JP2004009853A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者がブレーキ制御状態を確実に認識することを可能としたブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】ブレーキECU22はブレーキアクチュエータ4を制御することによってブレーキ量を自動的に制御するとともに、ブレーキペダル60の操作により制御モードを解除する機能を有する。そして、ブレーキペダル60操作中に停止状態を維持する停止状態保持モードに移行した場合には、ストロークシミュレータ64によりブレーキペダル60を動かすことで運転者に同モードへの移行を告知する。
【選択図】 図3
【解決手段】ブレーキECU22はブレーキアクチュエータ4を制御することによってブレーキ量を自動的に制御するとともに、ブレーキペダル60の操作により制御モードを解除する機能を有する。そして、ブレーキペダル60操作中に停止状態を維持する停止状態保持モードに移行した場合には、ストロークシミュレータ64によりブレーキペダル60を動かすことで運転者に同モードへの移行を告知する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブレーキ量を調整して自車両の走行を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキ量を自動的に調整して自車両の速度を調整するブレーキ制御装置が知られている。このようなブレーキ制御装置は、例えば、カメラやレーダー等を用いて先行する車両を検出し、先行車両との距離を制御しながらこれに追従して走行する走行制御装置においてアクセル制御とともに用いられる。特開平10−166898号公報に開示されている技術はこうした技術の一例である。この技術は、運転者のブレーキ操作量によっても制御を解除しない渋滞走行モードを備えており、この渋滞走行モードで運転者のブレーキ操作量がシステムのブレーキ要求量を超えているときにはブレーキ操作量に応じてブレーキの作動を制御する。これにより、停止、発進を繰り返す走行状態での追従走行が可能となると記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように停止、発進時にも自動的なブレーキ制御を行う場合、運転者のブレーキ操作が継続している間に車両が停止した場合や、停止後に運転者のブレーキ操作がなされた場合、運転者にブレーキ制御が継続しているのか解除されているのかがわかりにくい。逆に、渋滞走行モードではブレーキ制御を常に継続するとなると、運転者による解除操作が煩雑になったり、運転者の感覚を超えたブレーキ操作が行われて運転者が違和感を感ずることがある。
【0004】
そこで本発明は、運転者がブレーキ制御状態を確実に認識することを可能としたブレーキ制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るブレーキ制御装置は、車両の走行状態に応じてブレーキ量を自動的に制御するブレーキ制御装置において、停車時に停車を継続すべきと判定した場合は停止状態保持制御へと移行するとともに、少なくとも判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合に、あるいは、判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合に限り、ブレーキ入力手段を動かして運転者に停止状態保持制御への移行を告知する告知手段をさらに備えているものである。
【0006】
運転者がブレーキ入力手段を操作している状態で、ブレーキ入力手段を動かすことで運転者に確実に停止状態保持制御への移行を告知することができる。例えば、ブレーキ入力手段がブレーキペダルである場合には、ブレーキペダルを振動させたり、操作量に対する抵抗を周期的に変更したりすればよい。
【0007】
自車両の走行状態を決定する走行制御部をさらに備え、停止状態保持制御の判定はこの走行制御部により行われることが好ましい。このようにすると、停止、発進を含めた走行制御を運転者の感覚に合致させて行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0009】
ここでは、先行車を検出して自車両を追従走行させる走行制御装置を例に説明する。この走行制御装置は本発明にかかるブレーキ制御装置を含んでいる。図1は本発明に係るブレーキ制御装置を含む走行制御装置を搭載した車両の概略図であり、図2はそのブロック構成図である。この走行制御装置90の先行車検知手段は、車両前部に配置されているレーザーレーダーセンサ1であり、前方にレーザー光を照射して、その反射光を検知する。走行制御を行う制御部(本発明に係る走行制御部)である制御ECU2は、車間制御ECU20、エンジンECU21、ブレーキECU22からなり、各ECUが協調して制御を行う。この制御ECU2が本発明にかかるブレーキ制御装置の制御部を兼ねる。
