JP2004009848A - ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な操舵特性を容易に得ることができるダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ケーシング21の内部に、その第2室C2から還流される作動油を、弁スリーブ23の連通路23aを経て第1ポートP1に導く還流路F2を設けた。弁スリーブ23の一端面に連通路23aを閉塞する弁部材25を密着させた。弁部材25は還流される微量の作動油によってその流量に応じた弾性変形を生じることにより連通路23aを開放する。作動油が一定流量以上還流されると、圧縮スプリング26の付勢力に抗してスプール22とともに弁部材25を移動させて、還流路F2を作動油の流量に応じてさらに大きく開放する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等に搭載され、油圧ポンプと油圧アクチュエータとの間の油圧回路に設けられるダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用の舵取装置として、油圧によって操舵力を補助する油圧式パワーステアリング装置が多用されている。この油圧式パワーステアリング装置は、油圧ポンプから吐出される作動油を、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給することにより、操舵補助力を出力するものであり、前記油圧ポンプと油圧アクチュエータとの間には、操舵方向及び操舵抵抗に応じて油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御する油圧コントロールバルブを介在している。
【0003】
この種の油圧式パワーステアリング装置においては、操舵系の部品精度等に起因して走行中に転舵輪が過剰に振動し、この振動が例えば油圧シリンダのピストンロッド(ラック軸)を介してステアリングホイールに伝達されるいわゆるシミー現象が生じることがある。このようなシミー現象を抑制するために、例えば油圧コントロールバルブ内に逆止弁を設けて油圧シリンダを封止した状態とすることにより、当該油圧シリンダを前記の振動に対するダンパーとして機能させることが行われている。
しかしながら、前記のように油圧シリンダをダンパーとして機能させた場合、特に危険回避等のために急転舵を行った際に、一方の油室から油圧コントロールバルブに戻ろうとする作動油の流れが、逆止弁によって妨げられて操舵補助力が低下し、ステアリングホイールが異常に重くなる等の不具合が発生する。
【0004】
このような問題点を解決するために、油圧コントロールバルブと油圧シリンダの左右の油室とを個別に接続する油圧回路のそれぞれに、ダンパーバルブを介在することが行われている。
このダンパーバルブは、例えば図7に示すように、中空のケーシング101の内部に弁スリーブ102が配置され、この弁スリーブ102によってケーシング101の内部が第1室103と第2室104とに区画されているとともに、第1室103が第1ポート105を介して油圧コントロールバルブ側に連通され、第2室104側が第2ポート106を介して油圧シリンダ側に連通されている。
【0005】
前記弁スリーブ102は筒状のものであり、その内部に第1ポート105から第2ポート106へ作動油が流通するのを許容し、その逆方向へ流通するのを規制する逆止弁107が設けられている。また、前記弁スリーブ102の周壁部には、第1室103と第2室104とを連通させる複数の連通路109が形成されている。
前記第1室103には、弁スリーブ102の端面に対して接離可能にスプール110が設けられており、このスプール110はスプリング111によって、弁スリーブ102の端面に密着されている。また、前記スプール110の弁スリーブ102側の外周面と第1室103の内周面との間には、微少隙間Aが設けられている。この微少隙間Aの大きさは、スプール110とケーシング101とのマッチングによって所定範囲になるように管理されている。さらに、前記微少隙間Aはスプール110の端面が弁スリーブ102に密着した状態で、当該端面の外周側に設けられた面取り112を介して、前記連通路109に連通されている。
【0006】
