JP2004010224A - エレベータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保ち、速度制御系の追従性を向上させ、エレベータをスムーズに着床させることができるエレベータの制御装置を得る。
【解決手段】エレベータが停止中か否かを判定し(ステップS1)、エレベータ停止中の場合には、重量検出装置により得られるかご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、モデルイナーシャとして設定し、当該モデルイナーシャを用いて、エレベータ走行中においてモデル速度指令値を演算することにより、エレベータの速度制御を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】エレベータが停止中か否かを判定し(ステップS1)、エレベータ停止中の場合には、重量検出装置により得られるかご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、モデルイナーシャとして設定し、当該モデルイナーシャを用いて、エレベータ走行中においてモデル速度指令値を演算することにより、エレベータの速度制御を行う。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータの制御装置に関し、特に、速度制御にモデル規範制御器を備えたエレベータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、速度制御にモデル規範制御器を用いた場合における従来の速度制御器である。図2において、21は比例ゲイン、22はモデルイナーシャ、23は積分器、24はPID制御器、25はアンバランス補償器、26,27は減算器、28,29は加算器である。
【0003】
図2の従来の速度制御器の動作について説明する。比例ゲイン21はモデル速度指令値の速度指令値に対する追従性を決定する変数であり、モデルイナーシャ22はエレベータ機械系を剛体とみなした場合におけるエレベータのイナーシャである。図2の従来の速度制御器の最終の出力であるトルク指令値は、モデル速度指令値と実速度の偏差をPID制御器24に入力した出力と、モデルトルク指令値とを、加算器28で加算し、その加算結果に、ロープ式エレベータの場合における乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量を補償するアンバランス補償器25の出力を、加算器29によって足しあわせたものである。モデル規範制御器は、速度指令値を入力とした時におけるエレベータのモデルの速度とトルクを、それぞれ、モデル速度指令値、モデルトルク指令値とし、これらの指令値に追従するようにエレベータの速度制御を行うことによって高精度な速度制御を行っている。
【0004】
従来のエレベータのモデル規範制御器では、上記モデルイナーシャを一定値とみなしたモデルを用いて速度制御を行うことが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記モデル規範制御で用いる制御対象のイナーシャの情報は、正確であるほど良い。エレベータの場合には、かご内負荷の変化により制御対象全体のイナーシャが変化するためモデルのイナーシャを一定値として扱うと、かご内負荷の影響によりモデルイナーシャが実際の制御系全体のイナーシャと比べて大きく異なる場合には、着床時にショックが発生したり、着床精度が悪くなったりするなどの問題点があった。
【0006】
また、エレベータの据付時や工場での出荷時等に試験的にモータを単体で回す場合には、実際のイナーシャがモデルイナーシャと比較して極めて小さいため、モデルトルク指令値が制御対象のイナーシャに対して過大になってしまう為、モータから異音が発生したり、挙動が振動的になったりすることがあるという問題点があった。
【0007】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保ち、速度制御系の追従性を向上させ、エレベータをスムーズに着床させることができるエレベータの制御装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エレベータを駆動するためのモータに対する速度指令を入力する速度指令入力手段と、前記モータに対して想定されるモデル速度指令値を、前記速度指令に追従するようにモデルイナーシャの逆数を用いて演算するとともに、前記モータに対して想定されるモデルトルク指令値を比例ゲインを用いて演算するモデル演算手段と、前記モータの回転速度である実速度を検出する速度検出手段と、前記モデル速度指令値と前記実速度との差に基づいて、誤差補償トルクを算出する誤差補償トルク算出手段と、前記モデルトルク指令値と前記誤差補償トルクとを加算することにより、予備トルク指令値を算出する予備トルク指令値算出手段と、かご内負荷の重量を検出する重量検出手段と、前記かご内負荷の重量が入力され、乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量に基づいて、アンバランス補償トルクを算出するアンバランス補償トルク算出手段と、前記予備トルク指令値に、前記アンバランス補償トルクを加算することにより、トルク指令値を算出するトルク指令値算出手段と、エレベータ停止中に、前記重量検出手段により得られる前記かご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、前記モデルイナーシャとして設定するモデルイナーシャ設定手段とを備え、エレベータ停止中に設定された前記モデルイナーシャの逆数を用いて、エレベータ走行中において前記モデル演算手段がモデル速度指令値を演算することにより、前記エレベータの速度制御を行うエレベータの制御装置である。
