JP2004014610A - 巨大磁気抵抗効果素子及びその製造方法 - Google Patents

巨大磁気抵抗効果素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】狭トラック化に適応可能な巨大磁気抵抗効果素子及びその製造方法を提供する。
【構成】第1磁性層11;第1磁性層11上に形成されたCu層13;Cu層13上に形成された第2磁性層12;第2磁性層12の両側端部12b上に形成された反強磁性層14と;を備えたGMR素子10であって、Cu層13が、第1磁性層11と第2磁性層12との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて第1磁性層11の中央部11aにおける磁化方向と第2磁性層12の中央部12aにおける磁化方向とを共に変化させる厚さで、形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ハードディスク装置や磁気センサなどに用いられる巨大磁気抵抗効果(GMR)素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
ハードディスク装置や磁気センサなどに用いられる巨大磁気抵抗効果(GMR)素子では、今後の更なる高記録密度化に適応すべく、狭トラック化が要求されている。この狭トラック化を実現する上で、近年ではGMR素子の縦バイアス構造自体が再検討されており、従来のAMR素子に用いたエクスチェンジバイアス方式をGMR素子に適用したら有効ではないかという提案がある。
【0003】
周知のようにGMR素子は、第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層及びフリー磁性層とを順に積層形成した構造を有するもので、エクスチェンジバイアス方式が適用された場合には、フリー磁性層の両側端部上に、さらに強磁性層、第2反強磁性層及び電極層が積層形成され、強磁性層のトラック幅方向の間隔によりGMR素子のトラック幅が規制される。
【0004】
このようなGMR素子において、固定磁性層とフリー磁性層との磁化方向は、外部磁界が与えられていない状態で90°異なるように設定することが好ましいとされている。具体的には、強磁性層の磁化方向を強磁性層と第2反強磁性層との間に生じる交換結合磁界によってトラック幅方向に揃え、これにより強磁性層の直下に位置するフリー磁性層の両側端部の磁化方向をトラック幅方向に固定すると共に、フリー磁性層の中央部を外部磁界に対して磁化変動できる程度に弱く単磁区化させる。一方、固定磁性層の磁化方向を、固定磁性層と第1反強磁性層との間に生じる交換結合磁界によってハイト方向に固定する。これら第1、第2反強磁性層との交換結合磁界によって固定磁性層、強磁性層の磁化を固定するには、磁場中アニールを施す必要がある。
【0005】
しかしながら、反強磁性層との交換結合磁界によって磁化方向が固定される磁性層が2以上存在する場合には、磁場中アニールを施すと各磁性層の磁化が同一方向を向いてしまう。このため、各磁性層の磁化を異なる方向に固定させることが難しく、依然として狭トラック化に対応したGMR素子が製造されていなかった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記事情に鑑み、狭トラック化に適応可能な巨大磁気抵抗効果素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、GMR素子内に備える反強磁性層を1つとすれば、磁場中アニールによる磁化固定が容易になることに着目してなされたものである。すなわち本発明は、第1磁性層と;第1磁性層上に形成されたCu層と;Cu層上に形成された第2磁性層と;第2磁性層の両側端部上に形成された反強磁性層と;を備え、Cu層が、第1磁性層と第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて第1磁性層及び第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで形成されていることを特徴としている。
【0008】
Cu層は、第1磁性層と第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1または第2ピーク値となる厚さで形成されることが好ましい。具体的には、8Å以上12Å以下または18Å以上22Å以下の厚さで形成されるとよい。
【0009】
第1磁性層の直下には、アップスピン電子の平均自由行程を延長させることのできるスペキュラー層が全面的に形成されていることが好ましい。また、スペキュラー層は、第2磁性層の中央部上にも形成されていることが好ましい。スペキュラー層を設けることでアップスピン電子の平均自由行程が延びれば、アップスピン電子とダウンスピン電子との平均自由行程の差が大きくなり、巨大磁気抵抗効果素子の抵抗変化率が増大する。つまり、巨大磁気抵抗効果素子の出力特性が向上する。
【0010】
第2磁性層と反強磁性層との間には、スピンフィルター効果を有するバックド層を設けることができる。このバックド層によってもアップスピン電子の平均自由行程を延ばすことができる。バックド層は、例えば、所定の厚さで形成された中央部と該中央部よりも薄い厚さで形成された両側端部とを有する断面凸状に形成される。このようにバックド層が断面凸状をなす場合は、該バックド層の両側端部上に反強磁性層を形成することができる。このバックド層の両側端部と反強磁性層との間には、強磁性層を介在させることが好ましい。強磁性層を設けることで、バックド層の両側端部を介し、反強磁性層と第2磁性層の両側端部をより強固に結合させることができる。またバックド層の中央部上には、アップスピン電子の平均自由行程をさらに延ばすため、スペキュラー層を形成することが好ましい。
【0011】
バックド層は、最適なスピンフィルター効果を得るため、Ru、Rh、Pd,Ir、Os、Re、Cr、Cu、Pt、Auのうちいずれか1種または2種以上で形成されることが好ましい。
【0012】
スペキュラー層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種又は2種以上からなる元素の酸化物又は窒化物で形成されることが好ましい。
【0013】
反強磁性層は、第2磁性層の両側端部上のみでなく、第2磁性層の中央部上にも形成されていてもよい。反強磁性層が第2磁性層上に全面的に形成されている場合には、該反強磁性層の中央部は非反強磁性の性質を有し、両側端部は反強磁性の性質を有することが好ましい。より具体的には、中央部の膜厚が30Å以上50Å以下で、且つ、両側端部の膜厚が80Å以上300Å以下であることが好ましい。このように反強磁性層の中央部が非反強磁性の性質であれば、反強磁性層が第2磁性層上に全面的に形成されていても、両側端部のみを磁化固定することができる。
【0014】
上記反強磁性層は、第2磁性層上に全面的に形成された下部反強磁性層と、この下部反強磁性層の両側端部上に形成された上部反強磁性層とから形成することができる。この場合には、下部反強磁性層の膜厚が30Å以上50Å以下であることが好ましい。下部反強磁性層の膜厚が上記範囲内であれば、下部反強磁性層のみが存在する中央部では反強磁性の性質を有さず、下部反強磁性層と上部反強磁性層とが積層された両側端部では反強磁性の特性を有することができる。
【0015】
下部反強磁性層の中央部上には、上部反強磁性層に接して非磁性保護層を設けることができる。この非磁性保護層は、膜厚が3Å以下であれば、下部反強磁性層と上部反強磁性層との間に介在していてもよい。非磁性保護層の中央部の膜厚は、3Å以上10Å以下であることが好ましい。
【0016】
第1磁性層と第2磁性層は、両層間に働くスピンフロップ磁界が適度に弱くなるように、単位面積あたりの磁気モーメントがほぼ等しいことが好ましい。この第1磁性層及び第2磁性層は、NiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成することができ、同一の磁性材料によって形成されることが好ましい。第1磁性層及び第2磁性層を同一の磁性材料によって形成する場合は、両層の単位面積あたりの磁気モーメントがほぼ等しくなるように、第1磁性層の膜厚と第2磁性層の膜厚をほぼ等しくする。また、第1磁性層及び第2磁性層をそれぞれ単層で形成する場合は、該第1磁性層及び第2磁性層のうち少なくとも一方がCoFeNi合金で形成されていることが好ましい。これに対し、第1磁性層及び第2磁性層をそれぞれ多層で形成する場合は、第1磁性層がNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成され、第2磁性層がCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成されることが好ましい。
【0017】
本発明の製造方法は、(a)基板上に、第1磁性層、Cu層、第2磁性層を順次積層する工程と、(b)前記積層体の中央部にレジスト層を形成する工程と、(c)前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出する積層体の両側端部上に反強磁性層を形成し、該レジスト層を除去する工程と、(d)磁場中アニールによって、反強磁性層と第2磁性層の両側端部との間に交換結合磁界を発生させる工程とを有し、前記(a)工程において、Cu層を、第1磁性層と第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて第1磁性層及び第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで形成することを特徴としている。
【0018】
(a)工程前には、基板上にスペキュラー層を形成することが好ましい。この工程により、スペキュラー層を基板と第1磁性層との間に介在させることができ、アップスピン電子の平均自由行程を延長させることができる。よりアップスピン電子の平均自由行程を延長させるには、第2磁性層の中央部上にもスペキュラー層を形成することが好ましい。すなわち、(a)工程で第2磁性層上にさらにスペキュラー層を形成し、(b)工程後にレジスト層のトラック幅方向の両側から露出するスペキュラー層を除去することが好ましい。
【0019】
(a)工程では、第2磁性層上にバックド層を積層することができ、このバックド層上にはさらにスペキュラー層を積層することができる。バックド層上に積層されたスペキュラー層の、レジスト層のトラック幅方向の両側から露出する部分は、(b)工程後に除去することが好ましい。
