JP2004017213A - 焼嵌め式接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械に装着する工具ホルダにドリル等の工具を焼嵌め式に取り付けるに際し、前記工具ホルダの凹部を該工具ホルダの熱膨張率以上に熱膨張させることにより、焼嵌めのための締まり代を大きくして、強固な保持力がえられるようにすること。
【解決手段】嵌合用凹部を有するチャック部を熱膨張させた状態で、当該凹部に凸軸である工具のシャンク部を挿入して冷却することにより両者を結合する装置において、前記凹軸であるチャック部の外周部に該凹軸の材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張材料の層を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】嵌合用凹部を有するチャック部を熱膨張させた状態で、当該凹部に凸軸である工具のシャンク部を挿入して冷却することにより両者を結合する装置において、前記凹軸であるチャック部の外周部に該凹軸の材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張材料の層を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に装着するホルダに工具を焼嵌め式に取り付ける工具ホルダ等の接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばマシニングセンタ等の工作機械の主軸に取り付けられる切削工具として、工具ホルダにドリル等の工具を固定したものが使用されている。この種の切削工具におけるホルダへの工具取り付け方式としては、種々の方式が実用されているが、最近、焼嵌め方式が注目されるようになった。焼嵌め方式は、周知の通り、嵌合用の凹部を有する凹軸(例えば工具ホルダ)を加熱膨張させた状態で凸軸(例えば工具のシャンク部)を挿入し、凹軸を冷却して収縮させることにより両者を結合する方式である。この焼嵌め方式は、工具保持のダイナミックバランスが良好なことから、切削工具等の工具取り付けに採用されることが多くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ドリル等の工具を焼嵌めでホルダに取り付ける場合、ホルダの熱膨張が大きいほど締まり代が大きくなり、工具のシャンク部を保持する力が強固になるが、熱膨張率の大きい材料は一般に強度が低いので、高強度を必要とするホルダ自体の材質として高熱膨張率材料を使用することはできない。このため、工具ホルダ本体の材質としては、高強度を有するが比較的熱膨張率の小さい構造用鋼や合金鋼が使用されている。このように、熱膨張率の小さい材料を工具ホルダに使用すると、焼嵌め代が小さいので、工具シャンク部とホルダ内径の加工精度を厳密に管理する必要があり、工具の寸法によっては十分な保持強度が得られないという問題点があった。
【0004】
上記切削工具における工具の保持強度を向上する方法として、工具を把持する把持部材に析出硬化又は加工硬化により強化されたオーステナイト組織を有する特殊鋼を採用する方法(特開平11−48007号)、工具ホルダのチャック部をシャンク部よりも熱膨張率の高い別材料で形成し、両者を一体化する方法(特開2000−126961号)、工具ホルダのチャック部の外周部に熱膨張率の高い材料で作られたリングを焼嵌めする方法(特開2001−12978号)等、種々の技術が提案されている。しかしながら、これらの方法には一長一短があり、チャック部の強度を低下させることなく熱膨張を大きくするという点では、いずれも十分なものとは言えない。そこで本発明は、凹軸の強度を低下させることなく、凹軸の持つ熱膨張率以上に熱膨張させることにより、焼嵌めのための締まり代を大きくして、強固に工具等を保持できる装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構造の接続装置を提供する。すなわち、本発明にかかる接続装置は、嵌合用凹部を有する凹軸を熱膨張させた状態で、前記嵌合用凹部に凸軸を挿入して冷却することにより両軸を接続する焼嵌め式接続装置であって、前記凹軸の嵌合用凹部の外周部に前記凹軸の材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張材料の層を設けたことを特徴としている。具体例をあげれば、凹軸が工具ホルダであり、凸軸が該工具ホルダに取り付けられるドリル等の工具のシャンク部であって、該工具ホルダのチャック部の中空部の外周部に高熱膨張率材料の層を設けた。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の接続装置として、工具ホルダを例にとって具体的に説明する。図1は本発明の1実施形態を表すもので、この工具ホルダ(接続装置)1は、ドリル等の切削工具を保持する工具ホルダであり、テーパ状シャンク部2と、マニュピュレータ把持部3と、チャック部4とで構成される。そして、このチャック部4で工具を保持し、シャンク部2を工作機械の主軸に挿入固定して使用される。チャック部4は工具のシャンク部(凸軸)が焼嵌めされる凹軸となっている。この工具ホルダ1におけるテーパ状シャンク部2とマニュピュレータ把持部3の構造は従来公知のものと同様であるので、説明を省略する。
