JP2004012881A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置において、感光体ドラムに帯電ローラで帯電させる場合、帯電むらを防ぐため、直流成分に交流成分を重畳させて印加するが、その交流成分の周波数、及びその整数倍の周波数において、感光体ドラムと帯電ローラの間で、振動が発生する。この振動は感光体ドラムの表面から騒音となって出てくる。
【解決手段】感光体ドラム1と帯電ローラ2の間で発生する振動の振動数は、電源3によって与えられる電圧の、交流成分の周波数fac[Hz]の2倍の周波数であることが確かめられている。加振周波数と振動伝達率の関係のグラフから、帯電ローラ2の共振周波数をfr[Hz]としたとき、
fr<√(2)×2×fac ・・・(1)
の関係を満たすようにfacを定めることにより、感光体ドラム1と帯電ローラ2との間で発生する振動は、帯電ローラ2で増幅されることがない。
【選択図】 図1
【解決手段】感光体ドラム1と帯電ローラ2の間で発生する振動の振動数は、電源3によって与えられる電圧の、交流成分の周波数fac[Hz]の2倍の周波数であることが確かめられている。加振周波数と振動伝達率の関係のグラフから、帯電ローラ2の共振周波数をfr[Hz]としたとき、
fr<√(2)×2×fac ・・・(1)
の関係を満たすようにfacを定めることにより、感光体ドラム1と帯電ローラ2との間で発生する振動は、帯電ローラ2で増幅されることがない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真方式のコピー機・FAX・プリンタなどの帯電時における低騒音化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
騒音防止は吸音・遮音材による受動的な対策が中心だったが、能動騒音制御(Active Noise Control)は逆相の音を意図的に出して干渉で消す方法も用いられるようになってきた。考え方は古くからあるが、実際の応用では高度な制御技術が必要なためこれまでは実現してなかった。近年ようやく、信号処理技術の進歩などの発展で実現できるようになった。このようなアクティブノイズコントロールで有名なものは、冷蔵庫や自動車などに応用されたものがあり、これらは騒音に対して、スピーカーなどを用い逆位相の音を出すことによって干渉させて音を打ち消すものである。
【0003】
特第3097926では、能動的騒音制御方法を自動車などに応用した例を記載している。さらに特開平5−142887号公報では、能動的騒音制御方法を複写機に応用した例が記載されている。これらは、スピ−カ−などで騒音と逆位相の音を出し、騒音と干渉させ、騒音を打ち消している。このようにOA機器等が発する騒音の機器外部への漏れを遮断するために、受動的騒音制御方法の消音装置や能動的騒音制御方法の消音装置が効果的に利用されている。また、帯電騒音の低減として特開平7−199731では、被加振体である感光体ドラムにダイナミックダンパーを設けることによりドラムの振動を低減し結果として生じる騒音を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12は本発明が適用しうる画像形成装置の一例を示す概略図である。
同図に示すような画像形成装置の感光体ユニットでは、ローラを用いた帯電方式を用いた場合、印加電圧を直流のみで与えると帯電むらが生じやすい。そこで、通常は直流成分に交流成分を重畳させて与える。ところが、ローラに印加する交流成分の周波数、及びその整数倍の周波数において、ローラが加振源となってしまう。これが感光体を加振することになり、感光体表面が音響放射面となって騒音を発生する問題になる。しかし、これら感光体周りの構成は画像形成において必要不可欠なものであり、感光体ユニットにおける騒音の低減が望まれている。そこで、本発明では加振源となっている帯電ローラの振動を、共振を避けることにより低減させたり、音響放射面となっている感光体ドラム内部に振動減衰と共鳴による低騒音化の機能をあわせ持った帯電プロセスで発生する帯電時騒音を低減させることを狙ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
両端を支持された前記帯電ローラの共振周波数がfr[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fr<√(2)×2×fac ・・・(1)
となるよう定めたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラムの共振周波数がfd[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fd<√(2)×2×fac ・・・(2)
となるよう定めたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明では、電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記感光体ドラムの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明では、電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数fac[Hz]が、
2×fac>12000・・・(3)
となるように設定することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラ、もしくは前記感光体ドラムの共振時における曲げの振動モードにおいて、前記帯電ローラの曲げの腹の部分と前記感光体ドラムが接触しない大きさに、前記帯電ローラと前記感光体ドラムの間の隙間が設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする
【0013】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系のほかに、共振周波数が前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍となるような振動系を少なくとも1つ、有することを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明では請求項1ないし10のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラム内に前記感光体ドラムの振動を減衰可能な振動吸収部材を設け、該振動吸収部材により、空間の体積をV、短管の長さをLH、短管の断面積をSHとするヘルムホルツ共鳴器を構成し、音速をcとした時、これらパラメータにより
fH=c/(2×π)×√{SH/(V×LH)}・・・(4)
で決定される消音周波数fHを前記交流成分の周波数fac、または、その2倍に一致させることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の感光体ユニットにおいて、前記消音周波数fHの整数倍の周波数の消音周波数を有するヘルムホルツ共鳴器を少なくとも1つ追加したことを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の感光体ユニットを有する画像形成装置を特徴とする。
