JP2004017252A - トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 - Google Patents
トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004017252A JP2004017252A JP2002178845A JP2002178845A JP2004017252A JP 2004017252 A JP2004017252 A JP 2004017252A JP 2002178845 A JP2002178845 A JP 2002178845A JP 2002178845 A JP2002178845 A JP 2002178845A JP 2004017252 A JP2004017252 A JP 2004017252A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- pivot shaft
- continuously variable
- variable transmission
- type continuously
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Friction Gearing (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10は、該トロイダル型無段変速機のパワーローラを支持するピボット軸1の第1軸3を仕上げ加工するものである。すなわち、ピボット軸1の第2軸2に当接して、第2軸2に回転力を与えて支持する少なくとも2個以上のローラ11,12,13と、ローラ11,12,13により回転するピボット軸1が押し付けられてピボット軸1を位置決めるバッキングプレート14とを備え、回転するピボット軸1の第1軸3に対して、砥石仕上げを行う。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に自動車や産業機器の変速機として使用するトロイダル型の無段変速機に用いられるピボット軸の仕上げ装置及び仕上げ方法に関し、特に超仕上げを施す仕上げ装置及び仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9(a),(b)に示すように、トロイダル型無段変速機に用いられるピボット軸70は、第2軸72の一方側に、この第2軸72と同一の軸心をもち、第2軸72よりも小径の第1軸71が備えられ、第2軸72の他方側に、第2軸72に偏心した軸心を持つ第3軸73が備えられている。第1軸71は、パワーローラの回転中心と同一の軸心に配されてパワーローラを支持する。第2軸72はパワーローラ上の軸受の外輪に結合され、第3軸73はトラニオンを支持する。
【0003】
従来、ピボット軸の仕上げ装置として、図9(a),(b)及び図10(a),(b)に示す仕上げ装置90が知られている。仕上げ装置90は、主軸91の面上に配されたクランプ92とV受93とからなる偏心チャック94を用いる。
【0004】
このような仕上げ装置90を用いてピボット軸70の第1,第2、第3軸71,72,73を仕上げ加工するには、先ず第3軸73のみを仕上げ加工する。すなわち、図9(a),(b)に示すように、V受93とクランプ92とにより第1軸71をクランプすることによって、第3軸73が主軸91に同一の軸心に配され、主軸91を回転させながら、第3軸73の外径に対し、砥石95を当てて研削加工が施される。
【0005】
次に、第3軸73の研削加工が終了してから、第1軸71及び第2軸72の仕上げ加工が行われる。すなわち、図10(a),(b)に示すように、V受93とクランプ92とにより第3軸73をクランプすることによって、第1軸71が主軸91に同一の軸心に配され、主軸91を回転させながら、第1軸71及び第2軸72の外径に対し、ワンチャックにて砥石95を当てて研削加工が施される。その際、第1軸71の外径の面粗さを良くするため、砥石軸をピボット軸70と平行にオシレーションさせながら、研削加工が施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記仕上げ装置90では、第1軸71をオシレーション研削に際して、第2軸の逃げ溝幅が小さい場合には、段付きの総型砥石を用いることができないため、外径の異なる第1軸71及び第2軸72の各々を研削しなければならず、加工サイクルが長くなるという問題点があった。
【0007】
また、砥石の軸ユニットが大きい場合、オシレーションに伴う慣性が大きくなるため、高速加工に不適当であるという問題点があった。
更に、トロイダル型無段変速機に用いられるピボット軸70においては、第2軸72及び第3軸73に比べ、第1軸71の表面粗さを細かく仕上げることによって長寿命とすることが要求されるが、上記仕上げ装置90では、第1軸71の表面粗さを、例えば、Ra=0.2以下に安定して維持することが困難であるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができるとともに、第1軸及び第2軸を同時に研削することによって、オシレーション研削不要の加工を可能とし、加工サイクルを短縮することができるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置は、トロイダル型無段変速機のパワーローラを支持する第1軸と、前記第1軸と同心に配された第2軸と、該第1軸の反対側で前記第2軸に偏心して配された第3軸とを一体に有するピボット軸を仕上げ加工するトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置であって、前記ピボット軸の第2軸に当接して、該第2軸に回転力を与えて支持する少なくとも2個以上のローラと、前記ローラにより回転する前記ピボット軸が押し付けられて該ピボット軸を位置決めるバッキングプレートとを備え、回転するピボット軸に対して、砥石仕上げを行うことを特徴とする。
【0010】
