JP2003148479A - 転がり軸受転がり軸受の製造方法 - Google Patents

転がり軸受転がり軸受の製造方法

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JP2003148479A
JP2003148479A JP2001348045A JP2001348045A JP2003148479A JP 2003148479 A JP2003148479 A JP 2003148479A JP 2001348045 A JP2001348045 A JP 2001348045A JP 2001348045 A JP2001348045 A JP 2001348045A JP 2003148479 A JP2003148479 A JP 2003148479A
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rolling
ring
rolling element
rolling elements
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Yukio Sato
幸夫 佐藤
Takashi Murai
隆司 村井
Osamu Fujii
修 藤井
Shigemi Tsukamoto
茂美 塚本
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
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    • F16C33/36Rollers; Needles with bearing-surfaces other than cylindrical, e.g. tapered; with grooves in the bearing surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転動体と軌道溝とのスピン滑りの抑制と共に、
転がり抵抗を低くして低トルク化を実現したラジアル荷
重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けら
れる転がり軸受を提供することである。 【解決手段】外内輪1,2間の軌道溝3に、転がり接触
面となる外径6aが軸方向にも曲率を持ち、かつ軌道面
の半径よりも小径の半径を有する複数の転動体6…を組
込む。該転動体6は、隣接する転動体6が夫々交互に交
差状に配されると共に、各転動体6の外径6a,6a
が、常に一方の軌道輪1の軌道面1a,1bと他方の軌
道輪2の軌道面2b,2aにて二点接触している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジアル荷重と両
方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる転
がり軸受に関するもので、産業機械、ロボット、医療機
器、食品機械、半導体/液晶製造装置、光学及びオプト
エレクトロニクス装置などに使われる。
【0002】
【従来の技術】従来、一つの軸受でラジアル荷重と両方
向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられるもの
には、図22に示すようなクロスローラ軸受、図23に
示すような四点接触玉軸受、或いは、図24に示すよう
な三点接触玉軸受がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クロスローラ
軸受では、軌道輪(内輪100、外輪200)間に組み
込まれる転動体がころ300であり、転動体300と軌
道輪100,200が二ヶ所で線接触するのでモーメン
ト剛性大の長所を持つが、反面、トルク及びトルク変動
が大きいという短所もある。
【0004】また、四点接触玉軸受あるいは三点接触玉
軸受では、軌道輪(内輪100、外輪200)間に組み
込まれる転動体が玉400であり、転動体400と軌道
輪100,200が四箇所又は三箇所で点接触するの
で、低トルク、作動円滑の長所を持つが、モーメント剛
性小という短所もある。また、アキシアル荷重に対して
ラジアル荷重が優勢な場合、又は純ラジアル荷重を受け
る場合、玉のスピンが大きく、小さなスピン摩耗性能は
得られず、更に、通常スピン摩耗性能を少しでも改善す
るため、軸受の隙間を正に設定されるので、結果として
軸受のモーメント剛性が小さくなってしまう。
【0005】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、耐スピン摩耗特性の向上と共に、高モーメント剛性
及び低トルク化を実現した一つの軸受でラジアル荷重と
両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けられる
転がり軸受を提供することである。
【0006】また請求項1乃至3に掲げる本発明は、上
記第一目的を達成する転がり軸受において、転動体の円
滑な回転を提供することを第二の目的としている。
【0007】また請求項4及び5に掲げる本発明は、常
に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道
面以外の軌道面との転動体の干渉を防ぐことと同時に、
転動体としての強度、球状面の形状精度(真球度)、粗
さ、および安価にすることを第二の目的としている。
【0008】また請求項6乃至8に掲げる本発明は、平
面を有する転動体を容易に高精度加工することを第二の
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明がなした技術的手段は、一対の軌道輪間に複数
の転動体が組み込まれ、各軌道輪は転動体の半径より大
径の曲率を有する軌道面からなる軌道溝をそれぞれ有
し、少なくとも一つの軌道輪は軸方向に二分割されてい
て、それぞれ軌道面を有し、各転動体は転がり接触面と
なる外径が軸方向にも曲率を持ち、円周上にそれぞれ交
互に交差状に配され、各転動体の外径が常に相対する一
