JP2004013018A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行体を往復移動させる正逆転モータの正逆転信号を用いて、往動時に前記ランプを点灯させ、復動時に前記ランプを消灯させる点灯制御を行う。その際、走行体が往動するとき露光ランプを点灯し、点灯状態が安定した後に、走行体が定速になるように露光及び走行体速度の制御を行う。また前記走行体が往動する時、読取に先立って走光体を少なくとも1回以上正逆転駆動させ、この間に露光ランプが一定光量に到達するように、露光ランプを点灯制御する。
【選択図】 図8
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ等における画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像読取装置においては、露光ランプとしてハロゲンランプなどを用いて原稿を照射し、その反射光をCCD等の受光素子で受光し、これから画像信号を取り出している。画像読取装置は露光ランプを有する走行体を備えており、走行体をコンタクトガラス上の原稿に対して相対的に往復移動させ読み取りを行っている。走行体は所定の助走距離の間に一定速度に達して、原稿の始端となる読み取り開始位置から原稿の露光走査を行い、原稿の露光走査を終了すると走行体を復動(リターン)させる。これを繰り返すことにより、原稿の読み取り走査を行っている。
露光ランプは点灯により発熱するが、周辺にあるユニットの温度の上昇をもたらす。過度の温度上昇が起こると、周辺ユニットを構成する部品の性能、耐久性の劣化が促進されることになるし、予想されない事故が発生する原因にもなる。そこで原稿を連続走査するときには、過度の温度上昇を防ぐ為にスキャナの走査開始時に点灯させて、スキャナの復動時に消灯させ、これを繰り返している(特開平2−103527号公報)。
【0003】
従来装置における露光ランプの点灯、消灯を制御するためのブロック図を図12に示す。主制御ユニット(以下MCUという)706からインバータ708に露光ランプ11の点灯、消灯を制御するランプ制御信号が出力され、また、タイミング信号発生回路707からモータドライバ710に対してクロックCLK,励磁パターン、電流制御信号が出力されている。図13は、ランプ制御信号のタイミングチャートである。ランプ制御信号は、MCU706から直接インバータ708に入力され、モータの正転に合わせハイの信号(点灯信号に対応する)となり、モータ711の逆転に合わせローの信号(消灯信号に対応する)となるが、このような信号の形成はMCU706がプログラムにより行っている。この信号によりインバータ708がオンオフ制御され、インバータ708の出力に従って露光ランプ11が点灯又は消灯する。しかしソフトは暴走することがあり、ソフトの暴走が発生すると、露光ランプ11が連続点灯する危険性がある。露光ランプ11の連続点灯は過大な温度上昇をもたらし、その結果、露光ランプ11の破損、また原稿が載置され、読み取られるコンタクトガラスの高熱化によってユーザーの火傷等の安全上の問題まで惹起することにもなりかねない。また、スキャナに対しては小型化も要望されている。
なお、温度上昇を防止するためキャリッジ速度を制御するようにしたもの(特開平11−331511号公報)、冷却ファンの駆動電力を可変にしたもの(特開平4−372941号公報)が知られているが、いずれもソフトの暴走による高熱化を防止するものではなかった。また、画像読取装置について従来より小型化が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためのものであって、ソフトの暴走による露光ランプ11の高熱化を防止し、小型化された画像読取装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、露光ランプを有する走行体を原稿に対し相対的に往復移動させる画像読取装置において、走行体を往復移動させる正逆転モータの正逆転信号を用いて、往動時に前記ランプを点灯させ、復動時に前記ランプを消灯する点灯制御を行うことを特徴とする画像読取装置である。
請求項2の発明は、走行体が往動するとき露光ランプを点灯させ、光量が一定になった後に、走行体が定速になるように露光及び走行体速度の制御を行うことを特徴とする請求項1の画像読取装置である。
