JP2011094773A - 摩擦車式の無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星ホイール摩擦車を用いる無段変速装置において、摩擦力による確実な動力伝達を行い、かつ、出力取り出し機構等を簡素化するとともに、各変速機に生じるスラスト力をバランスさせて遊星ホイール摩擦車等の位置を自動的に補正する。
【解決手段】一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機A、Bを、各々の無段変速機の出力部材40が中央部に位置するよう対向して配置し、変速装置を構成する。入力部材1の周囲で公転及び自転を行う各遊星ホイール摩擦車2には円錐転動面21、22を形成し、この円錐転動面の外周に、リング状の出力部材40の内方に対称的に形成された円錐摩擦面を圧接し、変速リング5の位置を代えて出力部材40の回転数を変更する。対向する無段変速機A、Bのスラスト力は相殺され、出力部材40が変速装置の中央部においてフローティング状態で支持されるので、摩擦伝動部品の位置が自動調心される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の動力伝達装置等に用いられる無段変速装置に関し、ことに、複数の円錐型遊星ホイールを備え摩擦力による伝動を行う遊星ホイール摩擦車式無段変速機を2組用い、これらを対向して配置した変速装置に関するものである。
無段変速機(CVT)は、入出力軸の回転数の比(変速比)を連続的に変更可能な変速機であって、車両、各種の作業機等の分野で広く使用されている。車両において、エンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置の変速機として無段変速機を用いたときは、有段の変速機とは異なり、車両走行状態に応じた連続的な変速が可能であり、変速ショックのない走行が実現できるとともに車両の燃料経済性の面でも有利となる。また、省エネルギを目的として、車両の減速時のエネルギや排熱エネルギを回転動力の形で回収するときも、無段変速機を利用して適正な回転数へ変換することが望ましい。
無段変速機としては、機械式のものや油圧式のものなどがあり、機械式の無段変速機の中では、Vベルトを用いその伝動用プーリの対向円錐面の幅を調節して変速を行うVベルト式無段変速機が、車両用動力伝達装置の変速機として実用化されている。機械式の無段変速機には、摩擦車を用い摩擦力で動力を伝達する摩擦車式無段変速機があり、これは、離れた軸の間のプーリに特殊なVベルトを掛け渡すVベルト式無段変速機と比べると、密閉式の潤滑が可能でまとまりがよい、などの利点を備えている。摩擦車式無段変速機においても、パワーローラの傾斜角を変えて変速を行うトロイダル式変速機等、各種の変速機が知られているが、その中には、円錐型の摩擦ホイール(遊星ホイール)を利用する無段変速機があり、一例として特開平5−187509号公報に開示されている。
上記公報に記載された無段変速機について、図3により説明する。
図3(a)において、無段変速機に入力されるエンジン動力は、出力軸101の回りに回転可能に嵌め込まれた傘歯車102に伝達され、傘歯車102と一体となったキャリア103を回転させる。キャリア103に固定された支軸104には、摩擦伝動面を備えた円錐型の遊星ホイール105が回転自在に支持されており、遊星ホイール105の下端部は、出力軸101に嵌め込まれた出力ディスク106に圧接される。つまり、遊星ホイール105は、出力軸101の回りを公転しながら支軸104の回りを自転する遊星運動を行う。遊星ホイール105の外周面には、回転不能の変速リング107が接触しており、その接触位置を軸方向に移動すると、遊星ホイール105の自転速度が増減する。これにより、入力となる傘歯車102と出力軸101との回転数の比を無段階に変化させることができる。
この無段変速機には、摩擦伝動を行う部材間の摩擦力を確保し確実な動力伝達を行うため、接触する部材間に押付け力を付与するいわゆるローディング装置(調圧継手)108が設置されている。ローディング装置108は、図3(b)に示すように、出力ディスク106と出力軸101に固定した歯車109とにそれぞれ円板カム106C、109Cを形成し、その間に、ガイド部材110の孔に挿入されるボール体111を配置した構造となっている。出力軸101が回転すると、ボール体111が円板カム106C等の傾斜部Xに乗り上げ、出力ディスク106を図の左方に押す。出力ディスク106は出力軸101には固着されておらず軸方向に可動であるのに対し、遊星ホイール105はスラストベアリング112で軸方向に固定されている。そのため、出力ディスク106の左方への移動により、遊星ホイール105の下端部と出力ディスク106との圧接部分には押付け力が付与され、動力伝達のための摩擦力が確保される。
