JP2004012410A - 吸着剤試験方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着剤の吸着性能を測定することができる吸着剤試験方法および装置を提供すること。
【解決手段】吸着剤3の一側面に湿ったガスを接触させるとともに該吸着剤3の他側面に乾燥したガスを接触させた後、前記吸着剤3の厚さ方向の温度分布の時間変化を測定する。測定にはサーモビュアカメラ(赤外線温度計)を使用することにより、前記吸着剤3に対して非接触で該吸着剤3の温度分布を測定することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸着剤3の一側面に湿ったガスを接触させるとともに該吸着剤3の他側面に乾燥したガスを接触させた後、前記吸着剤3の厚さ方向の温度分布の時間変化を測定する。測定にはサーモビュアカメラ(赤外線温度計)を使用することにより、前記吸着剤3に対して非接触で該吸着剤3の温度分布を測定することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤の性能評価を行う吸着剤試験方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、脱湿等の吸着処理を行う場合、ゼオライト、シリカゲルなどの吸着剤を用いてPSA(圧力スイング吸着),TSA(温度スイング吸着)といった処理が行われている。
PSAは、圧力を高くすることにより吸着剤による吸着を行い、圧力を低くすることで脱着を行う。これによって吸脱着サイクルを繰り返して空気中の脱湿やガスの回収などを行うことができる。同様にTSAは温度の高低によって吸脱着サイクルを繰り返す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような吸着剤において、吸着剤の吸脱着過程における吸着剤内部の状態を知ることは行われていなかった。しかし、吸着剤内部の状態、すなわち吸脱着性能を知ることで吸着剤の性能評価が可能となることから、吸着性能を測定することが望まれている。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、吸着剤の吸着性能を測定することができる吸着剤試験方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の吸着剤試験方法は、吸着剤の一側面に湿ったガスを接触させるとともに該吸着剤の他側面に乾燥したガスを接触させた後、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することを特徴とする。
【0006】
吸着剤は水分を吸着することで吸着熱が生ずる。吸着熱によって吸着剤には厚さ方向に温度分布が生ずる。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】
吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記の式の吸脱着熱項を推定することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸着剤試験方法において、赤外線温度計を使用して前記吸着剤に対して非接触で該吸着剤の温度分布を測定することを特徴とする。
【0010】
この発明においては、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することにより、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の吸着剤試験方法において、前記赤外線温度計と吸着剤との間に位置して、前記吸着剤を空気に露出させない被覆材を設けたことを特徴とする。
【0012】
赤外線温度計は吸着剤の端面の温度を測ることで厚さ方向の温度分布を測定するが、本発明によれば吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、吸着剤を挟んで二分割される測定室を備え、該測定室には、前記吸着剤に対して一側に湿ったガスが導入され、他側に乾燥したガスが導入され、さらに、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布変化を測定する温度計を有していることを特徴とする。
【0014】
吸着剤は水分を吸着することで吸着熱が生ずる。吸着熱によって吸着剤には厚さ方向に温度分布が生ずる。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記式の吸脱着熱項を推定することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吸着剤試験装置において、前記温度計は赤外線温度計であることを特徴とする。
【0018】
この発明においては、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することができるため、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の吸着剤試験装置において、前記赤外線温度計と前記吸着剤との間に位置して、該吸着剤を空気に露出させない被覆材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
赤外線温度計は吸着剤の端面の温度を測ることで厚さ方向の温度分布を測定するが、本発明によれば吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態として示した吸着剤試験装置1である。図において、符号2は吸着剤3を挟んで二分割されるアクリル製の測定室である。測定室2には、後述するように、吸着剤3に対して一側の空間2aに湿ガスが導入され、他側の空間2bに乾ガスが導入されるようになっている。