前記構成のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によれば、ピボット軸の第2軸に当接して、第2軸に回転力を与えて支持する少なくとも2個以上のローラと、ローラにより回転するピボット軸が押し付けられてピボット軸を位置決めるバッキングプレートとを用い、回転するピボット軸に対し、砥石による研磨仕上げが行われる。
したがって、回転中に位置決めされた第1軸に対する砥石による研磨仕上げによって第1軸の外径仕上げが行われるため、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができる。
また、第1軸及び第2軸を総型砥石により同時に研削し、その後上記工程で超仕上げ加工を施すので、オシレーション研削不要の同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0011】
本発明の請求項2記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置は、トロイダル型無段変速機のパワーローラを支持する第1軸と、前記第1軸と同心に配された第2軸と、該第1軸の反対側で前記第2軸に偏心して配された第3軸とを一体に有するピボット軸を仕上げ加工するトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置であって、前記ピボット軸の前記第2軸または第3軸をクランプして該ピボット軸を回転させ、回転する前記第1軸に対し、研磨テープを押し付けながら仕上げを行うことを特徴とする。
【0012】
前記構成のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によれば、ピボット軸の第2軸または第3軸をクランプしてピボット軸を回転させ、回転する第1軸に対し、研磨テープを押し付けながら仕上げが行われる。
したがって、回転する第1軸に対する研磨テープによる仕上げによって第1軸の外径仕上げが行われるため、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができ、オシレーション研削不要の同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0013】
本発明の請求項3記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置は、回転する前記ピボット軸の前記第2軸または第3軸をクランプするクランプ機構を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置である。
【0014】
前記構成のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によれば、回転するピボット軸の第2軸または第3軸をクランプするクランプ機構を用いるのが良い。クランプ機構は、従来用いられていたものと同様の機構であるため、新たな設備投資をする必要がない。
【0015】
本発明の請求項4記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を用いて前記ピボット軸の前記第1軸の仕上げ加工を行うことを特徴とするトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ方法である。
【0016】
前記構成のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ方法によれば、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができるとともに、第1軸及び第2軸を総型砥石により同時に研削できるので、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によって作成されたピボット軸の正面図及び側面図である。図2(a),(b)は、本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置の正面図及び側面図である。図3(a),(b)は、本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット 軸仕上げ装置に用いられるクランプ機構の正面図及び側面図である。
【0018】
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置で加工するピボット軸1は、中央に配された第2軸2の図中右側である一方側に、この第2軸2と同一の軸心をもち、第2軸2よりも小径の第1軸3が一体に備えられ、第2軸2の図中左側である他方側に、第2軸2に偏心した軸心をもち、第1軸3とほぼ同一の外径の第3軸4が一体に備えられている。
第1軸3は、トロイダル型無段変速機のパワーローラの回転中心と同一の軸心に配されてパワーローラを支持する。第2軸2は、パワーローラ上の軸受の外輪に結合される。第3軸4は、トロイダル型無段変速機のトラニオンを支持する。
【0019】
図1(b)に示すように、ピボット軸1の第3軸4は、第1軸3,第2軸2の軸心a1に対して偏心量L1だけ偏心した軸心a2を備えている。
【0020】
図2(a),(b)に示すように、本発明の第1実施形態であるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10は、レギュレーションロール(ローラ)11と、サポートロール(ローラ)12と、プレッシャーロール(ローラ)13と、バッキングプレート14と、から構成されている。トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10は、外径の研削加工が終了したピボット軸1に対して仕上げ加工を行う。
【0021】
レギュレーションロール11は、外周面にピボット軸1の第2軸2を当接させることによって、ピボット軸1に回転力を与える。
【0022】
サポートロール12、プレッシャーロール13は、レギュレーションロール11に対向する側から、ピボット軸1の第2軸2に当接することによって、自ら回転して第2軸2を支持する。この際、サポートロール12及びプレッシャーロール13は、わずかに傾くことによって、ピボット軸1をバッキングプレート14側に押し付ける。
【0023】