請求項3の発明は、走行体が往動する時、読み取り開始に先立って走行体を少なくとも1回以上正逆転駆動させ、この間に露光ランプが所定光量に到達するように、露光ランプを点灯制御することを特徴とする請求項1の画像読取装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の画像読取装置を有する画像形成装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の画像読取装置を適用する画像形成装置を複写機に例を取って説明する。図1は複写機の概略を示す図である。
この装置の構成は、複写機本体1と、自動原稿送り装置(以下ADFという)100と胴内排紙トレイ200と給紙ユニット(バンク)300から構成されるものである。
ADF100について
ADF100は原稿給紙台101上に積載された原稿を1枚ずつ複写機本体1側のコンタクトガラス10上に給紙し、画像読み取り後に排紙トレイ105上に排紙するように構成されている。原稿給紙台101上の原稿は、図示しないサイドフェンスによって副走査方向が揃えられ、給紙ローラ102によって一番上の原稿から取り出され、搬送ベルト103によりコンタクトガラス10上に給紙される。
原稿給送部107には、原稿幅検知センサ108及び原稿長さ検知センサ109が設けられている。前記両センサにより、ADF100から送られる原稿のサイズが検知される。コンタクトガラス10上の原稿は読み取り終了後に、搬送ベルト103及び排紙ローラ104により排紙トレイ105上に排紙される。
両面原稿を読み取る場合には、原稿給紙台101上の原稿は給紙ローラ102により一番上の原稿から分離されて給紙され、搬送ベルト103によりコンタクトガラス10上を読み取りを行わず通過して反転爪106により反転され、再びコンタクトガラス10上に給紙されて裏面が読み取られる。裏面が読み取られた後に、コンタクトガラス10上の原稿は、搬送ベルト103により搬送されて反転爪106により反転され、再びコンタクトガラス10上に給紙されて表面が読み取られ、表面読み取り終了後、原稿は搬送ベルト103及び排紙ローラ104により排紙トレイ105上に排紙される。
【0007】
ADF100の開閉について
図2はADF100の開閉構造を示す図である。図2に示すように、ADF100はヒンジ81および82を中心に開閉される。原稿検知タイミングセンサ86は、後述する原稿サイズ検知センサの検出結果に基づいてコンタクトガラス10上にある原稿のサイズを検知するタイミングを制御するために設けられており、ADF100の開放角度が所定角度以内になると、爪83を検知してADF機能がON状態になるようになっている。この所定角度はわずかな角度であり、オペレータが手でADF100を開くと、リフトアップ検知センサ85および原稿検知タイミングセンサ86の両方がADF機能をOFFする信号を送出する。なお、87および88は端面スケールである。原稿サイズ検知センサ91〜93は図3に示すように、コンタクトガラス10の下方に設けられている。各原稿サイズ検知センサ91〜93は、図4に示すように、1個の発光ダイオード91aから発せられた光を3ビームに分散させて照射して、その反射光を光学系内部の3個の受光素子91bで受光する反射型のセンサであり、光学系内部からコンタクトガラス10を透視して原稿面からの反射光のみを受光して原稿の有無を検知するものである。原稿サイズ検知センサ91〜93は常に作動しており、各受光素子では、コンタクトガラス上10の原稿を検出したときにはADF機能がON状態となり、原稿を検出していないときにはADF機能はOFF状態となっている。原稿サイズ検知センサ91〜93は、コンタクトガラス10上の所定位置に載置された複数種類の原稿のサイズに応じて配置されている。これにより、コンタクトガラス10上に原稿が有るか否かが判定されるとともに、コンタクトガラス10上の原稿のサイズが検知される。
【0008】
複写機本体1は複写機能の基本的要素として、原稿を読み取るスキャナ部150、画像処理部604(図6中の画像読み取り・画像処理のブロック図)及び書き込み部350等を有する。次にスキャナ部について説明する。
スキャナ部150について
スキャナ部150は原稿を載置するためのコンタクトガラス10と光学走査系を有し、光学走査系は露光ランプ11、第1ミラー12、第2ミラー13、第3ミラー14、レンズ15、フルカラーCCD16等から構成されている。露光ランプ11及び第1ミラー12は第1キャリッジ(図示せず)に装備され、第1キャリッジは原稿読み取り時にステッピングモータ(図示せず)により一定の速度で副走査方向に移動する。第2ミラー13及び第3ミラー14は第2キャリッジ(図示せず)に装備され、第2キャリッジは原稿読み取り時にステッピングモータにより第1キャリッジの1/2の速度で移動する。この第1、第2のキャリッジの移動によりコンタクトガラス10上の原稿が光学的に走査され、レンズ15によりCCD16の受光面に結像されて光電変換される。
