JP2004012499A - 被写体表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】防振制御手段を持つカメラにおいて、防振制御手段がON,OFFどちらにおいても、撮影される範囲を示しながら、小型で、小電力で、静音、見易い被写体表示装置(ファインダー)を提供する。
【解決手段】1)撮影光学系と、カメラ防振制御手段と、被写体表示手段を有するカメラにおいて、カメラ防振制御手段がONとOFFで、視野率を切り換える手段を持つ。
2)ズーミングに応じて、視野率が変化する手段を持つ。
3)ブレを検出する振動検出手段が検出した振動量に応じて、視野率を変化させる手段を持つ。
【選択図】 図1
【解決手段】1)撮影光学系と、カメラ防振制御手段と、被写体表示手段を有するカメラにおいて、カメラ防振制御手段がONとOFFで、視野率を切り換える手段を持つ。
2)ズーミングに応じて、視野率が変化する手段を持つ。
3)ブレを検出する振動検出手段が検出した振動量に応じて、視野率を変化させる手段を持つ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ防振制御手段を持つカメラの被写体表示装置に関するものである。詳しくは、カメラ防振制御手段を持つコンパクトカメラの光学式ファインダーや、デジタルカメラのLCD(液晶式ディスブレ)、ビデオカメラのファインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IS(イメージ・スタビライザー)とよばれる防振制御手段を持つカメラが示されている。その具体的例として、特開平10−186491号公報に記載の光学機器は、フィルムに被写体像を結像する撮影レンズと、使用者が被写体像を確認するファインダーが別の光学系である。よって、ファインダー中の被写体像と、補正光学系駆動によるフィルムに結像する被写体像のズレとを解消させる為に、ファインダー内の振れ表示手段10を制御駆動している。即ち、光学式ファインダー内のマスクをシフトして撮影範囲を表示している。
【0003】
また、特開平05−204021号公報に記載のカメラでは、ブレ検出手段を持つカメラにおいて、撮影される範囲を被写体を観察する観察手段に正確に表示するために、観察手段であるファインダーの上下左右の辺に沿って、LCDよりなるエレメントを設け、検出されるブレに合わせて、所定の物を着色表示させている。即ち、ブレに対応して、LCD視野枠を切り換えて、撮影範囲を表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、特開平10−186491号公報に記載の光学機器の場合、ファインダー中の振れ表示手段10を指標位置検出手段12で位置を検出しつつ、指標駆動手段9で常にシフト移動制御する必要が有るため、ファインダーが大型化すると共に、コストが掛かり、制御するための電力を消費し、騒音も発生する欠点がある。
【0005】
また、特開平05−204021号公報に記載のカメラの場合、LCDエレメントの着色表示によって、ファインダー画面の視野角が狭まりかつ視野粋が上下左右に移動する事により、見えにくいファインダーとなる。また、LCDを着色表示する電力を消費し、LCDのスペースによってファインダーが大型化する欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、防振制御手段を持つカメラにおいて、防振制御手段がON、OFFどちらにおいても、撮影される範囲を示しながら、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明に係る被写体表示装置は、撮影光学系を有し、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段を有し、かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、カメラ防振制御手段がOFFの時とカメラ防振制御手段がONの時で、異なる視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事により、防振制御の有無に係わらず、見易い被写体表示装置となる。
【0008】
請求項2記載の発明に係る被写体表示装置は、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段と、変倍動作(ズーム)を行う撮影光学系と、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、変倍動作に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事により、各々の焦点距離で、見易い被写体表示装置となる。
【0009】
請求項3記載の発明に係る被写体表示装置は、カメラのブレを検出する振動検出手段と、該振動検出手段の出力に応じてカメラの像ブレを補正する補正光学手段と、該補正光学手段を制御する制御手段と、を有するカメラ防振制御手段を持ち、かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、該振動検出手段が検出した振動量に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事により、カメラブレ量に応じて、見易い被写体表示装置となる。
【0010】
請求項4記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1のカメラにおいて、該撮影光学系が、変倍(ズーム)手段を持ち、該被写体表示手段が、ファインダー光学系であり、前記ファインダー光学系を駆動するファインダー駆動手段と、このファインダー駆動手段に係合して、前記撮影光学系と前記ファインダー駆動手段とを連動させる連動手段とを有しており、前記ファインダー駆動手段と前記連動手段とが、変倍動作時には、カメラ防振制御手段がONの際、第1の状態で係合し、カメラ防振制御手段がOFFの際、第2の状態で係合し、合焦動作時には、カメラ防振制御手段がONもしくはOFFの少なくともどちらかにおいて、非係合となる事により、小型で、低コストで、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0011】
請求項5記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項4のカメラにおいて、前記ファインダー駆動手段にカム部が設けられ、変倍動作時には、カメラ防振制御手段がONの際、連動手段が前記カム部の第1のカム面に係合して動き、カメラ防振制御手段がOFFの際、連動手段が前記カム部の第2のカム面に係合して動くように構成されており、前記カム部は、前記合焦動作時において前記連動手段の前記カム面に対する非係合状態での移動を許容する部分を有する事により、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0012】
請求項6記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項4、5のカメラにおいて、前記連動手段が、前記撮影光学系のレンズ鏡筒を構成する部材のうちレンズの位置に応じて光軸方向に移動する部材である事により、小型な被写体表示装置となる。
【0013】
請求項7記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1のカメラにおいて、該視野率切り換え手段が、カメラ防振制御手段がOFFの時は、被写体表示手段を高い視野率に切り換え、カメラ防振制御手段がONのときは、被写体表示手段をOFFの時よりも低い視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0014】
請求項8記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項2のカメラにおいて、該被写体表示手段の視野率が、撮影光学系が広角側時における視野率よりも、撮影光学系が望遠側時における視野率が低い事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0015】
請求項9記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項2のカメラにおいて、該カメラ防振制御手段がONの時は、該変倍動作に係わらず該被写体表示手段の視野率がほぼ一定で、該カメラ防振制御手段がOFFの時は、撮影光学系が広角側時における視野率よりも、撮影光学系が望遠側時における視野率が低い事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0016】
請求項10記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項3のカメラにおいて、該振動検出手段が検出した振動量が小さい時は、該被写体表示手段の視野率を大きくし、該振動検出手段が検出した振動量が大きい時は、該被写体表示手段の視野率を小さくする事により、見易い被写体表示装置となる。
【0017】
請求項11記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1、2,3,7,8,9,10のカメラにおいて、該被写体表示手段が、LCD(液晶式表示装置)である事により、小型で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0018】
