JP2004012315A - 炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法 - Google Patents
炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】CVD膜、高純度セラミックス等のうち、特に、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材に存在する極微量の不純物金属を、所望の深さにおいて正確に定量することができ、これにより、深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法を提供する。
【解決手段】炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することにより、深さ方向における不純物濃度分布を求める。
【選択図】 なし
【解決手段】炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することにより、深さ方向における不純物濃度分布を求める。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法に関し、より詳細には、CVD膜、高純度セラミックス等のうち、特に、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材において、深さ方向における微量不純物の濃度分布を測定するために好適な炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファインセラミックスの代表的な材料である炭化ケイ素および窒化ケイ素は、優れた耐熱性、耐食性、耐摩耗性等を有している。このため、従来から、自動車エンジン、ポンプ、機械部品、切削工具等に利用され、さらに近年、精密工業分野への利用も急速に広まっている。特に、高純度品は、不純物金属汚染に対して厳しい水準が要求される半導体製造分野での利用が注目されている。
【0003】
上記炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の特性は、含有する不純物量により大きく影響される。特に、半導体製造用部材においては、その表層部分に存在する金属不純物が微量である場合にも、周辺環境に及ぼす汚染への影響が大きい。
したがって、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の不純物量を、高精度かつ迅速に評価することは、さらなる高純度品の開発、品質管理等において重要である。
【0004】
従来、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の微量不純物定量法としては、主に、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)、原子吸光分析法(AAS)等が使用されていた。
これらの測定においては、固体試料を溶液化する必要がある。その方法としては、一般に、アルカリ融解、酸分解等が用いられてきた。
【0005】
しかしながら、アルカリ融解は、多量の融剤が使用されるため、微量不純物の分析には適しておらず、また、酸分解は、試料汚染は少ないものの、分解に時間がかかるという欠点があった。
このため、最近は、微量不純物の定量分析のための溶液化においては、高純度の酸を使用した加圧酸分解法が多用されている。この方法においては、分解時間の短縮化を図るために、ヒータ等の外部加熱またはマイクロ波による内部加熱等により加熱しながら行われている。
【0006】
また、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を求める場合には、上記ICP−AES、AAS等によっては困難であるとされ、一般に、二次イオン質量分析法(SIMS)、グロー放電質量分析法(GDMS)等の部分的な半定量分析法により行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような半定量分析法では、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の微量不純物について、試料全面についての深さ方向における濃度分布を高精度で定量することは困難であった。特に、不純物が均等に存在せず、分布の偏りが大きい場合には、測定箇所によるバラツキが生じやすく、試料全面における正確な分析には、適しているとは言えなかった。
【0008】
また、固体試料の所定の深さにおける不純物濃度を求める際、従来の酸分解に用いられていたエッチング液を用いた場合は、固体試料のエッチング深さ、すなわち、エッチング量の制御は困難であった。
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、CVD膜、高純度セラミックス等のうち、特に、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材に存在する極微量の不純物金属を、所望の深さにおいて正確に定量することができ、これにより、深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することを特徴とする。
このような固体試料の全面のステップエッチングにより、極微量の不純物であっても、所望の深さにおいて正確に定量することができるため、深さ方向における不純物濃度分布を高精度で測定することができる。
【0011】
前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸=7:1〜0.005であることが好ましい。
前記加圧酸分解処理工程において用いられるエッチング液は、エッチング量の均等性、または、測定の迅速性、効率性の観点から、上記のような混合比とすることが好ましい。
【0012】
また、前記混合溶液には、さらに、硫酸が添加されていてもよい。この場合、前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸:硫酸=7:1〜0.005:0.1〜0.001であることが好ましい。
このように、硫酸が添加されたエッチング液を用いた場合にも、硝酸にフッ化水素酸のみが添加されたエッチング液と同様の加圧酸分解処理の効果が得られる。
【0013】
さらにまた、前記加圧酸分解処理工程においては、ポリテトラフルオロエチレン製容器内で、マイクロ波加熱することが好ましい。
