JP2004011724A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】両軸方向に受ける荷重大きさの差異が大きいという使用条件において、コンパクト・長寿命をもつラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる軸受を提供することである。
【解決手段】軌道輪間に複数の転動体が組込まれ、各軌道輪は転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、その中に少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に交差状に配されると共に、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触し、軸方向に大きい荷重を負荷する第一領域L1と、小さい荷重を負荷する第二領域L2が円周方向に交互に交差状に設けられ、第一領域に組み込まれる転動体5数が第二領域に組み込まれる転動体5′数よりも多くした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられるものとしては、従来、図30に示すクロスローラ軸受、図31に示す四点接触玉軸受、そして図示はしないが三点接触玉軸受が知られている。
クロスローラ軸受では、転動体がころ300であり、転動体300と軌道輪100,200が二ヵ所で線接触するので、モーメント剛性大の長所を持つ一方、トルク及びトルク変動が大きい問題がある。
四点接触玉軸受又は三点接触玉軸受では、転動体が玉300であり、転動体300と軌道輪100,200と四ヵ所又は三ヵ所で点接触するので、低トルク、作動円滑の長所を持つ一方、モーメント剛性が小さく、また、玉のスピンが大きく、小さなスピン摩耗性能は得られない問題がある。
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明者は、低トルク、高モーメント剛性、高耐スピン摩耗特性を有するラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる優れた転がり軸受(図32(a))を既に発明し、先に出願した(例えば特開2001−50246)。
この軸受は、一対の軌道輪1,2間に複数の転動体5…が組み込まれ、上記各軌道輪1,2は、転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝3をそれぞれ有し、その中に少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体5は、転がり接触面となる外径5aが軸方向にも曲率を持ち、円周上にそれぞれ交互に交差状に配されると共に、各転動体5の外径5aが、常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にてそれぞれ一点ずつ合計二点で接触している構造を有する。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、先に出願した上記軸受の構造では、図32(b)に示すように、各転動体5が円周上にそれぞれ交互に交差状に配され、且つ一方の傾斜向きの転動体5の数と他方の傾斜向きの転動体5の数が同数とされている。このため、両軸方向に受ける荷重大きさの差異が大きいという使用条件下においては、一方の転動体の負荷能力が不十分で他方の転動体の負荷能力が余裕を持っているということにもなり得る。従って、軸受の負荷能力を満足するためには、より大きいサイズの軸受が使用されることとなり、結局、軸受装置のコンパクト化が図れないという問題がある。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、両軸方向に受ける荷重大きさの差異が大きいという使用条件において、コンパクト・長寿命をもつラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる軸受を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、一対の軌道輪間に複数の転動体が組込まれ、上記各軌道輪は転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、その中に少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交差状に配されると共に、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、円周上にて交差状に配される一方の向きの転動体の数と、他方の向きの転動体の数とが異なることを特徴とした。
上記一方の向きの転動体が軸方向に大きい荷重を負荷する第一領域を構成し、他方の向きの転動体が軸方向に小さい荷重を負荷する第二領域を構成する。そして、上記第一領域と第二領域とが円周方向に交互に交差状に設けられ、第一領域に組み込まれる転動体数が第二領域に組み込まれる転動体数よりも多いものとする。また、第一領域に組み込まれる転動体の数は、第二領域に組み込まれる転動体の数の2倍とする。上記転動体は、一組の対称相対面を有する上下切断状玉、若しくは一組の非対称相対面を有する上下切断状玉、又は片側切断状玉のいずれかとする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明転がり軸受の一実施形態を図に基づいて説明する。