【0007】
この工具ホルダ1の本体1aは構造用鋼、合金鋼等の鋼材で作られるもので、チャック部4は、端部が開口する中空部4aを有する凹軸として形成されている。そして、その中空部4aの内周面4bよりも僅かに外周寄りの肉厚部分に円筒状の空間7が形成されている。この円筒状の空間7は、高熱膨張材料を収納するためのもので、その深さは、図示例ではマニュピュレータ把持部3にまで達しているが、チャック部4を効果的に熱膨張させることができれば、これよりも浅くしてもよい。
【0008】
上記空間7には、工具ホルダ1の本体1aを構成する鋼材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張率材料、例えばステンレス鋼で製作された円筒8が圧入されている。このため、中空部4aの外周部に環状の高熱膨張率材料の層10が形成された状態となっている。なお、高熱膨張率材料の他の例としては、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銀、金、銅、ニッケル、クロム又はこれらの合金材料等がある。これら高熱膨張材料のうち、鋼よりも融点の低い材料の場合は、あらかじめ円筒状に成形して圧入する代りに、溶融させた溶湯を嵌合空間7に流し込むことによって高熱膨張率層10を形成することも可能である。
【0009】
次に、図2は上記と異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部4の内周面4bが拡径され、その拡径部分に高熱膨張率材料の円筒8が圧入されている。このため、チャック部4の内周面4b′自体が高熱膨張率層10となっている。この実施形態のものは製作が簡単であり、高熱膨張材料が軟質の材料である場合は、工具シャンク部に対する密着性が良好であるという利点がある。
【0010】
図3はさらに異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部本体4cが外周段部を有する小径の円筒状に形成され、その小径部に高熱膨張材料の円筒8が焼嵌め又は圧入で外嵌されるとともに、さらにその外周部に外筒12が焼嵌めされている。外筒12は鋼材で作られており、その基部が溶接13で工具ホルダ本体1aに固着され、チャック部材14に形成されている。この実施形態では、図1のものと同様に、チャック部4の肉厚部に高熱膨張率層10が形成されることになるが、図1のものに比べて加工精度等の点で製作が容易である。
【0011】
図4はさらに異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部の短い基部4dのみがホルダ本体1aと一体に形成され、この部分に別体のチャック部材14が固着されることによりチャック部4が構成されている。チャック部材14は、先端部に内側に突出する抜け止めリング14aを備えた筒状であり、その内周部に高熱膨張率材料で作られた円筒8が内嵌されている。この円筒8は、例えば冷やし嵌めにより取り付けられる。外筒12に高熱膨張率材料の円筒8を内嵌したチャック部材14は、小径のチャック基部4dに焼嵌め等の手段で嵌合した状態で、基部側の端部を溶接13で固着されている。チャック部材14の固定法としては、チャック基部4dにねじを切って螺着(工具ホルダの回転方向に対し逆ねじとする)する方法や、外周部に挿通したロックボルト13a等でチャック基部4dに固定するサイドロック方式(図の鎖線で示す)を採用することができる。この実施形態は、図2に示すものと同様に高熱膨張率層10がチャック内面に露出しているが、チャック部材14の先端部に内向フランジ状の抜け止めリング14aが設けられているので、円筒8の抜け出しが生じないという利点がある。
【0012】
この工具ホルダ1は、焼嵌め式にドリル等の工具を保持するもので、チャック部4を加熱して熱膨張させ、その中空部に工具のシャンクを挿入して冷却することにより該工具をしっかりと保持する。このチャック部4の加熱時には、高熱膨張率層10の熱膨張が大きいので、チャック部に開方向の力を加えることになり、比較的低温でもチャック部を大きく開くことができるのである。このように、大きな熱膨張を得ることができるので、冷却したときの収縮も大きく、工具をしっかりと保持できるのである。高熱膨張材料は一般に強度が低い傾向があるが、この工具ホルダでは、チャック部の主体をなすのは高強度の鋼材であるから、保持剛性が低下するおそれはない。なお、以上の説明では、工具を焼嵌めで保持する工具ホルダを例にとって説明したが、凹軸と凸軸とを焼嵌めして接続する種々の接続装置に利用できることは明らかである。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる接続装置は、凹軸と凸軸とを焼嵌め式に接続するもので、凹軸に高熱膨張率層が設けられているので、焼嵌めのための加熱時に、当該高熱膨張率層の作用によって凹部を大きく開くことができる。