空間2bに乾燥したガスを供給する手段として、以下の構成が設けられている。符号5は窒素タンクであり、この窒素タンク5から吐出される窒素ガスは、塩化カルシウムを用いて除湿を行う除湿器6によって除湿されるようになっている。除湿された窒素ガスは分岐し、一方が空間2bに設けられたガス導入口10を介して空間2b内に導入されるようになっている。また、空間2bにはガス排出口11が設けられており、空間2bに乾ガスが導入されると共にガス排出口11から排出され、空間2b内は常に十分に乾燥した状態となっている。
【0022】
一方、除湿器6を通過した後に分岐した窒素ガスの他方は、加湿器13によって加湿される。そして空間2aに設けられたガス導入口14を介して空間2a内に導入されるようになっている。また、空間2aにはガス排出口15が設けられており、空間2aに湿ガスが導入されると共にガス排出口15から排出され、空間2a内は常に十分な湿度とすることができる。
なお、加湿器13は切換によって加湿を行う場合と、加湿を行わず乾ガスとして吐出する場合とに切り替えることができる。
【0023】
さらに、図2に示すように、吸着剤3の上端面3aの温度分布を検出するためのサーモビュアカメラ(赤外線温度計)20が設けられている。サーモビュアカメラ20は、吸着剤3とは非接触で該吸着剤3の上方に位置している。吸着剤3の上方端面3aには、吸着剤3を空気に露出させないための被覆材として、ガラス板21が設けられている。サーモビュアカメラ20はガラス板21を通して吸着剤3の測定を行う。
【0024】
さて、このように構成された本実施形態の吸着剤試験装置は、以下のようにして用いられる。
まず、空間2aおよび空間2bの双方に乾ガスを供給し、測定室2と吸着剤3とを乾燥状態とする。そして、加湿器13を切り替えて空間2aに湿ガスをパルス的に送る。空間2aの湿度が上昇することによって、吸着剤3は水分を吸着し、吸着熱が生ずる。吸着熱は吸着剤3の内部に非定常的に生じ、上端面3aには内部の状態と同様の温度分布が生ずる。この温度分布の変化はサーモビュアカメラ20により測定される。その後は空間2aに乾ガスを送り、引き続きサーモビュアカメラ20により温度分布の変化を測定する。
【0025】
図3は吸着剤3の温度分布の変化である。図の左側が湿ガス側、右側が乾ガス側である。吸着剤3の厚さ方向の温度分布は、湿ガスが供給された時点においてはT0となっている。時間の経過につれ、T1、T2…と変化していく。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0026】
【数3】
【0027】
図3のように変化する吸着剤3厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記の式の顕熱上昇、熱伝導項を得るから、該式より吸脱着熱項を推定することができる。
吸脱着熱項を得ることで、吸着剤の吸脱着性能がわかるから、例えばPSA,TSA等における性能評価に利用することができる。具体的にはΔHが得られることにより、図4のように濃度・吸脱着量・温度の関係を得ることができる。したがって、例えばPSAの場合には、濃度(圧力)と吸脱着量との関係を得ることができる。
また、温度計としてサーモビュアカメラ20を用いているから、吸着剤3に対して非接触で測定することができる。したがって、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されず、正確な温度分布を測定することができる。
また、吸着剤3の上端面3aがガラス板21で被われているため、上端面3aには吸着剤3内部の温度が十分に伝わり、上端面3aの温度分布は吸着剤3内部の温度分布により近くなる。したがってより正確な温度分布を測定することができる。
【0028】
なお、サーモビュアカメラではなく熱電対を吸着剤3の厚さ方向に複数設けて厚さ方向の温度分布を測定するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、吸脱着性能を評価することができる。
請求項2に記載の発明によれば、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することにより、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。したがって正確な温度分布を測定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。したがって正確な温度分布を測定することができる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、吸脱着性能を評価することができる。
請求項5に記載の発明によれば、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することができるため、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。したがって正確な温度分布を測定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。したがって正確な温度分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示した吸着剤試験装置の全体図である。
【図2】同吸着剤試験装置の吸着剤とサーモビュアカメラとを示した側面図である。
【図3】吸着剤の温度分布変化を示した図である。
【図4】吸着剤における濃度・吸脱着量・温度の特性関係を示した図である。
【符号の説明】
2 測定室
3 吸着剤
20 サーモビュアカメラ(赤外線温度計)
21 ガラス板(被覆材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤の性能評価を行う吸着剤試験方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、脱湿等の吸着処理を行う場合、ゼオライト、シリカゲルなどの吸着剤を用いてPSA(圧力スイング吸着),TSA(温度スイング吸着)といった処理が行われている。
