JP4615638B2 - スピーカの機械的共振を減衰する方法および装置 - Google Patents

スピーカの機械的共振を減衰する方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ構造に取付けられ、同調された機械的共振を有するスピーカの機械的共振を減衰する方法およびスピーカの機械的共振を減衰させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
約50年にわたって、スピーカの機械的共振が放射される音響の品質を低下させることが知られており、この問題を克服するために種々の方法が開発されている。これらの方法の幾つかではスピーカエンクロージャ(スピーカボックス、スピーカキャビネット)にスピーカ素子を弾性的に取付けており、エンクロージャに伝達される振動を減衰させている。しかしながら、多くの異なった実施形態で提案されているそのような構造は構成が困難であり、生産コストが高く、スピーカ取付けの標準的ではない設計および製造技術を必要とする。
【0003】
トーマセン(Thomasen)(参考文献 1および 5)による米国特許明細書にはエンクロージャの壁における振動を減衰するためにエンクロージャの壁に取付けるための適当な振動ダンパーが開示されている。この方法はそのソースにおいて励起された振動を減少させるものではなく、壁の運動の2次的効果に対するものであり、振動を制御するための有効な方法を提供するものではない。さらに、広い帯域幅にわたって振動を制御し、実用的な設計および材料の制約内で、広帯域動作と高い効率が共に得られることは技術的な一般的な目標であることが示されている。
【0004】
アークロイド(Akroyd)(参考文献 2)のヨーロッパ明細書はダイナミックスピーカの素子をエンクロージャ壁に機械的に結合する弾性材料から作られた管を有する構造を提案している。この装置は、振動を減少させるためにスピーカ素子のフレームを支持するためのものである。この管は同時に音響共振構造として機能する。この構造は機械的支持を行うが、エンクロージャの共振の有効な減衰器として機能しない。アークロイドの発明はこの機械的結合が振動の消去を達成し、それによって減衰が達成されることを意図している。材料のスティフネスが、例えば付加的な支持によって増加するので、特性共振の固有周波数が増加するが、機械的共振の減衰を生じさせる構造の摩擦損失が同時に増加しないかぎり、共振は移動しない。事実、ダイナミックスピーカ素子の駆動装置がエンクロージャの後部壁に機械的に結合されている場合には、スピーカエンクロージャの外部壁における機械的振動の量は減少しないでむしろ増加する可能性がある。それは、この構造は結合を減少させる代わりに多くの周波数における振動の機械的結合を実際に強調するからである。しかしながら、このような付加的な機械的支持によって機械的共振の固有周波数を高い方向へ移動させる効果が得られる。
【0005】
タナカの米国特許明細書(参考文献 3)ではダイナミックスピーカ素子の駆動装置がその前面壁ではなくスピーカエンクロージャの外部に固定されている。さらに、スピーカ素子のフレームをスピーカエンクロージャに固定する弾性手段が設けられている。また、参考文献 2についてこの発明にも同様に適用できることが記載され、固定点はエンクロージャの前面ではないが、低い機械的損失を有する手段を使用してスピーカ駆動装置がエンクロージャに機械的に固定された構造が示されている。エンクロージャ壁に結合される振動は通常エンクロージャの全ての壁で生じるため、この構造では良好な最終的な結果は得られない。どの壁にスピーカの駆動装置が取り付けられたかは関係がなく、機械的振動はエンクロージャの全ての壁に現れ、エンクロージャへの機械的エネルギの転送は、取付け手段の機械的弾性およびスピーカ素子の質量が共振する周波数でとくに効率が大きくなる。それ故、このタナカの発明ではエンクロージャの前面壁に結合される振動を顕著に減少させることはできるが振動のエンクロージャへの結合を一般的に減少させることはできない。
【0006】