円錐型の遊星ホイールを利用する遊星ホイール摩擦車式無段変速機には、入力軸の回転に対し出力軸の回転を停止させ、さらに逆転させることが可能な無段変速機も存在する。特開平3−9171号公報には、このような遊星ホイール摩擦車式無段変速を2組対向して配置し、それぞれの無段変速機により車両の左右の車輪を独立して駆動する車両用動力伝達装置が示されている。また、実公昭39−33734号公報には、同一構造の一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機を対称的に対向させた形で配置し、遊星ホイールのキャリアに相当する部材から出力を取り出す変速装置が開示されている。
特開平5−187509号公報 特開平3−9171号公報 実公昭39−33734号公報
摩擦車式無段変速機の動力伝達は部材間の摩擦力によるものであるため、伝達する動力(トルク)の大きさが一定の限度を超えると、部材間に過大な滑りが生じ滑り損傷を起こす虞れがある。また、部材間の摩擦力を確保するには、接触する部材間に押付け力を付与しなければならず、例えば、図3の遊星ホイール摩擦車式無段変速機のように、軸方向に発生する大きなスラスト力を支えるスラストベアリングが必要となる。
特許文献3に記載された無段変速装置のように、入力軸を共通とする同一構造の一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機を対称的に対向させて配置すると、同一のトルクを伝達するための部材間の摩擦力が理論上は半分に低下するとともに、摩擦伝動の際に入力軸に作用する軸方向のスラスト力が相殺されるので、スラストベアリングなどの軸の支持機構が簡素化される。しかし、特許文献3の無段変速装置は、遊星ホイールを支持するキャリアから出力を取り出すように、2個のキャリアを連結した枠体の中に遊星ホイールを収納したものであって、遊星ホイールの支持機構や出力取り出し機構の面では複雑となる。
本発明は、一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機を対向して配置した変速装置において、出力取り出し機構等を簡素化するとともに、各変速機に生じるスラスト力をバランスさせて遊星ホイール等の位置を自動的に補正することを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明の変速装置は、一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機を、出力部材が中央部に位置するよう対称的に配置し、その出力部材を、各々の変速機に共通の一体的なリング状の出力部材としたものである。すなわち、本発明は、
「摩擦車式無段変速機を備えた変速装置であって、
前記摩擦車式無段変速機は、外方に円錐摩擦面を有し中心軸の回りに回転可能な入力部材と、円錐転動面を有し前記入力部材の周囲に配置された複数の遊星ホイールと、内方に円錐摩擦面を有するリング状の出力部材とを備え、
前記遊星ホイールの円錐転動面が、前記入力部材の円錐摩擦面と前記出力部材の円錐摩擦面とに圧接され、かつ、前記遊星ホイールには変速円錐面が形成されるとともに、前記変速円錐面に、回転方向には固定され軸方向には移動可能な変速リングが圧接されており、さらに、
前記変速装置には、2組の前記摩擦車式無段変速機が前記中心軸に直交する面に対し対称的に配置され、中央に、各々の前記摩擦車式無段変速機における前記リング状の出力部材が一体として設けられている」、
ことを特徴とする変速装置となっている。
請求項2に記載のように、各々の摩擦車式無段変速機の前記入力部材には、軸方向に離れた位置に2個の円錐摩擦面を形成するとともに、前記遊星ホイールには、前記円錐摩擦面に圧接される2個の円錐転動面を形成し、一方の前記円錐摩擦面には、前記リング状の出力部材を圧接するよう構成することが好ましい。
また、請求項3に記載のように、各々の摩擦車式無段変速機の前記入力部材が軸方向に相対的に移動可能であり、かつ、各々の前記入力部材を接近方向に押圧して摩擦車式無段変速機の摩擦伝動面に押付け力を付与するローディング装置が設置されていることが好ましい。
