JP2004016979A - 混合液撹拌移送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な混合液を確実に製造かつ移送できると共に、装置を安価に製造することができる混合液撹拌移送装置を提供する。
【解決手段】混合液撹拌移送装置A1は、内部に混合液原料が充填される空間を形成した混合撹拌槽12と、流入口18を混合撹拌槽12の混合液取出口13に接続すると共に、流出口を混合液移送管19に接続する混合液移送ポンプ14と、混合液移送ポンプ14の駆動源17に接続され、混合撹拌槽12内の混合液原料20を混合撹拌する撹拌体22と、混合液移送管19に取り付けられる開閉弁23とを具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学プラント、セメント工場、土木現場、各種工場の廃液処理現場等で用いることができる混合液撹拌移送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記した技術分野に供される混合液撹拌移送装置として、図4に示す形態の混合液撹拌移送装置Bがある。
図示するように、例えば、ベントナイト、水、その他の混合液原料からなる混合液100を貯蔵する貯槽101の底板102上には、混合液原料を撹拌して混合液を製造するため用いられる撹拌装置103と、撹拌によって製造された混合液100を貯槽101の外部に移送する移送ポンプ104とが、水平方向に離隔した状態で設置されている。
【0003】
撹拌装置103は、貯槽101の底板102上に載置した載置板105上に、上下端を開口した撹拌案内筒106を機枠107によって取り付け、撹拌案内筒106内部に下方流を形成するプロペラ108を配置し、このプロペラを回転する回転モータ109をプロペラ108の上方に配置すると共に、撹拌案内筒106の上端に固定することによって構成されている。
【0004】
一方、移送ポンプ104は、下部中央に吸引開口を有すると共に側面に吐出開口を有するインペラ110を内蔵するインペラケーシング111の下部に多孔性の筒状ストレーナ112を取り付け、筒状ストレーナ112を機枠113を介して貯槽101の底板102上に設置し、インペラケーシング111の上部にインペラ110を回転駆動するための回転モータ114を取り付け、インペラケーシング111の吐出開口に混合液100を外部に移送する混合液移送管115を取り付けることによって構成されている。なお、図示の移送ポンプ104は撹拌羽根116を回転モータ114の出力軸に取り付けられている。
【0005】
上記した従来の混合液撹拌移送装置Bを用いた混合液の製造及び移送方法について説明すると、まず、貯槽101の内部に混合液原料を充填すると共に回転モータ109を駆動して撹拌体を回転し、混合液原料を図中破線で示すように混合撹拌して混合液100を製造する。次に、混合撹拌によって製造された混合液100を移送ポンプ104の回転モータ114を駆動してインペラ110を回転し、混合液100を移送ポンプ104内に吸引すると共に、混合液移送管115を通して外部に移送することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の混合液撹拌移送装置Bは、未だ、以下の解決すべき課題を有していた。即ち、上述したように、混合液100を製造するためには撹拌装置103と移送ポンプ104を駆動するが、そのためには、撹拌装置103と移送ポンプ104は、それぞれ別個に高価な回転モータ109、114を具備する必要がある。その結果、制御装置も別々に必要となり、混合液撹拌移送装置Bの設備費用が増大する。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、混合液を均一に撹拌しながら圧力移送できると共に、装置を安価かつコンパクトに構成することができる混合液撹拌移送装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る混合液撹拌移送装置は、内部に混合液原料が充填される空間を形成した混合撹拌槽と、流入口を混合撹拌槽の混合液取出口に接続すると共に、流出口を混合液移送管に接続する混合液移送ポンプと、混合液移送ポンプの駆動源に接続され、混合撹拌槽内の混合液原料を混合撹拌する撹拌体と、混合液移送管に取り付けられる開閉弁とを具備する。
【0009】
上記した構成によって、混合液を製造するための撹拌装置は、混合撹拌槽と、撹拌体と、駆動源とから形成することができると共に、混合液を移送するための移送装置は、移送ポンプと、同一駆動源とから形成することができる。このように、撹拌装置と移送装置は共通の駆動源を用いることができるため、混合液撹拌移送装置の全体構造を安価に製作できる。また、撹拌装置と移送装置を一体的に形成することができるので、混合液撹拌移送装置をコンパクトな構成とすることができる。