請求項12記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1から10のカメラにおいて、該被写体表示手段が、光学式のファインダーであって、該ファインダーを駆動するファインダー駆動手段が、該撮影光学系の望遠側よりも、より望遠側の撮影範囲を表示可能な延長駆動部分を、持つ事により、小型で、低コストで、小電力な被写体表示装置となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の第1実施形態であるカメラの撮影光学系のズーム鏡筒を示している。円筒内周にメスヘリコイド1aを持ち、外周に固定用のフランジ部分1bを持った固定メスヘリコイド筒1は、その側面略中央に穴1cを有する。さらに、内周には複数本のキー溝1dを有する。
【0020】
固定メスヘリコイド筒1とヘリコイド嵌合するオスヘリコイド2aを持ったオスヘリコイド筒2には、そのヘリコイド・リードに沿ったスパイラルギア2bを有する。このスパイラルギア2bは、固定メスヘリコイド筒1とオスヘリコイド筒2とがヘリコイド嵌合している状態では、穴1cを通じて固定メスヘリコイド筒1の内側に突出した駆動ギヤ3に噛合する。
【0021】
以上の構成によって、駆動ギア3が回転すると、オスヘリコイド筒2は回転しながら固定メスヘリコイド筒1に対して光軸方向に繰り出す。
【0022】
また、オスへヘリコイド筒2の内周には、これと回転可能に嵌合し、かつ光軸方向には抜け出ないように固定された直進筒4が収容される。直進筒4の端部には、固定メスヘリコイド筒1のキー溝1dと嵌合摺動する複数本のキーが形成されている。従って、オスヘリコイド筒2が固定しながら固定メスヘリコイド筒1に対して繰り出すと、直進筒4は、オスヘリコイド筒2とは一体的に回転することなく固定メスヘリコイド筒1に対して光軸方向に繰り出す。
【0023】
さらに、直進筒4の内周には、図中不図示のレンズ群や、シャッタ開閉機構、合焦用レンズ繰出し機構等を保持するレンズ枠5,6,7が収容される。各レンズ枠5,6,7の外周には、複数本のカムピン5a,6a,7aが取付けられており、これらカムピン5a,6a,7aは、直進筒4に形成された長穴4bに摺動可能に嵌合している。このため、各レンズ枠5,6,7は直進筒4に対して回転することなく光軸方向に移動可能である。
【0024】
また、オスヘリコイド筒2の内周には、長穴4bを貫通した各カムピン5a,6a,7aが飯合し、オスヘリコイド筒2の回転に伴ってこれを光学条件を満足するよう案内するカム溝(図中不図示)が形成されている。
【0025】
以上の構成において、駆動ギア3が回転すると、オスヘリコイド筒2と直進筒4とが一体的に固定メスヘリコイド筒1に対して繰り出し、さらに、そこから各レンズ枠5,6,7が繰り出し可能な差動型ズーム鏡筒が構成される。
【0026】
直進筒4の光軸方向端部上側には、台部4cが形成されており、この台部4cの上面には円柱状のピン部4dが形成されている。この台部4cをピン部4dはメスヘリコイド筒1の上部に光軸方向に延びるよう形成された溝部1eに嵌合し、鏡筒のズーム動作に応じて光軸方向前後に運動する。
【0027】
なお、ピン4dの位置は、撮影レンズ郡を保持するレンズ枠5,6,7の位置と対応しているので、ピン4dの位置を検出することによって撮影レンズの焦点距離を知ることができる。
【0028】
次に、図2を用いて撮影レンズの変倍動作に連動して変倍動作するファインダー光学系について説明する。レンズ鏡筒の固定メスヘリコイド筒1の上部には、ファインダーカム板10が配設されており、このファインダーカム板10は、固定メスヘリコイド筒1の外周に光軸方向に延びて形成された突部1f,1gと外周全部に形成されたフランジ部1bとによって位置規制されて、円周方向にのみ移動可能となっている。
【0029】
また、ファインダーカム板10は更に上部からファインダー地板11により押さえられている。ファインダー対物レンズ郡12,13を保持している対物レンズ枠14,15には穴部14a,15aが形成されており、これら穴部14a,15aにはファインダーガイドバー16が貫通している。このファインダーガイドバー16は、ファインダー地板11の前端に形成された穴部11aにファインダー対物レンズ郡12,13(レンズ枠14,15)を光軸方向前後に案内する。
【0030】
なお、対物レンズ枠14,15の回転止めのため、これら対物レンズ枠14,15に形成されたダボ部14b,15bが、ファインダー地板11に光軸方向に延びて形成された溝部11bに嵌合している。
【0031】
また、ファインダーカム地板10の裏側(固定メスヘリコイド筒1に対向する側)には、第1カム溝10aが形成されており、この第1カム溝10aには直進筒4のピン部4dが嵌合している。
【0032】
さらに、ファインダーカム板10には、第2および第3カム溝10b,10cが形成されており、これら第2および第3カム溝10b,10cには対物レンズ枠14,15のダボ部14c,15cが嵌合している。
【0033】
ここで、図3にファインダーカム板10の各カム溝10a,10b,10cを展開した形で示す。ピン4dは、鏡筒の格納沈胴時は第1カム溝10aから外れる(図中に丸囲みの「沈」で示す位置にある)。また、ワイド端では、第1カム溝10aにおける図中に丸囲みの「W」で示す位置まで入る。この時各ダボ部14c,15cは、第2および第3カム溝10b,10c内における図中に丸囲みの「W」で示す位置にある。沈胴時も、ダボ部14c,15cはワイド端位置と同じ位置にある。
【0034】
撮影レンズが繰り出されると、カム板10はピン4dがダボ14c,15cに対して図3中左方向に移動し、テレ端ではピン4dやダボ14c,15cはカム板10に対して図中にて丸囲みの「T」で示す位置まで移動する。このため各ファインダーレンズ枠14,15はカム溝10b,10cに案内されてそれぞれ光軸方向に移動する。
【0035】
このような構成によれば、沈胴時は直進筒4とファインダーカム板10との連動を行なっているピン部4dが、カム板10aからはずれ、カム板10が円周方向に対してフリーになるので、このカム板10を固定するために、カム板固定バネ17が設けられている。具体的には、固定バネ17の突部17aがカム板10の端面10dに形成されたV溝10eに係合して、沈胴からワイドの間でカム板10を保持する。また、ワイド端からテレ端の間は、カム板10の端面10dとカム固定バネ17とが当接して、これらの間に摩擦力が作用する。
【0036】
このように変倍動作したファインダー対物レンズを通過した光束は、三角プリズム18を通った後、ダハプリズム19との間で結像される。このためダハプリズム19と接眼レンズ20とを通してファインダー像を見ることができる。
【0037】
次に、撮影レンズの合焦機構について図4を用いて明する。図4は、オスヘリコイド筒5の内側に形成されたカム溝の展開図である。このカメラのズーム停止位置は、図中に丸囲みの「B」,「C」,「D」,「E」で示す4ポジションである。21は1群撮影レンズのレンズ枠5の外周に形成されたカムピン5aが嵌合するカム溝であり、このカム溝21はカムピン5aと同一本数形成されている。22は2群撮影レンズのレンズ枠6の外周に形成されたカムピン6aが嵌合するカム溝であり、このカム溝22はカムピン6aと同一本数存在する。
【0038】
図中の丸囲み「A」で示す位置はカメラの沈胴位置であり、同「B」はワイド位置である。また、Fで示す領域はワイド端における無限から至近までの合焦繰出し範囲である。この合焦繰出し範囲は各ポジション「C」,「D」,「E」にも同様に設けられている。2群のカム溝22のF領域でカム溝22の方向がその手前までの方向と逆向きになっているのは、テレ側にオスヘリコイド筒2が繰り出される量と同等な量だけ2群レンズ枠6を戻すためである。このため、F領域では、2群レンズ枠6は光軸方向に全く動かず、1群レンズ枠5だけが動く。そして、このF領域で回転することで、撮影レンズは合焦動作を行なう。
【0039】
なお、他の各ポジション「C」,「D」,「E」でも、これと同一の動作によって撮影レンズの合焦動作が行われる。
【0040】
ここで、カメラ防振制御手段をONにした場合の撮影レンズ鏡筒の沈胴位置からの繰出しシーケンスでは、図4−aに丸囲み「イ」の矢印で示すように、2群撮影レンズを一度合焦領域Fを超える位置まで繰り出した後、無限端まで戻している。図3−aに示すように、カム板10の第1カム溝10aに合焦動作時にファインダー光学系を動かさないための溝幅を設けている。すなわち、撮影レンズの沈胴位置からの繰出し時および変倍動作時には、前述した繰出しのシーケンスにしたがって、カムピン4dが第1カム溝10aの第1のカム面10a1に沿って移動し、変倍動作時にはカム板10を図3−a中左方向に駆動する。このため、変倍動作時には、2群撮影レンズとファインダーレンズとが連動して動き、自動的に撮影倍率に合ったファインダー倍率が設定される。
【0041】
なお、各ポジションB〜Eにおいて、2群撮影レンズは一度合焦領域外に出た後、無限端まで戻るので、ピン4dは4d′から4d″で示す位置に戻って停止する。この4d″位置は第2カム面10a2にほぼ接する位置である。
【0042】
そして、2群撮影レンズの合焦動作時はピン4dが位置4d′と4d″との間を動くだけである。このため、合焦動作時はファインダーレンズは動かない。
【0043】