【0020】
(b)工程後には、レジスト層に覆われていないバックド層の両側端部を所定量削ることが好ましい。この工程により、バックド層は、中央部とこの中央部よりも薄く形成された両側端部とを有する断面凸状に形成される。この断面凸状にバックド層が形成された場合は、(c)工程で反強磁性層を形成する前に、強磁性層をバックド層の両側端部上に形成することができる。第2磁性層とバックド層との間に強磁性層を介在させることで、第2磁性層とバックド層との結合を強めることができる。
【0021】
スペキュラー層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素の酸化物または窒化物で形成することが好ましい。あるいは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を形成した後、該元素膜を真空槽内で酸化あるいは窒化してスペキュラー層を形成することが好ましい。
【0022】
本発明の製造方法は、別の態様では、(e)基板上に、第1磁性層、Cu層、第2磁性層、下部反強磁性層及び非磁性保護層を順次積層する工程と、(f)前記積層体の中央部にレジスト層を形成する工程と、(g)前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出する非磁性保護層を除去し、該両側から前記下部反強磁性層を露出させる工程と、(h)該露出した下部反強磁性層上に上部反強磁性層を形成し、前記レジスト層を除去する工程と、(i)磁場中アニールによって、前記第2磁性層の両側端部と前記下部反強磁性層との間に交換結合磁界を生じさせる工程とを有し、前記(e)工程において、Cu層を、第1磁性層と第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて第1磁性層及び第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで形成することを特徴としている。
【0023】
下部反強磁性層は、単層では反強磁性の特性を有さないように、30Å以上50Å以下の膜厚で形成することが好ましい。そして、下部反強磁性層と上部反強磁性層の積層体では反強磁性の特性を有するように、その合計膜厚を80Å以上300Å以下にすることが好ましい。非磁性保護層は、下部反強磁性層の酸化を防止でき且つ容易に除去できるように、3Å以上10Å以下の膜厚で形成されることが好ましい。
【0024】
(g)工程では、非磁性保護層の膜厚を容易に制御できるように、低エネルギーイオンミリングによって非磁性保護層を除去することが好ましい。また、(g)工程では、下部反強磁性層をすべて除去せずに3Å以下の膜厚だけ残し、(h)工程においてこの下部反強磁性層上に上部反強磁性層を形成することが好ましい。非磁性保護層の膜厚が3Å以下であれば、該非磁性保護層が介在していても下部反強磁性層と上部反強磁性層とを一体の反強磁性層として機能させることができる。
【0025】
本発明の製造方法は、さらに別の態様では、(j)基板上に、第1磁性層、Cu層、第2磁性層、反強磁性層、ストッパ層及び電極層を順次積層する工程と、(k)前記積層体上にトラック幅領域をパターン形成し、該トラック幅領域外の範囲に金属マスク層を形成する工程と、(l)前記金属マスク層をマスクにしてトラック幅領域内の電極層を除去し、前記ストッパ層を露出させる工程と、(m)トラック幅領域内のストッパ層及び反強磁性層を除去する工程と、(n)磁場中アニールによって、前記第2磁性層及び前記反強磁性層の両側端部間に交換結合磁界を生じさせる工程とを有し、前記(i)工程において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて前記第1磁性層及び前記第2磁性層の中央部における磁化方向とを共に変化させる厚さで形成することを特徴としている。
【0026】
(m)工程では、トラック幅領域内の反強磁性層を全て除去せずに、該反強磁性層が反強磁性の性質を有さない膜厚、具体的には50Å以下の膜厚だけ残してもよい。このように反強磁性層のトラック幅領域内の膜厚が反強磁性の性質を有さない程度に薄ければ、アニール処理を施してもトラック幅領域内の反強磁性層と第2磁性層との間には交換結合磁界が生じずあるいは生じても弱い。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。各図において、X方向はトラック幅方向、Y方向は記録媒体からの漏れ磁界方向、Z方向は記録媒体の移動方向及び巨大磁気抵抗効果素子を構成する各層の積層方向である。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態における巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)10の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。GMR素子10は、例えばハードディスク装置の磁気ヘッドに搭載され、巨大磁気抵抗効果を利用して記録媒体からの漏れ磁界を検出する素子である。
【0029】
GMR素子10は、基板1側から順に積層された第1磁性層11、Cu層13及び第2磁性層12と、この第2磁性層12の両端部12b上に積層された反強磁性層14及び電極層15とを備えている。不図示であるが、第2磁性層12の中央部12a上には、該中央部12aの酸化を防止するためのTa等からなる保護層を設けてもよい。また、基板1と第1磁性層11との間には、Ta等からなる下地層やNiFe合金、NiFeCr等からなるシードレイヤ層が形成されていてもよい。
【0030】
第1磁性層11及び第2磁性層12は、単位面積あたりの磁気モーメント(残留磁化Mr×膜厚t)がほぼ等しく、例えばNiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金等の強磁性材料により形成される。この第1磁性層11及び第2磁性層12は同一の磁性材料により形成されることが好ましく、同一の磁性材料により形成された場合は両層の膜厚がほぼ同等になる。また第1磁性層11及び第2磁性層12をそれぞれ単層で形成する場合は、両層のうち少なくとも一方をCoFeNi合金で形成することが好ましい。これに対し、第1磁性層11及び第2磁性層12をそれぞれ多層で形成する場合は、第1磁性層11をNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成し、第2磁性層12をCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成することが好ましい。
【0031】
電極層15は、例えばAu、Cu、α‐TaまたはCr等の比抵抗の小さい導電材料により形成される。反強磁性層14は、磁場中アニールにより第2磁性層12の両側端部12bとの間に大きな交換結合磁界を生じさせ、両側端部12bの磁化方向をトラック幅方向(図1の矢印B方向)に固定する。この反強磁性層14は、PtMn合金またはX−Mn(ただしXは、Pd、Ir、Rh、Ru、Os、Ni、Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成される。あるいは、Pt−Mn−X’(ただしX’は、Pd、Ir、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Cr、Ni、Ar、Ne、Xe、Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成される。これらの合金は、成膜直後の状態では不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、磁場中アニールが施されるとCuAuI(CuAu1)型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。よって、上記合金を用いて反強磁性層4を形成すれば、磁場中アニールを施すことで、第2磁性層12の両側端部12bとの間に大きな交換結合磁界を生じさせることができる。
【0032】
本実施形態のGMR素子10は、エクスチェンジバイアス方式を採用しており、反強磁性層14のトラック幅方向の間隔によってトラック幅Twが規制されている。この反強磁性層14の間隔で規定されたトラック幅Twと第2磁性層12の中央部12aのトラック幅方向における寸法とは、ほぼ一致する。これにより、高記録密度化に応じて狭トラック化が促進されても、トラック幅寸法内を磁化回転可能な感度領域として適切に規定可能である。
【0033】
このGMR素子10において、Cu層13は、第1磁性層11と第2磁性層12との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて第1磁性層11及び第2磁性層12の中央部11a、12aにおける磁化方向とを共に変化させる厚さで、形成されている。すなわち、Cu層13は、第1磁性層11と第2磁性層12との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1ピーク値または第2ピーク値をとる厚さで形成される。
【0034】
図2は、Cu層13の膜厚(Å)とCu層13を介して第1磁性層11及び第2磁性層12間に生じるRKKY的な結合エネルギーとの関係を示すグラフである。第1磁性層11及び第2磁性層12間に生じるRKKY的な結合エネルギーが正(+)である場合、第1磁性層11と第2磁性層12とは同一方向に磁化される(平行状態)。一方、第1磁性層11及び第2磁性層12間に生じるRKKY的な結合エネルギーが負(−)である場合、第1磁性層11と第2磁性層12とは理論上180°異なる向きに磁化される(反平行状態)。図2から分かるように、Cu層13の膜厚が8〜12Å、18〜22Åのとき、第1磁性層11及び第2磁性層12間に生じるRKKY的な結合エネルギーはそれぞれ反平行の第1ピーク値、第2ピーク値をとっている。よって、Cu層13の膜厚を8〜12Åまたは18〜22Åの範囲内とすれば、第1磁性層11と第2磁性層12との間に反強磁性的な反平行結合を効果的に生じさせることができる。
【0035】
次に、第2磁性層12及び第1磁性層11の磁化方向について説明する。