本発明の変速装置においては、2組の摩擦車式無段変速機が、中心軸に直交する面に対し対称的に、すなわち、対向して配置されている。各々の摩擦車式無段変速機は、外方に円錐摩擦面を有し中心軸の回りに回転可能な入力部材と、円錐転動面を有し入力部材の周囲に配置された複数の遊星ホイールと、内方に円錐摩擦面を有するリング状の出力部材とを備えており、遊星ホイールの円錐転動面が、入力部材の円錐摩擦面と出力部材の円錐摩擦面とに圧接される。つまり、本発明の摩擦車式無段変速機での動力伝達は、遊星歯車機構における、サンギヤに入力された動力をプラネタリギヤを介してリングギヤへ伝達する動力伝達に相当するものであり、正転、停止及び逆転が可能な変速装置を簡易な機構として構成することができるとともに、円錐摩擦面による確実な動力伝達が可能となる。
そして、本発明の変速装置では、対称的に配置される2組の摩擦車式無段変速機の中央に、各々の摩擦車式無段変速機の出力部材であるリング状の出力部材が一体として設けられており、変速装置の出力は、中央に置かれた共通のリング状の出力部材から取り出される。そのため、単一の摩擦車式無段変速機により変速するものと比較すると、摩擦伝動を行う部材間の摩擦力が半分となるとともに、摩擦伝動の際に入力軸に作用する軸方向のスラスト力が相殺されるので、スラストベアリングなどの構造が簡易なものとなる。
また、変速装置のリング状の出力部材は、その内方に対称的に形成された2個の円錐摩擦面が、2組の摩擦車式無段変速機における遊星ホイールの円錐転動面に圧接されて、変速装置の中央でいわばフローティング支持されている。したがって、リング状の出力部材等の構成部品は自動的にその位置が補正され、例えば、遊星ホイールと変速用の変速リングとの接触点がずれても、自動調心が行われることとなる。
請求項2に記載の発明は、摩擦車式無段変速機の入力部材には、軸方向に離れた位置に2個の円錐摩擦面を形成し、遊星ホイールにはこれらの円錐摩擦面に圧接される2個の円錐転動面を形成して、その中の一方の円錐転動面にリング状の出力部材を圧接するものである。これにより、遊星ホイールは、軸方向に離れた2個所で入力部材に支えられて安定した姿勢に維持され、摩擦伝動による確実な動力伝達を実行できる。
請求項3に記載の発明は、各々の摩擦車式無段変速機の入力部材が軸方向に相対的に移動可能とするとともに、入力部材を接近方向に押圧するように構成したものである。これにより、各入力部材の円錐摩擦面と遊星ホイールの円錐転動面との間、及び遊星ホイールの円錐転動面とリング状の出力部材の円錐摩擦面との間に押付け力が働き、摩擦伝動を行う部材間に確実な摩擦力が生じることとなる。すなわち、各入力部材を互いに接近する方向に押圧するばね等の押圧装置は、摩擦車式無段変速機の摩擦伝動面に押付け力を付与するローディング装置として作用する。
本発明に用いられる遊星ホイール式無段変速機の構造の概略図及び等価モデルを示す図である。 本発明の変速装置の構造を示す図である。 従来の遊星ホイール式無段変速機の構造を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の変速装置について説明する。本発明は、遊星ホイールによる伝動を行う一対の摩擦車式無段変速機を対向して配置した変速装置であり、まず、この無段変速機の構成及び変速原理等について、図1により説明する。図1(a)は、遊星ホイール式無段変速機の単体の断面図であり、図1(b)は、無段変速機を遊星歯車機構に置き換えた等価モデルとなっている。
図1(a)に示されるとおり、遊星ホイール式無段変速機には、入力部材1の周囲に、遊星運動を行う複数の遊星ホイール2が、周方向に等間隔で配置されている。入力部材1は、中心軸Oの回りに回転可能な回転体であって、軸方向の離れた位置に入力ディスク11、12を備え、これらの外方には円錐摩擦面が形成される。遊星ホイール2の両端部も同じく円錐面をなしており、これらの部分は入力ディスク11、12の外方の円錐摩擦面と接触する円錐転動面21、22になっている。
つまり、遊星ホイール2は、円錐転動面21が入力ディスク11に圧接され円錐転動面22が入力ディスク12に圧接されて、入力部材1の回りを公転しながら自転する。そのため、遊星ホイール2の中心軸と両端の円錐転動面21、22及び入力ディスク11、12の円錐摩擦面は、断面図において入力部材1の中心軸0上の1点で交わるように形成される(図2参照)とともに、複数の遊星ホイール2は、自転と公転とが可能であるようにキャリア3によって相互に連結される。
