JP2004009200A - ワーク搬送パレット - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の位置決めを要求する加工装置と、高精度の位置決めが困難な加工装置とが混在する製造ラインへの使用に適したワーク搬送パレットを提供する。製造コストの増加を抑える。
【解決手段】ワーク1を搬送するワーク搬送パレット2であって、ワーク1をクランプするクランプ機構3とこのクランプ機構3をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構4とから構成されるクランプ装置5を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ワーク1を搬送するワーク搬送パレット2であって、ワーク1をクランプするクランプ機構3とこのクランプ機構3をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構4とから構成されるクランプ装置5を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク搬送パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場の製造ライン等ではワークをパレットに載せて移動することが多く、その際、ワークをパレットに対して位置決めすることも多い。従来のワーク位置決め方法として、例えば、テンプレート方式とクランプ方式がある。
【0003】
図17に、テンプレート方式のワーク位置決め方法を採用したパレットを示す。テンプレート方式では、パレット101上に所定形状、所定寸法の孔102や係止部103を設けておき、孔102や係止部103の中にワーク104を挿入することで、ワーク104を位置決めするようにしている。テンプレート方式では、孔102の周壁や係止部103とワーク104との間にある程度のクリアランス(パレットクリアランス)が生じ、ワーク104の位置姿勢を完全に固定することは困難であるが、そのクリアランスの範囲で位置姿勢誤差におさまるようにしている。
【0004】
また、図18に、クランプ方式のワーク位置決め方法を採用したパレットを示す。クランプ方式では、パレット101上にクランプ105を設けており、クランプ105を使用してワーク104を位置決めするようにしている。クランプ105の開閉駆動は、例えば、製造ラインの所定位置に設けられたシリンダ装置やソレノイド等のアクチュエータ106によって行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テンプレート方式では以下の問題があった。即ち、製造ラインによっては、パレット101上のワーク104の位置決め精度に対し、高精度の位置決めを要求する加工装置(例えば組み付け装置等)を使用する工程と、位置決めに高い精度を要求せず、むしろ高精度の位置決めが困難であり位置決め精度がある程度ラフであることが必要な加工装置(例えば洗浄装置等)を使用する工程とが混在する場合がある。
【0006】
このようなラインでは、パレットクリアランスを比較的広めに設定するのが一般的であるが、この場合には、高精度の位置決めを要求する加工装置によって加工を行うために、わざわざ別装置を設けてワーク104の取り置きを行い、その装置で高精度の位置決めを行う前工程が必要であった。もしくは、画像処理などの方法で、パレット101内のワーク位置姿勢を認識し、認識したワーク位置情報に基づいて、高精度の位置決めを要求する加工装置を動作させていた。これらのため、製造ラインの改造や、装置類を新たに追加する必要があり、製造設備が高価なものになると共に、間接的な工程を増加させ、製造コストと製造に要する時間を増加させていた。
【0007】
一方、クランプ方式では、クランプ105を作動させるためのアクチュエータ106を製造ラインに設ける必要があり、製造設備が大型化し高価なものになり、製造コストを増加させていた。また、位置決めがある程度ラフであることが必要な加工装置を使用する場合には、アクチュエータ106を使用してクランプ105を開き、大きなパレットクリアランスを確保する必要があった。搬送されてきたパレット101上のクランプ105を製造ライン側に設置されたアクチュエータ106によって操作するには、アクチュエータ106をクランプ105に正確に導く機構をパレット101側に設ける必要があり、パレット101の構造が複雑になって高価になると共に、パレット101そのものの洗浄等に支障をきたす虞がある。さらに、1枚のパレット101に複数のワーク104を混在させた場合、パレット101の構造がより一層複雑になり、さらに製造コストを増加させてしまう。加えて、アクチュエータ106をパレット101の外部よりクランプ105へ導く必要があり、一般に設計自由度が低く小型化に向かない。さらに、清浄環境における作業を考えた場合、アクチュエータ106は、汚染の発生源となりうる。
【0008】
本発明は、高精度の位置決めを要求する加工装置と、ある程度ラフな位置決めを要求する加工装置とが混在する製造ラインへの使用に適し、且つ、製造コストの増加を抑えることができるワーク搬送パレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、ワークを搬送するワーク搬送パレットにおいて、ワークをクランプするクランプ機構とこのクランプ機構をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構とから構成されるクランプ装置を有するものである。
【0010】
したがって、パレットに設けられたクランプ装置の作動機構によってクランプ機構のクランプ・アンクランプを操作することができる。即ち、パレットに設けられている作動機構によってクランプ機構を操作するので、製造ライン側にパレットのクランプ機構を操作するアクチュエータを設ける必要がなくなる。また、クランプ機構をクランプ状態にすることで、ワークとクランプ機構の間の隙間が無くなり又は減少し、ワークを高精度に位置決めできる。一方、クランプ機構をアンクランプ状態にすることで、ワークとクランプ機構の間の隙間が増加し、ワークの位置決めがラフになる。
【0011】
また、請求項2記載のワーク搬送パレットは、クランプ機構は弾性部材により構成され、作動機構の非作動時にワークのクランプ状態が維持できるものである。即ち、クランプ機構は弾性部材の弾性力によってワークをクランプする。作動機構は、非作動時にはクランプ機構の弾性部材をフリーにするので、弾性部材はワークをクランプすることができる。また、作動機構は、作動時にはクランプ機構の弾性部材を弾性変形させるので、弾性部材がワークから離れることになる。
【0012】
また、請求項3記載のワーク搬送パレットは、クランプ機構がクランプ状態にある場合においても、ワークとクランプ機構のワーククランプ部との間に隙間を有するものである。したがって、クランプ状態においてもワークを締め付けることがないので、ワークの微少変形を防止することができる。
【0013】
また、請求項4記載のワーク搬送パレットは、作動機構が、形状記憶合金の熱変形を用いてクランプ機構を作動させる機構である。したがって、形状記憶合金を加熱したり冷却することで、クランプ機構を操作することができる。
【0014】
さらに、請求項5記載のワーク搬送パレットは、形状記憶合金はワイヤー状の形状記憶合金である。したがって、加熱や冷却によって形状記憶合金のワイヤーが伸縮し、クランプ機構を作動させることができる。ワイヤー状の形状記憶合金は伸縮変形量が大きく、クランプ機構を操作するアクチュエータとしての使用に適している。また、形状記憶合金をワイヤー状にすることで、加熱・冷却を短時間で行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2に本発明を適用したワーク搬送パレットの実施形態の一例を示す。ワーク1を搬送するワーク搬送パレット(以下、単にパレットという)2は、ワーク1をクランプするクランプ機構3とこのクランプ機構3をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構4とから構成されるクランプ装置5を有している。本実施形態では、クランプ機構3は弾性部材6により構成され、作動機構4の非作動時にワーク1のクランプ状態が維持できるようになっている。
【0017】
クランプ機構3の弾性部材6は、例えば板ばねである。弾性部材6は、パレット2上に固定された2つの板ばね固定ブロック7に掛け渡すように取り付けられている。この弾性部材6は、作動機構4によって操作されていない状態(非作動状態)、即ちフリーの状態では、2つの板ばね固定ブロック7から離れる方向に湾曲している。弾性部材6の両端は板ばね固定ブロック7に取り付けられているので、弾性部材6の中央部分は板ばね固定ブロック7の弾性部材取付面7aに対して垂直方向に変位する。したがって、弾性部材6の中央部分に取り付けられたクランプ機構3のワーククランプ部8は、弾性部材6の変形に伴い弾性部材取付面7aに対して垂直方向(図中矢線Aで示す)に移動する。
【0018】
このワーク搬送パレット2は、例えば2つのワーク1,1を搬送する。このため、ワーククランプ部8はL字形状に配置された2本のレバー9,10から構成され、2つのワーク1,1を同時にクランプすることができる。ワーククランプ部8は、パレット2上に取り付けられた度当たりブロック11に度当たりするまで移動する。度当たりブロック11はパレット2に対してねじ止めされており、ねじを緩めることで度当たりブロック11の位置を図中矢線A方向に調整することができる。なお、本実施例では、クランプ機構3がクランプ状態にある場合においても、ワーク1とクランプ機構3のワーククランプ部8との間に若干の隙間C(図3)を有している。即ち、クランプ機構3がワーク1をクランプする際、クランプ機構3がワーク1を締め付けないようになっている。ただし、クランプ機構3のクランプ状態において、隙間(パレットクリアランス)Cを無くし、クランプ機構3がワーク1を実際に挟み付けるようにしても良い。
【0019】
2つのワーク1,1は、パレット2上に固定された載置ブロック12上に載せられる。載置ブロック12には2本の溝12a,12bが形成されており、図1においては第1のワーク(図中、小さい方のワーク)1の下を潜る第1の溝12aと、第2のワーク(図中、大きい方のワーク)1の下を潜る第2の溝12bが形成されている。二股形状を成すワーク移載用板13を各溝12a,12bに差し入れることで、ワーク移載用板13を2つのワーク1,1の下に潜らせることができ、ワーク移載用板13上に2つのワーク1,1を載せて搬送することができる。