第2磁性層12の両側端部12bは、反強磁性層14の直下に位置するため、反強磁性層14との間に生じた交換結合磁界によって磁化方向がトラック幅方向(図1の矢印B方向)に強固に固定される。一方、第2磁性層12の中央部12aは、その上部に反強磁性層14が形成されていないため、外部磁界に応じて磁化回転できる程度に弱く単磁区化されている(図1の矢印B方向に磁化が揃えられている)。
【0036】
第1磁性層11は、上述したようにCu層13を介して第2磁性層12に反平行結合されている。この反平行結合により、第1磁性層11の両側端部11bの磁化方向は、反強磁性層14に直接接していなくても、第2磁性層12の磁化方向と約180°異なる方向(図1の矢印A方向)に強固に固定される。これに対し、第1磁性層11の中央部11aは、外部磁界に応じて磁化回転できる程度に弱く単磁区化されている(図1の矢印A方向に磁化が揃えられている)。
【0037】
このように第1磁性層11及び第2磁性層12の中央部11a、12aが弱く単磁区化されていると、電極層15を介し第2磁性層12、Cu層13及び第1磁性層11が通電された状態で外部磁界が与えられたとき、図3(a)(b)に示すように与えられた外部磁界に応じて、第2磁性層12の中央部12aの磁化方向及び第1磁性層11の中央部11aの磁化方向をそれぞれ変化させることができる。この結果、第1磁性層11の中央部11aの磁化方向Aと第2磁性層12の中央部12aの磁化方向Bとのなす角θが変化し、GMR素子10の抵抗値が変化する(小さくなる)。GMR素子10を搭載した磁気ヘッドでは、GMR素子10の抵抗値変化に基づく電圧変化を検出することで、記録媒体からの漏れ磁界を検出することができる。なお、第1磁性層11及び第2磁性層12が非通電の場合及び通電状態であっても外部磁界が与えられていない場合は、図3(a)に示すように、第1磁性層11の中央部11aの磁化方向Aと第2磁性層12の中央部12aの磁化方向Bのなす角θは約180°(反平行)となる。
【0038】
以上のように本実施形態のGMR素子10では、Cu層13を介して第1磁性層11と第2磁性層12とが反平行結合されているため、反強磁性層14によって第2磁性層12及び第1磁性層11の磁化方向は、直接または間接的に固定される。すなわち、第2磁性層12と反強磁性層14との間に生じた交換結合磁界によって第2磁性層12の磁化を固定すれば、自動的に、第2磁性層12の磁化方向と約180°異なる方向(反平行)に第1磁性層11の磁化が固定される。この一方、第1磁性層11及び第2磁性層12の中央部11a、12aはそれぞれ外部磁界に応じて磁化回転可能となる。したがって本実施形態では、第1磁性層11の磁化方向を固定するための反強磁性層を第1磁性層11の下層に設けなくて済み、磁場中アニールを用いて磁化を異なる方向に固定する必要もなくなる。これにより、エクスチェンジバイアス方式を適用したGMR素子10を容易に製造できる。
【0039】
次に、図4〜図6を参照し、GMR素子10の製造方法について説明する。各図は、記録媒体との対向面側からみて示す部分断面図である。
【0040】
先ず、基板1上に、第1磁性層11、Cu層13及び第2磁性層12を連続成膜する(図4)。成膜にはスパッタや蒸着法を用いる。なお、本GMR素子10を薄膜磁気ヘッドに用いる場合は、下部ギャップ層が基板1となる。
【0041】
Cu層13は、第1磁性層11及び第2磁性層12間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行結合の第1ピーク値または第2ピーク値となる厚さで形成する。より具体的には、Cu層13の膜厚を8〜12Åまたは18〜22Åの範囲とする。この範囲内の膜厚であれば、第1磁性層11と第2磁性層12との間に反強磁性的な反平行結合を効果的に生じさせることができる。また従来よりもCu層13の膜厚を薄くしているから、電極層15からのセンス電流の分流が減って出力特性も向上する。
【0042】
第1磁性層11及び第2磁性層12は、両層間の反平行結合を維持するスピンフロップ磁界を記録媒体からの漏れ磁界よりも小さくするため、単位面積あたりの磁気モーメントがほぼ同等となるように形成することが好ましい。スピンフロップ磁界が記録媒体からの漏れ磁界よりも小さければ、漏れ磁界により第1磁性層11及び第2磁性層12の中央部11a、12aの反平行状態が崩れる結果、中央部11a、12aの磁化が漏れ磁界に応じて回転し易くなり、出力特性を上げることができる。
【0043】
この第1磁性層11及び第2磁性層12は、NiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成することができ、同一の磁性材料によって形成されることが好ましい。第1磁性層11及び第2磁性層12を同一の磁性材料によって形成する場合は、両層の単位面積あたりの磁気モーメントがほぼ等しくなるように、第1磁性層11の膜厚と第2磁性層12の膜厚をほぼ等しくする。また、第1磁性層11及び第2磁性層12をそれぞれ単層で形成する場合は、該第1磁性層11及び第2磁性層12のうち少なくとも一方がCoFeNi合金で形成されていることが好ましい。これに対し、第1磁性層11及び第2磁性層12をそれぞれ多層で形成する場合は、第1磁性層11がNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成され、第2磁性層12がCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成されることが好ましい。
【0044】
第1磁性層11の形成前には、基板1上にTa等からなる下地層を形成する工程やNiFe合金、NiFeCr合金またはCrによりシードレイヤ層を形成する工程を設けてもよい。また第2磁性層12上には、TaやRuまたはPtMn/Ru等の保護層や薄い反強磁性層を設けてもよい。
【0045】
第2磁性層12を形成したら、第2磁性層12上にトラック幅領域をパターニングし、該トラック幅領域に対応する範囲にレジスト層R1(図5)を形成する。次に、必要に応じて低エネルギーイオンミリング処理を施し、第2磁性層12上の保護層の一部または全部を除去する。そして、反強磁性層14及び電極層15を連続成膜する。電極層15は、例えばAu等の導電材料を用いて形成する。反強磁性層14は、PtMn合金またはX−Mn(但し、Xは、Pd、Ir、Rh、Ru、Os、Ni、Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt−Mn−X´(但し、X´は、Pd、Ir、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Cr、Ni、Ar、Ne、Xe、Krのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成することが好ましい。これらの合金材料で反強磁性層14を形成すれば、後工程のアニール処理において、大きな交換結合磁界を発生させることができる。
【0046】
電極層15を成膜したら、反強磁性層14及び電極層15の不要部分をレジストR1共に除去する。これにより、反強磁性層14の間隔で規定されるトラック幅Twを、第2磁性層12の中央部12a(及び第1磁性層11の中央部11a)のトラック幅寸法にほぼ一致させることができる(図6)。つまり、トラック幅寸法内を磁化回転可能な感度領域として適切に規定でき、狭トラック化に対応できる。
【0047】
続いて、磁場中アニールを施し、反強磁性層14と第2磁性層12の両側端部12bとの間に交換結合磁界を生じさせる。このとき、第2磁性層12の両側端部12bの磁化はトラック幅方向(図1の矢印B方向)に強固に固定され、第1磁性層11の両側端部11bの磁化は第2磁性層12の磁化方向と約180°異なる向き(図1の矢印A方向)、つまり反平行に強固に固定される。また第2磁性層12の中央部12b及び第1磁性層11の中央部11aは弱く単磁区化される。以上により、図1に示すGMR素子10が得られる。
【0048】
図7は、第2実施形態によるGMR素子20の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。この第2実施形態は、反強磁性層14が、第2磁性層12上に全面的に形成された第1反強磁性層141と、この第1反強磁性層141の両側端部上に非磁性保護層21を介して形成された第2反強磁性層142とからなる点において、第1実施形態と異なる。図7において、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素については、図1と同一符号を付してある。
【0049】
非磁性保護層21は、第1反強磁性層141が酸化されないように設けた酸化防止層である。この非磁性保護層21は、第1反強磁性層141と第2反強磁性層142との間に介在する両側端部21bの膜厚が中央部21aよりも薄く、3Å以下となっている。このように両側端部21bの膜厚が3Å以下であれば、第1反強磁性層141と第2反強磁性層142との間に非磁性保護層21を介して反強磁性的な相互作用が働き、第1反強磁性層141と第2反強磁性層142とが一体の反強磁性層14として機能することができる。なお、非磁性保護層21は、第1反強磁性層141の中央部上のみ形成されていてもよい。この場合、第2反強磁性層142は第1反強磁性層141の両側端部上に直接形成される。
【0050】
この第1反強磁性層141と第2反強磁性層142の合計膜厚h2は、80Å以上300Å以下であることが好ましい。この範囲内であれば、第1反強磁性層141の両側端部に適切に反強磁性の性質を与えることができ、磁場中アニールによって第1反強磁性層141の両側端部を規則化変態させることができる。すなわち、第1反強磁性層141の両側端部と第2磁性層12の両側端部12bとの間に交換結合磁界が生じ、該交換結合磁界により第2磁性層12の両側端部12bの磁化をトラック幅方向(図7の矢印B方向)に強固に固定することができる。
【0051】
さらに第1反強磁性層141は、第2磁性層12の中央部12a上に位置する中央部が反強磁性特性を有さない(非反強磁性または非磁性となる)ように、その膜厚h1が適切に調整されている。この膜厚h1は、30Å以上50Å以下であることが好ましい。この範囲内であれば、第1反強磁性層141の中央部は磁場中アニールによっても規則化変態しづらく、該第1反強磁性層141の中央部と第2磁性層12の中央部12aとの間には交換結合磁界が生じない。あるいは、交換結合磁界が生じてもその強度が弱い。なお、第1反強磁性層141と第2反強磁性層142は物理的に完全に一体化しているわけではないから、第1反強磁性層141の膜厚h1が30Åよりも薄くなると、第1反強磁性層141の両側端部と第2磁性層12の両側端部12a間に生じる交換結合磁界が弱まり、第2磁性層12の両側端部12bを適切に磁化固定できない虞がある。
