JP4564988B2 - 振動・騒音低減装置 - Google Patents

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本発明は、車両の壁面、建築物の壁面、機械自体又は機械の筐体などの比較的軽量物の振動又は騒音発生を抑制する振動・騒音低減装置に関する。
振動又は騒音発生の抑制の対象物を本明細書では抑制対象物という。
本発明は、周波数帯域が可聴領域の振動又は騒音を受けやすい環境に存在する抑制対象物の振動・騒音の低減にとくに好適である。
鉄道車両、その他の車両の壁面、建築物の壁面などの外来振動による振動又は騒音の発生もしくは外来音による振動の発生は、車両搭乗者又は建築物居住者などの閑静な生活を奪い、精神的安定を阻害し、健康を損なう場合がある。また、機械自体又はその筐体などの外来振動もしくは自己振動による騒音発生又は外来音による振動発生は、機械本来の機能の発揮を阻害するに止まらず、機械運転者や操作者の精神的安定を脅かして事故の危険度を高める。このため、車両や建築物の壁面、機械又はその筐体など比較的軽量物の振動又は騒音の発生を有効に抑制する技術が求められている。
従来の振動・騒音低減装置のうち、振動又は騒音を電気に変換するためのエネルギー変換系と、変換された電気を熱エネルギーとして消費するエネルギー消費手段とから構成されているシステムにおいては、エネルギー変換系には、騒音−電気変換器として一般にマイクロホンを用い、振動−電気変換器として最近では圧電材料を用いるものが知られている。エネルギー消費手段としては、コイルと抵抗器を含むシャント回路が用いられ、圧電材料の静電容量Cとシャント回路のコイルインダクタンスLと抵抗器Rとで共振回路が構成されている。このシャント回路の抵抗器に電流を流してジュール熱を放出させることによりエネルギー消費をするものである(例えば、非特許文献1参照)
Journal of Sound & Vibration Vol.146 No.2 p24,52,68 1991
上記従来の振動・騒音低減装置には、上記エネルギー変換系とエネルギー消費手段とにそれぞれ次のような問題点があった。
(1)エネルギー変換系の問題点
マイクロホンを用いるエネルギー変換系は、マイクロホンを取り付けた位置付近の微小範囲の空間中の音圧を電気信号に変換するだけであり、かつ、侵入音が持つ音響エネルギーを効率的に電気エネルギーに変換することができない(エネルギー変換可能な地域的範囲が狭く、さらに効率が低い)。
また、振動エネルギーから電気エネルギーへの変換器として圧電セラミックス等の圧電材料を用いる場合、圧電材料自体が持っている特性により、変換できる周波数領域が狭い(つまり、圧電材料はエネルギー変換性能に対する周波数依存性が高い)。車両や建築物の壁体又は原動機やその筐体等の抑制対象物の種類によっては、あるいは音響的な環境により、それに伝達する振動又は騒音の周波数やレベルは、種々様々である。従って、実際上、現場で広帯域の振動又は騒音を広周波領域のまま変換性能を発揮することは期待できない。
(2)エネルギー消費手段の問題点
エネルギー消費手段を構成する従来の共振回路は、一般的にコイルが持つインダクタンスLと圧電素子が持つ静電容量Cとにより構成されており、1/(2π√(LC))による周波数で共振が発生する。すなわち、LとCにより決定される共振周波数近傍においてはエネルギー消費用の抵抗器で効果的に電力を散逸することが可能であるが、それ以外の周波数では電力の散逸が小さい(共振回路の電流増幅に関する周波数依存性)。抑制対象物に伝達する振動又は騒音の周波数帯域は、環境により広範囲に渡る場合がある。従って、共振回路を構成する従来のシャント回路を用いる振動・騒音低減装置は、広帯域の振動又は騒音に対して十分なエネルギー消費効果を発揮することはできない。
(3)個別信号変換器の使用の必要性