次に、カメラ防振制御手段をOFFにした場合の撮影レンズ鏡筒の沈胴位置からの繰出しシーケンスでは、図4−bに丸囲み「ロ」の矢印で示すように、無限端まで繰り出して停止している。図3−bに示すように、撮影レンズの沈胴位置からの繰出し時および変倍動作時には、前述した繰出しのシーケンスにしたがって、カムピン4dが第1カム溝10aの第1のカム面10a1に沿って移動し、変倍動作時にはカム板10を図3−b中左方向に駆動する。このため、変倍動作時には、2群撮影レンズとファインダーレンズとが連動して動き、自動的に撮影倍率に合ったファインダー倍率が設定される。
【0044】
この時、カメラ防振制御手段ON時の図3−aと比較して、カム板10は、差Lb分だけ回転量が少なく、視野率が高くなっている。
【0045】
この実施例特有の効果は、ファインダー光学系を動かす第1カム溝10aの溝幅を、その溝に嵌入するピン4dより広くして、カム溝の前側線と後側線の使い分けで、視野率を切り換える事によって、部品点数を増やす事無く、小型な見易いファインダーとなっている事である。
【0046】
また、第1カム溝のテレ側の傾斜とワイド側の傾斜を変えているため、カメラ防振制御手段がON時において、ワイド側の視野率よりもテレ側の視野率を低くなり、手ブレを起こしていても、テレ側でも写る範囲を確実に、見易い表示ができる。
【0047】
カメラ防振制御手段をONにしている際は、鏡筒が合焦動作を行っても、ファインダの像倍率が変化せず、使用者にとって、違和感のないファインダーとなっている。
【0048】
(実施形態2)
図5は本発明によるカメラのファインダー(被写体表示装置)部分の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0049】
このカメラは、図に示していないが、ズームレンズカメラであり、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段を有している。
【0050】
また、図6は図5のファインダーの斜視図であり、ファインダーがワイド端にある状態を示している。更に、図7は図5のファインダーの正面図である。図5及び図6において、101はケース、102はアクチュエータとしてのステッピングモータ、103はカム筒、104はガイド軸、105は第1移動枠、106は第2移動枠、107は第1プリズム、108はマスク、109は第2プリズム、110は接眼レンズである。
【0051】
ステッピングモータ102はファインダー光軸と平行に、かつ、カム筒103内に同軸状に配置されている。ステッピングモータ102の後部は、ケース101の凸部101aの内径に嵌合固定されている。また、ステッピングモータ102の先端には、その回転を減速出力する遊星ギヤユニット102aが固定されている。更に、遊星ギヤユニット102aの回転軸102bは、カム筒103に圧入固定されている。このステッピングモータ102に接続された電源供給・制御用のリード線102eは、ケース101の穴101gを通って接点102cと接点102dに接続されている。カム筒103は、その外周面に第1カム溝103aと第2カム溝103bが配置されている。
【0052】
後部内径103cは、ケース101の凸部101aの外径に回転可能に嵌合している。
【0053】
ガイド軸104は、その先端104aがケース101のガイド孔101bに嵌入し、後端104bがケース101のガイド孔101cに嵌入して、ケース101に対して固定されている。第1移動枠105には、ファインダーの光軸周りに凹レンズ部105aが配置されている。凹レンズ部105aは、ガイド軸104に嵌合してファインダー光軸方向にスライドする嵌合部105bを備えている。また、凹レンズ部105aは、ケース101に設けられたガイド溝101dに嵌合してガイド軸104周りの回転を防止するためのガイドピン105cと、カム筒103の第1カム溝103aに嵌入して第1移動枠105をファインダー光軸方向に移動させるカムピン105dを有している。
【0054】
第2移動枠106は、ファインダーの光軸周りに凸レンズ部106aを備えている。この凸レンズ部106aは、ガイド軸104と嵌合してファインダー光軸方向にスライドする嵌合部106b、ケース101のガイド溝101dと嵌合して、ガイド軸周りの回転を防止するガイドピン106c、カム筒103の第2カム溝103bに嵌入し、第2移動枠106をファインダー光軸方向に移動させるカムピン106dを持つ、ケース101は、被写体から第1移動枠105に達する光線を規制する第1開口部101eと、第2移動枠106から第1プリズム107に達する光線を規制する第2開口部101fが配置されている。また、第2開口部101fの後部には第1プリズム107が配置され、第1プリズム107の前面から入射した光線は、第1プリズム107により2回(各90度)反射されてマスク108の面で一次結像する。マスク108の前部には第2プリズム109が配置され、第2プリズム109の底部より入射した光線は、2回(各90度)反射されて後方の接眼レンズ110に向けて射出される。接眼レンズ110を透過した光線は、接眼レンズ110を覗いている撮影者の目に達する。
【0055】
ここでは、第1プリズム107、マスク108、第2プリズム109、接眼レンズ110を支持する部品の図示を省略している。
【0056】
図8はカム筒103の展開図を示し、第1カム溝103aは、ワイド(広角)位置103a1からこのカメラの撮影光学系の望遠状態以上の超テレ(超望遠)位置103a4まで形成されている。第2カム溝103bも、ワイド(広角)位置103b1からこのカメラの撮影光学系の望遠状態以上の超テレ(超望遠)位置103b4まで形成されている。
【0057】
ワイド端状態では、第1移動枠105のカムピン105dがワイド位置103a1に位置し、第2移動枠106のカムピン106dがワイド位置103b1に位置する。ステッピングモータ102が回転すると、遊星ギヤユニット102aを介してカム筒103が回転する。カム筒103上のカム溝103aによって第1移動枠105はワイド位置103a1から一旦繰り込まれ、また被写体側へ繰り出され、超テレ(超望遠)位置103a4に移動する。また、カム溝103bによって第2移動枠106はワイド(広角)位置103b1から被写体側へ繰り出され、超テレ(超望遠)位置103b4に移動する。
【0058】
この様に、第1移動枠105と第2移動枠106の前後進移動により、ファインダーの像倍率はワイド(広角)側から超テレ(超望遠)側へ連続的に変化する。また、ステッピングモータ102を逆回転させると、ファインダーの像倍率は超テレ側からワイド側へ変化する。
【0059】
以上の構成の本実施例の動作を図10のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
まず、ステップ1では、不図示のズームボタンのスイッチが押された場合、ステップ2に進み、カメラ防振制御手段がOFFの場合は、ステップ4に進み、ファインダーカムの第1カム溝103aの使用範囲は、撮影レンズがワイド時にワイド位置103a1で、撮影レンズがテレ時にテレ位置103a3でのように、103a1から103a3の範囲に制限される。同様に第2カム溝103bの使用範囲は、撮影レンズがワイド時にワイド位置103b1で、撮影レンズがテレ時にテレ位置103b3でのように、103b1から103b3の範囲に制限される。
【0061】
また、ステップ2でカメラ防振制御手段がONの場合は、ステップ3に進み、ファインダーカムの第1カム溝103aの使用範囲は、撮影レンズがワイド時に超ワイド位置103a2で、撮影レンズがテレ時に超テレ位置103a4でのように、103a2から103a4の範囲に制限される。同様に第2カム溝103bの使用範囲は、撮影レンズがワイド時に超ワイド位置103b2で、撮影レンズがテレ時に超テレ位置103b4でのように、103b2から103b4の範囲に制限される。
【0062】
各々ステップ3、4を通過してステップ5へ進み、ファインダーのステッピングモータを回転させ、撮影光学系のズーミングに同調して、ファインダーもズーミングする。
【0063】
次のステップ6では、ズームボタンのスイッチがOFFの場合は、ステッピングモータの回転動作を終了し、ズームボタンのスイッチがまだONの場合は、ステッピングモータをさらに回転させる。
【0064】
この実施例特有の効果として、カム溝をテレ端より延長する事で視野率を切り換えているため、部品点数を増やすことなく静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0065】
また、ファインダーを専用のステッピングモータで、駆動しているため、ファインダーのカムにワイド端から沈胴端間でのカム溝が不要となり、ファインダーを小型にできる。
【0066】
同様に、ファインダーを専用のステッピングモータで、駆動しているため、各焦点距離に応じた視野率や、検出された手ブレ量に応じて視野率を任意に連続的に変化可能となる。
【0067】
(実施形態3)
以下、本発明の第3実施例を図11及び図12に基づいて説明する。図11は本実施例の構成を示すブロック図である。同図において、301はカメラの各種動作を制御するマイコンであり、302は被写体までの距離を測定する測距手段、303は該測距手段302の結果に基づき撮影レンズを駆動するレンズ駆動手段、304は後記する各種液晶を駆動する液晶駆動手段、305は被写体輝度を測定する測光手段、306は該測光手段305の結果に基づき被写体が低輝度の場合などに発光する閃光発光手段、307はフィルムを給送するフィルム給送手段であって、これらの手段はそれぞれ該マイコン301に接続されている。また、308は、撮影される被写体範囲を表示するLCDで、309は、カメラの像ブレが有る場合に確実に撮影される範囲を示す為の防振補正マーク1で、前記LCD駆動手段304で駆動される表示形式である。また、313も、像ブレが大きい場合に確実に撮影される範囲を示す為の防振補正マーク2であり、防振補正マーク1よりも小さい範囲を表示できる表示である。310は、カメラのブレを検出する振動検出手段で、311は振動検出手段の出力に応じてカメラの像ブレを補正する補正光学手段である。312は、ズームレンズの焦点距離を検出する焦点距離検出手段である。