【0052】
上記第1反強磁性層141及び第2反強磁性層142は、同一材質で形成されていることが好ましく、PtMn合金またはX−Mn(但し、Xは、Pd、Ir、Rh、Ru、Os、Ni、Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成される。あるいはPt−Mn−X´(但し、X´は、Pd、Ir、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Cr、Ni、Ar、Ne、Xe、Krのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成される。これらの合金は、成膜直後の状態では不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、磁場中アニールによってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。
【0053】
非磁性保護層21は、大気中で酸化しづらい材質であること、且つ、該非磁性保護層21を構成する元素が第1反強磁性層141及び第2反強磁性層142中に拡散しても反強磁性層の性質を劣化させない材質であることが好ましい。具体的には、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上で形成されることが好ましく、特にRuで形成されるとよい。これら貴金属材料によって非磁性保護層21が形成されれば、Ta膜のように大気暴露による酸化によって非磁性保護層21の膜厚が厚くなることもない。
【0054】
次に、図8〜図10を参照し、GMR素子20の製造方法について説明する。各図は、記録媒体との対向面側からみて示す部分断面図である。
【0055】
先ず、基板1上に、第1磁性層11、Cu層13、第2磁性層12、第1反強磁性層141及び非磁性保護層21を連続成膜する(図8)。成膜には、スパッタや蒸着法等を用いる。第1磁性層11、Cu層13及び第2磁性層12の成膜工程は、第1実施形態と同様であるから、説明省略する。
【0056】
第1反強磁性層141は、該第1反強磁性層141のみでは反強磁性の性質を有さないように、その膜厚h1が30Å以上50Å以下で形成されることが好ましい。この第1反強磁性層141は、PtMn合金またはX−Mn(但し、Xは、Pd、Ir、Rh、Ru、Os、Ni、Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成される。あるいはPt−Mn−X´(但し、X´は、Pd、Ir、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Cr、Ni、Ar、Ne、Xe、Krのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成される。
【0057】
非磁性保護層21は、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上で形成されることが好ましく、その膜厚は3Å以上10Å以下で成膜されることが好ましい。
【0058】
非磁性保護層21まで形成したら、非磁性保護層21上にトラック幅領域をパターニングし、該トラック幅領域に対応する範囲にレジスト層R2(図9)を形成する。次に、低エネルギーイオンミリング処理を施し、図9に示すように、レジスト層R2に覆われていない非磁性保護層21を3Å以下の膜厚になるまで削る。そして、図10に示すように第2反強磁性層142及び電極層15を連続成膜し、リフトオフによりレジスト層R2を除去する。なお、低エネルギーイオンミリング処理では、レジスト層R2に覆われていない非磁性保護層21を全て除去してもよく、全て除去した場合には、露出した第1反強磁性層141上に第2反強磁性層142が成膜される。
【0059】
第2反強磁性層142及び第1反強磁性層141は、後のアニール工程で該第1反強磁性層141の両側端部と第2磁性層12の両側端部12bとの間に大きな交換結合磁界が生じるように、その合計膜厚が80Å以上300Å以下であることが好ましい。第2反強磁性層142は、第1反強磁性層141と同一材料により形成されることが好ましい。
【0060】
電極層15まで形成したら、磁場中アニール処理を施し、第1反強磁性層141の両側端部と第2磁性層12の両側端部12bとの間に交換結合磁界を生じさせる。これにより、第1磁性層11及び第2磁性層12の両側端部11b、12bの磁化方向が反平行状態をなしてトラック幅方向に固定され、中央部11a、12aの磁化方向が反平行状態をなしてトラック幅方向に揃えられる。以上により、図7に示すGMR素子20が得られる。
【0061】
本第2実施形態の製造方法によれば、第2磁性層12がイオンミリングで削られることがないので、第2磁性層12の膜厚を成膜状態の膜厚(第1磁性層11と同一膜厚)で保持することができる。また、第2磁性層12と第1反強磁性層14aの界面がイオンミリングによって粗らされることがないから、両層間に大きな交換結合磁界を生じさせることができる。
【0062】
図11は、第3実施形態によるGMR素子30の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。この第3実施形態は、反強磁性層14が両側端部のみでなく中央部上にも形成されていて、反強磁性層14は中央部14aでは非反強磁性の性質を有し、両側端部14aでは反強磁性の性質を有している点において、第1実施形態と異なる。図11において、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素については、図1と同一符号を付してある。
【0063】
反強磁性層14の中央部14aは、反強磁性の性質を有さない(非反強磁性または非磁性となる)ように、その膜厚h3が適切に調整されている。この膜厚h3は、30Å以上50Å以下であることが好ましい。この範囲内であれば、中央部14aは磁場中アニールによっても規則化変態しづらく、反強磁性層14及び第2磁性層12の中央部14a、12a間に交換結合磁界が生じない。あるいは、交換結合磁界が生じても弱い。これに対し、反強磁性層14の両側端部14bの膜厚h4は、反強磁性の性質を有するように、80Å以上300Å以下となっている。この範囲内であれば、磁場中アニールによって第2磁性層12及び反強磁性層14の両側端部12b、14b間に大きな交換結合磁界を生じさせることができ、第2磁性層12及び第1磁性層11の両側端部12b、11bの磁化を強固に固定することができる。
【0064】
このGMR素子30では、反強磁性層14と電極層15との間にストッパ層31が介在し、電極層15上に保護層となる金属マスク層32が形成されている。これらストッパ層31及び金属マスク層32は、例えばCrやTa等から形成することができる。
【0065】
次に、図12〜図14を参照し、GMR素子30の製造方法について説明する。各図は、記録媒体との対向面側からみて示す部分断面図である。
【0066】
先ず、基板1上に、第1磁性層11、Cu層13、第2磁性層12、反強磁性層14、ストッパ層31及び電極層15を連続成膜する(図12)。成膜には、スパッタや蒸着法等を用いる。ストッパ層31は、後工程のエッチング処理時にストッパとして用いる層であり、例えばCrやTa等により形成される。
反強磁性層14は、第1実施形態と同様のPtMn合金等により、80Å以上300Å以下の膜厚で形成される。第1磁性層11、Cu層13、第2磁性層12及び電極層15の成膜工程は、第1実施形態と同様であるから、説明省略する。
【0067】
次に、第1磁性層11から電極層15までの積層体上にトラック幅領域をパターン形成し、電極層15上のトラック幅領域外の範囲に金属マスク層32(図13)を形成する。この金属マスク層32はCrやTa等の金属材料により形成できる。なお、金属マスク層32の替わりにレジスト層を形成してもよい。
【0068】
金属マスク32を形成したら、該金属マスク層32をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)又はイオンミリング処理を行ない、トラック幅領域内の電極層15を除去する(図13)。このときストッパ層32がストッパとして機能する。すなわち、ストッパ層32が露出した時点で反応性イオンエッチング又はイオンミリングを終了する。
【0069】
続いて、図14に示すように、さらに反応性イオンエッチング又はイオンミリング処理を行ない、トラック幅領域内のストッパ層32と反強磁性層14の一部を除去する。この反応性イオンエッチング又はイオンミリング処理は、トラック幅領域内の反強磁性層14(中央部14a)の膜厚h3が50Å以下になるまで行なう。これにより、反強磁性層14は中央部14aが両側端部14bよりも薄くなり、中央部の膜厚h3は50Å以下に、両側端部14bの膜厚h4は80Å以上300Å以下になる。すなわち、反強磁性層14は、中央部14aでは反強磁性の性質を有さず、両側端部14bでのみ反強磁性の性質を有する。なお、反強磁性層14の中央部14aは全て除去してもよい。
【0070】
そして磁場中アニール処理を行ない、第2磁性層12及び反強磁性層14の両側端部12b、14b間に交換結合磁界を生じさせる。このとき、第2磁性層12及び反強磁性層14の中央部12a、14a間には、交換結合磁界が生じない(あるいは生じても弱い)。以上により、図11に示すGMR素子30が得られる。
【0071】
この第3実施形態による製造方法でも、第2実施形態と同様、第2磁性層12がイオンミリングで削られることがない。よって、第2磁性層12の膜厚を成膜状態の膜厚(第1磁性層11と同一膜厚)で保持することができ、且つ、第2磁性層12及び反強磁性層14の両側端部12b、14b間に大きな交換結合磁界を生じさせることができる。
【0072】
図15は、第4実施形態によるGMR素子40の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。図15において、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素については、図1と同一符号を付してある。
【0073】