これまでの信号あるいはエネルギー変換器は、騒音−電気、振動−電気それぞれ単一系の変換器であるために、騒音と振動を電気に変換する場合は、それぞれの専用変換器を使用する必要がある。
(4)取り付け方法に関する問題点
一般に、振動・騒音低減装置を抑制対象物に取り付ける場合は、その装置を抑制対象物に接着するか、ねじ等で機械的に取り付けることが一般的であった。抑制対象物によっては又はその使用環境によっては、振動又は音の強度や侵入方向が変わる場合がある。このような場合は振動・騒音低減装置の取り付け位置の変更や移動及び追加が望まれるが、従来は、一旦取り付けた後は取り外すことができないか、ねじ等を緩めて取り外すなど手間がかかった。
(5)制振効果上の問題点
既に市販されている制振材及び各種ANCシステム(Active Noise Control System )はそれぞれ狭帯域毎に使用され、単一システムでの制振効果のみが発揮される。一般的に制振材は高周波領域のみ、またANCシステムは低周波領域において効果的である。従って、車両の壁面、高速道路や鉄道線路や公共通報用スピーカなどの付近の建築物の壁面などが広周波数帯域の振動又は騒音を受ける場合に、満足的な制振効果又は防音効果が得られるためには、複数種類の振動・騒音低減装置の設置が必要となり、コスト高になるため、実現は困難であった。
本発明は、以上の各問題に鑑みてなされたものであり、解決しようとする課題は、上記エネルギー変換系の問題を解決すること、すなわち、可及的に広い面積に渡って、かつ、広い周波数範囲の振動又は騒音を効率的に電気エネルギーに変換可能な振動・騒音低減装置を提供すること(エネルギー変換可能な地域的範囲の拡大と変換効率の向上)にある。
エネルギー変換系として圧電式スピーカを壁体などに取り付ける場合は、侵入する音に対しては圧電式スピーカの振動板が振動することにより効率的に騒音を電気に変換することができるが、何等の工夫も施さない場合は圧電式スピーカに入射される音響エネルギーを電気エネルギーに変換するか、壁体からの2次放射音を電気に変換することになるため、抑制対象物の振動エネルギーを効率的に電気エネルギーに変換できない(エネルギー変換系に圧電式スピーカを用いる場合の課題)。そこで、エネルギー変換系として圧電式スピーカを壁体などに取り付ける場合の抑制対象物から圧電式スピーカの振動板に振動が効率良く伝達されるように取り付けることが望まれる。
抑制対象物が音響用圧電式スピーカである場合は、その裏側に発生する不必要な騒音を低減することが望まれる。
上記課題を解決するため、本発明は、振動又は騒音を電気に変換するためのエネルギー変換系と、変換された電気を熱エネルギーとして消費するエネルギー消費手段とからなる振動・騒音低減装置において、前記エネルギー変換系は、圧電セラミックス等で構成された振動板を弾性支持体に支持し、その振動板に電極を接続してなる複数枚の圧電式スピーカから構成されて、抑制対象物上あるいは空間内に平面的に取り付けられていること、前記エネルギー消費手段は、前記複数枚の圧電式スピーカの各振動板に接続された両電極の間に直列接続されていること、前記抑制対象物と前記圧電式スピーカの振動板との間に抑制対象物の振動を振動板に直接伝達させるための支柱が介在させてあることを特徴としている(請求項1)。
本発明は、変換効率の向上のため、抑制対象物に複数の圧電式スピーカ重ね合わせて取り付けられていること、抑制対象物に直接取り付けられる圧電式スピーカの振動板と前記抑制対象物との間にのみ支柱を介在させ、重ね合わされる圧電式スピーカの振動板同士の間には支柱を介在させていないことを特徴としている(請求項)。
また、本発明は、エネルギー消費手段、圧電式スピーカの振動板に接続された両電極の間に直列接続されたコイルと抵抗器を含むシャント回路で構成されていることを特徴としている(請求項)。
さらに、本発明は、上記振動・騒音低減装置において、圧電式スピーカをシート状の制振材に取り付け、その制振材を抑制対象物に取り付けることを特徴としている(請求項)。
