JP4250388B2 - 電動機の駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ等における撮影機器のズーム動作、フォーカス動作、絞り値調整動作等には、各々に適したモータを駆動源として用いている。これらモータには、それぞれの仕様に適したドライバICが選定されている。最近では装置全体の小型化を図るために、図10に示す例のような、複数のモータを駆動できるように、複数のドライバを1つのチップに集積したドライバICも作られてきている。
【0003】
図10(a)に示したドライバICは、入力チャンネルとしてIN1〜IN12、出力チャンネルとしてOUT1〜OUT12を備え、図10(b)に示したドライバICは、入力チャンネルとしてEN1〜EN6,IN1〜IN6、出力チャンネルとして、OUT1A〜OUT6A,OUT1B〜OUT6Bを備えており、それぞれの入出力真理値表に示す状態設定を行う。
【0004】
このドライバICを搭載したモータ駆動装置を図11に示す。ズームモータ3、フォーカスモータ4、絞りモータ5はいずれもステッピングモータであって、A相とB相の各コイルに流れる電流値を制御することで、モータの回転角を制御することができる。
【0005】
これらのモータの基本的な制御方法は同じであるので、フォーカスモータ4を例にあげて説明を行う。
【0006】
フォーカスモータ4のA相コイルはドライバIC12のOUT3A、OUT3Bに接続されており、ドライバIC12のEN3、IN3への入力信号S5、S6を制御することで、このA相コイルに流れる電流の向きを制御することができる。B相コイルはドライバIC12のOUT4A、OUT4Bに接続されており、ドライバIC12のEN4,IN4への入力信号S7、S8を制御することで、このB相コイルに流れる電流の向きを制御することができる。図10(b)の入出力真理値表に従って、OUT3AがH、OUT3BがLであれば、A相コイルにはOUT3AからOUT3Bに向かう方向に電流が流れ、OUT3AがL、OUT3BがHであれば、A相コイルにはOUT3BからOUT3Aに向かう方向に電流が流れる。OUT3A,3BともにZ(ハイインピーダンス状態)であればA相コイルに電流は流れない。B相コイルに接続されたOUT4A,OUT4Bにも同様の制御を行う。ただし、A相コイルとB相コイルとで、電流の向きが切換わるタイミングは異ならせてある。
【0007】
また、出力チャンネルの1回のHまたはLの状態からなる期間を、複数の細かいステップに分割し、各ステップのデューティ比を変化させれば、マイクロステップ駆動でモータを駆動することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらは単に複数のドライバを1チップ化しただけであって、1チャンネル当りの制御線の数は同じである。つまり、図10の(a),(b)ように、1チップ内の入力チャンネルと出力チャンネルが1対1で対応しており、出力チャンネルの増加に比例して、単純に入力チャンネルが増加してしまう。そのためドライバICのチャンネル数は単純に増加し、チャンネル数が増えるとパッケージの大きさ等にも影響を与える。
【0009】
チャンネルを増加させないように、シリアル通信で出力を制御する方法も考えられるが、これでは通信速度に多くの時間を要してしまう。そのため、シリアル通信では、例えばステッピングモータのマイクロステップ駆動のような高速で出力を切換える制御を行うことは難しい。
【0010】
また、上記のドライバICに、シャッター羽根を駆動させるアクチュエータのように、信号を入力するタイミングとして高い精度が要求される装置を接続した場合、やはりシリアル通信では適正な制御を行うことが難しい。
【0011】
(発明の目的)
本発明の目的は、制御速度を低下させることなく、制御入力線数を減少させることのできる電動機の駆動装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、電動機への通電を行う複数の出力端子と、前記複数の出力端子の各々を少なくとも、電流を流し込むプッシュ状態、電流を引き込むプル状態、または、電流の流れない状態、のいずれかに設定するための複数の信号をシリアル通信で受信するシリアル通信端子と、前記出力端子を流れる電流の大きさを設定する信号を前記シリアル通信よりも高速な通信で受信する高速通信端子と、前記シリアル通信端子で受信した信号と前記高速通信端子で受信した信号とを用いて、前記出力端子の通電状態の設定を行う通電状態設定手段とを有する電動機の駆動装置とするものである。