ファバリ(Favali)のフランス特許明細書(参考文献 4)には、エンクロージャ壁に結合され、エンクロージャにスピーカ素子を取付けた弾性体からなるプレートを使用して機械的振動を減衰させる構造を備えたスピーカエンクロージャが記載されている。この発明は材料中の内部摩擦により機械的エネルギを熱に変換するように機能する弾性体中に剪断力を生成することを意図している。このファバリの発明は機械的振動を生じるスピーカ素子の傾向を減少させるものではない。その構造は弾性体接合部で最大変位が生じない共振周波数においては有効ではない。それは弾性体中にはこれらの周波数における音響エネルギ損失がないからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの参考文献1乃至5に記載された方法は、いずれもそのソース、すなわちスピーカ素子における機械的振動を制御しようとするものではなくスピーカエンクロージャ中の2次振動に対する影響を追及するものである。
本発明は上記のような従来の技術とは異なっており、本発明の目的は、スピーカ素子駆動装置の機械的振動を減衰させ、それによってエンクロージャ構造中の振動の減衰を不要にすることである。このように本発明は従来の技術とは基本的に異なる優れたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明により達成される。本発明は、磁石回路を含む駆動装置とフレームとスピーカエンクロージャとを有し、機械的共振構造を有するスピーカの機械的共振を減衰する方法において、スピーカの磁石回路を含む駆動装置またはそれに近接したフレームの部分複数の付加的な質量を別々の弾性取付け部分により弾性的に取付け、この付加的な質量と前記弾性取付け部分とによって形成される質量・スプリング系の共振周波数は、この付加的な質量を取付けない状態における前記磁石回路を含む駆動装置と前記フレームとの組合わせにより形成される質量・スプリング系の共振による共振範囲内に含まれていることを特徴とする。このような構成によって、磁石回路で発生された機械的振動エネルギは付加的な質量の振動としてこの付加的な質量に転送されるようになり、したがって弾性取付け部分がその材料の摩擦損失によってこのエネルギを吸収することが可能になる。典型的に付加的質量全体の質量は磁石回路の質量と同程度であるように選択される。付加的質量はまた磁石回路の質量と1桁程度異なるように選択されることもできる
【0009】
さらに詳しく説明すると、本発明は、スピーカの磁石回路を含む駆動装置またはそれに近接したフレームの部分に複数の付加的な質量を別々の弾性取付け部分により弾性的に取付け、この付加的な質量と弾性取付け部分の弾性とによって形成されている質量・スプリング系の共振周波数は、この付加的な質量を付加的な質量を取付けない状態における磁石回路を含む駆動装置と前記フレームの質量と弾性に基づいて形成されている質量・スプリング系の共振によってスピーカエンクロージャに伝達される振動エネルギの周波数と同じ周波数を有していることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明は、音響放射コーンと、この音響放射コーンに取付けられたボイスコイルと、スピーカ素子のフレームと、このスピーカ素子のフレームに結合されている磁石構造を含む駆動装置と、スピーカ素子に関連したスピーカエンクロージャとを具備しているスピーカシステムの機械的共振を減衰させる装置において、スピーカの駆動装置の磁石構造またはそれに近接したフレームの部分に別々の弾性取付け部分により弾性的に取付けられた複数の付加的な質量を具備し、この付加的な質量と弾性取付け部分の弾性とによって形成されている質量・スプリング系の共振周波数は、この付加的な質量を付加的な質量を取付けない状態における磁石回路を含む駆動装置とフレームの質量と弾性に基づいて形成されている質量・スプリング系の共振によりスピーカエンクロージャに伝達される振動エネルギの周波数と同じ周波数を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば以下のような種々の効果が得られる。
本発明の方法による共振の減衰の制御は、従来技術を使用する場合に比較して非常に簡単で、容易で、廉価に実施することができる。それは、不所望な共振を除去するために良好で信頼性のある現在のスピーカの構造を変更する必要がないからである。これはスピーカ素子が弾性手段によりエンクロージャに取付けられた場合や、磁石回路が弾性手段によりスピーカ素子のフレームに取付けられた場合、或るいはスピーカエンクロージャ中に弾性構造を使用した場合には可能ではない。さらに、付加的な質量および取付け部分の弾性および損失の適切な選択によって、共振のピークのQ値、制御の実効的周波数範囲、および振動の減少量を調整することが可能である。
