JP2004015855A - モータ駆動制御装置 - Google Patents

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三角 博好
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Abstract

【課題】停止時に電流を消費せずしかも高精度な位置決め制御を行うことを可能とする。
【解決手段】停止時にDCモータの両端を開放状態にするモードとその両端をショートし回生状態にするモードをPWM信号により交互に高速に切換え、所定の停止カーブになるよう速度情報を検知しながら制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータの停止制御及びその駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラでは小型化の観点から沈胴式のズームレンズが使用され、その駆動には安価で小型なDCモータがよく用いられる。このDCモータでズームレンズを駆動する場合、DCモータ自体高速で回転するためギヤ等でかなりの減速比を持たせることになる。
【0003】
一般的にモータによる位置決め制御は位置情報となるエンコーダ信号をフィードバックして演算しモータのトルク量、トルク方向を制御して行われる。
【0004】
しかし沈胴式のズームレンズ駆動の場合、メカのガタ分をつめて停止させていので、停止の際は常にレンズの繰り出し方向で停止させ使用者が停止時にレンズを押したときにそのガタ分ずれないようにしている。この場合上記した位置決め制御は使用できない。
【0005】
従って沈胴式のズームレンズにおいては、動作中のズームレンズの停止制御は停止時進行方向とは逆のトルクがかかるように逆方向に一定期間電流を流す逆転ブレーキを使用したり、DCモータ両端をSW素子でショートさせるショートブレーキを使用するなど、1回の停止動作で位置決めを行う必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、逆転ブレーキでは停止距離は短いものの停止時に大きな突入電流が流れ、システム構成に影響を与え、またショートブレーキでは停止中に電流は消費しないが、逆転ブレーキに対して停止トルクは小さくギヤ比が大きい分DCモータ軸にかかる負荷慣性力も大きなものになるため停止距離(停止開始から停止するまでに進んだ距離)が長くなってしまい負荷等の不安定要素で停止制度が出ないという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような問題を解決するため、停止時にDCモータの両端を開放状態にするモードとその両端をショートし回生状態にするモードをPWM信号により交互に高速に切換え、所定の停止カーブになるよう速度情報を検知しながら制御することで、停止時に電流を消費せずしかも高精度な位置決め制御を行うが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施例)
本発明の実施例について説明する。
【0009】
図1は本発明のデジタルカメラの構成を示すブロック図であり、1はズームレンズユニット、2はズームレンズユニットを駆動するためのズームレンズ駆動制御部、3はズームレンズユニット、4はズームレンズユニットを駆動するためのズームレンズ駆動制御部、5は絞りユニット、6は絞りユニット5を駆動するための絞り駆動部、7は光像を電気信号に変換するCCD、8はCCD7からのアナログ信号を処理しデジタル信号に変換する撮像信号処理部、9は撮像信号処理部8からの映像信号を処理する映像信号処理部、10は映像信号処理部から映像情報を表示するLCD、11は映像情報を映像信号処理部9が外部に入出力するための外部入出力部、12は映像情報を圧縮または伸長するための圧縮伸長部、13は映像情報を記憶するためのメモリカード、14はストロボユニット、15はカメラのシステムを操作するための操作部、16はカメラのシステムと外部コンピュータなどとで情報のやり取りをする外部I/F、17はカメラシステムに電源を供給する電源部、18はカメラシステム全体を制御する制御部である。
【0010】
図2はズームレンズ1を駆動するためのDCモータ駆動のブロック図であり、201はDCモータであるズームモータ、202はズームレンズの位置及び速度の情報を得るためのエンコーダ部、203はエンコーダ部202からの信号を制御部18に入力するために波形処理するためのエンコーダ信号検知回路であり、次にズーム動作について説明する。操作部15によりズーム動作の指示があると制御部18は移動方向を判断し、ズームレンズ駆動部2に動作を指示しズームモータ201を動作させる。このときエンコーダ202からのエンコーダ信号はエンコーダ信号検知回路を通り制御部18に入力され、位置情報、速度情報とを検知して定速度制御を位置情報をもとにズームレンズを所定の位置で停止させる制御を行う。
【0011】
図3はドライブ部209〜214の内部ブロックであり、301,302はNAND回路、303,304はAND回路、305はEXOR(排他的論理和)回路、306,307はPch型FET素子、308,309はNch型FET素子、310〜313は制御信号に従ってFET306〜309を駆動する信号に変換してそれぞれFETを駆動するプリドライバであり、図のような回路構成で表1のような入出力真理値を得る。表1で入力IN1,2,PWMのL,H表示はそのレベルを表し、出力OUT1,2はその状態を表しておりLは電流引込み状態、Hは電流流込み状態、Zはハイインピーダンス状態である。
