JP2004017537A - Icカード - Google Patents

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Kyoko Uchida
内田 恭子
Tatsu Nakai
中居 達
Naoki Kubo
久保 直樹
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Abstract

【課題】表面に立体的な画像を表示できると共に、鮮明な熱転写画像を形成可能なICカードを提供する。
【解決手段】電子回路を備えるカード本体1の片面又は両面の少なくとも一部に、画像層10と、複数の透明な凸レンズを有するレンズ層9とが積層されたICカードであって、前記凸レンズは、アクリル系樹脂、 塩化ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれた1種以上を主成分とし、且つ、前記レンズ層の表面の少なくとも一部に、熱転写画像14が形成されていることを特徴とするICカード。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回数券、定期券、入場券、通行券、会員証、プリペイドカード、タグ等に用いられるICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報を電気的に記録する電子回路を備えたICカードは、近年、大容量可変情報記録媒体として広まりつつある。
ICカードには大別して接触型と非接触型がある。接触型ICカードでは、チップと外部のデータ処理装置との間の情報交換は、電気的かつ機械的に接続する接続用の接触端子を介して行われている。
一方、非接触型ICカードは、情報の送受信を外部とカード内にあるアンテナを介して非接触的に交信する送受信機である。通信手段が電波を介した非接触型であるため、従来の例えば駅改札における磁気カード定期券のような接触型読み取り装置にカードを挿入する必要がなく、鞄にカードを保持した状態のまま改札を通過することが可能である。更に、非接触であるため、カードとハードの接触による不具合、例えばカードの搬送不良、ハードヘッドの摩耗等の問題がなく、ハードのメンテナンス費用を大幅に削減することが可能である。ICカードはカード内部への情報の記録が電気的暗号記録であるため、外部からカード内部の情報を変更するには特殊な書込み変更装置が必要であり、セキュリティの面においても優れている。
【0003】
このようなICカードは、様々な情報を表示するために、その表面に多様なデザインが設けられている。
デザインを設ける手段としては、免許証や社員証、学生証などのIDカード分野では、一般的に、同一のデザインを大量に生産するのに適したオフセット印刷やスクリーン印刷等の印刷方式で同一のデザイン部分を設けておき、昇華熱転写方式で一枚毎に違う顔写真を印画し、溶融熱転写方式で文字や記号などを記録するといった組み合わせが広く採用されている。
例えば、昇華熱転写方式の場合には、画像が形成されるべき受像媒体にインクシートを重ねあわせ、インクシート中の画像に対応する部分を、サーマルヘッドを用いて局所的に加熱し、その部分のインクを昇華させて、前記受像媒体に向けて拡散させることにより、前記受像媒体上に所望の画像を形成することができる。昇華熱転写方式は、加熱部の境界における画像濃度が滑らかに減少するため、フルカラー写真のような高階調な画像の形成に適しており、顔写真等の、一枚毎に違う情報を、必要に応じて簡便に、フルカラーで表示できる。
【0004】
ICカードは、最近、その用途がさらに広がり、多様なデザインのICカードが使用されるようになっている。例えば、スポーツクラブやアミューズメント施設におけるIDカードでは、券面デザインの工夫で話題性やステイタス付与の効果を上げることにより、集客力アップを実現することなどが期待される。今後もその用途が更に広がると考えられることから、ICカードを視覚的に差別化可能にするさらなる手段が求められている。
その手段の一つとして、平面的な図柄を立体的に視認させる手段が考えられている。例えば、カード表面にレンチキュラーレンズを搭載する手段が提案されている。レンチキュラーレンズという特殊なレンズシートを設け、立体的なデザインを施すことで、偽造しにくいセキュリティの高いIDカードとすることができる。
レンチキュラーレンズは、例えば、透明なレンズシートの一方の面に、金型等による加熱や加圧等の手段によって、微小な凸状レンズを多数列設し、他方の面に、所定の立体画像用の図柄等が印刷されているシート材を貼りあわせることにより構成されるものであり、印刷された平面的な図柄を立体的に視認させることができる。
