JPH1131015A - 減速機構付きサーボ制御系の制振方法 - Google Patents

減速機構付きサーボ制御系の制振方法

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JPH1131015A
JPH1131015A JP18847897A JP18847897A JPH1131015A JP H1131015 A JPH1131015 A JP H1131015A JP 18847897 A JP18847897 A JP 18847897A JP 18847897 A JP18847897 A JP 18847897A JP H1131015 A JPH1131015 A JP H1131015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡単で実現が容易なモデルを基にして
制振制御を行える減速機構付きサーボ制御系の制振方法
を提供する。 【解決手段】 オブザーバ7により予め定めた制御モデ
ルに基づいてモータ軸の回転速度に換算した負荷の推定
負荷回転速度ωlmを推定する。そして、モータ回転速度
ωm と推定負荷回転速度ωlmとの偏差(ωlm−ωm )を
求める。この偏差に残留振動を抑制するのに適したゲイ
ンKを乗じて補正値K(ωlm−ωm )を求める。補
正値K(ωlm−ωm )を速度指令量ωcmd に加算して
得た補正速度指令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]を
電気制御部4に与える速度指令量ω´cmd とすることに
より残留振動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被駆動機械部に歯
車減速機やタイミングベルト,チェーン等の減速機構を
備えたサーボ制御系において、モータの起動及び停止時
等に負荷で発生する固有振動数と関わる低周波数域の残
留振動を抑制する減速機構付きサーボ制御系の制振方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、本発明の方法により振動を抑制
する減速機構付きサーボ制御系の一例であるドラム駆動
系の概略図である。この図において、101はサーボモ
ータでり、102はサーボモータ101のロータの回転
を検出するロータリエンコーダであり、103はサーボ
モータの出力軸に取付けられた歯車減速機である。歯車
減速機103の出力軸にはプーリ104が固定されてお
り、このプーリ104にはタイミングベルト105が掛
けられている。また106はコピー機等で用いられる回
転ドラムであり、このドラム106の外周にもタイミン
グベルト105が掛けられている。ロータリエンコーダ
102により検出した速度は、制御装置107に入力さ
れる。制御装置107はロータリエンコーダ102から
出力されたロータ速度ωm をフィードバックしてサーボ
モータの駆動装置に与える速度指令信号ωcmd とロータ
速度ωm との偏差が0となるように、モータロータを回
転させる。
【0003】このようなサーボ制御系で、特に制振制御
を行わない場合に残留振動が発生する様子について説明
する。まず図6(A)は、サーボモータ101を駆動す
るための速度指令信号ωcmd である。時間0(起動時)
においてサーボモータ101を1000 min-1で回転さ
せるように速度指令信号ωcmd が立上がり、0.2秒後
にサーボモータ101を停止させるべく速度指令信号ω
cmd が0になる(停止時)。このときエンコーダ102
で検出される検出速度ωm は、図6(B)に示す通りで
あり、また歯車減速機103の出力軸の回転速度(最大
20 min-1は図6(C)に示す通りである。負荷の速度
は図6(D)に示す通りであり、図6(D)に見られる
振動は、起動時及び停止時に負荷に発生する過渡振動即
ち残留振動である。図6(D)に示されるような残留振
動が存在している間は、実際に負荷でコピー等の動作が
できず、残留振動がなくなった後に動作に入ることにな
る。
【0004】このような残留振動を抑制する技術は、種
々提案されている。例えば一般的には、機械系の固有振
動数と関わって負荷で発生する残留振動を抑制する方法
として、エンドエフェクタ(負荷)に速度や加速度を機
械的に検出する検出器を設け、この検出器で検出した状
態量をフィードバックして振動を抑制するようにフルク
ローズドループ制御する方法である。このような検出器
を用いて負荷の速度や加速度を検出して残留振動を抑制