この第4実施形態は、第1磁性層11の直下及び第2磁性層12の中央部12a上に、第1及び第2スペキュラー層41、42を設けた点が第1実施形態と異なる。第1スペキュラー層41は全面的に形成されている。これら第1及び第2スペキュラー層41、42は、鏡面反射層として機能するものである。第2スペキュラー層42に達したアップスピン電子は、第2スペキュラー層42によって、そのスピン状態を保持したまま鏡面反射される。この鏡面反射されたアップスピン電子は、移動方向を変えて第2磁性層12、Cu層13及び第1磁性層11内を通り抜けることが可能になる。そしてアップスピン電子が第1スペキュラー層31に達すると、第1スペキュラー層41によって、再度、そのスピン状態を保持したまま鏡面反射される。以上の鏡面反射により、アップスピン電子の平均自由行程λ+は第1実施形態よりも延び、アップスピン電子の平均自由行程λ+とダウンスピン電子の平均自由行程λ−との差を大きくすることができる。すなわち、GMR素子40の抵抗変化率(感度)を増大させることができ、再生出力特性が向上する。
【0074】
第1及び第2スペキュラー層41、42は、スペキュラー効果を適切に発揮できるように、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn,Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素の酸化物または窒化物で形成されることが好ましい。ここで希土類元素とは、Sc、Y及びランタノイドに対する総称である。
【0075】
なお、従来のGMR素子では、固定磁性層の磁化を固定するための反強磁性層が固定磁性層の下層に設けられていたため、フリー磁性層の上層にしかスペキュラー層を設けることができなかった。これに対し、本実施形態では第1磁性層11の下層に反強磁性層を設ける必要がないから、スペキュラー層を、第2磁性層12の中央部12a上のみだけでなく、第1磁性層11の下層にも設けることが可能となった。
【0076】
次に、図16〜図19を参照し、GMR素子40の製造方法について説明する。各図は、記録媒体との対向面側からみて示す部分断面図である。
【0077】
先ず、基板1上に、スパッタまたは蒸着法を用いて、第1スペキュラー層41を全面的に成膜する(図16)。第1スペキュラー層41は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を基板1上に形成し、この元素膜を真空槽内で低圧酸化または低圧窒化することにより形成される。酸化には、低圧下における自然酸化、ラジカル酸化またはプラズマ酸化を用いることができる。なお、真空槽内におけるガス圧は、0.13〜1.3×10Pa程度とすることが好ましい。また、上記元素の酸化物あるいは窒化物からなるターゲットをスパッタして直接、酸化物あるいは窒化物を形成してもよい。
【0078】
第1スペキュラー層41を形成したら、この真空槽内から製造中のGMR素子を外に出さずに、同真空槽内で第1スペキュラー層41上に第1磁性層11を成膜する(図17)。真空槽内で第1磁性層11を形成するのは、第1スペキュラー層41が大気に曝されることを防止して、第1スペキュラー層41の表面状態を適切に保持するためである。第1磁性層11は、パーマロイ等の強磁性材料を用いて形成される。なお、第1磁性層11の厚さはアップスピン電子の平均自由行程λ+よりも小さくする。
【0079】
続いて、第1磁性層11上に、Cu層13、第2磁性層12及び第2スペキュラー層42を連続成膜する(図17)。成膜にはスパッタや蒸着法を用いる。Cu層13は、第1磁性層11と第2磁性層12とを効果的に反平行結合させることができるように、8〜12Åまたは18〜22Åの膜厚で形成されることが好ましい。第2磁性層12は、パーマロイ等の強磁性材料を用いて、アップスピン電子の平均自由行程λ+よりも小さい膜厚で形成される。第2スペキュラー層42は、上述の第1スペキュラー層41と同様、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を真空槽内で低圧酸化または低圧窒化することにより形成することができる。
【0080】
第2スペキュラー層42を形成したら、第2スペキュラー層42上に、図18に示すレジスト層R3を形成する。このレジスト層R3はリフトオフ用のレジスト層である。そして、レジスト層R3に覆われていない第2スペキュラー層42の両側端部42aをイオンミリングによって削る。別言すれば、図18に示される点線部分の第2スペキュラー層42がイオンミリングによって除去され、第2磁性層12の中央部12a上にのみ第2スペキュラー層42が残る。なお、図18に示す矢印H方向はイオンミリング方向である。
【0081】
続いて、第2磁性層12の両側端部12b上に、反強磁性層14及び電極層15を連続成膜する(図19)。成膜にはスパッタまたは蒸着法を用いる。そして電極層15を形成したら、反強磁性層14及び電極層15の不要部分と共にレジスト層R3をリフトオフで除去する。
【0082】
そして磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向である。この磁場中アニールを施すことにより、第2磁性層12の両側端部12aと反強磁性層14との間に交換結合磁界が発生し、第2磁性層12の両側端部12aがトラック幅方向(図15の矢印B方向)に磁化固定される。これによって、第1磁性層11の両側端部11aは、第2磁性層12の磁化方向とは約180°異なる方向(図15の矢印A方向)、つまり反平行に磁化固定される。そして、第2磁性層12の中央部12a及び第1磁性層11の中央部11aは、外部磁界に対して磁化回転可能な程度に弱く単磁区化される。以上により、図16のGMR素子40が完成する。
【0083】
図20は、第5実施形態によるGMR素子50を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。この第5実施形態は、第2磁性層12上にバックド層51を設けた点、第1磁性層11の直下及びバックド層51上に第1、第2スペキュラー層41、42を設けた点、及び強磁性層52を介してバックド層51上に反強磁性層14を設けた点において、第1実施形態と異なる。図20において、第1実施形態と実質的に同様の機能を有する構成要素については、図1と同一符号を付してある。
【0084】
バックド層51は、第2磁性層12よりも比抵抗の小さい非磁性材料で形成される。具体的には、例えばRu、Rh、Pd,Ir、Os、Re、Cr、Cu、Pt、Auのうちいずれか1種または2種以上で形成されることが好ましい。このようなバックド層51を第2磁性層12上に形成することで、磁気抵抗効果に寄与するアップスピン電子の平均自由行程λ+を延ばすことができる。
【0085】
バックド層51は、第2磁性層12上に全面的に形成されており、中央部51aとこの中央部51aよりも薄く形成された両側端部51bとを有する断面凸状をなしている。このバックド層51の中央部51a上には、第4実施形態と同様にアップスピン電子の平均自由行程λ+をさらに延長させるため、第2スペキュラー層42が形成されている。
【0086】
一方、バックド層51の両側端部51b上には、強磁性材料からなる強磁性層52が形成されている。強磁性層52は、バックド層51の両側端部51bを介して、第2磁性層12の両側端部12bと強磁性的に結合されている。この強磁性層52は、該強磁性層52上に形成された反強磁性層14との間に発生する交換結合磁界によって、トラック幅方向に強固に単磁区化されている。よって、第2磁性層12の両側端部12bも、トラック幅方向に強固に磁化固定される。
【0087】
次に、図21及び図22を参照し、GMR素子50の製造方法について説明する。図21及び図22は、記録媒体との対向面側からみて示す部分断面図である。なお、第2磁性層12までの形成方法は第4実施形態と同様であるから、以下では、第2磁性層形成後の工程について説明する。
【0088】
第2磁性層12を形成したら、図21に示すように、第2磁性層12上に、バックド層51及び第2スペキュラー層42を連続成膜する。成膜にはスパッタまたは蒸着法を用いる。バックド層51は、スピンフィルター効果を適切に発揮できるように、Ru、Rh、Pd,Ir、Os、Re、Cr、Cu、Pt、Auのうちいずれか1種または2種以上で形成されることが好ましい。第2スぺキュラー層42は、上述したように、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を真空槽内で低圧酸化または低圧窒化することにより形成することができる。
【0089】
続いて、第2スペキュラー層42上に、図21に示すレジスト層R4を形成する。レジスト層R4はリフトオフ用のレジスト層である。そして、レジスト層R4に覆われていない第2スペキュラー層42の両側端部42a及びバックド層51の両側端部51bの一部をイオンミリングによって除去する。このイオンミリングにより、バックド層51の両側端部51bの膜厚は、中央部51aの膜厚よりも薄くなる。なお、図21に示す矢印H方向はイオンミリング方向である。
【0090】
続いて、第2磁性層12の両側端部12b上に、強磁性層52、反強磁性層14及び電極層15を連続成膜する(図22)。成膜にはスパッタまたは蒸着法を用いる。強磁性層52はNiFe、CoFe等の強磁性材料により形成される。そして電極層15まで形成したら、強磁性層52、反強磁性層14及び電極層15の不要部分と共にレジスト層R4をリフトオフで除去する。
【0091】
そして磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向である。この磁場中アニールにより、強磁性層52と反強磁性層14との間に交換結合磁界が発生し、強磁性層52がトラック幅方向(図20の矢印B方向)に磁化固定される。これに伴い、バックド層51の両側端部51bを介して強磁性層52に強磁性的に結合されている第2磁性層12の両側端部12bも、トラック幅方向に磁化固定される。よって、第1磁性層11の両側端部11aは、第2磁性層12の磁化方向とは約180°異なる方向(図20の矢印A方向)、つまり反平行に磁化固定される。そして、第2磁性層12の中央部12a及び第1磁性層11の中央部11aは、外部磁界に対して磁化回転可能な程度に弱く単磁区化される。以上により、図20のGMR素子50が完成する。
【0092】