前記ダンパーバルブによれば、転舵輪の振動に伴って油圧シリンダのピストンロッドが左右に微少振動すると、その振幅に応じた微量の作動油が、第2室104から連通路109、前記微少隙間A、第1室103及び第1ポート105を通して油圧コントロールバルブ側に還流される。この際、作動油が前記微少隙間Aによって絞られることから、ダンパー効果が発揮され、転舵輪からの振動が油圧シリンダのピストンロッドを介してステアリングホイールに伝達されるのが抑制される。
【0007】
また、ドライバーが急転舵を行った場合には、油圧シリンダの左右何れかの油室から油圧コントロールバルブ側に還流される作動油が多量となるので、スプール110がスプリング111の付勢力に抗して弁スリーブ102から離反する(図8参照)。これにより、前記作動油が主に連通路109、弁スリーブ102とスプール110との間の隙間A1、スプール110の内部及び第1ポート105を通して油圧コントロールバルブ側に還流されるので、ステアリングホイールが異常に重くなる等の不具合が発生するのが防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の油圧式パワーステアリング装置は、油圧シリンダ側から油圧コントロールバルブ側に還流される作動油の流量が多い場合には、その流量に応じた距離だけスプール110が弁スリーブ102から離反するので、つまり、弁開度を作動油の流量に応じて自動的に調整できるので、良好な操舵特性を容易に得ることができる。しかし、還流される作動油が微量である場合には、前記微少隙間Aのみを通して作動油を還流させるので、その開度を流量に応じて調整することができない。このため、流量に応じた適切なダンパー効果を発揮させることができず、良好な操舵特性を得るのが困難となる。
【0009】
また、スプール110とケーシング101との間が微少隙間であるので、還流される作動油が微量であると、スプール110の動きが悪くなっていわゆる引っかかり現象が生じ、良好な操舵特性を得るのがさらに困難となる。
さらに、急転舵等によって還流される作動油の流量が多くなる場合には、弁スリーブ102の両端面間に大きな差圧が生じるので、急転舵に対する追従性が低下し、操舵特性が悪化するという問題がある。
前記のような従来の問題点に鑑み、この発明は、良好な操舵特性を容易に得ることができるダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためのこの発明のダンパーバルブは、油圧ポンプ側に接続される第1ポートと油圧アクチュエータ側に接続される第2ポートとを有する中空のケーシングと、前記ケーシングの内部を第1ポートに連通する第1室と第2ポートに連通する第2室とに区画するとともに、当該第1室と第2室とを連通させる連通路を有する弁スリーブと、前記第1室側に設けられ、弁スリーブに対して軸方向に相対移動可能なスプールと、前記スプールを第2室側へ付勢するスプリングと、前記第1ポートを通して第1室に供給される作動油を、スプール及び弁スリーブの内部を通して第2室に供給する給油路と、前記弁スリーブ内の給油路に設けられ、第1ポートから第2ポートへ作動油が流通するのを許容し、その逆方向へ流通するのを規制する逆止弁とを備えるダンパーバルブにおいて、前記第2室から還流される作動油を前記連通路を経て前記第1ポートに導く還流路と、前記還流路を閉塞するとともに、前記還流される微量の作動油によってその流量に応じた弾性変形を生じることにより当該還流路を開放し、作動油が一定流量以上還流されると前記スプリングの付勢力に抗してスプールとともに移動して、当該還流路を作動油の流量に応じてさらに大きく開放する弁部材とを備えることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
このように構成されたダンパーバルブによれば、第2室側から連通路を通して微量の作動油が還流しようとすると、当該作動油によって弁部材が弾性変形して還流路を開放する。この際、弁部材は作動油の流量に応じて弾性変形するので、還流路の開度を流量に応じて調整することができる。また、第2室から作動油が一定流量以上還流されると、前記スプリングの付勢力に抗してスプールとともに弁部材を移動させて、当該還流路を作動油の流量に応じてさらに大きく開放することができる。
【0012】
前記弁部材は、金属薄板製の扁平な環状体からなるのが好ましく(請求項2)、この場合には、弁部材の構造が非常に簡素であるとともに、これをケーシングの内部に容易に組み付けることができる。