【0015】
同様に上記目的を達成するために、本発明は、複数の電動機への通電を行う複数の出力端子と、前記複数の出力端子の各々を少なくとも、電流を流し込むプッシュ状態、電流を引き込むプル状態、または、電流が流れない状態、のいずれかに設定するための複数の信号と、どの電動機の通電状態を設定するかを選択するための選択信号とを含む信号をシリアル通信で受信するシリアル通信端子と、前記出力端子を流れる電流の大きさを設定する信号を前記シリアル通信よりも高速な通信で受信するための複数の高速通信端子と、前記シリアル通信端子で受信した信号と前記複数の高速通信端子で受信した信号とを用いて、前記出力端子の通電状態の設定を行う通電状態設定手段とを有する電動機の駆動装置とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0017】
(実施の第1の形態)
本発明の実施の第1の形態について説明する。
【0018】
図1は、デジタルカメラのズーム動作、フォーカス動作、絞り値調整動作の駆動源としてステッピングモータを用いたモータ駆動装置全体のブロック図である。
【0019】
同図において、1はモータを駆動するシステムを制御する制御部であり、デジタルカメラ内のCPUによって構成されている。2は制御部1からの信号によりモータを駆動する駆動信号を作るドライバICである。
【0020】
3は複数枚のレンズで構成された撮影光学系のうち、ズームレンズの位置を移動させてズーム動作を行うためのズームモータであり、4は撮影光学系のうち、フォーカスレンズの位置を移動させてフォーカス動作を行うためのフォーカスモータであり、5は絞り羽根の開閉動作を行って、絞り値を調整するための絞りモータである。
【0021】
6,7はそれぞれズームモータ3のA相コイル、B相コイルであり、8,9はそれぞれフォーカスモータ4のA相コイル、B相コイルであり、10,11はそれぞれ絞りモータ5のA相コイル、B相コイルである。
【0022】
制御部1の出力ポートPORT1〜9からは、ドライバIC2に入力される信号S1〜S9が出力される。信号S1がPORT1からドライバIC2のCLK端子に入力され、信号S2がPORT2からドライバIC2のDATA端子に入力され、信号S3がPORT3からドライバIC2のSTB端子に入力される。S1がクロック信号(以下、CLK)、S2がデータ信号(以下、DATA)、S3がデータをラッチするためのストローブ信号(以下、STB)である。
【0023】
PORT4〜9からは信号S4〜S9がドライバIC2のPWM1〜6端子に入力され、これらの信号はドライバIC2の出力(OUT1A〜OUT6A,OUT1B〜OUT6B)を決定するために直接用いられる。
【0024】
図2は、実施の第1の形態におけるドライバIC2の内部構成ブロック図である。
【0025】
同図において、201はCLKの立上りに従ってDATAの値(ローレベルL又はハイレベルH)を順次シフトする6ビットシフトレジスタであり、端子D0〜D5を有している。端子D0〜D5から出力される信号を、それぞれP0〜P5とする。202はシフトレジスタ201の端子D4とD5から出力された信号P4とP5をデコードし、それをセレクト信号として出力するデコーダである。
【0026】
203,204,205はデコーダ202からデコードされた信号がH状態のときのみSTB信号を出力するAND回路である。デコーダ202のセレクト信号によって1つのAND回路のみにH信号が送られる。具体的には図4に示すように、P5を0、P4を0とすればAND回路203が選択され、P5を0、P4を1とすればAND回路204が選択され、P5を1、P4を0とすればAND回路205が選択される。
【0027】
206,207,208はそれぞれAND回路203,204,205からのSTBの立上りにより、シフトレジスタ201の端子D0〜D3からの出力信号P0〜P3をラッチする4ビットのDフリップフロップ(以下、D−FF)であり、ラッチしたデータQ(3,0)を出力する。209〜214はD−FF206,207,208からの信号とPWM1〜6端子からの信号とにより出力状態を決定するためのドライブ回路である。
【0028】
図3(a)はドライブ回路209〜214の内部ブロックであり、301,302はNAND回路、303,304はAND回路、305はEXOR(排他的論理和)回路、306,308はPch型FET素子、307,309はNch型FET素子、310〜313は制御信号に従ってFET306〜309を駆動するプリドライバである。図3(a)に示す回路構成とすることで、図3(b)の入出力真理値表を得る。
【0029】
この入出力真理値表で入力IN1,IN2,PWMのL,Hの表示はその入力される信号レベルを表しており、出力OUT1,2のL,Hの表示はその端子の状態を表している。OUT1,2は、それぞれLであれば電流を引き込む状態(プル状態)、Hであれば電流を流し込む状態(プッシュ状態)、Zであればハイインピーダンス状態となる。OUT1とOUT2の一方がHで、他方がLのとき、Hの端子からLの端子に向かってコイルに電流が流れる。OUT1とOUT2が共にH、または、共にLであればコイルには緩やかな放電電流が流れ、電流をホールドする効果をもたらす。また、OUT1とOUT2が共にZであればコイルに電流は流れない。
【0030】
このOUT1とOUT2の一方がHで、他方がLである状態と、OUT1とOUT2が共にH、または、共にLである状態とを、高速で切換えることでコイルに流れる電流のデューティ比を制御することができる。
【0031】
図4を用いてシリアル動作について説明する。
【0032】
図4はシリアル通信のタイムチャートで、CLKの立上りと共に信号P0〜P5が順に取り込まれ、STBの立上りで信号P4,P5で指定されるD−FFにて信号P0〜P3がラッチされ、ラッチされたデータがQ(3,0)として出力される。このデータQ(3,0)は指定されたD−FFに接続するドライブ回路の端子IN1,IN2に入力される。
【0033】
このように、シリアル通信にて入力された信号P4,P5によってドライブ回路が選択され、信号P0〜P3によってH状態の端子からL状態の端子に向かって電流を流す状態、コイルに放電電流を流す状態、あるいは、コイルに電流を流さない状態、のいずれが設定可能であるかが決定される。
【0034】
次にステッピングモータのマイクロステップ駆動を例にとり、モータの動作を説明する。
【0035】
図5はフォーカスモータ4の電気角1周を16分割するマイクロステップ正弦波駆動時の各信号のタイムチャートである。シリアル通信では各ステップのデューティ比を設定するだけの制御速度を達成することができないため、各ステップでのデューティ比はシリアル通信による信号とは別のPWM1〜6端子からの信号によって制御を行う。
【0036】
STBの立上りでA相コイル8、B相コイル9への電流の向きを交互に変更している。このとき、各相のコイルに流れる電流の向きが変更されるまでの期間を8等分した期間を1ステップとして、PWM3,4のデューティ比を変更する。このときのA相コイル、B相コイルに流れる電流はそれぞれILa,ILbとなり、フォーカスモータ4は電気角1周が16ステップからなるマイクロステップ正弦波駆動を行うことができる。
【0037】
具体的には、例えば、IN1がH、IN2がLのときに、PWMをHとLとで切換える。PWMがHに切換わるとOUT1がプッシュ状態、OUT2がプル状態となり、OUT1からOUT2に向かって電流が流れてコイルを流れる電流量が増える。PWMがLに切換わると、OUT1とOUT2が共にプル状態となり、放電電流が流れてコイルを流れる電流量が減る。これを交互に繰り返すと、PWMをHに設定した時間と、PWMをLに設定した時間との比に応じて、コイルを流れる電流量を略一定にすることができる。PWMをHに設定した時間と、PWMをLに設定した時間との比を、各ステップ毎に変化させることで、図5に示すようなILa,ILbを設定することができる。
【0038】
ここで、それぞれのコイルに流れる電流のデューティ比(PWM3,4の)が0%となる期間の前にDATA(P0〜P5)を転送し、デューティ比が0%となる期間でSTB信号を入力している。このため、電流の向きを切換える期間中はそのコイルには電流が流れておらず、この電流の向きの切換えによってモータのトルクに影響が出ることはない。したがって、この電流の向きの切換えのタイミングの精度はそれほど高い必要はなく、シリアル通信であるSTB信号でも十分対応できる。
【0039】
このように、実施の第1の形態では、高速な切換えが必要でない制御信号、または、信号の入力するタイミングに高い精度が必要とされない制御信号については、シリアル通信により入力させることで、ドライバICのチャンネル数を減らし、マイクロステップ駆動のデューティ比のように高速の切換えが必要な制御信号や、例えばシャッター駆動のように駆動タイミングに高い精度が要求される制御信号については、出力端子の状態設定を行うための端子に直接入力することで、高速な制御や、タイミングの精度の高い制御も行うことができるようになる。
【0040】
また、マイクロステップ駆動ではない単なる1−2相励磁、2相励磁であれば、PWM信号は必要としないため、シリアル通信のみで行うことが可能である。この場合、ドライバICの入力側のチャンネルはシリアル通信に対応したものだけ用意すれば足り、制御入力線の数を大幅に減らすことが可能である。
【0041】
(実施の第2の形態)
本発明の実施の第2の形態について説明する。
【0042】
図6は、実施の第2の形態におけるドライバIC2の内部構成ブロック図である。
【0043】
601はCLKの立上りに従ってDATAの値(ローレベルL又はハイレベルH)を順次シフトする8ビットシフトレジスタであり、端子D0〜D7を有している。端子D0〜D7から出力される信号を、それぞれP0〜P7とする。602はシフトレジスタ601の端子D6とD7から出力された信号P6とP7をデコードし、それをセレクト信号として出力するデコーダである。
【0044】
603,604,605はデコーダ602からデコードされた信号がH状態のときのみSTB信号を出力するためのAND回路である。デコーダ602のセレクト信号によって1つのAND回路のみにH信号が送られる。具体的には図8に示すように、P7を0、P6を0とすればAND回路603が選択され、P7を0、P6を1とすればAND回路604が選択され、P7を1、P6を0とすればAND回路605が選択される。
【0045】
606,607,608はそれぞれAND回路603,604,605からの立上りにより、シフトレジスタ601の端子D0〜D5からの出力信号P0〜P5をラッチする6ビットのD−FFであり、ラッチしたデータQ(5,0)を出力する。609〜614はD−FF605,607,608からの信号とPWM1〜6端子からの信号とにより出力状態を決定するためのドライブ回路である。
【0046】
図7(a)はドライブ回路609〜614の内部ブロックであり、701,702はNAND回路、703,704,714,717はAND回路、705,715はEXOR(排他的論理和)回路、706,708はPch型FET素子、707,709はNch型FET素子、716はインバータ回路、718,719はOR回路、710〜713は制御信号に従ってFET706〜709を駆動するプリドライバである。図7(a)に示す回路構成とすることで、図7(b),(c)の異なる2つのモードの入出力真理値表を得る。
【0047】
MODE信号(P4,P5)をLとすればMODE0となり、実施の第1の形態で示した図3(b)と同じ仕様となる。MODE信号をHとすればMODE1となり、図3(b)とは異なる仕様となる。これら図7(b),(c)におけるL,Hの表示が示す内容は、図3(b)におけるL、Hの表示が示す内容と同じである。
【0048】
図8を用いてシリアル動作について説明する。
【0049】
図8はシリアル通信のタイムチャートで、CLKの立上りと共に信号P0〜P7が順に取り込まれ、STBの立上りで信号P6,P7で指定されるD−FFにて信号P0〜P5がラッチされ、ラッチされたデータがQ(5,0)として出力される。このデータQ(5,0)は指定されたD−FFに接続するドライブ回路の端子IN1,IN2,MODEに入力される。
【0050】
このように、シリアル通信にて入力された信号P6,P7によってドライブ回路が選択され、信号P4,P5によってMODEが選択され、さらに信号P0〜P3によってHの端子からLの端子に向かって電流を流す状態(MODE0,1)、コイルに放電電流を流す状態(MODE0のみ)、あるいは、コイルに電流を流さない状態(MODE0,1)、のいずれが設定可能であるかが決定される。
【0051】
次にステッピングモータのマイクロステップ駆動を例にとり、モータの動作を説明する。
【0052】
図9は絞りモータ5の電気角1周を16分割するマイクロステップ正弦波駆動時の各信号のタイムチャートである。ここで信号P4,P5によってMODE1を設定すれば、上述した実施の第1の形態のようにシリアル通信で電流の向きを切換えるのではなく、PWM信号によって電流の向きの切換えとデューティ比の制御を行う。MODE1では、PWM信号によって電流の向き、量を変えることができ、分解能と効率はMODE0よりも不利にはなるが、MODE0よりも高速なマイクロステップ駆動を行うことが可能である。
【0053】
まず、シリアル通信を行って絞りモータ5を選択し、MODE1で、A相コイル、B相コイルをそれぞれ通電可能な状態に設定する。具体的にはP7を1、P6を0(絞りモータの選択)、P5を1(ドライブ回路614をMODE1に設定)、P4を1(ドライブ回路613をMODE1に設定)、P2を1(ドライブ回路614のIN1をH)、P0を1(ドライブ回路613のIN1をH)とする。
【0054】
図9に示すように電気角1周を16分割し、PWM5,6によって各ステップでのデューティ比を順に増減させる。このとき絞りモータ5のA相コイル10、B相コイル11に流れる電流はそれぞれILa,ILbとなり、絞りモータ5はマイクロステップ正弦波駆動を行う。
なお、絞りモータ5を停止させるときは、P2を0、P0を0としたシリアル通信を行い、両ドライブ回路のIN1をLとして両ドライブ回路のOUT端子をハイインピーダンス状態にすればよい。
【0055】
このように絞りモータ5の通電状態の設定、解除はシリアル通信で行い、マイクロステップ駆動はPWM信号のみで行う。一度駆動させれば、停止させるまではPWM信号のみで制御を行えるため、シリアル通信の速度を考慮する必要がなく、実施の第1の形態で説明した制御よりも高速なモータの駆動制御を行うことが可能となる。
【0056】
なお、上述したように、MODE0を設定すれば実施の第1の形態と同様の駆動制御を行うことが可能である。
【0057】
このように実施の第2の形態によれば、用途に応じて異なる駆動方法の中から適切なものを選択し、複数のモータを駆動するドライバICを構成できる。なお、実施の第2の形態で説明したドライバICは、実施の第1の形態で説明したドライバICと同数のチャンネルで構成することができる。
【0058】
なお、上記実施の各形態では、デジタルカメラに用いるステッピングモータを例にあげてモータ駆動装置の説明を行ったが、本発明はこれらの実施の各形態に限られるものではなく、通電状態の設定および解除と、電流(または電圧)の大きさを設定して駆動する電動機の駆動装置であれば本発明を適用することができる。つまり、通電状態の設定および解除、あるいは電流の向き、電圧の印加方向をシリアル通信で設定し、電流、電圧の大きさをパラレル伝送等で設定すればよい。
【0059】
以上の実施の各形態によれば、通電状態の設定および解除等の制御といった複数のモータに共通に使用できる信号は、シリアル通信で送信することによって制御入力線数を減らすとともに、マイクロステップ駆動における電流のデューティ比設定等の高速な切換えが必要な制御や、シャッター羽根の駆動制御といった信号入力のタイミングとして高い精度が必要な制御に使用する信号は、個別の信号線で通信を行うことで、制御速度を落とすことのないドライバICとすることができる。つまり、高速な切換えが不要な制御はシリアル伝送とし、高速な切換え、もしくは、駆動タイミングとして高い精度が必要な制御は個別の信号線で通信することで、全体の制御入力線数を減らしつつも、制御速度を犠牲にしないドライバICを提供可能となる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、制御速度を低下させることなく、制御入力線数を減少させることのできる電動機の駆動装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係わるデジタルカメラの駆動系を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係わるドライバIC内部を示すブロック図である。
