JP2004011795A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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河合 則和
Kazuo Oyama
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Abstract

【課題】トロイダル型無段変速機において、パワーローラが入・出力ディスクに当接する面圧を均一化する。
【解決手段】パワーローラ19を支持するトラニオン27に設けたピストン33は、上側の受圧面積Aが下側の受圧面積Bよりも大きくなっている。左側のピストン33に作用する上向きの油圧荷重F1は、F1=PH×B−PL×Aとなり、右側のピストン33に作用する下向きの油圧荷重F2は、F2=PH×A−PL×Bとなる。パワーローラ19が、入・出力ディスク15から離反する方向に受ける荷重をそれぞれP1,P2とすると、P1+F1×m/L=P2−F2×m/Lとなるように設定すれば、左右のパワーローラ19と入・出力ディスク15との面圧を均一化し、トロイダル型無段変速機のトルク伝達容量を増加させることができる。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーローラを揺動自在に配置し、入・出力ディスクに対するパワーローラに当接点を変化させることで変速を行うトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるトロイダル型無段変速機は、特許第2568684号公報により公知である。
【0003】
この種のトロイダル型無段変速機は、第1入力ディスク、第1出力ディスクおよび両ディスクに摩擦接触する一対の第1パワーローラからなる第1無段変速機構と、第2入力ディスク、第2出力ディスクおよび両ディスクに摩擦接触する一対の第2パワーローラからなる第2無段変速機構とを同軸上に配置し、第1、第2入力ディスクを一体に回転するように連結し、第1、第2出力ディスクを一体に回転するように連結したものである。
【0004】
第1無段変速機構の一対の第1パワーローラは一対の第1トラニオンにそれぞれ支持されており、両第1トラニオンはピストンおよびシリンダにより、その軸線に沿って相互に逆方向に駆動される。同様に、第2無段変速機構の一対の第2パワーローラは一対の第2トラニオンにそれぞれ支持されており、両第2トラニオンはピストンおよびシリンダにより、その軸線に沿って相互に逆方向に駆動される。
【0005】
一対の第1トラニオンおよび一対の第2トラニオンが相互に同期して移動できるように、4本のトラニオンの下端部が板状の下部トラニオン支持部材の四隅に枢支され、上端部が板状の上部トラニオン支持部材の四隅に枢支される。そしてトラニオンの軸線方向の移動に伴う下部トラニオン支持部材および上部トラニオン支持部材の揺動を許容するために、それらの中央部がそれぞれボールジョイントでケーシングに枢支される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トロイダル型無段変速機のレシオを変更すべくピストンおよびシリンダでトラニオンを軸線方向に駆動すると、トラニオンに支持したパワーローラが入・出力ディスクに押し付けられて反力荷重を受け、かつパワーローラおよび入・出力ディスクの当接点がトラニオンの軸線に対して偏心しているため、トラニオンに曲げモーメントが発生する。従来は、4本のトラニオンの上端を支持する上部支持部材の中央部がボールジョイントでケーシングに支持されているため、前記曲げモーメントがケーシングに伝達されてトラニオンの撓みが規制されていた。
【0007】
ところで、上部支持部材の中央部をボールジョイントでケーシングに支持すると組付性が著しく低下するため、そのボールジョイントを廃止することが望まれている。しかしながら、前記ボールジョイントを廃止すると上部支持部材の位置を規制することができなくなるため、トラニオンが撓んで一対のパワーローラの一方の面圧が増加して他方の面圧が低下する事態が発生し、面圧が低下する側のパワーローラによってトロイダル型無段変速機全体のトルク伝達容量が低下する問題がある。