【0020】
なお、ワーク移載用板13は、図示しないロボットアームの先端に取り付けられている。ワーク移載用板13はワーク1を引っ掛けて載せるだけであり、水平方向のクリアランスが必要である。即ち、当該ロボットアームを有する加工装置は、例えば高精度の位置決めが困難で、ある程度ラフな位置決めが必要な加工装置である。
【0021】
図3に、ワーククランプ部8の第1のレバー9を示す。第1のレバー9の第2の溝12bに対向する部分9aは下方にクランク状に屈曲しており、ワーク移載用板13との干渉を回避している。
【0022】
作動機構4は、形状記憶合金14の熱変形を用いてクランプ機構3を作動させる機構である。そして、形状記憶合金14は、例えばワイヤー状の形状記憶合金である。この形状記憶合金14は、温度が所定温度以上に上昇すると収縮し、所定温度未満に下がると元の長さに戻る。形状記憶合金14に通電すると、形状記憶合金14は発熱してその温度が所定温度以上に上昇する。形状記憶合金14をワイヤー状にすることで、加熱・冷却を短時間で行うことができる。
【0023】
形状記憶合金14は弾性部材6を貫通し、取付ピン15とワーククランプ部8との間に張り渡されている。パレット2上には取付ピン15を挿入する孔16が複数、例えば5箇所に設けられており、別の孔16に差し替えることで取付ピン15の位置を変えることができる。各孔16は、例えば3mmピッチで配置されている。取付ピン15の取付位置を変えることで、形状記憶合金14の長さを調節することができる。即ち、異なる長さの形状記憶合金14の使用が可能である。形状記憶合金14の長さを変えることで、アクチュエータとしての形状記憶合金14の収縮変形量を変えることができ、クランプ機構3のワーククランプ部8の操作量を調整することができる。
【0024】
形状記憶合金14の一端は接続用ワイヤ17によって第1の電極19に、他端は接続用ワイヤ18によって第2の電極20に接続されている。各電極19,20は、例えば金メッキされた銅製の電極で、パレット2の底面の角部に設けられ、接続用ワイヤ17,18との接続部19a,20aをパレット2の上面に延出させている。
【0025】
各電極19,20への通電は、例えばパレット2を位置決めする位置決め機構によって行われる。この位置決め機構21を図4に示す。なお、図4では、パレット2上のクランプ装置5を概略的に記載している。また、図4では、電極19,20と位置決めピン23〜26が支柱22の陰に隠れないように、実際の位置よりも内側に記載している。
【0026】
パレット2が図示しない搬送機構によって所定位置まで搬送されて停止すると、4本の位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げる。このとき、4本の位置決めピン23〜26のうち電極19,20に対向する2本の位置決めピン23,24は電極19,20に接触する。電極19,20に接触する2本の位置決めピン23,24は電源27に接続されている。したがって、位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げると、2本の位置決めピン23,24と接続用ワイヤ17,18を介して形状記憶合金14に通電することができる。すなわち、位置決め機構21を使用して形状記憶合金14に通電することができる。4本の位置決めピン23〜26は絶縁プレート28を介して、図示しない昇降装置に取り付けられている。
【0027】
パレット2の上面の4隅には位置決め用円錐穴29が設けられており、パレット2を上昇させることで位置決め用円錐穴29を4本の支柱22に設けられた位置決め用ボール30に合わせることができ、これによってパレット2を正確に位置決めすることができる。
【0028】
次に、ワーク搬送パレット2のクランプ装置5の作動について説明する。
【0029】
形状記憶合金14に通電されていない状態では、形状記憶合金14が常温となっているので収縮していない。このため、弾性部材6は自身の形状の通り湾曲しており、ワーククランプ部8を度当たりブロック11に度当たりさせている(図3)。即ち、クランプ機構3がクランプ状態になっている。
【0030】
この状態から、形状記憶合金14に通電すると、形状記憶合金14が発熱して収縮しクランプ機構3のワーククランプ部8を引き寄せる。このため、湾曲形状の弾性部材6を弾性変形させながら、ワーククランプ部8がワーク1から離れる方向に移動し、クランプ機構3がアンクランプ状態になる。
【0031】
クランプ機構3をクランプ状態にすることで、パレット2上のワーク1とクランプ機構3との隙間(パレットクリアランス)Cが減少し、アンクランプ状態にすることでパレットクリアランスCが増加する。このため、高精度の位置決めが要求される加工装置(例えば、組み付け装置等)に対しては、クランプ機構3をクランプ状態にすることで対応することができ、ある程度ラフな位置決めが要求される加工装置(例えば、洗浄装置等)に対しては、クランプ機構3をアンクランプ状態にすることで対応することができる。即ち、高精度の位置決めを要求する加工装置と、ある程度ラフな位置決めが要求される加工装置の両方に対応することができ、これらが混在する製造ラインに適したパレット2を提供することができる。つまり、パレット2上で精度の高い位置決め(水平方向クリアランス小)と低い位置決め(水平方向クリアランス大)が可能で、製造ラインの加工装置のハンドリング方法によって使い分けすることができる。
【0032】
本発明では、パレット2にクランプ機構3と作動機構4を有しているので、製造ライン側にアクチュエータを設ける必要がなく、装置及び搬送系を小型化することができる。
【0033】
また、作動機構4の駆動源として形状記憶合金14を用いているので、シンプルな構造にすることができると共に、パレット2の洗浄を可能にすることができる。
【0034】
また、形状記憶合金14を流れる電流で形状記憶合金14を発熱させているので、形状記憶合金14以外の電気部品を必要とせず、構造を簡単にすることができると共に、制御を単純にすることができる。
【0035】
さらに、パレット2の位置決めを行う位置決めピン23,24によって通電を行い、位置決めピン23〜26を絶縁プレート28に取り付けることで、機構の大幅な変更や制御方法の大幅な変更を伴わずにクランプ機構3の制御やパレットクリアランスCの制御を行うことができる。
【0036】
また、クランプ機構3のクランプのための駆動力を弾性部材6のばね力によって得るようにし、クランプを解除する場合にのみ形状記憶合金14に通電してクランプ力を解除するようにしているので、省エネルギーである。また、このような構成にすることで、形状記憶合金14の自己破壊(切断)を防止することができる。つまり、形状記憶合金14の収縮力は自身を切断させるのに充分な大きさの力であるが、形状記憶合金14を収縮させてクランプを行う構成の場合には、ワーククランプ部8が度当たりブロック11に度当たりしているにもかかわらず、形状記憶合金14は更に収縮しようとする。このため、形状記憶合金14が切れるおそれがある。これに対し、上述の実施形態のようにクランプを解除する場合に形状記憶合金14を収縮させることで、形状記憶合金14の自己破壊を確実に防止することができる。ただし、これらの不具合が問題にならない場合や不具合を解決できる場合等には、形状記憶合金14の収縮によってクランプを行い、弾性部材6のばね力によってアンクランプを行うようにしても良いことは勿論である。
【0037】
パレット2は、例えば図5及び図6に示すワーク搬送システムで使用する。ワーク搬送システム41では、パレット2に自走装置49を取り付けて自走式ワーク搬送パレット2となっている。なお、図5では、パレット2上のクランプ装置5等の記載を省略している。
【0038】
ワーク搬送システム41は、自走式ワーク搬送パレット2によってワーク1を各作業ステーション45に自動搬入・搬出し、各作業ステーション45において各ワーク1に対し組立、加工、洗浄等の各工程を行うためのシステムである。各作業ステーション45は、組立、加工、洗浄等の各工程に対応して設けられた直方体のブースであり、各ブースにてワーク1に対しそれぞれの工程が施される。また、各作業ステーション45はワーク搬送パレット用レール43によって接続されている。自走式ワーク搬送パレット2は、このワーク搬送パレット用レール43に案内されて作業ステーション45から別の作業ステーション45へと自走する。図示していないが、ワーク搬送パレット用レール43には最後の工程を終えた自走式ワーク搬送パレット2を再び先頭の作業ステーション45まで案内する回収用レールが含まれる。
【0039】
また、このワーク搬送システム41においては、各作業ステーション45内の空間や、自走式ワーク搬送パレット2がワーク1を載置して走行するのに必要な領域を透明壁などの外壁で外気と断絶し、断絶された空間内の空気のクリーンな環境が保持されるようにしてもよい。また、その場合には必要に応じて、このようなクリーン空間内にクリーン度の高い空気を送り込む装置が接続される。
【0040】
本実施形態のワーク搬送システム41の一部を図6に示す。図示するように、3つの作業ステーション45a,45b,45cが直列的に配置されるとともに、これらを通過する直線的なワーク搬送パレット用レール43が敷設されている。3つの作業ステーション45a〜45cは、ワーク1に対し順次実施される工程たとえば組立、加工、洗浄の各工程(以下第1工程、第2工程、第3工程ともいう)に対応したブースである。また、このワーク搬送システム41は、上述のように各作業ステーション45a〜45cを接続するワーク搬送パレット用レール43の他、第2作業ステーション45bを迂回するための迂回用レール(以下では、ワーク搬送パレット用レール43と区別するため符号43’を付して示す)を備える。迂回用レール43’は、直線的であるワーク搬送パレット用レール43に対し、作業ステーション45bを迂回するようにコ字形に形成されている。迂回用レール43’を通るワーク1は、第1工程の後、第2工程を経ずに第3工程が行われる。ワーク搬送パレット用レール43からの迂回用レール43’の分岐点には分岐装置55、迂回用レール43’の各コーナーには方向変換装置56a,56b、迂回用レール43’がワーク搬送パレット用レール43に合流する地点には合流装置57がそれぞれ設けられている。分岐装置55、方向変換装置56a,56b、合流装置57はいずれも自走式ワーク搬送パレット2を90度転回させる。
【0041】