方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面でそれぞれ
一点づつ合計二点で接触しており、上記軸方向に二分割
された軌道輪は、一体に組合せると共に軌道輪溝を総型
砥石により一体加工したことである。
【0010】上記転がり軸受の製造方法として、まず上
記軸方向に二分割された軌道輪を一体に組合せ、そして
その軌道輪溝に総型砥石を当て込み、該溝を研削するこ
とにより一体加工することである。
【0011】また上記転がり軸受の製造方法として、ま
ず上記軸方向に二分割された軌道輪を軌道輪締結治具に
組み込み、そして次に二つの軌道輪の芯合わせをし、そ
してその後締結部材を介して一体化し、次にその軌道輪
溝形状にあった総型砥石を当て込み、該溝を同時研削す
ることにより一体加工することである。
【0012】転がり軸受は、一対の軌道輪間に複数の転
動体が組み込まれ、各軌道輪は転動体の半径より大径の
曲率を有する軌道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少
なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各
転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持
つと共に、少なくとも一平面以上を有し、円周上にそれ
ぞれ交互に交差状に配され、各転動体の外径が常に相対
する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて
それぞれ一点づつ合計二点で接触しており、上記転動体
は、平面部に直交する軸心方向幅をWとし、転動体直径
をDとした場合のW/Dを0.25〜0.9とすること
である。
【0013】また、上記転がり軸受において、W/Dを
0.55〜0.9とすることである。
【0014】転がり軸受は、一対の軌道輪間に複数の転
動体が組み込まれ、各軌道輪は転動体の半径より大径の
曲率を有する軌道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少
なくとも一つの軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各
転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも曲率を持
つと共に、少なくとも一平面以上を有し、円周上にそれ
ぞれ交互に交差状に配され、各転動体の外径が常に相対
する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にて
それぞれ一点づつ合計二点で接触しており、上記転動体
は、互いに所定間隔を存して対向する二つの加工盤体相
互間に、セラミック球からなる真球体と共に混合させて
加工することにより表面を真球状に加工することであ
る。
【0015】上記転がり軸受の製造方法として、互いに
所定間隔を存して対向する二つの加工盤体相互間に、セ
ラミック球からなる真球体と共に上記少なくとも一平面
以上を有する転動体を混合させて加工することにより、
該転動体の表面を真球状に加工することである。
【0016】上記転がり軸受の製造方法において、少な
くとも一平面以上を有する転動体のセラミック球からな
る真球体に対する混合率を10%〜75%としたことで
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明転がり軸受の一実施
形態を図に基づいて説明する。尚、本実施形態は、本発
明転がり軸受の説明にあたって開示される一実施形態に
すぎず何等限定解釈されるものではなく、本発明の範囲
内において自由に変更可能である。
【0018】図1は第一実施形態、図13は第二実施形
態、図19は第三実施形態を夫々示す。なお、本実施形
態は、本発明転がり軸受の説明にあたって開示される一
実施形態にすぎす何等限定されるものではなく、本発明
の範囲内において自由に変更可能である。
【0019】「第一実施形態」転がり軸受は、軌道輪
(外輪)1の内径と、軌道輪(内輪)2の外径間に形成
される軌道溝3に複数の転動体6,6…が組込まれてな
る。軌道輪1,2は、そのいずれか一方あるいは双方共
が幅方向の任意箇所で軸方向に二分割されており、ボル
ト・リベット等で一体に組み立てられる。
【0020】軌道溝3(3a,3b)は、転動体6の半
径よりも大きな半径の軌道面4,5により形成されてい
る。また、少なくともいずれか一方の軌道輪1,2の軌
道溝3の軌道面4,5は、夫々が転動体6の半径よりも
大きな半径の二つの軌道面4a,4b若しくは5a,5
bから構成されている。各軌道面4(若しくは4a・4
b),5(若しくは5a・5b)の形状は、転動体6の
転がりに適切な形状を有しているものであれば、断面ア
ーチ状あるいはV字状等任意で、また曲線状あるいは直
線状等のいずれであってもよく特に限定されるものでは
ないが、例えばゴシックアーチなどが適用される。ま
た、実施形態では、軌道面の交点に研削逃げを形成し
て、研削加工が容易になる構造としたが、研削逃げを形
成せずに連続した楕円形状の軌道溝を形成することも可
能である。
【0021】二分割された軌道輪1(2)は、その軌道
溝3の形状(軌道径、溝曲率等)が同じになるように加
工し、円周上それぞれ交互に交差状に配された転動体6
の転がり接触面(外径)6aと軌道輪1(2)の軌道面
4a(4b,5a,5b)との接触状態が円周位置で同
じになるようにする必要がある。すなわち、軸方向に二
分割された軌道輪1(2)の各々の軌道面4a,4b
(5a,5b)は、円周上にそれぞれ交互に交差状に配
された各転動体6と予圧(マイナス隙間)を与えて接触
するように軌道輪1(2)の軌道径及び溝曲率が調整さ
れる。そのため、軸方向に二分割された軌道輪1(2)
の軌道面4a,4b(5a,5b)は、夫々同一の軌道
径と溝曲率で加工されないと、各転動体6と軌道輪1
(2)との接触状態(接触角、予圧量等)が円周位置で
変わってしまい、各転動体6の公転速度に差が生じ円滑
な回転を妨げるという不都合があるものと考えられるた
めである。