【0008】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、トロイダル型無段変速機のパワーローラが入・出力ディスクに当接する面圧を均一化することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源により駆動されるインプットシャフトと、インプットシャフトと共に回転する入力ディスクと、インプットシャフトに相対回転自在に支持された出力ディスクと、入力ディスクおよび出力ディスク間に揺動自在に配置された一対のパワーローラと、一対のパワーローラをそれぞれ支持する一対のトラニオンと、トラニオンの軸線方向一端側に設けられたピストンと、ピストンが摺動自在に嵌合するシリンダとを備え、ピストンおよびシリンダにより一対のトラニオンをそれぞれ軸線方向一方側および他方側に駆動して入力ディスクの回転数に対する出力ディスクの回転数を変速するトロイダル型無段変速機において、ピストンはパワーローラ側の第1受圧面およびパワーローラと反対側の第2受圧面を備え、第1、第2受圧面の面積を異ならせたことを特徴とするトロイダル型無段変速機が提案される。
【0010】
上記構成によれば、パワーローラを支持するトラニオンを駆動するピストンのパワーローラ側の第1受圧面およびパワーローラと反対側の第2受圧面の面積を異ならせたので、一対のパワーローラが入・出力ディスクに当接する面圧を均一化することができ、これによりトロイダル型無段変速機全体のトルク伝達容量を増加させることができる。
【0011】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、入・出力ディスクに当接する一対のパワーローラの面圧が等しくなるように、第1受圧面の面積を第2受圧面の面積よりも大きく設定したことを特徴とするトロイダル型無段変速機が提案される。
【0012】
上記構成によれば、ピストンの第1受圧面の面積を第2受圧面の面積よりも大きく設定したことにより、入・出力ディスクに当接する一対のパワーローラの面圧を等しくしてトロイダル型無段変速機のトルク伝達容量を増加させることができる。
【0013】
尚、実施例のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1はトロイダル型無段変速機のスケルトン図、図2はトロイダル型無段変速機の縦断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6はパワーローラ作用する荷重の釣り合いを説明する図である。
【0016】
図1および図2に示すように、本実施例のトロイダル型無段変速機Tは自動車用の無段変速装置に設けられるもので、エンジンEのクランクシャフト11にダンパー12を介して接続されたインプットシャフト13には、実質的に同一構造の第1無段変速機構14Fおよび第2無段変速機構14Rが支持される。第1無段変速機構14Fは、インプットシャフト13に固定された概略コーン状の入力ディスク15と、インプットシャフト13に相対回転自在に支持された概略コーン状の出力ディスク16と、ローラ軸17まわりに回転自在に支持されるとともにトラニオン軸18,18まわりに傾転自在に支持されて前記入力ディスク15および出力ディスク16に当接可能な一対のパワーローラ19,19とを備える。入力ディスク15および出力ディスク16の対向面はトロイダル曲面から構成されており、パワーローラ19,19がトラニオン軸18,18まわりに傾転すると、入力ディスク15および出力ディスク16に対するパワーローラ19,19の接触点が変化する。
【0017】
第2無段変速機構14Rは、ドライブギヤ61を挟んで前記第1無段変速機構14Fと実質的に面対称に配置される。
【0018】
しかして、パワーローラ19,19が矢印a方向に傾転すると、入力ディスク15との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向外側に移動するとともに、出力ディスク16との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向内側に移動するため、入力ディスク15の回転が増速して出力ディスク16に伝達され、トロイダル型無段変速機Tのレシオが連続的にOD側に変化する。一方、パワーローラ19,19が矢印b方向に傾転すると、入力ディスク15との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向内側に移動するとともに、出力ディスク16との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向外側に移動するため、入力ディスク15の回転が減速して出力ディスク16に伝達され、トロイダル型無段変速機Tのレシオが連続的にLOW側に変化する。
【0019】
次に、図3〜図5を参照しながらトロイダル型無段変速機Tの構造を更に説明する。
【0020】