する方法を実現するためには、制御装置の構成が複雑と
なり、実現のためのコストが高くなる問題がある。
【0005】そこで最近、実際に負荷の速度や加速度を
検出する機械的な検出器を用いずに、検出可能なモータ
の操作量とモータ制御系内の状態量とを入力とし、負荷
の速度や加速度を推定するオブザーバ即ち推定手段を用
いて、推定した負荷の速度や加速度をフィードバックす
ることにより残留振動を抑制する方法が提案された。例
えば特開平8−278820号公報に示された方法で
は、負荷の速度をオブザーバで推定し、特開平8−27
8821号公報に示された方法では、負荷の加速度をオ
ブザーバで推定して、残留振動を抑制する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のオブザーバを用
いる方法では、負荷系の精密なモデル式を必要としてい
る。しかしながら、このような精密なモデル式を実現す
ることは容易ではない。例えば、特開平8−27882
0号公報に示された技術では、この公報の第3頁に記載
された式(3)及び(4)中の回転角加速度θa ”の算
出過程が不明なために、精密なモデル式を実現すること
が不可能な状態になっている。言い換えれば、この公報
には実施不可能な技術が開示されている。実施不可能で
あるが、この公報に示された技術では、オブザーバ回路
において、モータのトルク指令Tと検出速度θm´とが
オブザーバ回路を構成する演算回路に入力され、これら
の入力と定数とにより角速度を推定している。これに対
して特開平8−278821号公報に示された技術で
は、速度検出器で検出した検出速度θm´と位置検出器
で検出した位置θmと、速度指令信号とを入力として、
オブザーバ回路で加速度を推定している。この公報で
は、回転角加速度θa ”の算出過程が明確に示されてい
るため、精密なモデル式を実現することは困難である
が、フィードバックループに微分器またはノイズの発生
処理のためのローパスフィルタ付きの微分器を用いる必
要があり、この方法を実現するための構成が複雑にな
る。
【0007】本発明の目的は、負荷の性能を決定する主
な要因が、機械系の第1次の振動モードと関わる残留振
動であることを考慮して、構成が簡単で実現が容易なモ
デルを基にして制振制御を行える減速機構付きサーボ制
御系の制振方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータを含む
駆動部によって駆動される被駆動機械部に減速機構を有
するサーボ制御系において負荷で発生する機械系の固有
振動数と関わる低周波数域の残留振動を抑制する減速機
構付きサーボ制御系の制振方法を改良の対象とする。本
発明では、まず負荷の回転速度をモータ軸の回転速度に
換算して推定する関係を予め設定しておく。具体的に
は、負荷の回転速度を直接推定したとすれば、この推定
した負荷の回転速度に減速機構の減速比(出力軸回転数
/入力軸回転数)の逆数を乗じて得られる速度が、モー
タ軸の回転速度に換算した負荷の回転速度となる。但
し、負荷の回転速度を直接推定せずに、モータ軸の回転
速度に換算した負荷の回転速度を求めてもよい。そして
推定した負荷の回転速度とモータの回転速度との偏差を
残留振動を抑制するように速度指令値に加算する。この
ようにすると負荷の速度を実際に検出することなく推定
した負荷の回転速度を用いて残留振動成分を求めること
ができて、実際の残留振動を簡単に抑制できる。
【0009】より具体的には、本発明の減速機構付きサ
ーボ制御系の制振方法は、減速機構を介して負荷を駆動
するモータと、モータの回転速度ωm を検出する速度検
出器を含んでモータ回転速度を帰還量とするフィードバ
ックループと、速度指令量ωcmd と前記帰還量との偏差
を入力としてモータに操作量を与える電気制御部とを有
する減速機構付きサーボ制御系において発生する残留振
動を、予め定めた制御モデルに基づいて推定したモータ
軸換算の(モータ軸の回転速度に換算した)負荷の推定
負荷回転速度ωlmを用いて抑制する。まずモータ回転速
度ωm と推定負荷回転速度ωlmとの偏差(ωlm−ωm
を求める。この偏差は、推定による残留振動成分を含
む。そしてこの偏差に残留振動を抑制するのに適したゲ
インKを乗じて補正値K(ωlm−ωm )を求める。
ゲインKは、補正値K(ωlm−ωm )を実際に発生
する残留振動を打ち消すことができる値にするように定
められる。ちなみモータの一定回転速度が1000min
-1で負荷の一定回転速度が20min -1の場合に、このゲ