そして、本発明は、抑制対象物音響用圧電式スピーカであり、その音響用圧電式スピーカの裏側に音響−電気変換器としての圧電式スピーカを取り付けて、音響用圧電式スピーカの裏側に発生する不必要な騒音抑制されていることを特徴としている(請求項)。
上述のように、請求項1の発明によれば、(あ)エネルギー変換系を、圧電セラミックス等で構成された振動板を弾性支持体に支持し、その振動板に電極を接続してなる複数枚の圧電式スピーカにより構成して、抑制対象物上あるいは空間内に平面的に抑制対象物に取り付けたことにより、エネルギー変換系は従来用いられてきた圧電素子よりも広い面積に渡って、かつ広い周波数帯域において効率的に電気エネルギーに変換することができる。そして、(い)効率的に変換された電気エネルギーがエネルギー消費手段により熱エネルギーに変換されて消費されるから、広い面積に渡ってかつ広い周波数帯域において制振又は吸音効果が発揮される。すなわち、エネルギー変換可能な地域的範囲の拡大と周波数依存性の低減と変換効率の向上の効果が得られる。さらに、(う)圧電式スピーカは、従来のエネルギー変換系と異なって薄肉であるので、車両の壁、建築物の壁、機械自体又は機械の筐体などの比較的軽量物の振動又は騒音発生を抑制する振動・騒音低減装置として有用である。すなわち、車両の壁、建築物の壁、機械自体又は機械の筐体などの厚みを特に増大する必要なしに制振又は吸音効果を発揮することができる。さらに、(え)抑制対象物と圧電式スピーカの振動板との間に抑制対象物の振動を振動板に直接伝達させるための支柱を介在させてあるので、抑制対象物の振動が振動板に直接伝達されるため、抑制対象物から圧電式スピーカの振動板への振動伝達効率が格段に向上する。これは、マイクロホンやダイナミックスピーカなど従来のエネルギー変換系では実現不可能な効果である。
請求項2の発明によれば、抑制対象物に入力する騒音の量が多い場合に、複数の圧電式スピーカが前段の圧電式スピーカを通過した騒音を順次電気エネルギーに変換し、先のスピーカを透過した騒音は後のスピーカでさらに電気エネルギーに変換されるため、請求項1に係る発明により得られるエネルギー変換効率が向上するとともに、抑制対象物に直接取り付けた圧電式スピーカと抑制対象物との間に取り付けた支柱を介して主に振動が電気に変換され、侵入音側の圧電式スピーカは支柱を有しないことにより主に騒音が電気に変換されるから、騒音と振動を同一の歪み−電気変換器で効率的に電気に変換することができる。
請求項3の発明によれば、圧電式スピーカから取り出される電気エネルギーは抵抗器で熱エネルギーに変換されて放出されるので、抑制対象物の振動及び二次放射音が減衰される。
請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、制振材の
高周波領域における制振効果と、圧電式スピーカの低周波領域における制振効果が合成された制振効果を奏することができる。
請求項の発明によれば、音響用圧電式スピーカの裏側に音響−電気変換器としての圧電式スピーカを取り付けて音響用圧電式スピーカの裏側に発生する不必要な騒音を抑制することができるので、音響用圧電式スピーカの表側には雑音の影響を受けない明晰な音を出すことができる。
次に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施の形態の基本構成を示す概念図、図2は圧電スピーカとエネルギー消費手段の一例を示す回路図、図3は圧電スピーカの抑制対象物に対する取付構造の一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図、図4は圧電式スピーカを重ねて取り付ける場合の取付構造を示す概念図であり、(a)は圧電式スピーカを単に重ねて取り付けた場合の断面図、(b)は最初の圧電式スピーカに支柱を備えた場合の断面図概念図、(c)は圧電式スピーカ制振シートの取付構造を示す断面図である。図5は振動低減効果を比較例とともに示すグラフ、図6は圧電スピーカの他の設置例を示す概念図、図7は振動板と抑制対象板の間に支柱を設けない場合(a)と設けた場合(b)の出力の差異を示すグラフ、図8は圧電素子と圧電式スピーカの圧電性能の周波数依存性を示すグラフ(圧電素子と圧電式スピーカのエネルギー変換特性グラフ)である。