尚、本実施形態は、本発明転がり軸受の説明にあたって開示される一実施形態にすぎず何等限定されるものではなく、本発明の範囲内において自由に変更可能である。
【0006】
「第一実施形態」
転がり軸受Aは、図1に開示しているように、一方の軌道輪(外輪)1の内径および他方の軌道輪(内輪)2の外径に形成される夫々の軌道面によって所望形状の軌道溝3が形成されており、本実施形態では、軌道輪(外輪)1が一体で、軌道輪(内輪)2が幅方向の中央で軸方向に二分割されているものとした。そして、上記軌道溝3に、その円周上にて交差状に配される一方の向きの転動体5と、他方の向きの転動体5′が複数組み込まれて構成されている。
なお、軌道輪1,2のいずれか一方あるいは双方共が幅方向の中央で軸方向に二分割されているタイプや、いずれの軌道輪1,2も分割されていないタイプを用いることも本発明の範囲内で可能である。また、二分割タイプは、ボルト・リベット等で一体に組み立てられるものもある。さらに、軌道輪1,2はフランジ付きか否か限定されず、一方又は双方共にフランジ付きとすることも可能である。軌道溝3は、転動体5若しくは5′の半径よりも大きな半径の軌道面1a・1b,2a・2bにより形成されている。また、少なくともいずれか一方の軌道輪の軌道溝が、二つの軌道面から構成されているものであればよく本発明の範囲内で適宜選択される。すなわち、外輪1と内輪2のいずれか一方又は双方が、曲率中心の異なる二つの軌道面からなるものである。従って、外輪1と内輪2のいずれか一方のみが曲率中心の異なる二つの軌道面からなるものである場合、他の一方は曲率中心唯一の一つの軌道面となる。
各軌道面1a・1b,2a・2bの形状は、転動体5若しくは5′の転がりに適切な形状を有しているものであれば、断面アーチ状あるいはV字状等任意で、また曲線状あるいは直線状等のいずれであってもよく特に限定されるものではないが、例えば本実施形態ではゴシックアーチが適用される。
【0007】
転動体5若しくは5′は、転がり接触面となる外径5a若しくは5′aが軸方向に曲率を持ち、かつ軌道面1a・1b,2a・2bの夫々の半径よりも小径の半径を有する任意形状で、各転動体5の外径5a若しくは5′の外径5′aが、常に一方の軌道輪1の軌道面1a・1bと他方の軌道輪2の軌道面2b,2aにて二点接触している。
転動体5,5′は、例えば本実施形態では図3に開示しているように、一組の相対面(平面ともいう。以下同じ。)5b・5b,5′b・5′bを有する上下切断状玉(玉の上下部分を切断して相対面5b・5b若しくは5′b・5′bを形成した構造のものをいう。以下同じ。)とする。
そして、図3に示すように、円周上にて交差状に配される一方の向きの転動体5の数と、他方の向きの転動体5′の数とは異なるものとする。
【0008】
上記一方の向きの転動体5は軸方向に大きい荷重を負荷する第一領域L1…を構成し、他方の向きの転動体5′は軸方向に小さい荷重を負荷する第二領域L2…を構成する(図3参照)。また、図1では、その説明上、手前側の転動体を第一領域L1の転動体5とすると共に、奥側の転動体を第二領域L2の転動体5′とし、円周上にて隣り合う第一領域L1と第二領域L2の隣り合う夫々の転動体5,5′の組み込み状態位置での断面図を示している。
そして、上記第一領域L1と第二領域L2とが円周方向に交互に交差状に設けられ、第一領域L1に組み込まれる転動体5の数が、第二領域L2に組み込まれる転動体5′の数よりも多いものとする。
本実施形態では、図3に示すように、第一領域L1に組み込まれる転動体5の数を2個、第二領域L2に組み込まれる転動体5′の数を1個として、第一領域L1に組み込まれる転動体5の数を、第二領域L2に組み込まれる転動体5′の数の2倍とした。
この時、第一領域L1と第二領域L2とに存する転動体5,5′の組み込みは、転動体5,5′における各相対面5b・5bと5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5cと5′cが、交差状となるようにする。但し、その交差状態は直交状・非直交状のいずれでも構わない。
また、第一領域L1に組み込まれる転動体5の数と第二領域L2に組み込まれる転動体5′の数は、[第一領域L1の転動体数>第二領域L2の転動体数]の式を満足するものであれば特に限定して解釈されるものではない。
すなわち、上記式を満足できるものであれば、第一領域L1の転動体5数が第二領域L2の転動体5′数の3倍・4倍等であってもよく、また第二領域L2に組み込まれる転動体5′の組み込み数を複数個とすることも可能で本発明の範囲内で任意設計変更可能である。
【0009】
転動体5若しくは5′は、その上下の切断幅は特に限定されず、また上下の切断割合は、均等あるいは均等でないものであってもよく、本発明の範囲内で任意に選択可能である。すなわち、本実施形態では、相対面5b・5b若しくは5′b・5′bは対称としたが、夫々の相対面5b・5b若しくは5′b・5′bは、対称であっても非対称であってもよくいずれも本発明の範囲内である。
尚、転動体5若しくは5′の全体形状、相対面5b・5b若しくは5′b・5′bの有無や、外径5a若しくは5′aにおける軸方向の曲率の大小等は、上記具体的形状に何等限定されるものではなく、本発明の範囲内において任意に変更可能である。すなわち、例えば、相対面5b・5b若しくは5′b・5′bに代えて、非平行状の両面(二平面)を備え、該夫々の両面に垂直する各自転中心軸5c,5′cを有するものとしてもよい。また、転動体5若しくは5′は、玉の片側をカット(切断)して一平面(カット面)を設けた片側切断状玉としたものであってもよい。