【0010】
このうち、エンジンECU21は、エンジン3の作動を制御するものであって、制御の中には電子制御式スロットルのスロットルモータ31の作動制御も含まれる。ブレーキECU22は、各車輪に配置されるブレーキの作動を制御するものであって、各ブレーキの制動力はブレーキアクチュエータ4により付与する油圧を制御することで制御される。
【0011】
ECU2には、各輪の車輪速を検出する車輪速センサ50、各ブレーキへ付与される油圧を検出する油圧センサ51、車両の前後方向の加速度を検出するGセンサ52の出力と前述したレーザーレーダーセンサ1の出力信号が入力されている。
【0012】
ブレーキECU22には、また図3に示されるようにブレーキペダル60の操作状態を検出するブレーキスイッチ61が接続されている。このブレーキペダル60は、マスタシリンダ62のピストン軸に接続されている。そしてマスタシリンダ62には、さらにブレーキペダル60と反対側にストロークシミュレータ64が接続されており、このストロークシミュレータ64はブレーキECU22の制御により、マスタシリンダ62のピストン軸を介してブレーキペダル60を駆動させることが可能であり、これによりブレーキペダル60の踏力に対する反力を調整可能である。本実施形態においては、このストロークシミュレータ64が告知手段に相当する。マスタシリンダ62とマスタシリンダ62上に配置されるリザーバタンク63からはブレーキ油圧ラインが延びてブレーキアクチュエータ4へと接続されている。
【0013】
次に、この走行制御装置の動作について説明する。図4は、先行車と自車両の状態を示す図であり、図5、図6は制御のフローチャートである。以下、先行車をP、自車両をMの符号で表す。以下の制御は、ECU2内部、より具体的には、車間制御ECU20、エンジンECU21、ブレーキECU22が協調して実施するものであり、運転者が自動走行モードに設定してから解除するまでの間、繰り返し実行される。
【0014】
まずステップS1では、レーザーレーダーセンサ1、車輪速センサ50、油圧センサ51、Gセンサ52、ブレーキスイッチ61の出力が読み込まれる。ステップS2では、読み込まれた出力値を基にしてブレーキECU22が車輪速センサ50の出力値から車速VMを算出し、車間制御ECU20が先行車Pの有無を判別して、先行車Pが存在している場合にはさらに先行車Pとの車間距離Drと先行車と自車両Mの相対速度Vrを算出する。
【0015】
続くステップS3では、自車両Mが停止中か否かを判定する。具体的には現在の車速VMが0か否かを判定する。自車両Mが停止中と判定した場合にはステップS4へと移行して、先行車Pとの相対速度Vrが閾値Vth1以上かまたは先行車Pとの車間距離Drが閾値以上の条件が所定時間以上継続しているか否かを判定する。条件が満たされていない場合には、停止状態を継続する必要があるとしてステップS5で目標車速Vtに0をセットしてステップS6へと移行する。ステップS6では、XStopの値をチェックすることで、後述する停止保持モードの設定フラグXstopが1か否かを判定する。Xstopが0の場合には設定フラグにまだ停止保持モードが設定されていないと判定し、ステップS7に移行してXstopに1を設定するとともに、Xcancelを0にリセットする。
【0016】
続く、ステップS8では、ブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者によるブレーキ操作ありと判定してステップS9へと移行する。ステップS9では、運転者に停止保持モードに設定された旨を告知する。告知方法としては、ストロークシミュレータ64を制御することで、ブレーキペダル60を振動させたり、運転者の踏力に対する反力を周期的に変動させたりすることで行う。あわせて、パネル表示や音声等により停止保持モードに入ったことを告知することが好ましい。このように、運転者によるブレーキペダル60の操作中に停止保持モードへ移行した場合には、運転者が操作しているブレーキペダル60を用いて停止保持モードに入ったことを運転者に知らせることで、運転者が確実に停止保持モードへの移行を認識することができるので、運転者はブレーキペダル60から安心して足を離すことができ、自動制御へ確実に移行できるため好ましい。
【0017】
