JP2011095003A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束発生源との間の間隔が広くても磁気検知することができる、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサを提供すること。
【解決手段】本発明の磁気センサは、第1の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第1磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第1磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第1磁気検知素子と、前記第1の方向と異なる第2の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第2磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第2磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第2磁気検知素子と、が同一基板上に設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサに関する。
近年、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用した磁気抵抗効果素子(GMR素子)が磁気エンコーダに使用されている(特許文献1)。そして、この磁気エンコーダを応用した流量検知用の磁気センサが開発されている。この磁気センサは、磁束発生源である磁石に所定の間隔をおいて配置され、磁石から発生する磁束が印加されることにより磁気検知する。
特開2008−151759号公報
上記のような磁気センサは、原理的に磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)が広がると、磁束が発散して磁束密度が小さくなる。その結果、磁気センサに十分な磁束密度が印加されず動作できなくなることが考えられる。一方で、磁束発生源及び磁気センサを収容するユニットには小型化の要求があり、ユニット設計の自由度を向上させるために、磁気センサには、低磁束密度検知、すなわち広いGapでも磁気検知できることが強く求められている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)が広くても磁気検知することができる、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサを提供することを目的とする。
本発明の磁気センサは、第1の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第1磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第1磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第1磁気検知素子と、前記第1の方向と異なる第2の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第2磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第2磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第2磁気検知素子と、が同一基板上に設けられており、ブリッジ回路を構成することを特徴とする。
この構成によれば、特定の方向の外部磁界に対してはヨーク効果を発揮し、特定の方向と異なる方向の外部磁界に対してはシールド効果を発揮する。これにより、磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)が広くても磁気検知することができる。また、この構成によれば、感度軸方向が異なる磁気検知素子(第1磁気検知素子、第2磁気検知素子)を配置するので、異なる方向の外部磁界が混在する環境において微弱な外部磁界でも個々の感度軸方向の外部磁界を感度良く磁気検知することが可能となる。これにより、複雑な形状の磁束発生源(磁石)の磁気検知を正確に行うことができる。
本発明の磁気センサにおいては、前記第1の方向と前記第2の方向とが直交することが好ましい。
本発明の磁気センサにおいては、回転中心に対して回転可能である磁束発生源から間隔をおいて配置され、前記回転中心についての回転方向及び半径方向が前記第1の方向及び前記第2の方向であることが好ましい。この場合において、前記間隔が7mm以上であることが好ましい。
本発明の磁気センサにおいては、前記軟磁性膜を構成する材料が、CoZrNb、NiFe、Co合金、及びNi,Feを含む合金からなる群より選ばれたものであることが好ましい。
本発明の磁気センサは、第1の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第1磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第1磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第1磁気検知素子と、前記第1の方向と異なる第2の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第2磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第2磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第2磁気検知素子と、が同一基板上に設けられており、ブリッジ回路を構成するので、磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)が広くても磁気検知することができる。