インKはシミュレーション値でほぼ0.75と選択さ
れる。
【0010】そして本発明では、この補正値K(ωlm
−ωm )を速度指令量ωcmd に加算して得た補正速度指
令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]を速度指令量ω´
cmdとすることにより残留振動を抑制する。
【0011】負荷回転速度を推定する場合に用いる制御
モデルは、補正速度指令量[ωcmd+K(ωlm
ωm )]から推定負荷回転速度ωlmを推定するようにモ
デル化されたモデル電気制御部と、モータ,減速機構及
び負荷を含むモデル化されたモデル機械部とから構成さ
れる。そしてモデル電気制御部はその固有振動数ωe
減衰比ζe とを用いて予めモデル化されており、またモ
デル機械部はその固有振動数ωn と減衰比γn と慣性モ
ーメント比Rn とを用いて予めモデル化されているのも
のを用いる。このような制御モデルを用いると、複雑な
構成の制御モデルを用いることなく簡単な制御モデルを
用いて等価的に機械系に減衰効果を持たせることができ
る。
【0012】制御モデルのモデル電気制御部及びモデル
機械部の構成は任意であるが、例えばモデル電気制御部
は、補正速度指令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]が
入力される第1の加え合わせ点と第2の加え合わせ点と
の間に2ζe ・ωe +ωe 2(1/s)の伝達関数を有
する第1の伝達要素を有し、第2の伝達要素と第3の加
え合わせ点との間に設けられた第1の引き出し点から第
1の加え合わせ点に第1のフィードバックループが形成
された構成にすることができる。このようなモデル電気
制御部を用いる場合、モデル機械部は第2の加え合わせ
点と第3の加え合わせ点との間に1/sの伝達関数を有
する第2の伝達要素を有し、第3の加え合わせ点と第4
の加え合わせ点との間に[Rn /(1+Rn )]・ωn
2 ・(1/s)の伝達関数を有する第3の伝達要素と
[Rn /(1+Rn )]・2γn ・ωn の伝達関数を有
する第4の伝達要素の並列結合を有し、第4の加え合わ
せ点と出力点との間に1/(Rn ・s)の伝達関数を有
する第5の伝達要素を有し、第4の加え合わせ点と第5
の伝達要素との間に設けられた第2の引き出し点から第
2の加え合わせ点に第2のフィードバックループが形成
された構成にすることができる。このような構成の電気
制御部と機械部とを備えた制御モデルを用いると、図面
情報(ここで図面情報とは設計図面や設計仕様書に記載
された各種の情報と定義される。)から求めた電気制御
部及び機械部の定数を用いて簡単に制御モデルを構成で
きるだけでなく、実際に運転を行って得られる実運転デ
ータから求めた電気制御部及び機械部の定数を用いて簡
単に制御モデルを構成できる。
【0013】モデル電気制御部の固有振動数ωe
[(Kvm・Ktm)/(Tim・Jmm)]1/ 2 と表し、減衰
比ζe を(1/2)[(Tim・Kvm・Ktm)/Jmm
1/2 と表す。但しKvmはPI制御の速度ループゲインで
あり、TimはPI制御の積分時定数であり、Ktmはトル
ク定数であり、Jmmはモータ軸に換算したモータ側の慣
性モーメントであるとする。また、モデル機械部の固有
振動数ωn を{Ksm[(1/Jmm)+(1/Jlm)]}
1/2 と表し、減衰比γn を{Csm[(1/Jmm)+(1
/Jlm)]}/2ωn と表す。但しKsmはモータ軸換算
のねじりばね剛性であり、Jlmはモータ軸換算の負荷側
の慣性モーメントであり、Csmはモータ軸換算の減衰定
数である。その上でKvm,Klm,Tim,Jmm,Ksm,J
lm,Csmを図面情報より求めれば、簡単に制御モデルを
構成することができる。
【0014】またKvm,Ktm,Timを図面情報より求
め、慣性モーメント比Rn =Jlm/Jmmと定義して、J
lm=Rn ・Jmm、Ksm=ωn 2 ・[(Rn ・Jmm)/
(1+Rn )]、Csm=[(2Rn ・Jmm)/(1+R
n )]・γn ・ωn と表せば、Rn ,Jmm,ωn ,γn
を実運転データから求めるだけで、簡単に制御モデルを
構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、図5に示すような歯車減
速機構を有する機械系に本発明を適用した実施の形態の
一例のブロック線図である。なおタイミングベルトやチ
ェーン等の減速機構を有する機械系についても、図1と