ステップS10では、停止状態を維持するのに必要な制動油圧を演算して、ブレーキECU20がブレーキアクチュエータ4により各ブレーキに付与される制動油圧を制御して処理を終了する。これにより、停止状態が保持される。このとき、運転者のブレーキペダル60の操作量から予想される制動油圧が上回る場合には、運転者のブレーキペダル60の操作量により設定される制動油圧を用いてもよい。逆に、運転者のブレーキペダル60の操作量から予想される制動油圧が停止状態を維持するのに必要な制動油圧を下回る場合には、求めた制動油圧を用いて制御する。これにより、停止保持モードへ移行する。
【0018】
ステップS8で、ブレーキスイッチ61がOFF状態の場合には、運転者によるブレーキ操作なしと判定してステップS11へと移行して、運転者にパネル表示や音声等により停止保持モードに入ったことを告知する。そして、ステップS10へと移行した後、処理を終了する。これにより、ブレーキ操作がない場合にはブレーキペダルによる告知を行うことなく停止保持モードへと移行する。
【0019】
ステップS6で設定フラグXstopが1に設定されていた場合には、ステップS10へと移行した後、処理を終了する。これにより、ブレーキ停止状態が保持される。
【0020】
ステップS4で条件を満たしていると判定した場合とは、先行車Pの発進を検出した場合である。この場合には、ステップS15へと移行してブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者がブレーキペダル60を操作しており、停止状態を保持する必要があると判定し、ステップS16へと移行し、先行車Pが発進した旨と発進制御を行うならブレーキペダル60操作を解除するようパネル表示や音声により運転者に告知する。その後ステップS10へと移行して停止制御を保持する。このように運転者がブレーキペダルを踏んでいる場合には、発進することがないので、運転者が違和感を感ずることがなく、安心感が向上する。
【0021】
ステップS15でブレーキスイッチ61がOFF状態と判定した場合には、ステップS17へと移行してXstopを0にリセットし、続くステップS18で発進加速度aを得るために必要なブレーキ制御量、スロットル開度制御量を演算する。そして、ステップS19へと移行し、ブレーキ油圧を減らす一方、スロットル開度を調整して自動的に発進を行う。このように自動発進時に運転者に告知したうえで発進を行うため、運転者が発進動作に違和感を感ずることがなく、安心感が向上する。
【0022】
ステップS3で自車両Mが移動中と判定した場合には、ステップS20へと移行し、解除フラグXcancelが1か否かを検出する。解除フラグXcancelが1の場合には、追従制御は行わずにそのまま処理を終了する。Xcancelが0の場合には、ステップS21へと移行し、図6に示される追従制御処理を実行して処理を終了する。
【0023】
この追従制御処理においては、まずステップS31で、自車両の速度から目標車間距離Dtを設定する。そして、ステップS32では、最終的にDtとDrの偏差が0で相対速度Vrが0に至るには加速、減速のいずれを行うべきかを判別し、必要な制御量を算出する。
【0024】
続くステップS33では、ブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者によるブレーキ操作ありと判定してステップS34へと移行して、運転者のブレーキ操作量から予想される制動油圧とステップS32で設定した制御油圧とを比較する。運転者操作による制動油圧が大きい場合には、ステップS35へ移行して、解除フラグXcancelに1を設定し、直ちに処理を終了する。これにより、運転者のブレーキ操作が優先し、ブレーキ操作のみによって追従走行を解除することが可能となる。
【0025】
設定した制御油圧のほうが大きい場合には、ステップS36の解除制御へと移行する。この解除制御では、解除フラグXcancelに1を設定して制動油圧を維持または漸減させて運転者操作の制動油圧に最終的に一致させてから処理を終了する。これにより、ブレーキ操作が行われて運転者が追従制御を解除しようとした際に、ブレーキ量が急減してしまい、運転者の操作感覚に反する制御が行われるのを防止できる。
【0026】
一方、ステップS33で、ブレーキスイッチ61がOFF状態の場合には、ステップS37へと移行して通常の追従制御を行い、処理を終了する。具体的には、ステップS32で求めた制御量に応じてスロットル開度、シフト位置、ブレーキ油圧を制御する。
【0027】
ここでは、先行車両を検出して自動走行を行う走行制御装置に適用した場合を例に説明したが、他の種類の走行制御装置、例えば、誘導情報に基づいて車両の走行を制御する制御装置に適用されるブレーキ制御装置に適用することもできる。
【0028】