以下の添付図面を参照にして例示的な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示されたダイナミックスピーカ素子は、電磁力により付勢されたとき典型的には振動板コーン5 である音響放射素子を変位させる駆動装置6 を備えている。通常駆動装置6 は磁石回路7 およびその磁石装置回路7 中のギャップ中で運動するボイスコイル(図示せず)を備えている。通常は、ボイスコイルは空気を駆動する(変位させる)振動板コーン5 に接着剤で接着されている。このようにスピーカ素子は空気変位機構8 (すなわち、コーンおよびボイスコイル)の質量と、静止部分(すなわち、磁石装置回路7 )の質量と、スピーカ素子のフレーム構造4 の質量とを有している。
【0013】
磁石回路7 およびその磁石回路7 中のギャップ中で運動するボイスコイルを含むコーンを変位させる駆動装置は、外部構造、典型的にはスピーカエンクロージャにスピーカ素子のフレーム4 の周辺で取付けられている。フレーム4 は代表的なものでは鋼板、プラスチック、金属ダイキャストで作られ、ボイスコイルの変位する軸方向においてある程度の弾性を有している。また、スピーカエンクロージャの前面壁はある程度の弾性を有しており、それは一般的にはスピーカ素子のフレーム4 の弾性に付加して考えることができる。
【0014】
スピーカが動作するとき、電磁力はボイスコイルに作用する力と反対方向に磁石回路7 に作用し、したがってスピーカ素子のフレーム4 の弾性およびエンクロージャの前面壁に対する機械的取付け部分における弾性に1以上の共振を生成させ、質量はこれらのいずれかと機械的に結合している。振動エネルギは磁石回路からエンクロージャ壁に送られるようになる状態を有し、それらを振動させる。これは好ましいことではなく、この機械的振動エネルギの伝達はエンクロージャ壁からの音響放射を生成し、スピーカ素子から放射された音響放射に付加される。したがって音響出力はもはや最初に考えられていたようにスピーカ素子だけでは決定されなくなり、音響出力の品質を劣化させる。
【0015】
典型的なスピーカについて、まず、磁石回路の質量がボイスコイルを変位させ、フレームの強固に結合された部分がフレーム4 の弾性により共振する角周波数ω0 を発見する。この機械的共振は損失を有する質量・スプリング系としてモデル化することができる。
【0016】
本発明は磁石回路7 に付加的な質量を取付ける方法を開示する。その付加的な質量1 は弾性の取付け部分である取付けスプリングによってスピーカの磁石回路を含む駆動装置またはそれに近接したフレームの部分に取付けられ、質量1 とそれを取付けている弾性取付け部分の弾性とによって形成されている質量・スプリング系が、例えば磁石回路を含む駆動装置とフレームによって形成されている質量・スプリング系の共振周波数ω0 と一致するように選択された周波数で共振する。さらに、この付加的な質量による質量・スプリング系の共振周波数はエンクロージャ壁への振動エネルギの伝達が減少されることを必要とする任意の周波数に選択することができる。付加的な質量の量およびそれらの取付け部分における弾性の適切な選択によって、多数の周波数またはオーバーラップした周波数帯域における多数の共振を制御することができる。このようにして、機械的振動の減少の効率および実効的周波数範囲を調整および制御することが可能になる。
【0017】
本発明の理論的背景について以下説明する。
図5aを参照すると、1つの弾性的に取付けられた質量(質量m2 )が示されており、この質量m2 は、磁石回路m1 とスピーカ素子のフレーム4 のスティフネスk1 およびその損失c1 と共に質量・スプリング系を形成している。変位振幅はこの系の共振周波数において最大値を有している。図5のaは弾性k2 および損失係数c2 を有する質量m2 が弾性的にこの系に取付けられた状態を示している。
【0018】
このように形成された2つの結合された質量からなるこの系の共振周波数は、弾性k2 および損失係数c2 を変化させることによって適切に調整され、磁石回路の質量m2 の機械的共振周波数における変位の振幅x1 を最小にすることができる。
ニュートンの第2運動法則は次の式1のとおりである。
ΣF=ma 式1
この式は、作用するすべての力の合計がゼロであれば、系は休止状態に維持されることを示している。
【0019】
従来の質量系に対して運動の式は、次の式2および3で示される。
【数1】
Figure 0004615638
電気機械的アナロジーを使用し、機械力F(t)を電圧V(t)として表し、運動速度dx/dtを電流i(t)として表すと図5のbに示された等価回路が得られる。
【0020】