図1(a)の左端部に示されるように、遊星ホイール2の小径側の端部である円錐転動面21の外側には、無段変速機の出力部となるリング状の出力部材4が配置してある。リング状の出力部材4の内方には円錐摩擦面が形成され、この円錐摩擦面が遊星ホイール2の円錐転動面21の外周側に圧接される。このように、入力ディスク11、遊星ホイール2の円錐転動面21及びリング状の出力リング4は、遊星歯車機構における外歯歯車を有するサンギヤ、プラネタリギヤ及び内歯歯車を有するリングギヤにそれぞれ相当するものとなっている。
遊星ホイール2の軸方向中間部には、両端部の円錐転動面とは逆方向に広がる変速円錐面23が形成される。図1(a)に示されるとおり、断面図における変速円錐面23の外側の直線は、入力部材1の中心軸線と平行であって、その外周には変速リング5が圧接される。変速リング5は、回転方向には拘束されるとともに、変速円錐面23に沿って軸方向には移動可能であるよう構成されており、軸方向に移動すると、変速リング5と変速円錐面23との接触点P(ピッチ点)が変化する。遊星ホイール2は、ピッチ点で変速リング5の内面を転動しながら自転及び公転を行うから、その回転数は、変速円錐面23のピッチ点における半径に応じて変わることとなる。
本発明の基礎となる上述の遊星ホイール式無段変速機において、各構成要素の回転数及び変速比等は、図1(b)の等価モデルにより以下のように計算される。
まず、キャリアが固定され、リングギヤB(変速リング5に相当)が回転すると仮定したときのリングギヤBの回転数N5を求める。サンギヤ(入力部材1の入力ディスク11に相当)の半径をR1、回転数をN1とし、プラネタリギヤA(遊星ホイール2の円錐転動面21に相当)の半径をR2、回転数をN2とすると、N2=−N1×R1/R2(サンギヤの回転方向を正とする)である。そして、プラネタリギヤB(ピッチ点における変速円錐面23の円形横断面に相当)の回転数はN2であるので、リングギヤBの回転数N5は、次式のとおりとなる。
N5=N2×R3/R5
R3:プラネタリギヤBの半径
R5:変速リング5の半径
次に、プラネタリギヤAの外側に噛合うリングギヤA(リング状の出力部材4に相当)の半径をR4、回転数をN4とすると、N4=N2×R2/R4となる。しかし、この計算は、リングギヤBが回転すると仮定したときのものであり、リングギヤBは実際には固定されているので、各部の回転数は、上記の回転数からリングギヤBの回転数N5を減算したものとして求められ、リングギヤAの実際の回転数Noは、次式のとおりとなる。
No=N4−N5=N2×(R2/R4−R3/R5)
したがって、出力部材4に相当するリングギヤAは、(R2/R4−R3/R5)の値の正負によって正方向及び逆方向の両方向に回転し、この値が0となるときには停止することとなる。ちなみに、実際の入力回転数をNiとすると、変速比rは、次式により表される。
r=No/Ni=No/(N1−N5)
ここで、遊星ホイール式無段変速機を対向して配置した本発明の変速装置の実施例について、図2により説明する。
変速装置には、基本的に同一の構造を備えた一対の遊星ホイール式無段変速機A、Bが、中心軸Oに直交する面Cに対して対称的に配置されている。変速装置の中央には、遊星ホイール式無段変速機A、Bの共通の出力部材として、リング状の出力部材40が置かれる。出力部材40は、遊星ホイール式無段変速機A、Bの出力部材4(図1(a)参照)を一体的に構成したものであって、リング状の出力部材40の内方には、それぞれの無段変速機において遊星ホイール2の円錐転動面21に圧接される円錐摩擦面が対称的に形成されている。出力部材40の外周部分には歯車41が固着されており、歯車41は、車輪等に連なる出力軸42に固着された歯車43を駆動する。また、変速リング5の装着されるロッド6には逆ねじが設けてあり、遊星ホイール式無段変速機A、Bの各変速リング5は、ロッド6の回転によって互いに反対方向に同一距離移動するよう構成されている。
この実施例における遊星ホイール式無段変速機Aの入力部材1Aには、遊星ホイール式無段変速機B方向に延びる延長軸1Eが一体的に形成されている。延長軸1Eは、遊星ホイール式無段変速機Bの入力部材1Bに設けた中心孔を貫通して延長しており、遊星ホイール式無段変速機Bの入力ディスク11、12は、いわば延長軸1Eの嵌め込まれた中空スリーブの両端に固着される構造となっている。延長軸1Eと入力部材1Bとの間にはボールスプラインSが配置してあり、入力部材1Aと入力部材1Bとは、回転方向に拘束され軸方向に相対的に移動可能な形で連結される。