加圧酸分解処理においては、耐食性、耐圧性、汚染防止性等の観点から、上記材質からなる容器を用いることが好ましい。また、マイクロ波加熱によれば、熱効率がよく、拡散作用等により固体試料の分解が促進され、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係るセラミックスの不純物濃度分布測定方法は、エッチング液を用いてセラミックスのエッチングを行う工程と、前記工程により得られたエッチング液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、セラミックスの深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記不純物濃度の測定値を、前記セラミックスの粒界相がエッチングされた深さ方向の距離と等しい均一な厚さの層全体における分析値として置換することを特徴とする。
セラミックスのエッチングにより減少した重量と、粒界相のみがエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さとの関係を予め求めておき、この関係に対応させることにより、測定したエッチング量から、該エッチングされた粒界相の深さが求められ、これを、全面が均等にエッチングされた場合のエッチング深さとして置換するものである。
【0015】
このような分析値の置換は、セラミックス全般について適用することができるが、特に、上記した炭化ケイ素材または窒化ケイ素材のセラミックスの深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において行われることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、一部図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る方法は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により、所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することを特徴とするものである。
これにより、固体試料の全面において、極微量の不純物であっても、所望の深さにおいて正確に定量することができるため、深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる。
【0017】
上記不純物濃度分布測定方法においては、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材からなるセラミックスの場合には、セラミックスの粒界相にのみ不純物が存在すると仮定し、前記加圧酸分解処理工程において、エッチングされた粒界相の深さまでは、たとえ結晶粒子が残存している場合であっても、そのエッチングされた深さ方向の距離までは、均一な厚さで層全体がエッチングされたとものとすることが好ましい。
このことは、炭化ケイ素セラミックスまたは窒化ケイ素セラミックスに限られず、アルミナ等を含むセラミックス全般に対して、適用することができる。
【0018】
結晶粒子と粒界相とからなるセラミックスにおいては、試料の全面が均等な深さでエッチングされるのではなく、不純物が集中しやすい粒界相のエッチング量が大きくなる。一方、不純物がほとんど含まれない結晶粒子のエッチング量は小さく、結晶粒子は残存しやすい傾向にあるからである。
このため、エッチング液中に溶出した不純物は、エッチングされた粒界相の深さに相当する厚さの層内に含まれている不純物量とみなすことができる。
【0019】
具体的には、エッチングにより減少した重量と、粒界相のみがエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さとの関係を予め求めておき、この関係に対応させることにより、測定したエッチング量から、該エッチングされた粒界相の深さを求めることができる。そして、この求めた深さを、全面が均等にエッチングされた場合のエッチング深さとして置換することができる。
なお、粒界相のみがエッチングされたとみなした場合の粒界相のエッチング深さは、実際には、全面が均等にエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さよりも、1桁程度も大きくなる。
【0020】
上記したエッチングによる減少重量とエッチング深さとの関係は、被測定試料と同一材からなる複数の試料を用いて、エッチング時間を変化させて、測定することにより導くことができる。
また、複数の試料について、同時にエッチングを行った後、試料の1つについて、深さ方向の断面を観察して、粒界相のエッチング深さを求めてもよい。
エッチング深さの測定は、電子線走査マイクロアナライザ(EPMA)等により行うことができる。
【0021】
以下、上記方法の各工程を、セラミックス試料の場合について、具体的に説明する。なお、すべての工程は、特に、高純度セラミックス試料の場合は、極微量の不純物量を定量するため、クリーンルーム内で行われることが好ましい。
まず、被測定試料と同様の材質からなる、同じ大きさの複数の試料について、それぞれ重量を測定する。
次に、各試料について、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液をエッチング液として用いて、所定の深さまでの加圧酸分解処理を行う。
【0022】
図1に、上記加圧酸分解処理工程において用いられる処理装置の要部を示す。上記加圧酸分解処理工程においては、まず、重量を測定した前記試料Sを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のジャー1に入れる。そして、前記ジャー1に高純度の硝酸および微量のフッ化水素酸(もしくはフッ化水素酸と硫酸)の混合溶液(エッチング液)Lを所定量添加し、前記試料Sの表面全体を前記混合溶液Lに浸漬させる。
前記ジャー1にカバー1aをした後、このジャー1を高圧分解容器2内に収容して密閉し、さらに、耐熱材からなるプロテクションシールド3で覆う。そして、モノブロック高圧ローター4下部のボトムプレート4a上にセットする。
そして、前記高圧分解容器2を、前記モノブロック高圧ローター4の上部に設けられたプレッシャースクリュー4b、スプリング5およびアダプタープレート6を介して、密閉状態を維持して回転させながら、マイクロ波加熱装置(図示せず)を用いて、マイクロ波によるエッチング液Lの内部加熱を行い、加圧下での酸分解により試料Sのエッチングを行う。
【0023】
上記エッチングにおいては、試料ごとにエッチング時間を変化させて、減少重量を測定する。また、エッチングされた粒界相の深さをEPMAにより測定し、これらの関係をグラフ化する。