【0022】そこで、本実施形態では、軸方向に二分割
された一組の軌道輪1(2)を、図10のように軌道輪
締結治具Aに組み込み、外輪外径面6aで一組の軌道輪
1の芯合わせを行って、図9のようにボルト(若しくは
リベット)15等で締結して、一体で軌道溝3を総型砥
石Bで同時加工するものとした。これによれば、二分割
された軌道輪1a,1bの軌道溝3a,3bの形状(軌
道径、溝曲率等)を同時に加工できる。
【0023】図9によれば、二分割された一組の軌道輪
(外輪)1a,1bを図10に示すように軌道輪締結治
具Aの内径面aにルーズフィットで嵌着して、それぞれ
の軌道輪(外輪)1a,1bの外径面1c,1dの芯だ
し(芯合わせ)をした後、締結用のボルト15とナット
15aで一体に締結する。それぞれの軌道輪(外輪)1
a,1bの軌道溝3a,3bは、曲率半径r1,r2の
ゴシックアーチが適用されているので、この軌道溝形状
をトレースした総型砥石Bにて研削している。
【0024】図11では、外輪1と同じように内輪2に
ついて示した。二分割された一組の軌道輪(内輪)2
a,2bを図12に示すように軌道輪締結治具Aの外径
面a′にルーズフィットで嵌着して、それぞれの軌道輪
(内輪)の2a,2bの内径面2c,2dの芯だし(芯
合わせ)をした後、締結用のボルト15とナット15a
で一体に締結する。それぞれの軌道輪(内輪)2a,2
bの軌道溝3a,3bは、曲率半径r1,r2のゴシッ
クアーチが適用されているので、この軌道溝形状をトレ
ースした総型砥石Bにて研削している。
【0025】転動体6は、少なくとも一平面以上を有
し、転がり接触面となる外径6aが軸方向に曲率を持
ち、かつ軌道面4(4a・4b),5(5a・5b)の
夫々の半径よりも小径の半径を有する任意形状で、該転
動体6は、隣接する転動体6が夫々交互に交差状に配さ
れると共に、各転動体6の外径6aが、常に一方の軌道
輪1の軌道面4(4a・4b)と他方の軌道輪2の軌道
面5(5a・5b)にて夫々一点ずつ合計二点で接触し
ている。
【0026】例えば、転動体6は、一組の平面(相対
面)6b,6bを有する上下切断状玉(玉の上下部分を
切断して相対面6b,6bを形成した構造のものをい
う。以下同じ。)で、該平面6b,6bに垂直する自転
中心軸6cが夫々交差状となるように夫々の転動体6,
6…が組込まれると共に、各転動体6の外径6aが、常
に一方の軌道輪1の軌道面4(4a・4b)と他方の軌
道輪2の軌道面5(5a・5b)にて夫々一点ずつの合
計二点で接触している。
【0027】転動体6は、その上下の切断幅は特に限定
されず、また上下の切断割合は、均等あるいは均等でな
いものであってもよく、本発明の範囲内で任意に選択可
能である。すなわち、転動体6の相対面6b,6bは、
対称であっても非対称であってもよくいずれも本発明の
範囲内である。
【0028】図3は二平面が非対称である転動体の一実
施形態で、本実施形態の転動体6は特に高速回転の場合
に用いられる。本実施形態の転動体6は、非対称の平面
(相対面)6b,6dを有し、平面(相対面)6b,6
dの大端6dが軸受の内輪2に向くように配すること
で、転動体6の回転がより安定になり、より低トルクを
実現することが出来る。6aは外径、6cは自転中心軸
を示す。その他の構成作用効果は、図2記載の転動体6
と同様でその説明は省略する。
【0029】また、転動体6は、図4に示すように、上
下のいずれかを切断状として一平面を形成してなる玉状
であってもよい。
【0030】尚、転動体6の全体形状、相対面6b,6
b(6d)の有無や、外径6aにおける軸方向の曲率の
大小等は、上記具体的形状に何等限定されるものではな
く、本発明の範囲内において任意に変更可能である。す
なわち、例えば、相対面6b,6bに代えて、非平行状
の両面を備え、該両面に垂直する自転中心軸6cを有す
るものとしてもよい。
【0031】また、転動体6,6…の組込みは、隣接す
る転動体6,6における各相対面6b・6b,6b・6
bに垂直する自転中心軸6c,6cが交互に交差状とな
るようにするが、その交差状態は直交状・非直交状のい
ずれでも構わない。
【0032】転動体6の交差状に配される方式は、両方
のなりで数が同じなら、特に限定されず、すなわち、転
動体6が1ヶ毎に交差してもよく、1ヶ毎に交差しなく
とも両方のなりで数が同じなら、2ヶずつ交差あるいは
2ヶ1ヶ1ヶ2ヶ等のように交差していてもよくいずれ
も本発明の範囲内である。
【0033】各転動体6,6の運動は、保持器7あるい
はセパレータ(スぺーサ)9で案内される。
【0034】保持器7、セパレータ(スぺーサ)9は、
転動体6を保持案内するポケット8…、あるいは溝1
0,10を夫々有する形状であれば、特に限定されるも
のではなく本発明の範囲内で任意に選択変更可能であ
る。保持器7の案内方式は特に限定されるものではな
く、内輪案内でも、外輪案内でも、転動体案内でもよ
い。また、保持器7の構成・形状などは特に限定される
ものではなく、例えば一体型でも、幾つかの部分から形
成したものでも良い。
【0035】例えば、保持器7は、隣接する各転動体
6,6を自転中心軸6c,6cが夫々交差状になるよう
に交互に組み込み可能なポケット8…を、円環体の円周
上で転動体6…数量と同一数量をもって等間隔で、かつ
交互に交差状に配して構成されている。各ポケット8…
の軸方向の両側面8a,8bは、交互に平行しかつ軸受
の回転軸と垂直でも平行でもなく、転動体6の接触角と
同等レベルの一定の角度(傾斜状)となっている。
【0036】各ポケット8…の軸方向の両側面8a,8
b間の距離は、転動体6の幅よりやや大きく構成されて
いる。上記ポケット8の形状は、傾斜状の平行な両側面
8a,8bを有すると共に、両側面8a,8b間の距離
を転動体6の幅よりもやや大きく形成されているもので
あれば、そのポケット全体形状は特に限定解釈されるも
のではなく本発明の範囲内で変更可能である。
【0037】なお、本実施形態では、円周上で転動体6
…数量と同一数量のポケット8…が等間隔で、かつ交互
に交差状に配されているが、特に限定されず、両方のな
りで数が同じなら、2ケずつ交差あるいは2ケ1ケ1ケ