また本実施形態のワーク搬送パレット用レール43としては、例えば図5に示す断面コ字形状のレールのように、平面状の底部を有する断面コの字状溝部(以下「コ字形溝部」という)43bとその左右に設けられた一対の軌道43aを有し、自走装置49の車輪46がこの軌道43a上を走行する構造のものが採用されている。このようなワーク搬送パレット用レール43は、両側の軌道43aで車輪46を支持し、コ字形溝部43bに自走装置49が嵌り込ませることができる。この場合、自走装置49の一部が2本の軌道43aの間であって軌道面より下方に位置するようになり、自走装置49の重心を軌道43aよりも下方に位置させることができることから、自走装置49が低重心となって走行時の安定度が向上しやすい。また、この場合の自走装置49は、外形の大きいモータ47を内蔵することが可能であり、尚かつ自走装置49の全高を抑えやすくなることから、安定度を確保しつつ小型化を図れるという利点もある。しかも、このようにワーク搬送パレット用レール43を断面コ字形状とした場合、軌道43aを構成する左右の板材と底部の板材とが一体構造となるため、両軌道43aの平行出しが容易になって精度が得られやすくなる点、一体化されて強度が得られやすくなる点でも好適である。また、押し出し(引き抜き)材を利用できることから安価となる。
【0042】
ワーク搬送パレット用レール43のコ字形溝部43bには、自走装置49が走行して塵埃が発生した場合にこれら塵埃を吸引するための吸引口43cが設けられている。吸引口43cには図示しない負圧源が接続され、吸引口43cを通じて内部空気が吸引されるようになっており、例えば自走装置49がワーク搬送パレット用レール43上を走行するときに発生することのある塵埃を図5に矢印で示すように上方から下方へとダウンフローさせ、ワーク1や作業ステーション45a〜45cの領域内におけるクリーン度を保つことが可能となっている。本実施形態の場合、図5に示すようにこの吸引口43cをワーク搬送パレット用レール43の下部両コーナーにそれぞれ設けて両方から塵埃を吸い出すようにしているが、吸引口43cを一方のコーナーにのみ設けるようにしても構わないし、あるいは底部の中央等に設けるようにしても構わず、要はコ字形溝部43bにおける塵埃を効果的に吸い出すことができればよい。ただし、吸引口43cは各作業ステーション45a〜45cやワーク搬送パレット用レール43内の領域内のクリーン度を保つべく装置が複雑になりすぎない範囲で多くの個所に設置されていることが好ましい。この場合、コ字形溝部43b内を万遍なくクリーンに保つ観点から、余り偏らずに出来る限り均等に(例えば等間隔に)設置されていることが更に好ましい。
【0043】
自走装置49は、本実施形態では中空の直方体をしており、内部にモータ47、バッテリ、制御回路等を具備するとともに、車輪46等を具備し、作業ステーション45a〜45c側から送信される動作信号に従った指示信号に基づき自律的に走行してパレット2を移動させてワーク1を搬送する。パレット2は、図5に示したように自走装置49の上部に取り付けられており、ワーク1は、パレット2の上に載置された状態で搬送される。
【0044】
本実施形態では、自走装置49に4つの車輪46を設けて4輪車とし、これら車輪46の中の駆動輪を駆動することによってパレット2が自走するようにしている。車輪46は、図5に示すように片側に前後2輪ずつ設けられ、ワーク搬送パレット用レール43の軌道43a上を回転する。この場合、車輪46が軌道43aから脱落するのを防止する脱落止め46aが設けられていることが好ましい。例えば本実施形態の場合、車輪46の内側が大径のフランジ形状となっており、このフランジ部分が軌道43aの内側の縁(へり)に当接して脱落止め46aとして機能する(図5参照)。また、ワーク搬送システム41の自走装置49に用いられる車輪46としては、騒音や発塵が少なく、軌道43aとの間における滑りも生じ難いタイヤ例えばゴムタイヤが好ましい。前輪または後輪のうち、いずれかがモータ47によって駆動される駆動輪とされている。
【0045】
モータ47は車輪46を回転させて自走装置49を走行させるための駆動源であり、この自走装置49に内蔵されている。また、モータ47は、減速ギヤ等の減速機は一切介さず、回転子により車輪(駆動輪)46を直接駆動するように同軸上に設けられている。この場合、小型化と静音化を図れる上、回生吸収によりエネルギロスを減少させられる点で有利である。
【0046】
このパレット2は自走装置49に対し着脱可能であり、パレット2自体の洗浄も可能であることから、例えばパレット2に付着した塵埃なども容易に洗い流すことができる。さらに本実施形態ではパレット2を上下に着脱可能とし、分離方向を上側としているので塵埃がワーク1に落下し難い。また、分離のための機構が比較的容易で済む。また、このパレット2と自走装置49とには、パレット2を自走装置49上の所定位置に載置し、かつ走行時のずれを防止するための位置合わせ手段が設けられている。位置合わせ手段は、例えばパレット2の裏面に設けられた図示しない係合孔と、この係合孔に嵌り込むように自走装置49の上面に設けられた係合突起52とからなる(図5参照)。
【0047】
また、パレット2は、各作業ステーション45a〜45c内で第1工程〜第3工程(組立、加工、洗浄等の作業)が行われる際、自走装置49から取り外されて各作業ステーション45a〜45cの所定位置に直接位置決めされるようになっている。このようにパレット2を直接位置決めするワーク搬送システム41では、自走装置49自体を所定位置に停止させて位置決めする場合よりも遙かに高い精度での位置決めが可能となる。本実施形態の場合、パレット2を直接位置決めする機構は、例えばパレット2を下から持ち上げる4本の位置決めピン23〜26(図5では位置決めピン23,24のみ図示)と、各作業ステーション45a〜45cのフレーム(支柱22)等に設けられた下向きの位置決め用ボール30と、この位置決め用ボール30が係合するようにパレット2の上面に設けられた位置決め用円錐穴29からなる(図5参照)。4本の位置決めピン23〜26は、自走装置49上に載せられているパレット2を水平に持ち上げて位置決め用ボール30に係合させる装置であり、例えば、絶縁プレート28(図4参照。図5では絶縁プレート28の記載を省略している。)を介して空圧シリンダ等の昇降装置に取り付けられている。なお、位置決め用円錐穴29をすり鉢状の凹部とし、位置決め用ボール30を半球形状とすることが好ましい。こうした場合、自走装置49の停止位置に多少の誤差が生じたとしても、すり鉢状の位置決め用円錐穴29の開口範囲内でこの誤差を吸収して精度よく位置決めすることが可能となり、自走装置49の停止精度がラフで済む(あまり高くなくて済む)。これによれば、ワーク搬送システム41のコストダウンに繋がる。
【0048】
4本の位置決めピン23〜26のうち、2本の位置決めピン23,24は図示しない電源に接続されており、4本の位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げて位置決めを行うと同時に、位置決めピン23,24、接続用ワイヤ17,18を介して形状記憶合金14に通電を行い、形状記憶合金14を加熱して収縮させクランプ機構3を操作することができる。
【0049】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0050】
例えば、上述の説明では、クランプ機構3がクランプ状態にある場合においてもワーク1とワーククランプ部8との間に若干の隙間(パレットクリアランス)Cを有しているようにしていたが、クランプ時にはパレットクリアランスCを無くすようにしても良い。
【0051】
また、上述の説明では、形状記憶合金14に通電することで、形状記憶合金14を発熱させて変形するようにしていたが、形状記憶合金14を変形させる手段としては通電に限るものではない。例えば、図7に示すように、形状記憶合金14に例えば黒色の金属板等の赤外線吸収体31を取り付けると共に遠赤外線ヒータ32を設け、遠赤外線ヒータ32によって赤外線吸収体31を加熱して形状記憶合金14を加熱・変形させるようにしても良い。また、図8に示すように、パレット2の下方にヒータプレート33を設け、ヒータプレート33によって形状記憶合金14を加熱して変形させるようにしても良い。さらに、図示はしていないが、温風を吹き付けることで形状記憶合金14を加熱・変形させるようにしても良い。
【0052】
また、上述の説明では、作動機構4として形状記憶合金14を使用していたが、形状記憶合金14以外のアクチュエータを使用しても良い。
【0053】
また、上述の説明では、ワイヤー状の形状記憶合金14を使用していたが、ワイヤー状以外の形状記憶合金14、例えば帯状の形状記憶合金14、板状の形状記憶合金14等を使用しても良い。また、加熱・冷却による応答性を高めるため、複数のより細いワイヤー状の形状記憶合金14を束にしたものを用いても良い。
【0054】
また、上述の説明では、クランプ機構3の弾性部材6として板ばねを使用していたが、板ばねに限るものではないことは勿論である。
【0055】
また、パレットクリアランスCの制御を多段階にしても良い。例えば、複数の形状記憶合金14を直列に繋ぎ、通電する一の形状記憶合金14の選択を変えたり、通電する本数を変えることで、パレットクリアランスCの制御を多段階的に行うことができる。その例を図9及び図10に示す。例えば3本の形状記憶合金14a,14b,14cを直列に繋ぐと共に、パレット2の四隅近傍に4つの電極19,20,34,35を設けている。第1の形状記憶合金14aの先端36を接続用ワイヤ17で第1の電極19に、第1の形状記憶合金14aと第2の形状記憶合金14bの接続点37を接続用ワイヤ61で第4の電極35に、第2の形状記憶合金14bと第3の形状記憶合金14cの接続点38を接続用ワイヤ62で第3の電極34に、第3の形状記憶合金14cの先端39を接続用ワイヤ18で第2の電極20に接続している。図4に示す位置決めピン23は第1の電極19に、位置決めピン24は第2の電極20に、位置決めピン25は第3の電極34に、位置決めピン26は第4の電極35に接触して電気を流す。通電を行う電極19,20,34,35の組み合わせを変えて発熱させる形状記憶合金14a,14b,14cとその数を変えることで、形状記憶合金14全体の収縮変形量を多段階に変化させることができ、パレットクリアランスCを段階的に制御することができる。
【0056】
