JP2004320089A - スピーカーユニットおよびスピーカー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば取り付けボードやスピーカーボックスの振動を抑制し、音質を向上することができるスピーカーユニットおよびスピーカー装置を提供すること。
【解決手段】本発明のスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2と、磁気回路形成部3と、磁気回路形成部3を支持する支持部材4と、コイル5と、コーン6と、緩衝部7とを有しており、これらはスピーカーボックス内に収納されている。磁気回路形成部3は、リング状の永久磁石31と後方ヨーク32と前方ヨーク33とで構成され、振動の伝達を緩和する緩衝部7が形成された連結部材70を介して支持部材4に支持されている。後方ヨーク32の前端面および後端面には、振動吸収部材8が設置され、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中には、振動吸収部材80が設置されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2と、磁気回路形成部3と、磁気回路形成部3を支持する支持部材4と、コイル5と、コーン6と、緩衝部7とを有しており、これらはスピーカーボックス内に収納されている。磁気回路形成部3は、リング状の永久磁石31と後方ヨーク32と前方ヨーク33とで構成され、振動の伝達を緩和する緩衝部7が形成された連結部材70を介して支持部材4に支持されている。後方ヨーク32の前端面および後端面には、振動吸収部材8が設置され、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中には、振動吸収部材80が設置されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカーユニットおよびこれを備えるスピーカー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカーユニットは、永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部の磁気回路中にコイルを設置し、該コイルに音響信号を入力することによりコイルを励磁して振動させ、該コイルにその中心部が固定され、スピーカーフレームにその外周部が固定されたコーン(振動板)を振動させて放音するように構成されている。
【0003】
このようなスピーカーユニットにおいては、コーンの振動がスピーカーボックス(エンクロージャー)や取り付け板(バッフルボード)に伝達されることを抑制するために、コーンのエッジ部(外周部)付近に緩衝部材を設置した支持構造が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来のスピーカーユニットでは、永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部は、金属製のスピーカーフレームを介してスピーカーボックスや取り付け板に直接固定されているため、次のような問題が生じる。
【0005】
磁気回路形成部は、コイルに比べてその質量(慣性)が十分に大きいとは言うものの、コイルの振動の反作用を受けて振動する。この振動は、磁気回路形成部を支持するスピーカーフレームを介してスピーカーボックスや取り付け板に伝達され、これらを振動させる。このスピーカーボックス等の振動により、コーン以外の箇所から音響が輻射され、音質を劣化させる。また、共振周波数を含んでいる場合、スピーカーボックスが共振して、不自然な音が生成され、音質を劣化させることもある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−275690号公報
【特許文献2】
特開2001−268688号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えば取り付けボードやスピーカーボックスの振動を抑制し、音質を向上することができるスピーカーユニットおよびスピーカー装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0009】
(1) スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーユニットであって、
前記磁気回路形成部は、振動の伝達を緩和する緩衝部を介して前記支持部材に支持されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。
【0010】
(2) 前記緩衝部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである上記(1)に記載のスピーカーユニット。
【0011】
(3) 前記緩衝部は、スピーカーユニットの中心軸方向の異なる2以上の箇所に設けられている上記(1)または(2)に記載のスピーカーユニット。
【0012】
(4) 前記緩衝部は、前記磁気回路形成部の外周部に、周方向に沿って2以上の箇所に設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0013】
(5) スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記スピーカーフレームに連結され、前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーであって、
前記スピーカーフレームの途中または端部に、振動の伝達を緩和する変形部が形成されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に、振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。
【0014】
(6) 前記スピーカーフレームは、その一端部が前記支持部材に連結された複数のアームを有し、前記変形部は、各アームの途中または端部に形成されている上記(5)に記載のスピーカーユニット。
【0015】
(7) 前記変形部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである上記(5)または(6)に記載のスピーカーユニット。
【0016】
(8) 前記ヨークは、その先端部がコイルの内側に挿入されるセンターポールを有し、前記振動吸収部材は、前記センターポールの先端部および/または後部に設置されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0017】
(9) 前記振動吸収部材は、前記永久磁石の内周部および/または外周部に設置されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0018】
(10) 前記スピーカーフレームに、振動を吸収する振動吸収部材が設置されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0019】
(11) スピーカーボックスに収納されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0020】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のスピーカーユニットと、
前記スピーカーユニットの前記コイルに電気音響信号を入力して前記スピーカーユニットを駆動するスピーカー駆動回路とを備えることを特徴とするスピーカー装置。
【0021】
(13) 前記スピーカー駆動回路は、入力端子と、前記入力端子から入力される前記電気音響信号に含まれる周波数のうち、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数に相当する周波数の信号のレベルを低減する共振周波数低減手段とを有する上記(12)に記載のスピーカー装置。
【0022】