2ケ等のように交差していても良く本発明の範囲内であ
る。
【0038】種々の因子の影響により、回転中の転動体
にはスピン又はスキューが発生する可能性があり、転動
体の姿勢が上手く制御できないと、軸受の回転抵抗が大
きくなったり、スムースに回転できなくなったりする可
能性がある。従って、本実施形態によれば、保持器7の
ポケット8が転動体6の接触角と同等レベルの一定角度
と大体同じとした平行状両側面8a,8bを備え、該ポ
ケット両側面8a,8bにより、転動体6のスピン、ス
キューなどによる転動体6の姿勢変化が抑えられ、軸受
の姿勢保持ができるため、軸受の低トルク化を実現する
ことができる。
【0039】セパレータ9は、転動体6の直径よりも小
径状で、隣接して保持する各転動体6,6を上述の通り
自転中心軸6c,6cが夫々交差状になるように保持す
る凹状円弧溝10,10を、相対面11,11に交差状
に形成している。この円弧溝10の曲率半径は、転動体
外径6aの曲率半径と略同一、あるいは大きいものとし
てもよく任意である。このようにセパレータ9を使用す
れば軸受全体がコンパクト化できる。
【0040】転動体と軌道面との間における予圧の付与
される状態は特に限定されず、すなわち、製造段階で予
圧が付与されても付与されなくてもよくいずれも本発明
の範囲内である。
【0041】これら軸受の軌道輪1,2と転動体6の材
料としては、通常軸受鋼が用いられるが、使用環境に応
じて耐食性や、耐熱性を向上させる場合には耐食被膜、
ステンレス鋼、耐熱鋼(例えばM50など)、セラミッ
ク等が適宜選択され特に限定解釈はされない。また、保
持器7の材料としては、もみ抜き保持器、プレス保持
器、樹脂保持器等が適宜選択されるので、例えば黄銅や
鉄等の金属や、例えばポリアミド66(ナイロン66)
・ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の合成樹脂
が本発明の範囲内で選ばれ特に限定解釈はされない。
【0042】また、軸受内部隙間は必要により小さくま
たは負(マイナス)に設定する。それにより軸受のより
高モーメント剛性を実現できる。
【0043】なお、図中14は密封板で、該密封板14
は、接触形シール若しくは非接触形シール、または非接
触形シールドのいずれかが該当し、その形状は特に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で周知の形状のも
のが適宜選択される。図中、14aは内輪シール溝の内
底に密接して密封面となる密封板14のシール面を示
す。
【0044】密封板14の配置方式は特に限定されるも
のではなく、必要により、両側に配置しても、片側に配
置してもよく、いずれも本発明の範囲内である。密封面
は外輪側でも、内輪側でも、いずれも本発明の範囲内で
ある。シールの形状、例えばリップ形状等は特に限定さ
れるものではなく、密封面と線接触でも、面接触でも、
いずれも本発明の範囲内である。また、芯金の有無も自
由で、必要に応じて芯金を有するタイプと有しないタイ
プとを使い分けるものとしても良く特に限定解釈される
ものではない。また、外輪1・内輪2のシール溝構造も
特に限定されず本発明の範囲内で適宜変更可能である。
密封板14の有無は特に限定されるものではなく、必要
により設置しても、設置しなくても、いずれも本発明の
範囲内である。
【0045】次に、本実施形態の具体的な実施例を説明
する。
【0046】図1は、本発明転がり軸受の第一実施例を
示す。転動体6,6は、図2に示したように一組の平面
(相対面)6b,6bを夫々有する上下切断状玉であ
り、二分割された軸受の外輪1a・1bと、一体に形成
された内輪2とに形成される軌道溝3・3に介在され
る。本実施例は、転動体6の半径よりも大径状の半径を
夫々有している二つの軌道面4a・4bからなる軌道溝
3と、転動体6の半径よりも大径状の半径を有している
一つの軌道面5からなる軌道溝3とし、また転動体(上
下切断状玉)6の平面(相対面)6b,6bは対称とし
た。
【0047】また、平面(相対面)6b,6bに垂直す
る各転動体6,6の自転中心軸6c,6cが交互に交差
するように配されて、転動体6,6の運動は保持器7の
ポケット8,8で案内される。保持器7は、隣接する各
転動体6,6を上述の通り自転中心軸6c,6cが夫々
交差状になるように交互に組み込み可能なポケット8…
を、円環体の円周上で転動体6…数量と同一数量をもっ
て等間隔で、かつ交互に交差状に配して構成されてい
る。
【0048】従って、この第一実施形態によれば、転動
体6の外径6aが相対する外輪1の軌道面4aと内輪2
の軌道面5に夫々一点ずつ合計二点で接触(接触点を1
2,12で示す)し、隣接する転動体6が外輪1の軌道
面4bと内輪2の軌道面5に夫々一点ずつ合計二点で接
触(接触点を13,13で示す)する。
【0049】転動体6,6の接触角交互に交差するの
で、一つの軸受でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷
重、モーメント荷重を受けることができる。また、転動
体6が軌道面4aと5の夫々一点ずつで、もう一方の転
動体6が軌道面4bと5の夫々一点ずつで、夫々二点
(二箇所)しか点接触(12・12,13・13)して
いないので、従来の四点接触軸受における大きなスピン
を除くことができる。
【0050】さらに、転動体6,6と外内輪1,2との
接触形式は一般の玉軸受と同じなので、クロスローラに
比べ、転がり抵抗が低く、低トルクを実現することがで
きる。
【0051】図7は、第二実施例を示す。本実施例は、
外輪1は一つの軌道面4、内輪2は二つの軌道面5(5
a・5b)を有し、外輪1が一体、内輪2が二分割タイ
プとする。その他の構成及び作用効果は第一実施例と同
一である。
【0052】図8は、第三実施例を示す。本実施例は、
外輪1と内輪2のいずれもがの軌道面4(4a・4
b),5(5a・5b)を有し、外輪1,2共に二分割
タイプとする。その他の構成及び作用効果は第一実施例
と同一である。また、本実施例と同様に外輪1と内輪2
を夫々二つの軌道面からなるものとし、外輪1を一体タ
イプで内輪2を二分割するタイプとするもの、外輪1を