【0017】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラの振動の増幅率は1より小さくなる。
請求項2記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムの振動の増幅率は1より小さくなる。
請求項3記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラはほとんど共振しない。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数に対して、感光体ドラムはほとんど共振しない。
請求項5記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数に対して、帯電ローラと感光体ドラムの双方がほとんど共振しない。
請求項6記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって発生する騒音の周波数が、人の聴覚感度で10dB以上も感度が低減する周波数となる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、帯電ローラと感光体ドラムが相互の振動によっても接触することが無い。
請求項8記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがその2倍の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項9記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがより高次の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項10記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラが複数のモードで振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた複数の振動系がそれぞれに共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項11記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する音波をヘルムホルツ共鳴器で消音する。
請求項12記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍、及びさらにその整数倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する複数の周波数の音波を複数のヘルムホルツ共鳴器で消音する。
請求項13記載の発明によれば、騒音の少ない画像形成装置が得られる。
【0020】
【実施の形態】
図1は本発明を適用する感光体ユニットの主要部を説明するための図である。
図1において、符号1は感光体としての感光体ドラム、2は帯電ローラ、3は電源をそれぞれ示す。
帯電ローラ2は両端部の直径がやや大きい絶縁性の大径部を有し、感光体ドラム1の両端の非画像形成部に上記大径部を接触させて、感光体ドラム1の回転に連れ回りさせる。したがって、帯電ローラ2の両端部以外は感光体ドラム1に接触せず、感光体ドラム1の画像形成領域は帯電ローラ2とわずかな隙間を保って対向面が同方向に回転する。帯電ローラ2には帯電用の電源3の一方の端子が接続されている。電源3の他方の端子は接地されており、図示していないが感光体ドラム1の内側の面も、感光体ドラムを支持する部材を介して接地されており、電源3、帯電ローラ2、感光体1が接地を介して閉回路を形成する。
【0021】
帯電ローラ2と感光体ドラム1は絶縁性の大径部で接触しているのみなので、電気的に直接の閉回路を形成しているわけではない。ただ、両者の間の隙間は非常に小さいので、電源の電圧をあまり大きくしなくても両者の間で放電が発生し、帯電電流が流れる。この帯電電流により、感光体ドラム1の画像形成領域に均一に帯電させることができる。
ただし、前述したように、単に直流電圧をかけただけでは、帯電むらが生じやすいので、直流成分Vdcに対し、通常は所定の周波数fac、所定の電圧Vacの交流を重畳して与える。
【0022】
帯電ローラ2と感光体ドラム1表面は、感光体ドラム1が帯電することにより、静電力で互いに引き合うが、印加する電圧が交流であるため、吸引力の強弱が生じ、帯電の印加周波数fac[Hz]の2倍の周波数(以後振動周波数frdと表現する。すなわち frd=2×fac)で両者の間に振動が発生することになる。見方を変えれば、帯電ローラ2が感光体ドラム1を加振したともいえる。この感光体ドラム1の振動により、ドラム表面が音響放射面となって騒音が発生する。
【0023】
図2は加振周波数の変化による振動伝達率を示す図である。
図のように、加振周波数/共振周波数が1になった時、すなわち共振周波数に加振周波数が一致した時、振動増幅率は最大となり、振動が大きくなる。また、加振周波数/共振周波数が√(2)より大きい範囲では、振動の増幅率は1より小さくなり、振動が低減されることを示す。これは、帯電ローラ2においても、また感光体ドラム1においても同様である。両端を支持された帯電ローラ2の共振周波数fr[Hz]と帯電ローラ2から感光体ドラム1に印加する振動周波数frdを、下式
fr<√(2)×frd ・・・(1)
の関係にすることにより、プロセス上必要とされる帯電の電圧を変化させること無く、加振源である帯電ローラ2の加振力を低減することができ、結果として被加振体で音響放射面となっている感光体ドラム1への加振力を低減することとなり、騒音が低下できる。
【0024】
帯電ローラ2と感光体ドラム1とは、相互作用により振動するのであるから、逆に見れば、帯電ローラ2が感光体ドラム1によって加振されているとも言える。したがって、感光体ドラム1の共振周波数をfd[Hz]とすれば、式(1)と同様に、
fd<√(2)×frd ・・・(2)
の関係が成り立つように設定することで、感光体ドラム1自身の振動を低減することができ、騒音が低下できる。
【0025】
図3は両端を支持された帯電ローラ2の周波数応答関数の一例を示す図である。
図において、加振源である帯電ローラ2は、複数の固有振動数(共振周波数)を持ち、帯電ローラ2自身に一定のエネルギーを与えた際には、同グラフでピークを持つ周波数において大きく振動する。したがって、グラフの谷となっている反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数が、前記の振動周波数frdとなるよう、感光体ドラム1への電圧印加を行うことにより、帯電ローラ2の加振力を低減することができ、感光体ドラム1に加わる加振力が低減できるため騒音が低下する。
【0026】
図示はしないが、感光体ドラム1においても同様に、複数の固有振動数(共振周波数)を持ち、また複数の谷(反共振周波数)を持つ。したがって、グラフの谷となっている反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数を選んで、前記の振動周波数frdとなるよう、感光体ドラム1への電圧印加を行うことにより、感光体ドラム1自身の振動を低減することができ、騒音が低下できる。
【0027】
感光体ドラム1と、帯電ローラ2とは基本構成が異なるので、両者の反共振周波数を一致させることは簡単ではないが、両者を一致させることができれば、両者の振動を同時に低減させることができるので、騒音低下に大きく寄与できる。