【0009】
また、前記モデルイナーシャの逆数は、前記重量検出手段の出力の1次関数から近似される。
【0010】
また、前記重量検出手段からの出力が得られない場合、あるいは、前記重量検出手段が無効化されている場合に、前記モデルイナーシャ設定手段は、エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャを、前記モデルイナーシャとして設定する。
【0011】
また、前記エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャは、エレベータの巻上機単体のイナーシャである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に本発明のエレベータの制御装置が適用される一般的なエレベータシステムの構成を示す。図1において、1は乗りかご、2は釣合錘、3はロープ、4は巻上機、5はエレベータを駆動させるためのモータ、6は巻上機4またはモータ5に取り付けられた速度検出器、7はかご内負荷の重量を検出する重量検出装置、8は速度制御器、9は電力変換器である。
【0013】
動作について説明する。乗りかご1と釣合錘2がロープ3を介して互いに接続されており、巻上機4にロープ3が懸架されている。このとき、巻上機4に接続されたモータ5を回転駆動することにより、ロープ3に動力が伝達され、エレベータが駆動される。速度制御器8は、外部から入力される速度指令値と、速度検出器6から得られる実速度の情報と、重量検出装置7から得られるかご積載重量の情報とから、トルク指令値を演算し電力変換器9に出力する。その結果、モータ5は、電力変換器9から供給される電力により駆動される。
【0014】
エレベータ走行中は、かご内負荷の変化は起こらないので、イナーシャ演算の処理はエレベータ停止中のみ行えば良い。図1の速度制御器8は、図3のフローチャートに従い、イナーシャ演算の処理とモデル規範制御演算の処理とを切り替える。エレベータ走行中には、図3のフローチャートに従って停止中に演算したモデルイナーシャの値を、図2中のモデルイナーシャ22に代入した上で、エレベータの速度制御をモデル規範制御演算にて行う。
【0015】
なお、図2は、図1の速度制御器8の内部構成に相当する。図2の動作について説明する。まず、外部より速度指令値が減算器26に入力され、モータ5に対して想定される後述するモデル速度指令値との差が求められる。当該差に基づいて、モデル速度指令値が速度指令値に追従するように、当該差に比例ゲイン21を乗算することにより、モデルトルク指令値を算出するとともに、モデルイナーシャ22の逆数をモデルトルク指令値に乗算した後に、積分器23によって積分することにより、モデル速度指令値が算出される。次に、こうして得られたモデル速度指令値と速度検出器6から得られるモータの回転速度である実速度との差に基づいて、PID制御器24により、誤差補償トルクを算出する。次に、PID制御器24から出力される誤差補償トルクと先に求めたモデルトルク指令値とを加算器28により加算して、予備トルク指令値を求める。次に、予め記憶されている釣合錘2の重量と、重量検出装置7により検出されるかご内負荷の重量を加えた乗りかごの重量とに基づいて、乗りかご1と釣合錘2とのアンバランス重量を補償するためのアンバランス補償トルクをアンバランス補償器25により算出する。アンバランス補償器25から出力されるアンバランス補償トルクを加算器28から出力される予備トルク指令値に加算器29により加算して、トルク指令値を算出する。こうして得られたトルク指令値が図1の速度制御器8の出力となる。
【0016】
次に、図3のフローチャートに示す処理の流れについて簡単に説明する。まず、ステップS1において、エレベータが停止中か否かの判定を行う。エレベータが停止中であると判定された場合には、ステップS2において、イナーシャの演算処理を行う。一方、エレベータが停止中でない(すなわち、走行中である)と判定された場合には、ステップS3において、モデル規制制御演算の処理を行う。
【0017】
次に、ステップS2におけるイナーシャ演算について説明する。まず、エレベータ停止中に以下の方法によりモデルイナーシャJを演算する。かご内50%負荷の場合におけるイナーシャをJBL、比例定数をk1、50%負荷からのアンバランス量をwUBLとすれば、モデルイナーシャJは式(1)により計算される。
【0018】
J=JBL+k1・wUBL…(1)