さらに、外径5a若しくは5′aと平面5b若しくは5′bとの繋ぎ部はエッジがあっても、エッジを無くして丸くR状に形成したものであってもよい。
【0010】
また、軌道輪1,2の軌道溝半径の値は特に限定されないが、転動体5若しくは5′の直径の50.4%〜56%が好ましい。また、軌道溝の半径の値は同じでも、夫々異なっていても良く特に限定されない。
転動体5若しくは5′の精度値は特に限定されないが、鋼球等級G60以上に相当することが好ましい。
【0011】
各転動体5,5′の運動は、保持器6で案内される。
保持器6は、転動体5,5′を夫々の傾斜向きに保持案内する保持部7…を有する形状であれば、特に限定されるものではなく本発明の範囲内で任意に選択変更可能である。保持器6の案内方式は特に限定されるものではなく、内輪案内でも、外輪案内でも、転動体案内でもよい。また、保持器6の構成は特に限定されるものではなく、一体型でも、幾つかの部分から形成したものでも良い。
例えば、保持器6は、第一領域L1に組み込まれる転動体5…を同一傾斜向きに組み込むように同一方向に傾斜した形状に保持部7…を形成し、そして第二領域L2に組み込まれる転動体5′を、上記第一領域L1に組み込まれる転動体5と交差状に組み込めるように第二領域L2に当たる保持部7を、上記第一領域L1に位置する保持部7の傾斜向きと逆方向に傾斜した形状とし、第一領域L1と第二領域L2との円周上隣り合う部分に存する転動体5,5′を、上述の通り相対面5b・5b,5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが夫々交差状になるように構成している。すなわち、本実施形態では、第一領域L1に組み込まれる転動体数と第二領域L2に組み込まれる転動体数に合わせて、円周上に夫々の保持部7を、2個、1個、2個、1個…と交互に設けている。
【0012】
転動体と軌道面との間における予圧の付与される状態は特に限定されず、すなわち、製造段階で予圧が付与されても付与されなくてもよくいずれも本発明の範囲内である。
また、内部すきまを負に設定することで、軸受の軸方向の位置変動(ガタ)を完全に無くすことができる。
なお、本実施形態では、密封板を図示していないが、密封板は配設してもしなくても本発明の範囲内である。密封板は接触シール若しくは非接触シール、あるいはシールに代えてシールドを用いることもできる。また、シール,シールドの材質は限定されないが、ニトリルゴムまたはステンレスが好ましい。
【0013】
これら軸受の軌道輪1,2と転動体5,5′の材質としては、通常軸受鋼が用いられるが、使用環境に応じて、浸炭鋼、ステンレス鋼、M50、セラミックス等が適宜選択される。ステンレス鋼の成分は特に限定されず、オステンナイト系ステンレス鋼でも、マルテンサイト系ステンレス鋼でも、析出硬化系ステンレス鋼でもよく本発明の範囲内で適宜選択可能である。また、セラミックス材の種類は特に限定されず、アルミナ系、ジルコニア系、窒化ケイ素系、炭化ケイ素系など構造用セラミックス材は選定可能である。
さらに、軌道輪1,2、転動体5,5′はすべて同じ材質からなるものに限定されず、必要により、夫々異なる材質を使うことでも良く(ハイブリット)任意である。例えば、軌道輪1,2の材質を軸受鋼、転動体5,5′の材質をセラミックス(例えば窒化ケイ素)と選定することもできる。
軌道輪1,2、転動体5,5′の表面処理については特に限定されず任意であり、浸炭,窒化など表面強化処理してもよい。
また、軌道輪1,2、転動体5,5′の表面被膜についても限定されず任意であり、被膜材としては金属、金属化合物やセラミック被膜(例えば窒化ケイ素被膜)などが適宜選択される。被膜は単一被膜でも、複合被膜でもよい。
また保持器6の材料としては、もみ抜き保持器、プレス保持器、樹脂保持器等が適宜選択されるので、例えば銀、黄銅、鉄、ステンレス鋼等の金属や、例えばポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、芳香族ポリイミド(PI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリエステル(LCP)および各種含ふっ素樹脂などの合成樹脂が本発明の範囲内で選ばれる。
軸受の潤滑剤は特に限定されず、グリースでもオイルでも良い。また、潤滑方法としては、特に限定されず、グリース、循環給油、噴霧給油、オイルエア給油、ジェット給油などが適宜選択される。
この第一実施形態によれば、次のような作用効果を奏する。
軸受外内輪1,2の間に、転動体5,5′は円周上に交互に交錯するように配されるので、一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられることとなり、1個の軸受で2個のアンギュラ軸受の作用を働いている。
また、各転動体5,5′は軌道輪1,2と二箇所しか接触していないので、従来の4点接触玉軸受又は3点接触玉軸受における大きいスピンによる滑りがきわめて小さくなり、滑りによる発熱が極力抑えられる。
また、軸受隙間は必要により小さく又は負の値に設定できるので、スラスト荷重による軸受の軸方向の位置変動も極力抑えることができる。