本発明による振動・騒音低減装置の基本的構成は、図1に示すように、抑制対象物1に取付けられる圧電式スピーカ2と、その圧電式スピーカにより取出された電気エネルギーを消費するエネルギー消費手段3とから構成されている。
抑制対象物1は、鉄道車両その他の車両の壁面、建築物の壁面、機械自体又は機械の筐体などの比較的軽量の物体又は部材であり、本発明の効果を有効に発揮するのは、これらの抑制対象物が比較的広帯域の周波数の振動又は騒音を受けやすい環境に存在する場合である。
圧電式スピーカ2は、圧電セラミックス等で構成された振動板21を弾性支持体22に支持し、その振動板に電極を接続したものであり、本来の音響用スピーカとして使用する場合は、電極を介して音声信号を受けると所定周波数で振動して音波を発生するのであるが、本発明においては、圧電式スピーカ2の振動板21の圧電効果(機械的振動を受けると電荷を発生する現象)を利用して、受けた振動又は騒音による歪みを電気エネルギーに変換する一種のエネルギー変換系として用いている。
抑制対象物1に圧電式スピーカ2を取付ける方法の一つは、弾性支持板22又は圧電式スピーカ2の筐体を壁体などに直接貼り付ける方法又は粘着テープ等を用いて固定する方法、あるいは、ねじなどの固着具を用いて固定する方法等がある。
音響エネルギーあるいは振動エネルギーを電気エネルギーに変換するのに圧電素子を使用することが提案されているが、この圧電素子は図8に示すように、一般に形状により決まる固有周波数(100〜300Hz)付近では効率的にエネルギー変換が行われるが、その他の周波数では慨してエネルギー変換効率が低い。
図8は、圧電素子と圧電式スピーカの出力の周波数特性を示すグラフであり、細線が圧電素子の出力、太線が圧電式スピーカの出力である。同図に示されるように、圧電素子は500Hz近辺、1000〜2000Hzにおいて出力レベルが低いのに対し、圧電式スピーカは750〜1100Hz、1700〜2000Hzの狭い範囲では出力レベルがやや低いが、それ以外の広い範囲で良好な出力が得られることが判る。
圧電式スピーカ2は音響用スピーカとして使用されることを前提に製作され、音響放射の周波数帯域が広くなるよう設計されている。この圧電式スピーカ2を歪み−電気変換器として用いる場合は、図8に示すように50〜1700Hzの広い周波数帯域の振動又は騒音による歪みを電気に変換することが可能であるという特長がある。
本発明は、この広周波数帯域を持つ圧電式スピーカをエネルギー変換器として使用することにより、音響エネルギー及び振動エネルギーを広帯域で電気エネルギーに変換できるようにした点に最大の特徴がある。
抑制対象物1に加わる振動又は騒音の強さが大きい場合は、複数枚の圧電式スピーカを使用し、それぞれの圧電式スピーカの正極と負極を並列又は直列に結合すると良い。
電気エネルギー消費手段3は、図2に例示するように、圧電式スピーカ2の振動板に接続された両電極の間に直列接続されたコイル31と抵抗器32を含む周知のシャント回路S1で構成することができる。圧電式スピーカ2にシャント回路S1が接続されていることにより、振動板の静電容量(C)とコイル31のインダクタンス(L)と抵抗器32の抵抗(R)によりLCR共振回路が構成されている。
上記構成により、抑制対象物1に外来振動又は騒音が侵入した時は、その振動又は騒音が圧電式スピーカ2の振動板21に伝達され、その振動板21に発生する歪みが電荷に変換されて、シャント回路S1に共振電流が流れ、その電流は抵抗器32においてジュール熱に変換されて、大気中に放出されることにより、エネルギーが消費される。