【0012】
【表1】
Figure 2004015855
【0013】
図4はIN1、2が通電モード、ショートブレーキモードのときのPWMとズームモータ201に流れる電流を示すタイムチャートである。
【0014】
図4(a)はIN1、2が“H、L”(もしくは“L、H”)である通電モードで、PWM信号が“H”の時設定された方向電流を流す状態(以下オン状態)となり、”L”のときNchFETが両方オンになる回生状態(以下ショート状態)となりこれを高速で切換えることでモータコイル電流のデューティ制御が可能となりモータトルクを可変できズームモータの回転制御が可能となる。
【0015】
図4(b)はIN1、2の状態を“H、H”にしたショートブレーキモードで、PWM信号が“H”のときショート状態になり“L”のときズームモータ201の端子が開放状態(全FET306〜309がOFF)となるオープン状態となる。これによりズームモータ202が回転中にショートモードにした場合、PWM信号が“H”の時逆起電力によりショートされた回路ループで逆向きの電流が流れ、”L“の時は電流が流れない。従ってショート状態とオープン状態の割合(デューティ比)を変えることでショートブレーキモード時にコイルに流れる回生電流を可変できズームモータ202のブレーキの利きを制御できる。
【0016】
図5は制御部18内の停止制御のブロック図であり、501はエンコーダ信号検知回路203からのエンコーダ信号の周期を計測し速度情報を得る速度検知部であり、502はエンコーダ信号によりカウントされ位置情報を得るカウンタ、503は速度検知部501からの速度情報をもとにズームモータ202の駆動時定速に制御するようPWMのデューティ比を演算する速度制御部、504は速度検知部501からの速度情報とカウンタ502からの位置情報をもとに停止位置を制御するようPWMのデューティ比を演算する停止制御部、505は速度制御状態か停止制御状態かを判断し選択する切換え部、506は切換え部505からのデューティ比情報をもとにそのデューティ比になるようPWM信号の内部レジスタにデータを設定するPWMデューティ設定部、507はPWM信号の出力状態を設定したPWM信号、“H”あるいは“L”に設定するPWM出力設定部である。
【0017】
図6はズームモータ202を駆動するための制御フローチャートで、操作部15からのズーム動作指示があると(601)停止時の目標停止カウント数分を含めた目標カウント位置を設定し(602)、後述する割込み処理で停止処理が終わっていなければ(603)エンコーダによる割込み処理を許可しOUTPORT1,2を操作部15から指示による移動に従った設定(“H、L”又は“L,H”)にしてモータ駆動状態とし(605)、停止処理終了までこれを繰り返す。停止処理終了となるとエンコーダによる割込み修理を禁止し停止にかかる時間より長い所定の時間待ってOUTPORT1、2の状態を“L、L”のオープン状態にしてモータ駆動を終了する。
【0018】
図7はエンコーダ信号による割込み処理のフローチャートでエンコーダ信号の立上りエッジで割込みがかかり、割込みがかかると位置情報であるカウンタ501を方向に従ってインクメント(又はデクリメント)し(701)、速度検知部501での速度情報をVpにセットし(702)、モータ駆動開始から目標カウント位置までの目標停止カウント数を除いたパルス数進んだかを判断し(703)、進んでいなければ速度制御を行うよう処理し(714)、進んだらOUTPORT1、2をショートブレーキモードになるように設定し(704)停止開始から1回目の割込みかを判断し(705)、1回目であればデューティ比が50%をDUTYにセットして(713)、それに基づいてPWM信号設定のレジスタを設定し、割り込み処理を抜ける(712)。
【0019】
停止開始後の割込みが2回目以降であれば、停止開始後からのエンコーダ信号のカウント値別にあらかじめ決められた停止テーブルより速度目標値がVtに設定され(706)、その目標値Vtと実際の速度Vpとの差分ΔVを演算する(707)。停止開始後所定カウント数進んでいなければ(708)ΔVに基づいてDUTYを演算し(709)、そのDUTYよりPWM信号設定レジスタにデータをセットし割込みを抜ける(712)。所定停止カウント数を超えたら停止し処理終了を宣言し(710)、PWM信号を“H”になるように設定しフルショートブレーキ状態にして割込みを抜ける(711、712)。
【0020】
図7の706での速度目標値について説明する。図8は速度制御状態からショート状態で停止させた時とオープン状態で停止させた時の速度カーブで、それぞれの停止距離は停止開始からの速度カーブの積分値となり、図のような差を生じる。ここで負荷・温度等の要因を踏まえ停止制御時の目標カーブを図のようにそれらの間になるようにすることで停止制御が可能となり、たとえばDUTY50%でショートブレーキモード停止させた時の速度カーブをパルスカウント毎に速度情報としてテーブル化しておく。
【0021】
図7の709の制御演算について説明する。ここではたとえば、
DUTY=50+G×ΔV%     (1)式
となるようにしておくと各カウント位置での目標速度に対して遅ければデューティ比を増やし速ければデューティ比をその差の量に応じて演算するようなフィードバックがかかりゲインGを適正な値にすれば目標速度テーブルに沿った減速を行うことが可能となる。