【0010】
また、上記した構成において、混合液移送管に開閉弁を取り付けたので、混合液の製造時には開閉弁を完全に又は部分的に閉じて撹拌体と混合液移送ポンプを駆動し、混合液の移送時には開閉弁を開けて撹拌体と混合液移送ポンプを駆動することができる。
【0011】
即ち、混合液原料を撹拌する場合は、開閉弁を完全に閉じて、混合液原料の撹拌のみを行なうことができる。その後、混合液を移送する場合は、開閉弁を開けることによって、混合液原料を撹拌しつつ外部に移送することができる。この際、混合液原料を撹拌体で撹拌しつつ混合液移送ポンプで強力に外部に移送することができるので、混合液が沈殿し易いものであっても、あるいは、その濃度が高い場合でも、混合液を効率良く外部に移送することができる。また、混合液原料を撹拌する場合においても、開閉弁をわずかに開けることによって、撹拌体で混合液原料を積極的に撹拌しつつ混合液を移送ポンプで徐々に外部に移送することができる。
【0012】
また、上記した構成において、撹拌体を混合液移送ポンプの駆動源に減速機構を介して接続することができる。このように、減速機構によって移送ポンプを高速で回転すると共に、撹拌体を低速で回転できるので、撹拌体の外形を大きくでき、高濃度の混合液でも効率的に撹拌できる。一方、移送ポンプの効率も高めることができる。
【0013】
また、上記した構成において、駆動源として、油圧モータやインバーター制御の電動モーター等の回転速度可変モータを用いることができる。このように回転速度可変モータを用いることによって、撹拌体による混合液原料の混合撹拌の強弱を、混合液原料の性質に応じて適切に調整することができる。例えば、混合液原料の濃度が高い場合は撹拌体を高速で回転でき、混合液原料の濃度が低い場合は撹拌体を低速で回転することができる。さらに、混合液を移送はせず撹拌のみの運転の場合には、回転速度可変モータを低速で回転させ、混合液を撹拌しつつ移送する場合には、回転速度可変モータを高速で回転させることによって消費動力を節約することができる。
【0014】
また、上記した構成において、混合液移送ポンプは、インペラを回転自在に内蔵するインペラケーシングと、駆動源を形成すると共に出力軸にインペラと撹拌体とを同軸的に取り付ける回転モータとを具備したものとすることができる。このようにインペラを用いて混合液を移送することによって、混合液を任意の場所へ一定の流量で移送することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図に示す一実施例を参照して、本発明に係る混合液撹拌移送装置について説明する。なお、図1は、本発明の第1実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図、図2は、本発明の第2実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図、図3は本発明の第3実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図である。
【0016】
(第1実施例)
図1を参照して、本実施例に係る混合液撹拌移送装置A1の構成について説明する。
図示するように、床面10上に、機枠11を介して、内部に混合液原料が充填される空間を形成した筒状の混合撹拌槽12が設置されており、混合撹拌槽12の下端には混合液取出口13が設けられている。
【0017】
混合撹拌槽12の下部には混合液移送ポンプ14が配設されている。本実施例では、混合液移送ポンプ14は、回転自在なインペラ15を内蔵するインペラケーシング16と、インペラケーシング16の下部に連設されインペラ15を回転駆動する駆動源を構成する回転モータ17とを具備する。また、混合液移送ポンプ14の上部中央には混合撹拌槽12の混合液取出口13に接続される流入口18が設けられており、混合液移送ポンプ14の周縁部には混合液移送管19が接続されている。
上記した構成によって、混合液移送ポンプ14を駆動することによって、混合液20を、混合撹拌槽12から混合液移送ポンプ14に吸引し、その後、混合液移送管19を通して外部に移送することができる。
【0018】
また、本実施例では、図示するように、混合液移送ポンプ14の出力軸21が流入口18及び混合液取出口13を貫通して混合撹拌槽12内に伸延しており、伸延端には、混合液原料を混合撹拌する撹拌体22が固着されている。なお、図示の実施例では、撹拌体22はプロペラによって構成されているが、周面に羽根片を取り付けた撹拌羽根等を用いることもできる。