本発明の実施の形態に係る磁気センサを示す図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサにおける磁気抵抗効果素子を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る磁気センサと磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサにおける回路を説明するための図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の磁場−抵抗値特性を示す図である。 本発明の構成を有しない一つの磁気検出素子による磁気検知出力を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサによるθ成分を検知した際の磁気検知出力を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサによるR成分を検知した際の磁気検知出力を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサにおいて、θ成分検知素子とR成分検知素子の中点電圧の出力を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサの磁気検知出力を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態1に係る磁気センサについての効果を説明するための図であり、(b)は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサについての効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る磁気センサと磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)を説明するための図である。 本発明の構成を有しない一つの磁気検出素子による磁気検知出力を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサによるθ成分を検知した際の磁気検知出力を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサによるR成分を検知した際の磁気検知出力を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサにおいて、θ成分検知素子とR成分検知素子の中点電圧の出力を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサの磁気検知出力を示す図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサに用いる磁気抵抗効果素子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気センサを示す平面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る磁気センサにおける磁気抵抗効果素子を説明するための図である。
図1に示すように、基板1上(同一基板上)には、磁気検出素子である第1素子2と、磁気検出素子である第2素子3とが設けられている。第1素子2は、外部磁界の印加により抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子21と、平面視において磁気抵抗効果素子21を挟持するように配置された一対の軟磁性膜22とから構成されている。また、第2素子3は、外部磁界の印加により抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子31と、平面視において磁気抵抗効果素子31を挟持するように配置された一対の軟磁性膜32とから構成されている。基板1には、通常のプリント配線板に用いられる基板を用いることができる。また、図中の参照符号4は電極パッドを示す。
磁気抵抗効果素子21,31は、それぞれ特定の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有している。磁気抵抗効果素子21は、図1に示す矢印X方向に感度軸を持つミアンダ形状を有する。すなわち、図2に示すように、磁気抵抗効果素子21は、略平行して形成された直線部21aと、直線部21a同士を連接する連接部21bとを有する。この直線部21aの延在方向に対して直交する方向(矢印X方向)が感度軸方向である。また、磁気抵抗効果素子31は、図1に示す矢印Y方向に感度軸を持つミアンダ形状を有する。同様に、磁気抵抗効果素子31は、略平行して形成された直線部と、直線部同士を連接する連接部とを有する。この直線部の延在方向に対して直交する方向(図2における矢印Y方向)が感度軸方向である。なお、図1においては、磁気抵抗効果素子21の感度軸方向(矢印X方向)と磁気抵抗効果素子31の感度軸方向(矢印Y方向)とが直交している。
ここで、本発明者らは、磁気抵抗効果素子21,31のパターン幅(D)と検知磁界シフト量との間の関係を調べた。その結果、感度軸方向の磁場に対しては、素子パターン幅が相対的に大きいほど感度が良く、比較的小さい磁場でセンサが動作することが分かった。このような観点から、磁気抵抗効果素子の21,31の幅(素子パターン幅)は、2μm〜10μmであることが好ましい。