同様にブロック線図により系全体を表すことができる。
図1において、1が負荷であり、2が減速機であり、3
はサーボモータであり、4はモータ3に操作量を与える
制御部である。電気制御部4は一般的にPI制御部と電
流制御部とから構成される。5はモータの角速度即ちモ
ータ回転速度ωm を検出する速度検出器であり、速度検
出器5から出力されたモータ回転速度ωm に増幅器6で
所定のゲインが乗じられて帰還量が得れる。この帰還量
は後に説明する補正後の速度指令量即ち補正速度指令量
ω´cmd から減算され、その偏差が電気制御部4に入力
されて、負荷は残留振動が制御された回転をする。本発
明では、補正速度指令量ω´cmd を入力として負荷1の
回転速度をモータ軸の回転速度に換算した推定負荷回転
速度ωlmを推定するオブザーバ7を用いる。このオブザ
ーバ7を構成するモデル機械部7Bの各定数(図3中の
mm,Ksm,Csm,Jlm及び図2中のRn )は、減速機
構の減速比を考慮して、モータ軸に換算した値[Jmm
m +(Jg /Rg 2 )、Ksm=Ks /Rg 2 、Jlm
l /Rg 2 、Csm=Cs /Rg 2 、Rn =Jlm
mm;但しRg は減速比の逆数]を用いるため、推定負
荷回転速度ωlmは、モータ軸の回転速度に換算した値と
して推定される。
【0016】速度検出器5で検出したモータ回転速度ω
m とオブザーバ7で推定した推定負荷回転速度ωlmとの
偏差(ωlm−ωm )が加え合わせ点8で演算されて、そ
の偏差に増幅器9で残留振動を抑制するのに適したゲイ
ンKが乗じられて補正値K(ωlm−ωm )が決定さ
れる。ゲインKは、補正値K(ωlm−ωm )を実際
に発生する残留振動を打ち消すことができる値にするよ
うに定められる。この補正値K(ωlm−ωm )が、加
え合わせ点10で速度指令量ωcmd に加算されて、補正
速度指令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]が得られ
る。この補正速度指令量[ωcmd +K(ωlm
ωm )]に加え合わせ点11で帰還量が減算され速度指
令量ω´cmd となる。
【0017】オブザーバ7は、補正速度指令量に基づい
て負荷の回転速度を推定する関係を予め設定した制御モ
デルに基づいてモータ軸の回転速度に換算した負荷の回
転速度(推定負荷回転速度ωlm)を推定する。負荷回転
速度を推定する場合に用いる制御モデルは、補正速度指
令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]から推定負荷回転
速度ωlmを推定するように、電気制御部4をモデル化し
たモデル電気制御部7A及びモータ3と減速機(減速機
構)2及び負荷1を含むモデル化されたモデル機械部7
Bとから構成される。即ち実際に負荷1の回転速度を検
出せずにモータ軸の回転速度に換算した負荷1の回転速
度を推定するために、オブザーバ7の内部の制御モデル
では、サーボ制御系を構成する要素1〜6をモデル化し
ている。この制御モデルでは、推定する負荷の回転速度
中に残留振動成分を含んでいる。
【0018】オブザーバ7で用いる制御モデルは、サー
ボ制御系の構成によって異なってくる。図5に示すよう
な歯車減速機構を有する機械系は、多自由度のねじり振
動系とみなすことができる。歯車減速機構を有する機械
系に対して本発明を適用する場合のより詳しい実施例の
ブロック線図を図2に示す。なお図2において、図1に
示した各要素1〜11に相当する部分には、図1に付し
た符号と同じ符号を付してある。ここでは簡単のために
歯車段を有する3慣性体からなるサーポ制御系100を
考えている。このような歯車段を有する機械系では、歯
車接続段のねじり剛性が被駆動部としての負荷の軸やカ
ップリングと比べて高い場合と、被駆動部が剛体とみな
すことができて歯車接続段の剛性が最も低くなる場合と
の二つの場合に大きく分けることができる。いずれの場
合も、高次の自由振動の減衰が十分に速く、低減すべき
残留振動が第1次の固有振動数(固有モード)にのみ支
配される場合が多い。そのため図2の符号100で示し
た3慣性ねじり振動系の制御系は、図3に示す2慣性ね
じり振動系に縮約できる。この縮約された低次元モデル
において、モータ軸に換算したモータ側の慣性モーメン
ト及び負荷側の慣性モーメントをそれぞれJmm及びJlm
とし、Ksmをモータ軸換算のねじりばね剛性とし、Csm
をモータ軸換算の減衰定数とすると機械系の固有振動数
ωn と減衰比γn は、下記の式(1)及び(2)のよう