【0068】
以上の構成の本実施例の動作を図12のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
まず、ステップ1では、不図示のシャッターボタンの第1段スイッチが押され、カメラのブレの大きさと方向を検出を開始する。ステップ2では、振動検出手段310の振動測定データがマイコン301に読み込まれる。ステップ3では、振動測定結果と、測光手段305による測光値と、焦点距離検出手段312による焦点距離値から、LCD308に防振補正マークを表示する必要があるかどうか判別し、表示が必要で有ると判別された場合にステップ4へ進み、表示が必要で無ければステップ11へ進む。
【0070】
ステップ4では、手ブレの振動量の大小を判別し、振動量が大きい場合は、ステップ5に進み、防振補正マーク2の313を点灯し、かつ防振補正マーク1の309を点滅させて、確実に写る範囲を示すと共に、手ブレが大きいことを警告する。この防振補正マーク上には、防振制御が作動する事を明確にするための「IS」というマークも表示され、ステップ7へ進む。
【0071】
また、ステップ4で、手ブレの振動量が小さいと判別された場合は、ステップ6に進み、LCD308上に、防振補正マーク1の309を表示して、確実に写る範囲を示し、ステップ7へ進む。
【0072】
次のステップ7では、シャッターボタンの第2段スイッチがONの場合、ステップ7へ進み、補正光学系の駆動を開始し、ステップ9でシャッター開閉動作を行い、ステップ10で補正光学系の駆動を終了し、一連の撮影動作を終了する。
【0073】
また、ステップ11では、シャッターボタンの第2段スイッチがONの場合、ステップ12へ進み、シャッター開閉動作を行い、一連の撮影動作を終了する。
【0074】
この実施例特有の効果は、LCDに防振補正マークを表示させるため、使用者に防振制御手段がONになっていることを明確に示す事が可能である。また、防振補正マーク中に防振制御中である文字を入れる事により、より使用者に防振制御手段がONなっていることを表示可能となる。
【0075】
また、手ブレの量により、2種類の防振補正マークを切り換える為、より見易いLCDの表示となる。
【0076】
さらに、手ブレが大きい場合は、撮影範囲を示す防振補正マーク2の点灯と共に、防振補正マーク1を点滅させるため、撮影者に手ブレが大きいことを警告できる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる請求項1記載の発明によれば、カメラ防振制御手段のON−OFFに連動して被写体表示手段の視野率を切り換える事により、防振制御の有無に係わらず、見易い被写体表示装置となる。
【0078】
また、本発明に係わる請求項2記載の発明によれば、撮影光学系の変倍動作に応じて、被写体表示手段の視野率が変化する事により、各々の焦点距離で、見易い被写体表示装置となる。
【0079】
また、本発明に係わる請求項3記載の発明によれば、カメラブレに応じて被写体表示手段の視野率を変化させる事により、カメラブレ量に応じて見易い被写体表示装置となる。
【0080】
また、本発明に係わる請求項4記載の発明によれば、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0081】
また、本発明に係わる請求項5記載の発明によれば、小型で、低コストで、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0082】
また、本発明に係わる請求項6記載の発明によれば、小型な被写体表示装置となる。
【0083】
また、本発明に係わる請求項7,8,9,10記載の発明によれば、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0084】
また、本発明に係わる請求項11記載の発明によれば、小型で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0085】
また、本発明に係わる請求項12記載の発明によれば、小型で、低コストで、小電力な被写体表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例のカメラの撮影レンズ鏡筒の斜視図である。
【図2】上記鏡筒およびファインダー変倍機構を示す斜視図である。
【図3】上記ファインダー変倍機構のファインダーカム板の平面図である。
【図4】上記鏡筒に形成された変倍用カム溝の展開図である。
【図5】本発明による第2実施例の形態を示す断面図である。
【図6】図5のファインダーの斜視図である。
【図7】図5のファインダーの正面図である。
【図8】第2実施例の形態におけるカム筒の詳細を示す展開図である。
【図9】第2実施例の形態におけるカム筒の詳細を示す側面図である。
【図10】第2実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図11】本発明による第3実施例のファインダー表示の構成を示すブロック図である。
【図12】第3実施例の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 固定メスヘリコイド筒
2 オスヘリコイド筒
4 直進筒
5,6 レンズ枠
10,38 ファインダーカム板
12,13,35,36 ファインダー対物レンズ
21,22 (オスヘリコイド筒の)カム溝
31 変倍用モータ
34,37 ギア
34a,37a (ギアの)凸部
101 ケース
101a 凸部
101b,101c ガイド孔
101d ガイド溝
101e 第1開口部
101f 第2開口部
101g 穴
102 ステッピングモータ
102a 遊星ギヤユニット
102b 回転軸
102c,102d 接点
102e リード線
103 カム筒
103a 第1カム溝
103a1 ワイド(広角)位置
103a2 超ワイド位置
103a3 テレ(望遠)位置
103a4 超テレ位置
103b 第2カム溝
103b1 ワイド(広角)位置
103b2 超ワイド位置
103b3 テレ(望遠)位置
103b4 超テレ位置
104 ガイド軸
105 第1移動枠
105a 凹レンズ部
105b,106b 嵌合部
105c,106c ガイドピン
105d,106d カムピン
106 第2移動枠
106a 凸レンズ部
107 第1プリズム
108 マスク
109 第2プリズム
110 接眼レンズ
301 マイコン
302 測距手段
303 レンズ駆動手段
304 LCD駆動手段
305 測光手段、
306 閃光発光手段
307 フィルム給送手段
308 LCD
309 防振補正マーク
310 防振検出手段
311 補正光学手段
312 焦点距離検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ防振制御手段を持つカメラの被写体表示装置に関するものである。詳しくは、カメラ防振制御手段を持つコンパクトカメラの光学式ファインダーや、デジタルカメラのLCD(液晶式ディスブレ)、ビデオカメラのファインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IS(イメージ・スタビライザー)とよばれる防振制御手段を持つカメラが示されている。その具体的例として、特開平10−186491号公報に記載の光学機器は、フィルムに被写体像を結像する撮影レンズと、使用者が被写体像を確認するファインダーが別の光学系である。よって、ファインダー中の被写体像と、補正光学系駆動によるフィルムに結像する被写体像のズレとを解消させる為に、ファインダー内の振れ表示手段10を制御駆動している。即ち、光学式ファインダー内のマスクをシフトして撮影範囲を表示している。
【0003】
また、特開平05−204021号公報に記載のカメラでは、ブレ検出手段を持つカメラにおいて、撮影される範囲を被写体を観察する観察手段に正確に表示するために、観察手段であるファインダーの上下左右の辺に沿って、LCDよりなるエレメントを設け、検出されるブレに合わせて、所定の物を着色表示させている。即ち、ブレに対応して、LCD視野枠を切り換えて、撮影範囲を表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、特開平10−186491号公報に記載の光学機器の場合、ファインダー中の振れ表示手段10を指標位置検出手段12で位置を検出しつつ、指標駆動手段9で常にシフト移動制御する必要が有るため、ファインダーが大型化すると共に、コストが掛かり、制御するための電力を消費し、騒音も発生する欠点がある。
【0005】