例えば、僅かに離れた視点から撮影された左眼用と右眼用の2枚の写真などの画像データを、細かなストライプに分割した後、一定の交換規則で左右交互に配置して画像を再構成し、再構成された画像の上部に、等しい幅のストライプ状の凸レンズを配置すると、この凸レンズにより、左眼は左眼用画像を見、右眼は右眼用画像を見るため、平面上に描かれた視差のある2枚の画像を用いて、立体視が可能である。
すなわち、細いストライプ状の凸レンズの裏側(観察方向と反対側)に、左右2眼分の画像またはそれ以上分の画像をレンズと同様にストライプ状に配置し、特定の位置と方向の視点からこのレンズ越しの画像を観察したとき、左右の眼それぞれに異なる画像が見られるために、平面的な画像が立体的に見える。
【0005】
このようなレンチキュラーレンズを搭載したカードとしては、例えば、特開平10−86568号公報に、カード基材上にレンチキュラーレンズ部を設け、該基材とレンチキュラーレンズ部との間に画像表示部を設けたカードが開示されている。
また、特開平5−303153号公報には、透明ベースシートの裏面に一対の右眼用画像と左眼用画像を複数併設し、透明ベースシート表面の所定位置に所定間隔でレンズ形成用区画線を印刷し、隣接するレンズ形成用区画線相互間に各々凸レンズ状の透明なレンズ部を配置した立体画像印刷物を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ICカードでは、一枚毎に違う情報を表示する必要があるので、カードの外面に熱転写方式で画像を形成できることが望ましい。
しかしながら、特開平10−86568号公報や、特開平5−303153号公報に記載されるカード等においては、画像は、いずれもレンチキュラーレンズの下部にのみ印刷されており、レンズ上部には設けられていない。
また、レンズを形成するレンズ形成用樹脂として、インクを吸収しにくい樹脂が用いられているので、それらの外面に熱転写方式で画像を形成しようとしても、インクの染着性や定着性が悪く、鮮明な画像を得ることが困難である。
すなわち、ICカードの表層部分には、熱転写方式におけるインクの染着性・定着性が求められているが、カード表面にレンズ部を搭載している場合、熱転写方式による画像(以下、熱転写画像という)を鮮明に形成することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、表面に立体的な画像を表示できると共に、鮮明な熱転写画像を形成可能なICカードを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、レンチキュラーレンズの材料として特定の樹脂を主成分とすることにより、鮮明な熱転写画像を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、電子回路を備えるカード本体の片面又は両面の少なくとも一部に、画像層と、複数の透明な凸レンズを有するレンズ層とが順次積層されたICカードであって、
前記凸レンズは、アクリル系樹脂、 塩化ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれた1種以上を主成分とし、且つ、
前記レンズ層の表面の少なくとも一部に、熱転写画像が形成されていることを特徴とするICカードである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のICカードの構成について、添付の図を用いて説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第一の実施態様のICカードの構成を示す概略図である。本実施態様において、カード本体1は、絶縁性基材2と合成樹脂フィルム5a,5bとがホットメルト接着剤層4a,4bを介して接着された構造を有し、該絶縁性基材2の合成樹脂フィルム5a側にICチップ3(電子回路)を備えるインレットが設けられている。
カード本体1の上面には、ホットメルト接着剤層11を介して、裏面に画像層10が形成された透明ベースシート7が積層されている。
また、透明ベースシート7表面の所定位置には、間隔をあけて、レンズ形成用区画線8が印刷されており、隣接するレンズ形成用区画線8相互間には、各々、透明な凸レンズ形成用樹脂が配置されてレンズ層9が形成されている。
さらに、レンズ層9の表面の一部には、インクシート中の、所望の画像に対応する部分のインクが、レンズ層9表面に熱転写されて、熱転写画像14が形成されている。
【0011】
カード本体1を構成する絶縁性基材2及び合成樹脂フィルム5a,5bとしては、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー系フィルム、ポリブチレン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、紙、合成紙等を1種または2種以上適宜選択して使用できる。