【0019】
ただし、JBLはかご内50%負荷の場合におけるエレベータ全体のイナーシャ、k1は式(2)によって得られる比例定数、wUBLは現在のかご内積載重量と50%負荷におけるかご内積載重量との差を表すアンバランス重量である。
【0020】
k1=(JFL−JNL)/wcap…(2)
【0021】
ただし、JNLはかご内無負荷時におけるエレベータ全体のイナーシャ、JFLはかご内100%負荷の場合におけるエレベータ全体のイナーシャ、wcapはかご内100%負荷におけるかご内積載重量(最大積載重量)である。
【0022】
実際にモデル規範制御器内の演算で用いるのは、式(1)で求めたJではなく、その逆数であるので、1/Jを求める演算を行った結果を図2のモデルイナーシャ22に相当する部分のソフトデータとして、メモリ(図示せず)に記憶しておく。式(1)で演算に用いるJBLとk1は常に一定であるので、あらかじめ求めておく。
【0023】
以上のように、本発明の実施の形態1のエレベータの制御装置によれば、エレベータ停止中に検出されたかご内負荷に応じて内部モデルのイナーシャを繰り返し計算することで、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保つことができる。そのため、速度制御系の追従が向上し、エレベータをスムーズに着床させることができる。
【0024】
実施の形態2.
実施の形態1は正確なイナーシャが得られる反面、1/Jを求める際に除算を行わなければならなかった。そこで、実施の形態2ではイナーシャ情報Jの逆数である双曲線関数(2次関数)を2本の連続な直線(1次関数)で近似することで、除算を使わずより高速にモデルイナーシャを演算することができる。式(3)にモデルイナーシャの逆数1/Jを、2本の連続な直線で近似した場合の計算式を示す。記号の意味は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
【0025】
1/J=1/JBL+k2・wUBL…(3)
【0026】
ただし、k2は式(4)によって得られる比例定数である。
【0027】
k2=b1(wUBL<0)
または …(4)
k2=b2(wUBL≧0)
【0028】
ここで、
b1=(1/JBL−1/JNL)・(2/wcap),
b2=(1/JFL−1/JBL)・(2/wcap)
【0029】
以上のように、本発明の実施の形態2のエレベータの制御装置によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本発明の実施の形態2では除算を行わない為、実施の形態1と比較して演算をより簡略化することができ、安価な処理装置を使用することが可能となる工業上の効果がある。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態2では、イナーシャ情報Jの逆数である双曲線関数を2本の直線で近似したが、さらに計算効率を上げるため、1本の直線(1次関数)で近似を行う。イナーシャ情報Jの逆数を式(5)に基づいて計算する。記号の意味は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する
【0031】
1/J=a+k3・wUBL…(5)
【0032】
ただし、a及びk3は式(6)の範囲から得られる比例定数である。
【0033】
1/JBL≦a≦1/2×(1/JNL+1/JFL),b1<k3<b2
…(6)
【0034】
以上のように、本発明の実施の形態3のエレベータの制御装置によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本発明の実施の形態3では除算を行わない為、実施の形態1と比較して演算をより簡略化することができ、安価な処理装置を使用することが可能となる工業上の効果がある。
【0035】
実施の形態4.
本実施の形態においては、かご内負荷の重量を検出する重量検出装置からの出力信号が得られない場合、もしくは重量検出装置が無効化されている場合について説明する。
【0036】
かご内負荷の重量を検出する重量検出装置7からの出力信号が得られない場合、もしくは、重量検出装置7が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報を設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて、速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算する。
【0037】
以上のように、本発明の実施の形態4のエレベータの制御装置によれば、モータ単体で回す場合など、制御対象全体のイナーシャが内部モデルのイナーシャと比較して極めて小さい場合、例えば、重量検出装置からの出力信号が得られない場合や重量検出装置が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報を設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0038】
実施の形態5.