また、特開平05−204021号公報に記載のカメラの場合、LCDエレメントの着色表示によって、ファインダー画面の視野角が狭まりかつ視野粋が上下左右に移動する事により、見えにくいファインダーとなる。また、LCDを着色表示する電力を消費し、LCDのスペースによってファインダーが大型化する欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、防振制御手段を持つカメラにおいて、防振制御手段がON、OFFどちらにおいても、撮影される範囲を示しながら、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明に係る被写体表示装置は、撮影光学系を有し、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段を有し、かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、カメラ防振制御手段がOFFの時とカメラ防振制御手段がONの時で、異なる視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事により、防振制御の有無に係わらず、見易い被写体表示装置となる。
【0008】
請求項2記載の発明に係る被写体表示装置は、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段と、変倍動作(ズーム)を行う撮影光学系と、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、変倍動作に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事により、各々の焦点距離で、見易い被写体表示装置となる。
【0009】
請求項3記載の発明に係る被写体表示装置は、カメラのブレを検出する振動検出手段と、該振動検出手段の出力に応じてカメラの像ブレを補正する補正光学手段と、該補正光学手段を制御する制御手段と、を有するカメラ防振制御手段を持ち、かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、該振動検出手段が検出した振動量に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事により、カメラブレ量に応じて、見易い被写体表示装置となる。
【0010】
請求項4記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1のカメラにおいて、該撮影光学系が、変倍(ズーム)手段を持ち、該被写体表示手段が、ファインダー光学系であり、前記ファインダー光学系を駆動するファインダー駆動手段と、このファインダー駆動手段に係合して、前記撮影光学系と前記ファインダー駆動手段とを連動させる連動手段とを有しており、前記ファインダー駆動手段と前記連動手段とが、変倍動作時には、カメラ防振制御手段がONの際、第1の状態で係合し、カメラ防振制御手段がOFFの際、第2の状態で係合し、合焦動作時には、カメラ防振制御手段がONもしくはOFFの少なくともどちらかにおいて、非係合となる事により、小型で、低コストで、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0011】
請求項5記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項4のカメラにおいて、前記ファインダー駆動手段にカム部が設けられ、変倍動作時には、カメラ防振制御手段がONの際、連動手段が前記カム部の第1のカム面に係合して動き、カメラ防振制御手段がOFFの際、連動手段が前記カム部の第2のカム面に係合して動くように構成されており、前記カム部は、前記合焦動作時において前記連動手段の前記カム面に対する非係合状態での移動を許容する部分を有する事により、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0012】
請求項6記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項4、5のカメラにおいて、前記連動手段が、前記撮影光学系のレンズ鏡筒を構成する部材のうちレンズの位置に応じて光軸方向に移動する部材である事により、小型な被写体表示装置となる。
【0013】
請求項7記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1のカメラにおいて、該視野率切り換え手段が、カメラ防振制御手段がOFFの時は、被写体表示手段を高い視野率に切り換え、カメラ防振制御手段がONのときは、被写体表示手段をOFFの時よりも低い視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0014】
請求項8記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項2のカメラにおいて、該被写体表示手段の視野率が、撮影光学系が広角側時における視野率よりも、撮影光学系が望遠側時における視野率が低い事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0015】
請求項9記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項2のカメラにおいて、該カメラ防振制御手段がONの時は、該変倍動作に係わらず該被写体表示手段の視野率がほぼ一定で、該カメラ防振制御手段がOFFの時は、撮影光学系が広角側時における視野率よりも、撮影光学系が望遠側時における視野率が低い事により、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0016】
請求項10記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項3のカメラにおいて、該振動検出手段が検出した振動量が小さい時は、該被写体表示手段の視野率を大きくし、該振動検出手段が検出した振動量が大きい時は、該被写体表示手段の視野率を小さくする事により、見易い被写体表示装置となる。
【0017】
請求項11記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1、2,3,7,8,9,10のカメラにおいて、該被写体表示手段が、LCD(液晶式表示装置)である事により、小型で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0018】
請求項12記載の発明に係る被写体表示装置は、請求項1から10のカメラにおいて、該被写体表示手段が、光学式のファインダーであって、該ファインダーを駆動するファインダー駆動手段が、該撮影光学系の望遠側よりも、より望遠側の撮影範囲を表示可能な延長駆動部分を、持つ事により、小型で、低コストで、小電力な被写体表示装置となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の第1実施形態であるカメラの撮影光学系のズーム鏡筒を示している。円筒内周にメスヘリコイド1aを持ち、外周に固定用のフランジ部分1bを持った固定メスヘリコイド筒1は、その側面略中央に穴1cを有する。さらに、内周には複数本のキー溝1dを有する。
【0020】
固定メスヘリコイド筒1とヘリコイド嵌合するオスヘリコイド2aを持ったオスヘリコイド筒2には、そのヘリコイド・リードに沿ったスパイラルギア2bを有する。このスパイラルギア2bは、固定メスヘリコイド筒1とオスヘリコイド筒2とがヘリコイド嵌合している状態では、穴1cを通じて固定メスヘリコイド筒1の内側に突出した駆動ギヤ3に噛合する。
【0021】
以上の構成によって、駆動ギア3が回転すると、オスヘリコイド筒2は回転しながら固定メスヘリコイド筒1に対して光軸方向に繰り出す。
【0022】
また、オスへヘリコイド筒2の内周には、これと回転可能に嵌合し、かつ光軸方向には抜け出ないように固定された直進筒4が収容される。直進筒4の端部には、固定メスヘリコイド筒1のキー溝1dと嵌合摺動する複数本のキーが形成されている。従って、オスヘリコイド筒2が固定しながら固定メスヘリコイド筒1に対して繰り出すと、直進筒4は、オスヘリコイド筒2とは一体的に回転することなく固定メスヘリコイド筒1に対して光軸方向に繰り出す。
【0023】
さらに、直進筒4の内周には、図中不図示のレンズ群や、シャッタ開閉機構、合焦用レンズ繰出し機構等を保持するレンズ枠5,6,7が収容される。各レンズ枠5,6,7の外周には、複数本のカムピン5a,6a,7aが取付けられており、これらカムピン5a,6a,7aは、直進筒4に形成された長穴4bに摺動可能に嵌合している。このため、各レンズ枠5,6,7は直進筒4に対して回転することなく光軸方向に移動可能である。
【0024】
また、オスヘリコイド筒2の内周には、長穴4bを貫通した各カムピン5a,6a,7aが飯合し、オスヘリコイド筒2の回転に伴ってこれを光学条件を満足するよう案内するカム溝(図中不図示)が形成されている。
【0025】
以上の構成において、駆動ギア3が回転すると、オスヘリコイド筒2と直進筒4とが一体的に固定メスヘリコイド筒1に対して繰り出し、さらに、そこから各レンズ枠5,6,7が繰り出し可能な差動型ズーム鏡筒が構成される。
【0026】
直進筒4の光軸方向端部上側には、台部4cが形成されており、この台部4cの上面には円柱状のピン部4dが形成されている。この台部4cをピン部4dはメスヘリコイド筒1の上部に光軸方向に延びるよう形成された溝部1eに嵌合し、鏡筒のズーム動作に応じて光軸方向前後に運動する。
【0027】
なお、ピン4dの位置は、撮影レンズ郡を保持するレンズ枠5,6,7の位置と対応しているので、ピン4dの位置を検出することによって撮影レンズの焦点距離を知ることができる。
【0028】
次に、図2を用いて撮影レンズの変倍動作に連動して変倍動作するファインダー光学系について説明する。レンズ鏡筒の固定メスヘリコイド筒1の上部には、ファインダーカム板10が配設されており、このファインダーカム板10は、固定メスヘリコイド筒1の外周に光軸方向に延びて形成された突部1f,1gと外周全部に形成されたフランジ部1bとによって位置規制されて、円周方向にのみ移動可能となっている。