また、前記弁部材は弁スリーブの第1室に臨む面に密着して前記連通路を閉塞するものであってもよく、この場合には前記弁スリーブの第1室に臨む面に、作動油を溜める凹溝を形成しておくのが好ましい(請求項3)。この場合には、凹溝に溜めた作動油によって弁部材が弁スリーブの第1室に臨む面に密着して離れにくくなるのを防止することができる。
【0013】
また、この発明の油圧式パワーステアリング装置は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバルブとを備える油圧式パワーステアリング装置であって、
前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1から請求項3の何れかに記載のダンパーバルブを設けていることを特徴としている(請求項4)。
【0014】
このように構成された油圧式パワーステアリング装置によれば、油圧アクチュエータ側から連通路を通して微量の作動油が油圧コントロールバルブ側に還流しようとすると、当該作動油によってダンパーバルブの弁部材が弾性変形してその還流路を開放する。この際、弁部材は作動油の流量に応じて弾性変形するので、還流路の開度を流量に応じて調整することができる。また、油圧アクチュエータ側から作動油が一定流量以上還流されると、前記スプリングの付勢力に抗してスプールとともに弁部材を移動させて、当該還流路を作動油の流量に応じてさらに大きく開放することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る油圧式パワーステアリング装置を示す概略図である。同図において、この油圧式パワーステアリング装置は、図示しないステアリングホイール(ハンドル)に連結される入力軸Xと、この入力軸Xの回転に伴って回転するピニオン1と、このピニオン1に噛み合うラック軸2と、このラック軸2を覆うハウジング5と、このハウジング5の内部に設けられた油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ6と、この油圧シリンダ6に作動油を供給する油圧ポンプ7と、前記ステアリングホイールに連動して油圧シリンダ6に対する作動油の給排を制御する油圧コントロールバルブ8とによって主要部が構成されている。
【0016】
前記ラック軸2の両端部は、ハウジング5の両端開口部5a,5bから突出しており、その突出端には、ボールジョイント10,11が一体化されている。各ボールジョイント10,11には、タイロッド12,13が取り付けられており、このタイロッド12,13を介して前記ラック軸2の両端部が転舵輪に連結されている。したがって、前記ステアリングホイールの回転操作により、入力軸Xを介してピニオン1を回転させ、ラック軸2を軸方向(車幅方向)へ移動させて、車両の操舵を行うことができる。
【0017】
前記油圧シリンダ6は、ハウジング5によって構成されたシリンダチューブ6aと、ラック軸2で構成されたピストンロッド6bと、ラック軸2に一体化されたピストン6cとからなり、このピストン6cを挟んだ両側空間が、第1油室6d及び第2油室6eとして構成されている。
油圧コントロールバルブ8は、ロータリーバルブによって構成されており、そのバルブハウジング8aには、入力ポート8b、リターンポート8c、第1出力ポート8d及び第2出力ポート8eがそれぞれ突出形成されている。前記入力ポート8bは、第1油圧配管T1を介して前記油圧ポンプ7の出力ポート7aに接続されており、リターンポート8cは、第2油圧配管T2を介してリザーブタンクTに接続されている。また、第1出力ポート8dは、第3油圧配管T3を介して油圧シリンダ6の第1油室6dに接続されており、第2出力ポート8eは、第4油圧配管T4を介して油圧シリンダ6の第2油室6eに接続されている。この油圧コントロールバルブ8は、操舵方向と操舵抵抗に応じて、各油室6d,6eの何れか一方に操舵力補助用の作動油を供給すると同時に、他方の油室から作動油をリザーブタンクTに還流させる。
【0018】
前記第3油圧配管T3及び第4油圧配管T4は、それぞれ金属管4によって構成されており、これら各配管T3,T4はこの発明の一実施形態に係るダンパーバルブ20を介して、油圧シリンダ6に接続されている。すなわち、第3油圧配管T3はダンパーバルブ20を介して油圧シリンダ6の第1油室6dに連通する第1入力ポート6fに接続されており、第4油圧配管T4は、ダンパーバルブ20を介して油圧シリンダ6の第2油室6eに連通する第2入力ポート6gに接続されている。
【0019】