磁気抵抗効果素子21,31としては、TMR素子(トンネル型磁気抵抗効果素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)などを用いることができる。例えば、GMR素子として、それぞれ外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる多層膜積層構造を有するGMR素子やTMR素子を用いることができる。すなわち、図14に示すように、磁気抵抗効果素子21,31は、フリー磁性層/非磁性層/フリー磁性層の積層構造を有する。ここで、非磁性層を構成する材料としては、Cu、などが挙げられる。また、フリー磁性層を構成する材料としては、Ni−Fe合金などの軟磁性材料が挙げられる。なお、磁気抵抗効果素子21,31は、フリー磁性層/非磁性層/フリー磁性層の積層構造を少なくとも有していれば良く、他の層が設けられていても良い。また、フリー磁性層の厚さとしては、1nm〜6nmであることが好ましく、非磁性層の厚さとしては、1.8nm〜2.6nmであることが好ましい。
ここで使用する磁気抵抗効果素子21,31は、装置内のセンサ設置の関係から特定の方向からの磁界を検知する必要がなく、極性も判別する必要がないので、固定磁性層(ピンド層)が不要であり、フリー磁性層/非磁性層/フリー磁性層の積層構造を採用している。このため、製造工程において、加熱下で磁場を印加して固定磁性層(ピンド層)を形成する必要がない。これにより、基板上にフォトリソグラフィ及びエッチングにより磁気抵抗効果素子をパターニングすることができ、製造工程を簡略化することができる。また、フォトリソグラフィでパターニングすることができるので、微細な領域にも磁気抵抗効果素子をパターニングすることができる。
例えば、フリー磁性層や非磁性層を形成する場合、基板上にフリー磁性層材料を被着し、その上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチングでパターニングしてフリー磁性層を形成した後にレジスト層を除去する。
磁気抵抗効果素子21,31を挟持するように配置された一対の軟磁性膜22,32は、特定の方向の外部磁界を増幅すると共に、特定の方向と異なる方向の外部磁界を減衰させる。すなわち、軟磁性膜22,32は、特定の方向の外部磁界に対してはヨーク効果を発揮し、特定の方向と異なる方向(特定の方向と直交する方向)の外部磁界に対してはシールド効果を発揮する。軟磁性膜22は、感度軸方向(矢印X方向)の外部磁界を増幅すると共に、感度軸方向に直交する方向(矢印Y方向)の外部磁界をシールドする。一方、軟磁性膜32は、感度軸方向(矢印Y方向)の外部磁界を増幅すると共に、感度軸方向に直交する方向(矢印X方向)の外部磁界をシールドする。なお、軟磁性膜を構成する材料が、CoZrNb、NiFe、Co合金、及びNi,Feを含む合金からなる群より選ばれたものであることが好ましい。
ここで、本発明者らは、軟磁性膜22,32のパターン幅(D,D)とセンサ検知外部磁束密度(G)との間の関係を調べた。その結果、軟磁性膜のパターン幅が広くなるほどセンサの検知磁界が小さくなる(センサの高感度化)ことが分かった。このため、センサの高感度化の観点からは、軟磁性膜22,32のパターン幅(D,D)は、50μm〜150μmであることが好ましい。
また、本発明者らは、軟磁性膜22,32のパターン幅(D,D)と磁束密度増幅率との間の関係を調べた。その結果、軟磁性膜のパターン幅が広くなるほど磁束密度の増幅率が高くなることが分かった。このため、磁束密度の増幅率の観点からは、軟磁性膜22,32のパターン幅(D,D)は、50μm以上とし、各磁気検知システムで必要とするセンサ感度に合わせた設定にすることができる。
上記の結果から、センサの高感度化の観点、磁束密度の増幅率の観点を考慮すると、軟磁性膜の幅は50μm以上であることが好ましい。また、軟磁性膜の厚さは0.5μm以上であることが好ましい。
本発明の磁気センサの個々の磁気検知素子(第1素子2、第2素子3)においては、感度軸方向(第1素子2では矢印X方向、第2素子3では矢印Y方向)の外部磁界が作用すると、一対のフリー磁性層の磁化方向が外部磁界方向に向く。これにより、両フリー磁性層の磁化方向が平行に近づいて抵抗値が低下する。この抵抗値の変化を出力とすることにより磁気検知することができる。このとき、磁気抵抗効果素子を挟持する一対の軟磁性膜により特定の方向の外部磁界を感度良く検知することができる。すなわち、一対の軟磁性膜が、特定の方向の外部磁界に対してヨーク効果を発揮し、特定の方向と異なる方向(ここでは特定の方向と直交する方向)の外部磁界に対してシールド効果を発揮する。これにより、磁束発生源(磁石)との間の間隔(Gap)が広くても磁気検知することができる。
図1に示すように、感度軸方向が直交するように磁気検知素子(第1素子2、第2素子3)を配置することにより、異なる方向の外部磁界が混在する環境において微弱な外部磁界でも個々の感度軸方向の外部磁界を感度良く磁気検知することが可能となる。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、図3に示すような磁束発生源(磁石)41の磁気検知について説明する。図3において、磁石41と磁気センサ42との間の距離(磁石表面とセンサ中心との間の距離)をGapとする。磁石41(4極磁極)は、歯車状(断面略十字状)であり、回転軸41aを中心に回転する。すなわち、磁気センサ42は、回転中心(回転軸41a)に対して回転可能である磁石41からGapをおいて配置される。
また、磁気センサ42は、図1に示す構成を有しており、磁石41のそれぞれの先端部が近接した際に磁気を検知するようになっている。すなわち、磁気センサ42は、回転する磁石41を回転角90°毎に磁気検知するようになっている。なお、図1における矢印X方向が回転中心についての磁石回転方向(θ方向)であり、図1における矢印Y方向が回転中心についての磁石半径方向(R方向)である。したがって、磁気センサ42における第1素子2は、θ方向の成分(θ成分)を増幅して、R方向の成分(R成分)を減衰させるθ成分検知素子であり、磁気センサ42における第2素子3は、R方向の成分(R成分)を増幅して、θ方向の成分(θ成分)を減衰させるR成分検知素子である。