このため、凸軸の挿入が容易であるのみならず、冷却時における収縮も大きいので、凸軸を強固に保持できるのである。しかも高熱膨張率層以外の部分は高強度の凹軸材料からなるため、これに嵌合保持される凸軸の保持剛性が低下することはない。この接続装置を焼嵌め式の工具ホルダに利用する場合は、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続装置の一例としての工具ホルダを表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図2】上記と異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図3】さらに異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図4】さらに異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【符号の説明】
1 工具ホルダ
2 テーパ状シャンク部2
3 マニュピュレータ把持部3
4 チャック部
8 円筒
10 高熱膨張率層
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に装着するホルダに工具を焼嵌め式に取り付ける工具ホルダ等の接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばマシニングセンタ等の工作機械の主軸に取り付けられる切削工具として、工具ホルダにドリル等の工具を固定したものが使用されている。この種の切削工具におけるホルダへの工具取り付け方式としては、種々の方式が実用されているが、最近、焼嵌め方式が注目されるようになった。焼嵌め方式は、周知の通り、嵌合用の凹部を有する凹軸(例えば工具ホルダ)を加熱膨張させた状態で凸軸(例えば工具のシャンク部)を挿入し、凹軸を冷却して収縮させることにより両者を結合する方式である。この焼嵌め方式は、工具保持のダイナミックバランスが良好なことから、切削工具等の工具取り付けに採用されることが多くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ドリル等の工具を焼嵌めでホルダに取り付ける場合、ホルダの熱膨張が大きいほど締まり代が大きくなり、工具のシャンク部を保持する力が強固になるが、熱膨張率の大きい材料は一般に強度が低いので、高強度を必要とするホルダ自体の材質として高熱膨張率材料を使用することはできない。このため、工具ホルダ本体の材質としては、高強度を有するが比較的熱膨張率の小さい構造用鋼や合金鋼が使用されている。このように、熱膨張率の小さい材料を工具ホルダに使用すると、焼嵌め代が小さいので、工具シャンク部とホルダ内径の加工精度を厳密に管理する必要があり、工具の寸法によっては十分な保持強度が得られないという問題点があった。
【0004】
上記切削工具における工具の保持強度を向上する方法として、工具を把持する把持部材に析出硬化又は加工硬化により強化されたオーステナイト組織を有する特殊鋼を採用する方法(特開平11−48007号)、工具ホルダのチャック部をシャンク部よりも熱膨張率の高い別材料で形成し、両者を一体化する方法(特開2000−126961号)、工具ホルダのチャック部の外周部に熱膨張率の高い材料で作られたリングを焼嵌めする方法(特開2001−12978号)等、種々の技術が提案されている。しかしながら、これらの方法には一長一短があり、チャック部の強度を低下させることなく熱膨張を大きくするという点では、いずれも十分なものとは言えない。そこで本発明は、凹軸の強度を低下させることなく、凹軸の持つ熱膨張率以上に熱膨張させることにより、焼嵌めのための締まり代を大きくして、強固に工具等を保持できる装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構造の接続装置を提供する。すなわち、本発明にかかる接続装置は、嵌合用凹部を有する凹軸を熱膨張させた状態で、前記嵌合用凹部に凸軸を挿入して冷却することにより両軸を接続する焼嵌め式接続装置であって、前記凹軸の嵌合用凹部の外周部に前記凹軸の材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張材料の層を設けたことを特徴としている。具体例をあげれば、凹軸が工具ホルダであり、凸軸が該工具ホルダに取り付けられるドリル等の工具のシャンク部であって、該工具ホルダのチャック部の中空部の外周部に高熱膨張率材料の層を設けた。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の接続装置として、工具ホルダを例にとって具体的に説明する。図1は本発明の1実施形態を表すもので、この工具ホルダ(接続装置)1は、ドリル等の切削工具を保持する工具ホルダであり、テーパ状シャンク部2と、マニュピュレータ把持部3と、チャック部4とで構成される。そして、このチャック部4で工具を保持し、シャンク部2を工作機械の主軸に挿入固定して使用される。チャック部4は工具のシャンク部(凸軸)が焼嵌めされる凹軸となっている。この工具ホルダ1におけるテーパ状シャンク部2とマニュピュレータ把持部3の構造は従来公知のものと同様であるので、説明を省略する。