【0028】
図4はラウドネス曲線を示す図である。
図4は人間の聴覚の感度に合わせた補正の曲線であり、同じ大きさに聞こえる値を結んだものである。帯電ローラから感光体ドラムに印加する振動周波数frdが、この聴覚の感度により聞こえにくい周波数帯域又は可聴域以外であれば、感光体から発せられる騒音レベルは小さく聞こえることとなる。
【0029】
図5は帯電ローラから感光体ドラムに印加する電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時の音圧レベルを示す図である。同図に示されるように、facの2倍である6000Hzの騒音レベルが最も大きい。したがって、帯電騒音に関して最も騒音レベルの大きくなる周波数である、印加周波数の2倍の周波数が、
2×fac>12000 ・・・(3)
で示すように、聴覚感度で10dB以上も感度が低減する12000Hz以上となるようにすることによって、騒音と認識されるレベルが低下するため低騒音化となる。
【0030】
図6は帯電ローラの1次の曲げモードを説明する概略図である。
図において、両端2a、2aにより支持されている帯電ローラ2は、共振する際に同図のような曲げのモードを示す。1次の曲げモードだけでなく2次、3次・・・といったように複数の曲げモードを持つ。このときに、曲げられたローラの腹部分2bが、不図示の感光体ドラム1を打撃する加振状態となり、騒音を発生する。したがって、曲げモードを発生した際に帯電ローラと感光体が接触しないように両者の間に所定のギャップを持たせるなどの構成とすることで、低騒音化が可能である。
【0031】
図7は本発明の他の実施例を説明するための図である。
図において、符号4は帯電ローラ押し当て機構部、5は重り、6は弾性体をそれぞれ示す。
帯電ローラ2の両端と感光体1を接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部4に、前記振動周波数frdに等しい共振周波数を持つ振動系を構成する。図のように、実際に感光体ユニットへ構成される際に、帯電ローラを押し当てる部材をもち、その部分にある質量mをもつ重り5と、弾性係数kを有する弾性体6から構成される固有振動周波数fmの振動系を付加する。帯電ローラで発生する振動エネルギーを、この振動系がゆれることによりエネルギーを消散し、感光体への加振エネルギーが低減する仕組みである。したがって、帯電ローラから感光体ドラムに印加する振動周波数frdが、重り5と、弾性体6により次式
fm=1/(2×π)×√(k/m) ・・・(5)
で決定される値になるようにすることで周波数frdの低騒音化が可能である。
たとえば、mが0.01[kg]、kが14212[kN]のとき、振動系の共振周波数は、約6000Hzとなり帯電プロセスにより発生する周波数frdが6000Hzの時の振動、騒音を低減することができる。
【0032】
質量mを有する重り5と、弾性係数kを有する弾性体6により、式(3)と同様の式により決定される周波数fmを、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの整数倍の周波数に一致するよう設定することにより、振動周波数frdの整数倍の周波数である騒音が低減可能となる。、
【0033】
図8は本発明のさらに他の実施例を示す図である。
帯電ローラ押し当て機構部4に、図7で示すような振動系を複数持たせたものであり、図8は3個の例を示している。複数の振動系を第1〜第3の振動系とし、それぞれを区別するため、添え字n(n=1,2,3)をつけて表示する。
質量m1を有する重り51と、弾性係数k1を有する弾性体61からなる第1の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdに一致するよう設定されている。
【0034】
質量m2を有する重り52と、弾性係数k2を有する弾性体62からなる第2の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの2倍の周波数に一致するよう設定されている。
質量m3を有する重り53と、弾性係数k3を有する弾性体63からなる第3の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの3倍もしくは4倍の周波数に一致するよう設定される。
【0035】
このような構成にすることにより、複合モード的に発生する騒音のうち、特に共振によって発生する騒音を大幅に低減することが可能になる。
【0036】
図9は本発明のさらに他の実施例に用いる共鳴器を説明するための図である。
図において、符号10は共鳴器、11は空洞体、12は短管をそれぞれ示す。空洞体11の空間の体積をVとし、短管12の長さをLH、断面積をSHとする。短管は両端開口になっている。なお、図は共鳴器の実効部分のみを示しており、隔壁は省略してある。
このような共鳴器はヘルムホルツ共鳴器と呼ばれ、エネルギーを消散させ騒音を低減させる方法として用いられ、次式(4)で示す周波数fHに対して消音効果をもたらす。ただし、cは音速である。
fH=c/(2×π)×√{SH/(V×LH)} ・・・(4)
【0037】
図10は感光体ドラム内部にヘルムホルツ共鳴器を構成した概略図である。共鳴器を構成する隔壁の素材は何を用いても良いので、ここでは振動吸収性の素材を用いるようにする。振動吸収性の素材としては、ブチルゴムなどの振動減衰効果が大きいものが最適であるが、発泡体などであれば特に限定は無く、少しでも振動減衰効果の得られる材料であれば良い。
【0038】
式(4)で示す周波数fHが帯電プロセスにより発生する振動周波数frdに一致するよう設定する。図5の例で言えば、帯電電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時、消音周波数fHが6000Hzとなるように設定することで、素材の振動吸収による静音効果と、ヘルムホルツ共鳴器による特定周波数の消音効果の2つの効果が得られ、帯電プロセスにおける低騒音化につながる。なお、図5に見られるように交流成分の周波数facと等しい周波数3000Hzにおける音圧レベルが無視できない程度に大きいのと、図4に見られるようにこの周波数あたりが可聴周波数の中で最もレスポンスが高いことを踏まえ、共鳴器の消音周波数を周波数facに一致させてもよい。
【0039】
図11は複数の共鳴器を感光体ドラムの中に構成した例を示す概略図である。式(4)から明らかなように、より高い周波数に適合させるためには、短管の断面積を大きくするか、短管の長さを小さくするか、あるいは、空間の体積を小さくすることで対処できる。すなわち、上記の3つのパラメータを適宜変えて、消音可能な周波数fHを帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの整数倍の周波数に一致するよう設定することで、その周波数に対する消音効果が得られる。
【0040】
図において、左側に示した共鳴器101は、図10において示した共鳴器と同じもの示す。すなわち、消音可能な周波数fH1はfac、または、frd=2×facである。それぞれのパラメータをSH1、LH1、V1とする。右側に示した共鳴器102は、周波数fH1より大きく、振動周波数frdの整数倍の周波数に対して消音効果が得られるようにパラメータSH2、LH2、V2を設定してある。