(14) 前記共振周波数低減手段は、デジタル回路またはアナログ回路で構成され、かつ、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数とほぼ一致する周波数に零点を有するフィルターで構成される上記(13)に記載のスピーカー装置。
【0023】
(15) 前記スピーカー駆動回路は、前記共振周波数低減手段から出力された信号を増幅して前記コイルへ入力する増幅器を有する上記(13)または(14)に記載のスピーカー装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカーユニットおよびスピーカー装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明のスピーカーユニットの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すスピーカーユニットの後方斜視図、図3および図4は、それぞれ、本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。以下、図1中の左側を「基端」または「後方」、右側を「先端」または「前方」として説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明のスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2と、磁気回路形成部(駆動部)3と、磁気回路形成部3を支持する支持部材4と、コイル(ボイスコイル)5と、コーン(振動板)6と、緩衝部7とを有しており、これらはスピーカーボックス(エンクロージャー)16内に収納されているか(図9参照)、または取り付け板(バッフルボード)に取り付けられている。以下、スピーカーボックス16内に収納された構成のスピーカーユニットについて代表的に説明する。
【0027】
スピーカーフレーム2は、主に、リング状の外枠部21と、外枠部21から斜め後方の中心部に向かって延出する複数本(図示では120°間隔で3本)のアーム22とで構成されている。このスピーカーフレーム2の構成材料としては、各種金属材料、各種硬質樹脂材料が挙げられる。
【0028】
スピーカーフレーム2の各アーム22の後端には、円筒状の支持部材4が設置され、この支持部材4の内側には、以下に述べる磁気回路形成部3が好ましくは支持部材4と同心的に支持されている。なお、支持部材4の構成材料としては、各種金属材料、各種硬質樹脂材料が挙げられ、この支持部材4は、各アーム22と一体的に形成されたものでも、各アーム22に対し別部材を例えば、ネジ止め、溶接、接着等の方法により固着したものでもよい。
【0029】
磁気回路形成部3は、リング状の永久磁石31と、後方ヨーク32と、前方ヨーク33とを有している。永久磁石31は、図1中の後端(基端)側と前端(先端)側とで、その極性(N極、S極)が異なっている。
【0030】
後方ヨーク32は、円盤状の平板部321と、平板部321の中心部から前方に向かって突出するセンターポール322とが一体的に(または別体を接合したものでもよい)形成されたものであり、平板部321の前端面が永久磁石31の後端面に当接するように永久磁石31に対し固着されている。
【0031】
前方ヨーク33は、リング状をなし、その後端面が永久磁石31の前端面に当接するように永久磁石31に対し固着されている。この場合、センターポール322の先端部は、前方ヨーク33の内側に、前方ヨークと同心的にかつ非接触で位置している。
【0032】
また、前方ヨーク33の前端面には、後述するダンパー51を固定するリング状のプレート34が固定されている。
【0033】
以上のような永久磁石31、後方ヨーク32および前方ヨーク33により、磁気回路(磁路)が形成される
センターポール322の先端部の外周面と、前方ヨーク33の内周面との間には、コイル(ボイスコイル)5が設置されている。コイル5の先端部は、振動板であるコーン6の中心部に例えば接着により固定されている。また、コイル5の先端部は、ダンパー51を介してプレート34に固定されている。
【0034】
コーン6は、略円錐状をなす板材(シート材)で構成され、その中心部61は前方に向かって突出する半球状をなしている。また、コーン6の外周部には、周方向の全周に渡って溝62が形成され、さらにその外周部は、スピーカーフレーム2の外枠部21に例えば接着、嵌合、挟持等により固定されている。
【0035】
磁気回路形成部3は、振動の伝達を緩和する機能を有する少なくとも1つの緩衝部7を介して支持部材4に支持されている。図1では、連結部材70および緩衝部7は模式的に示されている(構造自体を表しているものではない)。以下、この緩衝部7の構成について、図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0036】
緩衝部7は、支持部材4と磁気回路形成部3とを連結する例えば板状(帯板状)または棒状の連結部材70上に形成されている。連結部材70および緩衝部7は、例えば各種金属材料、各種樹脂材料、各種ゴム材料で構成することができる。
【0037】
この緩衝部7は、例えば図3に示すように、板片を蛇腹状(波状またはひだ状とも言う)に複数回湾曲させたもので構成されている。これにより、緩衝部7は、伸縮性を有し、磁気回路形成部3側からまたは支持部材4側から伝達される振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。この場合、緩衝部7を構成する板片の板厚は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0038】
また、緩衝部7は、例えば図4に示すように、板片を細幅にして複数回蛇行させたもの(板片の両側部から交互に切欠きを形成したもの)で構成することができる。これにより、緩衝部7は、伸縮性を有し、前記と同様に優れた緩衝機能を発揮する。この場合、緩衝部7の板片の幅は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板片の幅の70%以下が好ましく、5〜50%程度がより好ましい。また、緩衝部7を構成する板片の板厚は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0039】
なお、緩衝部7の構成は、これらに限定されず、緩衝作用が得られるものであれば、いかなる構成のものでもよく、例えば、異形に型抜きされた部位、ダイヤフラム様形状、直線、屈曲線、曲線、コイル状(螺旋状)等の線状(細線)体、メッシュ状、多孔質体等であってもよく、また、その構成材料も、特に限定されない。
【0040】
図1および図2に示すように、このような緩衝部7を含む連結部材70は、磁気回路形成部3の外周部において、スピーカーユニット1の中心軸Xに対し放射状にかつ周方向に沿って等角度間隔(図示の例では、90°間隔)で複数配置されるとともに、中心軸X方向の異なる2以上の箇所(図示の例では、2箇所)に配置されている。すなわち、図示の例では、合計8箇所形成されている。このような構成としたことにより、磁気回路形成部3をより安定的に支持することができ、特に、スピーカー駆動時における磁気回路形成部3の中心軸Xに対する軸ズレをより確実に防止することができる。
【0041】
後方ヨーク32の平板部321の後端面およびセンターポール322の先端面には、それぞれ、振動を吸収(または減衰)する機能を有する振動吸収部材8が例えば接着により固定されている。このような振動吸収部材8の設置により、コイル5の振動の反作用により磁気回路形成部3が受けるエネルギーを振動吸収部材8が吸収し、磁気回路形成部3等の優れた制振作用を発揮し、音質の向上の効果に寄与する。そして、この効果は、前述した緩衝部7の緩衝機能と相まって、相乗的に発揮される。
【0042】
なお、振動吸収部材8は、磁気回路形成部3の他の箇所、例えば図1中の二点鎖線で示すように、永久磁石31の内周部(平板部321の前端面、センターポール322の外周面または前方ヨーク33の後端面とも言える)および/または外周部に設置されていてもよく、この場合でも、同様の制振作用を発揮し、音質の向上に寄与する。