バッキングプレート14は、フローティング機構15を内蔵している。そのため、回転中のピボット軸1において研削されていない第1軸3の端面が、サポートロール12及びプレッシャーロール13によって、わずかに傾きながら当接することによって、端面振れを生じている第1軸3を位置決めしつつ回転させる。
【0024】
そして、位置決められて回転するピボット軸1の第1軸3の外径に対し、図示しない細かい砥石を低圧で、例えば、4000FPM〜5000FPMレベルの高振動でオシレーションさせながら当てることによって、第一軸3の超仕上げを行い、表面粗さで、Ra=0.2以下であり、耐磨耗性、耐食性、潤滑性に富む第1軸3を得る。
【0025】
このようなトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10では、図3(a),(b)に示すクランプ機構16を用いる。クランプ機構16は、主軸17上に配されたV受18とクランプ19とからなる。
クランプ機構16は、V受18とクランプ19とによりピボット軸1の第2軸2をクランプして主軸17を回転させ、第1軸3の外径に対して、砥石をオシレーションさせながら当てることによって、表面粗さで、Ra=0.2以下に第1軸3の外径の超仕上げを行う。このとき、ピボット軸1の第3軸4を図10に示す偏心チャックにてクランプして第1軸3の外径の超仕上げを行うこともできる。
【0026】
上述したように第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10によれば、ピボット軸1の第2軸2に当接して、第2軸2に回転力を与えて支持するレギュレーションロール11、サポートロール12、プレッシャーロール13と、各ローラ11,12,13により回転するピボット軸1が押し付けられてピボット軸1を位置決めるバッキングプレート14とを用い、回転するピボット軸1に対して、砥石による研磨仕上げが行われる。
したがって、回転中に位置決めされた第1軸3に対する砥石による研磨仕上げによって第1軸3の外径仕上げが行われるため、ピボット軸1の第1軸3の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができる。また、第1軸3及び第2軸2を総型砥石により同時に研削できるので、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0027】
また、第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置10によれば、回転するピボット軸1の第2軸2または第3軸4をクランプするクランプ機構16を用いている。クランプ機構16は、従来用いられていたものと同様の機構であるため、新たな設備投資をする必要がない。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態であるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を説明する。図4(a),(b)は、第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置の正面図及び側面図である。
なお、上記第1実施形態で説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材については、図中に同一符号又は相当符号を付することにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0029】
図4(a),(b)に示すように、本発明の第2実施形態であるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置20は、研磨テープ21を用いた仕上げ装置であって、基台22上に配された巻取りロール23、送りロール24、テンションロール25、2個のガイドロール26,26、第1軸3の軸方向の前後に配されたテープユニット27と、主軸28上に配されたV受29、クランプ30を備えたクランプ機構31とからなる。
第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置20も、外径の研削加工が終了したピボット軸1に対して仕上げ加工を行う。
【0030】
第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置20では、ピボット軸1の第3軸4をV受29とクランプ30とによってクランプすることにより、第1軸3の軸中心を主軸28の軸中心に一致させて配し、主軸28を回転させる。
そして、送りロール24から送出された研磨テープ21が、巻取りロール23に巻き取られる途中で、テンションロール25によって押圧力を付与されながら、2個のガイドロール26,26間に配された第1軸3に研磨テープ21を低圧で押し付けられる。これにより、第1軸3の超仕上げを行い、表面粗さで、Ra=0.2以下であり、 耐磨耗性、耐食性、潤滑性に富む第1軸3を得ることができる。
【0031】
第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置20では、図3(a),(b)に示すクランプ機構16を用いても良い。その場合、V受18とクランプ19とにより第2軸2をクランプして主軸17を回転させ、第1軸3の外径に対して、研磨テープ21を押し付けることによって、表面粗さで、Ra=0.2以下に第1軸3の外径の超仕上げを行うことができる。
【0032】
上述したように第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置20によれば、ピボット軸1の第2軸2または第3軸4をクランプしてピボット軸1を回転させ、回転する第1軸3に対し、研磨テープ21を押し付けながら仕上げが行われる。