【0041】
共鳴器101のパラメータが定まっている場合に、共鳴器102の消音周波数fH2を、共鳴器101の周波数fH1の2倍の周波数に一致させる場合、すなわち、fH2=2×fH1を考える。表現を簡単にするため、両辺を2乗した式、fH2 2=4×fH1 2で考える。
この式を式(4)に当てはめて、不要な項を約すと、
SH2/(V2×LH2)=4×SH1/(V1×LH1) ・・ ・(6)
となる。すなわち、単一のパラメータだけでこの式を満足させるためには、短管の断面積を4倍にするか、短管の長さを4分の1にするか、空間の体積を4分の1にすればよい。実際の設計に当たっては、これら3つのパラメータすべてを用いて式(5)を満足させるようにし、特定のパラメータに無理がかからないようにするのが得策である。図11はこのようにして3つのパラメータをすべて変えて構成した例を示している。
【0042】
図11は説明の簡略化のために、2個の共鳴器を用いる例で示したが、必要に応じて、3個以上の共鳴器を組み込むこともできる。3個以上組み込むために、1個当たりの大きさを小さくしなければならないときは、空間の体積を小さくすればよい。それによって消音周波数が変わらないようにするためには、短管の長さを長くしたり、短管の断面積を小さくしたりすればよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動は、帯電ローラで増幅されることがない。
請求項2の発明によれば、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動は、感光体ドラムで増幅されることがない。
【0044】
請求項3の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラはほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、帯電ローラの振動も直ちに止まる。
請求項4の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムはほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、感光体ドラムの振動も直ちに止まる。
【0045】
請求項5の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムも帯電ローラもほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、感光体ドラムの振動も、帯電ローラの振動も直ちに止まる。
【0046】
請求項6の発明によれば、振動そのものを低減できなくても、発生する騒音に対する聴覚感度が十分低いので、不愉快な騒音として感じないで済む。
請求項7の発明によれば、帯電ローラと感光体が相互の振動によっても接触することが無いので、両者の衝突による騒音は発生しない。
【0047】
請求項8の発明によれば、帯電ローラが振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。請求項9の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがより高次の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。
【0048】
請求項10の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラが複数のモードで振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた複数の振動系がそれぞれに共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。
【0049】
請求項11の発明によれば、感光体ドラムが振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する音波をヘルムホルツ共鳴器で消音することができる。
請求項12の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍、及びさらにその整数倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する複数の周波数の音波を複数のヘルムホルツ共鳴器で消音することができる。
請求項13の発明によれば、騒音の少ない画像形成装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する感光体ユニットの主要部を説明するための図である。
【図2】加振周波数の変化による振動伝達率を示す図である。
【図3】両端を支持された帯電ローラの周波数応答関数の一例を示す図である。
【図4】ラウドネス曲線を示す図である。
【図5】帯電ローラから感光体ドラムに印加する電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時の音圧レベルを示す図である。
【図6】帯電ローラの1次の曲げモードを説明する概略図である。
【図7】本発明の他の実施例を説明するための図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例に用いる共鳴器を説明するための図である。
【図10】感光体ドラム内部にヘルムホルツ共鳴器を構成した概略図である。
【図11】複数の共鳴器を感光体ドラムの中に構成した例を示す概略図である
【図12】本発明が適用しうる画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 電源
4 帯電ローラ押し当て機構部
5 重り
6 弾性体
10 共鳴器
11 空洞体
12 短管
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真方式のコピー機・FAX・プリンタなどの帯電時における低騒音化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
騒音防止は吸音・遮音材による受動的な対策が中心だったが、能動騒音制御(Active Noise Control)は逆相の音を意図的に出して干渉で消す方法も用いられるようになってきた。考え方は古くからあるが、実際の応用では高度な制御技術が必要なためこれまでは実現してなかった。近年ようやく、信号処理技術の進歩などの発展で実現できるようになった。このようなアクティブノイズコントロールで有名なものは、冷蔵庫や自動車などに応用されたものがあり、これらは騒音に対して、スピーカーなどを用い逆位相の音を出すことによって干渉させて音を打ち消すものである。
【0003】
特第3097926では、能動的騒音制御方法を自動車などに応用した例を記載している。さらに特開平5−142887号公報では、能動的騒音制御方法を複写機に応用した例が記載されている。これらは、スピ−カ−などで騒音と逆位相の音を出し、騒音と干渉させ、騒音を打ち消している。このようにOA機器等が発する騒音の機器外部への漏れを遮断するために、受動的騒音制御方法の消音装置や能動的騒音制御方法の消音装置が効果的に利用されている。また、帯電騒音の低減として特開平7−199731では、被加振体である感光体ドラムにダイナミックダンパーを設けることによりドラムの振動を低減し結果として生じる騒音を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12は本発明が適用しうる画像形成装置の一例を示す概略図である。