入力部材1Bを貫通した延長軸1Eには、ナット等の止め具Nが固着され、止め具Nと入力部材1Bの端部との間には皿ばねQが設けてある。皿ばねQによって、遊星ホイール式無段変速機Bの入力部材1Bが遊星ホイール式無段変速機Aの入力部材1Aの方向に押し付けられ、両方の入力部材が接近して、入力ディスク11、12の円錐摩擦面と遊星ホイール2の円錐転動面21、22との間、及び遊星ホイールの円錐転動面21、22とリング状の出力部材40の円錐摩擦面との間に押付け力が働く。このように、皿ばねQは、摩擦車式無段変速機の摩擦伝動面に押付け力を付与するローディング装置として作用し、摩擦伝動を行う部材間に確実な摩擦力が生じることとなる。
次いで、図2の変速装置の作動について述べる。
エンジン等からの動力は、中心軸Oから入力部材1A、1Bに伝達される。これが回転すると、遊星ホイール式無段変速機A、Bの入力ディスク11、12は、複数の遊星ホイール2を自転させると同時に中心軸Oの回りに公転させる。遊星ホイール2は2個の円錐転動面21、22を備え、それぞれの円錐転動面が軸方向に離れた位置にある入力ディスク11、12の円錐摩擦面に支持されているから、安定した姿勢で自転及び公転が行われる。遊星ホイール2の円錐転動面21は、リング状の出力部材40における片側の円錐摩擦面にそれぞれ圧接されている。遊星ホイール2の自転及び公転により、遊星歯車機構と同等な動力伝達原理に基づいてリング状の出力部材40が回転し、その回転数が、ロッド6上を互いに反対に同一距離移動する変速リング5の位置により変化するのは、前述したとおりである。
このように、本発明の変速装置では、対称的に配置される摩擦車式無段変速機A、Bの中央にリング状の出力部材40が設けられ、変速装置の出力は、摩擦車式無段変速機A、Bの出力を合わせた形で取り出される。そのため、摩擦伝動の際に入力部材1A、1B等に作用する軸方向のスラスト力が相殺されるので、スラストベアリングなどの構造が簡易なものとなる。また、変速装置のリング状の出力部材40は、変速装置の中央でいわばフローティング支持されているので、遊星ホイール2と変速用の変速リング5との接触点がずれる等の変動が生じても、自動調心が行われることとなる。
以上詳述したように、本発明は、一対の遊星ホイール摩擦車式無段変速機を、出力部材が中央部に位置するよう対称的に配置して変速装置を構成し、さらに、その出力部材を、各々の変速機に共通の一体的なリング状の部材としたものである。上記の実施例では、遊星ホイール摩擦車式無段変速機の摩擦伝動面に押付け力を付与するローディング装置として皿ばねを使用しているが、コイルばね等他の付勢装置を使用することができる。また、上記の実施例では、リング状の出力部材から歯車により出力軸を駆動しているが、これをベルトやチェーンによる伝動に代えるなど、実施例に対し種々の変更が可能であることは明らかである。
1 入力部材
11、12 入力ディスク
2 遊星ホイール
21、22 円錐転動面
23 変速円錐面
3 キャリア
4、40 (リング状の)出力部材
5 変速リング
N 止め具
Q 皿ばね

Claims (3)

  1. 摩擦車式無段変速機を備えた変速装置であって、
    前記摩擦車式無段変速機は、外方に円錐摩擦面を有し中心軸の回りに回転可能な入力部材と、円錐転動面を有し前記入力部材の周囲に配置された複数の遊星ホイールと、内方に円錐摩擦面を有するリング状の出力部材とを備え、
    前記遊星ホイールの円錐転動面が、前記入力部材の円錐摩擦面と前記出力部材の円錐摩擦面とに圧接され、かつ、前記遊星ホイールには変速円錐面が形成されるとともに、前記変速円錐面に、回転方向には固定され軸方向には移動可能な変速リングが圧接されており、さらに、
    前記変速装置には、2組の前記摩擦車式無段変速機が前記中心軸に直交する面に対し対称的に配置され、中央に、各々の前記摩擦車式無段変速機における前記リング状の出力部材が一体として設けられていることを特徴とする変速装置。
  2. 各々の摩擦車式無段変速機の前記入力部材には、軸方向に離れた位置に2個の円錐摩擦面が形成されるとともに、前記遊星ホイールには、前記円錐摩擦面に圧接される2個の円錐転動面が形成され、一方の前記円錐摩擦面には、前記リング状の出力部材が圧接されている請求項1に記載の変速装置。
  3. 各々の摩擦車式無段変速機の前記入力部材が軸方向に相対的に移動可能であり、かつ、各々の前記入力部材を接近方向に押圧して摩擦車式無段変速機の摩擦伝動面に押付け力を付与するローディング装置が設置されている請求項1又は請求項2に記載の変速装置。
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