以上の各実施形態のGMR素子には、図23に示すように、永久磁石膜や交換結合膜(強磁性層と反強磁性層の積層膜)からなる横バイアス層60を設けることができる。このように横バイアス層60を設けて第1磁性層11及び第2磁性層12の磁化方向をそれぞれ約45°傾ければ、外部磁界が与えられていない状態で第1磁性層11の磁化方向Aと第2磁性層12の磁化方向Bとのなす角θを約90°に設定でき、GMR素子の抵抗変化量を増やすことができると共に、動作の線形性を得ることができる。これによって出力感度及び再生波形の安定性を向上させることができる。
【0093】
以上の各実施形態のGMR素子は、再生用薄膜磁気ヘッドに適用可能である。再生用薄膜磁気ヘッドに適用する場合には、基板11と第1磁性層11(若しくは第1スペキュラー層41)との間に下部ギャップ層及び下部シールド層を形成すると共に、電極層15及び第2磁性層12(若しくは第2スペキュラー層42、保護層)上に上部ギャップ層及び上部シールド層を形成する。この再生用薄膜磁気ヘッド上にさらに、記録用のインダクティブヘッドを積層した録再用薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。また各種の磁気センサとして用いることも可能である。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、Cu層によって磁化が反平行結合された第1磁性層と第2磁性層を有し、第2磁性層上に設けた反強磁性層によって第2磁性層及び第1磁性層の磁化が直接または間接的に固定される。さらに、第1磁性層の中央部の磁化方向と第2磁性層の中央部の磁化方向は、外部磁界に応じてそれぞれ変化可能となる。よって、GMR素子内に備える反強磁性層は1つで済み、磁場中アニールよる磁化固定が容易となる。延いては、エクスチェンジバイアス方式を適用したGMR素子の製造が容易となり、今後の狭トラック化にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。
【図2】図1のGMR素子に備えられるCu層の膜厚とCu層を介して第1及び第2磁性層間に生じるRKKY的な結合エネルギーとの関係を示すグラフである。
【図3】図1の第1磁性層及び第2磁性層の磁化方向を示す概念図である。(a)は非通電状態の場合及び通電状態であっても外部磁界が与えられていない場合を示している。(b)は通電状態において外部磁界が与えられている場合を示している。
【図4】図1のGMR素子の製造方法の一工程図である。
【図5】図4に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図6】図5に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図7】第2の実施形態におけるGMR素子の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。
【図8】図7のGMR素子の製造方法の一工程図である。
【図9】図8に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図10】図9に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図11】第3実施形態におけるGMR素子の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。
【図12】図11のGMR素子の製造方法の一工程図である。
【図13】図12に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図14】図13に示す工程の次に行われる一工程図である。
【図15】第4実施形態におけるGMR素子の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。
【図16】図15のGMR素子の製造方法の一工程図である。
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図18】図17に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図19】図18に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図20】第5実施形態におけるGMR素子の構造を、記録媒体との対向面側から見て示す部分断面図である。
【図21】図20のGMR素子の製造方法の一工程図である。
【図22】図21に示す工程の次に行なわれる一工程図である。
【図23】第1乃至第5実施形態のGMR素子に横バイアス層を設けた一例である。
【符号の説明】
1 基板
10  GMR素子
11 第1磁性層
12 第2磁性層
13 Cu層
14 反強磁性層
15 電極層
20 GMR素子
21 非磁性保護層
30 GMR素子
31 ストッパ層
32 金属マスク層
40 GMR素子
41 第1スペキュラー層
42 第2スペキュラー層
50 GMR素子
51 バックド層
52 強磁性層
60 横バイアス層
141 第1反強磁性層
142 第2反強磁性層
R1 レジスト層
R2 レジスト層
R3 レジスト層
R4 レジスト層
H イオンミリング方向
h1 第1反強磁性層の膜厚(第2実施形態)
h2 第1及び第2反強磁性層の合計膜厚(第2実施形態)
h3 反強磁性層の中央部の膜厚(第3実施形態)
h4 反強磁性層の両側端部の膜厚(第3実施形態)

Claims (71)

  1. 第1磁性層と;この第1磁性層上に形成されたCu層と;このCu層上に形成された第2磁性層と;この第2磁性層の両側端部上に形成された反強磁性層と;を備え、
    前記Cu層が、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて前記第1磁性層及び前記第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで、形成されていることを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記Cu層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1ピーク値となる厚さで形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項2記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記Cu層は、8Å以上12Å以下の厚さで形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  4. 請求項1記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記Cu層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第2ピーク値となる厚さで形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  5. 請求項4記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記Cu層は、18Å以上22Å以下の厚さで形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層の直下にスペキュラー層が全面的に形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第2磁性層の中央部上にスペキュラー層が形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第2磁性層と前記反強磁性層との間にバックド層を設けた巨大磁気抵抗効果素子。
  9. 請求項8記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記バックド層は、中央部と該中央部よりも薄く形成された両側端部とを有する断面凸状をなしていて、該両側端部上に、前記反強磁性層が形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  10. 請求項8または9に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記バックド層の両側端部と前記反強磁性層との間に強磁性層を介在させた巨大磁気抵抗効果素子。
  11. 請求項8ないし10のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記バックド層の中央部上にスペキュラー層が形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  12. 請求項8ないし11のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記バックド層は、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、Re、Cr、Cu、Pt、Auのうちいずれか1種または2種以上で形成される巨大磁気抵抗効果素子。
  13. 請求項6、7または12のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記スペキュラー層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種又は2種以上からなる元素の酸化物又は窒化物で形成される巨大磁気抵抗効果素子。
  14. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記反強磁性層が前記第2磁性層の中央部上にも形成されていて、該反強磁性層の中央部は非反強磁性の性質を有し、両側端部は反強磁性の性質を有する巨大磁気抵抗効果素子。
  15. 請求項14記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記反強磁性層は、中央部の膜厚が30Å以上50Å以下であり、両側端部の膜厚が80Å以上300Å以下である巨大磁気抵抗効果素子。
  16. 請求項14または15記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記反強磁性層は、前記第2磁性層上に全面的に形成された下部反強磁性層と、この下部反強磁性層の両側端部上に形成された上部反強磁性層とを有し、前記下部反強磁性層の膜厚が30Å以上50Å以下である巨大磁気抵抗効果素子。