例えば、第1の電極19と第2の電極20に通電することで、3本の形状記憶合金14a〜14cを加熱して収縮させることができる。また、第1の電極19と第3の電極34に通電することで、2本の形状記憶合金14a,14bを加熱して収縮させることができる。また、第1の電極19と第4の電極35に通電することで、1本の形状記憶合金14a加熱して収縮させることができる。なお、図9,図10の例では、3本の形状記憶合金14a〜14cを直列に繋いでいたが、例えば1本の形状記憶合金14を3分割し、その分割点と形状記憶合金14の両端を電極19,20,34,35に接続するようにしても良い。
【0057】
なお、ワイヤー状の形状記憶合金14を使用して、変位量が段階的に直線的に変化するアクチュエータを得ることができる。その概念を図11に、電圧印加パターンを図12に示す。この例では、1本の形状記憶合金14を、例えば4つの区間に分割している。形状記憶合金14の全長をLとした場合、第1の端子63と第2の端子64の間の区間(1/2区間)68の長さはLの1/2、第2の端子64と第3の端子65の間の区間(1/4区間)69の長さはLの1/4、第3の端子65と第4の端子66の間の区間(1/8区間)70の長さはLの1/8、第4の端子66と第5の端子67の間の区間(1/16区間)71の長さはLの1/16になっている。第1の端子63は電源電極76に、第2の端子64は第1の電極77に、第3の端子65は第2の電極78に、第4の端子66は第3の電極79に、第5の端子67は第4の電極80に接続されている。各区間68〜71は、両端の端子の電圧が異なる場合に電流が流れて発熱する。
【0058】
図12において、端子63〜67のうち電圧を印加するものを符号1で、電圧を印加しないものを符号0で示す。なお、端子63は電源電極76に接続されているので、電圧印加パターンの全てで符号1となっている。また、図12では、電流が流れて発熱する区間68〜71を塗りつぶして示している。電圧をかける電極77〜80を変えることで各端子64〜67への印加パターンを変化させることができ、これによって発熱させる区間68〜71の組み合わせを変えて形状記憶合金14全体としての収縮変形量を多段階に、本実施例では16段階に制御することができる。
【0059】
図13に、電圧印加パターン(指令値)と形状記憶合金14の長さとの関係を示す。各区間67〜71の長さをLの1/2,1/4,1/8,1/16、即ち1/2等比級数の関係にすることで、形状記憶合金14の長さを(1/16)×ΔLずつ線型に変化させることができる。即ち、形状記憶合金14を、変位量が直線的に変化するアクチュエータとして使用することができる。なお、ΔLは、長さLに対する変位量の最大値である。
【0060】
このような直線的な長さ制御は、コンピュータによる制御に適している。図12に示すように、形状記憶合金14の長さが短い電圧印加パターンから順に、指令値0,1,2,・・・,15とする。また、制御に使用する4ビット信号(B3 B2 B1 B0)の各ビットB3〜B0を、図12に示すように、各端子64〜67に割り当てる。
【0061】
そして、図14に示す変換アルゴリズムを使用して指令値に対応する電圧印加パターンを、各端子64〜67の制御を示す4ビット信号(B3 B2 B1 B0)に変換することができる。即ち、指令値の2進数変換値を電圧印加パターンの4ビット信号に変換することができる。
【0062】
例えば、指令値6の場合を例に具体的に説明する。指令値6の場合の電圧印加パターンは、端子67のみの電圧印加であり、4ビット信号では(0001)である。
【0063】
6を2進数で表すと、(0110)となる。信号(0110)のB3ビットは0であるので、図14のステップ91からステップ92に進み、信号(0110)→(0010)となる。次に、B2ビットは0であるので、ステップ93からステップ94に進み、信号(0010)→(0000)となる。次に、B1ビットは0であるので、ステップ95からステップ96に進み、信号(0000)→(0001)となる。即ち、指令値6の場合の各端子64〜67の電圧印加パターンを得ることができる。
【0064】
このようにして、各端子64〜67の電圧印加パターンを簡単に信号化することができ、しかも各端子64〜67を各ビットに割り当てた2進数の数値で表現できるので、コンピュータによる制御に適している。即ち、変位量が直線的に変化し且つコンピュータによる制御に適したアクチュエータを得ることができる。
【0065】
ところで、従来、形状記憶合金をワイヤー状にした場合、その伸縮の再現精度が高いことが知られている。また、形状記憶合金を使用して直径が10μm程度のワイヤーを製作可能である。これらのため、ワイヤー状の形状記憶合金は、超小型のマシン用のアクチュエータとして注目されている。形状記憶合金の結晶構造の変化はある特定の温度により発現するため、ワイヤー状の形状記憶合金(アクチュエータ)自体に電流を流して発熱させればアクチュエータを駆動することができ、しかも、細線化による加熱速度・冷却速度の向上により、ある程度の応答速度を得ることができる。この方式では、アクチュエータを伸長時と収縮時の2位置に制御することが可能である。
【0066】
しかしながら、このようなアクチュエータの制御では、ワイヤー状の形状記憶合金に流れる電流が一定である場合、すなわち形状記憶合金の発熱温度が一定である場合には、伸縮量(伸縮動作するアクチュエータの停止位置)を任意に設定することができない。また、ワイヤーに流れる電流を制御し、結晶構造の変化を分布的に起こさせて伸縮量を任意に制御する方法も考えられてはいるが、この場合にはアクチュエータの伸縮量を検出する検出系を設けてフィードバックループを形成して制御する必要があり、所謂オープンループでの位置決め制御(伸縮量制御)を行うことができなかった。
【0067】
これに対し、本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータでは、フィードバックループを形成せずに、多段階の位置決め制御(変位量制御)を行うことができる。そして、制御の段階数を増やすことで、実質的に任意の位置決め制御(変位量制御)を行うことができる。即ち、オープンループの簡単な制御系で実質的に任意の位置決め制御を行うことができる。
【0068】
SMA(形状記憶合金)を使用したアクチュエータの利点はアクチュエータ自体が単一材料そのものであり、体積あたりの変位が非常に大きく取れることに特長がある。これは簡易的かつ小型にアクチュエータが構成できることであるが、フィードバックループの様な複雑でかつ大型化の要因となる検出系をアクチュエータに組み込まなければならないとすると、本来のSMAのアドバンテージを大きく削ぐこととなる。本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータでは、上記の検出系が不要であり、SMAのアドバンデージを最大限に活かすことができる。
【0069】
そして、アクチュエータの制御を更に簡便に行うためには、コンピュータ等の制御装置からダイレクトにデジタルで位置決め制御が行える事が望ましい。本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータがコンピュータ等の制御装置を使用した制御に適している点は上述の通りであり、制御が極めて簡便である。
【0070】
なお、上述の例では、4つの区間68〜71を設けてアクチュエータの長さを16段階に線型に変化させるようにしていたが、区間の数を増やしてよりきめ細かく変位量を変化させるようにしても良い。処理に使用する信号のビット数を増やすことで、区間数の増加に対応することができる。
【0071】
また、指令値の2進数変換値から電圧印加パターンを示す信号への変換は、その信号が4ビット程度のものであれば、あらかじめ対応表を作成しておき、その対応表を利用して変換するようにしても良い。即ち、図14に示す考え方を使用しなくても良い。ただし、信号のビット数が多くなった場合等には、図14に示す考え方を使用して処理を2進数変換値から電圧印加パターンの信号に変換することが有効である。なお、図14では、4ビットの信号を処理する場合を示しているが、ビット数(例えばnビット)が多い信号を処理する場合には、nビット目のデータが0か否かを判断して0であればn−1ビット目のデータを反転させ、次にn−1ビット目のデータが0か否かを判断して0であればn−2ビット目のデータを反転させ、このような処理をn−3,n−4,・・・と繰り返し行い、最後に、2ビット目のデータが0か否かを判断して0であれば1ビット目のデータを反転させる処理を行うようにすれば良い。
【0072】
また、各区間68〜71の長さの関係は1/2等比級数に限るものではなく、その他の長さ関係でも良いことは勿論である。また、分割する区間数は4つに限るものではなく、3以下又は5以上に区分しても良いことは勿論である。さらに、上述のように1本の形状記憶合金14を各区間68〜71に分割する場合に限らず、複数の形状記憶合金を直列的に繋いで1本の形状記憶合金を1の区間にしても良い。
【0073】
図11のアクチュエータの使用はワーク搬送パレット2のクランプ機構3の操作に限るものではなく、他の装置・機構類を操作するアクチュエータとして使用しても良いことは勿論である。例えば、図15に示すように、XYテーブル73を操作するアクチュエータ74として使用することもできる。アクチュエータ74を使用することで、XYテーブル73の中間位置の位置決めが可能になる。なお、XYテーブル73にはX方向の移動を行うアクチュエータ74とY方向の移動を行うアクチュエータ74が設けられているが、図15では片方のアクチュエータ74の図示を省略している。また、図16に示すように、一方向にのみ移動可能なテーブル75のアクチュエータ74として使用しても良い。さらに、アクチュエータ74を使用して、パレット2上でワーク1を動かすようにしても良い。即ち、製造ラインの加工装置に合わせてワーク1の位置を修正したり、ワーク1の大きさや形状等に応じてワーク1の位置を補正するようにしても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のワーク搬送パレットでは、ワークをクランプするクランプ機構とこのクランプ機構をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構とから構成されるクランプ装置を有しているので、パレットに設けられている作動機構によってクランプ機構を操作することができ、製造ライン側にパレットのクランプ機構を操作するアクチュエータ等を設ける必要がなくなる。このため、装置及び搬送系の構成が簡単なものとなり、小型化することができると共に、製造コストを下げることができる。また、クランプ装置のクランプ・アンクランプ操作(パレットクリアランスの拡大・縮小操作)が容易であり、高精度の位置決めを要求する加工装置と、比較的ラフな位置決めを要求する加工装置とが混在する製造ラインに適したワーク搬送パレットを提供することができる。