本実施の形態においては、実施の形態4において、エレベータ停止中に設定するイナーシャ情報の具体的な例について説明する。
【0039】
実施の形態4に記載のエレベータの制御装置において、エレベータ停止中に設定するイナーシャ情報は、巻上機単体のイナーシャとする。
【0040】
これにより、本発明の実施の形態5のエレベータの制御装置によれば、モータ単体で回す場合など、制御対象全体のイナーシャが内部モデルのイナーシャと比較して極めて小さい場合、例えば重量検出装置からの出力信号が得られない場合や重量検出装置が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報として巻上機単体のイナーシャを設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0041】
【発明の効果】
この発明は、エレベータを駆動するためのモータに対する速度指令を入力する速度指令入力手段と、前記モータに対して想定されるモデル速度指令値を、前記速度指令に追従するようにモデルイナーシャの逆数を用いて演算するとともに、前記モータに対して想定されるモデルトルク指令値を比例ゲインを用いて演算するモデル演算手段と、前記モータの回転速度である実速度を検出する速度検出手段と、前記モデル速度指令値と前記実速度との差に基づいて、誤差補償トルクを算出する誤差補償トルク算出手段と、前記モデルトルク指令値と前記誤差補償トルクとを加算することにより、予備トルク指令値を算出する予備トルク指令値算出手段と、かご内負荷の重量を検出する重量検出手段と、前記かご内負荷の重量が入力され、乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量に基づいて、アンバランス補償トルクを算出するアンバランス補償トルク算出手段と、前記予備トルク指令値に、前記アンバランス補償トルクを加算することにより、トルク指令値を算出するトルク指令値算出手段と、エレベータ停止中に、前記重量検出手段により得られる前記かご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、前記モデルイナーシャとして設定するモデルイナーシャ設定手段とを備え、エレベータ停止中に設定された前記モデルイナーシャの逆数を用いて、エレベータ走行中において前記モデル演算手段がモデル速度指令値を演算することにより、前記エレベータの速度制御を行うエレベータの制御装置であるので、エレベータ停止中に検出されたかご内負荷に応じて内部モデルのイナーシャを計算することで、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保つことができ、それにより、速度制御系の追従が向上し、エレベータをスムーズに着床させることができる。
【0042】
また、前記モデルイナーシャの逆数は、前記重量検出手段の出力の1次関数から近似されるので、除算を行わない為、演算を簡略化することができ、安価に製造することができる。
【0043】
また、前記重量検出手段からの出力が得られない場合、あるいは、前記重量検出手段が無効化されている場合に、前記モデルイナーシャ設定手段は、エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャを、前記モデルイナーシャとして設定するので、設定したモデルイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0044】
また、前記エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャは、エレベータの巻上機単体のイナーシャであるので、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの制御装置が適用される一般的なエレベータシステムの構成を示した構成図である。
【図2】本発明および従来のモデル規制制御器(速度制御器)の構成を示した構成図である。
【図3】本発明のエレベータの制御装置の動作を示した流れ図である。
【符号の説明】
1 乗りかご、2 釣合錘、3 ロープ、4 巻上機、5 モータ、6 速度検出器、7 重量検出装置、8 モデル規範制御器、9 電力変換器、21 比例ゲイン、22 モデルイナーシャ、23 積分器、24 PID制御器、25アンバランス補償器。
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータの制御装置に関し、特に、速度制御にモデル規範制御器を備えたエレベータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、速度制御にモデル規範制御器を用いた場合における従来の速度制御器である。図2において、21は比例ゲイン、22はモデルイナーシャ、23は積分器、24はPID制御器、25はアンバランス補償器、26,27は減算器、28,29は加算器である。