インレットは、巻線法、銅エッチング法、銀ペーストスクリーン印刷法等によって形成されたICチップ3を回路基板上に備えたものであり、絶縁性基材2上に設けられている。
また、絶縁性基材2と合成樹脂フィルム5a,5bとを接着するため、及び、カード本体1と画像層10とを接着するために用いられるホットメルト接着剤としては、既知の任意のホットメルト接着剤が使用可能であるが、具体的には、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、スチレン・エラストマー系、ポリアミド系などのホットメルト接着剤を挙げることができる。
【0012】
凸レンズを形成する樹脂(以下、凸レンズ形成用樹脂という)としては、アクリル系樹脂、 塩化ビニル系樹脂(以下、塩ビ系樹脂ともいう)及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれた1種以上を主成分とする樹脂が用いられる。これらの樹脂は、昇華熱転写方式による画像を鮮明に形成するために好適であり、溶融熱転写方式による記録も可能である。該樹脂としては、凸レンズの形成しやすさの点から、特に、硬化性を有する樹脂が好ましい。硬化の条件は紫外線、赤外線、電子線、熱、酸素、水などの他、触媒や硬化剤の添加など従来の公知の方法を利用できる。より鮮明な画像を形成するためには、凸レンズ形成用樹脂のガラス転移点Tgは50〜120℃が好ましい。また、レンズ層の圧縮弾性率は200MPa以下が好ましく、凹凸の高さは30μm以下とするのが好ましい。
【0013】
アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリロニトリル等の単独重合体又はコポリマーなどが挙げられる。さらに、紫外線等の活性エネルギー線硬化性の各種アクリル樹脂モノマー、アクリル樹脂オリゴマー等を用いて硬化させることができ、例えば、ポリアルキレングリコールアクリレート類、ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類等を挙げることができる。
塩ビ系樹脂の具体例としては、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコールコポリマー等を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ナフタレンジカルボン酸等のカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のアルコール成分との脱水縮合物などが挙げられる。
【0014】
凸レンズ形成用樹脂としては、上述したアクリル系樹脂、 塩ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂の中から選ばれた1種以上の樹脂のうち、レンズ形成用区画線8に対して相容性がなく確実にはじきを生じ、レンズ形成用樹脂自身の表面張力によって半円状に形成されやすい樹脂を使用することが好ましい。具体的には、プロパンジオールジアクリレート、エリスリトールアクリレート、メチロールプロパントリアクリレート、イソフタル酸系不飽和ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコールコポリマー等を挙げることができる。
【0015】
凸レンズ形成用樹脂には、上記の樹脂の他に、公知の樹脂や添加剤等を、好ましくは20質量%以下の範囲で配合することができる。この範囲を超えると凸レンズ用樹脂のレンズ形成性、昇華染料の染着性に問題が生ずることがある。
配合できる公知の樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ウレタン系コポリマー、エポキシ系コポリマーが例示できる。
また、添加剤としては、イソシアネートプレポリマーやメラミン樹脂等の硬化剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、界面活性剤、その他消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、蛍光染料、着色染料などの着色剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等、スリップ剤、沈降防止剤、カップリング剤、コンパウンド、ドライヤー、顔料、硬化促進剤、光重合開始剤などを必要に応じて適宜使用することも可能である。
【0016】
本実施態様において、レンズ層9を通して立体的に視認される画像層10は、一対の右眼用画像と左眼用画像からなる細帯状の画像を複数形成したものとされている。
画像層10の画像としては、任意の図柄を採用できると共に、その配設位置や、寸法も自由に設定されている。