【0075】
また、請求項2記載のワーク搬送パレットでは、クランプ機構は弾性部材により構成され、作動機構の非作動時にワークのクランプ状態を維持するようにしているので、例えば電力等のエネルギーを使用しない状態でクランプすることができ、省エネルギーである。また、クランプ機構をアンクランプにする場合に作動機構を作動させるので、クランプ時に作動機構に無理な力が作用するのを防止することができ、作動機構の破損を防止することができる。
【0076】
また、請求項3記載のワーク搬送パレットでは、クランプ機構がクランプ状態にある場合においても、ワークとクランプ機構のワーククランプ部との間に隙間を有しているので、クランプ時のワークの微少変形を防止することができる。
【0077】
また、請求項4記載のワーク搬送パレットでは、作動機構が、形状記憶合金の熱変形を用いてクランプ機構を作動させる機構であるので、形状記憶合金を加熱したり冷却することで、クランプ機構を作動させることができ、構造を簡単なものにすることができる。特に、形状記憶合金に電流を流すことで形状記憶合金を発熱させるようにした場合には、形状記憶合金以外には特別の電気部品を必要としないので、構造をより一層簡単なものにすることができ、また、形状記憶合金の加熱制御が容易になる。さらに、形状記憶合金を使用することで、ワーク搬送パレットを洗浄することができる。
【0078】
さらに、請求項5記載のワーク搬送パレットは、形状記憶合金がワイヤー状の形状記憶合金である。したがって、形状記憶合金を短時間で加熱・冷却することができ、応答性を向上させることができる。また、形状記憶合金の伸縮変形量を大きくすることができるので、クランプ機構を大きく作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したワーク搬送パレットの第1の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】同ワーク搬送パレットの平面図である。
【図3】同ワーク搬送パレットのワーククランプ部の第1のレバーを示す側面図である。
【図4】同ワーク搬送パレットの位置決め機構を概念的に示す斜視図である。
【図5】同ワーク搬送パレットを使用したワーク搬送システムの一例を示し、ワーク搬送パレットがステーションに停止している様子を示す図である。
【図6】同ワーク搬送パレットを使用したワーク搬送システムの一例を示す平面図である。
【図7】本発明を適用したワーク搬送パレットの第2の実施形態を示し、遠赤外線ヒータによって形状記憶合金を加熱する様子を概念的に示す斜視図である。
【図8】本発明を適用したワーク搬送パレットの第3の実施形態を示し、ヒータプレートによって形状記憶合金を加熱する様子を概念的に示す斜視図である。
【図9】本発明を適用したワーク搬送パレットの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図9の形状記憶合金を示す概念図である。
【図11】ワイヤー状の形状記憶合金を使用したアクチュエータを示す概念図である。
【図12】図11の形状記憶合金の電圧印加パターンを示す概念図である。
【図13】図11の形状記憶合金の長さと指令値との関係を示す図である。
【図14】指令値の2進数表示から電圧印加パターンを導く変換アルゴリズムを示す図である。
【図15】形状記憶合金を使用したアクチュエータをXYテーブルの操作に適用した場合の斜視図である。
【図16】形状記憶合金を使用したアクチュエータを一方向に移動可能なテーブルの操作に適用した場合の斜視図である。
【図17】従来のワーク搬送パレットを示す斜視図である。
【図18】従来のワーク搬送パレットの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワーク
2 ワーク搬送パレット
3 クランプ機構
4 作動機構
5 クランプ装置
6 弾性部材
8 ワーククランプ部
14 形状記憶合金
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク搬送パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場の製造ライン等ではワークをパレットに載せて移動することが多く、その際、ワークをパレットに対して位置決めすることも多い。従来のワーク位置決め方法として、例えば、テンプレート方式とクランプ方式がある。
【0003】
図17に、テンプレート方式のワーク位置決め方法を採用したパレットを示す。テンプレート方式では、パレット101上に所定形状、所定寸法の孔102や係止部103を設けておき、孔102や係止部103の中にワーク104を挿入することで、ワーク104を位置決めするようにしている。テンプレート方式では、孔102の周壁や係止部103とワーク104との間にある程度のクリアランス(パレットクリアランス)が生じ、ワーク104の位置姿勢を完全に固定することは困難であるが、そのクリアランスの範囲で位置姿勢誤差におさまるようにしている。
【0004】
また、図18に、クランプ方式のワーク位置決め方法を採用したパレットを示す。クランプ方式では、パレット101上にクランプ105を設けており、クランプ105を使用してワーク104を位置決めするようにしている。クランプ105の開閉駆動は、例えば、製造ラインの所定位置に設けられたシリンダ装置やソレノイド等のアクチュエータ106によって行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テンプレート方式では以下の問題があった。即ち、製造ラインによっては、パレット101上のワーク104の位置決め精度に対し、高精度の位置決めを要求する加工装置(例えば組み付け装置等)を使用する工程と、位置決めに高い精度を要求せず、むしろ高精度の位置決めが困難であり位置決め精度がある程度ラフであることが必要な加工装置(例えば洗浄装置等)を使用する工程とが混在する場合がある。
【0006】
このようなラインでは、パレットクリアランスを比較的広めに設定するのが一般的であるが、この場合には、高精度の位置決めを要求する加工装置によって加工を行うために、わざわざ別装置を設けてワーク104の取り置きを行い、その装置で高精度の位置決めを行う前工程が必要であった。もしくは、画像処理などの方法で、パレット101内のワーク位置姿勢を認識し、認識したワーク位置情報に基づいて、高精度の位置決めを要求する加工装置を動作させていた。これらのため、製造ラインの改造や、装置類を新たに追加する必要があり、製造設備が高価なものになると共に、間接的な工程を増加させ、製造コストと製造に要する時間を増加させていた。
【0007】
一方、クランプ方式では、クランプ105を作動させるためのアクチュエータ106を製造ラインに設ける必要があり、製造設備が大型化し高価なものになり、製造コストを増加させていた。また、位置決めがある程度ラフであることが必要な加工装置を使用する場合には、アクチュエータ106を使用してクランプ105を開き、大きなパレットクリアランスを確保する必要があった。搬送されてきたパレット101上のクランプ105を製造ライン側に設置されたアクチュエータ106によって操作するには、アクチュエータ106をクランプ105に正確に導く機構をパレット101側に設ける必要があり、パレット101の構造が複雑になって高価になると共に、パレット101そのものの洗浄等に支障をきたす虞がある。さらに、1枚のパレット101に複数のワーク104を混在させた場合、パレット101の構造がより一層複雑になり、さらに製造コストを増加させてしまう。加えて、アクチュエータ106をパレット101の外部よりクランプ105へ導く必要があり、一般に設計自由度が低く小型化に向かない。さらに、清浄環境における作業を考えた場合、アクチュエータ106は、汚染の発生源となりうる。
【0008】
本発明は、高精度の位置決めを要求する加工装置と、ある程度ラフな位置決めを要求する加工装置とが混在する製造ラインへの使用に適し、且つ、製造コストの増加を抑えることができるワーク搬送パレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、ワークを搬送するワーク搬送パレットにおいて、ワークをクランプするクランプ機構とこのクランプ機構をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構とから構成されるクランプ装置を有するものである。
【0010】
したがって、パレットに設けられたクランプ装置の作動機構によってクランプ機構のクランプ・アンクランプを操作することができる。即ち、パレットに設けられている作動機構によってクランプ機構を操作するので、製造ライン側にパレットのクランプ機構を操作するアクチュエータを設ける必要がなくなる。また、クランプ機構をクランプ状態にすることで、ワークとクランプ機構の間の隙間が無くなり又は減少し、ワークを高精度に位置決めできる。一方、クランプ機構をアンクランプ状態にすることで、ワークとクランプ機構の間の隙間が増加し、ワークの位置決めがラフになる。
【0011】
また、請求項2記載のワーク搬送パレットは、クランプ機構は弾性部材により構成され、作動機構の非作動時にワークのクランプ状態が維持できるものである。即ち、クランプ機構は弾性部材の弾性力によってワークをクランプする。作動機構は、非作動時にはクランプ機構の弾性部材をフリーにするので、弾性部材はワークをクランプすることができる。また、作動機構は、作動時にはクランプ機構の弾性部材を弾性変形させるので、弾性部材がワークから離れることになる。
【0012】
また、請求項3記載のワーク搬送パレットは、クランプ機構がクランプ状態にある場合においても、ワークとクランプ機構のワーククランプ部との間に隙間を有するものである。したがって、クランプ状態においてもワークを締め付けることがないので、ワークの微少変形を防止することができる。
【0013】
また、請求項4記載のワーク搬送パレットは、作動機構が、形状記憶合金の熱変形を用いてクランプ機構を作動させる機構である。したがって、形状記憶合金を加熱したり冷却することで、クランプ機構を操作することができる。
【0014】