【0043】
このような振動吸収部材8としては、例えば、各種ゴム材料、各種熱可塑性エラストマー、各種軟質樹脂、鉛(板鉛)等の軟質金属、発泡ポリウレタン、スポンジ等の発泡材料、各種多孔質材料、紙材、織布または不織布、樹脂繊維、ガラス繊維(グラスウール)、金属繊維等の集合体、液体、ゲル状物(ゼリー)、半固形物、粒子(砂、金属粒子、セラミックス粒子、樹脂粒子等)、粉体等の流動性物質の充填物、またはこれらのうちの任意の2以上を適宜組み合わせたもの等が挙げられる。なお、振動吸収部材8は、これらに限定されず、振動吸収(減衰)機能を有するものであれば、いかなるものでもよい。
【0044】
また、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中(または端部)には、振動吸収部材8と同様の振動吸収部材80が設置されている。これにより、アーム22を伝播する振動をも低減(抑制)することができ、さらなる音質の向上が図れる。
【0045】
各アーム22に対する振動吸収部材80の設置箇所(配置)や設置パターンは、特に限定されないが、図示のように、アーム22の板片の両面にそれぞれ設置するのが好ましい。これにより、アーム22の振動の伝播をより効果的に抑制することができる。
【0046】
なお、振動吸収部材80は、スピーカーフレーム2の各アーム22以外の箇所、例えば外枠部21に設置されていてもよい。
【0047】
スピーカーフレーム2の外枠部21の後端側には、質量体(重り)9が設置されている。スピーカーボックスの前面開口部の縁部に設置する場合、このような質量体9を設けることにより、スピーカーボックスから伝播される振動またはスピーカーボックスへ伝播される振動を抑制することができ、さらなる音質の向上が図れる。質量体9は、外枠部21の全周に渡って設置されるもの、すなわち外枠部21と同様のリング状をなすものでも、複数の質量体9が外枠部21の周方向に沿って間欠的に(好ましくは等間隔で)設けられたものでもよい。
【0048】
このようなスピーカーユニット1は、例えば後述するスピーカー駆動回路12またはその他一般(従来)のスピーカー駆動回路(例えば、共振周波数低減手段を有さないもの)により、コイル5へ電気音響信号を入力(通電)すると、それに応じてコイル5が励磁されて中心軸X方向に振動し、これによりコーン6が振動して放音する。このとき、前述したように、緩衝部7と、振動吸収部材8、80とを設けたので、これらの相乗効果により、スピーカーボックス等の振動をより有効に抑制し、極めて高い音質を得ることができる。また、前述した質量体9を設けた場合には、その効果がさらに顕著に発揮される。
【0049】
図5は、本発明のスピーカーユニットの第2実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。以下、この第2実施形態のスピーカーユニット1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0050】
図5および図6に示すスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中に、それぞれ、振動の伝達を緩和する変形部10が形成されており、この点が前記第1実施形態と相違する。
【0051】
この変形部10は、前記緩衝部7と同様に、例えば図3に示すような、板片を蛇腹状(波状またはひだ状とも言う)に複数回湾曲させたもので構成されている。これにより、変形部10は、伸縮性を有し、各アーム22を伝播する振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。この場合、変形部10を構成する板片の板厚は、アーム22の変形部10以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0052】
また、変形部10は、前記緩衝部7と同様に、例えば図4に示すような、板片を細幅にして複数回蛇行させたもの(板片の両側部から交互に切欠きを形成したもの)で構成することができる。これにより、変形部10は、伸縮性を有し、各アーム22を伝播する振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能を発揮する。この場合、変形部10の板片の幅は、アーム22の変形部10以外の箇所の板片の幅の70%以下が好ましく、5〜50%程度がより好ましい。また、変形部10を構成する板片の板厚は、アーム22の変形部10以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0053】
なお、変形部10の構成は、これらに限定されず、振動を吸収(減衰)する作用が得られるものであれば、いかなる構成のものでもよく、例えば、異形に型抜きされた部位、ダイヤフラム様形状、直線、屈曲線、曲線、コイル状(螺旋状)等の線状(細線)体、メッシュ状、多孔質体等であってもよく、また、その構成材料も、特に限定されない。
【0054】
このような変形部10は、各アーム22の端部(基端部または先端部)に形成されていてもよい。特に、変形部10を各アーム22の基端部(後端部)、すなわち支持部材4との連結部(境界部)付近に設けることは、有効である。また、変形部10を各アーム22の基端部に設けるとともに、支持部材4を設けず、変形部10を介して磁気回路形成部3を支持する構成としてもよく、この場合でも、前記と同様に優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。さらに、変形部10は、スピーカーフレーム2の外枠部21に設けられていてもよい。
【0055】
なお、本実施形態のスピーカーユニット1では、連結部材70に前述した緩衝部7は設けられていない。
【0056】
図7は、本発明のスピーカーユニットの第3実施形態を示す縦断面図、図8は、図7に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。以下、この第3実施形態のスピーカーユニット1について、前記第2実施形態との相違点を中心に説明し、前記第1実施形態または前記第2実施形態と同様の事項はその説明を省略する。
【0057】
図7および図8に示すスピーカーユニット1は、変形部10に加え、前記第1実施形態で述べたような緩衝部7を有する点が前記第2実施形態と相違し、その他は第2実施形態と同様である。
【0058】
緩衝部7は、支持部材4の途中に設けられた複数の(90°間隔で設けられた4つの)連結部材70上および支持部材4の後端部に設けられた複数の(90°間隔で設けられた4つの)連結部材70上に、それぞれ設けられている。
【0059】
なお、連結部材70は、支持部材4の周面に4箇所切欠き41を形成してその内側に突片(舌片)を形成するとともに支持部材4の後端を後方に4箇所突出させて突片(舌片)を形成し、それら各突片を内側(中心軸X方向)に折り曲げることにより形成されている。
【0060】
この第3実施形態における緩衝部7および変形部10の構造や材料等の条件は、前記第1実施形態および前記第2実施形態で述べたのと同様である。
【0061】
この第3実施形態のスピーカーユニット1では、緩衝部7と変形部10の双方を有しているため、前述した効果がさらに顕著に発揮される。
【0062】
次に、本発明のスピーカー装置について説明する。図9は、本発明のスピーカー装置の実施形態の概略構成を示す図である。同図に示すように、スピーカー装置11は、スピーカーユニット1と、そのコイル5に電気音響信号を入力してスピーカーユニット1を駆動するスピーカー駆動回路12とを備えている。
【0063】
スピーカー駆動回路12は、入力端子13と、入力端子13から入力される電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1の少なくとも1つの固有共振周波数に相当する周波数の信号のレベルを低減する共振周波数低減手段(共振周波数低減)14と、共振周波数低減手段14から出力された電気音響信号S2を所定の増幅率で増幅してスピーカーユニット1のコイル5へ入力する増幅器15とを備えている。