各ダンパーバルブ20は、油圧コントロールバルブ8から油圧シリンダ6側への作動油の流れを許容するチェック弁としての機能と、これと逆向きの作動油の流れを、所定の抵抗を有して許容する絞りチェック弁としての機能とを有するものである。
図2を参照して、前記ダンパーバルブ20は、中空のケーシング21と、このケーシング21の内部に配置された筒状のスプール22と、前記ケーシング21の内部を区画する弁スリーブ23と、この弁スリーブ23の内部に設けられた逆止弁24と、前記弁スリーブ23の一端面に沿わせた弁部材25と、前記スプール22を付勢するコイル状の圧縮スプリング26とを備えている。
【0020】
前記ケーシング21は、フレア管21aと、このフレア管21aに接続された第1コネクタ21bと、この第1コネクタ21bの内部に先端側がねじ込まれた第2コネクタ21cとによって構成されている。前記ケーシング21の内部は、前記弁スリーブ23によって、油圧コントロールバルブ8に連通する第1室C1と、油圧シリンダ6に連通する第2室C2とに区画されている。
前記第2コネクタ21cには、前記第1室C1を金属管4を介して油圧コントロールバルブ8に連通させるための第1ポートP1が形成されており、前記フレア管21aには、前記第2室C2を油圧シリンダ6の第1油室6d(又は第2油室6e)に連通させるための第2ポートP2が形成されている。この第2ポートP2の周囲は油圧シリンダ6のシリンダチューブ6aに溶接されている。
【0021】
スプール22は、小径部22aと、これよりも内径及び外径が拡径された大径部22bとを有する段付きのものであり、前記小径部22aは弁スリーブ23の第1室C1側の内周に対して軸方向へ移動可能に嵌入されている。前記大径部22bの外周と第1室C1の内周との間には、所定の隙間S1が設けられているとともに、図2において大径部22bの右端面と第2コネクタ21cの左端面との間には、作動油の流通を許容する隙間S2が設けられている。また、前記大径部22bの内部には、前記圧縮スプリング26が導入されている。
【0022】
弁スリーブ23は、前記第1コネクタ21bの一端部に連続させて形成されており、その周壁部には、一端が第1室C1に開口し他端が第2室C2に開口する連通路23aが形成されている。この連通路23aは円周等配に複数個形成されている。また、前記弁スリーブ23の第1室C1に臨む面には、作動油を溜めるための凹溝23bが円周等配に複数個形成されている(図3参照)。
【0023】
前記弁スリーブ23及びスプール22の内部は、油圧コントロールバルブ8から第1ポートP1を通して供給される作動油を第2室C2に供給するための給油路F1を構成している。また、前記連通路23a、スプール22と第1室C1との間の隙間S1、及びスプール22と第2コネクタ21cとの間の隙間S2は、前記第2室C2から第1室C1側へ還流される作動油を第1ポートP1に導く還流路F2を構成している。
【0024】
逆止弁24は、弁スリーブ23の内部に設けられた筒状のケース24aと、このケース24a内に配置された可動弁体24bと、ケース24a内に収納され、可動弁体24bを付勢するためのコイルスプリング24cと、ケース24aに取り付けられ、可動弁体24bが着座するリング状の弁座部材24dとを備えている。この逆止弁24は、これらの構成部材を一体的に組み立ててユニット化したものであり、弁スリーブ23の内周に圧入されて固定されている。
【0025】
前記可動弁体24bは、油路に沿って移動可能に配置されており、通常はコイルスプリング24cの付勢力で弁座部材24dに密接して、弁座部材24dの中央部分に設けられた開口を塞いでいる。これにより、逆止弁24は、スプール22の内部を閉塞状態として、油圧シリンダ6から油圧コントロールバルブ8側に還流しようとする作動油の流れを阻止する。また、可動弁体24bは油圧コントロールバルブ8から油圧シリンダ6側に流れようとする作動油の圧力により、コイルスプリング24cの付勢力に抗して弁座部材24dから離れる。これにより、弁スリーブ23の内部が開放されて、その作動油は第1ポートP1から給油路F1及び第2ポートP2を順次通過する。この結果、油圧コントロールバルブ8からの作動油がステアリングホイールの操舵方向に対応する側の油室に供給されて、ステアリングホイールの回転操作をアシストすることができる。
【0026】