さらに、請求項5記載のワーク搬送パレットは、形状記憶合金はワイヤー状の形状記憶合金である。したがって、加熱や冷却によって形状記憶合金のワイヤーが伸縮し、クランプ機構を作動させることができる。ワイヤー状の形状記憶合金は伸縮変形量が大きく、クランプ機構を操作するアクチュエータとしての使用に適している。また、形状記憶合金をワイヤー状にすることで、加熱・冷却を短時間で行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2に本発明を適用したワーク搬送パレットの実施形態の一例を示す。ワーク1を搬送するワーク搬送パレット(以下、単にパレットという)2は、ワーク1をクランプするクランプ機構3とこのクランプ機構3をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構4とから構成されるクランプ装置5を有している。本実施形態では、クランプ機構3は弾性部材6により構成され、作動機構4の非作動時にワーク1のクランプ状態が維持できるようになっている。
【0017】
クランプ機構3の弾性部材6は、例えば板ばねである。弾性部材6は、パレット2上に固定された2つの板ばね固定ブロック7に掛け渡すように取り付けられている。この弾性部材6は、作動機構4によって操作されていない状態(非作動状態)、即ちフリーの状態では、2つの板ばね固定ブロック7から離れる方向に湾曲している。弾性部材6の両端は板ばね固定ブロック7に取り付けられているので、弾性部材6の中央部分は板ばね固定ブロック7の弾性部材取付面7aに対して垂直方向に変位する。したがって、弾性部材6の中央部分に取り付けられたクランプ機構3のワーククランプ部8は、弾性部材6の変形に伴い弾性部材取付面7aに対して垂直方向(図中矢線Aで示す)に移動する。
【0018】
このワーク搬送パレット2は、例えば2つのワーク1,1を搬送する。このため、ワーククランプ部8はL字形状に配置された2本のレバー9,10から構成され、2つのワーク1,1を同時にクランプすることができる。ワーククランプ部8は、パレット2上に取り付けられた度当たりブロック11に度当たりするまで移動する。度当たりブロック11はパレット2に対してねじ止めされており、ねじを緩めることで度当たりブロック11の位置を図中矢線A方向に調整することができる。なお、本実施例では、クランプ機構3がクランプ状態にある場合においても、ワーク1とクランプ機構3のワーククランプ部8との間に若干の隙間C(図3)を有している。即ち、クランプ機構3がワーク1をクランプする際、クランプ機構3がワーク1を締め付けないようになっている。ただし、クランプ機構3のクランプ状態において、隙間(パレットクリアランス)Cを無くし、クランプ機構3がワーク1を実際に挟み付けるようにしても良い。
【0019】
2つのワーク1,1は、パレット2上に固定された載置ブロック12上に載せられる。載置ブロック12には2本の溝12a,12bが形成されており、図1においては第1のワーク(図中、小さい方のワーク)1の下を潜る第1の溝12aと、第2のワーク(図中、大きい方のワーク)1の下を潜る第2の溝12bが形成されている。二股形状を成すワーク移載用板13を各溝12a,12bに差し入れることで、ワーク移載用板13を2つのワーク1,1の下に潜らせることができ、ワーク移載用板13上に2つのワーク1,1を載せて搬送することができる。
【0020】
なお、ワーク移載用板13は、図示しないロボットアームの先端に取り付けられている。ワーク移載用板13はワーク1を引っ掛けて載せるだけであり、水平方向のクリアランスが必要である。即ち、当該ロボットアームを有する加工装置は、例えば高精度の位置決めが困難で、ある程度ラフな位置決めが必要な加工装置である。
【0021】
図3に、ワーククランプ部8の第1のレバー9を示す。第1のレバー9の第2の溝12bに対向する部分9aは下方にクランク状に屈曲しており、ワーク移載用板13との干渉を回避している。
【0022】
作動機構4は、形状記憶合金14の熱変形を用いてクランプ機構3を作動させる機構である。そして、形状記憶合金14は、例えばワイヤー状の形状記憶合金である。この形状記憶合金14は、温度が所定温度以上に上昇すると収縮し、所定温度未満に下がると元の長さに戻る。形状記憶合金14に通電すると、形状記憶合金14は発熱してその温度が所定温度以上に上昇する。形状記憶合金14をワイヤー状にすることで、加熱・冷却を短時間で行うことができる。
【0023】
形状記憶合金14は弾性部材6を貫通し、取付ピン15とワーククランプ部8との間に張り渡されている。パレット2上には取付ピン15を挿入する孔16が複数、例えば5箇所に設けられており、別の孔16に差し替えることで取付ピン15の位置を変えることができる。各孔16は、例えば3mmピッチで配置されている。取付ピン15の取付位置を変えることで、形状記憶合金14の長さを調節することができる。即ち、異なる長さの形状記憶合金14の使用が可能である。形状記憶合金14の長さを変えることで、アクチュエータとしての形状記憶合金14の収縮変形量を変えることができ、クランプ機構3のワーククランプ部8の操作量を調整することができる。
【0024】
形状記憶合金14の一端は接続用ワイヤ17によって第1の電極19に、他端は接続用ワイヤ18によって第2の電極20に接続されている。各電極19,20は、例えば金メッキされた銅製の電極で、パレット2の底面の角部に設けられ、接続用ワイヤ17,18との接続部19a,20aをパレット2の上面に延出させている。
【0025】
各電極19,20への通電は、例えばパレット2を位置決めする位置決め機構によって行われる。この位置決め機構21を図4に示す。なお、図4では、パレット2上のクランプ装置5を概略的に記載している。また、図4では、電極19,20と位置決めピン23〜26が支柱22の陰に隠れないように、実際の位置よりも内側に記載している。
【0026】
パレット2が図示しない搬送機構によって所定位置まで搬送されて停止すると、4本の位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げる。このとき、4本の位置決めピン23〜26のうち電極19,20に対向する2本の位置決めピン23,24は電極19,20に接触する。電極19,20に接触する2本の位置決めピン23,24は電源27に接続されている。したがって、位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げると、2本の位置決めピン23,24と接続用ワイヤ17,18を介して形状記憶合金14に通電することができる。すなわち、位置決め機構21を使用して形状記憶合金14に通電することができる。4本の位置決めピン23〜26は絶縁プレート28を介して、図示しない昇降装置に取り付けられている。
【0027】
パレット2の上面の4隅には位置決め用円錐穴29が設けられており、パレット2を上昇させることで位置決め用円錐穴29を4本の支柱22に設けられた位置決め用ボール30に合わせることができ、これによってパレット2を正確に位置決めすることができる。
【0028】
次に、ワーク搬送パレット2のクランプ装置5の作動について説明する。
【0029】
形状記憶合金14に通電されていない状態では、形状記憶合金14が常温となっているので収縮していない。このため、弾性部材6は自身の形状の通り湾曲しており、ワーククランプ部8を度当たりブロック11に度当たりさせている(図3)。即ち、クランプ機構3がクランプ状態になっている。
【0030】
この状態から、形状記憶合金14に通電すると、形状記憶合金14が発熱して収縮しクランプ機構3のワーククランプ部8を引き寄せる。このため、湾曲形状の弾性部材6を弾性変形させながら、ワーククランプ部8がワーク1から離れる方向に移動し、クランプ機構3がアンクランプ状態になる。
【0031】
クランプ機構3をクランプ状態にすることで、パレット2上のワーク1とクランプ機構3との隙間(パレットクリアランス)Cが減少し、アンクランプ状態にすることでパレットクリアランスCが増加する。このため、高精度の位置決めが要求される加工装置(例えば、組み付け装置等)に対しては、クランプ機構3をクランプ状態にすることで対応することができ、ある程度ラフな位置決めが要求される加工装置(例えば、洗浄装置等)に対しては、クランプ機構3をアンクランプ状態にすることで対応することができる。即ち、高精度の位置決めを要求する加工装置と、ある程度ラフな位置決めが要求される加工装置の両方に対応することができ、これらが混在する製造ラインに適したパレット2を提供することができる。つまり、パレット2上で精度の高い位置決め(水平方向クリアランス小)と低い位置決め(水平方向クリアランス大)が可能で、製造ラインの加工装置のハンドリング方法によって使い分けすることができる。
【0032】
本発明では、パレット2にクランプ機構3と作動機構4を有しているので、製造ライン側にアクチュエータを設ける必要がなく、装置及び搬送系を小型化することができる。
【0033】
また、作動機構4の駆動源として形状記憶合金14を用いているので、シンプルな構造にすることができると共に、パレット2の洗浄を可能にすることができる。
【0034】
また、形状記憶合金14を流れる電流で形状記憶合金14を発熱させているので、形状記憶合金14以外の電気部品を必要とせず、構造を簡単にすることができると共に、制御を単純にすることができる。
【0035】
さらに、パレット2の位置決めを行う位置決めピン23,24によって通電を行い、位置決めピン23〜26を絶縁プレート28に取り付けることで、機構の大幅な変更や制御方法の大幅な変更を伴わずにクランプ機構3の制御やパレットクリアランスCの制御を行うことができる。
【0036】
また、クランプ機構3のクランプのための駆動力を弾性部材6のばね力によって得るようにし、クランプを解除する場合にのみ形状記憶合金14に通電してクランプ力を解除するようにしているので、省エネルギーである。また、このような構成にすることで、形状記憶合金14の自己破壊(切断)を防止することができる。つまり、形状記憶合金14の収縮力は自身を切断させるのに充分な大きさの力であるが、形状記憶合金14を収縮させてクランプを行う構成の場合には、ワーククランプ部8が度当たりブロック11に度当たりしているにもかかわらず、形状記憶合金14は更に収縮しようとする。このため、形状記憶合金14が切れるおそれがある。これに対し、上述の実施形態のようにクランプを解除する場合に形状記憶合金14を収縮させることで、形状記憶合金14の自己破壊を確実に防止することができる。ただし、これらの不具合が問題にならない場合や不具合を解決できる場合等には、形状記憶合金14の収縮によってクランプを行い、弾性部材6のばね力によってアンクランプを行うようにしても良いことは勿論である。