本実施態様において、画像層10は、透明ベースシート7の裏面に、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビヤ印刷など公知の方法により形成されている。
【0017】
本実施態様において、透明ベースシート7は、裏面に設けられている画像層10が視認可能な透明性があって、凸レンズ形成用樹脂をはじく性質を有するものであればよく、セロハンフィルム、ナイロンフィルム、アセチルセルロース樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリエーテル系フィルム、ポリエステル系フィルムなど公知のフィルム基材が例示できる。これらフィルムには、必要に応じて可塑剤、帯電防止剤、抗菌剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、顔料等が1種以上添加又は塗布されていてもよい。
透明ベースシート7は、画像層10を設けるための印刷適性向上等を目的としてコロナ処理が施されているものであってもよい。
また、透明ベースシート7の厚みは、レンズ層9の材質、形状等によって適宜設定されるが、ICカード全体の厚さをISO/ICE7810に定める840μ以下にするためには、透明ベースシート7の厚さは300μ以下が好ましい。
【0018】
レンズ形成用区画線8は、透明ベースシート7上の、画像層10を構成する複数の細帯状の画像間に設けられている。
レンズ形成用区画線8を形成する樹脂としては、透明ベースシート7表面に容易に印刷でき、且つ、凸レンズ用の樹脂をはじくものであればよく、例えばアクリル系樹脂、オレフィン系樹脂等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂などに、消泡剤、レベリング剤、チキソトロピー付与剤、つや消し剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、可塑剤、硬化剤などの添加剤を適宜配合し、必要に応じて各種溶剤を加えたものを使用できる。
【0019】
本実施形態においては、透明ベースシート7の裏面に形成された画像層10がレンチキュラーレンズを通して立体的に奥行き感をもって視認され、レンズ層9表面に形成された熱転写画像14が極めて鮮明に見えることで立体感をもたせることができる。
【0020】
画像層10を印刷した透明ベースシート7をICカード本体1に積層する方法としては、透明ベースシート7とICカード本体1との間にホットメルト接着剤をはさみ、熱圧着する方法を採用できるが、他の公知の方法を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0021】
本実施形態において、レンズ層9は、以下のように形成される。まず、透明ベースシート7上に複数のレンズ形成用区画線8を間隔をおいて筋状に形成する。次いで、透明ベースシート7上に、凸レンズ形成用樹脂を塗布する。塗布した樹脂のうち、レンズ形成用区画線8上の樹脂がはじかれて複数に分離する。そして、分離した樹脂は、表面張力により、断面形状が半円状になる。これを、熱や紫外線等を用いて硬化させることにより、筋状の凸レンズが複数並列に並んだレンズ層9が形成される。
【0022】
熱転写画像14は、レンズ層9の表面の少なくとも一部にインクシートを重ねあわせ、インクシート中の画像に対応する部分のインクを、サーマルヘッド等を用いて局所的に加熱して熱転写させ、レンズ層9を形成する樹脂に転写、染着させることにより形成できる。
【0023】
本実施形態において、レンズ層9の表面の熱転写画像14のない部分には、オフセット印刷あるいはスクリーン印刷でデザイン印刷を設けてもよい。
【0024】
図2には、本発明のICカードの第2の実施態様を示す。なお、本実施形態において、第1の実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、透明ベースシート7の裏面に画像層10が形成されているのではなく、上質紙15の表面に画像層10が形成されている点で、第1の実施形態と異なっている。
【0025】
本実施態様において、ICチップ3を備えるカード本体1の上面には、ホットメルト接着剤層11を介して、表面に画像層10が形成された上質紙15が積層されており、上質紙15の画像層10が設けられている面には、粘着剤層16を介して透明ベースシート7が積層されている。
【0026】
粘着剤層16を形成する粘着剤としては、上質紙15の表面に設けられている画像層10が視認可能な透明性があるものであれば、既知の任意の粘着剤が使用可能であるが、具体的には、合成ゴム、アクリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂等を挙げることができる。