図4も参照して、前記弁部材25は、金属薄板からなる扁平な環状体で構成され、その一側面が前記弁スリーブ23の第1室C1に臨む面に密着しており、その内周はスプール22の小径部22aの外周に嵌合されている。この弁部材25の外周側の所定範囲により、前記弁スリーブ23の連通路23aが閉塞されているとともに、凹溝23bの一部が覆われている。この弁部材25の厚みは、連通路23aを通って還流される微量の作動油によって、その外周側が弾性変形できる値に設定されている。この弾性変形は作動油の流量増加に応じて漸増する。これにより、連通路23aを作動油の流量に応じて微妙に開閉することができる。なお、前記弁スリーブ23には、弁部材25の弾性変形を許容するための環状の逃げ部22cが形成されている。
【0027】
圧縮スプリング26は、スプール22を所定圧にて第2ポートP2側へ付勢して、当該スプール22の大径部22bの左端面を、弁部材25を介して弁スリーブ23の第1室C1に臨む面に突き当てている。この圧縮スプリング26は、油圧シリンダ6から油圧コントロールバルブ8側へ還流しようとする作動油の流量に応じて伸縮するように、スプール22と第2コネクタ21cとの間に弾性収縮させた状態で介在してある。前記圧縮スプリング26の付勢力は、弁部材25が所定量以上弾性変形した時点で、つまり還流する作動油の流量が微量域から高流量域に達した時点で、弁部材25がスプール22とともに弁スリーブ23から離反する値に設定されている。
【0028】
以上の構成のダンパーバルブ20において、転舵輪の微少振動に伴って油圧シリンダ6のピストンロッド6bが左右に振動すると、油圧シリンダ6から微量の作動油が、第2ポートP2及び還流路F2を通して油圧コントロールバルブ8側に還流される。この際、弁部材25によって還流路F2が絞られることから、ダンパー効果が発揮され、転舵輪からの振動が油圧シリンダ6のピストンロッド6bを介してステアリングホイールに伝達されるのが抑制される。しかも、前記弁部材25によって、連通路23aの開度が作動油の流量に応じて自動的に調整されるので、良好な操舵特性を容易に得ることができる。
【0029】
また、前記弁スリーブ23の凹溝23bに作動油を常に溜めておくことができるので、弁部材25が弁スリーブ23に密着した状態で、両者間に油膜切れが生じるのを防止することができ、弁部材25が弁スリーブ23に密着して離れにくくなるいわゆる吸い付き現象が生じるのを防止することができる。このため、還流する作動油の流量に応じて連通路23aを確実に開放することができる。
【0030】
一方、ステアリングホイールが急転舵された場合等、油圧コントロールバルブ8側へ戻ろうとする作動油が高流量域である場合には、弁部材25が所定量弾性変形した時点で、当該弁部材25がスプール22とともに弁スリーブ23から離反して両者間に広い隙間S3が形成される(図5参照)。これにより、油圧シリンダ6からの作動油は、第2ポートP2及び還流路F2を通して油圧コントロールバルブ8にスムーズに還流される。この結果、操舵補助力の低下を防いでステアリングホイールが異常に重くなる等の不具合が発生するのを防止することができる。
【0031】
また、前記高流量域の場合には、弁部材25が大きく弾性変形するとともに、スプール22とともに弁スリーブ23から大きく離反するので、弁スリーブ23の左端面と右端面との間で大きな差圧が生じるのが抑制される。このため、急転舵に対する追従性を良好に確保することができる。
さらに、従来のマッチングによる微少隙間の管理が不要であるので、その分、製造が容易となるとともに、微少隙間のばらつきに起因する引っかかり現象が生じるおそれもない。
【0032】
なお、前記した実施形態においては、弁部材25を弁スリーブ23に密着させる場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば図6に示すように、弁部材25をスプール22の大径部22bの途中部に取付ける一方、第1室C1の内周から環状の突出部28を設け、弁部材25の外周側を前記突出部28に密着させるようにしてもよい。
また、前記ダンパーバルブ20は、油圧コントロールバルブ8の第1出力ポート8d及び第2出力ポート8eの内部等、油圧コントロールバルブ8の出力ポート8d、8eと油圧シリンダ6との間の油圧回路の何れかの位置に設けておけばよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明のダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置によれば、油圧アクチュエータ側から還流される作動油の流量が微量であっても、その流量に応じて弁部材を弾性変形させて、還流路を流量に応じた開度で開閉することができるので、油圧アクチュエータにおける微少な油圧振動に対しても、流量に応じた適正なダンパー効果を発揮させることができる。また、還流される作動油が高流量域である場合でも、従来の差圧に起因するいわゆる引っかかり現象が生じるおそれがないので、急転舵に対する追従性が低下するのが防止される。さらに、弁部材を弾性変形させるものであるので、従来の微少隙間に起因する引っかかり現象が生じるおそれもない。したがって、良好な操舵特性を容易に得ることができる