以上の説明では、ブレーキ入力手段としてブレーキペダルを用いる場合を説明したが、ブレーキ操作をレバーやその他の操作手段で行う場合でも同様である。また、ブレーキ入力手段を動かす告知手段としては、このようにストロークシミュレータを用いるほか、専用のブレーキ入力手段(ブレーキペダル等)の作動手段を設けてもよく、あるいはマスタシリンダ圧を変動させることでブレーキ入力手段(ブレーキペダル等)を動かしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブレーキ制御装置が停止状態保持制御に移行したことを運転者が確実に認識することができるので、停止状態保持制御に入った場合に安心して自動操作に任せることができるので、安心感が向上し、運転者が操作に違和感を感ずることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ制御装置を含む走行制御装置を搭載した車両の概略図である。
【図2】図1のブロック構成図である。
【図3】図1のブレーキペダルの構成を説明する図である。
【図4】先行車と自車両の状態を説明する図である。
【図5】図1の装置の制御のフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートの一部を詳細に説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…レーザーレーダーセンサ、2…制御ECU、20…車間制御ECU、21…エンジンECU、22…ブレーキECU、3…エンジン、31…スロットルモータ、4…ブレーキアクチュエータ、50…車輪速センサ、51…油圧センサ、52…Gセンサ、60…ブレーキペダル、61…ブレーキスイッチ、62…マスタシリンダ、63…リザーバタンク、64…ストロークシミュレータ。
【発明の属する技術分野】
本発明はブレーキ量を調整して自車両の走行を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキ量を自動的に調整して自車両の速度を調整するブレーキ制御装置が知られている。このようなブレーキ制御装置は、例えば、カメラやレーダー等を用いて先行する車両を検出し、先行車両との距離を制御しながらこれに追従して走行する走行制御装置においてアクセル制御とともに用いられる。特開平10−166898号公報に開示されている技術はこうした技術の一例である。この技術は、運転者のブレーキ操作量によっても制御を解除しない渋滞走行モードを備えており、この渋滞走行モードで運転者のブレーキ操作量がシステムのブレーキ要求量を超えているときにはブレーキ操作量に応じてブレーキの作動を制御する。これにより、停止、発進を繰り返す走行状態での追従走行が可能となると記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように停止、発進時にも自動的なブレーキ制御を行う場合、運転者のブレーキ操作が継続している間に車両が停止した場合や、停止後に運転者のブレーキ操作がなされた場合、運転者にブレーキ制御が継続しているのか解除されているのかがわかりにくい。逆に、渋滞走行モードではブレーキ制御を常に継続するとなると、運転者による解除操作が煩雑になったり、運転者の感覚を超えたブレーキ操作が行われて運転者が違和感を感ずることがある。
【0004】
そこで本発明は、運転者がブレーキ制御状態を確実に認識することを可能としたブレーキ制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るブレーキ制御装置は、車両の走行状態に応じてブレーキ量を自動的に制御するブレーキ制御装置において、停車時に停車を継続すべきと判定した場合は停止状態保持制御へと移行するとともに、少なくとも判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合に、あるいは、判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合に限り、ブレーキ入力手段を動かして運転者に停止状態保持制御への移行を告知する告知手段をさらに備えているものである。
【0006】
運転者がブレーキ入力手段を操作している状態で、ブレーキ入力手段を動かすことで運転者に確実に停止状態保持制御への移行を告知することができる。例えば、ブレーキ入力手段がブレーキペダルである場合には、ブレーキペダルを振動させたり、操作量に対する抵抗を周期的に変更したりすればよい。
【0007】
自車両の走行状態を決定する走行制御部をさらに備え、停止状態保持制御の判定はこの走行制御部により行われることが好ましい。このようにすると、停止、発進を含めた走行制御を運転者の感覚に合致させて行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0009】