粘着剤を用いることにより、常温で短時間のうちに、簡易な操作で上質紙15と透明ベースシート7とを接着することができる。また、粘着剤としては、強粘着タイプまたは再剥離タイプなどを適宜選択することができる。
【0027】
画像層10は、オフセット印刷、スクリーン印刷等の印刷方式により、上質紙15の表面に印刷されている。
【0028】
上記各実施態様では、レンズ形成用区画線8は、レンズ層9の成型の便宜のために用いられるものであって、必ずしも必要ではない。レンズ層9を設ける方法としては、上記のようにレンズ形成用区画線8を利用する方法のほかに、予め成形した凸レンズを画像層上に接着して設ける方法等を用いてもよい。
また、上記各実施態様では、レンズ層9を透明ベースシート7上に設けているが、例えば、レンズ層9と透明ベースシート7とを一体成形してもよい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
実施例1
図1に示す断面構造を有するICカードを以下の方法により作成した。
(1)ICカード本体1の作成
厚さ150μmの絶縁性基材2(商品名:テトロンS、帝人社製、材質:ポリエチレンテレフタレート)上に3ターンの巻き線アンテナおよび回路を銀ペーストによるスクリーン印刷法にて作成し、回路基板の所定の位置に異方性導電性樹脂を介してICチップ3(型番:SLE44R31、SIEMENS製、厚さ185μm)をフェースボンディングにて搭載してインレットを作成した。
上記作成したインレットの両側にポリエステル系ホットメルト接着剤シート4a,4b(商品名:アロンメルト、東亜合成社製)と、厚さ150μmの合成樹脂フィルム5a,5b(商品名:U298W、帝人社製、材質:ポリエチレンテレフタレート)を順次積層し、熱プレス機を用いて貼りあわせた後、打ち抜き機にて成型して厚さ620μmのICカード本体1を得た。
【0030】
(2)レンズ形成用区画線用樹脂組成物の調製
以下の組成のレンズ形成用区画線用樹脂組成物を調製した。
炭酸カルシウム                        5質量部
ロジン変性フェノール樹脂                  60質量部
アマニ油変性アルキッド樹脂                 15質量部
エチレングリコールモノエチルエーテル            10質量部
トルエン                          10質量部
【0031】
(3)凸レンズ形成用樹脂の調製
凸レンズ形成用樹脂組成物として、以下の組成の、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物(以下、アクリル系樹脂組成物という)を調製した。
Figure 2004017537
【0032】
(4)ICカードの作成
厚さ100μmの透明ベースシート7(商品名:PG−WHI、三菱樹脂社製、材質:アモルファスポリエステル)の一面に、一対の細長帯状の右眼用画像と細長帯状の左眼用画像を、150μmの間隔で複数並設した印刷画像10をオフセット印刷にて設けた。
透明ベースシート7の他方の面には、上記のレンズ形成用区画線用樹脂組成物を用いて、レンズ形成用区画線8を150μの間隔で、線幅40μmとなるようにスクリーン印刷にて設けた。すなわち、一対の右眼用画像と左眼用画像毎にレンズ形成用区画線を平行に印刷した。
さらに、レンズ形成用区画線8に対して相容性のない上記のアクリル系樹脂組成物を、透明ベースシート7のレンズ形成用区画線8側に、スクリーン印刷にて、厚さ10μmとなるように印刷した。レンズ形成用区画線8とレンズ形成用樹脂の不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂自身の表面張力により、透明ベースシート7表面には半円状の凸状体が並列状態に形成された。
この凸状体形成層に対し、紫外線照射装置メタルハライドランプにより紫外線を照射(紫外線照射条件:ランプ出力80W/cm、ベルト速度15m/分、積算光量200mW/cm)して凸状体を硬化させて、レンズ層9(厚さ30μm)を形成した。
この透明ベースシート7の画像層10を形成した面に、ホットメルト接着剤11を介してICカード本体1を積層し、熱プレス機で熱圧着して、厚さ760μmのカード状にした。
その後、カード用熱転写プリンター(商品名:NCP−100、野崎印刷紙業製)にて昇華方式による熱転写画像14を印画して、ICカードを得た。
【0033】
実施例2
図2に示す断面構造を有するICカードを以下の方法により作成した。
(1)ICカード本体1の作成
厚さ50μmの絶縁性基材2(商品名:テトロンS、帝人社製、材質:ポリエチレンテレフタレート)上に3ターンの巻き線アンテナおよび回路を銀ペーストによるスクリーン印刷法にて作成し、回路基板の所定の位置に異方性導電性樹脂を介してICチップ3(型番:SLE44R31、SIEMENS製、厚さ185μm)をフェースボンディングにて搭載してインレットを作成した。