上述のように、共振回路を構成するシャント回路S1を用いる場合は、抑制対象物1が共振周波数と同一の周波数で振動する場合には圧電式スピーカ2から最大の電流がシャント回路S1に流れるので、良い振動減衰効果が得られるが、それ以外の周波数の振動を受けた場合には、振動減衰効果が低くなる。
圧電式スピーカをエネルギー変換系として用いる場合は、抑制対象物から圧電式スピーカの振動板への振動伝達の良否が制振効果又は吸音効果を左右する。好ましい実施の形態においては、図3に示すように、振動板21の好ましくは中心と抑制対象物の間に支柱5を設けて、抑制対象物1の振動を圧電式スピーカ2の振動板21に直接伝達するようにしている。この支柱5は金属などの剛体とゴムなどの弾性体いずれも考えられる。
圧電式スピーカ単体では、基本的に印加される音響エネルギーのみが電気エネルギーに変換されるが、圧電式スピーカ2の振動板21と抑制対象物1を支柱5で結合することにより抑制対象物1の振動エネルギーを圧電式スピーカ2の振動板21に直接伝達することができるため、エネルギー変換効率の向上が見込まれる。さらに、抑制対象物の振動が印加される音響エネルギーによって励振される成分のみならず、他要因による振動の固体伝搬振動も合わせて電気エネルギーに変換することが可能である。
図7に示すように、振動板21と抑制対象板1の間に支柱5を設けない場合の出力(同図(a))と、設けた場合の出力(同図(b))を比較すると、支柱ありの場合は抑制対象板の振動に忠実に追従した出力が得られることが判る。
複数の圧電式スピーカ2を使用する場合、抑制対象物1の対象面に平面的に貼り付けるだけでなく、図4(a)に例示するように、圧電式スピーカ2a,2b,2cを重ねて使用することが可能である。エネルギーの変換効率を上げるために、同一面上に重ねて圧電スピーカを取り付けることで、音響入射方向に対し振動又は騒音を複数段階で電気エネルギーに変換することが可能となり、全体のエネルギー変換効率が向上する。
前述のように、圧電式スピーカを重ねて使用する場合は、図4(b)に例示するように、抑制対象物1に直接貼る圧電式スピーカ2aには支柱5を取り付け、その上に貼り付けた圧電式スピーカ2bは支柱なしで使用することが良い。
抑制対象物1に直接取り付ける圧電式スピーカ2aに支柱5を取り付けることで抑制対象物1の振動エネルギーを主に圧電式スピーカ2aにより電気エネルギーに変換し、その上の圧電式スピーカ2bには支柱を取り付けないことにより音響エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能となり、それぞれ別のエネルギーを電気エネルギーに変換することが可能である。
圧電式スピーカ2の取付構造に関し、上述の例はいずれも抑制対象物1に直接を貼り付けたが、他の好ましい取付構造として、抑制対象物1に高周波振動と低周波振動が加わる場合は、図4(b)に示すように、圧電式スピーカ2を制振シート(シート状の制振材)7に貼り付け、その制振シート7を抑制対象物1に粘着テープ又は接着剤で固定することが良い。このように、制振シート材7に取り付けることにより、図5に振動低減効果をイメージ的に示すように、圧電式スピーカ2が持つ性能と制振材が持つ性能を合成することが可能となり、特に制振材が持つ高周波帯域の制振効果を併せ発揮することができる。