PSAは、圧力を高くすることにより吸着剤による吸着を行い、圧力を低くすることで脱着を行う。これによって吸脱着サイクルを繰り返して空気中の脱湿やガスの回収などを行うことができる。同様にTSAは温度の高低によって吸脱着サイクルを繰り返す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような吸着剤において、吸着剤の吸脱着過程における吸着剤内部の状態を知ることは行われていなかった。しかし、吸着剤内部の状態、すなわち吸脱着性能を知ることで吸着剤の性能評価が可能となることから、吸着性能を測定することが望まれている。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、吸着剤の吸着性能を測定することができる吸着剤試験方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の吸着剤試験方法は、吸着剤の一側面に湿ったガスを接触させるとともに該吸着剤の他側面に乾燥したガスを接触させた後、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することを特徴とする。
【0006】
吸着剤は水分を吸着することで吸着熱が生ずる。吸着熱によって吸着剤には厚さ方向に温度分布が生ずる。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】
吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記の式の吸脱着熱項を推定することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸着剤試験方法において、赤外線温度計を使用して前記吸着剤に対して非接触で該吸着剤の温度分布を測定することを特徴とする。
【0010】
この発明においては、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することにより、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の吸着剤試験方法において、前記赤外線温度計と吸着剤との間に位置して、前記吸着剤を空気に露出させない被覆材を設けたことを特徴とする。
【0012】
赤外線温度計は吸着剤の端面の温度を測ることで厚さ方向の温度分布を測定するが、本発明によれば吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、吸着剤を挟んで二分割される測定室を備え、該測定室には、前記吸着剤に対して一側に湿ったガスが導入され、他側に乾燥したガスが導入され、さらに、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布変化を測定する温度計を有していることを特徴とする。
【0014】
吸着剤は水分を吸着することで吸着熱が生ずる。吸着熱によって吸着剤には厚さ方向に温度分布が生ずる。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記式の吸脱着熱項を推定することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吸着剤試験装置において、前記温度計は赤外線温度計であることを特徴とする。
【0018】
この発明においては、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することができるため、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の吸着剤試験装置において、前記赤外線温度計と前記吸着剤との間に位置して、該吸着剤を空気に露出させない被覆材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
赤外線温度計は吸着剤の端面の温度を測ることで厚さ方向の温度分布を測定するが、本発明によれば吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態として示した吸着剤試験装置1である。図において、符号2は吸着剤3を挟んで二分割されるアクリル製の測定室である。測定室2には、後述するように、吸着剤3に対して一側の空間2aに湿ガスが導入され、他側の空間2bに乾ガスが導入されるようになっている。
空間2bに乾燥したガスを供給する手段として、以下の構成が設けられている。符号5は窒素タンクであり、この窒素タンク5から吐出される窒素ガスは、塩化カルシウムを用いて除湿を行う除湿器6によって除湿されるようになっている。除湿された窒素ガスは分岐し、一方が空間2bに設けられたガス導入口10を介して空間2b内に導入されるようになっている。また、空間2bにはガス排出口11が設けられており、空間2bに乾ガスが導入されると共にガス排出口11から排出され、空間2b内は常に十分に乾燥した状態となっている。
【0022】
一方、除湿器6を通過した後に分岐した窒素ガスの他方は、加湿器13によって加湿される。そして空間2aに設けられたガス導入口14を介して空間2a内に導入されるようになっている。また、空間2aにはガス排出口15が設けられており、空間2aに湿ガスが導入されると共にガス排出口15から排出され、空間2a内は常に十分な湿度とすることができる。
なお、加湿器13は切換によって加湿を行う場合と、加湿を行わず乾ガスとして吐出する場合とに切り替えることができる。
【0023】
さらに、図2に示すように、吸着剤3の上端面3aの温度分布を検出するためのサーモビュアカメラ(赤外線温度計)20が設けられている。サーモビュアカメラ20は、吸着剤3とは非接触で該吸着剤3の上方に位置している。吸着剤3の上方端面3aには、吸着剤3を空気に露出させないための被覆材として、ガラス板21が設けられている。サーモビュアカメラ20はガラス板21を通して吸着剤3の測定を行う。
【0024】
さて、このように構成された本実施形態の吸着剤試験装置は、以下のようにして用いられる。
まず、空間2aおよび空間2bの双方に乾ガスを供給し、測定室2と吸着剤3とを乾燥状態とする。そして、加湿器13を切り替えて空間2aに湿ガスをパルス的に送る。空間2aの湿度が上昇することによって、吸着剤3は水分を吸着し、吸着熱が生ずる。吸着熱は吸着剤3の内部に非定常的に生じ、上端面3aには内部の状態と同様の温度分布が生ずる。この温度分布の変化はサーモビュアカメラ20により測定される。その後は空間2aに乾ガスを送り、引き続きサーモビュアカメラ20により温度分布の変化を測定する。