【0064】
共振周波数低減手段14の構成は、特に限定されないが、例えば、デジタル回路またはアナログ回路で構成され、かつ、スピーカーユニット1の少なくとも1つの固有共振周波数とほぼ一致する周波数に零点を有するフィルター(特に、帯域減衰フィルター)で構成されたものが好ましい。
【0065】
また、増幅器15における増幅率は、固定されているものでも、可変のものでもよい。
【0066】
入力端子13より入力された電気音響信号S1は、共振周波数低減手段14において、電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1の固有共振周波数に相当する周波数帯域の信号のレベルが減衰され、さらにこの電気音響信号S2は、増幅器15にて増幅され、増幅された電気音響信号S3がスピーカーユニット1のコイル5に入力される。
【0067】
図10は、スピーカーユニット1に入力された電気音響信号にスピーカーユニット1の機械的な共振による音響出力が付加された音響出力の周波数特性を示す図、図11は、スピーカー装置11における共振周波数低減手段の一例である帯域減衰フィルターの周波数特性を示す図である。
【0068】
前述したように、スピーカーユニット1では、緩衝部7、変形部10、振動吸収部材8、80、質量体9等により機械的な振動が極力抑制されるように構成されているが、それでも、スピーカーユニット1の機械的な共振による音響出力が多少は生じることがある。
【0069】
図10に示すように、スピーカーユニット1は、周波数f1、f2、f3において共振周波数を有しており、入力される電気音響信号S1に僅かでもこれら共振周波数に相当する周波数が含まれていれば、それが原因で共振現象を引き起こし、入力された電気音響信号と異なる部分を有する非相似な出力がスピーカーユニット1で生成され、音質を低下させることとなる。
【0070】
図11に示すように、共振周波数低減手段14としての帯域減衰フィルターは、図10で示した共振周波数f1、f2、f3またはその付近において零点を有しており、これらの共振周波数において急峻な減衰を示す。
【0071】
例えば、公知のデジタルフィルターの技術を用いることにより、前述の減衰の急峻度を非常に高くし、かつ十分な減衰量が得られ、当該減衰帯域以外は平坦とするような帯域減衰フィルターを容易に得ることができる。もちろん、帯域減衰フィルターは、このようなデジタル回路により構成されたものに限らず、アナログ回路で構成されたもの(アナログフィルター)を用いて帯域減衰フィルターを構成してもよい。
【0072】
入力端子13より入力された電気音響信号S1は、共振周波数低減手段(帯域減衰フィルター)14において、電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1(またはスピーカーボックス16を含めたスピーカー全体)が有する共振周波数f1、f2、f3の帯域の部分が減衰され、さらにこの電気音響信号S2は、増幅器15にて増幅され、増幅された電気音響信号S3がスピーカーユニット1のコイル5に入力される。そのため、スピーカーユニット1が共振現象を起こす原因となる周波数が充分に減衰され、スピーカーユニット1の共振が抑制されるので、スピーカーユニット1は、入力端子13より入力された電気音響信号S1と相似な音響出力を生成することができ、高い音質、自然な音質を実現することができる。
【0073】
特に、本発明では、スピーカーユニット1の前述した構造的な特徴による音質向上効果に、スピーカー駆動回路12の電気的な特徴による音質向上効果(共振の抑制)が加えられ、これらの相乗効果により、優れた音質を得ることができる。
【0074】
なお、図9に示す構成では、共振周波数低減手段14および増幅器15は、スピーカーボックス16の外部に設置されているが、これらのうちの一方または双方は、スピーカーボックス16の表面または内部に設置されていてもよい。
【0075】
このような本発明のスピーカー装置は、それ単独で使用してもよいが、例えば、ステレオ、カーステレオ、電子楽器等の各種音響機器、放送機器等に搭載して用いてもよいことは言うまでもなく、この場合でも、音質の高い音響機器、放送機器等を実現することができる。
【0076】
以上、本発明のスピーカーユニットおよびスピーカー装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができる。また、任意の構成のものが付加されていてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、スピーカーユニットに緩衝部または変形部と、振動吸収部材とを設けたことにより、緩衝部または変形部を介しての振動の伝播を抑制するとともに、コイルの振動の反作用により磁気回路形成部が受けるエネルギーを吸収し、これらの相乗効果により優れた制振作用が発揮され、その結果、高い音質が得られる。
【0078】
特に、共振周波数低減手段を有するスピーカー駆動回路を設けた場合には、スピーカーユニットの構造的な特徴に電気的な特徴を加えることの相乗効果により、さらに優れた音質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカーユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図3】本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。
【図4】本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。
【図5】本発明のスピーカーユニットの第2実施形態を示す縦断面図である。
【図6】図5に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図7】本発明のスピーカーユニットの第3実施形態を示す縦断面図である。
【図8】図7に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図9】本発明のスピーカー装置の実施形態における回路構成の概略を示す図である。
【図10】スピーカーユニットに入力された電気音響信号にスピーカーユニットの機械的な共振による音響出力が付加された音響出力の周波数特性を示す図である。
【図11】本発明のスピーカー装置における共振周波数低減手段の一例である帯域減衰フィルターの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 スピーカーユニット
2 スピーカーフレーム
21 外枠部
22 アーム
3 磁気回路形成部
31 永久磁石
32 後方ヨーク
33 前方ヨーク
34 プレート
321 平板部
322 センターポール
4 支持部材
41 切欠き
5 コイル(ボイスコイル)
51 ダンパー
6 コーン(振動板)
61 中心部
62 溝
7 緩衝部
70 連結部材
8、80 振動吸収部材
9 質量体(重り)
10 変形部
11 スピーカー装置
12 スピーカー駆動回路
13 入力端子
14 共振周波数低減手段
15 増幅器
16 スピーカーボックス
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカーユニットおよびこれを備えるスピーカー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカーユニットは、永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部の磁気回路中にコイルを設置し、該コイルに音響信号を入力することによりコイルを励磁して振動させ、該コイルにその中心部が固定され、スピーカーフレームにその外周部が固定されたコーン(振動板)を振動させて放音するように構成されている。
【0003】