画像処理部604について
図6は、CCD16で読み取られた信号の流れを示す。
フルカラーCCD16により赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色に分離された画像信号は、画像処理回路によりA/D変換等された後に画像処理部604において各種の画像処理が施され、次いでコピー時には書き込みユニット350により記録紙にコピーされる。
【0009】
書き込み部350について
再び図1に基づいて書き込み部350について説明する。
書き込み部350はレーザ出力ユニット20、25、fθレンズ21、ミラー22、23、24、26、27を有し、レーザ出力ユニット20、25はレーザ光源であるレーザダイオード(LD)と、図示しないポリゴンミラー及びポリゴンモータを有する。レーザ出力ユニット20、25からはコピー時にはスキャナ部150により読み取られた画像に応じて変調された黒信号及び赤信号のレーザ光が出射され、感光体ドラム30上にその潜像が形成される。感光体ドラム30の回りには、黒現像器32、赤の第2現像器33、転写搬送装置54及び図示しない分離器などが配置され、感光体ドラム30上のトナー像が用紙に記録される。
用紙は複写機本体1内の両面ユニット50及び第1トレイ51と、給紙ユニット300内の第2トレイ310、第3トレイ320及び第4トレイ330の1つから選択的に給紙される。各トレイより給紙された用紙は先端がレジストセンサ52により検出された後の所定時間後にレジストローラ53に突き当って一旦停止し、副走査有効期間信号(FGATE)に同期してレジストローラ53により搬送され、転写搬送装置54により感光体ドラム30上のトナー像が転写される。次いでこの用紙は感光体ドラム30から分離された後、定着装置55によりトナー像が定着される。
【0010】
制御系について
図5はこのデジタル複写機の制御系を示すブロック図である。同図において、操作部コントローラ500は操作部の液晶、各種LEDの表示制御、各種キー入力制御を行い、システムコントローラ501は給紙、搬送、定着、両面印刷、プロセス制御等を行う。画像処理コントローラ502は画像処理、スキャナの読み取り制御を行い、ADFコントローラ503はADF100の制御を行う。給紙トレイコントローラ504は給紙トレイの制御を行い、FAXコントローラ505はFAX送受信の管理、ファイル管理を行い、プリンタコントローラ506はプリンタデータ受信の管理、ファイル管理を行う。
図6はこのデジタル複写機の画像読み取り・画像処理部のブロック図である。コンタクトガラス10上の原稿600が露光ランプ11により照明され、反射光がカラーCCD16により読み取られる。次いでカラーCCD16により赤色R、緑色G、青色Bに分離されたアナログの画像信号が信号処理回路601により増幅されて光量補正され、AD変換器602によりデジタルの画像信号に変換される。更にシェーディング補正回路603によりシェーディング補正され、画像処理部604に送られる。画像処理部604ではMTF(Modulation Transfer Function)補正、γ補正、黒画像生成、カラー画像生成、2値処理、多値処理などの画質処理が施され、黒データとカラーデータがセレクタ605に出力される。セレクタ605では、画像信号の送り先を、変倍部606または、画像メモリコントローラ608にする切り替えが行われる。変倍部606を経由した画像信号は変倍率に合せて拡大縮小され、書き込みユニット607に送られる。画像メモリコントローラ608とセレクタ605間は、双方向に画像信号を入出力できる構成となっている。また、画像メモリコントローラ608等への設定や、読み取り部、書き込み部の制御を行うCPU609、及びそのプログラムやデータを格納するROM610、RAM611を備えている。更にCPU609は、画像メモリコントローラ608を介して、画像メモリ612のデータの書き込み、読み出しが行える。原稿を読み取り、読み取られた画像は、画像メモリコントローラ608内にある画像圧縮装置によって画像データを圧縮した後、画像メモリ612に送られる。このように画像圧縮を行うことで、限られた容量の画像メモリを有効に利用できる。また、一度に多くの原稿画像データを記憶することが出来るため、貯えられた原稿画像イメージデータをページ順に出力する事ができる。画像を出力する際には画像メモリ612のデータを画像メモリコントローラ608内の伸張装置で順次伸張しながら出力を行う。このように貯えられた原稿画像イメージデータをページ順に出力し、部数毎に原稿画像を回転させ、記録紙に出力することができる。他方、FAX送信時にはセレクタ605により黒データがFAX用イメージメモリ613に転送される。また、FAX受信時には、回線から受信データが復調、伸張された後にFAX用イメージメモリ613において展開された後、セレクタ605により書き込みユニット607に送られる。更に、プリンタデータ受信時には、プリンタ用イメージメモリ614において展開された後、セレクタ605により書き込みユニット607に送られる。