第1無段変速機構14Fの入力ディスク15は、一対のベアリング21,22でケーシングに支持されたインプットシャフト13と一体に形成される。第1、第2無段変速機構14F,14Rの出力ディスク16,16は一体に形成されており、インプットシャフト13にベアリング23,23を介して相対回転可能かつ軸方向摺動可能に支持される。第2無段変速機構14Rの入力ディスク15は、インプットシャフト13にローラスプライン24を介して相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持される。インプットシャフト13の左端にシリンダ25が同軸に設けられており、このシリンダ25の内部に摺動自在に嵌合する第2無段変速機構14Rの入力ディスク15との間に油室26が形成される。従って、油室26に油圧を供給すると、第2無段変速機構14Rの入力ディスク15と、第1、第2無段変速機構14F,14Rの出力ディスク16,16とが、第1無段変速機構14Fの入力ディスク15に向けて押圧され、入力ディスク15,15および出力ディスク16,16とパワーローラ19…との間のスリップを抑制する荷重を発生させることができる。
【0021】
一対のパワーローラ19,19を支持する左右のトラニオン27,27がインプットシャフト13を挟むように配置されており、油圧制御ブロック28,29に設けた左右の油圧アクチュエータ30,30のピストンロッド31,31が前記トラニオン27,27の下端にそれぞれ一体に形成される。油圧アクチュエータ30,30は、油圧制御ブロック28に形成された段付きのシリンダ32,32と、このシリンダ32,32に摺動自在に嵌合して前記ピストンロッド31,31に結合された段付きのピストン33,33と、ピストン33,33の上側に区画された上部油室34,34と、ピストン33,33の下側に区画された下部油室35,35とから構成される。ピストン33,33はピストンロッド31,31の外周に嵌合してナット38,38で固定されており、上部油室34,34に臨む上側の第1受圧面33a,33aの面積Aは、下部油室35,35に臨む下側の第2受圧面33b,33bの面積Bよりも大きく設定されている。
【0022】
図3および図4から明らかなように、油圧制御ブロック28の上面に概略正方形の下部支持板39がボルト40,40で固定される。下部支持部材39の4個の開口39a…には、断面半円形の下部トラニオン支持部27aと、それにローラ41…を介して対向する断面半円形のスペーサ42…と、下部トラニオン支持部27aおよびスペーサ42を回転自在に支持するベアリング43…とが配置される。
【0023】
図3および図5から明らかなように、上部トラニオン支持部27b…の外周にベアリング44…を介して球面継ぎ手45…が支持されており、概略正方形の上部支持板46の四隅に形成した開口46a…にそれぞれ球面継ぎ手45…が支持される。但し、4個の上部トラニオン支持部27b…のうちの3個は断面円形であるが残りの1個は断面半円形であり、それにローラ47を介して断面半円形のスペーサ48が対向する。そして協働して円形断面を構成する上部トラニオン支持部27bおよびスペーサ48の外周にベアリング44を介して1個の球面継ぎ手45が支持される。
【0024】
ピストンロッド31,31はトラニオン軸18,18と同軸上に設けられており、従ってトラニオン27,27はピストンロッド31,31を支軸としてトラニオン軸18,18まわりに傾転可能である。また左側の油圧アクチュエータ30の下部油室35に油圧が供給されると、右側の油圧アクチュエータ30の上部油室34に油圧が供給され、逆に左側の油圧アクチュエータ30の上部油室34に油圧が供給されると、右側の油圧アクチュエータ30の下部油室35に油圧が供給される。従って、左右のピストンロッド31,31は相互に逆方向に駆動され、左右のトラニオン27,27は、その一方がトラニオン軸18に沿って上動すると、その他方がトラニオン軸18に沿って下動する。このとき、下部支持板39および上部支持板46の作用で、左右のトラニオン27,27の上下動を同期させることができる。
【0025】
このとき、下部支持板39を油圧制御ブロック28にボルト40,40で固定しているので、それをボールジョイントで揺動自在に支持する場合に比べて組付性が大幅に向上する。しかも下部支持板39の四隅にそれぞれ支持される下部トラニオン支持部27aは、断面半円形のスペーサ42との間に配置したローラ41…によって自由に上下動することができ、かつ下部トラニオン支持部27aおよびスペーサ42の外周に配置したベアリング43によって自由に回転することができるので、下部支持板39を固定しても4本のトラニオン37の上下動および回転が阻害されることはない。
【0026】