このようなスピーカーユニットにおいては、コーンの振動がスピーカーボックス(エンクロージャー)や取り付け板(バッフルボード)に伝達されることを抑制するために、コーンのエッジ部(外周部)付近に緩衝部材を設置した支持構造が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来のスピーカーユニットでは、永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部は、金属製のスピーカーフレームを介してスピーカーボックスや取り付け板に直接固定されているため、次のような問題が生じる。
【0005】
磁気回路形成部は、コイルに比べてその質量(慣性)が十分に大きいとは言うものの、コイルの振動の反作用を受けて振動する。この振動は、磁気回路形成部を支持するスピーカーフレームを介してスピーカーボックスや取り付け板に伝達され、これらを振動させる。このスピーカーボックス等の振動により、コーン以外の箇所から音響が輻射され、音質を劣化させる。また、共振周波数を含んでいる場合、スピーカーボックスが共振して、不自然な音が生成され、音質を劣化させることもある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−275690号公報
【特許文献2】
特開2001−268688号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えば取り付けボードやスピーカーボックスの振動を抑制し、音質を向上することができるスピーカーユニットおよびスピーカー装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0009】
(1) スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーユニットであって、
前記磁気回路形成部は、振動の伝達を緩和する緩衝部を介して前記支持部材に支持されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。
【0010】
(2) 前記緩衝部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである上記(1)に記載のスピーカーユニット。
【0011】
(3) 前記緩衝部は、スピーカーユニットの中心軸方向の異なる2以上の箇所に設けられている上記(1)または(2)に記載のスピーカーユニット。
【0012】
(4) 前記緩衝部は、前記磁気回路形成部の外周部に、周方向に沿って2以上の箇所に設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0013】
(5) スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記スピーカーフレームに連結され、前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーであって、
前記スピーカーフレームの途中または端部に、振動の伝達を緩和する変形部が形成されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に、振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。
【0014】
(6) 前記スピーカーフレームは、その一端部が前記支持部材に連結された複数のアームを有し、前記変形部は、各アームの途中または端部に形成されている上記(5)に記載のスピーカーユニット。
【0015】
(7) 前記変形部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである上記(5)または(6)に記載のスピーカーユニット。
【0016】
(8) 前記ヨークは、その先端部がコイルの内側に挿入されるセンターポールを有し、前記振動吸収部材は、前記センターポールの先端部および/または後部に設置されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0017】
(9) 前記振動吸収部材は、前記永久磁石の内周部および/または外周部に設置されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0018】
(10) 前記スピーカーフレームに、振動を吸収する振動吸収部材が設置されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0019】
(11) スピーカーボックスに収納されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のスピーカーユニット。
【0020】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のスピーカーユニットと、
前記スピーカーユニットの前記コイルに電気音響信号を入力して前記スピーカーユニットを駆動するスピーカー駆動回路とを備えることを特徴とするスピーカー装置。
【0021】
(13) 前記スピーカー駆動回路は、入力端子と、前記入力端子から入力される前記電気音響信号に含まれる周波数のうち、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数に相当する周波数の信号のレベルを低減する共振周波数低減手段とを有する上記(12)に記載のスピーカー装置。
【0022】
(14) 前記共振周波数低減手段は、デジタル回路またはアナログ回路で構成され、かつ、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数とほぼ一致する周波数に零点を有するフィルターで構成される上記(13)に記載のスピーカー装置。
【0023】
(15) 前記スピーカー駆動回路は、前記共振周波数低減手段から出力された信号を増幅して前記コイルへ入力する増幅器を有する上記(13)または(14)に記載のスピーカー装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカーユニットおよびスピーカー装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明のスピーカーユニットの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すスピーカーユニットの後方斜視図、図3および図4は、それぞれ、本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。以下、図1中の左側を「基端」または「後方」、右側を「先端」または「前方」として説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明のスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2と、磁気回路形成部(駆動部)3と、磁気回路形成部3を支持する支持部材4と、コイル(ボイスコイル)5と、コーン(振動板)6と、緩衝部7とを有しており、これらはスピーカーボックス(エンクロージャー)16内に収納されているか(図9参照)、または取り付け板(バッフルボード)に取り付けられている。以下、スピーカーボックス16内に収納された構成のスピーカーユニットについて代表的に説明する。
【0027】
スピーカーフレーム2は、主に、リング状の外枠部21と、外枠部21から斜め後方の中心部に向かって延出する複数本(図示では120°間隔で3本)のアーム22とで構成されている。このスピーカーフレーム2の構成材料としては、各種金属材料、各種硬質樹脂材料が挙げられる。
【0028】
スピーカーフレーム2の各アーム22の後端には、円筒状の支持部材4が設置され、この支持部材4の内側には、以下に述べる磁気回路形成部3が好ましくは支持部材4と同心的に支持されている。なお、支持部材4の構成材料としては、各種金属材料、各種硬質樹脂材料が挙げられ、この支持部材4は、各アーム22と一体的に形成されたものでも、各アーム22に対し別部材を例えば、ネジ止め、溶接、接着等の方法により固着したものでもよい。
【0029】