  17. 請求項16記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記下部強磁性層の中央部上に前記上部反強磁性層に接して非磁性保護層を設けた巨大磁気抵抗効果素子。
  18. 請求項17記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記非磁性保護層が3Å以下の膜厚で前記下部反強磁性層と前記上部反強磁性層との間にも設けられている巨大磁気抵抗効果素子。
  19. 請求項17または18記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記非磁性保護層の中央部の膜厚が3Å以上10Å以下である巨大磁気抵抗効果素子。
  20. 請求項1ないし19のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層と前記第2磁性層は、単位面積あたりの磁気モーメントがほぼ等しい巨大磁気抵抗効果素子。
  21. 請求項20記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層がNiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  22. 請求項20または21記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層が同一の磁性材料で形成され、該第1磁性層の膜厚と前記第2磁性層の膜厚がほぼ等しい巨大磁気抵抗効果素子。
  23. 請求項20または21記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層がそれぞれ単層で形成され、該第1磁性層及び第2磁性層のうち少なくとも一方がCoFeNi合金で形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  24. 請求項20または21記載の巨大磁気抵抗効果素子において、前記第1磁性層がNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成され、前記第2磁性層がCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成されている巨大磁気抵抗効果素子。
  25. (a)基板上に、第1磁性層、Cu層及び第2磁性層を順次積層する工程と、
    (b)前記積層体の中央部にレジスト層を形成する工程と、
    (c)前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出する積層体の両側端部上に反強磁性層を形成し、該レジスト層を除去する工程と、
    (d)磁場中アニールによって、前記反強磁性層と前記第2磁性層の両側端部との間に交換結合磁界を生じさせる工程とを有し、
    前記(a)工程において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて前記第1磁性層及び前記第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで形成することを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  26. 請求項25記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  27. 請求項26記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を8Å以上12Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  28. 請求項25記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第2ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  29. 請求項28記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を18Å以上22Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  30. 請求項25ないし29のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の単位面積あたりの磁気モーメントをほぼ等しくさせる巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  31. 請求項25ないし30のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(a)工程前に、基板上に、スペキュラー層を形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  32. 請求項25ないし31のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(a)工程でさらに前記第2磁性層上にスペキュラー層を形成し、前記(b)工程後に前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出するスペキュラー層を除去する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  33. 請求項31または32記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、スペキュラー層を、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素の酸化物または窒化物で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  34. 請求項31または32記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を形成した後、該元素膜を真空槽内で酸化あるいは窒化してスペキュラー層を形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  35. 請求項25ないし34のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(a)工程でさらに、前記第2磁性層上にバックド層を積層する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  36. 請求項35記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(a)工程でさらに前記バックド層上にスペキュラー層を積層し、前記(b)工程後に前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出するスペキュラー層を除去する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  37. 請求項35または36記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(b)工程後、前記レジスト層に覆われていないバックド層の両側端部を所定量削る巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  38. 請求項35ないし37のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(c)工程で反強磁性層を形成する前に、強磁性層を、バックド層の両側端部上に形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  39. 請求項36記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、スペキュラー層を、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素の酸化物または窒化物で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  40. 請求項36記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、Si、Ge、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Mgあるいは希土類元素のうち1種または2種以上からなる元素膜を形成した後、該元素膜を真空槽内で酸化あるいは窒化してスペキュラー層を形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  41. 請求項35ないし40のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記バックド層を、Ru、Rh、Pd,Ir、Os、Re、Cr、Cu、Pt、Auのうちいずれか1種または2種以上で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  42. 請求項25ないし41のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び第2磁性層を、NiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  43. 請求項25ないし42のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層を、同一の磁性材料により、ほぼ同等の膜厚で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  44. 請求項42または43記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層をそれぞれ単層で形成し、該第1磁性層及び第2磁性層のうち少なくとも一方をCoFeNi合金で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  45. 請求項42または43記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層をNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成し、前記第2磁性層をCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  46. (e)基板上に、第1磁性層、Cu層、第2磁性層、下部反強磁性層及び非磁性保護層を順次積層する工程と、