また上部支持板46は4本のトラニオン27…の上端に支持されているだけなので、それをボールジョイントでケーシングに揺動自在に支持する場合に比べて組付性が大幅に向上する。しかも4本のトラニオン27…のうちの1本が、断面半円形の上部トラニオン支持部27bと断面半円形のスペーサ48との間に配置したローラ47…によって自由に上下動することができるので、トラニオン27…のスムーズな上下動が可能になる。なぜならば、上部支持板46の傾斜姿勢は3本のトラニオン27…の上端の位置によって一義的に決まるため、残りの1本のトラニオン27の上端の上下位置が少しでもずれると、上部支持板46に無理な荷重が加わることになるが、残りの1本のトラニオン27の上端を上部支持板46に対して上下動可能にすることで、上記無理な荷重の発生を防止することができるからである。
【0027】
トラニオン27,27にパワーローラ19,19を支持するピボットシャフト51,51は、トラニオン27,27にベアリング52,52を介して回転自在に支持されたトラニオン支持部53,53と、パワーローラ19,19をベアリング54,54を介して回転自在に支持するパワーローラ支持部55,55とを備えており、一方のピボットシャフト51はパワーローラ支持部55に対してトラニオン支持部53が下方に偏心しており、他方のピボットシャフト51はパワーローラ支持部55に対してトラニオン支持部53が上方に偏心している。そしてパワーローラ19,19とトラニオン27,27との間に、トラニオン27,27に対するパワーローラ19,19のスムーズな相対移動を許容すべくベアリング56,56が配置される。しかして、左右のトラニオン27,27が相互に逆方向に移動すると、入力ディスク15および出力ディスク16から受ける反力によってパワーローラ19,19がトラニオン27,27と共にトラニオン軸18,18まわりに図1に矢印a,bで示す方向に傾転し、第1、第2無段変速機構14F,14Rのレシオが相互に同期して連続的に変化する。
【0028】
ケーシングに一対のボールベアリング57,58を介してミッションシャフト59が回転自在に支持されており、このミッションシャフト59に設けたドリブンギヤ60が出力ディスク16,16と一体に設けたドライブギヤ61に噛合する。またインプットシャフト13に設けたドライブスプロケット62とオイルポンプ63に設けたドリブンスプロケット64とが無端チェーン65で接続され、インプットシャフト13に設けたドライブスプロケット66と図示せぬミッションシャフトに設けたドリブンスプロケットとが無端チェーン67で接続される。
【0029】
次に、上記構成を備えた実施例の作用について説明する。
【0030】
図6に示すように、パワーローラ19,19が傾転していないレシオ=1のとき、左側のトラニオン27のシリンダ32の下部油室35と、右側のトラニオン27のシリンダ32の上部油室34とに高圧PHが作用し、左側のトラニオン27のシリンダ32の上部油室34と、右側のトラニオン27のシリンダ32の下部油室35とに低圧PLが作用すると、左側のピストン33が上向きに付勢され、右側のピストン33が下向きに付勢される。
【0031】
左側のピストン33に作用する上向きの荷重F1は、ピストン33の上側の第1受圧面33aの面積Aと下側の第2受圧面33bの面積Bが異なることから、F1=PH×B−PL×Aとなる。左側のピストン33が荷重F1で押し上げられると、パワーローラ19が入・出力ディスク15,16に押し付けられて下向きの反力荷重F1を受ける。入・出力ディスク15,16およびパワーローラ19の当接点からトラニオン軸18までの距離をmとすると、前記下向きの反力荷重F1によって、トラニオン27を下部支持板39に支持する支点Oまわりに時計方向の曲げモーメントF1×mが作用する。前記当接点と支点Oとの距離をLとすると、前記時計方向の曲げモーメントF1×mに対抗するように、パワーローラ19にF1×m/Lの左向きの荷重が作用する。また入・出力ディスク15,16に挟まれたパワーローラ19は、入・出力ディスク15,16から離反する方向である左向きの荷重P1を受けるため、パワーローラ19が受けるトータルの左向きの荷重Pは、P=P1+F1×m/Lとなる。
【0032】
右側のピストン33に作用する下向きの荷重F2は、ピストン33の上側の第1受圧面33aの面積Aと下側の第2受圧面33bの面積が異なることから、F2=PH×A−PL×Bとなる。右側のピストン33が荷重F2で押し下げられると、パワーローラ19が入・出力ディスク15,16に押し付けられて上向きの反力荷重F2を受ける。入・出力ディスク15,16およびパワーローラ19の当接点からトラニオン軸18までの距離をmとすると、前記上向きの反力荷重F2によって、トラニオン27を下部支持板39に支持する支点Oまわりに時計方向の曲げモーメントF2×mが作用する。前記当接点と支点Oとの距離をLとすると、前記時計方向の曲げモーメントF2×mに対抗するように、パワーローラ19にF2×m/Lの左向きの荷重が作用する。また入・出力ディスク15,16に挟まれたパワーローラ19は、入・出力ディスク15,16から離反する方向である右向きの荷重P2を受けるため、パワーローラ19が受けるトータルの右向きの荷重Pは、P=P2−F2×m/Lとなる。