以上の説明においては、抑制対象物1が外来騒音により振動したり音を発生したりする場合の制振及び騒音を低減する装置を考察してきたが、本発明は、圧電式スピーカ2の音響−電気変換又は振動−電気変換(圧電効果)を利用して制振防音を行うことを基本原理とするので、抑制対象物1が自ら振動又は騒音を発生する場合にも適用できることはいうもでもない。さらに展開すれば、抑制対象物1が本来の音響発生の用途に供される圧電式スピーカである場合に適用すると、その音響発生用圧電式スピーカの機能の一層の向上を図ることができる。すなわち、図6に例示するように、抑制対象物に相当する音響発生用圧電式スピーカ2Aの裏面に騒音抑制用圧電式スピーカ2Bを設け、後者のスピーカ2Bの振動板21に電極を介してエネルギー消費手段4を接続することにより、音響発生用スピーカ2Aの裏側に放射される逆位相の音、すなわち雑音を低減することができ、これにより音響発生用スピーカ2Aの表側には雑音の無い又は非常に少ない、澄んだ明晰な音響が供給される。エネルギー消費手段3に代えて、低減対象周波数に対応する共振周波数を設定するためのリアクタンス(L)又は抵抗値(R)を調整する制御回路(図示せず)を接続することにより、音響発生用スピーカ2Aの裏側から放射される必要範囲以外の騒音の抑制又は消滅させることができる。
第1の実施の形態の基本構成を示す概念図。 圧電スピーカとエネルギー消費手段の一例を示す回路図。 圧電スピーカの抑制対象物に対する取付構造の一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図。 圧電式スピーカを重ねて取り付ける場合の取り付け構造を示す図であり、(a)は圧電式スピーカを単に重ねて取り付けた場合の概念図、(b)は最初の圧電式スピーカに支柱を備えた場合の概念図。 振動低減効果を比較例とともに示すグラフ。 圧電スピーカの他の設置例を示す概念図。 振動板と抑制対象板の間に支柱を設けない場合(a)と設けた場合(b)の出力の差異を示す測定グラフ。 圧電素子と圧電式スピーカの出力比較図。
1 抑制対象物
2 圧電式スピーカ
3 エネルギー消費手段
S1,S2 シャント回路
31 コイル
32 抵抗器
5 支柱

Claims (5)

  1. 振動又は騒音を電気に変換するためのエネルギー変換系と、変換された電気を熱エネルギーとして消費するエネルギー消費手段とからなる振動・騒音低減装置において、
    前記エネルギー変換系は、圧電セラミックス等で構成された振動板を弾性支持体に支持し、その振動板に電極を接続してなる複数枚の圧電式スピーカから構成されて、抑制対象物上あるいは空間内に平面的に取り付けられていること
    前記エネルギー消費手段は、前記複数枚の圧電式スピーカの各振動板に接続された両電極の間に直列接続されていること、
    前記抑制対象物と前記圧電式スピーカの振動板との間に抑制対象物の振動を振動板に直接伝達させるための支柱が介在させてあること、
    を特徴とする振動・騒音低減装置。
  2. 請求項1に記載された振動・騒音低減装置において、抑制対象物に複数の圧電式スピーカ重ね合わせて取り付けられていること、抑制対象物に直接取り付けられる圧電式スピーカの振動板と前記抑制対象物との間にのみ支柱を介在させ、重ね合わされる圧電式スピーカの振動板同士の間には支柱を介在させていないことを特徴とする振動・騒音低減装置。
  3. 請求項1又は2に記載された振動・騒音低減装置において、エネルギー消費手段は、圧電式スピーカの振動板に接続された両電極の間に直列接続されたコイルと抵抗器を含むシャント回路で構成されていることを特徴とする振動・騒音低減装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載された振動・騒音低減装置において、圧電式スピーカをシート状の制振材に取り付け、その制振材を抑制対象物に取り付けたことを特徴とする振動・騒音低減装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載された振動・騒音低減装置において、抑制対象物は音響用圧電式スピーカであり、その音響用圧電式スピーカの裏側に音響−電気変換器としての圧電式スピーカを取り付けて、音響用圧電式スピーカの裏側に発生する不必要な騒音抑制されていることを特徴とする振動・騒音低減装置。
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