【0029】
また、ファインダーカム板10は更に上部からファインダー地板11により押さえられている。ファインダー対物レンズ郡12,13を保持している対物レンズ枠14,15には穴部14a,15aが形成されており、これら穴部14a,15aにはファインダーガイドバー16が貫通している。このファインダーガイドバー16は、ファインダー地板11の前端に形成された穴部11aにファインダー対物レンズ郡12,13(レンズ枠14,15)を光軸方向前後に案内する。
【0030】
なお、対物レンズ枠14,15の回転止めのため、これら対物レンズ枠14,15に形成されたダボ部14b,15bが、ファインダー地板11に光軸方向に延びて形成された溝部11bに嵌合している。
【0031】
また、ファインダーカム地板10の裏側(固定メスヘリコイド筒1に対向する側)には、第1カム溝10aが形成されており、この第1カム溝10aには直進筒4のピン部4dが嵌合している。
【0032】
さらに、ファインダーカム板10には、第2および第3カム溝10b,10cが形成されており、これら第2および第3カム溝10b,10cには対物レンズ枠14,15のダボ部14c,15cが嵌合している。
【0033】
ここで、図3にファインダーカム板10の各カム溝10a,10b,10cを展開した形で示す。ピン4dは、鏡筒の格納沈胴時は第1カム溝10aから外れる(図中に丸囲みの「沈」で示す位置にある)。また、ワイド端では、第1カム溝10aにおける図中に丸囲みの「W」で示す位置まで入る。この時各ダボ部14c,15cは、第2および第3カム溝10b,10c内における図中に丸囲みの「W」で示す位置にある。沈胴時も、ダボ部14c,15cはワイド端位置と同じ位置にある。
【0034】
撮影レンズが繰り出されると、カム板10はピン4dがダボ14c,15cに対して図3中左方向に移動し、テレ端ではピン4dやダボ14c,15cはカム板10に対して図中にて丸囲みの「T」で示す位置まで移動する。このため各ファインダーレンズ枠14,15はカム溝10b,10cに案内されてそれぞれ光軸方向に移動する。
【0035】
このような構成によれば、沈胴時は直進筒4とファインダーカム板10との連動を行なっているピン部4dが、カム板10aからはずれ、カム板10が円周方向に対してフリーになるので、このカム板10を固定するために、カム板固定バネ17が設けられている。具体的には、固定バネ17の突部17aがカム板10の端面10dに形成されたV溝10eに係合して、沈胴からワイドの間でカム板10を保持する。また、ワイド端からテレ端の間は、カム板10の端面10dとカム固定バネ17とが当接して、これらの間に摩擦力が作用する。
【0036】
このように変倍動作したファインダー対物レンズを通過した光束は、三角プリズム18を通った後、ダハプリズム19との間で結像される。このためダハプリズム19と接眼レンズ20とを通してファインダー像を見ることができる。
【0037】
次に、撮影レンズの合焦機構について図4を用いて明する。図4は、オスヘリコイド筒5の内側に形成されたカム溝の展開図である。このカメラのズーム停止位置は、図中に丸囲みの「B」,「C」,「D」,「E」で示す4ポジションである。21は1群撮影レンズのレンズ枠5の外周に形成されたカムピン5aが嵌合するカム溝であり、このカム溝21はカムピン5aと同一本数形成されている。22は2群撮影レンズのレンズ枠6の外周に形成されたカムピン6aが嵌合するカム溝であり、このカム溝22はカムピン6aと同一本数存在する。
【0038】
図中の丸囲み「A」で示す位置はカメラの沈胴位置であり、同「B」はワイド位置である。また、Fで示す領域はワイド端における無限から至近までの合焦繰出し範囲である。この合焦繰出し範囲は各ポジション「C」,「D」,「E」にも同様に設けられている。2群のカム溝22のF領域でカム溝22の方向がその手前までの方向と逆向きになっているのは、テレ側にオスヘリコイド筒2が繰り出される量と同等な量だけ2群レンズ枠6を戻すためである。このため、F領域では、2群レンズ枠6は光軸方向に全く動かず、1群レンズ枠5だけが動く。そして、このF領域で回転することで、撮影レンズは合焦動作を行なう。
【0039】
なお、他の各ポジション「C」,「D」,「E」でも、これと同一の動作によって撮影レンズの合焦動作が行われる。
【0040】
ここで、カメラ防振制御手段をONにした場合の撮影レンズ鏡筒の沈胴位置からの繰出しシーケンスでは、図4−aに丸囲み「イ」の矢印で示すように、2群撮影レンズを一度合焦領域Fを超える位置まで繰り出した後、無限端まで戻している。図3−aに示すように、カム板10の第1カム溝10aに合焦動作時にファインダー光学系を動かさないための溝幅を設けている。すなわち、撮影レンズの沈胴位置からの繰出し時および変倍動作時には、前述した繰出しのシーケンスにしたがって、カムピン4dが第1カム溝10aの第1のカム面10a1に沿って移動し、変倍動作時にはカム板10を図3−a中左方向に駆動する。このため、変倍動作時には、2群撮影レンズとファインダーレンズとが連動して動き、自動的に撮影倍率に合ったファインダー倍率が設定される。
【0041】
なお、各ポジションB〜Eにおいて、2群撮影レンズは一度合焦領域外に出た後、無限端まで戻るので、ピン4dは4d′から4d″で示す位置に戻って停止する。この4d″位置は第2カム面10a2にほぼ接する位置である。
【0042】
そして、2群撮影レンズの合焦動作時はピン4dが位置4d′と4d″との間を動くだけである。このため、合焦動作時はファインダーレンズは動かない。
【0043】
次に、カメラ防振制御手段をOFFにした場合の撮影レンズ鏡筒の沈胴位置からの繰出しシーケンスでは、図4−bに丸囲み「ロ」の矢印で示すように、無限端まで繰り出して停止している。図3−bに示すように、撮影レンズの沈胴位置からの繰出し時および変倍動作時には、前述した繰出しのシーケンスにしたがって、カムピン4dが第1カム溝10aの第1のカム面10a1に沿って移動し、変倍動作時にはカム板10を図3−b中左方向に駆動する。このため、変倍動作時には、2群撮影レンズとファインダーレンズとが連動して動き、自動的に撮影倍率に合ったファインダー倍率が設定される。
【0044】
この時、カメラ防振制御手段ON時の図3−aと比較して、カム板10は、差Lb分だけ回転量が少なく、視野率が高くなっている。
【0045】
この実施例特有の効果は、ファインダー光学系を動かす第1カム溝10aの溝幅を、その溝に嵌入するピン4dより広くして、カム溝の前側線と後側線の使い分けで、視野率を切り換える事によって、部品点数を増やす事無く、小型な見易いファインダーとなっている事である。
【0046】
また、第1カム溝のテレ側の傾斜とワイド側の傾斜を変えているため、カメラ防振制御手段がON時において、ワイド側の視野率よりもテレ側の視野率を低くなり、手ブレを起こしていても、テレ側でも写る範囲を確実に、見易い表示ができる。
【0047】
カメラ防振制御手段をONにしている際は、鏡筒が合焦動作を行っても、ファインダの像倍率が変化せず、使用者にとって、違和感のないファインダーとなっている。
【0048】
(実施形態2)
図5は本発明によるカメラのファインダー(被写体表示装置)部分の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0049】
このカメラは、図に示していないが、ズームレンズカメラであり、撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段を有している。
【0050】
また、図6は図5のファインダーの斜視図であり、ファインダーがワイド端にある状態を示している。更に、図7は図5のファインダーの正面図である。図5及び図6において、101はケース、102はアクチュエータとしてのステッピングモータ、103はカム筒、104はガイド軸、105は第1移動枠、106は第2移動枠、107は第1プリズム、108はマスク、109は第2プリズム、110は接眼レンズである。
【0051】
ステッピングモータ102はファインダー光軸と平行に、かつ、カム筒103内に同軸状に配置されている。ステッピングモータ102の後部は、ケース101の凸部101aの内径に嵌合固定されている。また、ステッピングモータ102の先端には、その回転を減速出力する遊星ギヤユニット102aが固定されている。更に、遊星ギヤユニット102aの回転軸102bは、カム筒103に圧入固定されている。このステッピングモータ102に接続された電源供給・制御用のリード線102eは、ケース101の穴101gを通って接点102cと接点102dに接続されている。カム筒103は、その外周面に第1カム溝103aと第2カム溝103bが配置されている。
【0052】
後部内径103cは、ケース101の凸部101aの外径に回転可能に嵌合している。
【0053】
ガイド軸104は、その先端104aがケース101のガイド孔101bに嵌入し、後端104bがケース101のガイド孔101cに嵌入して、ケース101に対して固定されている。第1移動枠105には、ファインダーの光軸周りに凹レンズ部105aが配置されている。凹レンズ部105aは、ガイド軸104に嵌合してファインダー光軸方向にスライドする嵌合部105bを備えている。また、凹レンズ部105aは、ケース101に設けられたガイド溝101dに嵌合してガイド軸104周りの回転を防止するためのガイドピン105cと、カム筒103の第1カム溝103aに嵌入して第1移動枠105をファインダー光軸方向に移動させるカムピン105dを有している。