次に、被測定試料について、上記と同様に、エッチングを行い、このエッチング液を回収し、また、エッチングによる減少重量を測定する。そして、この減少重量を、上記の予め作成したグラフに対応させることにより、エッチング深さ(エッチングされた粒界相の深さ)を求める。
【0024】
上記加圧酸分解処理の後、ジャー1内のエッチング液LをPTFE製目皿に回収する。そして、このエッチング液Lをフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理により濃縮し、純水で任意の容量に定容して、試料溶液とする。
この試料溶液について、ICP−MS、AAS等により、不純物濃度を測定する。
【0025】
ICP−MS等により測定された不純物濃度とエッチング深さとの関係から、試料のエッチング深さと等しい均一な厚さの層全体に含まれている不純物濃度が求められる。
そして、前記測定試料に対する一連の操作を繰り返すこと(ステップエッチング)により、不純物の深さ方向における濃度分布を測定することができる。
【0026】
本発明において用いられるエッチング液には、上記加圧酸分解処理において試料全面にわたって、エッチング量が均等となるようにするため、高純度の硝酸および微量のフッ化水素酸(もしくはフッ化水素酸と硫酸)の混合溶液を用いる。
前記混合溶液は、従来よりも、硝酸量に対して配合されるフッ化水素酸量が少ないため、前記加圧酸分解処理において、エッチングを穏やかに、かつ、一定速度で進行させることができる。このため、試料全面におけるエッチング量の均等化を図ることができる。
【0027】
このとき、前記混合溶液の組成は、1回の操作によりエッチングされる深さに応じて、所望のエッチング量となるように適宜調整される。
前記混合溶液中のフッ化水素酸量の割合を大きくすることにより、酸分解処理時間の短縮化を図り、本発明に係る方法による場合と同等のエッチング量を得ることも可能ではあるが、この場合、試料の各部分におけるエッチング量の不均一性が著しいものとなる。
このため、エッチング量の均等化を図るためには、硝酸に対するフッ化水素酸量をできるだけ少量とし、反応が十分進行するように、酸分解処理はできる限り長時間とすることが好ましい。
【0028】
したがって、前記混合溶液の組成は、体積比で硝酸:フッ化水素酸=7:1〜0.005であることが好ましく、より好ましくは、7:0.1〜0.01とする。
硝酸に対するフッ化水素酸の割合が1/7より大きい場合は、前記エッチング量の不均等性が著しくなる。
一方、硝酸に対するフッ化水素酸の割合が0.005/7より小さい場合は、エッチング速度が小さく、酸分解処理時間が長くなりすぎるため、測定の迅速性、効率性の観点から好ましくない。
【0029】
また、上記のように、フッ化水素酸の代わりに、フッ化水素酸および硫酸を併用して、硝酸に添加した場合にも、同様に、エッチングを行うことができる。この場合は、硝酸:フッ化水素酸:硫酸=7:1〜0.005:0.1〜0.001であることが好ましい。
【0030】
前記加圧酸分解処理の1回の操作は、上記のようなエッチング液を用いて、170〜250℃で、1〜10時間程度で行われる。
加熱方法は、ヒータ等による外部加熱でもよいが、エッチング液自体が発熱するマイクロ波を用いた内部加熱の方が、熱効率がよく、拡散作用等により固体試料の分解が促進され、処理時間の短縮化を図ることができるため好ましい。
【0031】
前記加圧酸分解処理において、試料およびエッチング液を収容するジャーの材質としては、腐食性溶液に接触した状態で、加圧下で使用されるものであるため、耐食性、耐圧性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、より耐熱性に優れた変性PTFE(TFM;Hoechst社製)を用いることが好ましい。
これらの材質は、酸分解処理工程において、外部からの不純物汚染や作業中の汚染を防止することができる点で好ましく、また、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)製に比べても、洗浄により、空試験値を容易に低減させることができる点からも好ましい。
【0032】
また、加圧酸分解処理により得られたエッチング液は、フッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理等により濃縮する。
本発明においては、上記のように、フッ化水素酸量が少ないエッチング液を用いるため、濃縮時にエッチング液に含まれているシリコン酸化物が析出することを防止するためである。
エッチング液に、予めフッ化水素酸を添加して濃縮することにより、シリコン酸化物の析出を回避することも可能であるが、フッ化水素酸に含まれる不純物が濃縮液に混入してしまうため、空試験値を低減させるためには、蒸気曝露させた後に濃縮することが好ましい。
【0033】
上記濃縮液は、分析のために定容して、試料溶液とされ、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)、原子吸光分析(AAS)等の分析方法により、不純物の定量を行う。
上記分析のための試料溶液は、試料表面全体のエッチングにより得られたものであるため、試料全面における不純物量を求めることができる。
【0034】
また、下記実施例に示すように、本発明に係る方法は、不純物金属の定量下限が低く、高感度であるため、高純度SiCセラミックス、高純度Si3N4セラミックス、CVD−SiC膜、CVD−Si3N4膜等についても、微量の不純物金属による汚染の分布状態を高精度で把握することができる。
【0035】
したがって、本発明に係る方法は、CVD−SiC膜等の汚染原因の調査、純化方法の検討等のための評価試験において好適に利用することができ、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の品質向上に寄与することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
CVD−SiC膜10mgの試料を3点調製し、各試料について、図1に示したような加圧酸分解処理装置で、硝酸7mlおよびフッ化水素酸0.05mlの混合溶液をエッチング液として用いて、マイクロ波により200℃に加熱し、2時間、加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮し、純水で定容して試料溶液を調製した。
各試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量の空試験値を測定し、定量下限値を推定した。