【0003】
図2の従来の速度制御器の動作について説明する。比例ゲイン21はモデル速度指令値の速度指令値に対する追従性を決定する変数であり、モデルイナーシャ22はエレベータ機械系を剛体とみなした場合におけるエレベータのイナーシャである。図2の従来の速度制御器の最終の出力であるトルク指令値は、モデル速度指令値と実速度の偏差をPID制御器24に入力した出力と、モデルトルク指令値とを、加算器28で加算し、その加算結果に、ロープ式エレベータの場合における乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量を補償するアンバランス補償器25の出力を、加算器29によって足しあわせたものである。モデル規範制御器は、速度指令値を入力とした時におけるエレベータのモデルの速度とトルクを、それぞれ、モデル速度指令値、モデルトルク指令値とし、これらの指令値に追従するようにエレベータの速度制御を行うことによって高精度な速度制御を行っている。
【0004】
従来のエレベータのモデル規範制御器では、上記モデルイナーシャを一定値とみなしたモデルを用いて速度制御を行うことが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記モデル規範制御で用いる制御対象のイナーシャの情報は、正確であるほど良い。エレベータの場合には、かご内負荷の変化により制御対象全体のイナーシャが変化するためモデルのイナーシャを一定値として扱うと、かご内負荷の影響によりモデルイナーシャが実際の制御系全体のイナーシャと比べて大きく異なる場合には、着床時にショックが発生したり、着床精度が悪くなったりするなどの問題点があった。
【0006】
また、エレベータの据付時や工場での出荷時等に試験的にモータを単体で回す場合には、実際のイナーシャがモデルイナーシャと比較して極めて小さいため、モデルトルク指令値が制御対象のイナーシャに対して過大になってしまう為、モータから異音が発生したり、挙動が振動的になったりすることがあるという問題点があった。
【0007】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保ち、速度制御系の追従性を向上させ、エレベータをスムーズに着床させることができるエレベータの制御装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エレベータを駆動するためのモータに対する速度指令を入力する速度指令入力手段と、前記モータに対して想定されるモデル速度指令値を、前記速度指令に追従するようにモデルイナーシャの逆数を用いて演算するとともに、前記モータに対して想定されるモデルトルク指令値を比例ゲインを用いて演算するモデル演算手段と、前記モータの回転速度である実速度を検出する速度検出手段と、前記モデル速度指令値と前記実速度との差に基づいて、誤差補償トルクを算出する誤差補償トルク算出手段と、前記モデルトルク指令値と前記誤差補償トルクとを加算することにより、予備トルク指令値を算出する予備トルク指令値算出手段と、かご内負荷の重量を検出する重量検出手段と、前記かご内負荷の重量が入力され、乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量に基づいて、アンバランス補償トルクを算出するアンバランス補償トルク算出手段と、前記予備トルク指令値に、前記アンバランス補償トルクを加算することにより、トルク指令値を算出するトルク指令値算出手段と、エレベータ停止中に、前記重量検出手段により得られる前記かご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、前記モデルイナーシャとして設定するモデルイナーシャ設定手段とを備え、エレベータ停止中に設定された前記モデルイナーシャの逆数を用いて、エレベータ走行中において前記モデル演算手段がモデル速度指令値を演算することにより、前記エレベータの速度制御を行うエレベータの制御装置である。
【0009】
また、前記モデルイナーシャの逆数は、前記重量検出手段の出力の1次関数から近似される。
【0010】
また、前記重量検出手段からの出力が得られない場合、あるいは、前記重量検出手段が無効化されている場合に、前記モデルイナーシャ設定手段は、エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャを、前記モデルイナーシャとして設定する。
【0011】
また、前記エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャは、エレベータの巻上機単体のイナーシャである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に本発明のエレベータの制御装置が適用される一般的なエレベータシステムの構成を示す。図1において、1は乗りかご、2は釣合錘、3はロープ、4は巻上機、5はエレベータを駆動させるためのモータ、6は巻上機4またはモータ5に取り付けられた速度検出器、7はかご内負荷の重量を検出する重量検出装置、8は速度制御器、9は電力変換器である。