    (f)前記積層体の中央部にレジスト層を形成する工程と、
    (g)前記レジスト層のトラック幅方向の両側から露出する非磁性保護層を除去し、該両側から前記下部反強磁性層を露出させる工程と、
    (h)該露出した下部反強磁性層上に上部反強磁性層を形成し、前記レジスト層を除去する工程と、
    (i)磁場中アニールによって、前記第2磁性層の両側端部と前記下部反強磁性層との間に交換結合磁界を生じさせる工程とを有し、
    前記(e)工程において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて前記第1磁性層及び前記第2磁性層の中央部における磁化方向を共に変化させる厚さで形成することを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  47. 請求項46記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  48. 請求項47記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を8Å以上12Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  49. 請求項46記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第2ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  50. 請求項49記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を18Å以上22Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  51. 請求項46ないし50のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の単位面積あたりの磁気モーメントをほぼ等しくさせる巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  52. 請求項46ないし51のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記下部反強磁性層を30Å以上50Å以下の膜厚で形成し、且つ、前記下部反強磁性層と前記上部反強磁性層の合計膜厚を80Å以上300Å以下にする巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  53. 請求項46ないし52のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記非磁性保護層は3Å以上10Å以下の膜厚で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  54. 請求項46ないし53のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(g)工程では低エネルギーイオンミリングによって前記非磁性保護層を除去する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  55. 請求項46ないし54のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(g)工程では前記下部反強磁性層をすべて除去せずに3Å以下の膜厚だけ残し、前記(h)工程では前記下部反強磁性層上に前記上部反強磁性層を形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  56. 請求項46ないし55のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び第2磁性層を、NiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  57. 請求項46ないし56のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層を、同一の磁性材料により、ほぼ同等の膜厚で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  58. 請求項56または57記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層をそれぞれ単層で形成し、該第1磁性層及び第2磁性層のうち少なくとも一方をCoFeNi合金で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  59. 請求項56または57記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層をNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成し、前記第2磁性層をCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  60. (j)基板上に、第1磁性層、Cu層、第2磁性層、反強磁性層、ストッパ層及び電極層を順次積層する工程と、
    (k)前記積層体上にトラック幅領域をパターン形成し、該トラック幅領域外の範囲に金属マスク層を形成する工程と、
    (l)前記金属マスク層をマスクにしてトラック幅領域内の電極層を除去し、前記ストッパ層を露出させる工程と、
    (m)トラック幅領域内の前記ストッパ層及び前記反強磁性層を除去する工程と、
    (n)磁場中アニールによって、前記第2磁性層及び前記反強磁性層の両側端部間に交換結合磁界を生じさせる工程とを有し、
    前記(i)工程において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間にRKKY的な反平行結合を生じさせ、且つ、与えられた外部磁界に応じて前記第1磁性層及び前記第2磁性層の中央部における磁化方向とを共に変化させる厚さで形成することを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  61. 請求項60記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第1ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  62. 請求項61記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を8Å以上12Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  63. 請求項60記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に生じるRKKY的な結合エネルギーが反平行の第2ピーク値となる厚さで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  64. 請求項63記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記Cu層を18Å以上22Å以下で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  65. 請求項60ないし64のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の単位面積あたりの磁気モーメントをほぼ等しくさせる巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  66. 請求項60ないし65のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記(m)工程では、トラック幅領域内の前記反強磁性層を全て除去せずに、該反強磁性層が反強磁性の性質を有さない膜厚だけ残す巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  67. 請求項66記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、トラック幅領域内の前記反強磁性層を50Å以下の膜厚で残す巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  68. 請求項60ないし67のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層を、NiFe合金、Co、CoFe合金、CoNi合金及びCoFeNi合金のいずれかで形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  69. 請求項60ないし68のいずれか一項に記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層を、同一の磁性材料により、ほぼ同等の膜厚で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  70. 請求項68または69記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層及び前記第2磁性層をそれぞれ単層で形成し、該第1磁性層及び第2磁性層のうち少なくとも一方をCoFeNi合金で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
  71. 請求項68または69記載の巨大磁気抵抗効果素子の製造方法において、前記第1磁性層をNiFe合金層とCoFe合金層とからなる積層体で形成し、前記第2磁性層をCoFe合金層とNiFe合金層とからなる積層体で形成する巨大磁気抵抗効果素子の製造方法。
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