【0011】
画像読取装置について
次に、本発明の前提となる画像読取装置を説明する。
画像読取装置の構成についてはスキャナ部150について前記したとおりであるが、この装置を信号の流れと機能の側面から説明する。
図7は、本発明による画像読取装置700のブロック図を示す。読み取り対象である原稿600の光学像を光電変換素子、即ちCCDもしくはイメージセンサよりなる1次元のラインセンサ16により光電変換することにより原稿画像を読み取る。次いで、光電変換素子16から出力される読み取り画像信号はアナログ信号処理回路702に入力され、アナログ信号処理回路702において、信号の増幅、ノイズ成分の除去、画像信号の白レベルを一定化する可変増幅等のアナログ処理が行われる。画像信号に前記の処理を施した後、A/D変換回路703にてデジタル画像データに変換する。本実施例では、A/D変換の過程で、量子化のリファレンス電圧Vrefとして地肌信号レベルを設定することにより地肌除去(地肌飛ばし)を行う方式を採る。A/D変換回路703のリファレンス電圧Vrefとして設定するために検出される地肌信号は、アナログ信号処理回路702からの画像信号出力及びA/D変換後のデータに対しMTF補正値を反映する地肌除去(AE)回路705で検出し、出力される。その後、A/D変換後の画像データに対し画像処理ブロック704にてシェーディング補正及び2値化処理等のデジタル画像処理が施される。シェーディング補正及び2値化処理を行う場合を例にとると、γ補正、オフセット処理、MTF補正、平滑化処理、誤差拡散(またはディザ)、孤立点除去、OR処理等を施して2値データへの変換を行い画像データを出力する。
MCU706は画像読取装置全体を制御するもので、地肌除去(AE)回路705、露光ランプ11を点灯するインバータ708制御等を行う。また、タイミング信号発生回路707は光電変換素子16、アナログ信号処理回路702、地肌除去回路705、MCU706、画像読取装置の走行体、即ち露光ランプ11及び第1ミラー12を搭載する第1キャリッジを駆動するステッピングモータ711のモータドライバー710等への各種タイミング信号を発生する。
【0012】
次に本発明の画像読取装置の実施の形態について説明する。
画像読取装置の実施の形態(その1)
図8は、図7から切り出した本発明の露光ランプ11の点灯制御を説明するためのブロック図である。MCU706の出力はタイミング信号発生回路707に接続され、タイミング信号発生回路707は、モータドライバ710に対し、クロック信号CLK,励磁パターン信号、電流制御信号等を送出すると共に、正逆転信号を送出する。また、モータドライバ710はステッピングモータ711に接続されている。
他方MCUから出力されるランプON信号aは、タイミング信号発生回路707からの正逆転信号と共にAND回路800に入力され、AND回路800の出力はインバータ708を介して露光ランプ11に接続されている。
次にこの制御ブロックにおける露光ランプ11の点灯制御とステッピングモータ706の回転の制御の関係について述べる。
MCU706はタイミング信号発生回路707に信号を出力すると共に露光ランプ11に対してAND回路800、インバータ708を介してランプON信号aを出力する。タイミング信号発生回路707はクロック信号CLK、励磁パターン信号及び電流制御信号によりステッピングモータ711を制御している。この制御に際して、ステッピングモータ711の回転開始位置HP(ホームポジション)からの励磁パターン及びステップ数(移動距離)とリターン(逆回転)時の励磁パターンとステップ数(移動距離)とが一致するように設定されている。このように設定してはじめて、ステッピングモータ711の制御が開始するようになっており、ステッピングモータ711の動作開始後は、入力を受け付けないようにプログラムされている。
【0013】
図9はAND回路900の入出力のタイミングチャートである。
MCU706から露光ランプ11の点灯を指示するランプON信号aが出力される。MCU706はタイミング信号発生回路707に対しタイミング信号を出力する。この信号に基づいて、モータ711の正逆転信号bがタイミング信号発生回路707から出力される。モータ711の正逆転信号bがハイレベルのときステッピングモータ711を正転させ、ローレベルのとき逆転させるものである。タイミング信号発生回路707からの正逆転信号bとMCUからのランプON信号aのANDをとることにより、ランプ制御信号cが出力され、この信号に従って、インバータ708を介し露光ランプ11が点灯制御される。
