JP2004016073A

JP2004016073A - キャンディ

Info

Publication number: JP2004016073A
Application number: JP2002174401A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Isobe; 磯部　勤; Shigeto Kayane; 茅根　滋人
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2002-06-14
Filing date: 2002-06-14
Publication date: 2004-01-22
Anticipated expiration: 2022-06-14
Also published as: JP3809132B2

Abstract

【解決手段】発泡性成分及び糖類を含有するキャンディであって、糖類中の麦芽糖類の含有率が２５重量％以下であるキャンディ。
【効果】本発明によれば、発泡性成分を有効量含有しつつ、保存安定性及び生産性の良好なキャンディが提供できる。
【選択図】　　　なし

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性の良好な発泡性成分含有キャンディに関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般にキャンディは、砂糖と水飴（麦芽糖水飴）と水を混ぜ、１２０℃程度で煮詰めて、水分（水＋水飴中の水）を蒸発させ、高温高粘度状態の飴生地を作成して１００℃程度で香料などの添加物を配合、混合し、押し型により切断・成型を行うことにより製造される。
【０００３】
一方、キャンディに発泡性成分を含有させると唾液の分泌が促進され、かつムチンの分泌も促進されることから、口腔内及びのどの乾燥症状の緩和や、口腔内及びのどの殺菌に有用であることが知られている（特開２００２−１８４）。このような発泡性キャンディの製造にあたっては、香料だけでなく、粉体である有機酸と炭酸水素ナトリウム等を添加する必要があり、少なくとも炭酸水素ナトリウムは、その分解反応抑制のため、７０℃以下の低温で粉体の状態で飴生地に練り込む必要がある。よって、発泡性キャンディの場合、低温と粉体の効果により、粘度が高くなりやすく、炭酸水素ナトリウムの混合・練り込みが容易でない。また、発泡性キャンディのように粉体を多く含有する場合、キャンディ中の飴生地の割合が相対的に少なくなり、粉体同士の弱い接着の部分が多くなることから、キャンディ自体の保形性が著しく低くなるという問題があった。
【０００４】
従って本発明の目的は、保存安定性及び生産性の良好な発泡性成分含有キャンディを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討したところ、糖類中の麦芽糖類の含有率を２５重量％以下に調整すれば、十分量の発泡性成分を含有し、かつ生産性及び保存性の良好なキャンディが得られることを見出した。
【０００６】
すなわち、本発明は、発泡性成分及び糖類を含有するキャンディであって、糖類中の麦芽糖類の含有率が２５重量％以下であるキャンディを提供するものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明のキャンディは、発泡性成分と糖類を含有するキャンディである。糖類としては、砂糖、麦芽糖及び糖アルコールから選ばれる一種以上が挙げられる。ここで糖アルコールとしては、マルチトール（還元麦芽糖）、パラチニット（還元パラチノース）、ラクチトール（還元乳糖）、還元水飴、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等が挙げられ、このうちマルチトール及びパラチニットが好ましい。
【０００８】
本発明においては糖類中の麦芽糖類の含有率が２５重量％以下であることが生産性及び保存安定性の点から必要である。この含有率が２５重量％を超えると保存安定性が低下する。麦芽糖類の好ましい含有率は０〜２５重量％であり、より好ましい含有率は５〜２５重量％、特に好ましい含有率は１０〜２５重量％である。ここで麦芽糖類には、麦芽糖及びマルチトールが含まれる。
【０００９】
また、本発明キャンディ中の糖類の合計含有量は３５〜９５重量％、さらには５０〜９０重量％、特に７０〜８０重量％が好ましい。
【００１０】
本発明のキャンディに用いられる発泡性成分としては、有機酸と炭酸塩又は炭酸水素塩との組み合せが好ましい。ここで有機酸としては、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸等が挙げられる。炭酸塩又は炭酸水素塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、このうち炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムが特に好ましい。
【００１１】
本発明のキャンディ中の発泡性成分の含有量は、十分な発泡性を得る観点から、キャンディ中、有機酸と炭酸塩又は炭酸水素塩との合計で、１〜６０重量％、さらに５〜４０重量％、特に５〜３０重量％が好ましい。
【００１２】
また、本発明のキャンディには、さらにのど作用性成分を含有させてもよい。のど作用性成分としては、医薬品製造指針記載の鎮咳去痰薬、各種生薬、ハーブ類、ハチミツ、プロポリス、キチン、キトサン、唾液含有成分が使用できる。ここで鎮咳去痰薬としては、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩、塩酸メチルエフェドリン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸カリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン、ノスカピンが特に好ましい。
【００１３】
生薬としては、オウヒ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セネガ、アセンヤク、ウイキョウ、カロニン、ケイヒ、ショウキョウ、ソウハクヒ、ソヨウ、チクセツニンジン、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オンジ、セキサン、トコン、バイモ、オウゴン、ゴオウ、ゴミン、サイシン、シオン、ジャコウ、シャジン、ニンジン、バクモンドウ、ハンゲなどが挙げられる。
【００１４】
ハーブとは食用の有用植物のことであり、特にスペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、サッサフラス、丁子、セージ、ユーカリ、マヨナラ、肉桂、タイム、ティーツリー、紫蘇、エキナセア、甜茶、羅漢果、ピーパーミー、カリン、高麗人参、麗芝、キンカン、ダイコン、ヨモギ、サポニン、ビワ、オオバコ、ウイキョウ、生姜、イチョウ、サフラン、ナツメ及びこれらのチップ、粉末、汁、抽出物が良い。また、メントール、シネオール、アネトール、カルボン等のこれらハーブの成分を用いてもよい。
【００１５】
唾液含有成分としては、ムチン、分泌型ＩｇＡ、分泌型ＩｇＭ、イゾチーム、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、カリクレイン、フコースリッチ糖タンパク、フィブロネクチン、プロリンリッチ糖タンパク、α−アミラーゼ、スタセリン、ヒスチジンリッチタンパクインベルターゼ、デキストラナーゼ、グリコシダーゼ、エストロゲン、プロゲスティン、アンドロゲン、コルチコステロイド、チロキシン、メラトニンなどがある。
【００１６】
これらののど作用性成分の含有量は、キャンディ中０．０５〜５重量％、特に０．１〜２重量％が好ましい。ここで、これらの成分の含有量は、抽出物等の場合には乾燥固形分換算である。
【００１７】
本発明のキャンディは、ドロップ、アメ等のハードキャンディの形態である。
【００１８】
本発明キャンディ中に発泡性成分は略均一に含有していてもよいが、発泡性成分含有部と非含有部とで構成され、当該発泡性成分含有部が先に溶解終了するように処方されていてもよい。
【００１９】
発泡性成分含有部と非含有部とを区分する手段としては、例えば上層と下層、上層、中層、下層などのように積層構造としてもよい。また、内層とその周囲を覆う外層を有する被覆型キャンディとしてもよい。さらにはブロック状、柱状、球状等の部分を一部に含む構造のキャンディとしてもよい。
【００２０】
発泡性成分含有部と非含有部との割合は特に制限されないが、含有部：非含有部（重量比）が０．１：１〜１：０．１、特に０．４：１〜１：０．４であることが好ましい。
【００２１】
本発明のキャンディの製造法は略均一構造の場合は常法により、また積層構造の場合には発泡性成分含有部と非含有部とをそれぞれ調製後積層するのが好ましい。また、被覆型キャンディの場合には、発泡性成分非含有部を調製後その上に発泡性成分含有部を被覆するのが好ましい。
【００２２】
【実施例】
実施例１〜５及び比較例１、２
（１）飴生地作成時の糖添加量を表１に示す。次の手順でキャンディを製造した。
【００２３】
【表１】