上記作成したインレットの両側にポリエステル系ホットメルト接着剤シート4a,4b(商品名:アロンメルト、東亜合成社製)と、厚さ100μmの合成樹脂フィルム5a,5b(商品名:PG−WHI、三菱樹脂社製、材質:アモルファスポリエステル)を両側に順次積層し熱プレス機を用いて貼りあわせた後、打ち抜き機にて成型して厚さ530μmのICカード本体1を得た。
【0034】
(2)レンズ形成用区画線用樹脂組成物の調製
以下の組成のレンズ形成用区画線用樹脂組成物を調製した。
アルミナホワイト                      10質量部
メラミン変性フェノール樹脂                 50質量部
アマニ油変性アルキッド樹脂                 20質量部
ブチルセロソルブ                      10質量部
酢酸エチル                         10質量部
【0035】
(3)凸レンズ形成用樹脂組成物の調製
凸レンズ形成用樹脂として、以下の組成のアクリル系樹脂組成物を調製した。
Figure 2004017537
【0036】
(4)ICカードの作成
厚さ200μmの透明ベースシート7(商品名:エビロンHS800、太平化学社製、材質:ポリ塩化ビニル)の一面に、上記のレンズ形成用区画線用樹脂組成物を用いて、レンズ形成用区画線8を250μm間隔で線幅30μmとなるようにスクリーン印刷にて設けた。
レンズ形成用区画線8に対して相容性のない上記アクリル系樹脂組成物を、透明ベースシート7のレンズ形成用区画線8側に、ロールコーターにて厚み13μmとなるように塗工した。レンズ形成用区画線8とレンズ形成用樹脂の不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂自身の表面張力により、透明ベースシート表面には半円状の凸状体が並列状態に形成された。
この凸状体形成層に対し、紫外線照射装置メタルハライドランプにより紫外線を照射(紫外線照射条件:ランプ出力80W/cm、ベルト速度15m/分、積算光量300mW/cm)して前記凸状体を硬化させ、レンズ層9を形成した。
透明ベースシート7のレンズ層9を形成した面の一部にスクリーン印刷にてデザイン印刷画像を形成した。また透明ベースシートの他方の面側にはアクリル系粘着剤層16(塗工量15g/m)を設けた。
一方、上質紙15(厚さ120μm)の片面に一対の細長帯状の右眼用画像と細長帯状の左眼用画像を複数並設した画像層10を間隔が250μmとなるよう、オフセット印刷にて設け、印刷シートを作成した。
印刷シートの画像層10印刷側と、透明ベースシートの粘着剤層16側を貼りあわせて圧着し、厚さ350μmのカード状にした。
このレンズつき印刷シートの他面に、ホットメルト接着剤11を介してICカード本体1を積層し、熱プレス機で熱圧着して、厚さ760μmのカード状にした。
その後、透明ベースシート7のレンズ層9を形成した面のデザイン印刷画像を形成していない部分に、カード用熱転写プリンター(商品名:NCP−100、野崎印刷紙業製)にて昇華熱転写画像14を印画して、ICカードを得た。
【0037】
実施例3
図2に示す断面構造を有するICカードを以下の方法により作成した。
(1)ICカード本体1の作成:実施例2と同様。
(2)レンズ区画線用樹脂組成物の調製:実施例2と同様。
(3)凸レンズ形成用樹脂組成物の調製
凸レンズ形成用樹脂として、以下の組成の、ポリエステル系樹脂を主成分とする組成物(以下、ポリエステル系樹脂組成物という)を調製した。
Figure 2004017537
(4)ICカードの作成
厚さ200μmの透明ベースシート7(商品名:ダイヤホイルS−100、三菱化学ポリエステル社製、材質:ポリエチレンテレフタレート)の一面に、上記のレンズ形成用区画線用樹脂組成物を用いて、レンズ形成用区画線8を間隔160μm、線幅20μmとなるようスクリーン印刷にて設けた。
レンズ形成用区画線8に対して相容性のない上記のポリエステル系樹脂組成物を、透明ベースシート7のレンズ形成用区画線8側にロールコーターにて厚み13μmとなるように塗工した。レンズ形成用区画線8とレンズ形成用樹脂の不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂自身の表面張力により、透明ベースシート表面には半円状の凸状体が並列状態に形成された。
凸状体形成層つき透明ベースシート7を150℃のオーブン中に20分放置して前記凸状体を硬化させ、レンズ層9を形成した。
透明ベースシート7のレンズ層9を形成した面の一部にスクリーン印刷にてデザイン印刷画像を形成した。また透明ベースシートの他方の面側にはアクリル系粘着剤層16(塗工量15g/m)を設けた。