このように、ランプ制御信号cはモータ711の正逆転信号bによって規定され、ランプ制御信号cがハイレベルの時ランプ11を点灯させ、ローレベルの時ランプ11を消灯させるものであるから、ソフトが暴走しランプON信号aがハイレベルを維持し続ける場合でも、モータ711の正逆転信号に従って確実にランプ11を点灯、消灯させることができ、露光ランプ11の異常過熱を防止することができる。
【0014】
画像読取装置の実施の形態(その2)
次に、スキャナの小型化を実現するための、露光ランプ11の点灯制御とモータ711の速度制御について説明する。
図10は露光ランプ11の光量とステッピングモータ711による露光ランプ11を有する走行体の往復動の速度との対応関係を示すタイミングチャートであり、即ち、図10(a)は露光ランプ11の光量の変化を示し、図10(b)は走行体の往復移動時の速度変化を示すタイミングチャートである。
露光ランプ11の点灯開始a1から立上り期間T1を経た時点a2からランプ11の光量は一定になる。この間走行体はスタート位置であるホームポジションHPから移動し、速度は0から一定速度に向けて増加する。この時点のa2で露光量は一定光量に到達するが、原稿の読み取りは開始されない。読み取りを開始するのは、動作開始後、期間T2が経過し、走行体の速度が一定速度に到達した後(a3)である。読み取りは時点(a3)から時点(a4)まで継続する。この間でランプ11の露光量、走行体の速度は一定速度である。読み取り終了してから、期間T3の間露光量は一定レベルを維持するが、走行体速度は一定速度から減速される。期間T3が経過した時点a5で露光ランプ11は消灯し、走行体の速度は0になり正転駆動は終了する。速度が0になって後(又は、一定の待機時間経過後)ステッピングモータ711は逆転し、走行体は復動を開始し、逆方向の加速期間を経て、一定速度になり再び減速期間を経て最後にHPに戻る(a6)。もちろん逆転駆動の間、読み取りは行われないからランプ11は点灯しない。以上がラインの一読み取り動作であるが、これが繰り返され原稿全体の読み取りが行われる。
【0015】
読み取りは、露光ランプ11の光量及び走行体の速度が一定であるという安定な状態で行われなければならない。走行体の走行時間は、読取装置の副走査方向に影響を与える。すなわち、速度一定の下では走行時間が長いと走行距離が長くなり、読取装置の副走査方向の長さが長くなる。したがって装置の副走査方向を短くする為には,走行体が安定走行に達するまでの時間(以下助走時間T2という)と露光ランプ11の光量が安定状態に達するまでの時間(以下立ち上がり時間T1という)を一致させる必要がある。少なくとも、上記走行体の助走時間(T2)を上記露光ランプ11の光量の立ち上がり時間(T1)に比して長くする必要がある。換言すれば、走行体の助走時間T2は、露光ランプ11の立上り時間T1より十分な時間(T1≦T2)となるよう設定する。逆に上記走行体の助走時間(T2)を上記露光の立ち上がり時間(T1)に比して短くするとT1>T2にすると、一定速度になっているが光量が足りない状態で、走行体の走行は続けられるので読み取り開始時間が遅れ、結果、読み取り期間が短縮されることになり、読み取りの幅が制限され実用的でない。この時読み取りの幅を所定寸法確保しようとすると、走行体の走行距離をT1−T2の走行距離だけ長くする必要があり、装置は副走査方向に大きくなるので望ましくない。
このため、走行体が往動するとき露光ランプ11を点灯させ、光量が一定になった後に、走行体が定速になるように露光及び走行体速度を制御することにより、装置の副走査方向を短くできる。
【0016】
画像読取装置の実施の形態(その3)
モータ711の正逆転信号を利用して、更に装置を小型化するための工夫を図11を用いて説明する。
図11は、図10と同様に光量と走行体の速度に関するタイミングチャートである。図11(a)は光量の時間変化を示し、図11(b)は走行体の速度変化を示すタイミングチャートである。
図11(b)で示すように、走行体が一定速度達成に必要な助走距離内(助走区間t1)において少なくとも1回以上のモータ711の正逆転駆動を行わせ、走行体の往復移動を行わせる。この時、露光ランプ11の露光量は、図11(a)に示されるとおり徐々に上昇し、時間t1が経過すると、所定光量に達する(b2)。この時、走行体は速度0で、ホームポジションHPに位置する。次に、走行体はホームポジションHPから、助走期間t2を経て読取開始位置(b3)に達し、速度も一定速度に到達する。原稿はこの一定速度で走査される。