に表される。
【0019】 ωn ={Ksm[(1/Jmm)+(1/Jlm)]}1/2 …(1) γn ={Csm[(1/Jmm)+(1/Jlm)]}/2ωn …(2) 更に、慣性モーメント比Rn をRn =Jlm/Jmmと定義
すれば、Jlm,Ksm及びCsmは、下記の(3)〜(5)
式のように表される。
【0020】 Jlm=Rn ・Jmm …(3) Ksm=ωn 2 ・[(Rn ・Jmm)/(1+Rn )] …(4) Csm=[(2Rn ・Jmm)/(1+Rn )]・γn ・ωn …(5) このように機械系を低次元簡易モデル化することによ
り、図2のオブザーバ7のモデル機械部7Bの被駆動部
分を構成する伝達要素7g,7h及び7kの伝達関数を
簡単に定めることができる。なおRn ,Jmm,ωn ,γ
n の値は、シミュレーションに用いる値として図面情報
から得ることができるだけでなく、実際に運転を行って
計測した残留振動波形から得られる実運転データに基づ
いても決定することができる。
【0021】次にオブザーバ7のモデル電気制御部7A
の低次元簡易モデルを求める方法について説明する。こ
こでは誘起電圧の影響は無視する。更に電流マイナール
ープが機械系の第1次固有周期に対し、十分速い応答性
を有するものとして、比例ゲインKtmと置き、図3に示
すごとく簡略化したPI制御系を構成する。更に下記
(6)及び(7)式のごとく電気制御系の固有振動数ω
e と減衰比ζe とを用いて表せば、電気制御部のモデル
定数の設定即ち図1のモデル電気制御部7Aの伝達要素
7bの伝達関数の設定は容易にできる。
【0022】 ωe =[(Kvm・Ktm)/(Tim・Jmm)]1/2 …(6) ζe =(1/2)[(Tim・Kvm・Ktm)/Jmm1/2 …(7) 但しKvmはPI制御の速度ループゲインであり、Tim
PI制御の積分時定数であり、Ktmはトルク定数、Jmm
はモータ軸に換算したモータ側の慣性モーメントであ
る。
【0023】図1に示したオブザーバ7を構成するブロ
ック線図について説明する。モデル電気制御部7Aは、
補正速度指令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]が入力
される第1の加え合わせ点7aと第2の加え合わせ点7
cとの間に2ζe ・ωe +ωe 2 (1/s)の伝達関数
を有する第1の伝達要素7bを有している。そして第2
の伝達要素7dと第3の加え合わせ点7fとの間に設け
られた第1の引き出し点7eから第1の加え合わせ点7
aに第1のフィードバックループが形成された構成を有
している。モデル機械部7Bは、また第2の加え合わせ
点7cと第3の加え合わせ点7fとの間に1/sの伝達
関数を有する第2の伝達要素7dを有している。また第
3の加え合わせ点7fと第4の加え合わせ点7iとの間
に[Rn/(1+Rn )]・ωn 2 ・(1/s)の伝達
関数を有する第3の伝達要素7gと[Rn /(1+
n )]・2γn ・ωn の伝達関数を有する第4の伝達
要素7hの並列結合を有し、第4の加え合わせ点7iと
出力点との間に1/(Rn ・s)の伝達関数を有する第
5の伝達要素7kを有している。そして第4の加え合わ
せ点7iと第5の伝達要素7kとの間に設けられた第2
の引き出し点7jから第2の加え合わせ点7cに第2の
フィードバックループが形成された構成を有している。
【0024】なお図2において、Rg は減速機の減速比
の逆数、ωは減速機出力軸の回転速度、ωl は被駆動
機械系の回転速度、Lは電機子インダクタンス、Rは電
機子抵抗、Kt はトルク定数、Ke は誘起電圧定数、K
c は電流ループゲイン、Kcbは電流フィードバックゲイ
ン、Jm はモータ部の慣性モーメント、Jg は減速機の
出力部の慣性モーメント、Jl は被駆動機械系の慣性モ
ーメント、Kg は減速機のねじり剛性、Cg は減速機の
等価減衰定数、Ks は減速機出力軸と被駆動機械系間の
ねじり剛性、Cs は減速機出力軸と被駆動機械系間の減
衰定数、Kv は速度制御系PI制御の比例ゲイン、Ti
は速度制御系PI制御の積分時定数である。
【0025】図4は図2の実施例において、シミュレー
ションによりモータの回転速度を時間0で1000min
-1までステップ状に立ち上げ時間0.2秒で回転速度を
0min -1までステップ状に立ち下げる速度指令ω
cmd [図4(A)]を与えた場合の応答結果を示してい
る。図4(B)はモータの回転速度ωm であり、図4
(C)は歯車減速機の出力の回転速度ωg であり、図4