【0013】
動作について説明する。乗りかご1と釣合錘2がロープ3を介して互いに接続されており、巻上機4にロープ3が懸架されている。このとき、巻上機4に接続されたモータ5を回転駆動することにより、ロープ3に動力が伝達され、エレベータが駆動される。速度制御器8は、外部から入力される速度指令値と、速度検出器6から得られる実速度の情報と、重量検出装置7から得られるかご積載重量の情報とから、トルク指令値を演算し電力変換器9に出力する。その結果、モータ5は、電力変換器9から供給される電力により駆動される。
【0014】
エレベータ走行中は、かご内負荷の変化は起こらないので、イナーシャ演算の処理はエレベータ停止中のみ行えば良い。図1の速度制御器8は、図3のフローチャートに従い、イナーシャ演算の処理とモデル規範制御演算の処理とを切り替える。エレベータ走行中には、図3のフローチャートに従って停止中に演算したモデルイナーシャの値を、図2中のモデルイナーシャ22に代入した上で、エレベータの速度制御をモデル規範制御演算にて行う。
【0015】
なお、図2は、図1の速度制御器8の内部構成に相当する。図2の動作について説明する。まず、外部より速度指令値が減算器26に入力され、モータ5に対して想定される後述するモデル速度指令値との差が求められる。当該差に基づいて、モデル速度指令値が速度指令値に追従するように、当該差に比例ゲイン21を乗算することにより、モデルトルク指令値を算出するとともに、モデルイナーシャ22の逆数をモデルトルク指令値に乗算した後に、積分器23によって積分することにより、モデル速度指令値が算出される。次に、こうして得られたモデル速度指令値と速度検出器6から得られるモータの回転速度である実速度との差に基づいて、PID制御器24により、誤差補償トルクを算出する。次に、PID制御器24から出力される誤差補償トルクと先に求めたモデルトルク指令値とを加算器28により加算して、予備トルク指令値を求める。次に、予め記憶されている釣合錘2の重量と、重量検出装置7により検出されるかご内負荷の重量を加えた乗りかごの重量とに基づいて、乗りかご1と釣合錘2とのアンバランス重量を補償するためのアンバランス補償トルクをアンバランス補償器25により算出する。アンバランス補償器25から出力されるアンバランス補償トルクを加算器28から出力される予備トルク指令値に加算器29により加算して、トルク指令値を算出する。こうして得られたトルク指令値が図1の速度制御器8の出力となる。
【0016】
次に、図3のフローチャートに示す処理の流れについて簡単に説明する。まず、ステップS1において、エレベータが停止中か否かの判定を行う。エレベータが停止中であると判定された場合には、ステップS2において、イナーシャの演算処理を行う。一方、エレベータが停止中でない(すなわち、走行中である)と判定された場合には、ステップS3において、モデル規制制御演算の処理を行う。
【0017】
次に、ステップS2におけるイナーシャ演算について説明する。まず、エレベータ停止中に以下の方法によりモデルイナーシャJを演算する。かご内50%負荷の場合におけるイナーシャをJBL、比例定数をk1、50%負荷からのアンバランス量をwUBLとすれば、モデルイナーシャJは式(1)により計算される。
【0018】
J=JBL+k1・wUBL…(1)
【0019】
ただし、JBLはかご内50%負荷の場合におけるエレベータ全体のイナーシャ、k1は式(2)によって得られる比例定数、wUBLは現在のかご内積載重量と50%負荷におけるかご内積載重量との差を表すアンバランス重量である。
【0020】
k1=(JFL−JNL)/wcap…(2)
【0021】
ただし、JNLはかご内無負荷時におけるエレベータ全体のイナーシャ、JFLはかご内100%負荷の場合におけるエレベータ全体のイナーシャ、wcapはかご内100%負荷におけるかご内積載重量(最大積載重量)である。
【0022】
実際にモデル規範制御器内の演算で用いるのは、式(1)で求めたJではなく、その逆数であるので、1/Jを求める演算を行った結果を図2のモデルイナーシャ22に相当する部分のソフトデータとして、メモリ(図示せず)に記憶しておく。式(1)で演算に用いるJBLとk1は常に一定であるので、あらかじめ求めておく。
【0023】
以上のように、本発明の実施の形態1のエレベータの制御装置によれば、エレベータ停止中に検出されたかご内負荷に応じて内部モデルのイナーシャを繰り返し計算することで、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保つことができる。そのため、速度制御系の追従が向上し、エレベータをスムーズに着床させることができる。
【0024】
実施の形態2.