【0007】
この工具ホルダ1の本体1aは構造用鋼、合金鋼等の鋼材で作られるもので、チャック部4は、端部が開口する中空部4aを有する凹軸として形成されている。そして、その中空部4aの内周面4bよりも僅かに外周寄りの肉厚部分に円筒状の空間7が形成されている。この円筒状の空間7は、高熱膨張材料を収納するためのもので、その深さは、図示例ではマニュピュレータ把持部3にまで達しているが、チャック部4を効果的に熱膨張させることができれば、これよりも浅くしてもよい。
【0008】
上記空間7には、工具ホルダ1の本体1aを構成する鋼材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張率材料、例えばステンレス鋼で製作された円筒8が圧入されている。このため、中空部4aの外周部に環状の高熱膨張率材料の層10が形成された状態となっている。なお、高熱膨張率材料の他の例としては、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銀、金、銅、ニッケル、クロム又はこれらの合金材料等がある。これら高熱膨張材料のうち、鋼よりも融点の低い材料の場合は、あらかじめ円筒状に成形して圧入する代りに、溶融させた溶湯を嵌合空間7に流し込むことによって高熱膨張率層10を形成することも可能である。
【0009】
次に、図2は上記と異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部4の内周面4bが拡径され、その拡径部分に高熱膨張率材料の円筒8が圧入されている。このため、チャック部4の内周面4b′自体が高熱膨張率層10となっている。この実施形態のものは製作が簡単であり、高熱膨張材料が軟質の材料である場合は、工具シャンク部に対する密着性が良好であるという利点がある。
【0010】
図3はさらに異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部本体4cが外周段部を有する小径の円筒状に形成され、その小径部に高熱膨張材料の円筒8が焼嵌め又は圧入で外嵌されるとともに、さらにその外周部に外筒12が焼嵌めされている。外筒12は鋼材で作られており、その基部が溶接13で工具ホルダ本体1aに固着され、チャック部材14に形成されている。この実施形態では、図1のものと同様に、チャック部4の肉厚部に高熱膨張率層10が形成されることになるが、図1のものに比べて加工精度等の点で製作が容易である。
【0011】
図4はさらに異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、チャック部の短い基部4dのみがホルダ本体1aと一体に形成され、この部分に別体のチャック部材14が固着されることによりチャック部4が構成されている。チャック部材14は、先端部に内側に突出する抜け止めリング14aを備えた筒状であり、その内周部に高熱膨張率材料で作られた円筒8が内嵌されている。この円筒8は、例えば冷やし嵌めにより取り付けられる。外筒12に高熱膨張率材料の円筒8を内嵌したチャック部材14は、小径のチャック基部4dに焼嵌め等の手段で嵌合した状態で、基部側の端部を溶接13で固着されている。チャック部材14の固定法としては、チャック基部4dにねじを切って螺着(工具ホルダの回転方向に対し逆ねじとする)する方法や、外周部に挿通したロックボルト13a等でチャック基部4dに固定するサイドロック方式(図の鎖線で示す)を採用することができる。この実施形態は、図2に示すものと同様に高熱膨張率層10がチャック内面に露出しているが、チャック部材14の先端部に内向フランジ状の抜け止めリング14aが設けられているので、円筒8の抜け出しが生じないという利点がある。
【0012】
この工具ホルダ1は、焼嵌め式にドリル等の工具を保持するもので、チャック部4を加熱して熱膨張させ、その中空部に工具のシャンクを挿入して冷却することにより該工具をしっかりと保持する。このチャック部4の加熱時には、高熱膨張率層10の熱膨張が大きいので、チャック部に開方向の力を加えることになり、比較的低温でもチャック部を大きく開くことができるのである。このように、大きな熱膨張を得ることができるので、冷却したときの収縮も大きく、工具をしっかりと保持できるのである。高熱膨張材料は一般に強度が低い傾向があるが、この工具ホルダでは、チャック部の主体をなすのは高強度の鋼材であるから、保持剛性が低下するおそれはない。なお、以上の説明では、工具を焼嵌めで保持する工具ホルダを例にとって説明したが、凹軸と凸軸とを焼嵌めして接続する種々の接続装置に利用できることは明らかである。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる接続装置は、凹軸と凸軸とを焼嵌め式に接続するもので、凹軸に高熱膨張率層が設けられているので、焼嵌めのための加熱時に、当該高熱膨張率層の作用によって凹部を大きく開くことができる。このため、凸軸の挿入が容易であるのみならず、冷却時における収縮も大きいので、凸軸を強固に保持できるのである。しかも高熱膨張率層以外の部分は高強度の凹軸材料からなるため、これに嵌合保持される凸軸の保持剛性が低下することはない。この接続装置を焼嵌め式の工具ホルダに利用する場合は、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続装置の一例としての工具ホルダを表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図2】上記と異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図3】さらに異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【図4】さらに異なる実施形態を表す一部断面側面図(a)及びその正面図(b)である。