ここでは、先行車を検出して自車両を追従走行させる走行制御装置を例に説明する。この走行制御装置は本発明にかかるブレーキ制御装置を含んでいる。図1は本発明に係るブレーキ制御装置を含む走行制御装置を搭載した車両の概略図であり、図2はそのブロック構成図である。この走行制御装置90の先行車検知手段は、車両前部に配置されているレーザーレーダーセンサ1であり、前方にレーザー光を照射して、その反射光を検知する。走行制御を行う制御部(本発明に係る走行制御部)である制御ECU2は、車間制御ECU20、エンジンECU21、ブレーキECU22からなり、各ECUが協調して制御を行う。この制御ECU2が本発明にかかるブレーキ制御装置の制御部を兼ねる。
【0010】
このうち、エンジンECU21は、エンジン3の作動を制御するものであって、制御の中には電子制御式スロットルのスロットルモータ31の作動制御も含まれる。ブレーキECU22は、各車輪に配置されるブレーキの作動を制御するものであって、各ブレーキの制動力はブレーキアクチュエータ4により付与する油圧を制御することで制御される。
【0011】
ECU2には、各輪の車輪速を検出する車輪速センサ50、各ブレーキへ付与される油圧を検出する油圧センサ51、車両の前後方向の加速度を検出するGセンサ52の出力と前述したレーザーレーダーセンサ1の出力信号が入力されている。
【0012】
ブレーキECU22には、また図3に示されるようにブレーキペダル60の操作状態を検出するブレーキスイッチ61が接続されている。このブレーキペダル60は、マスタシリンダ62のピストン軸に接続されている。そしてマスタシリンダ62には、さらにブレーキペダル60と反対側にストロークシミュレータ64が接続されており、このストロークシミュレータ64はブレーキECU22の制御により、マスタシリンダ62のピストン軸を介してブレーキペダル60を駆動させることが可能であり、これによりブレーキペダル60の踏力に対する反力を調整可能である。本実施形態においては、このストロークシミュレータ64が告知手段に相当する。マスタシリンダ62とマスタシリンダ62上に配置されるリザーバタンク63からはブレーキ油圧ラインが延びてブレーキアクチュエータ4へと接続されている。
【0013】
次に、この走行制御装置の動作について説明する。図4は、先行車と自車両の状態を示す図であり、図5、図6は制御のフローチャートである。以下、先行車をP、自車両をMの符号で表す。以下の制御は、ECU2内部、より具体的には、車間制御ECU20、エンジンECU21、ブレーキECU22が協調して実施するものであり、運転者が自動走行モードに設定してから解除するまでの間、繰り返し実行される。
【0014】
まずステップS1では、レーザーレーダーセンサ1、車輪速センサ50、油圧センサ51、Gセンサ52、ブレーキスイッチ61の出力が読み込まれる。ステップS2では、読み込まれた出力値を基にしてブレーキECU22が車輪速センサ50の出力値から車速VMを算出し、車間制御ECU20が先行車Pの有無を判別して、先行車Pが存在している場合にはさらに先行車Pとの車間距離Drと先行車と自車両Mの相対速度Vrを算出する。
【0015】
続くステップS3では、自車両Mが停止中か否かを判定する。具体的には現在の車速VMが0か否かを判定する。自車両Mが停止中と判定した場合にはステップS4へと移行して、先行車Pとの相対速度Vrが閾値Vth1以上かまたは先行車Pとの車間距離Drが閾値以上の条件が所定時間以上継続しているか否かを判定する。条件が満たされていない場合には、停止状態を継続する必要があるとしてステップS5で目標車速Vtに0をセットしてステップS6へと移行する。ステップS6では、XStopの値をチェックすることで、後述する停止保持モードの設定フラグXstopが1か否かを判定する。Xstopが0の場合には設定フラグにまだ停止保持モードが設定されていないと判定し、ステップS7に移行してXstopに1を設定するとともに、Xcancelを0にリセットする。
【0016】
続く、ステップS8では、ブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者によるブレーキ操作ありと判定してステップS9へと移行する。ステップS9では、運転者に停止保持モードに設定された旨を告知する。告知方法としては、ストロークシミュレータ64を制御することで、ブレーキペダル60を振動させたり、運転者の踏力に対する反力を周期的に変動させたりすることで行う。あわせて、パネル表示や音声等により停止保持モードに入ったことを告知することが好ましい。このように、運転者によるブレーキペダル60の操作中に停止保持モードへ移行した場合には、運転者が操作しているブレーキペダル60を用いて停止保持モードに入ったことを運転者に知らせることで、運転者が確実に停止保持モードへの移行を認識することができるので、運転者はブレーキペダル60から安心して足を離すことができ、自動制御へ確実に移行できるため好ましい。