実施の形態1は正確なイナーシャが得られる反面、1/Jを求める際に除算を行わなければならなかった。そこで、実施の形態2ではイナーシャ情報Jの逆数である双曲線関数(2次関数)を2本の連続な直線(1次関数)で近似することで、除算を使わずより高速にモデルイナーシャを演算することができる。式(3)にモデルイナーシャの逆数1/Jを、2本の連続な直線で近似した場合の計算式を示す。記号の意味は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
【0025】
1/J=1/JBL+k2・wUBL…(3)
【0026】
ただし、k2は式(4)によって得られる比例定数である。
【0027】
k2=b1(wUBL<0)
または …(4)
k2=b2(wUBL≧0)
【0028】
ここで、
b1=(1/JBL−1/JNL)・(2/wcap),
b2=(1/JFL−1/JBL)・(2/wcap)
【0029】
以上のように、本発明の実施の形態2のエレベータの制御装置によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本発明の実施の形態2では除算を行わない為、実施の形態1と比較して演算をより簡略化することができ、安価な処理装置を使用することが可能となる工業上の効果がある。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態2では、イナーシャ情報Jの逆数である双曲線関数を2本の直線で近似したが、さらに計算効率を上げるため、1本の直線(1次関数)で近似を行う。イナーシャ情報Jの逆数を式(5)に基づいて計算する。記号の意味は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する
【0031】
1/J=a+k3・wUBL…(5)
【0032】
ただし、a及びk3は式(6)の範囲から得られる比例定数である。
【0033】
1/JBL≦a≦1/2×(1/JNL+1/JFL),b1<k3<b2
…(6)
【0034】
以上のように、本発明の実施の形態3のエレベータの制御装置によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本発明の実施の形態3では除算を行わない為、実施の形態1と比較して演算をより簡略化することができ、安価な処理装置を使用することが可能となる工業上の効果がある。
【0035】
実施の形態4.
本実施の形態においては、かご内負荷の重量を検出する重量検出装置からの出力信号が得られない場合、もしくは重量検出装置が無効化されている場合について説明する。
【0036】
かご内負荷の重量を検出する重量検出装置7からの出力信号が得られない場合、もしくは、重量検出装置7が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報を設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて、速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算する。
【0037】
以上のように、本発明の実施の形態4のエレベータの制御装置によれば、モータ単体で回す場合など、制御対象全体のイナーシャが内部モデルのイナーシャと比較して極めて小さい場合、例えば、重量検出装置からの出力信号が得られない場合や重量検出装置が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報を設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0038】
実施の形態5.
本実施の形態においては、実施の形態4において、エレベータ停止中に設定するイナーシャ情報の具体的な例について説明する。
【0039】
実施の形態4に記載のエレベータの制御装置において、エレベータ停止中に設定するイナーシャ情報は、巻上機単体のイナーシャとする。
【0040】
これにより、本発明の実施の形態5のエレベータの制御装置によれば、モータ単体で回す場合など、制御対象全体のイナーシャが内部モデルのイナーシャと比較して極めて小さい場合、例えば重量検出装置からの出力信号が得られない場合や重量検出装置が無効化されている場合には、エレベータ停止中にエレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャ情報として巻上機単体のイナーシャを設定し、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0041】
【発明の効果】