また、磁気センサ42において、第1素子2と第2素子3とは、図4に示すように電気的に接続されており、ブリッジ回路を構成している。そして、磁気センサ42の出力は、図4に示すように、R成分検知素子とθ成分検知素子の中点電位としている。このような回路とすることにより、図3に示す4つの歯を持つ磁石41に対して回転角90°毎に磁気検知することができる。
ここでは、図3に示す磁石41と磁気センサ42との間の距離をそれぞれ5.1mm、6.1mm、7.1mmと変えたときの磁気センサ42の出力を調べた。なお、磁気センサ42の磁気抵抗効果素子としては、図5(a),(b)に示す特性を持つものを用いた。すなわち、磁気センサ42の磁気抵抗効果素子は、感度軸方向に直交する方向の磁場−抵抗値の関係が図5(a)に示す曲線であり、感度軸方向の磁場−抵抗値の特性曲線が図5(b)に示す曲線である。
図6は、本発明の構成を有しない一つの磁気検知素子で磁石41の磁気検知をした場合を示す図である。図6から分かるように、R成分とθ成分とが混在した状態である。このような出力では、特に、Gapが7.1mmの場合には、4つの歯を正確に磁気検知することは難しい(周期的なパルスとして出力することができない)。
一方、本発明の磁気センサ42を用いた場合においては、θ成分検知素子である第1素子2のみの出力は図7(a)に示すようになる。すなわち、θ成分が増幅され、R成分が減衰されている。また、R成分検知素子である第2素子3のみの出力は図7(b)に示すようになる。すなわち、R成分が増幅され、θ成分が減衰されている。そして、θ成分検知素子とR成分検知素子の中点電位は、図8(a)に示すようになる。図8(a)では、Gapが5.1mmのものとGapが7.1mmのものを示している。この中点電位をパルス出力とすると、図8(b)に示すようになる。図8(b)から分かるように、Gapが5.1mmでもGapが7.1mmでも、4つの歯を正確に磁気検知することができた(周期的なパルスとして出力することができた)。
ここで、図3に示す磁石41と、図1に示す構成の双極1出力である磁気センサ42とを準備し、両者の間の距離(磁石表面とセンサ中心との間の距離:Gap)を5.1mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(実施例1)。その結果を図9(a)に示す。また、図1に示す構成の双極1出力である磁気センサ42を用いて、Gapを5.1mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(実施例2)。その結果を図9(a)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、6.0mm、6.1mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例1)。その結果を図9(a)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、5.8mm、6.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例2)。その結果を図9(a)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、6.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例3)。その結果を図9(a)に併記する。
図9(a)から分かるように、実施例1、実施例2の磁気センサを用いた場合においては、Gapが7.1mmまで目標デューティ(50%±20%)を満足し、磁石41の磁気検知が可能である(Gap依存が軽微)。一方、比較例1〜比較例3の磁気センサを用いた場合においては、Gapが6.1mmで目標デューティ(50%±20%)を満足できなかった(Gap依存が大)。
このように、本発明の磁気センサによれば、感度軸方向が異なる磁気検知素子(第1素子2、第2素子3)を配置するので、異なる方向の外部磁界が混在する環境において微弱な外部磁界でも個々の感度軸方向の外部磁界を感度良く磁気検知することが可能となる。これにより、磁石との間のGapが広くても、図3に示すような複雑な形状の磁束発生源(磁石)の磁気検知を正確に行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、図10に示すような磁束発生源(磁石)43の磁気検知について説明する。図10において、磁石43と磁気センサ42との間の距離(磁石表面とセンサ中心との間の距離)をGapとする。磁石43(6極磁極)は、6つの突出部43aを持つリング状であり、回転軸(破線)を中心に回転する。すなわち、磁気センサ42は、回転中心(破線)に対して回転可能である磁石43からGapをおいて配置される。
また、磁気センサ42は、図1に示す構成を有しており、磁石43のそれぞれの先端部が近接した際に磁気を検知するようになっている。すなわち、磁気センサ42は、回転する磁石43を回転角60°毎に磁気検知するようになっている。なお、図1における矢印X方向が回転中心についての磁石回転方向(θ方向)であり、図1における矢印Y方向が回転中心についての磁石半径方向(R方向)である。したがって、磁気センサ42における第1素子2は、θ方向の成分(θ成分)を増幅して、R方向の成分(R成分)を減衰させるθ成分検知素子であり、磁気センサ42における第2素子3は、R方向の成分(R成分)を増幅して、θ方向の成分(θ成分)を減衰させるR成分検知素子である。
また、磁気センサ42において、第1素子2と第2素子3とは、上記図4に示すように電気的に接続されており、ブリッジ回路を構成している。そして、磁気センサ42の出力は、図4に示すように、R成分検知素子とθ成分検知素子の中点電位としている。このような回路とすることにより、図10に示す6つの歯を持つ磁石43に対して回転角60°毎に磁気検知することができる。
ここでは、図10に示す磁石43と磁気センサ42との間の距離をそれぞれ5.1mm、7.1mmと変えたときの磁気センサ42の出力を調べた。なお、磁気センサ42の磁気抵抗効果素子としては、図5(a),(b)に示す特性を持つものを用いた。すなわち、磁気センサ42の磁気抵抗効果素子は、感度軸方向に直交する方向の磁場−抵抗値の関係が図5(a)に示す曲線であり、感度軸方向の磁場−抵抗値の特性曲線が図5(b)に示す曲線である。
図11は、本発明の構成を有しない一つの磁気検知素子で磁石43の磁気検知をした場合を示す図である。図11から分かるように、R成分とθ成分とが混在した状態である。このような出力では、特に、Gapが7.1mmの場合には、6つの突出部を正確に磁気検知することは難しい(周期的なパルスとして出力することができない)。
一方、本発明の磁気センサ42を用いた場合においては、θ成分検知素子である第1素子2のみの出力は図12(a)に示すようになる。すなわち、θ成分が増幅され、R成分が減衰されている。また、R成分検知素子である第2素子3のみの出力は図12(b)に示すようになる。すなわち、R成分が増幅され、θ成分が減衰されている。そして、θ成分検知素子とR成分検知素子の中点電位は、図13(a)に示すようになる。この中点電位をパルス出力とすると、図13(b)に示すようになる。図13(b)から分かるように、Gapが5.1mmでもGapが7.1mmでも、6つの突出部を正確に磁気検知することができた(周期的なパルスとして出力することができた)。
ここで、図10に示す磁石43と、図1に示す構成の双極1出力である磁気センサ42とを準備し、両者の間の距離(磁石表面とセンサ中心との間の距離:Gap)を5.1mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(実施例3)。その結果を図9(b)に示す。また、図1に示す構成の双極1出力である磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(実施例4)。その結果を図9(b)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、6.0mm、7.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例4)。その結果を図9(b)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、6.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例5)。その結果を図9(b)に併記する。さらに、図1に示す構成の双極1出力であり、一対の軟磁性膜22,32を設けない磁気センサを用いて、Gapを5.1mm、5.5mm、6.1mmとしたときのセンサ出力パルスのデューティを調べた(比較例6)。その結果を図9(b)に併記する。
図9(b)から分かるように、実施例3、実施例4の磁気センサを用いた場合においては、Gapが7.1mmまで目標デューティ(50%±20%)を満足し、磁石41の磁気検知が可能である(Gap依存が軽微)。一方、比較例4〜比較例6の磁気センサを用いた場合においては、Gapが6.1mmで目標デューティ(50%±20%)を満足できなかった(Gap依存が大)。
このように、本発明の磁気センサによれば、感度軸方向が異なる磁気検知素子(第1素子2、第2素子3)を配置するので、異なる方向の外部磁界が混在する環境において微弱な外部磁界でも個々の感度軸方向の外部磁界を感度良く磁気検知することが可能となる。これにより、磁石との間のGapが広くても、図10に示すような複雑な形状の磁束発生源(磁石)の磁気検知を正確に行うことができる。
本発明は上記実施の形態1,2に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態1,2における材料、各素子の接続関係、厚さ、大きさ、製法などは適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。
本発明は、流量検知用の磁気センサに適用することが可能である。
1 基板
2 第1素子
3 第2素子
4 電極パッド
21,31 磁気抵抗効果素子
21a 直線部
21b 連接部
22,32 軟磁性膜
41,43 磁石
41a 回転軸
42 磁気センサ
43a 突出部

Claims (5)

  1. 第1の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第1磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第1磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第1磁気検知素子と、前記第1の方向と異なる第2の方向に感度軸を持つミアンダ形状を有し、外部磁界に対して磁化変動する一対のフリー磁性層で非磁性層を挟持してなる積層構造を有する第2磁気抵抗効果素子、及び平面視において前記第2磁気抵抗効果素子を挟持するように配置された一対の軟磁性膜で構成された第2磁気検知素子と、が同一基板上に設けられており、ブリッジ回路を構成することを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記第1の方向と前記第2の方向とが直交することを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記磁気センサは、回転中心に対して回転可能である磁束発生源から間隔をおいて配置され、前記回転中心についての回転方向及び半径方向が前記第1の方向及び前記第2の方向であることを特徴とする請求項2記載の磁気センサ。
  4. 前記間隔が7mm以上であることを特徴とする請求項3記載の磁気センサ。
  5. 前記軟磁性膜を構成する材料が、CoZrNb、NiFe、Co合金、及びNi,Feを含む合金からなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気センサ。
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