したがって、回転する第1軸3に対する研磨テープ21による仕上げによって第1軸3の外径仕上げが行われるため、ピボット軸1の第1軸3の外径を、極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができ、オシレーション研削を不要とする同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態であるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を説明する。図5(a),(b)は、本発明の第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によって作成されたピボット軸の正面図及び側面図である。図6(a),(b)は、本発明の第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置の正面図及び側面図である。図7(a),(b)は、本発明の第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置に用いられるクランプ機構の正面図及び側面図である。
【0034】
図5(a)に示すように、ピボット軸5は、中央に配され、第2軸であるパワーローラの外輪部6が一体に形成され、この図中右側である一方側に、この第2軸6と同一の軸心を持つ第1軸7が一体に備えられ、第2軸6の図中左側である他方側に、第2軸6に偏心した軸心を持つ第3軸8が一体に備えられている。
第1軸7は、パワーローラの回転中心と同一の軸心に配される。第2軸である外輪部6がパワーローラ上の軸受の外輪を構成する。第3軸8はトラニオンを支持する。
【0035】
図5(b)に示すように、ピボット軸5の第3軸8は、第1軸7,第2軸6の軸心a1に対して偏心量L1だけ偏心した軸心a2を備えている。
【0036】
図6(a),(b)に示すように、トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置40は、レギュレーションロール(ローラ)41と、サポートロール(ローラ)42と、プレッシャーロール(ローラ)43と、バッキングプレート44と、から構成されている。トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置40は、外径の研削加工が終了したピボット軸5に対して仕上げ加工を行う。
【0037】
レギュレーションロール41は、外周面にピボット軸5の第2軸である外輪部6を当接させることによって、ピボット軸5に回転力を与える。
サポートロール42、プレッシャーロール43は、レギュレーションロール41に対向する側から、ピボット軸5の外輪部6に当接することによって、自ら回転して外輪部6を支持する。この際、サポートロール42及びプレッシャーロール43は、わずかに傾くことによって、ピボット軸5をバッキングプレート44側に押し付ける。
【0038】
バッキングプレート44は、フローティング機構45を内蔵している。そのため、回転中のピボット軸5において研削されていない第1軸7の端面が、サポートロール42及びプレッシャーロール43によって、わずかに傾きながら当接することによって、端面振れを生じている第1軸7を位置決めしつつ回転させる。
【0039】
そして、位置決められて回転するピボット軸5の第1軸7の外径に対し、図示しない細かい砥石を低圧で、例えば、4000FPM〜5000FPMレベルの高振動でオシレーションさせながら当てることによって、第1軸7の超仕上げを行い、表面粗さで、Ra=0.2以下であり、耐磨耗性、耐食性、潤滑性に富む第1軸7を得ることができる。
【0040】
第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置40では、図7(a),(b)に示すクランプ機構46を用いる。クランプ機構46は、主軸47上に配されたV受48とクランプ49とからなる。クランプ機構46は、V受48とクランプ49とによりピボット軸5の外輪部6をクランプして主軸47を回転させ、第1軸7の外径に対し、砥石をオシレーションさせながら当てることによって、表面粗さで、Ra=0.2以下に第1軸7の外径の超仕上げを行う。このとき、ピボット軸5の第3軸8を図10に示す偏心チャックにてクランプして第1軸7の外径の超仕上げを行うこともできる。
【0041】
上述したように第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置40によれば、ピボット軸5の第2軸である外輪部6に当接して、第2軸6に回力を与えて支持するレギュレーションロール41、サポートロール42、プレッシャーロール43と、各ローラ41,42,43により回転するピボット軸5が押し付けられてピボット軸5を位置決めるバッキングプレート44とを用い、回転するピボット軸5に対して、砥石仕上げが行われる。
したがって、回転中に位置決めされた第1軸3に対する砥石仕上げによって第1軸7の外径仕上げが行われるため、ピボット軸5の第1軸7の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができるとともに、第1軸7及び第2軸6を総型砥石により同時に研削できるので、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0042】
次に、本発明の第4実施形態であるトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を説明する。図8(a),(b)は、第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置の正面図及び側面図である。
図8(a),(b)に示すように、トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置50は、研磨テープ51を用いた仕上げ装置であって、基台52上に配された巻取りロール53、送りロール54、テンションロール55、2個のガイドロール56,56、第1軸7の軸方向の前後に配されたテープユニット57と、主軸58上に配されたV受59とクランプ60とを備えたクランプ機構61とからなる。第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置50も、外径の研削加工が終了したピボット軸5に対して仕上げ加工を行う。
【0043】