磁気回路形成部3は、リング状の永久磁石31と、後方ヨーク32と、前方ヨーク33とを有している。永久磁石31は、図1中の後端(基端)側と前端(先端)側とで、その極性(N極、S極)が異なっている。
【0030】
後方ヨーク32は、円盤状の平板部321と、平板部321の中心部から前方に向かって突出するセンターポール322とが一体的に(または別体を接合したものでもよい)形成されたものであり、平板部321の前端面が永久磁石31の後端面に当接するように永久磁石31に対し固着されている。
【0031】
前方ヨーク33は、リング状をなし、その後端面が永久磁石31の前端面に当接するように永久磁石31に対し固着されている。この場合、センターポール322の先端部は、前方ヨーク33の内側に、前方ヨークと同心的にかつ非接触で位置している。
【0032】
また、前方ヨーク33の前端面には、後述するダンパー51を固定するリング状のプレート34が固定されている。
【0033】
以上のような永久磁石31、後方ヨーク32および前方ヨーク33により、磁気回路(磁路)が形成される
センターポール322の先端部の外周面と、前方ヨーク33の内周面との間には、コイル(ボイスコイル)5が設置されている。コイル5の先端部は、振動板であるコーン6の中心部に例えば接着により固定されている。また、コイル5の先端部は、ダンパー51を介してプレート34に固定されている。
【0034】
コーン6は、略円錐状をなす板材(シート材)で構成され、その中心部61は前方に向かって突出する半球状をなしている。また、コーン6の外周部には、周方向の全周に渡って溝62が形成され、さらにその外周部は、スピーカーフレーム2の外枠部21に例えば接着、嵌合、挟持等により固定されている。
【0035】
磁気回路形成部3は、振動の伝達を緩和する機能を有する少なくとも1つの緩衝部7を介して支持部材4に支持されている。図1では、連結部材70および緩衝部7は模式的に示されている(構造自体を表しているものではない)。以下、この緩衝部7の構成について、図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0036】
緩衝部7は、支持部材4と磁気回路形成部3とを連結する例えば板状(帯板状)または棒状の連結部材70上に形成されている。連結部材70および緩衝部7は、例えば各種金属材料、各種樹脂材料、各種ゴム材料で構成することができる。
【0037】
この緩衝部7は、例えば図3に示すように、板片を蛇腹状(波状またはひだ状とも言う)に複数回湾曲させたもので構成されている。これにより、緩衝部7は、伸縮性を有し、磁気回路形成部3側からまたは支持部材4側から伝達される振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。この場合、緩衝部7を構成する板片の板厚は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0038】
また、緩衝部7は、例えば図4に示すように、板片を細幅にして複数回蛇行させたもの(板片の両側部から交互に切欠きを形成したもの)で構成することができる。これにより、緩衝部7は、伸縮性を有し、前記と同様に優れた緩衝機能を発揮する。この場合、緩衝部7の板片の幅は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板片の幅の70%以下が好ましく、5〜50%程度がより好ましい。また、緩衝部7を構成する板片の板厚は、連結部材70の緩衝部7以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0039】
なお、緩衝部7の構成は、これらに限定されず、緩衝作用が得られるものであれば、いかなる構成のものでもよく、例えば、異形に型抜きされた部位、ダイヤフラム様形状、直線、屈曲線、曲線、コイル状(螺旋状)等の線状(細線)体、メッシュ状、多孔質体等であってもよく、また、その構成材料も、特に限定されない。
【0040】
図1および図2に示すように、このような緩衝部7を含む連結部材70は、磁気回路形成部3の外周部において、スピーカーユニット1の中心軸Xに対し放射状にかつ周方向に沿って等角度間隔(図示の例では、90°間隔)で複数配置されるとともに、中心軸X方向の異なる2以上の箇所(図示の例では、2箇所)に配置されている。すなわち、図示の例では、合計8箇所形成されている。このような構成としたことにより、磁気回路形成部3をより安定的に支持することができ、特に、スピーカー駆動時における磁気回路形成部3の中心軸Xに対する軸ズレをより確実に防止することができる。
【0041】
後方ヨーク32の平板部321の後端面およびセンターポール322の先端面には、それぞれ、振動を吸収(または減衰)する機能を有する振動吸収部材8が例えば接着により固定されている。このような振動吸収部材8の設置により、コイル5の振動の反作用により磁気回路形成部3が受けるエネルギーを振動吸収部材8が吸収し、磁気回路形成部3等の優れた制振作用を発揮し、音質の向上の効果に寄与する。そして、この効果は、前述した緩衝部7の緩衝機能と相まって、相乗的に発揮される。
【0042】
なお、振動吸収部材8は、磁気回路形成部3の他の箇所、例えば図1中の二点鎖線で示すように、永久磁石31の内周部(平板部321の前端面、センターポール322の外周面または前方ヨーク33の後端面とも言える)および/または外周部に設置されていてもよく、この場合でも、同様の制振作用を発揮し、音質の向上に寄与する。
【0043】
このような振動吸収部材8としては、例えば、各種ゴム材料、各種熱可塑性エラストマー、各種軟質樹脂、鉛(板鉛)等の軟質金属、発泡ポリウレタン、スポンジ等の発泡材料、各種多孔質材料、紙材、織布または不織布、樹脂繊維、ガラス繊維(グラスウール)、金属繊維等の集合体、液体、ゲル状物(ゼリー)、半固形物、粒子(砂、金属粒子、セラミックス粒子、樹脂粒子等)、粉体等の流動性物質の充填物、またはこれらのうちの任意の2以上を適宜組み合わせたもの等が挙げられる。なお、振動吸収部材8は、これらに限定されず、振動吸収(減衰)機能を有するものであれば、いかなるものでもよい。
【0044】
また、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中(または端部)には、振動吸収部材8と同様の振動吸収部材80が設置されている。これにより、アーム22を伝播する振動をも低減(抑制)することができ、さらなる音質の向上が図れる。
【0045】
各アーム22に対する振動吸収部材80の設置箇所(配置)や設置パターンは、特に限定されないが、図示のように、アーム22の板片の両面にそれぞれ設置するのが好ましい。これにより、アーム22の振動の伝播をより効果的に抑制することができる。
【0046】
なお、振動吸収部材80は、スピーカーフレーム2の各アーム22以外の箇所、例えば外枠部21に設置されていてもよい。
【0047】
スピーカーフレーム2の外枠部21の後端側には、質量体(重り)9が設置されている。スピーカーボックスの前面開口部の縁部に設置する場合、このような質量体9を設けることにより、スピーカーボックスから伝播される振動またはスピーカーボックスへ伝播される振動を抑制することができ、さらなる音質の向上が図れる。質量体9は、外枠部21の全周に渡って設置されるもの、すなわち外枠部21と同様のリング状をなすものでも、複数の質量体9が外枠部21の周方向に沿って間欠的に(好ましくは等間隔で)設けられたものでもよい。
【0048】
このようなスピーカーユニット1は、例えば後述するスピーカー駆動回路12またはその他一般(従来)のスピーカー駆動回路(例えば、共振周波数低減手段を有さないもの)により、コイル5へ電気音響信号を入力(通電)すると、それに応じてコイル5が励磁されて中心軸X方向に振動し、これによりコーン6が振動して放音する。このとき、前述したように、緩衝部7と、振動吸収部材8、80とを設けたので、これらの相乗効果により、スピーカーボックス等の振動をより有効に抑制し、極めて高い音質を得ることができる。また、前述した質量体9を設けた場合には、その効果がさらに顕著に発揮される。
【0049】