同図に示すような画像形成装置の感光体ユニットでは、ローラを用いた帯電方式を用いた場合、印加電圧を直流のみで与えると帯電むらが生じやすい。そこで、通常は直流成分に交流成分を重畳させて与える。ところが、ローラに印加する交流成分の周波数、及びその整数倍の周波数において、ローラが加振源となってしまう。これが感光体を加振することになり、感光体表面が音響放射面となって騒音を発生する問題になる。しかし、これら感光体周りの構成は画像形成において必要不可欠なものであり、感光体ユニットにおける騒音の低減が望まれている。そこで、本発明では加振源となっている帯電ローラの振動を、共振を避けることにより低減させたり、音響放射面となっている感光体ドラム内部に振動減衰と共鳴による低騒音化の機能をあわせ持った帯電プロセスで発生する帯電時騒音を低減させることを狙ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
両端を支持された前記帯電ローラの共振周波数がfr[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fr<√(2)×2×fac ・・・(1)
となるよう定めたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラムの共振周波数がfd[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fd<√(2)×2×fac ・・・(2)
となるよう定めたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明では、
電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明では、電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記感光体ドラムの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明では、電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数fac[Hz]が、
2×fac>12000・・・(3)
となるように設定することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラ、もしくは前記感光体ドラムの共振時における曲げの振動モードにおいて、前記帯電ローラの曲げの腹の部分と前記感光体ドラムが接触しない大きさに、前記帯電ローラと前記感光体ドラムの間の隙間が設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする
【0013】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系のほかに、共振周波数が前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍となるような振動系を少なくとも1つ、有することを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明では請求項1ないし10のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラム内に前記感光体ドラムの振動を減衰可能な振動吸収部材を設け、該振動吸収部材により、空間の体積をV、短管の長さをLH、短管の断面積をSHとするヘルムホルツ共鳴器を構成し、音速をcとした時、これらパラメータにより
fH=c/(2×π)×√{SH/(V×LH)}・・・(4)
で決定される消音周波数fHを前記交流成分の周波数fac、または、その2倍に一致させることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の感光体ユニットにおいて、前記消音周波数fHの整数倍の周波数の消音周波数を有するヘルムホルツ共鳴器を少なくとも1つ追加したことを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の感光体ユニットを有する画像形成装置を特徴とする。
【0017】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラの振動の増幅率は1より小さくなる。
請求項2記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムの振動の増幅率は1より小さくなる。
請求項3記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラはほとんど共振しない。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数に対して、感光体ドラムはほとんど共振しない。
請求項5記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数に対して、帯電ローラと感光体ドラムの双方がほとんど共振しない。
請求項6記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって発生する騒音の周波数が、人の聴覚感度で10dB以上も感度が低減する周波数となる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、帯電ローラと感光体ドラムが相互の振動によっても接触することが無い。
請求項8記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがその2倍の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項9記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがより高次の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項10記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラが複数のモードで振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた複数の振動系がそれぞれに共振して振動エネルギーを吸収する。
請求項11記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する音波をヘルムホルツ共鳴器で消音する。
請求項12記載の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍、及びさらにその整数倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する複数の周波数の音波を複数のヘルムホルツ共鳴器で消音する。
請求項13記載の発明によれば、騒音の少ない画像形成装置が得られる。
【0020】
【実施の形態】
図1は本発明を適用する感光体ユニットの主要部を説明するための図である。
図1において、符号1は感光体としての感光体ドラム、2は帯電ローラ、3は電源をそれぞれ示す。