【0037】
パレット2は、例えば図5及び図6に示すワーク搬送システムで使用する。ワーク搬送システム41では、パレット2に自走装置49を取り付けて自走式ワーク搬送パレット2となっている。なお、図5では、パレット2上のクランプ装置5等の記載を省略している。
【0038】
ワーク搬送システム41は、自走式ワーク搬送パレット2によってワーク1を各作業ステーション45に自動搬入・搬出し、各作業ステーション45において各ワーク1に対し組立、加工、洗浄等の各工程を行うためのシステムである。各作業ステーション45は、組立、加工、洗浄等の各工程に対応して設けられた直方体のブースであり、各ブースにてワーク1に対しそれぞれの工程が施される。また、各作業ステーション45はワーク搬送パレット用レール43によって接続されている。自走式ワーク搬送パレット2は、このワーク搬送パレット用レール43に案内されて作業ステーション45から別の作業ステーション45へと自走する。図示していないが、ワーク搬送パレット用レール43には最後の工程を終えた自走式ワーク搬送パレット2を再び先頭の作業ステーション45まで案内する回収用レールが含まれる。
【0039】
また、このワーク搬送システム41においては、各作業ステーション45内の空間や、自走式ワーク搬送パレット2がワーク1を載置して走行するのに必要な領域を透明壁などの外壁で外気と断絶し、断絶された空間内の空気のクリーンな環境が保持されるようにしてもよい。また、その場合には必要に応じて、このようなクリーン空間内にクリーン度の高い空気を送り込む装置が接続される。
【0040】
本実施形態のワーク搬送システム41の一部を図6に示す。図示するように、3つの作業ステーション45a,45b,45cが直列的に配置されるとともに、これらを通過する直線的なワーク搬送パレット用レール43が敷設されている。3つの作業ステーション45a〜45cは、ワーク1に対し順次実施される工程たとえば組立、加工、洗浄の各工程(以下第1工程、第2工程、第3工程ともいう)に対応したブースである。また、このワーク搬送システム41は、上述のように各作業ステーション45a〜45cを接続するワーク搬送パレット用レール43の他、第2作業ステーション45bを迂回するための迂回用レール(以下では、ワーク搬送パレット用レール43と区別するため符号43’を付して示す)を備える。迂回用レール43’は、直線的であるワーク搬送パレット用レール43に対し、作業ステーション45bを迂回するようにコ字形に形成されている。迂回用レール43’を通るワーク1は、第1工程の後、第2工程を経ずに第3工程が行われる。ワーク搬送パレット用レール43からの迂回用レール43’の分岐点には分岐装置55、迂回用レール43’の各コーナーには方向変換装置56a,56b、迂回用レール43’がワーク搬送パレット用レール43に合流する地点には合流装置57がそれぞれ設けられている。分岐装置55、方向変換装置56a,56b、合流装置57はいずれも自走式ワーク搬送パレット2を90度転回させる。
【0041】
また本実施形態のワーク搬送パレット用レール43としては、例えば図5に示す断面コ字形状のレールのように、平面状の底部を有する断面コの字状溝部(以下「コ字形溝部」という)43bとその左右に設けられた一対の軌道43aを有し、自走装置49の車輪46がこの軌道43a上を走行する構造のものが採用されている。このようなワーク搬送パレット用レール43は、両側の軌道43aで車輪46を支持し、コ字形溝部43bに自走装置49が嵌り込ませることができる。この場合、自走装置49の一部が2本の軌道43aの間であって軌道面より下方に位置するようになり、自走装置49の重心を軌道43aよりも下方に位置させることができることから、自走装置49が低重心となって走行時の安定度が向上しやすい。また、この場合の自走装置49は、外形の大きいモータ47を内蔵することが可能であり、尚かつ自走装置49の全高を抑えやすくなることから、安定度を確保しつつ小型化を図れるという利点もある。しかも、このようにワーク搬送パレット用レール43を断面コ字形状とした場合、軌道43aを構成する左右の板材と底部の板材とが一体構造となるため、両軌道43aの平行出しが容易になって精度が得られやすくなる点、一体化されて強度が得られやすくなる点でも好適である。また、押し出し(引き抜き)材を利用できることから安価となる。
【0042】
ワーク搬送パレット用レール43のコ字形溝部43bには、自走装置49が走行して塵埃が発生した場合にこれら塵埃を吸引するための吸引口43cが設けられている。吸引口43cには図示しない負圧源が接続され、吸引口43cを通じて内部空気が吸引されるようになっており、例えば自走装置49がワーク搬送パレット用レール43上を走行するときに発生することのある塵埃を図5に矢印で示すように上方から下方へとダウンフローさせ、ワーク1や作業ステーション45a〜45cの領域内におけるクリーン度を保つことが可能となっている。本実施形態の場合、図5に示すようにこの吸引口43cをワーク搬送パレット用レール43の下部両コーナーにそれぞれ設けて両方から塵埃を吸い出すようにしているが、吸引口43cを一方のコーナーにのみ設けるようにしても構わないし、あるいは底部の中央等に設けるようにしても構わず、要はコ字形溝部43bにおける塵埃を効果的に吸い出すことができればよい。ただし、吸引口43cは各作業ステーション45a〜45cやワーク搬送パレット用レール43内の領域内のクリーン度を保つべく装置が複雑になりすぎない範囲で多くの個所に設置されていることが好ましい。この場合、コ字形溝部43b内を万遍なくクリーンに保つ観点から、余り偏らずに出来る限り均等に(例えば等間隔に)設置されていることが更に好ましい。
【0043】
自走装置49は、本実施形態では中空の直方体をしており、内部にモータ47、バッテリ、制御回路等を具備するとともに、車輪46等を具備し、作業ステーション45a〜45c側から送信される動作信号に従った指示信号に基づき自律的に走行してパレット2を移動させてワーク1を搬送する。パレット2は、図5に示したように自走装置49の上部に取り付けられており、ワーク1は、パレット2の上に載置された状態で搬送される。
【0044】
本実施形態では、自走装置49に4つの車輪46を設けて4輪車とし、これら車輪46の中の駆動輪を駆動することによってパレット2が自走するようにしている。車輪46は、図5に示すように片側に前後2輪ずつ設けられ、ワーク搬送パレット用レール43の軌道43a上を回転する。この場合、車輪46が軌道43aから脱落するのを防止する脱落止め46aが設けられていることが好ましい。例えば本実施形態の場合、車輪46の内側が大径のフランジ形状となっており、このフランジ部分が軌道43aの内側の縁(へり)に当接して脱落止め46aとして機能する(図5参照)。また、ワーク搬送システム41の自走装置49に用いられる車輪46としては、騒音や発塵が少なく、軌道43aとの間における滑りも生じ難いタイヤ例えばゴムタイヤが好ましい。前輪または後輪のうち、いずれかがモータ47によって駆動される駆動輪とされている。
【0045】
モータ47は車輪46を回転させて自走装置49を走行させるための駆動源であり、この自走装置49に内蔵されている。また、モータ47は、減速ギヤ等の減速機は一切介さず、回転子により車輪(駆動輪)46を直接駆動するように同軸上に設けられている。この場合、小型化と静音化を図れる上、回生吸収によりエネルギロスを減少させられる点で有利である。
【0046】
このパレット2は自走装置49に対し着脱可能であり、パレット2自体の洗浄も可能であることから、例えばパレット2に付着した塵埃なども容易に洗い流すことができる。さらに本実施形態ではパレット2を上下に着脱可能とし、分離方向を上側としているので塵埃がワーク1に落下し難い。また、分離のための機構が比較的容易で済む。また、このパレット2と自走装置49とには、パレット2を自走装置49上の所定位置に載置し、かつ走行時のずれを防止するための位置合わせ手段が設けられている。位置合わせ手段は、例えばパレット2の裏面に設けられた図示しない係合孔と、この係合孔に嵌り込むように自走装置49の上面に設けられた係合突起52とからなる(図5参照)。
【0047】
また、パレット2は、各作業ステーション45a〜45c内で第1工程〜第3工程(組立、加工、洗浄等の作業)が行われる際、自走装置49から取り外されて各作業ステーション45a〜45cの所定位置に直接位置決めされるようになっている。このようにパレット2を直接位置決めするワーク搬送システム41では、自走装置49自体を所定位置に停止させて位置決めする場合よりも遙かに高い精度での位置決めが可能となる。本実施形態の場合、パレット2を直接位置決めする機構は、例えばパレット2を下から持ち上げる4本の位置決めピン23〜26(図5では位置決めピン23,24のみ図示)と、各作業ステーション45a〜45cのフレーム(支柱22)等に設けられた下向きの位置決め用ボール30と、この位置決め用ボール30が係合するようにパレット2の上面に設けられた位置決め用円錐穴29からなる(図5参照)。4本の位置決めピン23〜26は、自走装置49上に載せられているパレット2を水平に持ち上げて位置決め用ボール30に係合させる装置であり、例えば、絶縁プレート28(図4参照。図5では絶縁プレート28の記載を省略している。)を介して空圧シリンダ等の昇降装置に取り付けられている。なお、位置決め用円錐穴29をすり鉢状の凹部とし、位置決め用ボール30を半球形状とすることが好ましい。こうした場合、自走装置49の停止位置に多少の誤差が生じたとしても、すり鉢状の位置決め用円錐穴29の開口範囲内でこの誤差を吸収して精度よく位置決めすることが可能となり、自走装置49の停止精度がラフで済む(あまり高くなくて済む)。これによれば、ワーク搬送システム41のコストダウンに繋がる。
【0048】
4本の位置決めピン23〜26のうち、2本の位置決めピン23,24は図示しない電源に接続されており、4本の位置決めピン23〜26がパレット2を持ち上げて位置決めを行うと同時に、位置決めピン23,24、接続用ワイヤ17,18を介して形状記憶合金14に通電を行い、形状記憶合金14を加熱して収縮させクランプ機構3を操作することができる。
【0049】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0050】
例えば、上述の説明では、クランプ機構3がクランプ状態にある場合においてもワーク1とワーククランプ部8との間に若干の隙間(パレットクリアランス)Cを有しているようにしていたが、クランプ時にはパレットクリアランスCを無くすようにしても良い。