この結果を表1に示す。
【0037】
[比較例1]
CVD−SiC膜150mgの試料を3点調製し、各試料について、硝酸5mlおよびフッ化水素酸5mlの混合溶液をエッチング液として用いて、ヒータにより200℃に加熱し、20時間、従来法による加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液を濃縮した後、純水で定容して試料溶液を調製した。
各試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量の空試験値を測定し、定量下限値を推定した。
この結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示したように、本発明に係る方法(実施例1)によれば、各不純物金属の定量下限値は、従来法(比較例1)に比べて1〜2桁程度向上することが認められた。
このため、本発明に係る方法は、不純物金属の定量下限が低く、高感度であるため、CVD−SiC膜についても、微量の不純物金属による汚染を高精度で把握することができる。
【0040】
[実施例2]
Si含浸SiCセラミックスの表面に、厚さ1mmのCVD−SiC膜を形成した15mm×15mm×3mmの試料5点(A〜E)を、同じ基材から作製した。
各試料の重量を測定した後、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液をエッチング液として用いて、フッ化水素酸の添加量を調整することにより、各試料のエッチング量を変化させ、それぞれ、エッチングによる減少重量を求めた。
また、各試料の表面および断面について走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、さらに、エッチングされた粒界相の深さをEPMAにより測定した。
これらの結果を表2および図2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
SEMによる観察では、表面形状には大きな変化は認められなかったが、断面においては、CVD膜の粒界相で、選択的にエッチングが進行していることが認められた。
また、表2および図2に示した粒界相のエッチング深さは、エッチングによる減少重量が全面で均等にエッチングされた場合の数値であると仮定した場合の深さの約10倍であった。
【0043】
[実施例3]
CVD−SiC膜の厚さを40μmとして、それ以外については実施例2と同様にして、試料Fを作製し、重量を測定した。
この試料Fについて、図1に示したような加圧酸分解処理装置で、硝酸5mlおよびフッ化水素酸0.01mlの混合溶液をエッチング液として用いて、マイクロ波により200℃に加熱し、20時間、加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理により濃縮し、純水で500μlに定容して試料溶液を調製した。
得られた試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量を測定した。
また、エッチングによる減少重量を求め、粒界相のエッチング深さを図2に示したグラフに対応させることにより求めた。
上記操作を、繰り返し行った。これらの結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
[実施例4]
CVD−SiC膜の厚さを20μmとして、それ以外については実施例2と同様にして、試料Gを作製し、重量を測定した。
この試料Gについて、実施例3と同様にして、不純物金属量、エッチングによる減少重量、エッチング深さを求めた。
これらの結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表3、表4に示したように、本発明に係る方法による測定の結果、CVD−SiC膜の深さ方向における不純物金属濃度を明瞭に把握することができることが確認された。
なお、表4において、4層目(エッチング深さ19.27〜27.26μm)および5層目(エッチング深さ27.26〜34.78μm)の不純物濃度が高くなっているのは、試料GのCVD−SiC膜の厚さは20μmであり、Si含浸炭化ケイ素基材までエッチングされたためである。
【0048】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、CVD膜、高純度セラミックス等に存在する極微量の不純物を、所望の深さにおいて正確に定量することができる。
また、これにより、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる。
したがって、本発明に係る方法は、CVD−SiC膜等の汚染原因、汚染量、汚染深さの調査や、純化方法、洗浄方法の検討等に利用することにより、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の品質向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法において用いられる加圧酸分解処理装置の一例の要部を示す概略断面図である。
【図2】実施例2におけるエッチングによる減少重量とエッチング深さとの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ジャー
1a カバー
2 高圧分解容器
3 プロテクションシールド
4 モノブロック高圧ローター
4a ボトムプレート
4b プレッシャースクリュー
5 スプリング
6 アダプタープレート
L 混合溶液(エッチング液)
S 試料
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法に関し、より詳細には、CVD膜、高純度セラミックス等のうち、特に、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材において、深さ方向における微量不純物の濃度分布を測定するために好適な炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファインセラミックスの代表的な材料である炭化ケイ素および窒化ケイ素は、優れた耐熱性、耐食性、耐摩耗性等を有している。このため、従来から、自動車エンジン、ポンプ、機械部品、切削工具等に利用され、さらに近年、精密工業分野への利用も急速に広まっている。特に、高純度品は、不純物金属汚染に対して厳しい水準が要求される半導体製造分野での利用が注目されている。
【0003】
