカラー(C、M、
Y版)モード、あるいはモノクロ(K版)モードにて測
定画像の読み込みを行う。次に、その読み込まれた画像
データ(0〜255)を濃度データに変換し、その濃度
データを反射率データに変換して、画像(反射率デー
タ)の2値化を行う。ここで、その画像の2値化のスレ
ッシュレベル(=R60)を(9)式のように定義す
る。
【0158】
【数9】
【0159】そして、その2値化されたライン画像のエ
ッジ部分での位置データから直線回帰を行い、図20に
表わされるような理想エッジの導出を行う。その導出さ
れた理想エッジからの変位量の標準偏差の平均値をその
被測定ライン画像に対するエッジRMSとして定義し、
測定を行った。
【0160】すなわち、エッジRMSの値が小さいほ
ど、ライン画像のエッジ部が平滑・鮮鋭で品質の高いラ
イン画像が描かれているということである。
【0161】図18の調査結果(関係図)では、前記単
位面積当たりのインク滴付着量(Gm)の値を増加させ
るに従い、上記3種類のどの紙種でもエッジRMSの値
が大きくなり、ライン画像品質が悪くなる傾向にあるこ
とが分かる。
【0162】これに対し、前記単位面積当たりのインク
滴付着量(Gm)の値を一定にした場合には、前記1se
c後の前進接触角の値が大きくなる(紙種Aから紙種C
の順)ほど、前記エッジRMSの値が小さくなり、ライ
ン画像のエッジ部での平滑具合が改善し、前記したライ
ン画像品質が良くなる傾向にある。
【0163】特に、エッジRMSの値が10[μm]以
下ではラインのエッジ部での平滑具合が視覚的にほとん
ど気にならないレベルとなるため、例えば、紙種Cを使
用した場合には、前記単位面積当たりのインク滴付着量
(Gm)を22.5[g/m ]以下の値とすること
で、エッジRMSの値を10[μm]以下とすることが
できる。しかしながら、紙種Cの場合、そのインク滴付
着量範囲が22.5[g/m]以下のところでは、図
19の結果(関係図)に見られるように、ベタ画像部側
での粒状度の値が次第に悪くなる(ベタ部がインク滴で
均一に埋まらなくなる)傾向にあり、白スジの無い適正
なベタ画像を得ることが困難となってしまう。
【0164】すなわち、紙種Cのように前記1sec後の
前進接触角の値が約30[deg]以上となる場合に
は、適正なベタ画像と良好なライン画像との両方を満足
に得ることが難しいということである。
【0165】そこで、図18、図19において、例え
ば、前記1sec後の前進接触角の値が約20[deg]
程度となる紙種Bを使用した場合には、前記単位面積当
たりのインク滴付着量(Gm)を10〜20[g/
]の範囲(図19)に調整することにより、白スジ
の比較的少ない適正なベタ画像が得られ、更に、前記単
位面積当たりのインク滴付着量(Gm)を15[g/m
]以下の値(図18)に調整することにより、エッジ
RMSの値を10[μm]以下とすることができ、紙種
Bの使用の場合には適正なベタ画像と、且つ、良好なラ
イン画像との両方を満足に得ることが可能となる。
【0166】また、例えば、前記1sec後の前進接触角
の値が約10[deg]程度となる紙種Aを使用した場
合には、前記単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)
を5〜15[g/m]の範囲(図19)に調整するこ
とにより、白スジの無い適正なベタ画像が得られ、更
に、前記単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)を1
0[g/m]以下の値(図18)に調整することによ
り、エッジRMSの値を10[μm]以下とすることが
でき、紙種Aの使用の場合でも良好なベタ画像と、且
つ、よりエッジ部分がシャープなライン画像との両方を
満足に得ることが可能となる。
【0167】したがって、本発明のインクを使用して上
記紙種Aや紙種Bのような普通紙上に印字する際には、
その各紙種で発生する前記1sec後の前進接触角の値に
応じて、その接触角の値が約20[deg]以下となる
場合には、前記単位面積当たりのインク滴付着量(G
m)の値を10〜20[g/m]の範囲とし、より好
ましくは10〜15[g/m]の範囲に調整可能と
し、また、その接触角の値が約10[deg]以下とな
る場合には、前記単位面積当たりのインク滴付着量(G
m)の値を5〜15[g/m]の範囲とし、より好ま
しくは5〜10[g/m]の範囲に調整可能にして印
字することにより、普通紙の紙種に依らず、常に白スジ
画像の発生の無い良好なベタ画像と、より高品質で安定
したライン画像とを同時に得られる。
【0168】次に、本発明の第4実施形態に係るインク
ジェット記録装置について図21をも参照して説明す
る。図21では、被印字媒体として普通紙を利用し、そ
の普通紙上に本発明のインクでもってベタ画像部(1
0.0[mm] ×10.0[mm] の一定面積領域)にインク
液滴を付着させ、前記したベタ画像部を印字密度(印字
率)100%で印字した場合に、そのベタ画像から得ら
れる紙上の単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)の
値を変化させた時の、そのベタ画像部での裏抜け濃度と
の関係を実験的に調査した結果を表わしたものである。
【0169】ここで、本明細書で言う「裏抜け濃度」と
は、以下のように定義して測定したもののことをいう。
すなわち、前記したベタ画像部について、X−Rite
社製反射型分光濃度計(X−Rite 938型:商品
名)等を利用し、その対象画像の紙の裏側からの反射率
分光濃度(Dr)を計測する。
【0170】そして、そのベタ画像を印字した紙の地肌
濃度(Dg)について同様の計測方法にて計測した後、
そのベタ画像の裏側からの測定濃度(Dr)から上記印
字した紙の地肌濃度(Dg)を差し引いた濃度差(Dr
−Dg)を裏抜け濃度と定義して、各インク付着量値で