【0019】
上記した構成によって、混合液移送ポンプ14の回転モータ17を駆動することによって、インペラ15のみならず、撹拌体22も回転することができ、この回転によって混合液原料を混合撹拌して混合液20を製造することができる。
さらに、本実施例では、混合液移送管19の中途に開閉弁23が取り付けられている。この開閉弁23の操作によって、混合液20の移送を後述するように制御することができる。
【0020】
次に、上記した構成を有する混合液撹拌移送装置A1を用いた混合液製造移送方法について、図1を参照して説明する。
まず、混合液20を製造する場合は、例えば、開閉弁23を完全に閉じた後、回転モータ17を駆動し、撹拌体22を回転して混合液原料を効果的に混合撹拌する。なお、この締切運転において、インペラ15も回転し、この回転はほとんど混合液原料の混合に寄与しないと考えられるが、上記した撹拌体22の回転によって混合液原料を十分に混合撹拌することができる。
【0021】
その後、混合液20を移送する場合は、開閉弁23を開けると、回転モータ17の駆動によって撹拌体22とインペラ15が一体的に回転しているので、混合液原料を混合撹拌しつつ混合液20を外部に移送することができる。この際、混合液原料を撹拌体22で混合撹拌しつつ混合液移送ポンプ14で強力に外部に移送することができるので、混合液20が沈殿し易いものであっても、あるいは、その濃度が高い場合でも、混合液20を効率良く外部に移送することができる。
【0022】
上記した態様の他に、混合液原料を混合撹拌する場合においても、開閉弁23をわずかに開けることによって、撹拌体22で混合液原料を積極的に撹拌しつつ、混合液20を混合液移送ポンプ14で徐々に外部に移送することができる。
また、上記した構成において、回転モータとして、油圧モータやインバーター制御の電動モーター等の回転速度可変モータを用いることができる。
【0023】
このように、回転モータ17として回転速度可変モータを用いることによって、撹拌体22による混合液原料の混合撹拌の強弱を、混合液原料の性質に応じて適切に調整することができる。例えば、混合液原料の濃度が高い場合は撹拌体22を高速で回転でき、混合液原料の濃度が低い場合は撹拌体22を低速で回転することができる。
さらに、本実施例では、撹拌体22と混合液移送ポンプ14を同一の駆動源である回転モータ17で駆動するようにしたので、混合液撹拌移送装置A1を安価に製作できる。
【0024】
(第2実施例)
本実施例は第1実施例の変形例に係るものであり、実質的に、図2に示すように、混合液移送ポンプ14と撹拌体22との間に減速機構30を介設したことを特徴とする。なお、本実施例において、第1実施例に係る構成要素と同一又は均等な構成要素は同一の符号で示し、その作用及び機能の説明は省略する。
【0025】
即ち、本実施例に係る混合液撹拌移送装置A2は、混合撹拌槽12の混合液取出口13と混合液移送ポンプ14の流入口18とを連絡筒31によって接続し、この連絡筒31内に歯車式減速機構等の減速機構30を固定状態に取り付け、この減速機構30を介して、回転モータ17の出力軸21の先端部と、先端部に撹拌体22を固着した撹拌体取付軸32の基部を連結した構成としている。
このように、減速機構30によって混合液移送ポンプ14を高速で回転すると共に、撹拌体22を低速で回転できるので、撹拌体22の外形を大きくでき、高濃度の混合液でも効率的に撹拌できる。一方、混合液移送ポンプ14の効率も高めることができる。
【0026】
(第3実施例)
本実施例は、混合液撹拌移送装置A3が、図4を参照して説明した従来の混合液撹拌移送装置Bと同様に、貯槽を構成する混合撹拌槽12に配設された形態を有することを特徴とする。換言すれば、第1実施例及び第2実施例に係る混合液撹拌移送装置A1、A2が、混合液移送ポンプ14を撹拌体22から構成される撹拌装置の下方に配置しているのに対して、本実施例に係る混合液撹拌移送装置A3は、混合液移送ポンプ14を撹拌装置の上方に配置したことに特徴を有する。なお、本実施例においても、第1実施例に係る構成要素と同一又は均等な構成要素は同一の符号で示し、その作用及び機能の説明は省略する。
【0027】
即ち、本実施例において、撹拌装置は、混合撹拌槽12の底板40上に載置した載置板41上に、上下端を開口した撹拌案内筒42を機枠43によって取り付け、撹拌案内筒42内部に下方流を形成する撹拌体22を配置し、この撹拌体22を後述する混合液移送ポンプ14の回転モータ17の出力軸21に撹拌体取付軸44を介して連結したことに特徴を有する。本実施例では、撹拌流の形成を容易にするため、載置板41の表面には、円錐状の撹拌案内盤45が取り付けられている。