上記炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の特性は、含有する不純物量により大きく影響される。特に、半導体製造用部材においては、その表層部分に存在する金属不純物が微量である場合にも、周辺環境に及ぼす汚染への影響が大きい。
したがって、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の不純物量を、高精度かつ迅速に評価することは、さらなる高純度品の開発、品質管理等において重要である。
【0004】
従来、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の微量不純物定量法としては、主に、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)、原子吸光分析法(AAS)等が使用されていた。
これらの測定においては、固体試料を溶液化する必要がある。その方法としては、一般に、アルカリ融解、酸分解等が用いられてきた。
【0005】
しかしながら、アルカリ融解は、多量の融剤が使用されるため、微量不純物の分析には適しておらず、また、酸分解は、試料汚染は少ないものの、分解に時間がかかるという欠点があった。
このため、最近は、微量不純物の定量分析のための溶液化においては、高純度の酸を使用した加圧酸分解法が多用されている。この方法においては、分解時間の短縮化を図るために、ヒータ等の外部加熱またはマイクロ波による内部加熱等により加熱しながら行われている。
【0006】
また、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を求める場合には、上記ICP−AES、AAS等によっては困難であるとされ、一般に、二次イオン質量分析法(SIMS)、グロー放電質量分析法(GDMS)等の部分的な半定量分析法により行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような半定量分析法では、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の微量不純物について、試料全面についての深さ方向における濃度分布を高精度で定量することは困難であった。特に、不純物が均等に存在せず、分布の偏りが大きい場合には、測定箇所によるバラツキが生じやすく、試料全面における正確な分析には、適しているとは言えなかった。
【0008】
また、固体試料の所定の深さにおける不純物濃度を求める際、従来の酸分解に用いられていたエッチング液を用いた場合は、固体試料のエッチング深さ、すなわち、エッチング量の制御は困難であった。
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、CVD膜、高純度セラミックス等のうち、特に、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材に存在する極微量の不純物金属を、所望の深さにおいて正確に定量することができ、これにより、深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法ならびにセラミックスの不純物濃度分布測定方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することを特徴とする。
このような固体試料の全面のステップエッチングにより、極微量の不純物であっても、所望の深さにおいて正確に定量することができるため、深さ方向における不純物濃度分布を高精度で測定することができる。
【0011】
前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸=7:1〜0.005であることが好ましい。
前記加圧酸分解処理工程において用いられるエッチング液は、エッチング量の均等性、または、測定の迅速性、効率性の観点から、上記のような混合比とすることが好ましい。
【0012】
また、前記混合溶液には、さらに、硫酸が添加されていてもよい。この場合、前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸:硫酸=7:1〜0.005:0.1〜0.001であることが好ましい。
このように、硫酸が添加されたエッチング液を用いた場合にも、硝酸にフッ化水素酸のみが添加されたエッチング液と同様の加圧酸分解処理の効果が得られる。
【0013】
さらにまた、前記加圧酸分解処理工程においては、ポリテトラフルオロエチレン製容器内で、マイクロ波加熱することが好ましい。
加圧酸分解処理においては、耐食性、耐圧性、汚染防止性等の観点から、上記材質からなる容器を用いることが好ましい。また、マイクロ波加熱によれば、熱効率がよく、拡散作用等により固体試料の分解が促進され、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係るセラミックスの不純物濃度分布測定方法は、エッチング液を用いてセラミックスのエッチングを行う工程と、前記工程により得られたエッチング液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、セラミックスの深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記不純物濃度の測定値を、前記セラミックスの粒界相がエッチングされた深さ方向の距離と等しい均一な厚さの層全体における分析値として置換することを特徴とする。
セラミックスのエッチングにより減少した重量と、粒界相のみがエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さとの関係を予め求めておき、この関係に対応させることにより、測定したエッチング量から、該エッチングされた粒界相の深さが求められ、これを、全面が均等にエッチングされた場合のエッチング深さとして置換するものである。
【0015】
このような分析値の置換は、セラミックス全般について適用することができるが、特に、上記した炭化ケイ素材または窒化ケイ素材のセラミックスの深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において行われることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、一部図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る方法は、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材を、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により、所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することを特徴とするものである。