そして、第一領域L1に組み込まれる転動体5の数を、第二領域L2に組み込まれる転動体5′の数よりも多く(2倍)したので、各転動体に負荷される荷重は均等となる。
【0014】
以下、第二実施形態乃至第十五実施形態について説明する。
「第二実施形態」
図4は、第二実施形態を示す。本実施形態を示す図4も第一実施形態の図1と同じ断面状態である。本実施形態は、外輪1を一体、内輪2を二分割とすると共に、二分割された内輪2,2がボルト又はリベット4で固定され、予圧又はすきまの調整が要らないようにする。その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同一である。
「第三実施形態」
図5は、第三実施形態を示す。本実施形態は、第一実施形態における外輪1が一体、内輪2が二分割タイプのものに代えて、外輪1が二分割、内輪2が一体タイプとする。その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同一である。
「第四実施形態」
図6は第四実施形態を示す。本実施形態は、第三実施形態における分割された外輪1,1がボルト又はリベット4で固定され、予圧又はすきまの調整が要らないようにする。その他の構成及び作用効果は第一・第三実施形態と同一である。
【0015】
「第五実施形態」
図7は、第五実施形態を示す。本実施形態は、外輪1と内輪2をそれぞれ一体に形成し、外輪1に転動体入り穴が付いており、また第一実施形態における保持器6の代わりとして、図8に拡大して示したようなセパレータ(スぺーサ)8で転動体5,5又は5,5′を案内する。
セパレータ8は、転動体5又は5′の直径よりも小径状で、隣り合う各転動体5,5又は5,5′を保持する凹状円弧溝9,9を相対面10,10に形成している。
図8(a)に示すセパレータ8は、第一領域L1にて隣り合う転動体5,5を保持するセパレータで、隣り合う転動体5,5を同一方向に傾斜させた状態で保持するように、相対する凹状円弧溝9,9を、相対面10,10に対称に形成している。
また図8(b)に示すセパレータは、円周上にて隣り合う第一領域L1と第二領域L2の隣り合う転動体5,5′を、相対面5b・5b若しくは5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが夫々交差状になるように、第一領域L1の転動体5を保持する凹状円弧溝9と、第二領域L2の転動体5′を保持する凹状円弧溝9を、相対面10,10に交差状に形成している。
この各円弧溝9の曲率は、転動体外径5aの曲率と略同一、あるいは大きいものとしてもよく任意である。
このような構造により、軸受はもっとコンパクト化できるようになる。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同一である。
【0016】
「第六実施形態」
図9は、第六実施形態を示す。本実施形態は、高速回転の場合に用いられる。第一実施形態における対称の相対面5b,5bを有する転動体5の代わりに、図10に示した非対称の相対面5b,5dを有する転動体(上下切断状玉)5を使い、且つ、大端側の相対面5dが軸受の内輪2に向くように配することで、転動体5の回転がより安定になり、より低トルクを実現することができる。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同一である。
【0017】
「第七実施形態」
図11は、第七実施形態を示す。本実施形態は、第六実施形態における二分割された内輪2、2がボルト又はリベット4で固定され、予圧又はすきまの調整が要らないようにする。
その他の構成及び作用効果は第六実施形態と同一である。
【0018】
「第八実施形態」
図12は、第八実施形態を示す。本実施形態は、第六実施形態における外輪1が一体、内輪2,2が二分割のタイプに代わりに、外輪1,1が二分割、内輪2が一体タイプとする。
その他の構成及び作用効果は第六実施形態と同一である。
【0019】
「第九実施形態」
図13は、第九実施形態を示す。本実施形態は、第八実施形態における二分割された外輪1,1がボルト又はリベット4で固定され、予圧又はすきまの調整が要らないようにする。その他の構成及び作用効果は第六実施形態と同一である。
【0020】
「第十実施形態」
図14は、第十実施形態を示す。本実施形態は、第六実施形態における保持器6の代わりとして、図8に示したようなセパレータ(スぺーサ)8で転動体5,5を案内する。図14では、円周上で隣り合う第一領域L1の転動体5と第二領域L2の転動体5′を保持する図8(b)に示したセパレータ8を図示するが、第一領域L1の転動体5,5を保持する図8(a)に示したセパレータ8も勿論使用されている。このような構造により、軸受はもっとコンパクト化できるようになる。なお、本実施形態では、第五実施形態に示した外輪1と内輪2と同様に、外輪1と内輪2のいずれもが一体のものを使用した(第五実施形態参照)。その他の構成及び作用効果は第五実施形態および第六実施形態と同一である。
【0021】
「第十一実施形態」
図15及び図16は、第十一実施形態を示す。本実施形態は、第一実施形態などで用いていた保持器6に代えて、図16に示すようなもみ抜き保持器(円環状保持器)6を用いた実施の一例で、該保持器6によって各転動体5,5′…の姿勢保持を図る。なお、本実施形態では、外輪1が二分割され、内輪2が一体のものを使用した。
保持器6は、第一実施形態などで用いていた保持器6と同様に、その円周上に第一領域L1の転動体5と、第二領域L2の転動体5′を夫々組込み可能な保持部(ポケット)13…を設けて構成されている。