第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置50では、ピボット軸5の第3軸8をV受59とクランプ60とによってクランプすることにより、第1軸7の軸中心を主軸58の軸中心に一致させて配し、主軸58を回転させる。
そして、送りロール54から送出された研磨テープ51が、巻取りロール53に巻き取られる途中で、テンションロール55によって押圧力を付与されながら、2個のガイドロール56,56間に配された第1軸7に研磨テープ51を低圧で押し付ける。これにより、第1軸7の超仕上げを行い、表面粗さで、Ra=0.2以下であり、耐磨耗性、耐食性、潤滑性に富む第1軸7を得ることができる。
【0044】
第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置50では、図7(a),(b)に示すクランプ機構46を用いても良い。その場合、V受48とクランプ49とにより外輪部6をクランプして主軸47を回転させ、第1軸7の外径に対して、研磨テープ51を押し付けることによって、表面粗さで、Ra=0.2以下に第1軸7の外径の超仕上げを行うことができる。
【0045】
上述したように第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置50によれば、ピボット軸5の第2軸である外輪部6または第3軸8をクランプしてピボット軸5を回転させ、回転する第1軸7に対し、研磨テープ51を押し付けながら仕上げが行われる。
したがって、回転する第1軸7に対する研磨テープ51による仕上げによって第1軸7の外径仕上げが行われるため、ピボット軸5の第1軸7の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができ、オシレーション研削を不要として同時加工を可能とし、加工サイクルを短縮 できる。
【0046】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、サポートロールを用いずに、プレッシャーロールとレギュレーションロールとで、ピボット軸の第2軸を挟んで支持するようにしても良い。
また、一対のプレッシャーロールを設けて、それらプレッシャーロールとレギュレーションロールとで、ピボット軸の第2軸を挟んで支持するようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によれば、ピボット軸の第2軸に当接して、第2軸に回転力を与えて支持する少なくとも2個以上のローラと、ローラにより回転するピボット軸が押し付けられてピボット軸を位置決めるバッキングプレートとを用い、回転するピボット軸に対し、砥石による研磨仕上げが行われる。
したがって、回転中に位置決めされた第1軸に対する砥石による研磨仕上げによって第1軸の外径仕上げが行われるため、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができるとともに、第1軸及び第2軸を総型砥石により同時に研削できるので、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0048】
また、本発明のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置によれば、ピボット軸の第2軸または第3軸をクランプしてピボット軸を回転させ、回転する第1軸に対して、研磨テープを押し付けながら仕上げが行われる。
したがって、回転する第1軸に対する研磨テープによる仕上げによって第1軸の外径仕上げが行われるため、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができ、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【0049】
また、回転するピボット軸の第2軸または第3軸をクランプするクランプ機構を用いている。そのため、クランプ機構は、従来用いられていたものと同様の機構であるため、新たな設備投資をする必要がない。
【0050】
更に、上記構成のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ方法によれば、ピボット軸の第1軸の外径を極めて精密に安定して且つ短時間で仕上げることができるとともに、第1軸及び第2軸を総型砥石により同時に研削できるので、オシレーション研削を不要とした同時加工が可能であり、加工サイクルを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態により作成されたピボット軸を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に用いたクランプ機構を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図5】本発明の第3実施形態により作成されたピボット軸を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に用いたクランプ機構を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図8】本発明の第4実施形態のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図9】従来のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【図10】従来のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の側面図である。
【符号の説明】
1,5 ピボット軸
2,6 第2軸
3,7 第1軸
4,8 第3軸
10,20,40,50 トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置
11,41 レギュレーションロール(ローラ)
12,42 サポートロール(ローラ)
13,43 プレッシャーロール(ローラ)
14,44 バッキングプレート
16,31,46,61 クランプ機構
21,51 研磨テープ
Claims (4)