これにより、固体試料の全面において、極微量の不純物であっても、所望の深さにおいて正確に定量することができるため、深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる。
【0017】
上記不純物濃度分布測定方法においては、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材からなるセラミックスの場合には、セラミックスの粒界相にのみ不純物が存在すると仮定し、前記加圧酸分解処理工程において、エッチングされた粒界相の深さまでは、たとえ結晶粒子が残存している場合であっても、そのエッチングされた深さ方向の距離までは、均一な厚さで層全体がエッチングされたとものとすることが好ましい。
このことは、炭化ケイ素セラミックスまたは窒化ケイ素セラミックスに限られず、アルミナ等を含むセラミックス全般に対して、適用することができる。
【0018】
結晶粒子と粒界相とからなるセラミックスにおいては、試料の全面が均等な深さでエッチングされるのではなく、不純物が集中しやすい粒界相のエッチング量が大きくなる。一方、不純物がほとんど含まれない結晶粒子のエッチング量は小さく、結晶粒子は残存しやすい傾向にあるからである。
このため、エッチング液中に溶出した不純物は、エッチングされた粒界相の深さに相当する厚さの層内に含まれている不純物量とみなすことができる。
【0019】
具体的には、エッチングにより減少した重量と、粒界相のみがエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さとの関係を予め求めておき、この関係に対応させることにより、測定したエッチング量から、該エッチングされた粒界相の深さを求めることができる。そして、この求めた深さを、全面が均等にエッチングされた場合のエッチング深さとして置換することができる。
なお、粒界相のみがエッチングされたとみなした場合の粒界相のエッチング深さは、実際には、全面が均等にエッチングされたと仮定した場合のエッチング深さよりも、1桁程度も大きくなる。
【0020】
上記したエッチングによる減少重量とエッチング深さとの関係は、被測定試料と同一材からなる複数の試料を用いて、エッチング時間を変化させて、測定することにより導くことができる。
また、複数の試料について、同時にエッチングを行った後、試料の1つについて、深さ方向の断面を観察して、粒界相のエッチング深さを求めてもよい。
エッチング深さの測定は、電子線走査マイクロアナライザ(EPMA)等により行うことができる。
【0021】
以下、上記方法の各工程を、セラミックス試料の場合について、具体的に説明する。なお、すべての工程は、特に、高純度セラミックス試料の場合は、極微量の不純物量を定量するため、クリーンルーム内で行われることが好ましい。
まず、被測定試料と同様の材質からなる、同じ大きさの複数の試料について、それぞれ重量を測定する。
次に、各試料について、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液をエッチング液として用いて、所定の深さまでの加圧酸分解処理を行う。
【0022】
図1に、上記加圧酸分解処理工程において用いられる処理装置の要部を示す。上記加圧酸分解処理工程においては、まず、重量を測定した前記試料Sを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のジャー1に入れる。そして、前記ジャー1に高純度の硝酸および微量のフッ化水素酸(もしくはフッ化水素酸と硫酸)の混合溶液(エッチング液)Lを所定量添加し、前記試料Sの表面全体を前記混合溶液Lに浸漬させる。
前記ジャー1にカバー1aをした後、このジャー1を高圧分解容器2内に収容して密閉し、さらに、耐熱材からなるプロテクションシールド3で覆う。そして、モノブロック高圧ローター4下部のボトムプレート4a上にセットする。
そして、前記高圧分解容器2を、前記モノブロック高圧ローター4の上部に設けられたプレッシャースクリュー4b、スプリング5およびアダプタープレート6を介して、密閉状態を維持して回転させながら、マイクロ波加熱装置(図示せず)を用いて、マイクロ波によるエッチング液Lの内部加熱を行い、加圧下での酸分解により試料Sのエッチングを行う。
【0023】
上記エッチングにおいては、試料ごとにエッチング時間を変化させて、減少重量を測定する。また、エッチングされた粒界相の深さをEPMAにより測定し、これらの関係をグラフ化する。
次に、被測定試料について、上記と同様に、エッチングを行い、このエッチング液を回収し、また、エッチングによる減少重量を測定する。そして、この減少重量を、上記の予め作成したグラフに対応させることにより、エッチング深さ(エッチングされた粒界相の深さ)を求める。
【0024】
上記加圧酸分解処理の後、ジャー1内のエッチング液LをPTFE製目皿に回収する。そして、このエッチング液Lをフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理により濃縮し、純水で任意の容量に定容して、試料溶液とする。
この試料溶液について、ICP−MS、AAS等により、不純物濃度を測定する。
【0025】
ICP−MS等により測定された不純物濃度とエッチング深さとの関係から、試料のエッチング深さと等しい均一な厚さの層全体に含まれている不純物濃度が求められる。
そして、前記測定試料に対する一連の操作を繰り返すこと(ステップエッチング)により、不純物の深さ方向における濃度分布を測定することができる。
【0026】
本発明において用いられるエッチング液には、上記加圧酸分解処理において試料全面にわたって、エッチング量が均等となるようにするため、高純度の硝酸および微量のフッ化水素酸(もしくはフッ化水素酸と硫酸)の混合溶液を用いる。
前記混合溶液は、従来よりも、硝酸量に対して配合されるフッ化水素酸量が少ないため、前記加圧酸分解処理において、エッチングを穏やかに、かつ、一定速度で進行させることができる。このため、試料全面におけるエッチング量の均等化を図ることができる。
【0027】
このとき、前記混合溶液の組成は、1回の操作によりエッチングされる深さに応じて、所望のエッチング量となるように適宜調整される。