2質量機械系の性質は式2および3の微分方程式を使用するか、電気的アナロジーを使用することによって解析することができる。以下のようにこの系の性質は電気機械的アナロジーを使用して検査される。
付加的な質量m2 がない場合には、上記のスピーカ磁石回路により形成された質量・スプリング系m1 は角速度[6] に応じた次の式4で示される速度vで振動する。
【数2】
Figure 0004615638
付加的な質量m2 を使用しないとき、最大速度は共振周波数において発生し、その周波数においてこで分母の虚数部分がゼロになり、それによって機械的エネルギの転送は最も効率が高くなる。この共振の角周波数は、
【数3】
Figure 0004615638
によって与えられる。
【0021】
次に付加的な質量m2 を使用することによる状況の変化について検討する。電気機械的アナロジーを使用する図5の2質量系の解析は、付加的な質量の共振周波数の調整により磁石回路の変位振幅x1 を減少させることが可能になる。この共振周波数は質量m2 とその取付け部分の弾性k2 とによって決定され、磁石回路の共振周波数と同じになるように調整される。
【0022】
運動速度を減少させるための付加的な質量の能力は、弾性取付け部分の損失に依存する(電気機械的アナロジーにおける成分R2 )。適当な材料を使用することにより正しくなるように共振周波数を設定した後、正しいレベルに損失を調整し、弾性的な取付け部分に対する機械的寸法を補正することにより、機械的振動を任意のレベルまで減少させることが可能であり、所望のレベルの振動減衰を得ることができる。
【0023】
駆動装置の運動エネルギを吸収するために付加的な質量により生成された共振器の能力は共振系のQ値によって特徴付けられる。このQ値は次の式6によって与えられる。
Q=m2 ω0 /c2 式6
この式6は、共振周波数ω0 において、共振のQ値、したがって機械的振動を減衰させる能力が磁石システムに対する取付け部分の付加的質量および弾性値に依存することを示している。弾性取付け部分の損失係数が一定に維持された場合、所望のQ値は付加的質量の正しい量および取付けスプリングの正しい弾性を選択することによって得られる。もしも付加的質量が一定に維持された場合には、取付け部分の損失の量が周波数の減少にしたがって減少されなければならない。
【0024】
次に、本発明の実際の実施形態に対するパラメータの決定の例について説明する。本発明による付加的質量の値は、例えば磁石回路とスピーカエンクロージャ中に取付けられたスピーカ素子フレームによって形成された質量・スプリング系の共振周波数を加速変換器の助けにより測定することによって選択されることができる。共振周波数が知られた後、磁石回路の質量にほぼ等しい重量を有する付加的な質量が磁石回路7 へ取付けられ、測定が繰り返される。上述のような物理的原理を使用することによって、スプリング定数に対する補正値(正しい損失係数および弾性により表される)および質量が選択される。
【0025】
実際の技術で遭遇するシステムの1例をあげると、スピーカ素子は測定された共振周波数ω0 が3300ラジアン/秒であり、磁石回路7 が1.80kgである。この場合、付加的質量Iは、厚さ4mm、面積4.5cm2 のシートのニトリルゴムで作られたスプリングを使用して取付けられた。材料の弾性は4.3MN/mである。この場合に付加的質量は0.4kgに選択された。これらの選択によって振動を効果的に減少することができた。この例は、取付けスプリングの性質がどのように必要な付加的質量の量に影響するかを示しており、最適の結果はスピーカ中の質量共振系を生成する質量と正確に同じではなく、質量は同程度のオーダーであることを示している。さらに、場合によっては、付加的質量およびその取付けスプリングを複数の部品に分割することが有効である。図2は本発明の1実施形態の複数個の弾性取付け部分k 1 〜k n を並列に結合して付加的質量m 1 を取付けたスピーカ構造を示している。図3は並列の複数の付加的質量m 1 〜m n をそれぞれ別々の弾性取付け部分k 1 〜k n によって弾性的に取付けた別の実施形態のスピーカ構造を示している。図4は複数個の弾性取付け部分によって複数の付加的質量m 1 〜m 3 を直列および並列に結合して取付けたさらに別の実施形態のスピーカ構造を示している。質量および弾性は上述の原理にしたがって変化されることができ、機械的共振の影響を所望の低いレベルに減少させることができる。
【0026】