一方、上質紙15(厚さ120μm)の片面に、一対の細長帯状の右眼用画像と細長帯状の左眼用画像を間隔が160μmとなるよう複数並設した画像層10をオフセット印刷にて設け、印刷シートを作成した。
印刷シートの画像層10を形成した側の面と、透明ベースシート7の粘着剤層16を形成した側の面とを貼りあわせて厚さ350μmのカード状にした。
この印刷シートの他面に、ホットメルト接着剤を介してICカード本体1を積層し、熱プレス機で熱圧着して厚さ760μmのカード状にした。
その後、透明ベースシート7のレンズ層9を形成した面のデザイン印刷画像を形成していない部分に、カード用熱転写プリンター(商品名:NCP−100、野崎印刷紙業製)にて昇華熱転写画像14を印画して、ICカードを得た。
【0038】
実施例4
図2に示す断面構造を有するICカードを、凸レンズ形成用樹脂として、以下の組成の、ポリエステル系樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー系樹脂を主成分とする組成物(表1ではポリエステル/塩酢ビ系樹脂と記載)を使用した以外は、実施例3と同様にして作成した。
Figure 2004017537
【0039】
比較例1
図1に示す断面構造を有するICカードを、以下の組成の凸レンズ形成用樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして作成した。
Figure 2004017537
【0040】
比較例2
図1に示す断面構造を有するICカードを、以下の組成の凸レンズ形成用樹脂組成物を使用し、凸状体形成層つき透明ベースシート7を常温で乾燥した以外は、実施例1と同様にして作成した。
凸レンズ形成用樹脂組成物
ポリウレタン樹脂(商品名:ポリウラック、中国塗料社製)   95質量部
メラミン系硬化剤(商品名:バンセミン、ハリマ化成社製)    5質量部
その結果、比較例2において、透明ベースシート表面に形成された半円状の凸状体は、硬化が不十分であり、手で触れた部分が変形を起し、凸状体を維持できなかった。
【0041】
試験例1
上記実施例1〜4及び比較例1,2で得られたICカードの昇華熱転写画像14について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、KOLLMORGEN社製)を用いて反射濃度を測定し、印画エネルギー当たりの反射濃度を求めた。反射濃度の高いものから順に、○、△、×の3段階で評価した。
【0042】
また、上記実施例1〜4及び比較例1で得られたICカードのレンズ層面側の立体視画像外観(立体感及び鮮明感)を目視で○、△、×の3段階で評価した。
○:非常に良い
△:良い
×:悪い
その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004017537
【0044】
実施例1〜4のICカードが、昇華熱転写画像の濃度が高く鮮明であったのに対し、比較例1のものは画像濃度に劣り、実用に供することが不可能な程であった。
また、実施例1〜4のICカードは、立体視画像に奥行き感があり、鮮明であった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のICカードは立体視できる画像を有しており、美観に優れていると同時に、市販のカード用熱転写プリンターにより、フルカラーで高解像度の画像を任意に形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICカードの第1の実施態様を示す断面図である。
【図2】本発明のICカードの第2の実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1…カード本体、2…絶縁性基材、3…ICチップ、4a,4b…ホットメルト接着剤層、5a,5b…合成樹脂フィルム、7…透明ベースシート、8…レンズ形成用区画線、9…レンズ層、10…画像層、11…ホットメルト接着剤層、14…熱転写画像、15…上質紙、16…粘着剤層

Claims (1)

  1. 電子回路を備えるカード本体の片面又は両面の少なくとも一部に、画像層と、複数の透明な凸レンズを有するレンズ層とが積層されたICカードであって、
    前記凸レンズは、アクリル系樹脂、 塩化ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれた1種以上を主成分とし、且つ、
    前記レンズ層の表面の少なくとも一部に、熱転写画像が形成されていることを特徴とするICカード。
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