他方、露光ランプ11の光量については助走期間t2内に露光ランプ11も一定光量に到達する(b2)。このようにして光量も走査速度も安定した状態(b3)で原稿の読取が行われる。その後読取が終了した後(b4)、走行体は減速し速度0になる(b5)。次にモータ711は逆転し、走行体は復動を開始する。復動は加速期間、定速期間、減速期間を経て、最終的に走行体はHPに戻る(b6)。これが、第3実施例の一走査の開始から終了までの一連の動作である。原稿読取走査は以後同様にしてなされる。
こうすることにより助走期間t1中に光量を増加でき、この間モータ711を正逆転させることで、走行体の前進を抑制し、走行体の助走距離を短縮化でき、装置の副走査方向方向の短縮化を図ることができる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、
走行体を往復駆動する正逆転モータ711の正逆転信号を用いて、露光ランプ11を点灯あるいは消灯するので、ソフト暴走時での露光ランプ11の連続点灯を防止できる。また、請求項2の発明によれば、露光ランプ11の立上がり達成時間(光量安定時間)後に走行体の一定速度達成時間を設定するので、装置を小型化できる。さらに、請求項3の発明によれば、走行体の一定速度達成時間以内に露光ランプ11の立上がり達成時間(光量安定時間)が到達するように走行体を助走距離内で正逆転駆動させて露光ランプ11を点灯するので、読取開始までの助走距離を最短にし、画像読取部(スキャナ)の副走査方向寸法を縮め、装置をコンパクトにすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する画像読取装置の一実施形態である複写機の概略構成を示す図である。
【図2】図1の複写機の自動原稿送り装置の開閉部分を示す図である。
【図3】図1の複写機の原稿サイズ検知センサの配置を示す図である。
【図4】図3の検知センサの構成について示す図である。
【図5】本発明の実施例の形態に係わる複写機の制御系のブロックを示す図である。
【図6】本発明を適用する画像読取・画像処理のブロック図である。
【図7】本発明の画像読取装置のブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係わる露光ランプの制御に係わるブロック図である。
【図9】図1に係わる信号のタイミングチャートを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係わる露光装置の光量と走行体の速度のタイミングチャートを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係わる露光装置の光量と走行体の速度のタイミングチャートを示す図である。
【図12】従来の露光ランプの制御に係るブロック図である。
【図13】従来の露光ランプの制御信号のタイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
1・・・複写機本体、10・・・コンタクトガラス、11・・・露光ランプ11、701・・・CCD、350・・・書き込みユニット、30・・・感光体ドラム、100・・・自動原稿送り装置、101・・・原稿給紙台、150・・・スキャナ部、706・・・MCU、707・・・タイミング信号発生回路、708・・・インバータ、710・・・モータドライバ、711・・・ステッピングモータ。
Claims (4)
- 露光ランプを有する走行体を原稿に対し相対的に往復移動させる画像読取装置において、走行体を往復移動させる正逆転モータの正逆転信号を用いて、往動時に前記ランプを点灯させ、復動時に前記ランプを消灯する点灯制御を行うことを特徴とする画像読取装置。
- 走行体が往動するとき露光ランプを点灯させ、光量が一定になった後に、走行体が定速になるように露光及び走行体速度の制御を行うことを特徴とする請求項1の画像読取装置。
- 走行体が往動する時、読み取り開始に先立って走行体を少なくとも1回以上正逆転駆動させ、この間に露光ランプが所定光量に到達するように、露光ランプを点灯制御することを特徴とする請求項1の画像読取装置。
- 請求項1乃至請求項3の画像読取装置を有する画像形成装置
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JP2002169156A JP3722433B2 (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 画像読取装置 |
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