【0017】
ステップS10では、停止状態を維持するのに必要な制動油圧を演算して、ブレーキECU20がブレーキアクチュエータ4により各ブレーキに付与される制動油圧を制御して処理を終了する。これにより、停止状態が保持される。このとき、運転者のブレーキペダル60の操作量から予想される制動油圧が上回る場合には、運転者のブレーキペダル60の操作量により設定される制動油圧を用いてもよい。逆に、運転者のブレーキペダル60の操作量から予想される制動油圧が停止状態を維持するのに必要な制動油圧を下回る場合には、求めた制動油圧を用いて制御する。これにより、停止保持モードへ移行する。
【0018】
ステップS8で、ブレーキスイッチ61がOFF状態の場合には、運転者によるブレーキ操作なしと判定してステップS11へと移行して、運転者にパネル表示や音声等により停止保持モードに入ったことを告知する。そして、ステップS10へと移行した後、処理を終了する。これにより、ブレーキ操作がない場合にはブレーキペダルによる告知を行うことなく停止保持モードへと移行する。
【0019】
ステップS6で設定フラグXstopが1に設定されていた場合には、ステップS10へと移行した後、処理を終了する。これにより、ブレーキ停止状態が保持される。
【0020】
ステップS4で条件を満たしていると判定した場合とは、先行車Pの発進を検出した場合である。この場合には、ステップS15へと移行してブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者がブレーキペダル60を操作しており、停止状態を保持する必要があると判定し、ステップS16へと移行し、先行車Pが発進した旨と発進制御を行うならブレーキペダル60操作を解除するようパネル表示や音声により運転者に告知する。その後ステップS10へと移行して停止制御を保持する。このように運転者がブレーキペダルを踏んでいる場合には、発進することがないので、運転者が違和感を感ずることがなく、安心感が向上する。
【0021】
ステップS15でブレーキスイッチ61がOFF状態と判定した場合には、ステップS17へと移行してXstopを0にリセットし、続くステップS18で発進加速度aを得るために必要なブレーキ制御量、スロットル開度制御量を演算する。そして、ステップS19へと移行し、ブレーキ油圧を減らす一方、スロットル開度を調整して自動的に発進を行う。このように自動発進時に運転者に告知したうえで発進を行うため、運転者が発進動作に違和感を感ずることがなく、安心感が向上する。
【0022】
ステップS3で自車両Mが移動中と判定した場合には、ステップS20へと移行し、解除フラグXcancelが1か否かを検出する。解除フラグXcancelが1の場合には、追従制御は行わずにそのまま処理を終了する。Xcancelが0の場合には、ステップS21へと移行し、図6に示される追従制御処理を実行して処理を終了する。
【0023】
この追従制御処理においては、まずステップS31で、自車両の速度から目標車間距離Dtを設定する。そして、ステップS32では、最終的にDtとDrの偏差が0で相対速度Vrが0に至るには加速、減速のいずれを行うべきかを判別し、必要な制御量を算出する。
【0024】
続くステップS33では、ブレーキスイッチ61がON状態か否かを判定する。ブレーキスイッチ61がON状態の場合には、運転者によるブレーキ操作ありと判定してステップS34へと移行して、運転者のブレーキ操作量から予想される制動油圧とステップS32で設定した制御油圧とを比較する。運転者操作による制動油圧が大きい場合には、ステップS35へ移行して、解除フラグXcancelに1を設定し、直ちに処理を終了する。これにより、運転者のブレーキ操作が優先し、ブレーキ操作のみによって追従走行を解除することが可能となる。
【0025】
設定した制御油圧のほうが大きい場合には、ステップS36の解除制御へと移行する。この解除制御では、解除フラグXcancelに1を設定して制動油圧を維持または漸減させて運転者操作の制動油圧に最終的に一致させてから処理を終了する。これにより、ブレーキ操作が行われて運転者が追従制御を解除しようとした際に、ブレーキ量が急減してしまい、運転者の操作感覚に反する制御が行われるのを防止できる。
【0026】
一方、ステップS33で、ブレーキスイッチ61がOFF状態の場合には、ステップS37へと移行して通常の追従制御を行い、処理を終了する。具体的には、ステップS32で求めた制御量に応じてスロットル開度、シフト位置、ブレーキ油圧を制御する。
【0027】
ここでは、先行車両を検出して自動走行を行う走行制御装置に適用した場合を例に説明したが、他の種類の走行制御装置、例えば、誘導情報に基づいて車両の走行を制御する制御装置に適用されるブレーキ制御装置に適用することもできる。