の裏抜け濃度の測定を行った。
【0171】つまり、裏抜け濃度値が小さいほど、紙の
裏側でのインク裏写りが少なく、より紙の元々の地肌に
近い色になっているということである。このインク裏写
り現象の問題は、従来より普通紙において顕著に現れて
おり、特に、普通紙に両面印字をしようとする際に紙の
裏側での印字画像が読みづらくなる問題を生じる。
【0172】したがって、普通紙の裏側での印字画像の
可読性の妨げにならない適正な裏抜け濃度値としては、
実験的に0.1以下の値にすることが好ましい。図21
の調査結果(関係図)より、例えば、NBSリコー社製
普通用紙(商品名:マイペーパーTA)Aを利用して、
適正な裏抜け濃度値である0.1以下の値を得ようとし
たい場合には、前記した単位面積当たりのインク滴付着
量(Gm)の値を約30[g/m]以下の値とするこ
とにより、適正な裏抜け濃度値である0.1以下の値を
達成し得ることが判明した。
【0173】また、例えば、紙種が異なって、OAペー
パー用紙やペーパーライン用紙のような海外製の普通用
紙Bを利用した場合には、適正な裏抜け濃度値とするた
めには、前記単位面積当たりのインク滴付着量(Gm)
の値は約38[g/m]以下の値であれば十分達成で
き、約30[g/m]の値の時では、インク裏写りが
ほとんど気にならないレベルにまで達成できることが実
験的に判明した。
【0174】したがって、特に、本発明のインクを使用
して普通紙の表面側に印字された後、その裏面側にも印
字したい場合には、前記インク液滴の単位面積当たりの
付着量の値を約30[g/m]以下の値に調整可能と
することにより、普通紙の裏面側でも印字画像が読みや
すく、両面印刷の画像品質が向上する。
【0175】そこで、第4実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性有機
溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエーテ
ル及び水を含むインク滴を吐出させて普通紙上に印字
(記録)する場合、被印字媒体(普通紙)上の一定面積
を印字密度100%で印字したときのインク滴の単位面
積当りの付着量Gmが30[g/m]以下になる滴量
のインク滴を吐出させて画像を形成する。
【0176】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが30
[g/m]以下になる滴量のインク滴を吐出させる駆
動波形Pvを生成して出力する。
【0177】この場合、例えば図示しないホスト側から
与えられる、あるいは、記録装置本体で設定される両面
印刷か否かを示す情報を取り込んで、両面印刷を行う場
合には、被印字媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度
100%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付
着量Gmが30[g/m]以下になる滴量のインク滴
を吐出させる駆動波形Pvを生成して出力させ、片面印
刷の場合には、前述した第1実施形態と同様に、被印字
媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したときの
インク滴の単位面積当りの付着量Gmが5〜40[g/
]の範囲内になる駆動波Pvを生成して出力するよ
うにする、つまり、両面印刷か片面印刷かによってイン
ク滴の単位面積当りの付着量Gmが異なる駆動波形Pv
を駆動波形発生回路77から生成出力させるようにする
こともできる。
【0178】次に、前述した第2、第3実施形態におい
て被印字媒体のインク吸収係数とインク滴付着量(G
m)の上限値との関係を規定した第5実施形態及び第6
実施形態について説明する。次の表1、表2は、本発明
にて前記したベタ画像についての画質評価項目であるベ
タ濃度(OD値)、ベタ部粒状度、裏抜け濃度に加え
て、文字画像やカラー画像における「文字滲み(フェザ
リング)」と「カラーブリード」の画質評価と、それら
上記全ての画質評価項目を加味・考慮した「総合画質評
価」のレベルについて、評価被験者30人に対し前記イ
ンク液滴の単位面積当たりの付着量(Gm)の値を順次
変化させた場合での各画像品質レベルについて主観評価
した結果をまとめたものである。
【0179】
【表1】
【0180】
【表2】
【0181】なお、各表中の各記号の意味は、次のとお
りである。 (1)「文字滲み」、及び「カラーブリード」の評価記
号 ◎:滲んでいなく、画像が見やすい(適正である)。 □:滲んでいないが、画像が見難い(不適正である)。 △:滲んでいるが、許容できる。 ×:滲んでいて、許容できない。
【0182】(2)「総合画質評価」の評価記号 A:従来より非常に良い。 B:従来より良い。 C:従来と変わらず。 D:従来より悪い。
【0183】ここで、表1は、紙種として前記したイン
ク吸収係数の値が4[ml/m/ms1/2]を越え
る紙種Aに対して実施した結果である。この表1の結果
より、評価被験者30人の画質主観評価にて、上記した
「総合画質評価」として適正なインク滴付着量であると
判断される最適範囲(評価記号が「A」である範囲)
は、10〜15[g/m]の値であることが判明し
た。
【0184】また、表2は、表1と同様の評価条件にて
評価した結果であり、紙種として前記したインク吸収係
数の値が4[ml/m/ms1/2]以下を示す紙種
Bに対して実施した結果である。表2の結果より、評価
被験者30人の画質主観評価にて、上記した「総合画質
評価」として適正なインク滴付着量であると判断される
最適範囲(評価記号が「A」である範囲)は、10〜3
0[g/m]の値であることが判明した。
【0185】そこで、第5実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性有機
溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエーテ
ル及び水を含むインク滴を吐出させ、インク滴を着弾さ
せたときの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/m
1/2]以下である被印字媒体に印字する場合、該被
印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したと
きのインク滴の単位面積当りの付着量が10〜30[g
/m]の範囲内になる滴量のインク滴を吐出させて画
像を形成する。
【0186】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが10
〜30[g/m]の範囲内になる滴量のインク滴を吐
出させる駆動波形Pvを生成して出力する。
【0187】この場合、複数種の被印字媒体を使用可能
としたときには、例えば図示しないホスト側から与えら
れる用紙(被印字媒体)の種別を示す情報、あるいは、
記録装置本体で設定される用紙(被印字媒体)の種別を
示す情報を取り込んで、被印字媒体が少なくとも、顔
料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグ
リコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、イ
ンク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]以下である被印字媒体であ
るときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100
%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量G
mが10〜30[g/m]の範囲内になるインク吐出
量Mjが得られる駆動波形データを駆動波形発生回路7
7のROMから読み出して駆動波形を生成出力させるよ
うにすることが好ましい。
【0188】これにより、インクが広がり難い(インク
を吸収し難い)被印字媒体に印字する場合に、ベタ画像
部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しない(ベタ部がほ
ぼ均一に埋まる)高い画像品質が得られるようになるの
で、比較的より少ないインク量で文字・画像等の裏写り
問題が少なく、両面、及び高速印刷に適したカラー画像
を出力することができるとともに、文字や画像の滲み
(フェザリング現象やカラーブリード現象)が少なく、
裏抜け濃度も低い良好な画像品質が得られるようになる
ので、両面、及び高速印刷をした場合でも、普通紙にお
いて、更により鮮明で高画質なカラー画像を出力するこ
とができる。
【0189】また、第6実施形態に係るインクジェット
記録装置においては、少なくとも、顔料、水溶性有機溶
剤、炭素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル
及び水を含むインク滴を吐出させ、インク滴を着弾させ
たときの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]を越える被印字媒体に印字する場合、該被印字
媒体上の一定面積を印字密度100%で印字したときの
インク滴の単位面積当りの付着量が10〜15[g/m
]の範囲内になる滴量のインク滴を吐出させて画像を
形成する。
【0190】つまり、駆動波形発生回路77は、被印字
媒体(普通紙)上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gmが10
〜15[g/m]以上になる滴量のインク滴を吐出さ
せる駆動波形Pvを生成して出力する。
【0191】この場合、複数種の被印字媒体を使用可能
としたときには、例えば図示しないホスト側から与えら
れる用紙(被印字媒体)の種別を示す情報、あるいは、
記録装置本体で設定される用紙(被印字媒体)の種別を
示す情報を取り込んで、被印字媒体が少なくとも、顔
料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグ
リコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、イ
ンク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]を越える被印字媒体である
ときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%
で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量Gm
が10〜15[g/m]の範囲内になるインク吐出量
Mjが得られる駆動波形データを駆動波形発生回路77
のROMから読み出して駆動波形を生成出力させるよう
にすることが好ましい。
【0192】これにより、インクが広がり易い(インク
を吸収し易い)被印字媒体に印字する場合に、ベタ画像
部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しない(ベタ部がほ
ぼ均一に埋まる)高い画像品質が得られるようになるの
で、比較的より少ないインク量で文字・画像等の裏写り
問題が少なく、両面、及び高速印刷に適したカラー画像
を出力することができるとともに、文字や画像の滲み
(フェザリング現象やカラーブリード現象)が少なく、
裏抜け濃度も低い良好な画像品質が得られるようになる
ので、両面、及び高速印刷をした場合でも、普通紙にお
いて、更により鮮明で高画質なカラー画像を出力するこ
とができる。
【0193】そして、これらの第5、第6実施形態を組
み合わせて、被印字媒体の種別に応じて、少なくとも、
顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又は
グリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出させ、
インク滴を着弾させたときの該インク滴の吸収係数が4
[ml/m/ms1/2]以下の被印字媒体に印字す
るときには、被印字媒体上の一定面積を印字密度100
%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が
10〜30[g/m]の範囲内になる滴量のインク滴
を吐出させ、該インク滴の吸収係数が4[ml/m
ms1/2]を越える被印字媒体に印字するときには、
被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字した
ときのインク滴の単位面積当りの付着量が10〜15
[g/m]の範囲内になる滴量のインク滴を吐出させ
て、画像を形成するようにすることで、使用する普通紙
の紙種の違いによらず、ベタ画像部等で紙の地肌の白ス
ジ画像が発生しない(ベタ部がほぼ均一に埋まる)高い
画像品質が得られるようになるので、比較的より少ない
インク量で文字・画像等の裏写り問題が少なく、両面、
及び高速印刷に適したカラー画像を出力することができ
るとともに、文字や画像の滲み(フェザリング現象やカ
ラーブリード現象)が少なく、裏抜け濃度も低い良好な
画像品質が得られるようになるので、両面、及び高速印
刷をした場合でも、普通紙において、更により鮮明で高
画質なカラー画像を出力することができる。
【0194】すなわち、本発明のインクを使用して各々
のインク吸収係数を有する紙種A、及び紙種Bの普通紙
上に印字する際に、各紙種のインク吸収係数に応じて、
そのインク吸収係数の値が4[ml/m/m
1/2]を越える場合には、前記インク液滴の単位面
積当たりのインク滴付着量を好ましくは10〜15[g
/m]の範囲の値とし、あるいはインク吸収係数の値
が4[ml/m/ms1/2]以下を示す場合には、
前記インク液滴の単位面積当たりのインク滴付着量を好
ましくは10〜30[g/m]の範囲の値として印字
することにより、インクを吸収し易い紙(紙種A)や吸
収し難い紙(紙種B)など、紙種の違いに依らず、あら
ゆる紙種に対して文字画像部やカラー画像(グラフィッ
ク画像)部等でフェザリング現象やカラーブリード現象
の無い高品質な画像が得られ、また、ベタ画像部におい
ても白スジ画像の発生が無く、文字・画像等で適正な印
字濃度が得られ、更に、裏抜け濃度も低い安定して高品
位な画像品質が得られる。
【0195】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係るインクジェット記録装置によれば、少なくとも、顔
料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオール又はグ
リコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出可能で、
被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字した
ときのインク滴の単位面積当りの付着量が5〜40[g
/m]の範囲内になるものであるので、普通紙に対
し、高速印刷で、より鮮明で印字品質の高い画像を形成
することができる。
【0196】請求項2の発明に係るインクジェット記録
装置によれば、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭
素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水
を含むインク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたと
きの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]以下である被印字媒体上の一定面積を印字密度
100%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付
着量が10[g/m]以上になるものであるので、イ
ンクが広がり難い普通紙に対し、両面印刷或いは高速印
刷で、ベタ画像部等で紙の地肌の白スジ画像が発生しな
い高い画像品質の画像を形成することができる。
【0197】請求項3の発明に係るインクジェット記録
装置によれば、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭
素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水
を含むインク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたと
きの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]を越える被印字媒体上の一定面積を印字密度1
00%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着
量が5[g/m]以上になるものであるので、インク
が広がり易い普通紙に対し、両面印刷或いは高速印刷
で、ベタ画像部等で紙の地肌の白スジ画像の発生が低減
される高い画像品質の画像を形成することができる。
【0198】請求項4の発明に係るインクジェット記録
装置によれば、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭
素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水
を含むインク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたと
きの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]以下である被印字媒体の一定面積を印字密度1
00%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着
量が10〜30[g/m]の範囲内になるものである
ので、インクが広がり難い普通紙に対し、両面印刷或い
は高速印刷で、ベタ画像部等で紙の地肌の白スジ画像の
発生が低減され、画像の滲みも少なく、裏抜け濃度も低
い高い画像品質の画像を形成することができる。
【0199】請求項5の発明に係るインクジェット記録
装置によれば、少なくとも、顔料、水溶性有機溶剤、炭
素数8以上のポリオール又はグリコールエーテル及び水
を含むインク滴を吐出可能で、インク滴を着弾させたと
きの該インク滴の吸収係数が4[ml/m/ms
1/2]を越える被印字媒体の一定面積を印字密度10
0%で印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量
が10〜15[g/m]の範囲内になるものであるの
で、インクが広がり易い普通紙に対し、両面印刷或いは
高速印刷で、ベタ画像部等で紙の地肌の白スジ画像の発
生が低減され、画像の滲みも少なく、裏抜け濃度も低い
高い画像品質の画像を形成することができる。
【0200】ここで、請求項4、5の発明に係るインク
ジェット記録装置においては、被印字媒体に対しインク
滴が接触して1sec後の接触角が10[deg]を越
えることで、良好な細線画像を形成できる。
【0201】この場合、被印字媒体に対しインク滴が接
触して1sec後の接触角が20[deg]以下であ
り、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量が10〜2
0[g/m]の範囲内になることで、普通紙に対し、
より鮮明で見やすい画像を形成することができる。特
に、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字
したときのインク滴の単位面積当りの付着量が15[g
/m]を越えないことで、普通紙に対し、画像潰れの
少ない、より鮮明で見やすい画像を形成することができ
る。
【0202】また、請求項4又は5の発明に係るインク
ジェット記録装置においては、被印字媒体に対しインク
滴が接触して1sec後の接触角が10[deg]以下
であり、被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で
印字したときのインク滴の単位面積当りの付着量が5〜
15[g/m]の範囲内になることで、普通紙に対
し、より鮮明で見やすい画像を形成することができる。
【0203】この場合、被印字媒体上の一定面積を印字
密度100%で印字したときのインク滴の単位面積当り
の付着量が10[g/m]を越えないことで、普通紙
に対し、画像潰れの少ない、より鮮明で見やすい画像を
形成することができる。
【0204】さらに、請求項1の発明に係るインクジェ
ット記録装置においては、被印字媒体上の一定面積を印
字密度100%で印字したときのインク滴の単位面積当
りの付着量が30[g/m]を越えないことで、両面
印刷に適した画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの一例を示す分解斜視説明
【図4】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図5】図4の要部拡大説明図
【図6】同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図
【図7】同記録装置の制御部の概要を示すブロック図
【図8】同制御部の駆動波形発生回路の一例を示すブロ
ック図
【図9】同駆動波形発生回路から出力する駆動波形の一
例を示す説明図
【図10】駆動波形の駆動電圧とインク滴吐出量Mjの
関係の一例を示す説明図
【図11】インク滴付着量Gmとベタ濃度(OD値)の
関係の一例を示す説明図
【図12】インク吸収係数を求めるための説明に供する
浸透性測定装置の説明図
【図13】インク吸収係数を求めるための説明に供する
説明図
【図14】インク吸収係数を求めるための説明に供する
説明図
【図15】インク滴付着量Gmとベタ部粒状度の関係の
一例を示す説明図
【図16】接触角とラインエッジ幅の関係の一例を示す
説明図
【図17】ラインエッジ幅の定義の説明に供する説明図
【図18】インク滴付着量GmとエッジRMSの関係の
一例を示す説明図
【図19】インク滴付着量Gmとベタ部粒状度の関係の
一例を示す説明図
【図20】エッジRMSの定義の説明に供する説明図
【図21】インク滴付着量Gmと裏抜け濃度の関係の一
例を示す説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…ヘッド、24…搬送ローラ、
33…排紙ローラ、40…インクジェットヘッド、77
…駆動波形発生回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 EC07 EC42 EC72 FA04 FA10 FC02 FC06 2H086 BA03 BA52 BA53 BA55 BA59 BA60

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出させて被印字媒体上に画
    像を形成するインクジェット記録装置において、少なく
    とも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオー
    ル又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出
    可能で、前記被印字媒体上の一定面積を印字密度100
    %で印字したときの前記インク滴の単位面積当りの付着