【0033】
従って、左側のパワーローラ19に作用する左向きの荷重と、右側のパワーローラ19に作用する右向きの荷重とが等しくなるように設定すれば、つまり、
P1+F1×m/L=P2−F2×m/L      …(1)
但し、F1=PH×B−PL×A
F2=PH×A−PL×B
となるように設定すれば、左右のパワーローラ19,19と入・出力ディスク15,16との面圧を均一化し、トロイダル型無段変速機Tのトルク伝達容量を増加させることができる。
【0034】
以上、トロイダル型無段変速機Tのレシオ=1の場合について説明したが、パワーローラ19,19は変速により傾転するので、特に荷重条件が厳しくなるLOW端の近傍で前記(1)式が成立するように設定すれば、トロイダル型無段変速機Tのトルク伝達容量を更に効果的に増加させることができる。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0036】
例えば、実施例ではダブルキャビティのトロイダル型無段変速機Tを例示したが、本発明はシングルキャビティのトロイダル型無段変速機に対しても適用することがでる。
【0037】
また実施例のトロイダル型無段変速機Tは上部支持板46からボールジョイントを廃止して組付性を高めているが、本発明はボールジョイントを持つタイプのものにも適用することができる。この場合には、本発明によってボールジョイントに作用する荷重を軽減することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、パワーローラを支持するトラニオンを駆動するピストンのパワーローラ側の第1受圧面およびパワーローラと反対側の第2受圧面の面積を異ならせたので、一対のパワーローラが入・出力ディスクに当接する面圧を均一化することができ、これによりトロイダル型無段変速機全体のトルク伝達容量を増加させることができる。
【0039】
また請求項2に記載された発明によれば、ピストンの第1受圧面の面積を第2受圧面の面積よりも大きく設定したことにより、入・出力ディスクに当接する一対のパワーローラの面圧を等しくしてトロイダル型無段変速機のトルク伝達容量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル型無段変速機のスケルトン図
【図2】トロイダル型無段変速機の縦断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】パワーローラ作用する荷重の釣り合いを説明する図
【符号の説明】
E     エンジン(駆動源)
13    インプットシャフト
15    入力ディスク
16    出力ディスク
19    パワーローラ
27    トラニオン
32    シリンダ
33    ピストン
33a   第1受圧面
33b   第2受圧面

Claims (2)

  1. 駆動源(E)により駆動されるインプットシャフト(13)と、
    インプットシャフト(13)と共に回転する入力ディスク(15)と、
    インプットシャフト(13)に相対回転自在に支持された出力ディスク(16)と、
    入力ディスク(15)および出力ディスク(16)間に揺動自在に配置された一対のパワーローラ(19)と、
    一対のパワーローラ(19)をそれぞれ支持する一対のトラニオン(27)と、
    トラニオン(27)の軸線方向一端側に設けられたピストン(33)と、
    ピストン(33)が摺動自在に嵌合するシリンダ(32)と、
    を備え、ピストン(33)およびシリンダ(32)により一対のトラニオン(27)をそれぞれ軸線方向一方側および他方側に駆動して入力ディスク(15)の回転数に対する出力ディスク(16)の回転数を変速するトロイダル型無段変速機において、
    ピストン(33)はパワーローラ(19)側の第1受圧面(33a)およびパワーローラ(19)と反対側の第2受圧面(33b)を備え、第1、第2受圧面(33a,33b)の面積を異ならせたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 入・出力ディスク(15,16)に当接する一対のパワーローラ(19)の面圧が等しくなるように、第1受圧面(33a)の面積を第2受圧面(33b)の面積よりも大きく設定したことを特徴とする、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005114004A1 (de) * 2004-05-11 2005-12-01 Daimlerchrysler Ag Stelleinrichtung
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