【0028】
以上の説明では、ブレーキ入力手段としてブレーキペダルを用いる場合を説明したが、ブレーキ操作をレバーやその他の操作手段で行う場合でも同様である。また、ブレーキ入力手段を動かす告知手段としては、このようにストロークシミュレータを用いるほか、専用のブレーキ入力手段(ブレーキペダル等)の作動手段を設けてもよく、あるいはマスタシリンダ圧を変動させることでブレーキ入力手段(ブレーキペダル等)を動かしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブレーキ制御装置が停止状態保持制御に移行したことを運転者が確実に認識することができるので、停止状態保持制御に入った場合に安心して自動操作に任せることができるので、安心感が向上し、運転者が操作に違和感を感ずることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ制御装置を含む走行制御装置を搭載した車両の概略図である。
【図2】図1のブロック構成図である。
【図3】図1のブレーキペダルの構成を説明する図である。
【図4】先行車と自車両の状態を説明する図である。
【図5】図1の装置の制御のフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートの一部を詳細に説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…レーザーレーダーセンサ、2…制御ECU、20…車間制御ECU、21…エンジンECU、22…ブレーキECU、3…エンジン、31…スロットルモータ、4…ブレーキアクチュエータ、50…車輪速センサ、51…油圧センサ、52…Gセンサ、60…ブレーキペダル、61…ブレーキスイッチ、62…マスタシリンダ、63…リザーバタンク、64…ストロークシミュレータ。
Claims (3)
- 車両の走行状態に応じてブレーキ量を自動的に制御するブレーキ制御装置において、
停車時に停車を継続すべきと判定した場合は停止状態保持制御へと移行するとともに、少なくとも判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合には、前記ブレーキ入力手段を動かして運転者に前記停止状態保持制御への移行を告知する告知手段をさらに備えているブレーキ制御装置。 - 車両の走行状態に応じてブレーキ量を自動的に制御するブレーキ制御装置において、
停車時に停車を継続すべきと判定した場合は停止状態保持制御へと移行するとともに、判定時点で運転者がブレーキ入力手段を操作している場合に限り、前記ブレーキ入力手段を動かして運転者に前記停止状態保持制御への移行を告知する告知手段をさらに備えているブレーキ制御装置。 - 自車両の走行状態を決定する走行制御部をさらに備え、前記停止状態保持制御の判定は前記走行制御部により行われる請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164797A JP2004009853A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | ブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002164797A JP2004009853A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | ブレーキ制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007196716A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Toyota Motor Corp | 車両の走行制御装置 |
JP2007196714A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Toyota Motor Corp | 車両の走行制御装置 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164797A patent/JP2004009853A/ja active Pending
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JP2007196714A (ja) * | 2006-01-23 | 2007-08-09 | Toyota Motor Corp | 車両の走行制御装置 |
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