【００２４】
（注１）：使用した水飴のＢｒｉｘ値は８０％である。従って、飴中の麦芽糖（還元麦芽糖含む）（ｇ）＝水飴（還元麦芽糖水飴含む）（ｇ）×０．８。
（注２）：含有する糖類中の麦芽糖類の割合＝飴中の麦芽糖（還元麦芽糖含む）（ｇ）／（砂糖あるいはパラチニット（ｇ）＋飴中の麦芽糖（還元麦芽糖含む）（ｇ））×１００。
（注３）：実施例１、２、３比較例１、２の煮詰め温度は１２０℃、実施例４、５の煮詰め温度は１８０℃。
【００２５】
（２）香料添加
飴生地を冷やし、１００℃以下になった時点で、オレンジ香料を飴生地重量に対して０．２重量％添加、混合した。
【００２６】
（３）有機酸、炭酸水素ナトリウム添加
香料に続いて下記の量のクエン酸を添加混合、７０℃以下になった時点で、表２の量の炭酸水素ナトリウムを添加混合を行った。すべて、作成後の発泡性キャンディでクエン酸２０重量％、炭酸水素ナトリウム２０重量％となる量である。
【００２７】
【表２】

【００２８】
（４）成型
（３）の生地を所定量に切断、所定の金型により成型を行った。
【００２９】
試験例
上記実施例１〜５、比較例１、２の保存性及び生産性を評価した。
（１）保存性：アルミラミネートフィルムで発泡性キャンディを個装し、４０℃、湿度８０％室内で保存し、外観の変化を観察した。
（２）生産性：金型による成型時にキャンディに欠けや割れが発生する程度を評価した。（良好：欠けや割れの発生率が１％未満、やや難：欠けや割れの発生率が１％以上１０％未満、難：欠けや割れの発生率が１０％以上）
結果を表３に示す。
【００３０】
【表３】

【００３１】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡性成分を有効量含有しつつ、保存安定性及び生産性の良好なキャンディが提供できる。

Claims

発泡性成分及び糖類を含有するキャンディであって、糖類中の麦芽糖類の含有率が２５重量％以下であるキャンディ。
発泡成分が有機酸と炭酸塩又は炭酸水素塩との組み合せであって、その含有量が合計で５〜６０重量％である請求項１記載のキャンディ。
糖類が砂糖、麦芽糖及び糖アルコールから選ばれる一種以上であり、麦芽糖類が麦芽糖及びマルチトールから選ばれる一種以上である請求項１又は２記載のキャンディ。