【0034】
特に、前記弁部材が、金属薄板製の扁平な環状体からなる場合には、その構造が非常に簡素であるとともに、ケーシングの内部に逆止弁を容易に組み付けることができる。
さらに、弁スリーブの第1室に臨む面に、作動油を溜める凹溝を形成している場合には、凹溝に溜めた作動油によって弁部材が弁スリーブの第1室に臨む面に密着して離れにくくなるのを防止することができる。このため、還流する作動油の流量に応じて還流路を確実に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る油圧式パワーステアリング装置を示す概略図である。
【図2】この発明の一実施形態に係るダンパーバルブを示す断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2の要部拡大断面図である。
【図5】ダンパーバルブの動作を示す断面図である。
【図6】他の実施の形態を示す断面図である。
【図7】ダンパーバルブの従来例を示す断面図である。
【図8】従来例のダンパーバルブの動作を示す断面図である。
【符号の説明】
6   油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
7   油圧ポンプ
8   油圧コントロールバルブ
20  ダンパーバルブ
21  ケーシング
22  スプール
23  弁スリーブ
23a 連通路
23b 凹溝
24  逆止弁
25  弁部材
26  圧縮スプリング(スプリング)
C1  第1室
C2  第2室
F1  給油路
F2  還流路
P1  第1ポート
P2  第2ポート

Claims (4)

  1. 油圧ポンプ側に接続される第1ポートと、油圧アクチュエータ側に接続される第2ポートとを有する中空のケーシングと、
    前記ケーシングの内部を第1ポートに連通する第1室と第2ポートに連通する第2室とに区画するとともに、当該第1室と第2室とを連通させる連通路を有する弁スリーブと、
    前記第1室側に設けられ、弁スリーブに対して軸方向に相対移動可能なスプールと、
    前記スプールを第2室側へ付勢するスプリングと、
    前記第1ポートを通して第1室に供給される作動油を、スプール及び弁スリーブの内部を通して第2室に供給する給油路と、
    前記弁スリーブ内の給油路に設けられ、第1ポートから第2ポートへ作動油が流通するのを許容し、その逆方向へ流通するのを規制する逆止弁と
    を備えるダンパーバルブにおいて、
    前記第2室から還流される作動油を前記連通路を経て前記第1ポートに導く還流路と、
    前記還流路を閉塞するとともに、前記還流される微量の作動油によってその流量に応じた弾性変形を生じることにより当該還流路を開放し、作動油が一定流量以上還流されると前記スプリングの付勢力に抗してスプールとともに移動して、当該還流路を作動油の流量に応じてさらに大きく開放する弁部材と
    を備えることを特徴とするダンパーバルブ。
  2. 前記弁部材が、金属薄板製の扁平な環状体からなる請求項1記載のダンパーバルブ。
  3. 前記弁部材が、弁スリーブの第1室に臨む面に密着して前記連通路を閉塞するとともに、前記弁スリーブの第1室に臨む面に、作動油を溜める凹溝を形成している請求項2記載のダンパーバルブ。
  4. 油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバルブとを備える油圧式パワーステアリング装置であって、
    前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1から請求項3の何れかに記載のダンパーバルブを設けていることを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。
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