【0054】
第2移動枠106は、ファインダーの光軸周りに凸レンズ部106aを備えている。この凸レンズ部106aは、ガイド軸104と嵌合してファインダー光軸方向にスライドする嵌合部106b、ケース101のガイド溝101dと嵌合して、ガイド軸周りの回転を防止するガイドピン106c、カム筒103の第2カム溝103bに嵌入し、第2移動枠106をファインダー光軸方向に移動させるカムピン106dを持つ、ケース101は、被写体から第1移動枠105に達する光線を規制する第1開口部101eと、第2移動枠106から第1プリズム107に達する光線を規制する第2開口部101fが配置されている。また、第2開口部101fの後部には第1プリズム107が配置され、第1プリズム107の前面から入射した光線は、第1プリズム107により2回(各90度)反射されてマスク108の面で一次結像する。マスク108の前部には第2プリズム109が配置され、第2プリズム109の底部より入射した光線は、2回(各90度)反射されて後方の接眼レンズ110に向けて射出される。接眼レンズ110を透過した光線は、接眼レンズ110を覗いている撮影者の目に達する。
【0055】
ここでは、第1プリズム107、マスク108、第2プリズム109、接眼レンズ110を支持する部品の図示を省略している。
【0056】
図8はカム筒103の展開図を示し、第1カム溝103aは、ワイド(広角)位置103a1からこのカメラの撮影光学系の望遠状態以上の超テレ(超望遠)位置103a4まで形成されている。第2カム溝103bも、ワイド(広角)位置103b1からこのカメラの撮影光学系の望遠状態以上の超テレ(超望遠)位置103b4まで形成されている。
【0057】
ワイド端状態では、第1移動枠105のカムピン105dがワイド位置103a1に位置し、第2移動枠106のカムピン106dがワイド位置103b1に位置する。ステッピングモータ102が回転すると、遊星ギヤユニット102aを介してカム筒103が回転する。カム筒103上のカム溝103aによって第1移動枠105はワイド位置103a1から一旦繰り込まれ、また被写体側へ繰り出され、超テレ(超望遠)位置103a4に移動する。また、カム溝103bによって第2移動枠106はワイド(広角)位置103b1から被写体側へ繰り出され、超テレ(超望遠)位置103b4に移動する。
【0058】
この様に、第1移動枠105と第2移動枠106の前後進移動により、ファインダーの像倍率はワイド(広角)側から超テレ(超望遠)側へ連続的に変化する。また、ステッピングモータ102を逆回転させると、ファインダーの像倍率は超テレ側からワイド側へ変化する。
【0059】
以上の構成の本実施例の動作を図10のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
まず、ステップ1では、不図示のズームボタンのスイッチが押された場合、ステップ2に進み、カメラ防振制御手段がOFFの場合は、ステップ4に進み、ファインダーカムの第1カム溝103aの使用範囲は、撮影レンズがワイド時にワイド位置103a1で、撮影レンズがテレ時にテレ位置103a3でのように、103a1から103a3の範囲に制限される。同様に第2カム溝103bの使用範囲は、撮影レンズがワイド時にワイド位置103b1で、撮影レンズがテレ時にテレ位置103b3でのように、103b1から103b3の範囲に制限される。
【0061】
また、ステップ2でカメラ防振制御手段がONの場合は、ステップ3に進み、ファインダーカムの第1カム溝103aの使用範囲は、撮影レンズがワイド時に超ワイド位置103a2で、撮影レンズがテレ時に超テレ位置103a4でのように、103a2から103a4の範囲に制限される。同様に第2カム溝103bの使用範囲は、撮影レンズがワイド時に超ワイド位置103b2で、撮影レンズがテレ時に超テレ位置103b4でのように、103b2から103b4の範囲に制限される。
【0062】
各々ステップ3、4を通過してステップ5へ進み、ファインダーのステッピングモータを回転させ、撮影光学系のズーミングに同調して、ファインダーもズーミングする。
【0063】
次のステップ6では、ズームボタンのスイッチがOFFの場合は、ステッピングモータの回転動作を終了し、ズームボタンのスイッチがまだONの場合は、ステッピングモータをさらに回転させる。
【0064】
この実施例特有の効果として、カム溝をテレ端より延長する事で視野率を切り換えているため、部品点数を増やすことなく静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0065】
また、ファインダーを専用のステッピングモータで、駆動しているため、ファインダーのカムにワイド端から沈胴端間でのカム溝が不要となり、ファインダーを小型にできる。
【0066】
同様に、ファインダーを専用のステッピングモータで、駆動しているため、各焦点距離に応じた視野率や、検出された手ブレ量に応じて視野率を任意に連続的に変化可能となる。
【0067】
(実施形態3)
以下、本発明の第3実施例を図11及び図12に基づいて説明する。図11は本実施例の構成を示すブロック図である。同図において、301はカメラの各種動作を制御するマイコンであり、302は被写体までの距離を測定する測距手段、303は該測距手段302の結果に基づき撮影レンズを駆動するレンズ駆動手段、304は後記する各種液晶を駆動する液晶駆動手段、305は被写体輝度を測定する測光手段、306は該測光手段305の結果に基づき被写体が低輝度の場合などに発光する閃光発光手段、307はフィルムを給送するフィルム給送手段であって、これらの手段はそれぞれ該マイコン301に接続されている。また、308は、撮影される被写体範囲を表示するLCDで、309は、カメラの像ブレが有る場合に確実に撮影される範囲を示す為の防振補正マーク1で、前記LCD駆動手段304で駆動される表示形式である。また、313も、像ブレが大きい場合に確実に撮影される範囲を示す為の防振補正マーク2であり、防振補正マーク1よりも小さい範囲を表示できる表示である。310は、カメラのブレを検出する振動検出手段で、311は振動検出手段の出力に応じてカメラの像ブレを補正する補正光学手段である。312は、ズームレンズの焦点距離を検出する焦点距離検出手段である。
【0068】
以上の構成の本実施例の動作を図12のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
まず、ステップ1では、不図示のシャッターボタンの第1段スイッチが押され、カメラのブレの大きさと方向を検出を開始する。ステップ2では、振動検出手段310の振動測定データがマイコン301に読み込まれる。ステップ3では、振動測定結果と、測光手段305による測光値と、焦点距離検出手段312による焦点距離値から、LCD308に防振補正マークを表示する必要があるかどうか判別し、表示が必要で有ると判別された場合にステップ4へ進み、表示が必要で無ければステップ11へ進む。
【0070】
ステップ4では、手ブレの振動量の大小を判別し、振動量が大きい場合は、ステップ5に進み、防振補正マーク2の313を点灯し、かつ防振補正マーク1の309を点滅させて、確実に写る範囲を示すと共に、手ブレが大きいことを警告する。この防振補正マーク上には、防振制御が作動する事を明確にするための「IS」というマークも表示され、ステップ7へ進む。
【0071】
また、ステップ4で、手ブレの振動量が小さいと判別された場合は、ステップ6に進み、LCD308上に、防振補正マーク1の309を表示して、確実に写る範囲を示し、ステップ7へ進む。
【0072】
次のステップ7では、シャッターボタンの第2段スイッチがONの場合、ステップ7へ進み、補正光学系の駆動を開始し、ステップ9でシャッター開閉動作を行い、ステップ10で補正光学系の駆動を終了し、一連の撮影動作を終了する。
【0073】
また、ステップ11では、シャッターボタンの第2段スイッチがONの場合、ステップ12へ進み、シャッター開閉動作を行い、一連の撮影動作を終了する。
【0074】
この実施例特有の効果は、LCDに防振補正マークを表示させるため、使用者に防振制御手段がONになっていることを明確に示す事が可能である。また、防振補正マーク中に防振制御中である文字を入れる事により、より使用者に防振制御手段がONなっていることを表示可能となる。
【0075】
また、手ブレの量により、2種類の防振補正マークを切り換える為、より見易いLCDの表示となる。
【0076】
さらに、手ブレが大きい場合は、撮影範囲を示す防振補正マーク2の点灯と共に、防振補正マーク1を点滅させるため、撮影者に手ブレが大きいことを警告できる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる請求項1記載の発明によれば、カメラ防振制御手段のON−OFFに連動して被写体表示手段の視野率を切り換える事により、防振制御の有無に係わらず、見易い被写体表示装置となる。
【0078】
また、本発明に係わる請求項2記載の発明によれば、撮影光学系の変倍動作に応じて、被写体表示手段の視野率が変化する事により、各々の焦点距離で、見易い被写体表示装置となる。
【0079】
また、本発明に係わる請求項3記載の発明によれば、カメラブレに応じて被写体表示手段の視野率を変化させる事により、カメラブレ量に応じて見易い被写体表示装置となる。
【0080】
また、本発明に係わる請求項4記載の発明によれば、小型で、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0081】