この発明は、エレベータを駆動するためのモータに対する速度指令を入力する速度指令入力手段と、前記モータに対して想定されるモデル速度指令値を、前記速度指令に追従するようにモデルイナーシャの逆数を用いて演算するとともに、前記モータに対して想定されるモデルトルク指令値を比例ゲインを用いて演算するモデル演算手段と、前記モータの回転速度である実速度を検出する速度検出手段と、前記モデル速度指令値と前記実速度との差に基づいて、誤差補償トルクを算出する誤差補償トルク算出手段と、前記モデルトルク指令値と前記誤差補償トルクとを加算することにより、予備トルク指令値を算出する予備トルク指令値算出手段と、かご内負荷の重量を検出する重量検出手段と、前記かご内負荷の重量が入力され、乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量に基づいて、アンバランス補償トルクを算出するアンバランス補償トルク算出手段と、前記予備トルク指令値に、前記アンバランス補償トルクを加算することにより、トルク指令値を算出するトルク指令値算出手段と、エレベータ停止中に、前記重量検出手段により得られる前記かご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、前記モデルイナーシャとして設定するモデルイナーシャ設定手段とを備え、エレベータ停止中に設定された前記モデルイナーシャの逆数を用いて、エレベータ走行中において前記モデル演算手段がモデル速度指令値を演算することにより、前記エレベータの速度制御を行うエレベータの制御装置であるので、エレベータ停止中に検出されたかご内負荷に応じて内部モデルのイナーシャを計算することで、かご内負荷が変化しても内部モデルと制御系全体のイナーシャの差を小さく保つことができ、それにより、速度制御系の追従が向上し、エレベータをスムーズに着床させることができる。
【0042】
また、前記モデルイナーシャの逆数は、前記重量検出手段の出力の1次関数から近似されるので、除算を行わない為、演算を簡略化することができ、安価に製造することができる。
【0043】
また、前記重量検出手段からの出力が得られない場合、あるいは、前記重量検出手段が無効化されている場合に、前記モデルイナーシャ設定手段は、エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャを、前記モデルイナーシャとして設定するので、設定したモデルイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【0044】
また、前記エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャは、エレベータの巻上機単体のイナーシャであるので、設定したイナーシャ情報に基づいて速度指令値から理想トルク指令値と理想速度指令値を演算することで、理想トルク指令値が過大になることを防ぎ、モータをスムーズに回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの制御装置が適用される一般的なエレベータシステムの構成を示した構成図である。
【図2】本発明および従来のモデル規制制御器(速度制御器)の構成を示した構成図である。
【図3】本発明のエレベータの制御装置の動作を示した流れ図である。
【符号の説明】
1 乗りかご、2 釣合錘、3 ロープ、4 巻上機、5 モータ、6 速度検出器、7 重量検出装置、8 モデル規範制御器、9 電力変換器、21 比例ゲイン、22 モデルイナーシャ、23 積分器、24 PID制御器、25アンバランス補償器。
Claims (4)
- エレベータを駆動するためのモータに対する速度指令を入力する速度指令入力手段と、
前記モータに対して想定されるモデル速度指令値を、前記速度指令に追従するようにモデルイナーシャの逆数を用いて演算するとともに、前記モータに対して想定されるモデルトルク指令値を比例ゲインを用いて演算するモデル演算手段と、
前記モータの回転速度である実速度を検出する速度検出手段と、
前記モデル速度指令値と前記実速度との差に基づいて、誤差補償トルクを算出する誤差補償トルク算出手段と、
前記モデルトルク指令値と前記誤差補償トルクとを加算することにより、予備トルク指令値を算出する予備トルク指令値算出手段と、
かご内負荷の重量を検出する重量検出手段と、
前記かご内負荷の重量が入力され、乗りかごと釣合錘とのアンバランス重量に基づいて、アンバランス補償トルクを算出するアンバランス補償トルク算出手段と、
前記予備トルク指令値に、前記アンバランス補償トルクを加算することにより、トルク指令値を算出するトルク指令値算出手段と、
エレベータ停止中に、前記重量検出手段により得られる前記かご内負荷の重量に基づいて、エレベータ全体のイナーシャを演算して、前記モデルイナーシャとして設定するモデルイナーシャ設定手段と
を備え、
エレベータ停止中に設定された前記モデルイナーシャの逆数を用いて、エレベータ走行中において前記モデル演算手段がモデル速度指令値を演算することにより、前記エレベータの速度制御を行う
ことを特徴とするエレベータの制御装置。 - 前記モデルイナーシャの逆数は、前記重量検出手段の出力の1次関数から近似される
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。 - 前記重量検出手段からの出力が得られない場合、あるいは、前記重量検出手段が無効化されている場合に、前記モデルイナーシャ設定手段は、エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャを、前記モデルイナーシャとして設定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの制御装置。 - 前記エレベータ全体のイナーシャより小さいイナーシャは、エレベータの巻上機単体のイナーシャである
ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの制御装置。
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