すなわち、本実施形態の保持器6は、第一領域L1に組み込まれる転動体5…を同一傾斜向きに組み込むように同一方向に傾斜した形状に複数個の保持部13…が円周上に隣接させて形成され、そして第二領域L2に組み込まれる転動体5′を、上記第一領域L1に組み込まれる転動体5と交差状に組み込めるように第二領域L2に当たる保持部13を上記第一領域L1に位置する保持部13の傾斜向きと逆方向に傾斜した形状とし、第一領域L1と第二領域L2との円周上隣り合う部分に存する転動体5,5′を、上述の通り相対面5b・5b,5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが夫々交差状になるように構成している。本実施形態においても、第一実施形態などと同様に、第一領域L1に組み込まれる転動体数と第二領域L2に組み込まれる転動体数に合わせて、円周上に夫々の保持部13を、2個、1個、2個、1個…と交互に設けている。
各保持部13…の軸方向の両側面13a,13bは、平行しかつ軸受の回転軸と垂直でも平行でもなく、転動体5の接触角と同等レベルの一定の角度(傾斜状)となっている。各保持部13…の軸方向の両側面13a,13b間の距離は、転動体5の幅よりやや大きく構成されている。
上記保持部13の形状は、傾斜状の平行な両側面13a,13bを有すると共に、両側面13a,13b間の距離を転動体5の幅よりもやや大きく形成されているものであれば、そのポケット全体形状は特に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で変更可能である。
【0022】
種々の因子の影響により、回転中の転動体にはスピン又はスキューが発生する可能性があり、転動体の姿勢が上手く制御できないと、軸受の回転抵抗が大きくなったり、スムースに回転できなくなったりする可能性がある。
従って、本実施形態によれば、保持器6のポケット13が、転動体5の接触角と同等レベルの一定角度と大体同じとした平行状両側面13a,13bを備え、該ポケット両側面13a,13bにより、転動体5のスピン、スキューなどによる転動体5の姿勢変化が抑えられ、軸受の姿勢保持ができるため、軸受の低トルク化を実現することができる。
その他の構成及び作用効果は、第一実施形態乃至第十実施形態と同一である。本実施形態は、第一実施形態で用いていた保持器6に代えて、図16に示すようなもみ抜き保持器6を用いた実施をもって説明するが、第二,第三,第四,第六,第七,第八,第九実施形態にも適用することが可能である。
また、本実施形態では、外輪1、内輪2の少なくとも一方が二分割されていないタイプをもって説明するが、外輪1、内輪2の両方とも二分割されるタイプをもって本実施形態としても良い。
【0023】
「第十二実施形態」
図17は、第十二実施形態を示す。
本実施形態では、第一実施形態乃至第十一実施形態における曲率中心の異なる二つの軌道面からなる内輪2に代わり、内輪2が曲率中心唯一の一つの軌道面からなる。図中14は密封板(シール・シールド)を示す。その他の構成及び作用効果は、第一実施形態乃至第十一実施形態と同一である。
【0024】
「第十三実施形態」
図18は、第十三実施形態を示す。
本実施形態では、第一実施形態乃至第十一実施形態における曲率中心の異なる二つの軌道面からなる外輪1に代わり、外輪1が曲率中心唯一の一つの軌道面からなる。図中14は密封板(シール・シールド)を示す。その他の構成及び作用効果は、第一実施形態乃至第十一実施形態と同一である。
【0025】
「第十四実施形態」
図19は、第十四実施形態を示す。
本実施形態では、第一実施形態乃至第十三実施形態における転動体に代わり、転動体5(5′)として図20に示す片側切断状玉を使用する。なお、図中14は密封板(シール・シールド)を示す。
転動体5(5′)は、転がり接触面となる外径5a(5′a)が軸方向に曲率を持ち、かつ軌道輪1,2における軌道面1a(1b),2a(2b)の夫々の半径よりも小径の半径を有する片側切断状玉の外形を有している。
該転動体5(5′)は、その外径5a(5′a)が、常に一方の軌道輪1の軌道面1a(1b)と他方の軌道輪2の軌道面2a(2b)にて二点接触している。
第一領域L1に組み込まれる転動体5と、第二領域L2に組み込まれる転動体5′は、例えば夫々のカット面5e,5′eに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが交差状となるように夫々の転動体5,5′…が組み込まれる。
転動体5(5′)は、その片側のカット面5e(5′e)のカット(切断)幅は特に限定されず、またカット面5e(5′e)形状も特にフラット面に限定されるものでなく、本発明の範囲内で任意に選択可能である。同じサイズの転動体に対して、ころより玉(ボール)のほうが低コスト、高精度で作ることができる。転動体の形状が完全な玉(ボール)に近いほど製造コストは安いが、本実施形態の転動体5(5′)は外形が片側切断状玉であり、上下切断状玉の転動体より加工部分が少なくなり、より低コストで作ることができる。
【0026】
保持器6は、図21に示すように、第一実施形態などで用いていた保持器6と同様に、その円周上に第一領域L1の転動体5と、第二領域L2の転動体5′を夫々組込み可能な保持部(ポケット)7…を設けて構成されている。