図5は、本発明のスピーカーユニットの第2実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。以下、この第2実施形態のスピーカーユニット1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0050】
図5および図6に示すスピーカーユニット1は、スピーカーフレーム2の各アーム22の途中に、それぞれ、振動の伝達を緩和する変形部10が形成されており、この点が前記第1実施形態と相違する。
【0051】
この変形部10は、前記緩衝部7と同様に、例えば図3に示すような、板片を蛇腹状(波状またはひだ状とも言う)に複数回湾曲させたもので構成されている。これにより、変形部10は、伸縮性を有し、各アーム22を伝播する振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。この場合、変形部10を構成する板片の板厚は、アーム22の変形部10以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0052】
また、変形部10は、前記緩衝部7と同様に、例えば図4に示すような、板片を細幅にして複数回蛇行させたもの(板片の両側部から交互に切欠きを形成したもの)で構成することができる。これにより、変形部10は、伸縮性を有し、各アーム22を伝播する振動(振動エネルギー)に対し、優れた緩衝機能を発揮する。この場合、変形部10の板片の幅は、アーム22の変形部10以外の箇所の板片の幅の70%以下が好ましく、5〜50%程度がより好ましい。また、変形部10を構成する板片の板厚は、アーム22の変形部10以外の箇所の板厚と同等またはそれ未満であるのが好ましい。
【0053】
なお、変形部10の構成は、これらに限定されず、振動を吸収(減衰)する作用が得られるものであれば、いかなる構成のものでもよく、例えば、異形に型抜きされた部位、ダイヤフラム様形状、直線、屈曲線、曲線、コイル状(螺旋状)等の線状(細線)体、メッシュ状、多孔質体等であってもよく、また、その構成材料も、特に限定されない。
【0054】
このような変形部10は、各アーム22の端部(基端部または先端部)に形成されていてもよい。特に、変形部10を各アーム22の基端部(後端部)、すなわち支持部材4との連結部(境界部)付近に設けることは、有効である。また、変形部10を各アーム22の基端部に設けるとともに、支持部材4を設けず、変形部10を介して磁気回路形成部3を支持する構成としてもよく、この場合でも、前記と同様に優れた緩衝機能(振動減衰機能)を発揮する。さらに、変形部10は、スピーカーフレーム2の外枠部21に設けられていてもよい。
【0055】
なお、本実施形態のスピーカーユニット1では、連結部材70に前述した緩衝部7は設けられていない。
【0056】
図7は、本発明のスピーカーユニットの第3実施形態を示す縦断面図、図8は、図7に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。以下、この第3実施形態のスピーカーユニット1について、前記第2実施形態との相違点を中心に説明し、前記第1実施形態または前記第2実施形態と同様の事項はその説明を省略する。
【0057】
図7および図8に示すスピーカーユニット1は、変形部10に加え、前記第1実施形態で述べたような緩衝部7を有する点が前記第2実施形態と相違し、その他は第2実施形態と同様である。
【0058】
緩衝部7は、支持部材4の途中に設けられた複数の(90°間隔で設けられた4つの)連結部材70上および支持部材4の後端部に設けられた複数の(90°間隔で設けられた4つの)連結部材70上に、それぞれ設けられている。
【0059】
なお、連結部材70は、支持部材4の周面に4箇所切欠き41を形成してその内側に突片(舌片)を形成するとともに支持部材4の後端を後方に4箇所突出させて突片(舌片)を形成し、それら各突片を内側(中心軸X方向)に折り曲げることにより形成されている。
【0060】
この第3実施形態における緩衝部7および変形部10の構造や材料等の条件は、前記第1実施形態および前記第2実施形態で述べたのと同様である。
【0061】
この第3実施形態のスピーカーユニット1では、緩衝部7と変形部10の双方を有しているため、前述した効果がさらに顕著に発揮される。
【0062】
次に、本発明のスピーカー装置について説明する。図9は、本発明のスピーカー装置の実施形態の概略構成を示す図である。同図に示すように、スピーカー装置11は、スピーカーユニット1と、そのコイル5に電気音響信号を入力してスピーカーユニット1を駆動するスピーカー駆動回路12とを備えている。
【0063】
スピーカー駆動回路12は、入力端子13と、入力端子13から入力される電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1の少なくとも1つの固有共振周波数に相当する周波数の信号のレベルを低減する共振周波数低減手段(共振周波数低減)14と、共振周波数低減手段14から出力された電気音響信号S2を所定の増幅率で増幅してスピーカーユニット1のコイル5へ入力する増幅器15とを備えている。
【0064】
共振周波数低減手段14の構成は、特に限定されないが、例えば、デジタル回路またはアナログ回路で構成され、かつ、スピーカーユニット1の少なくとも1つの固有共振周波数とほぼ一致する周波数に零点を有するフィルター(特に、帯域減衰フィルター)で構成されたものが好ましい。
【0065】
また、増幅器15における増幅率は、固定されているものでも、可変のものでもよい。
【0066】
入力端子13より入力された電気音響信号S1は、共振周波数低減手段14において、電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1の固有共振周波数に相当する周波数帯域の信号のレベルが減衰され、さらにこの電気音響信号S2は、増幅器15にて増幅され、増幅された電気音響信号S3がスピーカーユニット1のコイル5に入力される。
【0067】
図10は、スピーカーユニット1に入力された電気音響信号にスピーカーユニット1の機械的な共振による音響出力が付加された音響出力の周波数特性を示す図、図11は、スピーカー装置11における共振周波数低減手段の一例である帯域減衰フィルターの周波数特性を示す図である。
【0068】
前述したように、スピーカーユニット1では、緩衝部7、変形部10、振動吸収部材8、80、質量体9等により機械的な振動が極力抑制されるように構成されているが、それでも、スピーカーユニット1の機械的な共振による音響出力が多少は生じることがある。
【0069】
図10に示すように、スピーカーユニット1は、周波数f1、f2、f3において共振周波数を有しており、入力される電気音響信号S1に僅かでもこれら共振周波数に相当する周波数が含まれていれば、それが原因で共振現象を引き起こし、入力された電気音響信号と異なる部分を有する非相似な出力がスピーカーユニット1で生成され、音質を低下させることとなる。
【0070】
図11に示すように、共振周波数低減手段14としての帯域減衰フィルターは、図10で示した共振周波数f1、f2、f3またはその付近において零点を有しており、これらの共振周波数において急峻な減衰を示す。
【0071】
例えば、公知のデジタルフィルターの技術を用いることにより、前述の減衰の急峻度を非常に高くし、かつ十分な減衰量が得られ、当該減衰帯域以外は平坦とするような帯域減衰フィルターを容易に得ることができる。もちろん、帯域減衰フィルターは、このようなデジタル回路により構成されたものに限らず、アナログ回路で構成されたもの(アナログフィルター)を用いて帯域減衰フィルターを構成してもよい。
【0072】
入力端子13より入力された電気音響信号S1は、共振周波数低減手段(帯域減衰フィルター)14において、電気音響信号S1に含まれる周波数のうち、スピーカーユニット1(またはスピーカーボックス16を含めたスピーカー全体)が有する共振周波数f1、f2、f3の帯域の部分が減衰され、さらにこの電気音響信号S2は、増幅器15にて増幅され、増幅された電気音響信号S3がスピーカーユニット1のコイル5に入力される。そのため、スピーカーユニット1が共振現象を起こす原因となる周波数が充分に減衰され、スピーカーユニット1の共振が抑制されるので、スピーカーユニット1は、入力端子13より入力された電気音響信号S1と相似な音響出力を生成することができ、高い音質、自然な音質を実現することができる。