上記の実施形態に対する多くの変形変更が可能であることを理解すべきである。上記の説明はは、本発明の特定の実施形態の単なる例示に過ぎないことを理解すべきであり、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の、その他の構成が容易に可能である。
【0027】
参考文献
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6. Alonso M.,Finn E.:Physics Addison-Wesley,1992
7. William W.Seto:Theory and Problems of Acoustics,McGraw-Hill,Inc,1971
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の1個の弾性的に取付けた付加的質量を使用するスピーカ構造の側面図。
【図2】本発明の1実施形態の複数個の弾性取付け体を並列に結合して取付けた付加的質量を使用するスピーカ構造の側面図。
【図3】本発明の1実施形態の並列の複数の弾性的に取付けた付加的質量を使用するスピーカ構造の側面図。
【図4】本発明の1実施形態の複数個の弾性取付け体を直列および並列に結合して取付けた付加的質量を使用するスピーカ構造の側面図。
【図5】図1の実施形態の機械的共振および対応する電気機械的類推に関連したパラメータおよび等価回路図。

Claims (10)

  1. 磁石回路を含む駆動装置とフレームとスピーカエンクロージャとを有し、機械的共振構造を有するスピーカの機械的共振を減衰する方法において、
    スピーカの磁石回路を含む駆動装置またはそれに近接したフレームの部分に複数の付加的な質量を別々の弾性取付け部分により弾性的に取付け、この付加的な質量と前記弾性取付け部分とによって形成される質量・スプリング系の共振周波数は、この付加的な質量を取付けない状態における前記磁石回路を含む駆動装置と前記フレームとの組合わせにより形成される質量・スプリング系の共振による共振範囲内に含まれていることを特徴とするスピーカの機械的共振の減衰方法。
  2. 前記少なくとも1つの付加的な質量は、付加的な質量全体の質量が前記スピーカの磁石回路の質量の0.1乃至10倍の範囲である請求項1記載の方法。
  3. 記複数の付加的質量は弾性取付け部分により互いに直列または並列に結合されている請求項1または2記載の方法。
  4. 前記複数の付加的な質量は、
    弾性ゴム、プラスチックまたはエラストマ、
    金属スプリング、
    空気スプリング、
    或いはそれらの任意の組合わせを含む弾性材料を使用してそれぞれ取付けられている請求項1記載の方法。
  5. 前記複数の付加的な質量の弾性的な取付け部分は、複数の分離した部分に分割されたスプリング部品を含み、前記スプリング部品は互いに直列または並列に結合されている請求項1記載の方法。
  6. 音響放射コーンと、
    この音響放射コーンに取付けられたボイスコイルと、
    スピーカ素子のフレームと、
    このスピーカ素子のフレームに結合されている磁石回路を含む駆動装置と、
    前記スピーカ素子に関連したスピーカエンクロージャとを具備しているスピーカシステムの機械的共振を減衰させる装置において、
    スピーカの前記磁石回路を含む駆動装置またはそれに近接したフレームの部分にそれぞれ別々の弾性取付け部分により弾性的に取付けられた複数の付加的な質量を具備し、この付加的な質量と前記弾性取付け部分とによって形成される質量・スプリング系の共振周波数は、この付加的な質量を取付けない状態における前記駆動装置と前記フレームとの組合わせにより形成される共振の範囲内に含まれていることを特徴とするスピーカシステムの機械的共振の減衰装置。
  7. 前記複数の付加的な質量全体の質量が前記磁石回路の質量の0.1乃至10倍の範囲である請求項6記載の装置。
  8. 前記複数の付加的な質量は、
    弾性ゴム、プラスチックまたはエラストマ、
    金属スプリング、
    空気スプリング、
    或いはそれらの任意の組合わせを含む弾性材料を使用してそれぞれ取付けられている請求項6記載の装置。
  9. 前記付加的な質量の弾性的な取付け部分は、分離した部分に分割されたスプリング部品を含み、前記スプリング部品は互いに直列または並列に結合されている請求項6載の装置。
  10. 前記付加的な質量は固体材料で構成されている請求項6載の装置。
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