すなわち、本実施形態の保持器6は、第一領域L1に組み込まれる転動体5…を同一傾斜向きに組み込むように同一方向に傾斜した形状に複数個の保持部7…が円周上に隣接させて形成され、そして第二領域L2に組み込まれる転動体5′を、上記第一領域L1に組み込まれる転動体5と交差状に組み込めるように第二領域L2に当たる保持部7を上記第一領域L1に位置する保持部7の傾斜向きと逆方向に傾斜した形状とし、第一領域L1と第二領域L2との円周上隣り合う部分に存する転動体5,5′を、上述の通り相対面5b・5b,5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが夫々交差状になるように構成している。本実施形態においても、第一実施形態などと同様に、第一領域L1に組み込まれる転動体数と第二領域L2に組み込まれる転動体数に合わせて、円周上に夫々の保持部13を、2個、1個、2個、1個…と交互に設けている。保持部7は、転動体よりも僅かに大径状の円弧面7aと、該円弧面7aの端部間を結ぶフラット面(傾斜面)7cとで平面視ドーム状に構成されており、外径6a側の一辺7bと内径6b側の一辺7bとは、外径6a側から内径6b側に向けてフラット面7cで連絡し、外径6a側の開口幅W1よりも内径6b側の開口幅W2を大径に構成している(図21・図22)。
そして、周方向に隣り合う各保持部7の円弧面7aの中心は、同一の円周上に配されている。従って、本実施形態に示す保持器6を使用すると、各保持部7に配される転動体5,5′は、夫々のカット面5e,5′eが外径5a,5′a側、すなわち夫々が外輪1側に向くように保持される。
【0027】
また、図23に示すように、フラット面7cの延長線上に同傾斜状に外径6aに立上げ形成される片側倒れ防止片7dを設ける構造を採用することも可能である。該片側倒れ防止片7dは特に図示形状に限定されるものではなく、転動体5,5′の回転に影響のない程度の構成であれば本発明の範囲内である。
また図24・図25に示す保持器6構造を採用することも可能である。
本図示形態では、保持部7が平面視矩形状に構成され、周方向に延びる外径5a側の一辺7eと、その下方内径6b側に存する一辺7eとは外径6a側から内径6b側に向けてフラット面7cで連絡し、外径6a側の開口幅W1よりも内径6b側の開口幅W2を大径に構成している。
そして、円周方向において第一領域L1に当たる保持部7と、第二領域L2に当たる保持部7は、平面視幅方向左右にその開口位置をずらして配される。すなわち、円周方向に隣り合う第一領域L1と第二領域L2の各保持部7は、そのフラット面7cが各保持部7毎に交互左右に配される(図24)。本形態の保持器6とすれば、図21の保持器6よりもグリース保持空間が大きく取れる。その他の作用効果は図21に示す保持器形態と同様である。
【0028】
また、図26に示すような凹面15を有するセパレータ(スペーサ)8を配するものであっても本発明の範囲内である。
セパレータ8は、転動体5の直径よりも小径状で、転動体5,5又は5,5′を案内する。
セパレータ8は、転動体5又は5′の直径よりも小径状で、隣り合う各転動体5,5又は5,5′を保持する凹面15,15を相対面16,16に形成している。
図8(a)に示すセパレータ8は、第一領域L1にて隣り合う転動体5,5を保持するセパレータで、隣り合う転動体5,5を同一方向に傾斜させた状態で保持するように、相対する凹面15,15を、相対面16,16に対称に形成している。
また図8(b)に示すセパレータは、円周上にて隣り合う第一領域L1と第二領域L2の隣り合う転動体5,5′を、相対面5b・5b若しくは5′b・5′bに垂直する夫々の自転中心軸5c,5′cが夫々交差状になるように、第一領域L1の転動体5を保持する凹面15と、第二領域L2の転動体5′を保持する凹面15を、相対面16,16に交差状に形成している。すなわち、凹面15の段部15aに転動体のカット面5eを対向せしめて保持する。なお、本実施形態に示すセパレータ形状は一実施形態にすぎず、何等限定されることなく任意に設計変更可能である。
第十四実施形態のその他の構成及び作用効果は、第一実施形態乃至第十三実施形態と同一である。
【0029】
「第十五実施形態」
図27乃至図29は第十五実施形態を示す。
本実施形態では、互いに所定間隔を存して対向する二つの加工盤体C1,C2相互間において、少なくとも一平面5b,5′b(5e,5′e)を有する転動体(以下、単に転動体ともいう)5(5′)を、鋼球である真球体(以下、単に鋼球若しくは真球体ともいう)17と共に混合させて加工(研磨若しくは研削)することにより、転動体5の球状表面(外径)5a(5′a)を真球状に加工するものとしている。本実施形態において転動体5とは、上述の各実施形態にて説明した図3、図10、図20に開示の各転動体5(5′)が適用される。
また、本実施形態によれば、転動体5(5′)と共にこれら鋼球17の表面真球加工も効率よく混合加工可能である。
図27は、転動体5(5′)を真球状加工するための球体加工装置(ラップ装置)Cの構成を示す図であり、球体加工装置として周知の構成である。
同図において、C1,C2は互いに所定間隔を存して対向する円形の加工盤体(ラップ盤)である。
これら両加工盤体C1,C2の互いに対向する面には、同心円状の溝C3がそれぞれ形成されている。C4は定位置で回転可能な円板状のコンベアで、多量の転動体5(5′)と鋼球17をストレージする。
このコンベアC4の回転に伴い、該コンベアC4上にある転動体5(5′)と鋼球17は、整列した状態で両加工盤体C1,C2相互間に順次送り込まれる(図28)。
そして、両加工盤体C1,C2相互間に転動体5(5′)と鋼球17を挟持して、両加工盤体C1,C2を軸方向に加圧しながら、少なくとも一方の加工盤体C1またはC2を回転させることにより、転動体5(5′)と鋼球17の表面を真球状に加工するものである。
この加工動作時において両加工盤体C1,C2の溝C3に案内されて、転動体5(5′)と鋼球17が転動しながら加工(研磨または研削)されることになる。
この際、球体の表面の微細除去速度が最終的に得られる真球度に影響し、ゆっくり加工するほど最終精度が高くなることが既に知られている。
ところが、一般に球体の加工には時間が掛かり、数日に及ぶことが珍しくない。加工速度を低くすると、加工時間が更に延び、その結果、実際には気温の変化等によるラップ装置の変形による加工圧力の変化、均一性の欠如等の現象が顕著となり、数10nm程度の真球度が限度であった。
当然、平面を有する転動体5(5′)のみを上記装置Cに投入して球体加工する場合にはそれ以下である。
そこで、本実施形態においては、転動体5(5′)を、鋼球17と共に混合させて加工(研磨若しくは研削)することにより、転動体5(5′)と鋼球17の表面を高精度に真球加工するものとした。
本実施形態の場合、転動体5(5′)側から見ると、両加工盤体C1,C2相互間の加工荷重は鋼球17のみで殆ど支えられることになり、転動体5(5′)に配分される両加工盤体C1,C2相互間の加工荷重は低くなる。
従って、転動体5(5′)表面の微細除去加工が行われる。
更に、鋼球17が両加工盤体C1,C2相互間の加工荷重を支えて、両加工盤体C1,C2相互間の相対位置を拘束するので、両加工盤体C1,C2相互間距離に影響する球体加工装置の変形が多少生じても、両加工盤体C1,C2相互間の寸法が安定して転動体5(5′)表面の微細除去が正確に行えるので、転動体5(5′)への悪影響は少なくなる。
【0030】
図29は、鋼球17と転動体5(5′)との混合比率と、加工時間と、鋼球17と転動体5(5′)の期待し得る被加工球相互差との関係を示す図であり、本図の作成条件は次の通りである。
(イ)具体的材料
鋼球,転動体:SUJ−2(焼入れ焼戻し品)、HRC61〜62
(ロ)使用砥石
ダイヤモンド砥粒+メタルボンド
(ハ)球体一個当たりの平均加工力
200gr/個
加工速度は、鋼球17と転動体5(5′)との混合比率に従い、図29の実線のようになる。ところが、最終的に得られる真球度及び被加工球相互差は、両加工盤体C1,C2を一回通過する毎の球体表面除去量が少ないほど良く、特に、被加工球相互差は、その除去量以下にはならないので、図29中、破線のような傾向となる。図29では、一例として転動体が100%の場合、24時間で被加工球相互差300nmの前記転動体を加工できる球体加工装置を仮定した。
よって、加工時間と必要精度とのバランスを考慮に入れて、鋼球17と転動体5(5′)との混合比率を変えて加工を行えば良く、鋼球17を75%、転動体5(5′)を25%とした場合、加工時間は150時間かかるが、被加工球相互差は90nm以下を期待できる。
【0031】
以上詳述したように、本実施の形態に係る球体の加工方法によれば、鋼球17に対して混合比率1/3の転動体5(5′)を混合して加工(研磨若しくは研削)するので、転動体のみで加工した場合に比べて、微少量ずつ安定した加工が行われ、外乱の影響を受け難く、低コストで高精度の転動体を得ることが出来る。また、本実施形態の方法によれば、平面5b,5′b(5e,5′e)と外径5a(5′a)との繋ぎ部分5f(5′f)が、エッジを無くして連続した滑らかな円弧状とすることができる。従って、後加工は不要となり、転動体製造コストの低減に繋がる。
また、球体加工装置であるラップ装置Cでは、被加工球体一個当たりに加わる加工荷重を一定に保つことが高い加工精度を得るために必要であり、そのために両加工盤体間の球数を多くすることが有効なのでロットを大きくすることが望ましいが、本実施の形態に係る球体の加工方法によれば、小ロットでも高精度の加工が可能となる。
なお、上述した実施形態では、鋼球17に対する転動体5の(5′)混合比率を1/3としたが、本発明はこれに限られるものではなく、鋼球17に対する転動体5の混合率は、10%〜100%の範囲で適宜選択可能である。好ましくは10%〜95%の範囲で選択し、さらに好ましくは10%〜75%の範囲で選択することが望ましい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、軸受外内輪の間に、転動体は円周上に交互に交錯するように配されるので、一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられることとなり、1個の軸受で2個のアンギュラ軸受の作用を働いている。また、各転動体は外内軌道輪と二箇所しか接触していないので、従来の4点接触玉軸受または3点接触玉軸受における大きいスピンによる滑りがきわめて小さくなり、滑りによる発熱が極力抑えられる。
そして、軸方向に大きい荷重を負荷する領域に組み込まれる転動体の数を、軸方向に小さい荷重を負荷する領域に組み込まれる転動体の数よりも多くしたので、各転動体に負荷される荷重を均等にすることができ、軸受のサイズ・材質を変えることなく、軸受のコンパクト化と長寿命を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転がり軸受の一実施形態を一部省略して示す断面図。