また、本発明に係わる請求項5記載の発明によれば、小型で、低コストで、小電力で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0082】
また、本発明に係わる請求項6記載の発明によれば、小型な被写体表示装置となる。
【0083】
また、本発明に係わる請求項7,8,9,10記載の発明によれば、撮影される範囲が見易い被写体表示装置となる。
【0084】
また、本発明に係わる請求項11記載の発明によれば、小型で、静音で、見易い被写体表示装置となる。
【0085】
また、本発明に係わる請求項12記載の発明によれば、小型で、低コストで、小電力な被写体表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例のカメラの撮影レンズ鏡筒の斜視図である。
【図2】上記鏡筒およびファインダー変倍機構を示す斜視図である。
【図3】上記ファインダー変倍機構のファインダーカム板の平面図である。
【図4】上記鏡筒に形成された変倍用カム溝の展開図である。
【図5】本発明による第2実施例の形態を示す断面図である。
【図6】図5のファインダーの斜視図である。
【図7】図5のファインダーの正面図である。
【図8】第2実施例の形態におけるカム筒の詳細を示す展開図である。
【図9】第2実施例の形態におけるカム筒の詳細を示す側面図である。
【図10】第2実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図11】本発明による第3実施例のファインダー表示の構成を示すブロック図である。
【図12】第3実施例の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 固定メスヘリコイド筒
2 オスヘリコイド筒
4 直進筒
5,6 レンズ枠
10,38 ファインダーカム板
12,13,35,36 ファインダー対物レンズ
21,22 (オスヘリコイド筒の)カム溝
31 変倍用モータ
34,37 ギア
34a,37a (ギアの)凸部
101 ケース
101a 凸部
101b,101c ガイド孔
101d ガイド溝
101e 第1開口部
101f 第2開口部
101g 穴
102 ステッピングモータ
102a 遊星ギヤユニット
102b 回転軸
102c,102d 接点
102e リード線
103 カム筒
103a 第1カム溝
103a1 ワイド(広角)位置
103a2 超ワイド位置
103a3 テレ(望遠)位置
103a4 超テレ位置
103b 第2カム溝
103b1 ワイド(広角)位置
103b2 超ワイド位置
103b3 テレ(望遠)位置
103b4 超テレ位置
104 ガイド軸
105 第1移動枠
105a 凹レンズ部
105b,106b 嵌合部
105c,106c ガイドピン
105d,106d カムピン
106 第2移動枠
106a 凸レンズ部
107 第1プリズム
108 マスク
109 第2プリズム
110 接眼レンズ
301 マイコン
302 測距手段
303 レンズ駆動手段
304 LCD駆動手段
305 測光手段、
306 閃光発光手段
307 フィルム給送手段
308 LCD
309 防振補正マーク
310 防振検出手段
311 補正光学手段
312 焦点距離検出手段
Claims (12)
- 撮影光学系を有し、
撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段を有し、
かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、
カメラ防振制御手段がOFFの時とカメラ防振制御手段がONの時で、
異なる視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事を特徴とする被写体表示装置。 - 撮影像のブレを低減するカメラ防振制御手段と、
変倍動作(ズーム)を行う撮影光学系と、
被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、
変倍動作に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事を特徴とする被写体表示装置。 - カメラのブレを検出する振動検出手段と、
該振動検出手段の出力に応じてカメラの像ブレを補正する補正光学手段と、
該補正光学手段を制御する制御手段と、を有するカメラ防振制御手段を持ち、
かつ、被写体像を観察する被写体表示手段を有するカメラにおいて、
該振動検出手段が検出した振動量に応じて、被写体表示手段の視野率を変化させる視野率変化手段を持つ事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項1のカメラにおいて、
該撮影光学系が、変倍(ズーム)手段を持ち、
該被写体表示手段が、ファインダー光学系であり、
前記ファインダー光学系を駆動するファインダー駆動手段と、
このファインダー駆動手段に係合して、前記撮影光学系と前記ファインダー駆動手段とを連動させる連動手段とを有しており、
前記ファインダー駆動手段と前記連動手段とが、
変倍動作時には、
カメラ防振制御手段がONの際、第1の状態で係合し、
カメラ防振制御手段がOFFの際、第2の状態で係合し、
合焦動作時には、カメラ防振制御手段がONもしくはOFFの少なくともどちらかにおいて、非係合となることを特徴とする請求項1に記載の被写体表示装置。 - 請求項4のカメラにおいて、
前記ファインダー駆動手段にカム部が設けられ、
変倍動作時には、
カメラ防振制御手段がONの際、連動手段が前記カム部の第1のカム面に係合して動き、
カメラ防振制御手段がOFFの際、連動手段が前記カム部の第2のカム面に係合して動くように構成されており、
前記カム部は、前記合焦動作時において前記連動手段の前記カム面に対する非係合状態での移動を許容する部分を有することを特徴とする被写体表示装置。 - 請求項4、5のカメラにおいて、
前記連動手段が、前記撮影光学系のレンズ鏡筒を構成する部材のうちレンズの位置に応じて光軸方向に移動する部材であることを特徴とする被写体表示装置。 - 請求項1のカメラにおいて、
該視野率切り換え手段が、
カメラ防振制御手段がOFFの時は、被写体表示手段を高い視野率に切り換え、
カメラ防振制御手段がONのときは、被写体表示手段をOFFの時よりも低い視野率に切り換える、視野率切り換え手段を持つ事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項2のカメラにおいて、
該被写体表示手段の視野率が、
撮影光学系が広角側時における視野率よりも、
撮影光学系が望遠側時における視野率が低い
事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項2のカメラにおいて、
該カメラ防振制御手段がONの時は、
該変倍動作に係わらず該被写体表示手段の視野率がほぼ一定で、
該カメラ防振制御手段がOFFの時は、
撮影光学系が広角側時における視野率よりも、
撮影光学系が望遠側時における視野率が低い事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項3のカメラにおいて、
該振動検出手段が検出した振動量が小さい時は、該被写体表示手段の視野率を大きくし、
該振動検出手段が検出した振動量が大きい時は、該被写体表示手段の視野率を小さくする事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項1、2,3,7,8,9,10のカメラにおいて、
該被写体表示手段が、LCD(液晶式表示装置)である事を特徴とする被写体表示装置。 - 請求項1から10のカメラにおいて、
該被写体表示手段が、光学式のファインダーであって、
該ファインダーを駆動するファインダー駆動手段が、
該撮影光学系の望遠側よりも、より望遠側の撮影範囲を表示可能な延長駆動部分を、
持つことを特徴とする被写体表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002161567A JP2004012499A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 被写体表示装置 |
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JP2002161567A JP2004012499A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 被写体表示装置 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN105388581A (zh) * | 2015-12-19 | 2016-03-09 | 中山联合光电科技股份有限公司 | 一种镜头传动机构 |
JP2019132917A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | キヤノン株式会社 | 撮像装置およびその制御方法 |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161567A patent/JP2004012499A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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