【0028】
かかる構成によって、駆動源を構成する回転モータ17を駆動すると、出力軸21及び撹拌体取付軸44を介して撹拌体22が回転して混合液原料を上方から撹拌案内筒42の内部に流入させ、その後、円錐状の撹拌案内盤45の外表面に沿って下方に流出する。その後、混合液原料は混合撹拌槽12内を旋廻した後、再度、撹拌案内筒42の内部に流入し、破線で示すような旋廻流を形成し、混合撹拌されることになる。
【0029】
一方、混合液移送ポンプ14は、上記した撹拌装置の上方に所定の間隔を開けて配置されている。即ち、下部中央に流入口18を有すると共にインペラ15を内蔵するインペラケーシング16の下部に多孔性の筒状ストレーナ46を取り付け、筒状ストレーナ46を機枠47を介して撹拌装置の撹拌案内筒42に固定し、インペラケーシング16の上部にインペラ15を回転駆動するための回転モータ17を取り付け、インペラケーシング16の吐出開口に混合液20を外部に移送する混合液移送管19を取り付け、混合液移送管19の中途に開閉弁23を取り付けることによって構成されている。また、インペラ15は回転モータ17の出力軸21に固着されている。
【0030】
上記した構成によって、混合液移送ポンプ14を駆動することによって、混合液20を、混合撹拌槽12から混合液移送ポンプ14内に吸引し、その後、混合液移送管19を通して外部に移送することができる。
【0031】
このように、本実施例でも、撹拌体22と混合液移送ポンプ14を同一の駆動源である回転モータ17で駆動するようにしたので、混合液撹拌移送装置A3を安価に製作できる。また、撹拌体22と混合液移送ポンプ14を駆動することによって、混合液原料を均一に混合撹拌しつつ、混合液20を外部に移送することができる。
【0032】
以上、本発明を幾つかの実施例を参照して説明してきたが、本発明は何ら実施例記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内においてなされ得る多様な変形例や変容例も含むものである。例えば、上記した実施例では、撹拌装置と混合液移送ポンプは上下方向又は垂直に配設したが、左右方向又は水平方向に配置した場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明では、撹拌体と混合液移送ポンプを同一の駆動源である回転モータで駆動するようにしたので、円滑かつ確実に均一な混合液を製造及び移送できると共に、混合液撹拌移送装置を安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る混合液撹拌移送装置の一部断面正面図である。
【図4】従来の混合液撹拌移送装置の一部断面正面図である。
【符号の説明】
A1…混合液撹拌移送装置
A2…混合液撹拌移送装置
A3…混合液撹拌移送装置
10…床面
11…機枠
12…混合撹拌槽
13…混合液取出口
14…混合液移送ポンプ
15…インペラ
16…インペラケーシング
17…回転モータ
18…流入口
19…混合液移送管
20…混合液
21…出力軸
22…撹拌体
23…開閉弁
30…減速機構
31…連絡筒
32…撹拌体取付軸
40…底板
41…載置板
42…撹拌案内筒
43…機枠
44…撹拌体取付軸
45…撹拌案内盤
46…筒状ストレーナ
47…機枠

Claims (4)

  1. 内部に混合液原料が充填される空間を形成した混合撹拌槽と、
    流入口を前記混合撹拌槽の混合液取出口に接続すると共に、流出口を混合液移送管に接続する混合液移送ポンプと、
    前記混合液移送ポンプの駆動源に接続され、前記混合撹拌槽内の混合液原料を混合撹拌する撹拌体と、
    前記混合液移送管に取り付けられる開閉弁と、
    を具備する混合液撹拌移送装置。
  2. 前記撹拌体は前記混合液移送ポンプの前記駆動源に減速機構を介して接続されることを特徴とする請求項1記載の混合液撹拌移送装置。
  3. 前記駆動源が回転速度可変モータであることを特徴とする請求項1又は2記載の混合液撹拌移送装置。
  4. 前記混合液移送ポンプは、インペラを回転自在に内蔵するインペラケーシングと、前記駆動源を形成すると共に出力軸に前記インペラと前記撹拌体とを同軸的に取り付ける回転モータとを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の混合液撹拌移送装置。
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