前記混合溶液中のフッ化水素酸量の割合を大きくすることにより、酸分解処理時間の短縮化を図り、本発明に係る方法による場合と同等のエッチング量を得ることも可能ではあるが、この場合、試料の各部分におけるエッチング量の不均一性が著しいものとなる。
このため、エッチング量の均等化を図るためには、硝酸に対するフッ化水素酸量をできるだけ少量とし、反応が十分進行するように、酸分解処理はできる限り長時間とすることが好ましい。
【0028】
したがって、前記混合溶液の組成は、体積比で硝酸:フッ化水素酸=7:1〜0.005であることが好ましく、より好ましくは、7:0.1〜0.01とする。
硝酸に対するフッ化水素酸の割合が1/7より大きい場合は、前記エッチング量の不均等性が著しくなる。
一方、硝酸に対するフッ化水素酸の割合が0.005/7より小さい場合は、エッチング速度が小さく、酸分解処理時間が長くなりすぎるため、測定の迅速性、効率性の観点から好ましくない。
【0029】
また、上記のように、フッ化水素酸の代わりに、フッ化水素酸および硫酸を併用して、硝酸に添加した場合にも、同様に、エッチングを行うことができる。この場合は、硝酸:フッ化水素酸:硫酸=7:1〜0.005:0.1〜0.001であることが好ましい。
【0030】
前記加圧酸分解処理の1回の操作は、上記のようなエッチング液を用いて、170〜250℃で、1〜10時間程度で行われる。
加熱方法は、ヒータ等による外部加熱でもよいが、エッチング液自体が発熱するマイクロ波を用いた内部加熱の方が、熱効率がよく、拡散作用等により固体試料の分解が促進され、処理時間の短縮化を図ることができるため好ましい。
【0031】
前記加圧酸分解処理において、試料およびエッチング液を収容するジャーの材質としては、腐食性溶液に接触した状態で、加圧下で使用されるものであるため、耐食性、耐圧性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、より耐熱性に優れた変性PTFE(TFM;Hoechst社製)を用いることが好ましい。
これらの材質は、酸分解処理工程において、外部からの不純物汚染や作業中の汚染を防止することができる点で好ましく、また、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)製に比べても、洗浄により、空試験値を容易に低減させることができる点からも好ましい。
【0032】
また、加圧酸分解処理により得られたエッチング液は、フッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理等により濃縮する。
本発明においては、上記のように、フッ化水素酸量が少ないエッチング液を用いるため、濃縮時にエッチング液に含まれているシリコン酸化物が析出することを防止するためである。
エッチング液に、予めフッ化水素酸を添加して濃縮することにより、シリコン酸化物の析出を回避することも可能であるが、フッ化水素酸に含まれる不純物が濃縮液に混入してしまうため、空試験値を低減させるためには、蒸気曝露させた後に濃縮することが好ましい。
【0033】
上記濃縮液は、分析のために定容して、試料溶液とされ、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)、原子吸光分析(AAS)等の分析方法により、不純物の定量を行う。
上記分析のための試料溶液は、試料表面全体のエッチングにより得られたものであるため、試料全面における不純物量を求めることができる。
【0034】
また、下記実施例に示すように、本発明に係る方法は、不純物金属の定量下限が低く、高感度であるため、高純度SiCセラミックス、高純度Si3N4セラミックス、CVD−SiC膜、CVD−Si3N4膜等についても、微量の不純物金属による汚染の分布状態を高精度で把握することができる。
【0035】
したがって、本発明に係る方法は、CVD−SiC膜等の汚染原因の調査、純化方法の検討等のための評価試験において好適に利用することができ、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の品質向上に寄与することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
CVD−SiC膜10mgの試料を3点調製し、各試料について、図1に示したような加圧酸分解処理装置で、硝酸7mlおよびフッ化水素酸0.05mlの混合溶液をエッチング液として用いて、マイクロ波により200℃に加熱し、2時間、加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮し、純水で定容して試料溶液を調製した。
各試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量の空試験値を測定し、定量下限値を推定した。
この結果を表1に示す。
【0037】
[比較例1]
CVD−SiC膜150mgの試料を3点調製し、各試料について、硝酸5mlおよびフッ化水素酸5mlの混合溶液をエッチング液として用いて、ヒータにより200℃に加熱し、20時間、従来法による加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液を濃縮した後、純水で定容して試料溶液を調製した。
各試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量の空試験値を測定し、定量下限値を推定した。
この結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示したように、本発明に係る方法(実施例1)によれば、各不純物金属の定量下限値は、従来法(比較例1)に比べて1〜2桁程度向上することが認められた。
このため、本発明に係る方法は、不純物金属の定量下限が低く、高感度であるため、CVD−SiC膜についても、微量の不純物金属による汚染を高精度で把握することができる。
【0040】
[実施例2]
Si含浸SiCセラミックスの表面に、厚さ1mmのCVD−SiC膜を形成した15mm×15mm×3mmの試料5点(A〜E)を、同じ基材から作製した。
各試料の重量を測定した後、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液をエッチング液として用いて、フッ化水素酸の添加量を調整することにより、各試料のエッチング量を変化させ、それぞれ、エッチングによる減少重量を求めた。
また、各試料の表面および断面について走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、さらに、エッチングされた粒界相の深さをEPMAにより測定した。