【0073】
特に、本発明では、スピーカーユニット1の前述した構造的な特徴による音質向上効果に、スピーカー駆動回路12の電気的な特徴による音質向上効果(共振の抑制)が加えられ、これらの相乗効果により、優れた音質を得ることができる。
【0074】
なお、図9に示す構成では、共振周波数低減手段14および増幅器15は、スピーカーボックス16の外部に設置されているが、これらのうちの一方または双方は、スピーカーボックス16の表面または内部に設置されていてもよい。
【0075】
このような本発明のスピーカー装置は、それ単独で使用してもよいが、例えば、ステレオ、カーステレオ、電子楽器等の各種音響機器、放送機器等に搭載して用いてもよいことは言うまでもなく、この場合でも、音質の高い音響機器、放送機器等を実現することができる。
【0076】
以上、本発明のスピーカーユニットおよびスピーカー装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができる。また、任意の構成のものが付加されていてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、スピーカーユニットに緩衝部または変形部と、振動吸収部材とを設けたことにより、緩衝部または変形部を介しての振動の伝播を抑制するとともに、コイルの振動の反作用により磁気回路形成部が受けるエネルギーを吸収し、これらの相乗効果により優れた制振作用が発揮され、その結果、高い音質が得られる。
【0078】
特に、共振周波数低減手段を有するスピーカー駆動回路を設けた場合には、スピーカーユニットの構造的な特徴に電気的な特徴を加えることの相乗効果により、さらに優れた音質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカーユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図3】本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。
【図4】本発明のスピーカーユニットにおける緩衝部または変形部の構成例を示す斜視図である。
【図5】本発明のスピーカーユニットの第2実施形態を示す縦断面図である。
【図6】図5に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図7】本発明のスピーカーユニットの第3実施形態を示す縦断面図である。
【図8】図7に示すスピーカーユニットの後方斜視図である。
【図9】本発明のスピーカー装置の実施形態における回路構成の概略を示す図である。
【図10】スピーカーユニットに入力された電気音響信号にスピーカーユニットの機械的な共振による音響出力が付加された音響出力の周波数特性を示す図である。
【図11】本発明のスピーカー装置における共振周波数低減手段の一例である帯域減衰フィルターの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 スピーカーユニット
2 スピーカーフレーム
21 外枠部
22 アーム
3 磁気回路形成部
31 永久磁石
32 後方ヨーク
33 前方ヨーク
34 プレート
321 平板部
322 センターポール
4 支持部材
41 切欠き
5 コイル(ボイスコイル)
51 ダンパー
6 コーン(振動板)
61 中心部
62 溝
7 緩衝部
70 連結部材
8、80 振動吸収部材
9 質量体(重り)
10 変形部
11 スピーカー装置
12 スピーカー駆動回路
13 入力端子
14 共振周波数低減手段
15 増幅器
16 スピーカーボックス
Claims (15)
- スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーユニットであって、
前記磁気回路形成部は、振動の伝達を緩和する緩衝部を介して前記支持部材に支持されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。 - 前記緩衝部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである請求項1に記載のスピーカーユニット。
- 前記緩衝部は、スピーカーユニットの中心軸方向の異なる2以上の箇所に設けられている請求項1または2に記載のスピーカーユニット。
- 前記緩衝部は、前記磁気回路形成部の外周部に、周方向に沿って2以上の箇所に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のスピーカーユニット。
- スピーカーフレームと、
永久磁石とヨークとを備える磁気回路形成部と、
前記スピーカーフレームに連結され、前記磁気回路形成部を支持する支持部材と、
外周部が前記スピーカーフレームに固定されたコーンと、
前記ヨークに隣接して設置され、その一端が前記コーンの中心部に固定されたコイルとを有し、
前記コイルへの通電により生じる励磁により当該コイルが振動して放音するスピーカーであって、
前記スピーカーフレームの途中または端部に、振動の伝達を緩和する変形部が形成されており、かつ、前記ヨークおよび/または前記永久磁石に、振動を吸収する振動吸収部材が設置されていることを特徴とするスピーカーユニット。 - 前記スピーカーフレームは、その一端部が前記支持部材に連結された複数のアームを有し、前記変形部は、各アームの途中または端部に形成されている請求項5に記載のスピーカーユニット。
- 前記変形部は、板片を蛇腹状に複数回湾曲させたもの、または板片を細幅にして複数回蛇行させたものである請求項5または6に記載のスピーカーユニット。
- 前記ヨークは、その先端部がコイルの内側に挿入されるセンターポールを有し、前記振動吸収部材は、前記センターポールの先端部および/または後部に設置されている請求項1ないし7のいずれかに記載のスピーカーユニット。
- 前記振動吸収部材は、前記永久磁石の内周部および/または外周部に設置されている請求項1ないし8のいずれかに記載のスピーカーユニット。
- 前記スピーカーフレームに、振動を吸収する振動吸収部材が設置されている請求項1ないし9のいずれかに記載のスピーカーユニット。
- スピーカーボックスに収納されている請求項1ないし10のいずれかに記載のスピーカーユニット。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載のスピーカーユニットと、
前記スピーカーユニットの前記コイルに電気音響信号を入力して前記スピーカーユニットを駆動するスピーカー駆動回路とを備えることを特徴とするスピーカー装置。 - 前記スピーカー駆動回路は、入力端子と、前記入力端子から入力される前記電気音響信号に含まれる周波数のうち、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数に相当する周波数の信号のレベルを低減する共振周波数低減手段とを有する請求項12に記載のスピーカー装置。
- 前記共振周波数低減手段は、デジタル回路またはアナログ回路で構成され、かつ、前記スピーカーユニットの少なくとも1つの固有共振周波数とほぼ一致する周波数に零点を有するフィルターで構成される請求項13に記載のスピーカー装置。
- 前記スピーカー駆動回路は、前記共振周波数低減手段から出力された信号を増幅して前記コイルへ入力する増幅器を有する請求項13または14に記載のスピーカー装置。
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003107145A patent/JP2004320089A/ja active Pending
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