(D)は負荷の速度ωl である。これらの応答結果と図
6に示した制振制御を行わなかった場合とを比較する
と、本発明によれば負荷振動系の減衰能が増加し、負荷
の残留振動の整定時間を200msec から60msec へ
と、約1/3.3に低減できることが分かる。しかも機
械系の減衰比を大きくした場合に生じる負荷の応答遅れ
も発生していない。この例で示されるように、本発明に
よれば、図面情報や実機計測データを用いて、きわめて
容易に実現可能な構成で、負荷で発生する残留振動の抑
制効果を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、速度制御ループ系の電
気制御部及び機械部の低次元制御モデルを用いて、負荷
の速度を実際に検出することなくモータ軸の回転速度に
換算した負荷の回転速度を推定し、この推定した負荷の
回転速度を用いて簡単に制振制御を行える減速機構付き
サーボ制御系の制振方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 歯車減速機構を有する機械系に本発明を適用
した実施の形態の一例のブロック線図である。
【図2】 歯車減速機構を有する機械系に本発明を適用
した実施例のブロック線図である。
【図3】 図1のサーボ制御系の低次元簡易モデルのブ
ロックダイアグラムである。
【図4】 (A)〜(D)は本発明の効果を確認するた
めに行ったシミュレーションの結果を示す図である。
【図5】 本発明の方法により振動を抑制する減速機構
付きサーボ制御系の一例であるドラム駆動系の概略図で
ある。
【図6】 (A)〜(D)は本発明を適用しない場合に
残留振動が発生することをシミュレーションした結果を
示す図である。
【符号の説明】
1 負荷 2 減速機 3 モータ 4 電気制御部 5 速度検出器 6 増幅器 7 オブザーバ 7A モデル電気制御部 7B モデル機械部 9 増幅器 101 サーボモータ 102 ロータリエンコーダ 103 歯車減速機 104 プーリ 105 タイミングベルト 106 回転ドラム 107 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05D 3/00 G05D 3/00 X 19/02 19/02 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータを含む駆動部によって駆動される
    被駆動機械部に減速機構を有するサーボ制御系において
    負荷で発生する機械系の固有振動数と関わる低周波数域
    の残留振動を抑制する減速機構付きサーボ制御系の制振
    方法であって、 負荷の回転速度を前記モータ軸の回転速度に換算して推
    定する関係を予め設定しておき、 推定した前記負荷の回転速度と前記モータの回転速度と
    の偏差を前記残留振動を抑制するように速度指令値に加
    算することを特徴とする減速機構付きサーボ制御系の制
    振方法。
  2. 【請求項2】 減速機構を介して負荷を駆動するモータ
    と、前記モータのモータ回転速度ωm を検出する速度検
    出器を含んで前記モータ回転速度を帰還量とするフィー
    ドバックループと、速度指令量ωcmd と前記帰還量との
    偏差を入力として前記モータに操作量を与える電気制御
    部とを有する減速機構付きサーボ制御系において発生す
    る残留振動を、予め定めた制御モデルに基づいて推定し
    た前記負荷の推定負荷回転速度を用いて抑制する減速機
    構付きサーボ制御系の制振方法であって、 前記推定負荷回転速度ωlmを前記モータ軸の回転速度に
    換算して推定し、 前記モータ回転速度ωm と前記推定負荷回転速度ωlm
    の偏差(ωlm−ωm )を求め、 前記偏差に前記残留振動を抑制するのに適したゲインK
    を乗じて補正値K(ωlm−ωm )を求め、 前記補正値K(ωlm−ωm )を速度指令量ωcmd に加
    算して得た補正速度指令量[ωcmd +K(ωlm
    ωm )]を前記電気制御部への速度指令量ω´cmdとす
    ることにより前記残留振動を抑制することを特徴とする
    減速機構付きサーボ制御系の制振方法。
  3. 【請求項3】 前記制御モデルは、前記補正速度指令量
    [ωcmd +K(ωlm−ωm )]から前記推定負荷回転
    速度ωlmを推定するようにモデル化されたモデル電気制
    御部及び前記モータと前記減速機構と前記負荷とを含む