二分割タイプで内輪2を一体タイプとすることも可能で
ある。
【0053】「第二実施形態」本実施形態は、上述した
第一実施形態の軸受と略同一構成であるが、転動体6に
おける平面部6bに直交する軸心方向幅W/転動体直径
Dを調整した。すなわち、本実施形態では、常に相対す
る一方の軌道輪1aの軌道面4aと他方の軌道輪2aの
軌道面以外の軌道面との転動体の干渉を防ぐことと同時
に、転動体としての強度、球状面の形状精度(真球
度)、粗さ、および安価にする転動体を提供する。その
他の構成および作用効果にあっては、第一実施形態にて
説明した転がり軸受と略同一であるためその説明は省略
する。なお、軌道輪1(2)の軌道溝3は、第一実施形
態に示すように加工したものであってもよいが、該実施
形態に示すような加工を施していない場合も適用範囲で
ある。
【0054】転動体6は、転がり接触面となる外径6a
が軸方向にも曲率を持つと共に、少なくとも一平面以上
を有する玉状に形成し、平面6bに直交する軸心方向幅
をWとし、転動体直径をDとした場合のW/Dを0.2
5〜0.9とする。
【0055】転動体6の外形は、例えば図14及び図1
5に記載の形状を有し、平面を二つ設けている転動体6
(図14)にあっては平面6b,6b間の距離を、そし
て、平面6bを一つ設けている転動体6(図15)にあ
っては平面6bと、該平面6bに直交する軸心線が接す
る球面外径点6eとの距離を夫々平面6bに直交する軸
心方向幅Wとしている。
【0056】また、本実施形態では、二平面6b,6b
を有する転動体の場合(図14)、転動面6aと平面6
bのつなぎ部分にエッジ部分6fを残している構成と
し、一方、一平面6bを有する転動体6の場合(図1
5)には、エッジ部分を無くして連続した滑らかな円弧
状としている構成としたが、二平面を有する転動体と一
平面を有する転動体のいずれか若しくは双方共につなぎ
部分を円弧状としてもよく、またいずれか一方若しくは
双方共につなぎ部分にエッジ部分を有する構成としても
良く、任意に設定可能である。なお、転動体の外形はこ
れら図示例に何等限定解釈されるものではなく、本発明
の範囲内で任意に設計変更可能である。
【0057】すなわち、W/Dが0.25以上あれば軸
受剛性に与える影響(特に外力による転動体6自体の変
形について)は小さい。転動体強度(軸受性能への影
響)の点から、転動体6自体の変形を考慮したものであ
る。ここで、W/Dと転動体6の変形量との関係を図1
6に示す。また、常に相対する一方の軌道輪1a(1
b)の軌道面4a(4b)と他方の軌道輪2a(2b)
の軌道面5a(5b)以外の軌道面との干渉を防ぐ点か
らすれば、W/Dは0.9以下であれば安全といえる。
これは、内・外輪単体精度や組み立て精度による干渉を
防ぐだけの逃げ部として機能すればよい為である。W/
Dに対する転動体6と軌道面4a(4b・5a・5b)
との干渉関係を図18に示す。球状面の粗さおよび形状
精度については、仕上げ加工された後の球(ボール)か
ら追加工により平面を形成する加工法を行えば、製造コ
ストの点からは、W/Dの値が小さくなるほどコストは
比例的に高くなるが、W/Dの値に関係なく精度確保は
可能である。但し、平面を形成した後に仕上げ加工をす
る方法、例えば、特開平12−254858に記載の加
工方法を利用して、互いに所定間隔をもって対向する二
つの加工盤体相互間の溝に平面を形成した玉状の転動体
を通過させて真球状に加工する場合には、W/Dが0.
5以上なければ、粗さを含め形状精度が確保できないば
かりでなく量産製造が困難になる。加工法によるW/D
と加工コストとの関係を図17に示す。図中実線は、平
面を形成した後仕上げ加工した転動体、破線は、仕上げ
加工後平面を形成した転動体を示す。
【0058】なお、上述では、二平面を有する転動体
(図14)で説明しているが、一平面の場合(図15)
は、W/Dの値の最小値側は、当然二平面時の二倍以上
となる。つまり、W/Dは0.5以上となり、さらに転
動面と軌道面との接触幅を考慮すると、最小でも球(転
動面の)赤道部からプラス1.5から2mm程度必要で
ある。従って、一平面の場合のWの値は最小でもD/2
+(1.5〜2mm)の値を確保する必要がある。ま
た、二平面の場合においても本実施例では、球(転動
体)の赤道部を対象線として各平面を形成しているが、
特に対象でなくても当然良い。但し、この場合も転動面
と軌道面との接触幅を考慮すると、最小でも球(転動面
の)赤道部からプラス1.5から2mm程度必要であ
る。
【0059】従って、上述の諸事情を考慮すると、上記
W/Dの範囲は、好ましくは、0.55〜0.9とな
る。
【0060】「第三実施形態」本実施形態は、上述した
第一実施形態の軸受と略同一構成であるが、容易に高精
度加工した転動体6を組み込んだもので、転動体6を次
の通り構成している。すなわち、本実施形態では、高精
度加工した転動体6を提供すると共に、その加工方法を
も提供する。その他の構成および作用効果にあっては、
第一実施形態にて説明した転がり軸受と略同一であるた
めその説明は省略する。なお、軌道輪1(2)の軌道溝
3は、第一実施形態に示すように加工したものであって
もよいが、該実施形態に示すような加工を施していない
場合も適用範囲である。
【0061】転動体6は、例えばSUJ−2(焼入れ焼
戻し品)などの鋼材からなり、転がり接触面となる外径
6aが軸方向にも曲率を持つと共に、少なくとも一平面
6b以上を有する玉状に形成し、転動体6の球状表面
(平面を除く部分)6gを真球状に加工する。
【0062】真球に形成した玉を、研削および切削によ
る追加工によって平面を新たに創生することも可能であ
る。しかし、これによると次のような不具合が考えられ
る。一度に相当数の加工が出来ないためコストアップと
なり実用的でなく、また、同時に生じる課題としては、
加工の際に球を固定する為、球表面に傷をつけることも
ある。さらに、追加工によって創生された平面と転動面
(球面)とのつなぎ部分(接触部)が鋭利なエッジとな
り、これを和らげるためにさらに後処理の工程が必要で
ある。
【0063】そこで、本実施形態では、互いに所定間隔
