JP2007301700A - 多層構造を有する研削砥石 - Google Patents

多層構造を有する研削砥石 Download PDF

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明男 酒井
Koji Hashimoto
光司 橋本
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Abstract

【課題】重研削加工するために最も研削砥石の摩耗の大きい先端部分の摩耗を防止するため、異仕様の研削砥石を多層にして先端部分の長寿命化を実現した研削砥石を提供する。また、ボールネジのボール溝旋削加工を複合的に研削加工し、加工工程を集合化(集約化)することで工程削減を図った研削砥石を提供する。
【解決手段】仕様の異なる複数の砥石層を多層に構成した研削砥石(10)であって、第1の砥石層(1)と、第1の砥石層の両側に隣接して設けた第2の砥石層(2)と、第2の砥石層の両側に隣接して設けた第3の砥石層(3)とを軸方向に配置した多層構造を有することを特徴とする研削砥石。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボールネジのボール溝の旋削加工に用いられる、研削砥石に関する。より詳細には、多層構造を有する研削砥石に関する。
一般に、研削砥石は一層構造のものが多く用いられている。重研削加工を行う場合などは、特に研削砥石の先端部の摩耗が激しく、砥石の研削能力や使用可能性などは、研削砥石の一部分の対摩耗性に依存している。
また、例えば特許文献1のように、外周に荒削り用と仕上げ用の2種類の砥石面を設けた研削砥石が提案されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開平5−261669号公報(第3頁、図1等)
特許文献1に開示されているものは、円盤状研削砥石の外周に、曲面状研削面を備えた荒研削用砥石部と、仕上げ研削用砥石部とを外周縁で隣接配置した構成である。このように構成することで、砥石を交換することなく、荒研削から仕上げ研削まで同じ砥石で加工することが可能となり、砥石交換のセットアップ時間が短縮できる。
しかしながら、特許文献1に開示の研削砥石は、金型の曲面を研削するために用いられるものである。そのため、ボールネジの溝部の加工に用いることは困難である。また、重研削加工を行う場合など、研削砥石の先端部の摩耗が激しくなるような使用には向かないという問題点がある。
そこで、本発明は、重研削加工するために最も研削砥石の摩耗の大きい先端部分の摩耗を防止するため、異仕様の研削砥石を多層にして先端部分の長寿命化を実現した研削砥石を提供することを目的とする。また、ボールネジのボール溝旋削加工を複合的に研削加工し、加工工程を集合化(集約化)することで工程削減を図った研削砥石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の研削砥石は、
仕様の異なる複数の砥石層を多層に構成した研削砥石であって、第1の砥石層と、第1の砥石層の両側に隣接して設けた第2の砥石層と、第2の砥石層の両側に隣接して設けた第3の砥石層とを軸方向に配置した多層構造を有することを特徴としている。
また、本発明は、仕様の異なる複数の砥石層を多層に構成したボールネジのボール溝加工用の研削砥石であって、ボールネジのボール溝の底部を加工する第1の砥石層と、第1の砥石層の両側に隣接して設けられ、ボールネジのボール溝を加工する第2の砥石層と、第2の砥石層の両側に隣接して設けられ、ボールネジ外径部を研削する第3の砥石層とを軸方向に配置した多層構造を有することを特徴としている。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
従来、ボールネジ軸のボール溝形状の加工においては、5工程を必要としている。本発明によれば、この5工程を1工程に集約することができる。
すなわち、砥石を複合形状とすることで、工程の集合化(集約化)が可能となる。設備工数を減少させることが可能。例えば、現状で3種の装置を用いているのを一つの装置で済ませることができる。また、納期の短縮、省人化および省スペース化が実現できる。
以下、本発明の各実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図面中、同一部分は同一符号にて示してある。