帯電ローラ2は両端部の直径がやや大きい絶縁性の大径部を有し、感光体ドラム1の両端の非画像形成部に上記大径部を接触させて、感光体ドラム1の回転に連れ回りさせる。したがって、帯電ローラ2の両端部以外は感光体ドラム1に接触せず、感光体ドラム1の画像形成領域は帯電ローラ2とわずかな隙間を保って対向面が同方向に回転する。帯電ローラ2には帯電用の電源3の一方の端子が接続されている。電源3の他方の端子は接地されており、図示していないが感光体ドラム1の内側の面も、感光体ドラムを支持する部材を介して接地されており、電源3、帯電ローラ2、感光体1が接地を介して閉回路を形成する。
【0021】
帯電ローラ2と感光体ドラム1は絶縁性の大径部で接触しているのみなので、電気的に直接の閉回路を形成しているわけではない。ただ、両者の間の隙間は非常に小さいので、電源の電圧をあまり大きくしなくても両者の間で放電が発生し、帯電電流が流れる。この帯電電流により、感光体ドラム1の画像形成領域に均一に帯電させることができる。
ただし、前述したように、単に直流電圧をかけただけでは、帯電むらが生じやすいので、直流成分Vdcに対し、通常は所定の周波数fac、所定の電圧Vacの交流を重畳して与える。
【0022】
帯電ローラ2と感光体ドラム1表面は、感光体ドラム1が帯電することにより、静電力で互いに引き合うが、印加する電圧が交流であるため、吸引力の強弱が生じ、帯電の印加周波数fac[Hz]の2倍の周波数(以後振動周波数frdと表現する。すなわち frd=2×fac)で両者の間に振動が発生することになる。見方を変えれば、帯電ローラ2が感光体ドラム1を加振したともいえる。この感光体ドラム1の振動により、ドラム表面が音響放射面となって騒音が発生する。
【0023】
図2は加振周波数の変化による振動伝達率を示す図である。
図のように、加振周波数/共振周波数が1になった時、すなわち共振周波数に加振周波数が一致した時、振動増幅率は最大となり、振動が大きくなる。また、加振周波数/共振周波数が√(2)より大きい範囲では、振動の増幅率は1より小さくなり、振動が低減されることを示す。これは、帯電ローラ2においても、また感光体ドラム1においても同様である。両端を支持された帯電ローラ2の共振周波数fr[Hz]と帯電ローラ2から感光体ドラム1に印加する振動周波数frdを、下式
fr<√(2)×frd ・・・(1)
の関係にすることにより、プロセス上必要とされる帯電の電圧を変化させること無く、加振源である帯電ローラ2の加振力を低減することができ、結果として被加振体で音響放射面となっている感光体ドラム1への加振力を低減することとなり、騒音が低下できる。
【0024】
帯電ローラ2と感光体ドラム1とは、相互作用により振動するのであるから、逆に見れば、帯電ローラ2が感光体ドラム1によって加振されているとも言える。したがって、感光体ドラム1の共振周波数をfd[Hz]とすれば、式(1)と同様に、
fd<√(2)×frd ・・・(2)
の関係が成り立つように設定することで、感光体ドラム1自身の振動を低減することができ、騒音が低下できる。
【0025】
図3は両端を支持された帯電ローラ2の周波数応答関数の一例を示す図である。
図において、加振源である帯電ローラ2は、複数の固有振動数(共振周波数)を持ち、帯電ローラ2自身に一定のエネルギーを与えた際には、同グラフでピークを持つ周波数において大きく振動する。したがって、グラフの谷となっている反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数が、前記の振動周波数frdとなるよう、感光体ドラム1への電圧印加を行うことにより、帯電ローラ2の加振力を低減することができ、感光体ドラム1に加わる加振力が低減できるため騒音が低下する。
【0026】
図示はしないが、感光体ドラム1においても同様に、複数の固有振動数(共振周波数)を持ち、また複数の谷(反共振周波数)を持つ。したがって、グラフの谷となっている反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数を選んで、前記の振動周波数frdとなるよう、感光体ドラム1への電圧印加を行うことにより、感光体ドラム1自身の振動を低減することができ、騒音が低下できる。
【0027】
感光体ドラム1と、帯電ローラ2とは基本構成が異なるので、両者の反共振周波数を一致させることは簡単ではないが、両者を一致させることができれば、両者の振動を同時に低減させることができるので、騒音低下に大きく寄与できる。
【0028】
図4はラウドネス曲線を示す図である。
図4は人間の聴覚の感度に合わせた補正の曲線であり、同じ大きさに聞こえる値を結んだものである。帯電ローラから感光体ドラムに印加する振動周波数frdが、この聴覚の感度により聞こえにくい周波数帯域又は可聴域以外であれば、感光体から発せられる騒音レベルは小さく聞こえることとなる。
【0029】
図5は帯電ローラから感光体ドラムに印加する電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時の音圧レベルを示す図である。同図に示されるように、facの2倍である6000Hzの騒音レベルが最も大きい。したがって、帯電騒音に関して最も騒音レベルの大きくなる周波数である、印加周波数の2倍の周波数が、
2×fac>12000 ・・・(3)
で示すように、聴覚感度で10dB以上も感度が低減する12000Hz以上となるようにすることによって、騒音と認識されるレベルが低下するため低騒音化となる。
【0030】
図6は帯電ローラの1次の曲げモードを説明する概略図である。
図において、両端2a、2aにより支持されている帯電ローラ2は、共振する際に同図のような曲げのモードを示す。1次の曲げモードだけでなく2次、3次・・・といったように複数の曲げモードを持つ。このときに、曲げられたローラの腹部分2bが、不図示の感光体ドラム1を打撃する加振状態となり、騒音を発生する。したがって、曲げモードを発生した際に帯電ローラと感光体が接触しないように両者の間に所定のギャップを持たせるなどの構成とすることで、低騒音化が可能である。
【0031】
図7は本発明の他の実施例を説明するための図である。
図において、符号4は帯電ローラ押し当て機構部、5は重り、6は弾性体をそれぞれ示す。
帯電ローラ2の両端と感光体1を接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部4に、前記振動周波数frdに等しい共振周波数を持つ振動系を構成する。図のように、実際に感光体ユニットへ構成される際に、帯電ローラを押し当てる部材をもち、その部分にある質量mをもつ重り5と、弾性係数kを有する弾性体6から構成される固有振動周波数fmの振動系を付加する。帯電ローラで発生する振動エネルギーを、この振動系がゆれることによりエネルギーを消散し、感光体への加振エネルギーが低減する仕組みである。したがって、帯電ローラから感光体ドラムに印加する振動周波数frdが、重り5と、弾性体6により次式
fm=1/(2×π)×√(k/m) ・・・(5)
で決定される値になるようにすることで周波数frdの低騒音化が可能である。
たとえば、mが0.01[kg]、kが14212[kN]のとき、振動系の共振周波数は、約6000Hzとなり帯電プロセスにより発生する周波数frdが6000Hzの時の振動、騒音を低減することができる。
【0032】