を存して対向する二つの加工盤体C1,C2相互間にお
いて、平面6bを有する転動体(以下、単に転動体とも
いう)6を、セラミック球である真球体(以下、単にセ
ラミック球ともいう)15と共に混合させて加工(研磨
若しくは研削)することにより、転動体6の球状表面6
gを真球状に加工するものとしている。なお、本実施形
態によれば、転動体6と共に真球体15の真球加工も併
せて可能である。
【0064】図19は、転動体6を真球状加工するため
の球体加工装置(ラップ装置)Cの構成を示す図であ
り、球体加工装置として周知の構成である。同図におい
て、C1,C2は互いに所定間隔を存して対向する円形
の加工盤体(ラップ盤)である。これら両加工盤体C
1,C2の互いに対向する面には、同心円状の溝C3が
それぞれ形成されている。C4は定位置で回転可能な円
板状のコンベアで、多量の転動体6と真球体15をスト
レージする。このコンベアC4の回転に伴い、該コンベ
アC4上にある転動体6と真球体15は、整列した状態
で両加工盤体C1,C2相互間に順次送り込まれる。
【0065】そして、両加工盤体C1,C2相互間に転
動体6と真球体15を挟持して、両加工盤体C1,C2
を軸方向に加圧しながら、少なくとも一方の加工盤体C
1またはC2を回転させることにより、転動体6と真球
体15の表面を真球状に加工するものである。この加工
動作時において両加工盤体C1,C2の溝C3に案内さ
れて、転動体6と真球体15が転動しながら加工(研磨
または研削)されることになる。
【0066】この際、球体の表面の微細除去速度が最終
的に得られる真球度に影響し、ゆっくり加工するほど最
終精度が高くなることが既に知られている。ところが、
一般に球体の加工には時間が掛かり、数日に及ぶことが
珍しくない。加工速度を低くすると、加工時間が更に延
び、その結果、実際には気温の変化等によるラップ装置
の変形による加工圧力の変化、均一性の欠如等の現象が
顕著となり、数10nm程度の真球度が限度であった。
当然、平面を有する転動体6のみを上記装置Cに投入し
て球体加工する場合にはそれ以下である。
【0067】そこで、本実施形態においては、転動体6
を、被加工球体である真球体15と共に混合させて加工
(研磨若しくは研削)することにより、転動体6表面を
高精度に真球加工するものとした。
【0068】ここで、真球体15をSiとする
と、セラミックの被加工性(被研磨性若しくは被研削
性)は鋼の約1/20〜1/30と非常に低いので、両
加工盤体C1,C2相互間において、真球体15と転動
体6を混合させて加工(研磨若しくは研削)した場合、
まず、転動体6のみの加工が進んだ後、真球体15の加
工が行われる。
【0069】そのため、転動体6のみの加工が行われる
段階では、転動体6側から見ると、両加工盤体C1,C
2相互間の加工荷重は真球体15のみで殆ど支えられる
ことになり、転動体6に配分される両加工盤体C1,C
2相互間の加工荷重は低くなる。従って、転動体6表面
の微細除去加工が行われる。
【0070】また、真球体15側から見ると、転動体6
によって砥石面(両加工盤体C1,C2の対向面)がド
レッシングされ、加工(研磨若しくは研削)効率が上昇
する。
【0071】更に、研削し難いセラミック製の真球体1
5が両加工盤体C1,C2相互間の加工荷重を支えて、
両加工盤体C1,C2相互間の相対位置を拘束するの
で、両加工盤体C1,C2相互間距離に影響する球体加
工装置の変形が多少生じても、両加工盤体C1,C2相
互間の寸法が安定して転動体表面の微細除去が正確に行
えるので、転動体への悪影響は少なくなる。
【0072】図21は、真球体15と転動体6との混合
比率と、加工時間と、真球体15と転動体6の期待し得
る被加工球相互差との関係を示す図であり、本図の作成
条件は次の通りである。
【0073】(イ)具体的材料 真球体:Si、HRC61〜62 転動体:SUJ−2(焼入れ焼戻し品)、HRC61
〜62 (ロ)使用砥石 ダイヤモンド砥粒+メタルボンド (ハ)球体一個当たりの平均加工力 200gr/個 加工速度は、真球体15と転動体6との混合比率に従
い、図21の実線のようになる。ところが、最終的に得
られる真球度及び被加工球相互差は、両加工盤体C1,
C2を一回通過する毎の球体表面除去量が少ないほど良
く、特に、被加工球相互差は、その除去量以下にはなら
ないので、図21中、破線のような傾向となる。図21
では、一例として転動体が100%の場合、24時間で
被加工球相互差100nmの鋼球(真球体)を加工でき
る球体加工装置を仮定した。
【0074】よって、加工時間と必要精度とのバランス
を考慮に入れて、真球体15と転動体6との混合比率を
変えて加工を行えば良く、真球体15を75%、転動体
6を25%とした場合、加工時間は150時間かかる
が、被加工球相互差は29nm以下を期待できる。
【0075】以上詳述したように、本実施の形態に係る
球体の加工方法によれば、真球体15に対して混合比率
1/3の転動体6を混合して加工(研磨若しくは研削)
するので、転動体6のみで加工した場合に比べて、微少
量ずつ安定した加工が行われ、外乱の影響を受け難く、
高精度の加工を行うことが出来る。また、加工の最中、
常にSUJ−2からなる転動体6が砥石のドレッシング
工程を行うので、真球体15に対して安定した切れ味を
持続することが出来るという作用効果も奏する。
【0076】また、本発明を実施するための球体加工装
置であるラップ装置では、被加工球体一個当たりに加わ
る加工荷重を一定に保つことが高い加工精度を得るため
に必要であり、そのために両加工盤体間の球数を多くす
ることが有効なのでロットを大きくすることが望ましい
が、セラミック球(真球体)のように高価な球体では、
小ロットで生産せざるを得ない場合が多々ある。しか
し、本実施の形態に係る球体の加工方法によれば、セラ
ミック球(真球体)においても、小ロットでも高精度の
加工が可能となるという作用効果も奏する。
【0077】なお、上述した第一の実施の形態では、真
球体15に対する転動体6の混合比率を1/3とした
が、本発明はこれに限られるものではなく、真球体15
に対する転動体6の混合率を25%〜75%の範囲で選
択することが望ましい。
【0078】
【発明の効果】本発明は、外内輪の間には、転動体は円
周上に交互に交差するように配されるので、一つの軸受
でラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント
荷重を受けられる。各転動体は外内軌道輪といつも二ヶ
所しか接触していないので、従来の四点接触玉軸受又は
三点接触玉軸受における大きいスピンによる滑りが小さ
く、耐スピン摩耗特性が向上できる。また必要により軸
受隙間を小さく又は負に設定できるので、高モーメント
剛性を実現できる。さらに、転動体が玉であり、転動体
と軌道輪は点接触するので、クロスローラに比べ転がり
抵抗が低く、低トルク化を実現することが出来る。結果
として、装置全体のコンパクト化及び軽量化と耐久性向
上が図れ、且つコストダウンも図れる。
【0079】また、請求項1乃至3に記載の本発明によ
れば、次のような作用効果も奏する。軸方向に二分割さ
れた一組の軌道輪のそれぞれの軌道溝が、二分割された
軌道輪を一体に組み合わせて、総型砥石で同時加工され
ているので、一対の軌道輪間に組み込まれた複数の転動
体が、軸方向に二分割された各軌道輪の軌道溝に円周上
でそれぞれ一点ずつ合計二点で接触しても、各転動体と
軌道輪との接触状態(接触角、予圧量等)が円周位置で
大きく変わることがない。従って、各転動体の公転速度
に大きな差は生じず円滑な回転を妨げることがない。そ
の結果、トルク及びトルク変動が大きくなることがな
い。また、保持器ポケット内の摩耗も小さく抑えること
が出来る。
【0080】また、請求項4及び5に記載の本発明によ
れば、上述のような構成としたことにより、常に相対す
る一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面以外の
軌道面との干渉をなくすことが可能なため、以下の作用
効果が得られる。
【0081】転動体強度(軸受性能への影響)の点から
も、転動体自体の変形を考慮し、W/Dは0.25以上
あれば、軸受性能(特に剛性)に与える影響を小さく抑
えることができる。
【0082】また、請求項6乃至8に記載の本発明によ
れば、次のような作用効果も奏する。セラミック球から
なる真球体と、転動体とを所定の混合比率で混合して加
工(研磨若しくは研削)するので、転動体のみで加工し
た場合に比べて、微少量ずつ安定した加工が行われ、外
乱も影響を受け難く、高精度の加工を行うことが出来
る。
【0083】また、本発明を実施するための球体加工装
置であるラップ装置では、被加工球体一個当たりに加わ
る加工荷重を一定に保つことが高い加工精度を得るため
に必要であるが、本発明に係る球体の加工方法によれ
ば、小ロットでも高精度の加工が可能となる。
【0084】また、本発明により、追加工で平面を新た
に創生することがなくなるため、大幅なコストダウンが
達成できるのみならず、球の表面に傷をつける事は皆無
となった。さらに、本実施方法では、平面を素球段階で
形成しておく為、平面と球面とのつなぎ部も丸く形成さ
れ当然後工程が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】請求項1乃至3に記載の本発明の一例を示す
縦断面図。
【図 2】転動体の一実施形態を示す拡大斜視図。
【図 3】転動体の他の実施形態を示す拡大斜視図。
【図 4】転動体の他の実施形態を示す拡大斜視図。
【図 5】保持器の一実施形態を示す斜視図。
【図 6】セパレータの一実施形態を示す斜視図。
【図 7】本発明の第一実施形態における他の例を示す
縦断面図。
【図 8】本発明の第一実施形態における他の例を示す
縦断面図。
【図 9】軌道溝研削の一例で、外輪の縦断面図。
【図10】外輪一体固定方法の一例を示す縦断面図。
【図11】軌道溝研削の一例で、内輪の縦断面図。
【図12】内輪一体固定方法の一例を示す縦断面図。
【図13】請求項4及び5に記載の本発明の一例を示す
縦断面図。
【図14】二平面を有する転動体の拡大斜視図。
【図15】一平面を有する転動体の拡大斜視図。
【図16】W/Dと転動体自体の変形量の関係図。
【図17】W/Dと加工コストの関係図。
【図18】W/Dに対する転動体と軌道面との干渉関係
図。
【図19】請求項6乃至8に記載の本発明転動体の加工
方法を実施するための球体加工装置の要部構成を示す斜
視図。
【図20】図18に示す球体加工装置における両加工盤
体の一部拡大断面図。
【図21】セラミック球と転動体との混合比率と、加工
時間と、セラミック球の期待し得る被加工球相互差との
関係を示す図。
【図22】従来技術の一例で、クロスローラ軸受の縦断
面図。
【図23】従来技術の一例で、四点接触玉軸受の縦断面
図。
【図24】従来技術の一例で、三点接触玉軸受の縦断面
図。
【符号の説明】
1:外輪 2:内輪 3:軌道溝 6:転動体 6a:外径 6b:平面 6c:自転中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 修 神奈川県藤沢市鵠沼神明1丁目5番50号日 本精工株式会社内 (72)発明者 塚本 茂美 神奈川県藤沢市鵠沼神明1丁目5番50号日 本精工株式会社内 Fターム(参考) 3C049 AA03 AA09 CA01 3J101 AA15 AA25 AA26 AA32 AA33 AA54 AA62 BA06 BA10 BA53 BA54 BA55 BA64 DA09 EA02 EA03 EA06 EA36 EA41 FA08 FA31 FA41 GA31 GA32 GA34 GA41 GA51 GA53 GA55 GA57

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は軸方向に二分割されていて、それぞれ軌道面を
    有し、各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも
    曲率を持つと共に、少なくとも一平面以上を有し、円周
    上にそれぞれ交互に交差状に配され、各転動体の外径が