【0022】
図7で目標速度カーブに沿って減速したときある速度以下になるとショートブレーキの利きが悪くなり(回生電流が少なくなる)制御しにくい状態になるため、所定カウント値以降(所定速度)になると停止制御を止めフルショート状態(デューティ比100%)にして停止させる。ここで速度がある程度遅い状態からの停止距離は非常に短いため外乱による停止距離のばらつきにはさほど影響を与えない。ここで所定停止カウント以降フルショート状態としたがΔVから演算してデューティ比を設定して停止させてもよい。
【0023】
図9は上記停止制御を行った時の停止状態を示す速度カーブで、常に目標速度カーブに沿って停止制御がなされるため、負荷変動・温度等の変動成分に影響されにくく、停止位置精度は安定する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、停止時にDCモータの両端を開放状態にするモードとその両端をショートし回生状態にするモードをPWM信号により交互に高速に切換え、所定の停止カーブになるよう速度情報を検知しながら制御することで、停止時に電流を消費せずしかも高精度な位置決め制御を行うが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のデジタルカメラ全体のシステムブロック図
【図2】本発明実施例のズームモータ駆動系のブロック図
【図3】本発明実施例のズームレンズ駆動部の回路構成図
【図4】本発明実施例の駆動及びショートブレーキモード時のコイル電流波形
【図5】本発明実施例の制御ブロック図
【図6】本発明実施例のモータ制御のフローチャート
【図7】本発明実施例の割込み処理のフローチャート
【図8】本発明実施例のオープン、ショート状態の停止速度カーブ
【図9】本発明実施例の停止制御された停止速度カーブ
【符号の説明】
1 ズームレンズユニット
2 ズームレンズ駆動制御部
3 ズームレンズユニット
4 ズームレンズ駆動制御部
5 絞りユニット

Claims (9)

  1. モータを2端子で駆動するモータ駆動装置において、
    モータ駆動状態とする駆動モードを持ち、モータを停止させる停止モードを持ち、その2端子間に電位差を与えモータに電流を流し込む出力通電手段を持ち、その2端子間の状態を開放状態にする出力開放手段を持ち、その2端子間の状態をショートさせる出力ショート手段を持ち、出力の状態を設定するPWM手段を持ち、そのPWM手段によりモータ駆動モード時は出力通電手段と出力ショート手段とが設定され、停止モード時はPWM手段により出力開放手段と出力ショート手段とが設定される切換え手段をもつことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1のモータ駆動装置において、出力開放手段と出力ショート手段とをPWM手段により交互に切換えて停止させるPWM停止手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項2において、PWM手段により設定される出力開放手段による開放期間と出力ショート手段によるショート期間の割合(デューティ比)を変更可能であるデューティ比変更手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項3において、モータの回転速度を検知する速度検知手段をもち、その速度検知手段により検知された速度情報に基づいて、そのデューティ比変更手段によりデューティ比を変更する停止制御手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項4において、速度検知手段はパルス状のエンコーダ信号を入力するエンコーダ信号入力手段を持ち、そのエンコーダ信号入力手段からのエンコーダ信号の周期を計測する周期計測手段を持ち、周期計測手段からの周期情報をもとに速度を演算する速度演算手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項5において、停止制御手段は速度演算手段により速度を演算するごとに行われる周期制御手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項6において、モータ停止開始からエンコーダ信号のパルスをカウントするカウント手段を持ち、そのカウント手段でのカウント値ごとにあらかじめ決められた速度目標値をテーブル化している停止速度テーブルを持ち、速度検知手段からの速度情報とその停止速度テーブルとを比較する比較手段を持ち、その比較手段からの比較情報に基づいて停止制御を行う比較停止制御手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項7において、カウント手段によるカウント値が所定の値以上になったとき、比較停止制御手段を行わず、一定のデューティ比にして停止させる最終停止手段を持つことを特徴とするモータ制御装置。
  9. 請求項8において、最終停止手段によるデューティ比は開放状態のないすべてショート状態とするフルショート手段によってなされることを特徴とするモータ制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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