本発明の実施例を説明する。図1は、実施例を示す研削砥石10の軸方向断面図である。研削砥石10は、全体がほぼ円盤状の形をしており、中央に貫通孔6を備えた軸部5が設けられている。貫通孔6には不図示の駆動軸が嵌合し、駆動軸の回転により研削砥石10が回転する。
研削砥石10は、図1から分かるように軸方向に多層構造となっている。軸方向のほぼ中央に、不図示のボールネジのボール溝の底部を研削するため、ほぼ円環状の第1の砥石層1が設けられている。第1の砥石層1の軸方向両側に隣接して、ほぼ円環状の第2の砥石層2が設けられている。
第2の砥石層の軸方向両側に隣接して、ほぼ円環状の第3の砥石層が設けられている。第2の砥石層2と第3の砥石層3との間には、ほぼ円環状の第4の砥石層4が隣接して設けられている。上記第1から第4の砥石層はすべて、軸部5に固定されており、軸部5と一体に回転する構成となっている。
第1の砥石層1は、ボールネジのボール溝底面の曲面形状部を研削するために好適な仕様として設定してある。第2の砥石層2は、ボール溝の曲面形状部を研削するために好適な仕様として設定してある。また、第3の砥石層3は、ボールネジの軸外径部を研削(旋削)するために好適な仕様として設定してある。
第4の砥石層4は、ボール溝のランド部を面取りするための砥石層であり、第3の砥石層3と同じ仕様または別仕様のいずれに設定してもよい。ボール溝に対向するその外周面は、図2において説明するように、第3の砥石層3の傾斜角と異なる角度を有する。
図2は、図1の研削砥石の外周部の詳細を示す軸方向拡大部分断面図である。第1の砥石層1の先端部24は、例えば、ボールネジのボール溝底面などの研削対象の曲面に対応する曲率を有する曲面にしてある。また、第1の砥石層1の軸方向の幅Wは、ボール溝底面の逃げ部に対応する幅となっている。
第2の研削層2の端面24はボール溝の曲面に対応する曲率を有する曲面にしてある。また、第3の砥石層3の端面は直線状であるが、研削砥石10の軸芯に対して角度αで傾斜している。これは、ボール溝の外径を研削するための設定角度である。更に、第4の砥石層4の端面も直線状であるが、研削砥石10の軸芯に対して角度βで傾斜している。これは、ボール溝の底部と外径との間のランド部を面取り(研削)するための設定角度である。実施例では、角度βが角度αより大きく設定されている。
各砥石層の仕様としては、もっとも摩耗が激しい部位である第1の砥石層1が最も硬く、その硬度は、例えば、第1の砥石層1>第2の砥石層2>第3の砥石層3に設定する。しかしながら、研削対象によりその他の組み合わせも可能である。例えば、最も条件の厳しい第1の砥石層1のみを硬度の高いものとし、第2−4の砥石層は一層構造としてもよい。尚、上述の実施の形態ではボールねじのボール溝を加工する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、ボール、ローラ等の転動体が転動する一対の転動溝に挟まれて逃げ溝を有する形状の溝の研削に使用される砥石にも適用可能であり、例えば、そのような溝を備えた転がり軸受や転がり案内軸受等の溝加工用のものにも適用できる。
本発明の研削砥石はボーネジの溝部だけでなく、その他の溝形状の研削にも適用することが可能である。
本発明の実施例を示す研削砥石の軸方向断面図である。 図1の研削砥石の外周部の詳細を示す軸方向拡大部分断面図である。
符号の説明
1 第1の砥石層
2 第2の砥石層
3 第3の砥石層
4 第4の砥石層
10 研削砥石

Claims (3)

  1. 仕様の異なる複数の砥石層を多層に構成した研削砥石であって、
    第1の砥石層と、第1の砥石層の両側に隣接して設けた第2の砥石層と、第2の砥石層の両側に隣接して設けた第3の砥石層とを軸方向に配置した多層構造を有することを特徴とする研削砥石。
  2. 仕様の異なる複数の砥石層を多層に構成したボールネジのボール溝加工用の研削砥石であって、
    ボールネジのボール溝の底部を加工する第1の砥石層と、第1の砥石層の両側に隣接して設けられ、ボールネジのボール溝を加工する第2の砥石層と、第2の砥石層の両側に隣接して設けられ、ボールネジ外径部を研削する第3の砥石層とを軸方向に配置した多層構造を有することを特徴とする研削砥石。
  3. 前記第2の砥石層と前記第3の砥石層との間に、第4の砥石層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の研削砥石。
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