- トロイダル型無段変速機のパワーローラを支持する第1軸と、前記第1軸と同心に配された第2軸と、該第1軸の反対側で前記第2軸に偏心して配された第3軸とを一体に有するピボット軸を仕上げ加工するトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置であって、
前記ピボット軸の前記第2軸に当接して、該第2軸に回転力を与えて支持する少なくとも2個以上のローラと、
前記ローラにより回転する前記ピボット軸が押し付けられて該ピボット軸を位置決めるバッキングプレートとを備え、
回転する前記ピボット軸に対し、砥石仕上げを行うことを特徴とするトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置。 - トロイダル型無段変速機のパワーローラを支持する第1軸と、前記第1軸と同心に配された第2軸と、該第1軸の反対側で前記第2軸に偏心して配された第3軸とを一体に有するピボット軸を仕上げ加工するトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置であって、
前記ピボット軸の前記第2軸または第3軸をクランプして該ピボット軸を回転させ、回転する前記第1軸に対し、研磨テープを押し付けながら仕上げを行うことを特徴とするトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置。 - 回転する前記ピボット軸の前記第2軸または第3軸をクランプするクランプ機構を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置を用いて前記ピボット軸の前記第1軸の仕上げ加工を行うことを特徴とするトロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178845A JP2004017252A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178845A JP2004017252A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004017252A true JP2004017252A (ja) | 2004-01-22 |
JP2004017252A5 JP2004017252A5 (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=31176444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002178845A Pending JP2004017252A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004017252A (ja) |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178845A patent/JP2004017252A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5863239A (en) | Microfinishing and roller burnishing machine | |
JP5842550B2 (ja) | 超仕上げ加工装置、超仕上げ加工方法、及び外輪の製造方法 | |
JPH09103958A (ja) | 微細仕上げ方法および装置 | |
JP4812488B2 (ja) | ころ軸受軌道輪の超仕上げ加工方法 | |
JP4812489B2 (ja) | ころ軸受軌道輪の超仕上げ加工装置 | |
JP6369649B1 (ja) | フィルムラップ加工装置 | |
JP2004017252A (ja) | トロイダル型無段変速機用ピボット軸仕上げ装置及び仕上げ方法 | |
JP3583360B2 (ja) | 金属加工機械 | |
JP2002103218A (ja) | センタ装置とこれを用いた加工機 | |
JP2908996B2 (ja) | 球面仕上加工方法及び装置 | |
JP2004209631A (ja) | 超仕上げ装置 | |
JP2005169530A (ja) | 研削盤及び研削方法 | |
JP2002192450A (ja) | トロイダル型無段変速機用転動体の加工方法および加工装置 | |
JP2000108005A (ja) | フイルムラップ装置のシュー組立体 | |
JP2003089047A (ja) | 曲面仕上げ加工方法および曲面仕上げ加工装置 | |
JP3857579B2 (ja) | 面取り加工方法および面取り加工装置 | |
KR100252187B1 (ko) | 종이 코팅용 브레이드 가공장치 | |
JPS635220B2 (ja) | ||
JP2006075966A (ja) | クランクシャフトの研磨装置及びクランクシャフトの研磨方法 | |
JP3863055B2 (ja) | 研削盤および研削方法 | |
JP2003048146A (ja) | 曲面の加工方法および加工装置 | |
JP3687654B2 (ja) | ラッピング加工装置およびラッピング加工方法 | |
KR101981481B1 (ko) | 자동차 미션용 솔레노이드 바디 연마장치 | |
JP4737676B2 (ja) | テープラップ装置 | |
JPH08126954A (ja) | 超仕上加工方法ならびにこれに用いる砥石ホルダユニットおよび超仕上砥石 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050404 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050404 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061018 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061218 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070228 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |