JP3776683B2 - 直流モータの回転検出装置および回転制御装置 - Google Patents

直流モータの回転検出装置および回転制御装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的作動の駆動源として直流モータ(DCモータ)を用い且つ該直流モータの回転速度の安定化および累積回転数の制御が要求される装置に係り、特に、回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に、固定子と一体的に設けられた一対の電極用ブラシを摺接し、該電極用ブラシおよび整流子により、直流駆動電圧を切換えて前記回転子コイルに供給して、直流モータにおける前記回転子の回転速度および回転位置の少なくともいずれかを検出して前記回転子の回転動作を制御するのに好適な直流モータの回転検出装置および回転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カメラにおけるズームレンズからなる撮影レンズをズーミングさせるためのズーム動作、測距情報等の被写体距離情報に基づき撮影レンズおよび結像面の少なくとも一方を光軸に沿ってフォーカシング駆動して合焦させるためのフォーカス駆動、あるいは撮影フィルムの巻上げおよび巻戻しを行なうためのフィルム給送駆動などの機械的作動の駆動源として、ブラシ式の直流モータが用いられることが多い。ブラシ式の直流モータは、固定子に永久磁石等を用いた複数の固定磁極を形成し、回転子の複数の磁極を形成する複数の回転子コイルに、回転子と一体に回転する整流子および固定子側から該整流子に摺接するブラシを介して、直流駆動電圧を回転角度に応じて切換えて供給して回転子を回転させる。
このような直流モータとしては、例えば3極モータの場合、図16に示すように、直流駆動電源E0から一対の電極用ブラシB01およびB02を介して、これら一対の電極用ブラシB01およびB02に摺接する整流子CM0に給電する。
【0003】
一対の電極用ブラシB01およびB02は、整流子CM0に対して180°異なる位置で当接している。整流子CM0は、回転子と一体に動作する円筒面を形成して設けられ、この場合、該円筒面を等角度間隔でほぼ120°毎に3等分した接片で構成される。整流子CM0の各隣接する接片間に3個の回転子コイルがそれぞれ接続されて、これら回転子コイルにより3個の回転子磁極を形成する。これら回転子磁極は、回転角度に応じて、電極用ブラシB01およびB02と整流子CM0の各接片との接触状態が変化することによって、極性が変動して、固定子側の永久磁石からなる、例えば一対の固定子磁極(図示せず)との間で回転駆動力を発生する。回転子の回転に伴い、各回転子磁極が各固定子磁極に逐次対峙し且つ電極用ブラシB01およびB02と整流子CM0の各接片との接触状態が変化して、各回転子磁極の極性が逐次変動することによって、回転子が継続的に回転する。
【0004】
すなわち、電源E0から一対の電極用ブラシB01およびB02に電圧が印加されると、電極用ブラシB01およびB02のうちの一方から他方に回転子コイルを介して電流が流れ、回転子コイルにより磁界を発生して、回転子磁極を形成する。このように回転子コイルにより発生した磁界と、固定子磁極による磁界との作用により、回転子が回転する。
このようなモータの回転を検出する方法としては、ロータリエンコーダ方式が一般的であり、具体的には、モータの回転出力軸またはそれに応動する伝達機構内に、周面にスリットを形成した回転スリット円盤を設け、該回転スリット円盤の周面のスリットをフォトインタラプタで検出することにより、回転を検出する方法がある。この方法は、的確な回転検出を行なうことができるが、ロータリエンコーダを構成する回転スリット円盤およびフォトインタラプタ等が必要となり、そのためのスペースの増大およびコストの上昇を伴うこととなる。
【0005】
また、図17および図18に示すようにモータに流れる電流のリップルから回転を検出する方法もある。
すなわち、図17に示すように、駆動電源E0からモータの駆動電流を一方の、例えば電極用ブラシB02に給電する給電路に抵抗R0を直列に介挿して、抵抗R0の端子電圧を検出して、図18に示すような60°周期のリップル波形を得る。このリップル波形は、回転子の回転角度位置に対応しているから、これを適宜波形整形するなどして、回転角度位置に応じたパルス信号を得ることができる。この方法は、コストおよびスペースの面では有利であるが、ノイズ等による誤検出のおそれがあるなど、検出精度の面で不安がある。
これに対して、特開平4−190658号公報および特開平6−189504号公報等には、一対の電極用ブラシとは別に一対の回転検出用ブラシを設けて回転検出を行なう方式が示されている。一対の回転検出用ブラシは、一対の電極用ブラシと同様に整流子に摺接して、整流子にあらわれる電圧を検出する。これら一対の回転検出用ブラシで検出した信号を用いて回転子の回転を検出する。
【0006】
上記特開平4−190658号公報には、具体的には、例えば、図19に示すような構成が開示されている。モータM0の一対の電極用ブラシB01およびB02とは別途に一対の回転検出用ブラシを構成する第1の回転検出用ブラシBD0aおよび第2の回転検出用ブラシBD0bが設けられている。まず、モータ駆動系の構成について説明する。第2の回転検出用ブラシBD0bには、微分回路101、時定数リセット回路102および時定数回路103が順次接続されている。比較基準電圧発生部104の出力が反転入力端に接続された比較器105の非反転入力端に上記時定数回路103の出力が接続される。比較器105の出力は、図示極性のダイオード106を介してリレー107(の励磁コイル)の一端に接続される。リレー107(の励磁コイル)の他端は、駆動電源E0の正極端に接続される。駆動電源E0には、リレー107の接点107aを介して一対の電極用ブラシB01およびB02が接続されている。
【0007】
リレー107(の励磁コイル)の前記一端は、図示極性のダイオード108を介してモータ起動回路109のトランジスタ109aのコレクタに接続されている。トランジスタ109aのベースには、抵抗109bを介してモータ起動信号が供給され、トランジスタ109aのベースとエミッタとの間に抵抗109cが接続されている。トランジスタ109aのエミッタは、駆動電源E0の負極端に接続されている。
また、回転方向検知系は、次のように構成される。第1の回転検出用ブラシBD0aは、第1の電圧変換回路110aを介してフリップフロップ(D−フリップフロップ)111のデータ端Dに接続されている。第2の回転検出用ブラシBD0bは、第2の電圧変換回路110bを介してフリップフロップ111のクロック端Cに接続されている。
【0008】
図20に、このような構成におけるモータ駆動系の各部の信号波形、つまり、モータ起動回路109に入力されるモータ起動信号、第2の回転検出用ブラシBD0bの検出信号VBB、微分回路101の出力信号SB0、時定数回路103の出力信号SC0、比較器105の出力信号SD0、リレー107の動作信号および駆動電源E0からモータM0への駆動電源供給の各波形が示されている。
モータ起動信号によりモータ起動回路109のトランジスタ109aがオンとなると、リレー107がオンとなって接点107aが閉じ、電極用ブラシB01およびB02を介してモータM0に電力が供給され、モータM0の回転が開始される。モータM0の回転に伴い第2の回転検出用ブラシBD0bからパルス列VBBが出力され、微分回路101で微分されて、各パルスの前縁に同期した信号SB0が時定数リセット回路102に供給される。時定数リセット回路102は、信号SB0に同期して時定数回路103をリセットし、時定数回路103から信号SC0として図20に示すような信号を出力させる。
【0009】
モータM0が通常の回転速度で回転している定常状態においては、時定数回路103の出力信号SC0が比較基準電圧発生部104から供給される比較基準電圧を超えることはない。この状態では、比較器105の出力信号SD0は“L(低レベル)”であり、リレー107は励磁されオン状態を続けて、モータM0に対する給電は維持される。ところが、過負荷等によりモータM0の回転速度が低下すると、時定数回路103の出力信号SC0が比較基準電圧を超え、比較器105の出力信号SD0が“H(高レベル)”となり、リレー107に励磁電流が流れなくなってオフとなり、接点107aが開いてモータM0に対する給電は停止される。このようにして、モータM0の回転速度の低下を検出し、モータM0を停止させて、モータM0に過大な電流が流れ続けることを防止する。
【0010】
また、図21に回転方向検知系の各部の信号波形を示す。図21には、回転方向が時計方向CW(clockwise)および反時計方向(counterclockwise)にそれぞれ回転した場合の、第1の回転検出用ブラシBD0aの出力VBA、第2の回転検出用ブラシBD0bの出力VBB、第1の電圧変換回路110aの出力SA、第2の電圧変換回路110bの出力SB、フリップフロップ111の出力、すなわち、最終的な回転方向検知信号RSの各波形を示している。
モータM0が時計方向に回転すると、第1の回転検出用ブラシBD0aから図示のように電圧Eoと電圧Eo/2との間でのレベル変化による負極性のパルス波形の出力VBAが出力され、第2の回転検出用ブラシBD0bから図示のように電圧“0”と電圧Eo/2との間でのレベル変化による正極性のパルス波形の出力VBBが出力される。
【0011】
これらパルス出力VBAとVBBとは、パルス出力VBBが、パルス出力VBAに対して、第1の回転検出用ブラシBD0aと第2の回転検出用ブラシBD0bとの整流子に対する摺接位置の回転角度間隔に基づく位相差ぶんだけ、位相遅れをもって出力される。第1および第2の電圧変換回路110aおよび110bは、各々与えられたパルス波形を“H”と“L”との間のパルス波形SAおよびSBに変換し、フリップフロップ111は、第2の回転検出用ブラシBD0bの出力VBBに基づくパルス波形SBの立ち上がりエッジで、第1の回転検出用ブラシBD0aの出力VBAに基づくパルス波形SAをラッチする形となり、回転信号検知信号RSとして“L”を出力する。
【0012】
モータM0が反時計方向に回転すると、第1の回転検出用ブラシBD0aからは、図示のように、電圧“0”と電圧Eo/2との間でのレベル変化による正極性のパルス波形の出力VBAが出力され、第2の回転検出用ブラシBD0bからは、図示のように電圧Eoと電圧Eo/2との間でのレベル変化による負極性のパルス波形の出力VBAが出力される。これらパルス出力VBAとVBBとは、パルス出力VBBが、パルス出力VBAに対して、第1の回転検出用ブラシBD0aと第2の回転検出用ブラシBD0bとの整流子に対する摺接位置の回転角度間隔に基づく位相差ぶんだけ、位相進みをもって出力される。第1および第2の電圧変換回路110aおよび110bは、各々与えられたパルス波形を“H”と“L”との間のパルス波形SAおよびSBに変換し、フリップフロップ111は、第2の回転検出用ブラシBD0bの出力VBBに基づくパルス波形SBの立ち上がりエッジで、第1の回転検出用ブラシBD0aの出力VBAに基づくパルス波形SAをラッチする形となり、回転信号検知信号RSとして“H”を出力する。このようにして、回転方向を検出することができる。
【0013】
また、特開平6−189504号公報には、上述とほぼ同様の構成において、回転検出用ブラシに抵抗を持たせることが示されている。特開平6−189504号公報では、回転検出用ブラシが、整流子の2つの接触片に同時に接触した際に、各接触片間のギャップにおける抵抗分を規定することにより、直流モータの出力トルクの低下を抑制し、且つノイズを低減して回転検知精度を向上することが示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平4−190658号公報等には、モータの回転速度がある程度よりも低下した場合にのみリレーを動作させることおよび単に回転方向を検出することが示されているに過ぎず、回転数、回転速度および回転位置等を高精度に検出し、回転方向制御、回転数制御および回転速度制御等に利用するための技術については明確に示されていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、簡単で且つスペースを占有しない構成により、ブラシ式直流モータの回転速度および回転数を的確に検出し、効果的な回転制御を可能とする直流モータの回転検出装置および回転制御装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、スペースをとらない簡単且つ安価な構成で、効果的な回転検出を可能とする直流モータの回転検出装置を提供することにある。
【0015】
本発明の請求項2の目的は、特に、モータの駆動電圧変動にも対応して効果的な回転検出を可能とする直流モータの回転検出装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、モータの駆動電圧を安定に供給して効果的な回転検出を可能とする直流モータの回転検出装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、スペースをとらない簡単且つ安価な構成で、効果的な回転検出に基づく適切な回転制御を可能とする直流モータの回転制御装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、的確な回転速度検出に基づく効果的な回転制御を可能とする直流モータの回転制御装置を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、回転速度検出の誤検出を防止して効果的な回転制御を可能とする直流モータの回転制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る直流モータの回転検出装置は、上述した目的を達成するために、
回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータにおける前記回転子の回転速度および回転位置の少なくともいずれかを検出する回転検出装置において、
前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に設けられ、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシと、
比較基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
前記一対の回転検出用ブラシからそれぞれ出力される回転検出信号のうちのいずれか一方を回転駆動方向に応じて選択する回転検出信号選択手段と、
前記回転検出信号選択手段により選択された前記一対の回転検出用ブラシのうちの一方の回転検出用ブラシにより検出された回転検出信号に基づく電圧と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較する比較器と
を具備することを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載した本発明に係る直流モータの回転検出装置は、前記基準電圧生成手段が、前記直流駆動電圧を分圧して比較基準電圧を得る手段を含むことを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る直流モータの回転検出装置は、
前記一対の電極用ブラシが、前記整流子に対して互いにほぼ180°をなす回転角度位置で摺接し、
前記一対の回転検出用ブラシが、当該直流モータの極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において摺接することを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載した本発明に係る直流モータの回転制御装置は、
回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータの前記回転子の回転動作を制御する回転制御装置において、
前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に設けられ、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシと、
前記一対の電極用ブラシに前記直流駆動電圧を供給して当該直流モータを駆動するモータ駆動回路と、
比較基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
前記一対の回転検出用ブラシからそれぞれ出力される回転検出信号のうちのいずれか一方を回転駆動方向に応じて選択する回転検出信号選択手段と、
前記回転検出信号選択手段により選択された前記一対の回転検出用ブラシのうちの一方の回転検出用ブラシにより検出された回転検出信号に基づく電圧と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較する比較器と
前記比較器の出力に応動して前記モータ駆動回路を制御するモータ制御回路とを具備することを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載した本発明に係る直流モータの回転制御装置は、
前記モータ制御回路が、
前記比較器の出力パルスのパルス間隔を計測するパルス間隔計測手段と、
前記パルス間隔計測手段で計測されたパルス間隔に基づいて前記回転子の回転速度を求める回転速度検出手段と、
前記回転速度検出手段で検出された回転速度を目標とするモータ回転速度と比較する回転速度比較手段と、
前記回転速度比較手段の比較結果に基づくチョッパ制御により前記モータ駆動回路の駆動出力を制御して前記目標とするモータ回転速度とするチョッパ制御手段と
を含むことを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係る直流モータの回転制御装置は、前記モータ制御回路が、前記チョッパ制御手段によるチョッパ制御時に、前記パルス間隔計測手段に基づく回転速度検出を無効とする速度検出抑止手段をさらに含むことを特徴としている。
【0020】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による直流モータの回転検出装置は、回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータにおける前記回転子の回転速度および回転位置の少なくともいずれかを検出する回転検出装置において、前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に一対の回転検出用ブラシを設け、前記回転子の回転を検出するとともに、該一対の回転検出用ブラシにより検出される回転検出信号の一方を回転検出信号選択手段により選択し、該選択された回転検出信号と基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較器で比較して回転検出信号を得る。
【0021】
このような構成により、一対の回転検出用ブラシを効果的に用いて、簡単で且つスペースを占有しない構成により、ブラシ式直流モータの回転速度および回転数を的確に検出し、効果的な回転検出が可能となる。
また、本発明の請求項2による直流モータの回転検出装置は、前記基準電圧生成手段が、前記直流駆動電圧を分圧して比較基準電圧を得る手段を含む。
このような構成により、特に、モータの駆動電圧変動にも対応して効果的な回転検出を行なうことが可能となる。
【0022】
また、本発明の請求項3による直流モータの回転検出装置は、前記一対の電極用ブラシが、前記整流子に対して互いにほぼ180°をなす回転角度位置で摺接し、前記一対の回転検出用ブラシが、当該直流モータの極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において摺接する。
このような構成により、特に、モータの駆動電圧を安定に供給して効果的な回転検出をおこなうことが可能となる。
【0023】
本発明の請求項4による直流モータの回転制御装置は、回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータの前記回転子の回転動作を制御する回転制御装置において、前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシを設け、比較基準電圧を基準電圧生成手段により生成し、前記一対の回転検出用ブラシにより検出される回転検出信号のうちのいずれか一方を回転信号選択手段により選択し、該選択された回転検出信号と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較器で比較するとともに、モータ制御回路によって、前記比較器の出力に応じて前記モータ駆動回路を制御する。
このような構成により、特に、簡単で且つスペースを占有しない簡単な構成を用いて、ブラシ式直流モータの効果的な回転検出に基づく適切な回転制御を行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の請求項5による直流モータの回転制御装置は、前記モータ制御回路が、前記比較器の出力パルスのパルス間隔を計測するパルス間隔計測手段、前記パルス間隔計測手段で計測されたパルス間隔に基づいて前記回転子の回転速度を求める回転速度検出手段、前記回転速度検出手段で検出された回転速度を目標とするモータ回転速度と比較する回転速度比較手段、および前記回転速度比較手段の比較結果に基づくチョッパ制御により前記モータ駆動回路の駆動出力を制御して前記目標とするモータ回転速度とするチョッパ制御手段を含む。
このような構成により、特に、的確な回転速度検出に基づく効果的な回転制御が可能となる。
本発明の請求項6による直流モータの回転制御装置は、前記モータ制御回路が、前記チョッパ制御手段によるチョッパ制御時に、前記パルス間隔計測手段に基づく回転速度検出を無効とする速度検出抑止手段をさらに含む。
このような構成により、特に、回転速度検出の誤検出を防止して効果的な回転制御が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明に係る直流モータの回転検出装置および回転制御装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置の構成を示している。図1に示す直流モータの回転検出装置は、駆動電源E1からスイッチSW1を介して駆動電力が供給されて駆動される直流モータM1の回転を検出するものであり、直流モータM1には、一対の電極用ブラシB11およびB12と一対の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bを設けている。図1の直流モータの回転検出装置は、第1のノイズ除去回路1a、第2のノイズ除去回路1b、比較基準電圧生成手段2、比較器3および回転検出信号選択手段4を具備する。
【0026】
第1のノイズ除去回路1aは、第1の回転検出用ブラシBD1aの検出信号の急峻なサージ状の波形等のノイズ成分を除去する。第2のノイズ除去回路1bは、第2の回転検出用ブラシBD1bの検出信号の急峻なサージ状の波形等のノイズ成分を除去する。第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bの出力は、回転検出信号選択手段4で、所要の回転方向に応じていずれか一方が選択されて、比較器3に供給される。例えば、回転方向が反時計方向CCWの場合は、第1のノイズ除去回路1aの出力を選択し、回転方向が時計方向CWの場合には、第2のノイズ除去回路1bの出力を選択して比較器3に供給する。比較基準電圧生成手段2は、第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bの検出信号を回転速度に応じたパルス周期およびパルス幅のパルス列に変換するための比較基準電圧を生成し、比較器3に供給する。
【0027】
比較器3は、第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bの検出信号から第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bによりノイズが除去されて、いずれか一方が回転検出信号選択手段4により選択された信号と、比較基準電圧生成手段2により生成される比較基準電圧とを比較して、回転速度に応じたパルス周期およびパルス幅のパルス列を出力する。
尚、図1において、第1の回転検出用ブラシBD1aの整流子(図示せず)への摺接位置と正極側の電極用ブラシB11の摺接位置と間の角度、および第2の回転検出用ブラシBD1bの整流子への摺接位置と負極側の電極用ブラシB12の摺接位置との間の角度を、それぞれ40°に設定した例を示してある。但し、この一対の第1の回転検出用ブラシBD1aおよび第2の回転検出用ブラシBD1bは、直流モータM1の極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する正極側の電極用ブラシB11および負極側の電極用ブラシB12に対して、180/n°未満の回転角度位置において摺接するように配設することが望ましい。
【0028】
その理由とするところは、図22を用いて説明する。
すなわち、電極用ブラシおよび回転検出用ブラシを設けた場合、図22に示すような状態では、電極用ブラシB1は、整流子CMの図示左上および右上の2個の導体片に接触しており、回転検出用ブラシD(この場合1個として説明する)は、整流子CMの図示右上および下方の2個の導体片に接触しており、電極用ブラシB2は、整流子CMの図示下方の導体片に接触している。したがって、電源Eの正極側に接続された電極用ブラシB1は、整流子CMの図示右上の導体片、回転検出用ブラシD、整流子CMの図示下方の導体片を介して、電源Eの負極側に接続された電極用ブラシB2に導通している。このため、結果的には、電源Eの正負極両端が短絡された状態となっている。
【0029】
このような状態の存在は、直流モータが高速で回転しているときには、それほど大きな問題とはならないことも多いが、この状態でモータが停止したときが問題となる。一般には、この種の直流モータの回転子は、鉄心にコイルを巻装して構成されており、コイルに電流を流さない状態では、この鉄心が永久磁石からなる固定子の磁極に引き付けられるため、例えば3極モータの場合6個所の安定ポイントがある。この安定ポイントに対応する位置を外して、回転検出用ブラシDの整流子CMへの摺接位置を設定すれば、上述の問題は低減されるが、上述した電源Eの短絡状態が生じないことが望ましい。
このような電源Eの短絡状態が生じないようにするには、回転検出用ブラシDの整流子CMへの摺接位置を、3極モータの場合、電極用ブラシB2の摺接位置との間の角度が60°未満となるようにすればよい。すなわち、n極(nは3以上の自然数)のモータの場合には、一方の電極用ブラシB2の摺接位置との間の角度が180/n未満となるようにすればよい。
【0030】
この場合、回転検出用ブラシが1個の例を示したが、図1に示すように、第1の回転ブラシBD1aと第2の回転検出用ブラシBD1bの2つの場合も同様である。すなわち、直流モータM1の極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する正極側の電極用ブラシB11および負極側の電極用ブラシB12に対して180/n°未満の回転角度位置において、第1の回転検出用ブラシBD1aおよび第2の回転検出用ブラシBD1bが摺接すればよい。図1の場合、直流モータM1の極数が3極であると仮定して、180/3°=60°未満の回転角度位置、すなわち、40°の回転角度位置に設定したものである。
上述し且つ図1に示す本発明の第1の実施の形態による直流モータの回転検出装置をさらに具体的に構成したのが、本発明の第2の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置であり、その構成を図2に示す。
図2に示す直流モータの回転検出装置は、図1の場合と同様に駆動電源E1から第1のスイッチSW1Aを介して駆動電圧Eoを供給して駆動される直流モータM1の回転を検出するものであり、モータM1には、一対の電極用ブラシB11およびB12とは別途に一対の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bを設けている。
【0031】
図2の回転検出装置は、第1のノイズ除去回路1a、第2のノイズ除去回路1b、比較基準電圧生成手段2A、比較器3および回転検出信号選択手段4Aを具備する。回転検出信号選択手段4Aは、互いに連動する第1のスイッチSW1Aおよび第2のスイッチSW2で構成する。
第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bは、それぞれ第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bの検出信号VB1AおよびVB1Bの急峻なサージ状の波形等のノイズ成分を除去する回路である。回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2は、第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bの出力を所要の回転方向に応じて選択して、比較器3の非反転入力端(+側)に供給する。
【0032】
すなわち、回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2は、反時計方向CCWの回転方向を選択したときは、第1のノイズ除去回路1aの出力を選択して比較器3の非反転入力端に供給する。また、回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2は、時計方向CWの回転方向を選択したときは、第2のノイズ除去回路1bの出力を選択して比較器3の非反転入力端に供給する。回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2と連動する第1のスイッチSW1Aは、所要の回転方向に応じて、駆動電源E1から第1および第2の電極用ブラシB11およびB12に供給する電圧の極性を切り替える。すなわち、反時計方向CCWの回転を選択するときは、第1の電極用ブラシB11に負側(つまり共通低電位側)、第2の電極用ブラシB12に正側の電位を供給し、時計方向CWの回転を選択するときは、第1の電極用ブラシB11に正側、第2の電極用ブラシB12に負側の電位を供給する。
【0033】
比較基準電圧生成手段2Aは、第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bの検出信号を回転速度に応じたパルス周期およびパルス幅のパルス列に変換するための比較基準電圧を生成して、比較器3の反転入力端に供給する部分であり、ポテンショメータVR1により構成される。ポテンショメータVR1は、その固定側両端が駆動電源E1の両端にそれぞれ接続され、該ポテンショメータVR1の可動端と共通低電位との間の電圧、例えばEo/4にほぼ相当する電圧、が比較器3の反転入力端(−側)に供給される。
比較器3は、図1の場合とほぼ同様の構成を有し、第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bの検出信号から第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bによりノイズが除去された信号のうちの、回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2により選択された一方の信号が非反転入力側(+側)に、比較基準電圧生成手段2Aにより生成される比較基準電圧(Eo/4)が反転入力側(−側)にそれぞれ供給され、両者を比較する。
【0034】
比較器3は、選択された第1または第2のノイズ除去回路1aまたは1bの出力が比較基準電圧(Eo/4)を超えると電源電圧Vcc、つまり“H(高レベル)”となり、第1または第2のノイズ除去回路1aまたは1bの出力が比較基準電圧(Eo/4)以下では共通低電位つまり“L(低レベル)”となって、回転速度に応じたパルス周期およびパルス幅のパルス列を出力する。
次に、図2の直流モータの回転検出装置の動作について、図3に示す各部の波形図を参照して説明する。図3には、第1の回転検出用ブラシBD1aの反時計方向CCWの回転時の出力信号VB1Aと、第2の回転検出用ブラシBD1bの時計方向CWの回転時の出力信号VB1Bの各信号電圧波形、比較器3の非反転入力+の入力信号SB1および比較器3の出力信号SC1の各信号電圧波形を示している。
【0035】
第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bを有する直流モータM1の第1および第2の電極用ブラシB11およびB12は、出力電圧Eoの直流駆動電源E1に、回転検出信号選択手段4Aの第1のスイッチSW1Aを介して接続されている。該直流モータM1の第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bは、それぞれ第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bに接続されている。回転検出信号選択手段4Aにより反時計方向CCWの回転が選択されているときには、第1のノイズ除去回路1aによりノイズが除去された第1の回転検出用ブラシBD1aの検出信号が、比較器3の非反転入力端+に供給される。回転検出信号選択手段4Aにより時計方向CWの回転が選択されているときには、第2のノイズ除去回路1bによりノイズが除去された第2の回転検出用ブラシBD1bの検出信号が、比較器3の非反転入力端+に供給される。
【0036】
回転検出信号選択手段4Aの第2のスイッチSW2と連動する第1のスイッチSW1Aは、反時計方向CCWの回転を選択するときは、第1の電極用ブラシB11に、直流駆動電源E1の負側(共通低電位)から、第2の電極用ブラシB12に、直流駆動電源E1の正側から駆動電圧を供給させ、時計方向CWの回転を選択するときは、第1の電極用ブラシB11に、直流駆動電源E1の正側から、第2の電極用ブラシB12に、直流駆動電源E1の負側(共通低電位)から駆動電圧を供給させる。この第1のスイッチSW1Aの動作により、直流モータM1に駆動電源E1からの直流電圧が供給され、第1および第2の電極用ブラシB11およびB12を介して回転子コイルが励磁されて、永久磁石等により磁極が形成された固定子に対して、回転子が回転する。
【0037】
この直流モータM1の回転により、第1および第2の回転検出用ブラシBD1aおよびBD1bにほぼパルス状の電圧信号VB1AおよびVB1Bが発生する。第1または第2の回転検出用ブラシBD1aまたはBD1bから出力される電圧信号VB1AまたはVB1Bのパルス列の各パルスの前縁部、つまり図3に示す立ち上がり部分、の急峻なサージ状の波形は、ブラシに当接する整流子の接片が切り替わるときに、各接片に接続された回転子コイルに流れる電流の大きさが瞬間的に変化するため、回転子コイルの自己誘導作用により発生する電圧によるものであり、その大きさは、回転速度に応じてコイルを流れる電流の大きさにより変化する。
【0038】
また、各パルス波形の傾斜部分は、回転子コイルに流れる電流およびコイルの直流抵抗成分により生ずる電圧と、コイルが磁界中を回転することにより生ずる誘導電圧とが合成されたものである。高速回転時は後者の誘導電圧が支配的となり、低速回転時は前者の抵抗成分による電圧が支配的となる。したがって、この傾斜部分の傾斜角度は、回転が低速であるほど傾斜が緩やかとなり、平坦に近くなる。
第1または第2のノイズ除去回路1aまたは1bから比較器3の非反転入力端+への入力信号SB1の波形は、上述したサージ波形および回転検出用ブラシBD1a,BD1bと整流子との接触により生じる機械的ノイズ等の高周波ノイズが除去されている。比較器3は、この入力信号SB1の電圧とポテンショメータVR1から取り出される、例えば約Eo/4、の比較基準電圧とを比較する。このため比較器3の出力信号SC1としては、この場合、電圧Vccである“H”と、この場合、共通低電位、つまりグラウンドレベル(GND)、である“L”の2種類のレベルのいずれかしかあらわれず、安定した矩形波が得られる。
【0039】
なお、第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bは、使用する直流モータの特性や使用する電力あるいは信号処理回路システムの電圧等に応じて適宜構成すれば良く、これら第1および第2のノイズ除去回路1aおよび1bは、必ずしも必須の構成ではなく、使用する直流モータの特性や使用する電力あるいは信号処理回路システムの電圧等によっては、省略することもできる。
これら第1および第2の実施の形態が本発明の請求項1に対応する。
上述し且つ図1に示した本発明の第1の実施の形態による直流モータの回転検出装置をさらに改良し具体的に構成した他の構成が、本発明の第3の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置であり、その構成を図4に示す。
【0040】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の構成を示している。図4に示す直流モータの回転制御装置は、直流モータM2および駆動電源E2に加えて、モータ駆動回路5、第1のノイズ除去回路6a、第2のノイズ除去回路6b、比較基準電圧生成手段7、比較器8、回転検出信号選択手段9およびモータ制御回路10を具備する。図4の直流モータの回転制御装置は、駆動電源E2からモータ駆動回路5を介して駆動電力が供給されて駆動される直流モータM2の回転を制御するものであり、モータM2には、一対の電極用ブラシB21およびB22と一対の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bを設けている。
【0041】
電圧Eoの直流電源からなる駆動電源E2の正負出力端間には、トランジスタQ1、Q2、Q3およびQ4によりブリッジ回路を構成してなるスイッチング部を含むモータ駆動回路5が接続されている。pnp型のトランジスタQ1およびQ2のエミッタは、駆動電源E2の正側出力端に共通に接続され、これらトランジスタQ1およびQ2のコレクタは、npn型のトランジスタQ3およびQ4のコレクタにそれぞれ接続され、トランジスタQ3およびQ4のエミッタは、駆動電源E2の負側出力端に共通に接続されている。モータ駆動回路5の出力端子の一方、すなわちトランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ3のコレクタとの接続点、に直流モータM2の一方の電極用ブラシB21が、モータ駆動回路5の出力端子の他方、すなわちトランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ4のコレクタとの接続点、に直流モータM2の他方の電極用ブラシB22が接続されている。
【0042】
モータ駆動回路5の制御入力端は、モータ制御回路10に接続されており、モータ制御回路10からのモータ制御信号によって、トランジスタQ1〜Q4がオン/オフ制御され、直流モータM2の正転、逆転および停止等の制御が行なわれる。
回転検出信号選択手段9は、第1のアナログスイッチASW1、第2のアナログスイッチASW2およびインバータINVを有している。第1のアナログスイッチASW1および第2のアナログスイッチASW2は、各出力端が比較器8の非反転入力端+に共通に接続されている。回転検出信号選択手段9には、外部から回転検出信号選択信号が与えられ、該回転検出信号選択信号は、第2のアナログスイッチASW2の制御入力端には直接、第1のアナログスイッチASW1の制御入力端にはインバータINVを介して供給される。したがって、第1および第2のアナログスイッチASW1およびASW2は、回転検出信号選択信号により相補的に導通状態となり、回転検出信号選択信号により第1および第2のアナログスイッチASW1およびASW2を選択的にオンとして切り替え動作させることができる。
【0043】
直流モータM2の第1の回転検出用ブラシBD2aの出力は、第1のノイズ除去回路6aに入力され、該第1のノイズ除去回路6aの出力は、回転検出信号選択手段9の第1のアナログスイッチASW1の入力端に供給される。第2の回転検出用ブラシBD2bの出力は、第2のノイズ除去回路6bに入力され、該第2のノイズ除去回路6bの出力は、回転検出信号選択手段9の第2のアナログスイッチASW2の入力端に供給される。これら第1および第2のノイズ除去回路6aおよび6bを介してそれぞれ与えられる第1および第2の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bの出力は、回転検出信号選択手段9の第1および第2のアナログスイッチASW1およびASW2により、回転検出信号選択信号に応じて切換え選択され、比較器8の非反転入力端+に供給される。
【0044】
一方、比較基準電圧生成手段7は、図2の比較基準電圧生成手段2Aと同様に駆動電源E2の出力電圧Eoを分圧するポテンショメータVR1からなり、このポテンショメータVR1の可動端から取り出した電位が比較器8の反転入力端に供給される。つまり、ポテンショメータVR1は、電源電圧Eoに比例した電圧を出力し、例えばポテンショメータVR1は、可動端から共通低電位に対してほぼEo/4の電圧を取り出すように設定されている。
アナログスイッチASW1およびASW2は、モータ制御回路10からの回転検出信号選択信号に対応して、いずれか一方がオンとなり他方がオフとなるように制御されて、第1および第2のノイズ除去回路6aおよび6bのうちの一方の出力のみを比較器8の非反転入力端に供給する。比較器8の出力SC1は、モータ制御回路10に供給されている。
【0045】
モータ制御回路10は、マイクロコンピュータ等を用いて構成され、比較器8の出力および必要ならば外部からの制御指示を受けて、モータ駆動回路5に対するモータ制御信号および回転検出信号選択手段9に対する比較基準電圧選択信号をそれぞれ生成し、モータ駆動回路5および回転検出信号選択手段9に供給する。
なお、アナログスイッチASW1およびASW2は、そのコントロール端子の信号の状態が“H”であるか“L”であるかによってオン/オフ動作し、オン状態では、入力端子に入力された電圧をそのまま出力端子に出力し、オフ状態では、入力端子に入力された電圧は出力端子に出力しない。
具体的には、例えば、コントロール端子が“H”のときオンとなって入力信号を通過させ、“L”のときオフとなってハイインピーダンス状態となる。
【0046】
次に、図4の直流モータの回転制御装置の動作について、図5に示す各部の波形図を参照して説明する。図5には、直流モータM2が時計方向(CW)に回転するときと、反時計方向(CCW)に回転するときとの、回転検出信号選択信号、第1の回転検出用ブラシBD2aの出力、第2の回転検出用ブラシBD2bの出力、比較器8の非反転入力端の入力信号および比較器8の出力信号の各信号電圧波形を示している。
モータ制御回路10からモータ制御信号が出力され、モータ駆動回路5のトランジスタQ1およびトランジスタQ4がオンとなると、モータが時計方向に回転するものとする。それと同時にモータ制御回路10から回転検出信号選択信号として“H”が出力される。直流モータM2の第1の回転検出用ブラシBD2aの電圧は、第1のノイズ除去回路6aを介して回転検出信号選択手段9の第1のアナログスイッチASW1に与えられる。同様に、直流モータM2の第2の回転検出用ブラシBD2bの電圧は、第2のノイズ除去回路6bを介して回転検出信号選択手段9の第2のアナログスイッチASW2に与えられる。
【0047】
回転検出信号選択手段9により選択された一方の回転検出信号が選択され、比較器8の非反転入力端+に入力される。この場合、比較基準電圧選択信号が“H”であるのでアナログスイッチASW1はオフ、アナログスイッチASW2がオンとなっているので、第2の回転検出用ブラシBD2b側のノイズが除去された回転検出信号が選択され、これが比較器8に入力される。
一方、比較器8の反転入力端子−には、比較基準電圧生成手段7から比較基準電圧が入力されている。比較基準電圧としてはポテンショメータVR1で設定された電圧Eo/4が供給されている。したがって、比較器8の出力には、図5(a)に示すような矩形波が得られることになる。
次に、モータ制御回路10からモータ駆動回路5のトランジスタQ2およびトランジスタQ3をオンとするモータ制御信号と、回転検出信号選択信号として“L”の信号が出力される。そうすると、直流モータM2は、反時計方向に回転し、第1の回転検出用ブラシBD2aの検出電圧が、ノイズ除去回路6aを経て回転検出信号選択手段9で選択され、比較器8の非反転入力端+において、図5(b)のような波形を呈する。
【0048】
また、比較基準電圧生成手段から、比較基準電圧として、ポテンショメータVR1で設定された電圧Eo/4が供給されている。したがって、比較器8の出力には、図5(b)に示すような矩形波が得られることになる。
このように比較器8の出力には、直流モータM2の回転信号としてパルス列が得られるわけであるが、例えば、使用するモータの回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bと電極用ブラシB21およびB22との角度が40°の場合、時計方向回転でも反時計方向回転でもデューティ1/3のパルス列になる。
以上のような構成にすれば、直流モータM2の両方向の回転に対して安定な回転検出信号を得て、直流モータM2を適正に回転制御することができる。上述した実施の形態が本発明の請求項4および5にほぼ対応する。
【0049】
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の構成を示している。図6に示す直流モータの回転制御装置は、図4の直流モータの回転制御装置とほぼ同様に構成され、モータ駆動回路5に代えてモータ駆動回路5Aが、モータ制御回路10に代えてモータ制御回路10Aがそれぞれ設けられている。
モータ制御回路10Aは、マイクロコンピュータ等を用いて構成され、パルス間隔計測手段11、回転速度算出手段12および回転速度比較手段13の各機能が付加されている。
パルス間隔計測手段11は、図7に示すようにパルス間隔TMを計測する。パルス間隔計測手段11においては、図7に示すように比較器8から出力される直流モータM2の回転信号パルスよりも充分に周波数の高い基準クロックを回転信号パルスの一周期分カウントすることにより、パルス間隔TMを計測する。
【0050】
回転速度算出手段12は、パルス間隔計測手段11で得たパルス間隔TMに基づいて直流モータM2の回転速度を算出する。すなわち、パルス間隔計測手段11により得られた回転信号パルスの周期、つまりパルス間隔、がTM[sec]である場合、回転速度算出手段12によって、直流モータM2の回転速度は、3極モータの場合には60/3TM[rpm]として計算される。なお、基準クロックは、モータ制御回路10Aを構成するマイクロコンピュータ等に内蔵している基準クロック発振器により発生する。回転速度比較手段13は、回転速度算出手段12で算出された回転速度N(現在)を目標速度N(目標)と比較し、目標速度N(目標)を得るべくモータ制御信号を生成する。
なお、この場合、モータ駆動回路5Aは、トランジスタQ1、Q2、Q3およびQ4をそれぞれモータ制御回路10Aの回転速度比較手段13により生成されるモータ制御信号に応動するドライバDA1、DA2、DA3およびDA4によりオン/オフ動作させる構成とする。
【0051】
次に、図6の直流モータの回転制御装置の動作について、図8に示す要部のフローチャートおよび図9に示す各部の波形図を参照して説明する。
図9には、チョッパ制御により直流モータM2を回転させている状態で、モータ停止信号が与えられるまで、直流モータM2の回転速度を一定に保とうとする場合について、トランジスタQ1のオン/オフ制御信号、トランジスタQ4のオン/オフ制御信号、比較器8の非反転入力端の入力信号および比較器8の出力信号の各信号電圧波形を示している。
直流モータM2が回転している状態において、直流モータM2の回転に応じて比較器8の出力には直流モータM2の回転信号パルスがあらわれる。
この実施の形態では、モータ制御回路10Aは、直流モータM2への通電を一時的にオフとすることを繰り返す(オン/オフを繰り返す)、いわゆるチョッパ制御を行ない、チョッパ制御のデューティ比を変更することにより、直流モータM2の回転速度を制御している。
【0052】
すなわち、直流モータM2の回転信号から回転速度を算出し、回転速度が予め設定された目標速度より速くなった場合には、デューティ比(オンデューティ〜一周期におけるオン時間の割合)を小さくして減速させ、目標速度より遅くなった場合には、デューティ比を大きくして加速させることにより、直流モータM2の回転速度を目標の回転速度とするように動作する。
すなわち、図8のフローチャートを参照して、その動作を説明すると、モータ制御回路10Aは、パルス間隔計測手段11によって、比較器8の回転信号パルスからパルス間隔TMを計測し(ステップS11)、このパルス間隔TMの計測結果に基づき、回転速度算出手段12によって、その時点での回転速度Nを算出する(ステップS12)。さらに、モータ制御回路10Aの回転速度比較手段13は、回転速度算出手段12によって算出された最新の回転速度N(現在)を、目標速度N(目標)と比較し、該目標速度N(目標)未満であるか否かを判別する(ステップS13)。
【0053】
なお、目標速度N(目標)は、特定回転速度値でなく特定の回転速度の範囲である場合もある。回転速度N(現在)が、目標速度N(目標)未満でなければ、モータ制御回路10Aの回転速度比較手段13は、回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)を超えているか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14において回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)を超えていなければ、回転速度N(現在)は目標速度N(目標)に等しいので、モータ制御回路10Aは、そのままのデューティ比でチョッパ制御を継続する(ステップS15)。そして、モータ制御回路10Aは、モータ停止信号が与えられたか否かを判別し(ステップS16)、モータ停止信号が与えられれば、直流モータM2を停止させる(ステップS17)。ステップS16においてモータ停止信号が与えられなければ、ステップS11に戻り、モータ制御回路10Aは、直流モータM2のチョッパ制御を継続する。
【0054】
ステップS13において、モータ制御回路10Aの回転速度比較手段13は、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)未満であると判別した場合には、直前のデューティ比変更後、所定時間を経過しているか否を判別する(ステップS18)。
モータ制御回路10Aは、それ以前にデューティ比変更が全く行なわれていない場合および直前に行なわれたデューティ比変更から所定時間を経過している場合には、チョッパ制御のデューティ比(オンデューティ)を大きくして(ステップS19)、ステップS16に移行する。また、ステップS18において、直前に行なわれたデューティ比変更から所定時間を経過していないと判別した場合には、モータ制御回路10Aは、チョッパ制御のデューティ比を変更せず直ちにステップS16に移行する。
【0055】
ステップS14において、モータ制御回路10Aの回転速度比較手段13は、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えていると判別した場合には、直前のデューティ比変更後、所定時間を経過しているか否を判別する(ステップS20)。モータ制御回路10Aは、それ以前にデューティ比変更が全く行なわれていない場合および直前に行なわれたデューティ比変更から所定時間を経過している場合には、チョッパ制御のデューティ比を小さくして(ステップS21)、ステップS16に移行する。
また、ステップS20において、直前に行なわれたデューティ比変更から所定時間を経過していないと判別した場合には、モータ制御回路10Aは、チョッパ制御のデューティ比を変更せず直ちにステップS16に移行する。
【0056】
なお、上述において、デューティ比変更後の所定時間については、デューティ比を変更しないようにしているが、これは、直流モータM2の回転速度が、デューティ比を変更しても直ちに追従せず、応答遅れがあることを考慮したものである。したがって、所定時間に代えて、チョッパ制御の所定周期、または回転信号パルスの所定カウント数を用いるようにしてもよい。
図9に示すように、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)に一致している状態では、モータ制御回路10Aは、トランジスタQ1が一定周期一定デューティでオン/オフを繰り返し、トランジスタQ4が常時オンとなるように制御している。
【0057】
モータ制御回路10Aは、回転速度N(現在)の計測結果が目標速度N(目標)よりも遅いと判断すると、その相違に応じて、モータ駆動回路5Aに対してチョッパ制御のデューティ比を大きく変更させるべくモータ制御信号を与える。具体的には、例えばトランジスタQ1の周期的なオン/オフ動作における一周期中のオン期間の割合をオフ期間に対して相対的に大きくする。例えば、当初は、デューティ比50%として制御を行なっていたとすれば、デューティ比を75%に変更してチョッパ制御を行ない、再度回転速度計測を行なう。
そして、モータ制御回路10Aは、回転速度N(現在)の計測結果が目標速度N(目標)よりも速いと判断すると、その相違に応じて、モータ駆動回路5Aに対してチョッパ制御のデューティ比を小さく変更させるべくモータ制御信号を与える。
【0058】
具体的には、例えばトランジスタQ1の周期的なオン/オフ動作における一周期中のオン期間の割合をオフ期間に対して相対的に小さくする。例えば、デューティ比75%として制御を行なっていた場合に、デューティ比を50%に変更してチョッパ制御を行ない、再度回転速度計測を行なう。それでも、回転速度N(現在)の計測結果が目標速度N(目標)よりも速いと判断すると、モータ制御回路10Aは、その相違に応じて、モータ駆動回路5Aに対してチョッパ制御のデューティ比をさらに小さく変更させるべくモータ制御信号を与える。具体的には、例えばトランジスタQ1の周期的なオン/オフ動作における一周期中のオン期間のオフ期間に対する相対的な割合をさらに小さくする。例えば、デューティ比50%として制御を行なっていた場合に、デューティ比を25%に変更してチョッパ制御を行ない、再度回転速度計測を行なう。
【0059】
ここで、チョッパ制御を行なっているときの第1および第2の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bの出力電圧について説明する。第1および第2の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bの出力電圧は、回転方向に応じていずれか一方が選択されており、いずれが選択されている場合にも、比較器8の非反転入力端+においては同様の波形となる。通常の、つまり直流制御のときの、波形においてほとんど電圧を発生していない低電圧部分をL部、電圧が漸次増加する右肩上がりの電圧波形を発生している部分をH部とすると、L部についてはチョッパ制御区間であってもトランジスタQ4が常にオンとなっているため電極用ブラシB22は、ほぼ共通低電位(グラウンドレベル)であり、電極用ブラシB22と40°の角度をなす回転検出用ブラシBD2は、整流子によって電極用ブラシB22にショート(短絡)されるからほぼ共通低電位である。
【0060】
H部については、例えば図9のA部について考えてみると、トランジスタQ1がオフとなっているため直流モータM2の電極(電極用ブラシB21、B22)には外部電圧は加わっていない。しかしながら、上述したように、直流モータM2が回転していると、回転子コイルに誘導起電力による電圧が発生しているため、H部にやはり電圧があらわれることになる(回転速度が遅くなると発生する電圧が小さくなるので検出は難しくなる)。
この実施の形態による直流モータの回転制御装置では、直流モータM2をチョッパ制御により制御し、計測した回転速度N(現在)が目標速度N(目標)未満となると、回転速度をあげるために、チョッパ制御のデューティ比を大きくして回転速度を上昇させる。また、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えた場合に、回転速度を目標速度N(目標)まで落とすために、チョッパ制御のデューティ比を小さくして回転速度を低下させる。上述した実施の形態が本発明の請求項5にほぼ対応する。
【0061】
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の構成を示している。図10に示す直流モータの回転制御装置は、図6の直流モータの回転制御装置とほぼ同様に構成され、モータ駆動回路5Aに代えてモータ駆動回路5Bが、モータ制御回路10Aに代えてモータ制御回路10Bがそれぞれ設けられている。
すなわち、図10に示す直流モータの回転制御装置の基本構成は、図6に示した第4の実施の形態に係る構成とほぼ同様である。図6の直流モータの回転制御装置との回路上の相違点は、モータ駆動回路5Bの内部構成にあり、図10においては、トランジスタQ1〜Q4で構成されるブリッジ回路の前段にデコーダDEC1を有することである。この場合のモータ駆動回路5Bの機能としては、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aからモータ制御信号として供給される各1ビットの入力信号IN1およびIN2の2ビットの組合わせにより、図11に真理値表を示すようにモータの時計方向回転、反時計方向回転、ブレーキ(シャント)および停止の4つの状態をとることができる。
【0062】
このようなモータ駆動回路5Bは、制御信号が少なくて済むため直流モータの回転を制御する機器に広く利用することができる。この場合、モータ駆動回路5Bは、モータ制御信号IN1およびIN2に応動するデコーダDEC1の出力OUT1、OUT2、OUT3およびOUT4により、それぞれトランジスタQ1、Q2、Q3およびQ4をオン/オフ動作させる。
また、モータ制御回路10Bは、図6のモータ制御回路10Aとほぼ同様にマイクロコンピュータ等を用いて、パルス間隔計測手段11および回転速度算出手段12を有して構成され、モータ制御回路10Aにおける回転速度比較手段13に代えて、若干異なる回転速度比較手段13Aを設けている。
回転速度比較手段13Aは、回転速度算出手段12で算出された回転速度N(現在)を目標速度N(目標)と比較し、直流制御とチョッパ制御とを組み合わせて、目標速度N(目標)を得るべくモータ制御信号を生成するが、チョッパ制御期間中は、回転速度N(現在)と目標速度N(目標)との比較結果を無視するか、あるいはパルス間隔計測手段11および回転速度算出手段12による回転速度の検出結果を無視するかして、モータ駆動回路5Bに供給されるモータ制御信号に反映させない。
【0063】
次に、図10の直流モータの回転制御装置の動作について、図12に示す要部のフローチャートおよび図13に示す各部の波形図を参照して説明する。
モータ制御回路10Bからのモータ制御信号により、モータ駆動回路5Bを介して、直流モータM2に直流電圧が印加され、直流モータM2が回転を始める。直流モータM2の回転速度は、時定数的に増加して定常回転となる。モータ制御回路10Bは、直流モータM2の回転信号から回転速度N(現在)を算出し、回転速度N(現在)が予め設定された目標速度N(目標)よりも速くなった場合、速度を下げるために、その時点から一定期間、いわゆるチョッパ制御に切換えて、直流モータM2への通電のオン/オフを繰り返して、間欠的に給電することにより、直流モータM2の回転速度Nを目標の回転速度N(目標)とするように動作する。図12は、このような動作の流れを示している。
【0064】
直流モータM2が停止している状態において、モータ制御回路10Bから回転検出信号選択信号“H”が出力される(ステップS31)。その回転検出信号選択信号“H”の出力とほぼ同一のタイミングで、モータ制御回路10Bからモータ制御信号IN1=“H”およびIN2=“L”が出力されると、モータ駆動回路5BのトランジスタQ1とトランジスタQ4がオンとなり、直流モータM2の両端、つまり電極用ブラシB21と電極用ブラシB22との間、にほぼ電源電圧Eoに等しい電圧が印加され、直流モータM2が時計方向に回転を始める(ステップS32)。したがって、モータの回転に応じて比較器8の出力には直流モータM2の回転信号パルスがあらわれる。
直流モータM2の回転速度は、当初はゆっくりであるが、そのまま駆動電圧を印加し続けると、回転速度が時定数的に増加し、直流モータM2の発生トルクと負荷トルクとが釣り合ったところで定常回転となる。
【0065】
モータ制御回路10Bは、直流モータM2の回転信号から回転速度N(現在)を算出し、回転速度N(現在)が予め設定された目標速度N(目標)より速くなった場合、直流モータM2への通電のオン/オフを繰り返して、間欠的に給電する、いわゆるチョッパ制御を行なうことにより、直流モータM2の回転速度を目標の回転速度とするように動作する。
すなわち、モータ制御回路10Bは、パルス間隔計測手段11によって、比較器8の回転信号パルスからパルス間隔TMを計測し(ステップS33)、このパルス間隔TMの計測結果に基づき、回転速度算出手段12によって、その時点での回転速度N(現在)を算出する(ステップS34)。さらに、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度算出手段12によって算出された最新の回転速度N(現在)を、目標速度N(目標)と比較し、該目標速度N(目標)を超えているか否かを判別する(ステップS35)。ステップS35において、回転速度比較手段13Aは、最新の回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えていなければ、回転を維持させるが、このとき、モータ停止信号が与えられたか否かを判別し(ステップS36)、モータ停止信号が与えられれば、直流モータM2を停止させる(ステップS37)。
【0066】
これは、何らかの理由によりいつまでも目標速度に達せず、無限ループとなってしまうのを回避するためである。
ステップS36において、モータ停止信号が与えられなければ、ステップS33に戻り、上述と同様にパルス間隔TMの計測、回転速度の算出および目標速度との比較判別を繰り返す。
ステップS35において、回転速度比較手段13Aは、最新の回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えていると判別すれば、モータ駆動回路5BのトランジスタQ1とトランジスタQ4を同時にオン/オフすることにより駆動電流をオン/オフ制御して駆動電流の供給を断続するチョッパ制御を開始する(ステップS38)。
【0067】
すなわち、以後は、直流モータM2の回転信号から回転速度を算出し、回転速度N(現在)が予め設定された目標速度N(目標)よりも速くなった場合には、デューティ比を小さくして減速させ、目標速度より遅くなった場合には、デューティ比を大きくして加速させることにより、直流モータM2の回転速度を目標の回転速度とするように動作する。
モータ制御回路10Bは、チョッパ制御を開始すると、モータ停止信号が与えられたか否かを判別し(ステップS39)、モータ停止信号が与えられれば、直流モータM2を停止させる(ステップS40)。ステップS39においてモータ停止信号を検出しなければ、モータ制御回路10Bは、チョッパ制御開始後、所定時間を経過したか否を判別する(ステップS41)。
【0068】
モータ制御回路10Bは、チョッパ制御開始後、所定時間を経過していなければ、ステップS39に戻り、モータ停止信号を検出する。ステップS41において、チョッパ制御開始後、所定時間を経過していると判別されれば、モータ制御回路10Bは、チョッパ制御を停止し(ステップS42)、回転速度比較手段13Aからモータ制御信号IN1=“H”およびIN2=“L”を出力して、モータ駆動回路5BのトランジスタQ1とトランジスタQ4をオンとして、直流モータM2を直流制御する。
次に、モータ制御回路10Bは、パルス間隔計測手段11によって、比較器8の回転信号パルスからパルス間隔TMを計測し(ステップS43)、このパルス間隔TMの計測結果に基づき、回転速度算出手段12によって、その時点での回転速度N(現在)を算出する(ステップS44)。
【0069】
さらに、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度算出手段12によって算出された最新の回転速度N(現在)を、目標速度N(目標)と比較し、該目標速度N(目標)を超えているか否かを判別する(ステップS45)。この目標速度N(目標)も、特定回転速度値でなく特定の回転速度の範囲であってもよい。回転速度N(現在)が、目標速度N(目標)を超えていなければ、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)未満であるか否かを判別する(ステップS46)。回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)未満でなければ、回転速度N(現在)は目標速度N(目標)に一致しているので、モータ制御回路10Bは、そのまま、前回と同じデューティ比に設定して(ステップS47)、ステップS38に戻り、該デューティ比にてチョッパ制御を開始する。
【0070】
ステップS45において、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えていると判別した場合には、チョッパ制御のデューティ比を前回よりも小さなデューティ比に設定して(ステップS48)、ステップS38に移行してチョッパ制御を開始する。また、ステップS46において、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)未満であると判別した場合には、チョッパ制御のデューティ比を前回よりも大きなデューティ比に設定して(ステップS49)、ステップS38に移行してチョッパ制御を開始する。
なお、この場合も、デューティ比を設定してチョッパ制御を開始した後、所定時間についてはチョッパ制御を停止しないようにしているが、これは、直流モータM2の回転速度が、デューティ比を設定してチョッパ制御を開始しても直ちに追従せず、応答遅れがあることを考慮したものである。
【0071】
次に、図10の直流モータの回転制御装置における上述した動作について、図13に示す各部の波形図を参照して説明する。図13には、直流制御状態およびチョッパ制御状態の繰り返しについて、トランジスタQ1のオン/オフ制御信号、トランジスタQ4のオン/オフ制御信号、比較器8の非反転入力端の入力信号および比較器8の出力となる回転信号パルスの各信号電圧波形を示している。
モータ制御回路10Bからモータ制御信号IN1=“H”およびIN2=“L”が出力されると、モータ駆動回路5BのトランジスタQ1とトランジスタQ4がオンとなり、直流モータM2の両端、つまり第1の電極用ブラシB21と第2の電極用ブラシB22との間、にほぼ電源電圧Eoに等しい電圧が印加され、直流モータM2が時計方向に回転を始める。それとほぼ同一のタイミングで、モータ制御回路10Bから時計方向回転に応じた回転検出信号選択信号“H”が出力され、当該直流モータM2の回転に応じて比較器8の出力には回転信号パルスがあらわれる。
【0072】
直流モータM2の回転速度は、当初はゆっくりであるが、そのまま駆動電圧を印加し続けると、回転速度が時定数的に増加し、最終的には直流モータM2の発生トルクと負荷トルクとが釣り合ったところで定常回転となる。モータ制御回路10Bは、直流モータM2の回転信号から回転速度を算出し、回転速度が予め設定された目標速度より速くなった場合、速度を下げるために、その時点から一定期間、直流モータM2への通電のオン/オフを繰り返して、間欠的に給電することにより、直流モータM2の回転速度を目標の回転速度とするように動作する。
この実施の形態におけるチョッパ制御では、モータ駆動回路5BのトランジスタQ1とトランジスタQ4が共にオンの状態と、トランジスタQ1とトランジスタQ4が共にオフの状態とが交互に繰り返される。
【0073】
チョッパ制御期間中の第1および第2の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bのうちの選択された方の出力は、図13に示すようにトランジスタQ1とトランジスタQ4が共にオフとなる期間に電位が不安定になる(図13における比較器8の非反転入力端の入力信号波形を破線で示す部分)。これは、トランジスタQ1とトランジスタQ4が共にオフとなると、第1または第2の回転検出用ブラシBD2aまたはBD2bが回路から全く切り離されるためである。したがって、比較器8の出力も不安定になり、パルス幅が変化したり、本来は、直流モータM2の回転信号が存在しないはずの部分にもパルスがあらわれることになる。
したがって、モータ制御回路10Bのパルス間隔計測手段11、回転速度算出手段12または回転速度比較手段13A等においては、チョッパ制御の期間中は回転速度検出を行なわず、所定時間後、直流制御に戻して回転速度検出を行ない、これを繰り返すことにより最終的に目標とする回転速度を達成するようにしている。
なお、チョッパ制御開始後に、チョッパ制御を停止させ直流制御として回転速度検出を行なうまでの所定時間は、チョッパ制御による応答速度を考慮して決定すればよい。また、チョッパ制御を停止させ直流制御としておいて回転速度検出を行なう期間は、比較器8の回転信号パルスを少なくとも2個検出できれば良く、短い時間でよい。
【0074】
本発明の第6の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置は、第5の実施の形態と同様に図10に示す構成において、図14のフローチャートに示すような制御を行なう。
この第6の実施の形態における直流モータの回転制御装置では、モータ制御装置は、チョッパ制御中、チョッパ制御を停止させて、直流モータM2の回転信号から回転速度N(現在)を算出し、その結果が予め設定された目標速度N(目標)よりも遅くなった場合、速度を上げるためにデューティ比を大きくして、その時点から一定時間TCHPチョッパ制御を行い、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)よりも速くなった場合、速度を下げるためにデューティ比を小さくして、その時点から一定時間TCHPチョッパ制御を行なう。
【0075】
但し、この場合の一定時間TCHPとは、直前のパルス間隔計測手段の計測結果TMから求められる時間で、例えばTCHP=0.7TMである。そして、期間TCHPについては回転信号パルスの検出を行なわず、期間TCHP経過後のトランジスタQ1とトランジスタQ4が共にオンとなった直流制御の状態で検出を開始し、回転信号パルスの立ち上がりを検出するまでは、トランジスタQ1とトランジスタQ4が、共にオンの状態を保持する。一方、毎回のチョッパ制御の開始直前の回転信号パルスの立ち上がりを検出した時点から基準クロックのカウントを始めておき、チョッパ制御後の次の直流制御の状態でパルスの立ち上がりを検出したら、パルス間隔の計測結果TMを算出し、再度所定時間TCHP(=0.7TM)だけチョッパ制御を行ない(このとき必要であればデューティを変更する)、以後これを繰り返す。
【0076】
すなわち、第6の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の動作について、図14に示す要部のフローチャートおよび図15に示す各部の波形図を参照して説明する。図15には、直流制御状態およびチョッパ制御状態の繰り返しについて、トランジスタQ1のオン/オフ制御信号、トランジスタQ4のオン/オフ制御信号、比較器8の非反転入力端の入力信号および比較器8の出力となる回転信号パルスの各信号電圧波形を示している。図15のトランジスタQ1のオン/オフ制御信号波形およびトランジスタQ4のオン/オフ制御信号波形においては、チョッパ制御の周波数を充分に高くした場合を示しており、チョッパ制御を停止した直流制御期間がパルス状に示されている。
直流モータM2が回転している状態において、直流モータM2の回転に応じて比較器8の出力には直流モータM2の回転信号パルスがあらわれる。但し破線で示した部分(TCHPの期間に相当)は擬似パルスが現れるため回転信号パルスの検出は行わない。
【0077】
この実施の形態では、モータ制御回路10Bは、所定時間ずつチョッパ制御を行ない、チョッパ制御のデューティ比を変更することにより、直流モータM2の回転速度を制御している。すなわち、所定時間TCHP(例えば0.7TM)だけチョッパ制御を行なう毎に、直流モータM2の回転信号から回転速度を算出し、回転速度が予め設定された目標速度より速くなった場合には、減速させるべくデューティ比(オンデューティ〜一周期におけるオン時間の割合)を小さくして、所定時間TCHP(例えば0.7TM)だけチョッパ制御を行ない、目標速度より遅くなった場合には、加速させるべくデューティ比を大きくして、所定時間TCHP(例えば0.7TM)だけチョッパ制御を行なうことにより、直流モータM2の回転速度を目標の回転速度とするように動作する。
【0078】
すなわち、モータ制御回路10Bは、パルス間隔計測手段11によって、比較器8の回転信号パルスからパルス間隔TMを計測し(ステップS51)、このパルス間隔TMの計測結果に基づき所定時間TCHP(=0.7TM)を求め(ステップS52)、さらにパルス間隔TMの計測結果に基づき、回転速度算出手段12によって、その時点での回転速度N(現在)を算出する(ステップS53)。次に、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度算出手段12によって算出された最新の回転速度N(現在)を、目標速度N(目標)と比較し、該目標速度N(目標)未満であるか否かを判別する(ステップS54)。なお、目標速度N(目標)は、特定回転速度値でなく特定の回転速度の範囲である場合もある。回転速度N(現在)が、目標速度N(目標)未満でなければ、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)を超えているか否かを判別する(ステップS55)。回転速度N(現在)が該目標速度N(目標)を超えていなければ、回転速度N(現在)は目標速度N(目標)に等しいので、モータ制御回路10Bは、そのままのデューティ比でチョッパ制御を継続する(ステップS56)。
【0079】
そして、モータ制御回路10Bは、モータ停止信号が与えられたか否かを判別し(ステップS57)、モータ停止信号が与えられていなければ、所定時間TCHP経過したか否かが判別され(ステップS58)、所定時間TCHPを経過していなければ、ステップS57に戻る。ステップS58において、所定時間TCHPを経過したと判定されれば、モータ制御回路10Bは、チョッパ制御を停止させる(ステップS59)。さらに、モータ制御回路10Bは、モータ停止信号が与えられたか否かを判別し(ステップS60)、モータ停止信号が与えられていなければ、ステップS51に戻る。ステップS57およびステップS60において、モータ停止信号が与えられていると判別された場合、モータ制御回路10Bは、直流モータM2を停止させる(ステップS61)。
【0080】
ステップS54において、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)未満であると判別した場合には、直前のデューティ比変更後、所定パルス数の回転信号パルスをカウントしたか否かを判別する(ステップS62)。モータ制御回路10Bは、それ以前にデューティ比変更が全く行なわれていない場合および直前に行なわれたデューティ比変更以後、所定パルス数をカウントしている場合には、チョッパ制御のデューティ比(オンデューティ)を大きくして(ステップS63)、ステップS57に移行する。
また、ステップS62において、直前に行なわれたデューティ比変更から所定パルス数をカウントしていないと判別した場合には、モータ制御回路10Bは、チョッパ制御のデューティ比を変更せず直ちにステップS57に移行する。
【0081】
ステップS55において、モータ制御回路10Bの回転速度比較手段13Aは、回転速度N(現在)が目標速度N(目標)を超えていると判別した場合には、直前のデューティ比変更後、所定パルス数をカウントしたか否を判別する(ステップS64)。モータ制御回路10Bは、それ以前にデューティ比変更が全く行なわれていない場合および直前に行なわれたデューティ比変更以後所定パルス数をカウントしている場合には、チョッパ制御のデューティ比を小さくして(ステップS65)、ステップS57に移行する。また、ステップS64において、直前に行なわれたデューティ比変更から所定パルス数をカウントしていないと判別した場合には、モータ制御回路10Bは、チョッパ制御のデューティ比を変更せず直ちにステップS57に移行する。
【0082】
なお、上述において、デューティ比変更後に所定パルス数の回転信号パルスをカウントするまでの期間についてはデューティ比を変更しないようにしているが、これは、直流モータM2の回転速度が、デューティ比を変更しても直ちに追従せず、応答遅れがあることを考慮したものである。
上述のように、チョッパ制御時に、第1および第2の回転検出用ブラシBD2aおよびBD2bが実質的に回路から切り離されるようなモータ制御回路10Bを使用したときにもモータの回転速度を目標の速度に制御することができる。上述した第5および第6の実施の形態が本発明の請求項6にほぼ対応する。
その他、本発明は、上述し且つ図面に示す実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単で且つスペースを占有しない構成により、ブラシ式直流モータの回転速度および回転数を的確に検出し、効果的な回転制御を可能とする直流モータの回転検出装置および回転制御装置を提供することができる。
特に、本発明の請求項1の直流モータの回転検出装置によれば、回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータにおける前記回転子の回転速度および回転位置の少なくともいずれかを検出する回転検出装置において、前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に一対の回転検出用ブラシを設け、前記回転子の回転を検出するとともに、該一対の回転検出用ブラシにより検出される回転検出信号のうち回転駆動方向に対応したいずれか一方を回転検出信号選択手段により選択し、該選択された回転検出信号と基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較器で比較して回転検出信号を得る構成により、一対の回転検出用ブラシを効果的に用いて、簡単で且つスペースを占有しない構成により、ブラシ式直流モータの回転速度および回転数を的確に検出し、効果的な回転検出が可能となる。
【0084】
また、本発明の請求項2の直流モータの回転検出装置によれば、前記基準電圧生成手段が、前記直流駆動電圧を分圧して比較基準電圧を得る手段を含むことにより、特に、モータの駆動電圧変動にも対応して効果的な回転検出を行なうことが可能となる。
さらに、本発明の請求項3の直流モータの回転検出装置によれば、前記一対の電極用ブラシが、前記整流子に対して互いにほぼ180°をなす回転角度位置で摺接し、前記一対の回転検出用ブラシが、当該直流モータの極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において摺接する構成により、特に、モータの駆動電圧を安定に供給して効果的な回転検出を行うことが可能となる。
【0085】
本発明の請求項4の直流モータの回転制御装置によれば、回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータの前記回転子の回転動作を制御する回転制御装置において、前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシを設け、比較基準電圧を基準電圧生成手段により生成し、前記一対の回転検出用ブラシにより検出される回転検出信号のうちの上記回転駆動方向に対応した一方を回転信号選択手段により選択し、該選択された回転検出信号と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較器で比較するとともに、モータ制御回路によって、前記比較器の出力に応じて前記モータ駆動回路を制御する構成により、特に、簡単で且つスペースを占有しない簡単な構成を用いて、ブラシ式直流モータの効果的な回転検出に基づく適切な回転制御を行なうことが可能となる。
【0086】
本発明の請求項5の直流モータの回転制御装置によれば、前記モータ制御回路が、前記比較器の出力パルスのパルス間隔を計測するパルス間隔計測手段、前記パルス間隔計測手段で計測されたパルス間隔に基づいて前記回転子の回転速度を求める回転速度検出手段、前記回転速度検出手段で検出された回転速度を目標とするモータ回転速度と比較する回転速度比較手段、および前記回転速度比較手段の比較結果に基づくチョッパ制御により前記モータ駆動回路の駆動出力を制御して前記目標とするモータ回転速度とするチョッパ制御手段を含むことにより、特に、的確な回転速度検出に基づく効果的な回転制御が可能となる。
本発明の請求項6の直流モータの回転制御装置によれば、前記モータ制御回路が、前記チョッパ制御手段によるチョッパ制御時に、前記パルス間隔計測手段に基づく回転速度検出を無効とする速度検出抑止手段をさらに含むことにより、特に、回転速度検出の誤検出を防止して効果的な回転制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】図2の直流モータの回転検出装置の動作を説明するための各部波形図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る直流モータの回転検出装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】図4の直流モータの回転検出装置の動作を説明するための各部波形図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図7】図6の直流モータの回転制御装置の動作に係るパルス間隔の計測を説明するための波形図である。
【図8】図6の直流モータの回転制御装置の動作を説明するための要部のフローチャートである。
【図9】図6の直流モータの回転制御装置の動作を説明するための各部波形図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図11】図10の直流モータの回転制御装置の動作を説明するための真理値表を示す図である。
【図12】図10の直流モータの回転制御装置の動作を説明するための要部のフローチャートである。
【図13】図10の直流モータの回転制御装置の動作を説明するための各部波形図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係る直流モータの回転制御装置の動作を説明するための要部のフローチャートである。
【図15】図14の動作を説明するための各部波形図である。
【図16】一般的な3極直流モータの原理構成を説明するための模式図である。
【図17】従来の3極直流モータにおける回転検出手法を説明するための模式図である。
【図18】図17の3極直流モータにおける回転検出手法における信号波形を説明するための模式図である。
【図19】従来の一対の回転検出用ブラシを用いた直流モータにおける回転制御装置の一例の構成を説明するための模式図である。
【図20】図19の回転制御装置における回転制御に係る各部信号波形を説明するための模式図である。
【図21】図19の回転制御装置における回転方向検知に係る各部信号波形を説明するための模式図である。
【図22】直流モータの電極用ブラシ、回転検出用ブラシおよび整流子における問題を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1a,1b,6a,6b ノイズ除去回路
2,2A,7 比較基準電圧生成手段
3,8 比較器
5,5A,5B モータ駆動回路
9 回転検出信号選択手段
10,10A,10B モータ制御回路
11 パルス間隔計測手段
12 回転速度算出手段
13,13A 回転速度比較手段
SW1,SW1A,SW2 スイッチ
E1,E2,E3 駆動電源
M1,M2 直流モータ
B11,B12,B21,B22,B31,B32 電極用ブラシ
BD1a,BD1b,BD2a,BD2b 回転検出用ブラシ
VR1 ポテンショメータ
INV インバータ
ASW1,ASW2 アナログスイッチ
Q1,Q2,Q3,Q4 トランジスタ
DA1,DA2,DA3,DA4 ドライバ
DEC1 デコーダ

Claims (6)

  1. 回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータにおける前記回転子の回転速度および回転位置の少なくともいずれかを検出する回転検出装置において、
    前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に設けられ、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシと、
    比較基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    前記一対の回転検出用ブラシからそれぞれ出力される回転検出信号のうちのいずれか一方を回転駆動方向に応じて選択する回転検出信号選択手段と、
    前記回転検出信号選択手段により選択された前記一対の回転検出用ブラシのうちの一方の回転検出用ブラシにより検出された回転検出信号に基づく電圧と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較する比較器と
    を具備することを特徴とする直流モータの回転検出装置。
  2. 前記基準電圧生成手段は、前記直流駆動電圧を分圧して比較基準電圧を得る手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の直流モータの回転検出装置。
  3. 前記一対の電極用ブラシは、前記整流子に対して互いにほぼ180°をなす回転角度位置で摺接し、
    前記一対の回転検出用ブラシは、当該直流モータの極数がn極(nは3以上の自然数)の場合、それぞれ近接する電極用ブラシに対して180/n°未満の回転角度位置において摺接することを特徴とする請求項1に記載の直流モータの回転検出装置。
  4. 回転子コイルに接続され且つ該回転子コイルと共に回転子に設けられた整流子に摺接し、直流駆動電圧を該整流子により切換えて前記回転子コイルに供給する一対の電極用ブラシを、固定子と一体的に設けた直流モータの前記回転子の回転動作を制御する回転制御装置において、
    前記一対の電極用ブラシとは別途に固定子側に設けられ、前記回転子の回転を検出するための一対の回転検出用ブラシと、
    前記一対の電極用ブラシに前記直流駆動電圧を供給して当該直流モータを駆動するモータ駆動回路と、
    比較基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    前記一対の回転検出用ブラシからそれぞれ出力される回転検出信号のうちのいずれか一方を回転駆動方向に応じて選択する回転検出信号選択手段と、
    前記回転検出信号選択手段により選択された前記一対の回転検出用ブラシのうちの一方の回転検出用ブラシにより検出された回転検出信号に基づく電圧と前記基準電圧生成手段により生成される比較基準電圧とを比較する比較器と
    前記比較器の出力に応動して前記モータ駆動回路を制御するモータ制御回路とを具備することを特徴とする直流モータの回転制御装置。
  5. 前記モータ制御回路は、
    前記比較器の出力パルスのパルス間隔を計測するパルス間隔計測手段と、
    前記パルス間隔計測手段で計測されたパルス間隔に基づいて前記回転子の回転速度を求める回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段で検出された回転速度を目標とするモータ回転速度と比較する回転速度比較手段と、
    前記回転速度比較手段の比較結果に基づくチョッパ制御により前記モータ駆動回路の駆動出力を制御して前記目標とするモータ回転速度とするチョッパ制御手段と
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の直流モータの回転制御装置。
  6. 前記モータ制御回路は、
    前記チョッパ制御手段によるチョッパ制御時に、前記パルス間隔計測手段に基づく回転速度検出を無効とする速度検出抑止手段
    をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の直流モータの回転制御装置。
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