質量mを有する重り5と、弾性係数kを有する弾性体6により、式(3)と同様の式により決定される周波数fmを、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの整数倍の周波数に一致するよう設定することにより、振動周波数frdの整数倍の周波数である騒音が低減可能となる。、
【0033】
図8は本発明のさらに他の実施例を示す図である。
帯電ローラ押し当て機構部4に、図7で示すような振動系を複数持たせたものであり、図8は3個の例を示している。複数の振動系を第1〜第3の振動系とし、それぞれを区別するため、添え字n(n=1,2,3)をつけて表示する。
質量m1を有する重り51と、弾性係数k1を有する弾性体61からなる第1の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdに一致するよう設定されている。
【0034】
質量m2を有する重り52と、弾性係数k2を有する弾性体62からなる第2の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの2倍の周波数に一致するよう設定されている。
質量m3を有する重り53と、弾性係数k3を有する弾性体63からなる第3の振動系は、帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの3倍もしくは4倍の周波数に一致するよう設定される。
【0035】
このような構成にすることにより、複合モード的に発生する騒音のうち、特に共振によって発生する騒音を大幅に低減することが可能になる。
【0036】
図9は本発明のさらに他の実施例に用いる共鳴器を説明するための図である。
図において、符号10は共鳴器、11は空洞体、12は短管をそれぞれ示す。空洞体11の空間の体積をVとし、短管12の長さをLH、断面積をSHとする。短管は両端開口になっている。なお、図は共鳴器の実効部分のみを示しており、隔壁は省略してある。
このような共鳴器はヘルムホルツ共鳴器と呼ばれ、エネルギーを消散させ騒音を低減させる方法として用いられ、次式(4)で示す周波数fHに対して消音効果をもたらす。ただし、cは音速である。
fH=c/(2×π)×√{SH/(V×LH)} ・・・(4)
【0037】
図10は感光体ドラム内部にヘルムホルツ共鳴器を構成した概略図である。共鳴器を構成する隔壁の素材は何を用いても良いので、ここでは振動吸収性の素材を用いるようにする。振動吸収性の素材としては、ブチルゴムなどの振動減衰効果が大きいものが最適であるが、発泡体などであれば特に限定は無く、少しでも振動減衰効果の得られる材料であれば良い。
【0038】
式(4)で示す周波数fHが帯電プロセスにより発生する振動周波数frdに一致するよう設定する。図5の例で言えば、帯電電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時、消音周波数fHが6000Hzとなるように設定することで、素材の振動吸収による静音効果と、ヘルムホルツ共鳴器による特定周波数の消音効果の2つの効果が得られ、帯電プロセスにおける低騒音化につながる。なお、図5に見られるように交流成分の周波数facと等しい周波数3000Hzにおける音圧レベルが無視できない程度に大きいのと、図4に見られるようにこの周波数あたりが可聴周波数の中で最もレスポンスが高いことを踏まえ、共鳴器の消音周波数を周波数facに一致させてもよい。
【0039】
図11は複数の共鳴器を感光体ドラムの中に構成した例を示す概略図である。式(4)から明らかなように、より高い周波数に適合させるためには、短管の断面積を大きくするか、短管の長さを小さくするか、あるいは、空間の体積を小さくすることで対処できる。すなわち、上記の3つのパラメータを適宜変えて、消音可能な周波数fHを帯電プロセスにより発生する振動周波数frdの整数倍の周波数に一致するよう設定することで、その周波数に対する消音効果が得られる。
【0040】
図において、左側に示した共鳴器101は、図10において示した共鳴器と同じもの示す。すなわち、消音可能な周波数fH1はfac、または、frd=2×facである。それぞれのパラメータをSH1、LH1、V1とする。右側に示した共鳴器102は、周波数fH1より大きく、振動周波数frdの整数倍の周波数に対して消音効果が得られるようにパラメータSH2、LH2、V2を設定してある。
【0041】
共鳴器101のパラメータが定まっている場合に、共鳴器102の消音周波数fH2を、共鳴器101の周波数fH1の2倍の周波数に一致させる場合、すなわち、fH2=2×fH1を考える。表現を簡単にするため、両辺を2乗した式、fH2 2=4×fH1 2で考える。
この式を式(4)に当てはめて、不要な項を約すと、
SH2/(V2×LH2)=4×SH1/(V1×LH1) ・・ ・(6)
となる。すなわち、単一のパラメータだけでこの式を満足させるためには、短管の断面積を4倍にするか、短管の長さを4分の1にするか、空間の体積を4分の1にすればよい。実際の設計に当たっては、これら3つのパラメータすべてを用いて式(5)を満足させるようにし、特定のパラメータに無理がかからないようにするのが得策である。図11はこのようにして3つのパラメータをすべて変えて構成した例を示している。
【0042】
図11は説明の簡略化のために、2個の共鳴器を用いる例で示したが、必要に応じて、3個以上の共鳴器を組み込むこともできる。3個以上組み込むために、1個当たりの大きさを小さくしなければならないときは、空間の体積を小さくすればよい。それによって消音周波数が変わらないようにするためには、短管の長さを長くしたり、短管の断面積を小さくしたりすればよい。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動は、帯電ローラで増幅されることがない。
請求項2の発明によれば、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動は、感光体ドラムで増幅されることがない。
【0044】
請求項3の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、帯電ローラはほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、帯電ローラの振動も直ちに止まる。
請求項4の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムはほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、感光体ドラムの振動も直ちに止まる。
【0045】
請求項5の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって、感光体ドラムと帯電ローラとの間で発生する振動に対して、感光体ドラムも帯電ローラもほとんど共振しないので、振幅が増幅されることはなく、交流成分の入力が止まれば、感光体ドラムの振動も、帯電ローラの振動も直ちに止まる。
【0046】
請求項6の発明によれば、振動そのものを低減できなくても、発生する騒音に対する聴覚感度が十分低いので、不愉快な騒音として感じないで済む。
請求項7の発明によれば、帯電ローラと感光体が相互の振動によっても接触することが無いので、両者の衝突による騒音は発生しない。
【0047】