【図2】転動体の一実施形態を示す斜視図。
【図3】本発明転がり軸受における転動体の組み込み状態を示す概略図。
【図4】第二実施形態を一部省略して示す断面図。
【図5】第三実施形態を一部省略して示す断面図。
【図6】第四実施形態を一部省略して示す断面図。
【図7】第五実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図8】セパレータの一実施形態を示す拡大斜視図で、(a)は第一領域にて転動体を同一傾斜状に保持するセパレータ、(b)は第一領域と第二領域との間で、夫々の転動体を交差状に保持するセパレータ。
【図9】第六実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図10】転動体の他の実施形態を示す拡大斜視図。
【図11】第七実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図12】第八実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図13】第九実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図14】第十実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図15】第十一実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図16】保持器の他の実施形態の部分拡大斜視図。
【図17】第十二実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図18】第十三実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図19】第十四実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図20】転動体の他の実施形態を示す拡大斜視図。
【図21】保持器の他の実施形態を一部省略して示す拡大平面図。
【図22】図21の保持器のI−I線断面図。
【図23】保持器の他の実施形態を示す断面図。
【図24】保持器の他の実施形態を一部省略して示す拡大平面図。
【図25】図24の保持器のII−II線断面図。
【図26】第十四実施形態に用いられるセパレータの拡大斜視図で、(a)は第一領域にて転動体を同一傾斜状に保持するセパレータ、(b)は第一領域と第二領域との間で、夫々の転動体を交差状に保持するセパレータ。
【図27】第十五実施形態の転動体の加工方法を実施するための加工装置の要部構成を示す概略斜視図。
【図28】図27に示す加工装置における加工盤体を拡大して示す概略断面図。
【図29】鋼球と転動体との混合比率と、加工時間と、鋼球と転動体の期待し得る被加工球相互差との関係を示す図。
【図30】クロスローラ軸受の縦断面図。
【図31】4点接触玉軸受の縦断面図。
【図32】先行技術の転がり軸受を示し、(a)は転がり軸受を一部省略して示す縦断面図、(b)は(a)に示した転がり軸受における転動体の組み込み状態を示す概略図。
【符号の説明】
A:転がり軸受
1:外輪
2:内輪
3:軌道溝
5:転動体(第一領域の転動体)
5′:転動体(第二領域の転動体)
5a,5′a:外径
5b,5′b:相対面(平面)
5c,5′c:自転中心軸
L1:第一領域
L2:第二領域

Claims (6)

  1. 一対の軌道輪間に複数の転動体が組込まれ、上記各軌道輪は転動体の半径より大径状の軌道面からなる軌道溝を夫々有し、その中に少なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上に夫々交差状に配されると共に、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて夫々一点ずつ合計二点で接触している転がり軸受であって、
    円周上にて交差状に配される一方の向きの転動体の数と、他方の向きの転動体の数とが異なることを特徴とする転がり軸受。
  2. 一方の向きの転動体が軸方向に大きい荷重を負荷する第一領域を構成し、他方の向きの転動体が軸方向に小さい荷重を負荷する第二領域を構成し、
    上記第一領域と第二領域とが円周方向に交互に交差状に設けられ、
    第一領域に組み込まれる転動体数が第二領域に組み込まれる転動体数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 第一領域に組み込まれる転動体の数が、第二領域に組み込まれる転動体の数の2倍であることを特徴とする請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 転動体が、一組の対称相対面を有する上下切断状玉であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 転動体が、一組の非対称相対面を有する上下切断状玉であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転がり軸受。
  6. 転動体が、片側切断状玉であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転がり軸受。
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