【符号の説明】
1 工具ホルダ
2 テーパ状シャンク部2
3 マニュピュレータ把持部3
4 チャック部
8 円筒
10 高熱膨張率層
Claims (4)
- 嵌合用凹部を有する凹軸を熱膨張させた状態で、前記嵌合用凹部に凸軸を挿入して冷却することにより両軸を接続する焼嵌め式接続装置であって、前記凹軸の嵌合用凹部の外周部に前記凹軸の材料よりも熱膨張率の高い高熱膨張材料の層を設けたことを特徴とする焼嵌め式接続装置。
- 焼嵌め式接続装置が切削工具を焼嵌め式に取り付ける工具ホルダである請求項1に記載の焼嵌め式接続装置。
- 凹軸の材料が構造用鋼又は合金鋼であり、高熱膨張材料がステンレス鋼である請求項1又は2に記載の焼嵌め式接続装置。
- 凹軸の材料が鋼材であり、高熱膨張材料が錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銀、金、銅、ニッケル、クロムもしくはこれらの合金である請求項1又は2に記載の焼嵌め式接続装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002175304A JP2004017213A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 焼嵌め式接続装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002175304A JP2004017213A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 焼嵌め式接続装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004017213A true JP2004017213A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31173997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002175304A Pending JP2004017213A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 焼嵌め式接続装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004017213A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008097171A1 (en) * | 2007-02-08 | 2008-08-14 | Seco Tools Ab | Shrink-fit tool with mechanical retention member, and method of mounting a tool to a toolholder |
JP2016506874A (ja) * | 2013-02-05 | 2016-03-07 | フランツ ハイマー マシーネンバウ カーゲー | 制振型チャック |
-
2002
- 2002-06-17 JP JP2002175304A patent/JP2004017213A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008097171A1 (en) * | 2007-02-08 | 2008-08-14 | Seco Tools Ab | Shrink-fit tool with mechanical retention member, and method of mounting a tool to a toolholder |
US8656573B2 (en) | 2007-02-08 | 2014-02-25 | Seco Tools Ab | Shrink-fit tool with mechanical retention member, and method of mounting a tool to a toolholder |
JP2016506874A (ja) * | 2013-02-05 | 2016-03-07 | フランツ ハイマー マシーネンバウ カーゲー | 制振型チャック |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070919 |