請求項8の発明によれば、帯電ローラが振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。請求項9の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラがより高次の周波数で振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた振動系が共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。
【0048】
請求項10の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって帯電ローラが複数のモードで振動しても、帯電ローラ押し当て機構部に設けられた複数の振動系がそれぞれに共振して振動エネルギーを吸収するので、帯電ローラ自身の振幅が大きくならず、したがって、発生する騒音を低減することができる。
【0049】
請求項11の発明によれば、感光体ドラムが振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する音波をヘルムホルツ共鳴器で消音することができる。
請求項12の発明によれば、電源から印加される電圧の交流成分の周波数によって感光体ドラムがその2倍、及びさらにその整数倍の周波数で振動しても、振動吸収部材が振動を吸収すると同時に、その振動によって発生する複数の周波数の音波を複数のヘルムホルツ共鳴器で消音することができる。
請求項13の発明によれば、騒音の少ない画像形成装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する感光体ユニットの主要部を説明するための図である。
【図2】加振周波数の変化による振動伝達率を示す図である。
【図3】両端を支持された帯電ローラの周波数応答関数の一例を示す図である。
【図4】ラウドネス曲線を示す図である。
【図5】帯電ローラから感光体ドラムに印加する電圧の交流成分の周波数facが3000Hzの時の音圧レベルを示す図である。
【図6】帯電ローラの1次の曲げモードを説明する概略図である。
【図7】本発明の他の実施例を説明するための図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例に用いる共鳴器を説明するための図である。
【図10】感光体ドラム内部にヘルムホルツ共鳴器を構成した概略図である。
【図11】複数の共鳴器を感光体ドラムの中に構成した例を示す概略図である
【図12】本発明が適用しうる画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 電源
4 帯電ローラ押し当て機構部
5 重り
6 弾性体
10 共鳴器
11 空洞体
12 短管
Claims (13)
- 電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの共振周波数がfr[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fr<√(2)×2×fac ・・・(1)
となるよう定めたことを特徴とする感光体ユニット。 - 電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラムの共振周波数がfd[Hz]であるとき、前記交流成分の周波数fac [Hz]を
fd<√(2)×2×fac ・・・(2)
となるよう定めたことを特徴とする感光体ユニット。 - 電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体の両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする感光体ユニット。 - 電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記感光体ドラムの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項4に記載の感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数の2倍の周波数を、前記帯電ローラの周波数応答関数における、反共振周波数を含む反共振周波数近傍の周波数のいずれかに設定することを特徴とする感光体ユニット。 - 電源と、両端を支持された感光体ドラムと、両端を支持された帯電ローラとを有し、該帯電ローラは両端に大径部を有し、該大径部が前記感光体ドラムの両端の非画像形成部においてのみ接触し、前記両大径部の中間において、前記感光体ドラムに対し、前記電源からの、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加して、放電により前記感光体ドラムに帯電させる感光体ユニットにおいて、
前記交流成分の周波数fac[Hz]が、
2×fac>12000・・・(3)
となるように設定することを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラ、もしくは前記感光体ドラムの共振時における曲げの振動モードにおいて、前記帯電ローラの曲げの腹の部分と前記感光体ドラムが接触しない大きさに、前記帯電ローラと前記感光体ドラムの間の隙間が設定されていることを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍に等しい共振周波数を有する振動系を構成したことを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記帯電ローラの両大径部と前記感光体ドラムとを、非画像形成部で接触させるために設けられた帯電ローラ押し当て機構部を有し、該機構部に、前記交流成分の周波数facの2倍に等しい共振周波数を有する振動系のほかに、共振周波数が前記交流成分の周波数facの2倍の周波数の整数倍となるような振動系を少なくとも1つ、有することを特徴とする感光体ユニット。 - 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の感光体ユニットにおいて、
前記感光体ドラム内に前記感光体ドラムの振動を減衰可能な振動吸収部材を設け、該振動吸収部材により、空間の体積をV、短管の長さをLH、短管の断面積をSHとするヘルムホルツ共鳴器を構成し、音速をcとした時、これらパラメータにより
fH=c/(2×π)×√{SH/(V×LH)}・・・(4)
で決定される消音周波数fHを前記交流成分の周波数fac、または、その2倍に一致させることを特徴とした感光体ユニット。 - 請求項11に記載の感光体ユニットにおいて、前記消音周波数fHの整数倍の周波数の消音周波数を有するヘルムホルツ共鳴器を少なくとも1つ追加したことを特徴とする感光体ユニット。
- 請求項1ないし12のいずれか1つに記載の感光体ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011030840A1 (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 感光ドラムおよびその振動低減方法、ならびに感光ドラムユニット |
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-
2002
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