【図3】発明の実施の第1の形態に係わるドライバ209〜214を示すブロック図である。
【図4】発明の実施の第1の形態に係わるシリアル通信時のタイムチャートである。
【図5】発明の実施の第1の形態に係わるマイクロステップ駆動時のタイムチャートである。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係わるドライバIC内部を示すブロック図である。
【図7】発明の実施の第2の形態に係わるドライバ609〜614を示すブロック図である。
【図8】発明の実施の第2の形態に係わるシリアル通信時のタイムチャートである。
【図9】発明の実施の第2の形態に係わるマイクロステップ駆動時のタイムチャートである。
【図10】従来のドライバICの入出力真理値表を示す図である。
【図11】従来のドライバICの回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 制御部
2 ドライバIC
3 ズームモータ
4 フォーカスモータ
5 絞りモータ
201,601 シフトレジスタ
209〜214,609〜614 ドライブ部
CLK クロック信号(シリアル通信端子)
DATA データ信号(シリアル通信端子)
STB ストローブ信号(シリアル通信端子)
OUT1A〜OUT6B 出力端子
PWM1〜PWM6 PWM信号(複数の端子)

Claims (6)

  1. 電動機への通電を行う複数の出力端子と、
    前記複数の出力端子の各々を少なくとも、電流を流し込むプッシュ状態、電流を引き込むプル状態、または、電流の流れない状態、のいずれかに設定するための複数の信号をシリアル通信で受信するシリアル通信端子と、
    前記出力端子を流れる電流の大きさを設定する信号を前記シリアル通信よりも高速な通信で受信する高速通信端子と、
    前記シリアル通信端子で受信した信号と前記高速通信端子で受信した信号とを用いて、前記出力端子の通電状態の設定を行う通電状態設定手段とを有することを特徴とする電動機の駆動装置。
  2. 複数の電動機への通電を行う複数の出力端子と、
    前記複数の出力端子の各々を少なくとも、電流を流し込むプッシュ状態、電流を引き込むプル状態、または、電流が流れない状態、のいずれかに設定するための複数の信号と、どの電動機の通電状態を設定するかを選択するための選択信号とを含む信号をシリアル通信で受信するシリアル通信端子と、
    前記出力端子を流れる電流の大きさを設定する信号を前記シリアル通信よりも高速な通信で受信するための複数の高速通信端子と、
    前記シリアル通信端子で受信した信号と前記複数の高速通信端子で受信した信号とを用いて、前記各出力端子の通電状態の設定を行う通電状態設定手段とを有することを特徴とする電動機の駆動装置。
  3. 前記シリアル通信端子で受信した信号によって前記出力端子の通電状態の設定を切換える間に、前記高速通信端子で受信した信号によって前記出力端子の通電状態の設定を複数回切換えることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の駆動装置。
  4. 前記シリアル通信端子で受信した信号によって前記出力端子がプッシュ状態とプル状態のいずれかに設定された状態で、前記高速通信端子で受信した信号によって、前記出力端子と導通する別の出力端子をプッシュ状態とプル状態に交互に切換えることを特徴とする請求項3に記載の電動機の駆動装置。
  5. 前記高速通信端子の信号によって前記出力端子を流れる電流の大きさが0になったときに、前記シリアル通信端子で受信した信号を用いて通電状態の切換えを行うことを特徴とする請求項4に記載の電動機の駆動装置。
  6. 前記出力端子の通電状態を設定するための同一の信号に対して、前記出力端子が異なる状態に設定される複数のモードを有しており、前記シリアル通信端子で受信する信号にモードを選択するための信号が含まれていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
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