【0025】
図3は吸着剤3の温度分布の変化である。図の左側が湿ガス側、右側が乾ガス側である。吸着剤3の厚さ方向の温度分布は、湿ガスが供給された時点においてはT0となっている。時間の経過につれ、T1、T2…と変化していく。
ここで、吸着剤内部のエネルギーは以下の式で表される。
【0026】
【数3】
【0027】
図3のように変化する吸着剤3厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、上記の式の顕熱上昇、熱伝導項を得るから、該式より吸脱着熱項を推定することができる。
吸脱着熱項を得ることで、吸着剤の吸脱着性能がわかるから、例えばPSA,TSA等における性能評価に利用することができる。具体的にはΔHが得られることにより、図4のように濃度・吸脱着量・温度の関係を得ることができる。したがって、例えばPSAの場合には、濃度(圧力)と吸脱着量との関係を得ることができる。
また、温度計としてサーモビュアカメラ20を用いているから、吸着剤3に対して非接触で測定することができる。したがって、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されず、正確な温度分布を測定することができる。
また、吸着剤3の上端面3aがガラス板21で被われているため、上端面3aには吸着剤3内部の温度が十分に伝わり、上端面3aの温度分布は吸着剤3内部の温度分布により近くなる。したがってより正確な温度分布を測定することができる。
【0028】
なお、サーモビュアカメラではなく熱電対を吸着剤3の厚さ方向に複数設けて厚さ方向の温度分布を測定するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、吸脱着性能を評価することができる。
請求項2に記載の発明によれば、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することにより、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。したがって正確な温度分布を測定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。したがって正確な温度分布を測定することができる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、吸着剤厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することで、吸脱着性能を評価することができる。
請求項5に記載の発明によれば、赤外線温度計は吸着剤に対して非接触で測定することができるため、測定結果が温度計自体の熱容量に影響されない。したがって正確な温度分布を測定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、吸着剤端面が大気に露出していないから、端面には吸着剤内部の温度が十分に伝わり、端面の温度分布は吸着剤内部の温度分布により近くなる。したがって正確な温度分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示した吸着剤試験装置の全体図である。
【図2】同吸着剤試験装置の吸着剤とサーモビュアカメラとを示した側面図である。
【図3】吸着剤の温度分布変化を示した図である。
【図4】吸着剤における濃度・吸脱着量・温度の特性関係を示した図である。
【符号の説明】
2 測定室
3 吸着剤
20 サーモビュアカメラ(赤外線温度計)
21 ガラス板(被覆材)
Claims (6)
- 吸着剤の一側面に湿ったガスを接触させるとともに該吸着剤の他側面に乾燥したガスを接触させた後、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布の時間変化を測定することを特徴とする吸着剤試験方法。
- 請求項1に記載の吸着剤試験方法において、
赤外線温度計を使用して前記吸着剤に対して非接触で該吸着剤の温度分布を測定することを特徴とする吸着剤試験方法。 - 請求項2に記載の吸着剤試験方法において、
前記赤外線温度計と吸着剤との間に位置して、前記吸着剤を空気に露出させない被覆材を設けたことを特徴とする吸着剤試験方法。 - 吸着剤を挟んで二分割される測定室を備え、該測定室には、前記吸着剤に対して一側に湿ったガスが導入され、他側に乾燥したガスが導入され、さらに、前記吸着剤の厚さ方向の温度分布変化を測定する温度計を有していることを特徴とする吸着剤試験装置。
- 請求項4に記載の吸着剤試験装置において、
前記温度計は赤外線温度計であることを特徴とする吸着剤評価装置。 - 請求項5に記載の吸着剤試験装置において、
前記赤外線温度計と前記吸着剤との間に位置して、該吸着剤を空気に露出させない被覆材が設けられていることを特徴とする吸着剤試験装置。
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2002
- 2002-06-11 JP JP2002169747A patent/JP3771873B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4674216B2 (ja) * | 2007-01-29 | 2011-04-20 | オリオン機械株式会社 | 吸着材の吸着容量測定装置 |
WO2013140917A1 (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-26 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 液体クロマトグラフ分析装置及びその温度制御方法 |
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JP3771873B2 (ja) | 2006-04-26 |
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