    量が5〜40[g/m]の範囲内になることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出させて被印字媒体上に画
    像を形成するインクジェット記録装置において、少なく
    とも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオー
    ル又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出
    可能で、前記インク滴を着弾させたときの該インク滴の
    吸収係数が4[ml/m/ms1/ ]以下である前
    記被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字し
    たときの前記インク滴の単位面積当りの付着量が10
    [g/m]以上になることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 インク滴を吐出させて被印字媒体上に画
    像を形成するインクジェット記録装置において、少なく
    とも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオー
    ル又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出
    可能で、前記インク滴を着弾させたときの該インク滴の
    吸収係数が4[ml/m/ms1/ ]を越える前記
    被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字した
    ときの前記インク滴の単位面積当りの付着量が5[g/
    ]以上になることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】 インク滴を吐出させて被印字媒体上に画
    像を形成するインクジェット記録装置において、少なく
    とも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオー
    ル又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出
    可能で、前記インク滴を着弾させたときの該インク滴の
    吸収係数が4[ml/m/ms1/ ]以下である前
    記被印字媒体の一定面積を印字密度100%で印字した
    ときの前記インク滴の単位面積当りの付着量が10〜3
    0[g/m]の範囲内になることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出させて被印字媒体上に画
    像を形成するインクジェット記録装置において、少なく
    とも、顔料、水溶性有機溶剤、炭素数8以上のポリオー
    ル又はグリコールエーテル及び水を含むインク滴を吐出
    可能で、前記インク滴を着弾させたときの該インク滴の
    吸収係数が4[ml/m/ms1/ ]を越える前記
    被印字媒体の一定面積を印字密度100%で印字したと
    きの前記インク滴の単位面積当りの付着量が10〜15
    [g/m]の範囲内になることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のインクジェット
    記録装置において、前記被印字媒体に対し前記インク滴
    が接触して1sec後の接触角が10[deg]を越え
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェット記録装
    置において、前記被印字媒体に対し前記インク滴が接触
    して1sec後の接触角が20[deg]以下であり、
    前記被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字
    したときの前記インク滴の単位面積当りの付着量が10
    〜20[g/m]の範囲内になることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェット記録装
    置において、前記被印字媒体に対し前記インク滴が接触
    して1sec後の接触角が20[deg]以下であり、
    前記被印字媒体上の一定面積を印字密度100%で印字
    したときの前記インク滴の単位面積当りの付着量が15
    [g/m]を越えないことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項4又は5に記載のインクジェット
    記録装置において、前記被印字媒体に対し前記インク滴
    が接触して1sec後の接触角が10[deg]以下で
    あり、前記被印字媒体上の一定面積を印字密度100%
    で印字したときの前記インク滴の単位面積当りの付着量
    が5〜15[g/m]の範囲内になることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のインクジェット記録
    装置において、前記被印字媒体上の一定面積を印字密度
    100%で印字したときの前記インク滴の単位面積当り
    の付着量が10[g/m]を越えないことを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のインクジェット記録
    装置において、前記被印字媒体上の一定面積を印字密度
    100%で印字したときの前記インク滴の単位面積当り
    の付着量が30[g/m]を越えないことを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
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