    常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌
    道面でそれぞれ一点づつ合計二点で接触しており、上記
    軸方向に二分割された軌道輪は、一体に組合せると共に
    軌道輪溝を総型砥石により一体加工したことを特徴とす
    る転がり軸受。
  2. 【請求項2】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は軸方向に二分割されていて、それぞれ軌道面を
    有し、各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも
    曲率を持つと共に、少なくとも一平面以上を有し、円周
    上にそれぞれ交互に交差状に配され、各転動体の外径が
    常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌
    道面でそれぞれ一点づつ合計二点で接触してなる転がり
    軸受であって、まず上記軸方向に二分割された軌道輪を
    一体に組合せ、そしてその軌道輪溝に総型砥石を当て込
    み、該溝を研削することにより一体加工することを特徴
    とする転がり軸受の製造方法。
  3. 【請求項3】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は軸方向に二分割されていて、それぞれ軌道面を
    有し、各転動体は転がり接触面となる外径が軸方向にも
    曲率を持つと共に、少なくとも一平面以上を有し、円周
    上にそれぞれ交互に交差状に配され、各転動体の外径が
    常に相対する一方の軌道輪の軌道面と他方の軌道輪の軌
    道面でそれぞれ一点づつ合計二点で接触してなる転がり
    軸受であって、まず上記軸方向に二分割された軌道輪を
    軌道輪締結治具に組み込み、そして次に二つの軌道輪の
    芯合わせをし、そしてその後締結部材を介して一体化
    し、次にその軌道輪溝形状にあった総型砥石を当て込
    み、該溝を同時研削することにより一体加工することを
    特徴とする転がり軸受の製造方法。
  4. 【請求項4】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体は転がり
    接触面となる外径が軸方向にも曲率を持つと共に、少な
    くとも一平面以上を有し、円周上にそれぞれ交互に交差
    状に配され、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道
    輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にてそれぞれ一点づ
    つ合計二点で接触しており、上記転動体は、平面部に直
    交する軸心方向幅をWとし、転動体直径をDとした場合
    のW/Dを0.25〜0.9とすることを特徴とする転
    がり軸受。
  5. 【請求項5】W/Dを0.55〜0.9とすることを特
    徴とする請求項4に記載の転がり軸受。
  6. 【請求項6】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体は転がり
    接触面となる外径が軸方向にも曲率を持つと共に、少な
    くとも一平面以上を有し、円周上にそれぞれ交互に交差
    状に配され、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道
    輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にてそれぞれ一点づ
    つ合計二点で接触しており、上記転動体は、互いに所定
    間隔を存して対向する二つの加工盤体相互間に、セラミ
    ック球からなる真球体と共に混合させて加工することに
    より表面を真球状に加工することを特徴とする転がり軸
    受。
  7. 【請求項7】一対の軌道輪間に複数の転動体が組み込ま
    れ、各軌道輪は転動体の半径より大径の曲率を有する軌
    道面からなる軌道溝をそれぞれ有し、少なくとも一つの
    軌道輪は二つの軌道面からなり、上記各転動体は転がり
    接触面となる外径が軸方向にも曲率を持つと共に、少な
    くとも一平面以上を有し、円周上にそれぞれ交互に交差
    状に配され、各転動体の外径が常に相対する一方の軌道
    輪の軌道面と他方の軌道輪の軌道面にてそれぞれ一点づ
    つ合計二点で接触してなる転がり軸受であって、互いに
    所定間隔を存して対向する二つの加工盤体相互間に、セ
    ラミック球からなる真球体と共に上記少なくとも一平面
    以上を有する転動体を混合させて加工することにより、
    該転動体の表面を真球状に加工することを特徴とする転
    がり軸受の製造方法。
  8. 【請求項8】少なくとも一平面以上を有する転動体のセ
    ラミック球からなる真球体に対する混合率を10%〜7
    5%としたことを特徴とする請求項7に記載の転がり軸
    受の製造方法。
JP2001348045A 2001-11-13 2001-11-13 転がり軸受転がり軸受の製造方法 Pending JP2003148479A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112032193A (zh) * 2020-09-29 2020-12-04 江苏万达特种轴承有限公司 一种精密级三圈复合轴承及其制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112032193A (zh) * 2020-09-29 2020-12-04 江苏万达特种轴承有限公司 一种精密级三圈复合轴承及其制造方法
CN112032193B (zh) * 2020-09-29 2024-03-08 江苏万达特种轴承股份有限公司 一种精密级三圈复合轴承及其制造方法

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