    モデル化されたモデル機械部とからなり、前記モデル電
    気制御部はその固有振動数ωe と減衰比ζe とを用いて
    予めモデル化されており、前記モデル機械部はその固有
    振動数ωn と減衰比γn と慣性モーメント比Rn とを用
    いて予めモデル化されていることを特徴とする請求項2
    に記載の減速機構付きサーボ制御系の制振方法。
  4. 【請求項4】 前記モデル電気制御部は、前記補正速度
    指令量[ωcmd +K(ωlm−ωm )]が入力される第
    1の加え合わせ点と第2の加え合わせ点との間に2ζe
    ・ωe +ωe 2 (1/s)の伝達関数を有する第1の伝
    達要素を有しており、また第2の伝達要素と第3の加え
    合わせ点との間に設けられた第1の引き出し点から前記
    第1の加え合わせ点に第1のフィードバックループが形
    成された構成を有しており、 前記モデル機械部は、前記第2の加え合わせ点と前記第
    3の加え合わせ点との間に1/sの伝達関数を有する第
    2の伝達要素を有し、前記第3の加え合わせ点と第4の
    加え合わせ点との間に[Rn /(1+Rn )]・ωn 2
    ・(1/s)の伝達関数を有する第3の伝達要素と[R
    n /(1+Rn )]・2γn ・ωn の伝達関数を有する
    第4の伝達要素の並列結合を有し、前記第4の加え合わ
    せ点と出力点との間に1/(Rn ・s)の伝達関数を有
    する第5の伝達要素を有し、前記第4の加え合わせ点と
    第5の伝達要素との間に設けられた第2の引き出し点か
    ら前記第2の加え合わせ点に第2のフィードバックルー
    プが形成された構成を有している請求項3に記載の減速
    機構付きサーボ制御系の制振方法。
  5. 【請求項5】 前記モデル電気制御部の前記固有振動数
    ωe は[(Kvm・Ktm)/(Tim・Jmm)]1/2 と表さ
    れ、前記減衰比ζe は(1/2)[(Tim・Kvm
    tm)/Jmm1/2 と表され、但しKvmはPI制御の速
    度ループゲインであり、TimはPI制御の積分時定数で
    あり、Ktmはトルク定数であり、Jmmはモータ軸に換算
    したモータ側の慣性モーメントであり、 また前記モデル機械部の固有振動数ωn は{Ksm[(1
    /Jmm)+(1/Jlm)]}1/2 と表され、減衰比γn
    は{Csm[(1/Jmm)+(1/Jlm)]}/2ωn
    表され、但しKsmはモータ軸に換算したねじりばね剛性
    であり、Jlmはモータ軸に換算した負荷側の慣性モーメ
    ントであり、Csmはモータ軸に換算した減衰定数であ
    り、 前記Kvm,Ktm,Tim,Jmm,Ksm,Jlm,Csmを図面
    情報より求めることを特徴とする請求項3に記載の減速
    機構付きサーボ制御系の制振方法。
  6. 【請求項6】 前記Kvm,Ktm,Tim、を図面情報より
    求め、 慣性モーメント比Rn =Jlm/Jmmと定義して、前記J
    lm=Rn ・Jmm、前記Ksm=ωn 2 ・[(Rn ・Jmm
    /(1+Rn )]、前記Csm=[(2Rn ・Jmm)/
    (1+Rn )]・γn ・ωn と表し、前記Rn ,Jmm
    ωn ,γn を実運転データから求めることを特徴とする
    請求項3に記載の減速機構付きサーボ制御系の制振方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6533058B2 (en) * 2000-08-08 2003-03-18 Trw Automotive Electronics & Components Gmbh & Co. Kg Drive for a flap on a vehicle and a pedestrian protection means on a motor vehicle
JP2008035613A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Kayaba Ind Co Ltd 駆動系およびアクチュエータ
JP2011172317A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Sanyo Denki Co Ltd モータ制御装置

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