これらの結果を表2および図2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
SEMによる観察では、表面形状には大きな変化は認められなかったが、断面においては、CVD膜の粒界相で、選択的にエッチングが進行していることが認められた。
また、表2および図2に示した粒界相のエッチング深さは、エッチングによる減少重量が全面で均等にエッチングされた場合の数値であると仮定した場合の深さの約10倍であった。
【0043】
[実施例3]
CVD−SiC膜の厚さを40μmとして、それ以外については実施例2と同様にして、試料Fを作製し、重量を測定した。
この試料Fについて、図1に示したような加圧酸分解処理装置で、硝酸5mlおよびフッ化水素酸0.01mlの混合溶液をエッチング液として用いて、マイクロ波により200℃に加熱し、20時間、加圧酸分解処理を行った。
このエッチング液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、硫酸白煙処理により濃縮し、純水で500μlに定容して試料溶液を調製した。
得られた試料溶液について、ICP−MSにより不純物金属量を測定した。
また、エッチングによる減少重量を求め、粒界相のエッチング深さを図2に示したグラフに対応させることにより求めた。
上記操作を、繰り返し行った。これらの結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
[実施例4]
CVD−SiC膜の厚さを20μmとして、それ以外については実施例2と同様にして、試料Gを作製し、重量を測定した。
この試料Gについて、実施例3と同様にして、不純物金属量、エッチングによる減少重量、エッチング深さを求めた。
これらの結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表3、表4に示したように、本発明に係る方法による測定の結果、CVD−SiC膜の深さ方向における不純物金属濃度を明瞭に把握することができることが確認された。
なお、表4において、4層目(エッチング深さ19.27〜27.26μm)および5層目(エッチング深さ27.26〜34.78μm)の不純物濃度が高くなっているのは、試料GのCVD−SiC膜の厚さは20μmであり、Si含浸炭化ケイ素基材までエッチングされたためである。
【0048】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、CVD膜、高純度セラミックス等に存在する極微量の不純物を、所望の深さにおいて正確に定量することができる。
また、これにより、炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を高精度かつ迅速に求めることができる。
したがって、本発明に係る方法は、CVD−SiC膜等の汚染原因、汚染量、汚染深さの調査や、純化方法、洗浄方法の検討等に利用することにより、炭化ケイ素材および窒化ケイ素材の品質向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法において用いられる加圧酸分解処理装置の一例の要部を示す概略断面図である。
【図2】実施例2におけるエッチングによる減少重量とエッチング深さとの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ジャー
1a カバー
2 高圧分解容器
3 プロテクションシールド
4 モノブロック高圧ローター
4a ボトムプレート
4b プレッシャースクリュー
5 スプリング
6 アダプタープレート
L 混合溶液(エッチング液)
S 試料
Claims (7)
- 炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、
前記セラミックスを、硝酸およびフッ化水素酸の混合溶液により所定の深さまで加圧酸分解処理する工程と、
前記加圧酸分解処理により得られた溶液をフッ化水素酸蒸気に曝露させた後、濃縮する工程と、
前記濃縮された溶液を水で希釈定容して試料溶液を調製する工程と、
前記試料溶液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、
前記炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の各深さにおける不純物量を定量することを特徴とする炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法。 - 前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸=7:1〜0.005であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法。
- 前記混合溶液には、さらに、硫酸が添加されていることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法。
- 前記混合溶液は、体積比で硝酸:フッ化水素酸:硫酸=7:1〜0.005:0.1〜0.001であることを特徴とする請求項3記載の炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法。
- 前記加圧酸分解処理工程においては、ポリテトラフルオロエチレン製容器内で、マイクロ波加熱することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の炭化ケイ素材または窒化ケイ素材の不純物濃度分布測定方法。
- エッチング液を用いてセラミックスのエッチングを行う工程と、前記工程により得られたエッチング液の不純物濃度を測定する工程とを繰り返して、セラミックスの深さ方向における不純物濃度分布を測定する方法において、
前記不純物濃度の測定値を、前記セラミックスの粒界相がエッチングされた深さ方向の距離と等しい均一な厚さの層全体における分析値として置換することを特徴とするセラミックスの不純物濃度分布測定方法。 - 炭化ケイ素材または窒化ケイ素材からなるセラミックスについて、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の方法によって得られた試料溶液の不純物濃度の測定値を、前記セラミックスの粒界相がエッチングされた深さ方向の距離と等しい均一な厚さの層全体における分析値として置換することを特徴とするセラミックスの不純物濃度分布測定方法。
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