【0051】
また、上述の説明では、形状記憶合金14に通電することで、形状記憶合金14を発熱させて変形するようにしていたが、形状記憶合金14を変形させる手段としては通電に限るものではない。例えば、図7に示すように、形状記憶合金14に例えば黒色の金属板等の赤外線吸収体31を取り付けると共に遠赤外線ヒータ32を設け、遠赤外線ヒータ32によって赤外線吸収体31を加熱して形状記憶合金14を加熱・変形させるようにしても良い。また、図8に示すように、パレット2の下方にヒータプレート33を設け、ヒータプレート33によって形状記憶合金14を加熱して変形させるようにしても良い。さらに、図示はしていないが、温風を吹き付けることで形状記憶合金14を加熱・変形させるようにしても良い。
【0052】
また、上述の説明では、作動機構4として形状記憶合金14を使用していたが、形状記憶合金14以外のアクチュエータを使用しても良い。
【0053】
また、上述の説明では、ワイヤー状の形状記憶合金14を使用していたが、ワイヤー状以外の形状記憶合金14、例えば帯状の形状記憶合金14、板状の形状記憶合金14等を使用しても良い。また、加熱・冷却による応答性を高めるため、複数のより細いワイヤー状の形状記憶合金14を束にしたものを用いても良い。
【0054】
また、上述の説明では、クランプ機構3の弾性部材6として板ばねを使用していたが、板ばねに限るものではないことは勿論である。
【0055】
また、パレットクリアランスCの制御を多段階にしても良い。例えば、複数の形状記憶合金14を直列に繋ぎ、通電する一の形状記憶合金14の選択を変えたり、通電する本数を変えることで、パレットクリアランスCの制御を多段階的に行うことができる。その例を図9及び図10に示す。例えば3本の形状記憶合金14a,14b,14cを直列に繋ぐと共に、パレット2の四隅近傍に4つの電極19,20,34,35を設けている。第1の形状記憶合金14aの先端36を接続用ワイヤ17で第1の電極19に、第1の形状記憶合金14aと第2の形状記憶合金14bの接続点37を接続用ワイヤ61で第4の電極35に、第2の形状記憶合金14bと第3の形状記憶合金14cの接続点38を接続用ワイヤ62で第3の電極34に、第3の形状記憶合金14cの先端39を接続用ワイヤ18で第2の電極20に接続している。図4に示す位置決めピン23は第1の電極19に、位置決めピン24は第2の電極20に、位置決めピン25は第3の電極34に、位置決めピン26は第4の電極35に接触して電気を流す。通電を行う電極19,20,34,35の組み合わせを変えて発熱させる形状記憶合金14a,14b,14cとその数を変えることで、形状記憶合金14全体の収縮変形量を多段階に変化させることができ、パレットクリアランスCを段階的に制御することができる。
【0056】
例えば、第1の電極19と第2の電極20に通電することで、3本の形状記憶合金14a〜14cを加熱して収縮させることができる。また、第1の電極19と第3の電極34に通電することで、2本の形状記憶合金14a,14bを加熱して収縮させることができる。また、第1の電極19と第4の電極35に通電することで、1本の形状記憶合金14a加熱して収縮させることができる。なお、図9,図10の例では、3本の形状記憶合金14a〜14cを直列に繋いでいたが、例えば1本の形状記憶合金14を3分割し、その分割点と形状記憶合金14の両端を電極19,20,34,35に接続するようにしても良い。
【0057】
なお、ワイヤー状の形状記憶合金14を使用して、変位量が段階的に直線的に変化するアクチュエータを得ることができる。その概念を図11に、電圧印加パターンを図12に示す。この例では、1本の形状記憶合金14を、例えば4つの区間に分割している。形状記憶合金14の全長をLとした場合、第1の端子63と第2の端子64の間の区間(1/2区間)68の長さはLの1/2、第2の端子64と第3の端子65の間の区間(1/4区間)69の長さはLの1/4、第3の端子65と第4の端子66の間の区間(1/8区間)70の長さはLの1/8、第4の端子66と第5の端子67の間の区間(1/16区間)71の長さはLの1/16になっている。第1の端子63は電源電極76に、第2の端子64は第1の電極77に、第3の端子65は第2の電極78に、第4の端子66は第3の電極79に、第5の端子67は第4の電極80に接続されている。各区間68〜71は、両端の端子の電圧が異なる場合に電流が流れて発熱する。
【0058】
図12において、端子63〜67のうち電圧を印加するものを符号1で、電圧を印加しないものを符号0で示す。なお、端子63は電源電極76に接続されているので、電圧印加パターンの全てで符号1となっている。また、図12では、電流が流れて発熱する区間68〜71を塗りつぶして示している。電圧をかける電極77〜80を変えることで各端子64〜67への印加パターンを変化させることができ、これによって発熱させる区間68〜71の組み合わせを変えて形状記憶合金14全体としての収縮変形量を多段階に、本実施例では16段階に制御することができる。
【0059】
図13に、電圧印加パターン(指令値)と形状記憶合金14の長さとの関係を示す。各区間67〜71の長さをLの1/2,1/4,1/8,1/16、即ち1/2等比級数の関係にすることで、形状記憶合金14の長さを(1/16)×ΔLずつ線型に変化させることができる。即ち、形状記憶合金14を、変位量が直線的に変化するアクチュエータとして使用することができる。なお、ΔLは、長さLに対する変位量の最大値である。
【0060】
このような直線的な長さ制御は、コンピュータによる制御に適している。図12に示すように、形状記憶合金14の長さが短い電圧印加パターンから順に、指令値0,1,2,・・・,15とする。また、制御に使用する4ビット信号(B3 B2 B1 B0)の各ビットB3〜B0を、図12に示すように、各端子64〜67に割り当てる。
【0061】
そして、図14に示す変換アルゴリズムを使用して指令値に対応する電圧印加パターンを、各端子64〜67の制御を示す4ビット信号(B3 B2 B1 B0)に変換することができる。即ち、指令値の2進数変換値を電圧印加パターンの4ビット信号に変換することができる。
【0062】
例えば、指令値6の場合を例に具体的に説明する。指令値6の場合の電圧印加パターンは、端子67のみの電圧印加であり、4ビット信号では(0001)である。
【0063】
6を2進数で表すと、(0110)となる。信号(0110)のB3ビットは0であるので、図14のステップ91からステップ92に進み、信号(0110)→(0010)となる。次に、B2ビットは0であるので、ステップ93からステップ94に進み、信号(0010)→(0000)となる。次に、B1ビットは0であるので、ステップ95からステップ96に進み、信号(0000)→(0001)となる。即ち、指令値6の場合の各端子64〜67の電圧印加パターンを得ることができる。
【0064】
このようにして、各端子64〜67の電圧印加パターンを簡単に信号化することができ、しかも各端子64〜67を各ビットに割り当てた2進数の数値で表現できるので、コンピュータによる制御に適している。即ち、変位量が直線的に変化し且つコンピュータによる制御に適したアクチュエータを得ることができる。
【0065】
ところで、従来、形状記憶合金をワイヤー状にした場合、その伸縮の再現精度が高いことが知られている。また、形状記憶合金を使用して直径が10μm程度のワイヤーを製作可能である。これらのため、ワイヤー状の形状記憶合金は、超小型のマシン用のアクチュエータとして注目されている。形状記憶合金の結晶構造の変化はある特定の温度により発現するため、ワイヤー状の形状記憶合金(アクチュエータ)自体に電流を流して発熱させればアクチュエータを駆動することができ、しかも、細線化による加熱速度・冷却速度の向上により、ある程度の応答速度を得ることができる。この方式では、アクチュエータを伸長時と収縮時の2位置に制御することが可能である。
【0066】
しかしながら、このようなアクチュエータの制御では、ワイヤー状の形状記憶合金に流れる電流が一定である場合、すなわち形状記憶合金の発熱温度が一定である場合には、伸縮量(伸縮動作するアクチュエータの停止位置)を任意に設定することができない。また、ワイヤーに流れる電流を制御し、結晶構造の変化を分布的に起こさせて伸縮量を任意に制御する方法も考えられてはいるが、この場合にはアクチュエータの伸縮量を検出する検出系を設けてフィードバックループを形成して制御する必要があり、所謂オープンループでの位置決め制御(伸縮量制御)を行うことができなかった。
【0067】
これに対し、本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータでは、フィードバックループを形成せずに、多段階の位置決め制御(変位量制御)を行うことができる。そして、制御の段階数を増やすことで、実質的に任意の位置決め制御(変位量制御)を行うことができる。即ち、オープンループの簡単な制御系で実質的に任意の位置決め制御を行うことができる。
【0068】
SMA(形状記憶合金)を使用したアクチュエータの利点はアクチュエータ自体が単一材料そのものであり、体積あたりの変位が非常に大きく取れることに特長がある。これは簡易的かつ小型にアクチュエータが構成できることであるが、フィードバックループの様な複雑でかつ大型化の要因となる検出系をアクチュエータに組み込まなければならないとすると、本来のSMAのアドバンテージを大きく削ぐこととなる。本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータでは、上記の検出系が不要であり、SMAのアドバンデージを最大限に活かすことができる。
【0069】
そして、アクチュエータの制御を更に簡便に行うためには、コンピュータ等の制御装置からダイレクトにデジタルで位置決め制御が行える事が望ましい。本発明のワイヤー状の形状記憶合金14を使用したアクチュエータがコンピュータ等の制御装置を使用した制御に適している点は上述の通りであり、制御が極めて簡便である。
【0070】
なお、上述の例では、4つの区間68〜71を設けてアクチュエータの長さを16段階に線型に変化させるようにしていたが、区間の数を増やしてよりきめ細かく変位量を変化させるようにしても良い。処理に使用する信号のビット数を増やすことで、区間数の増加に対応することができる。
【0071】
また、指令値の2進数変換値から電圧印加パターンを示す信号への変換は、その信号が4ビット程度のものであれば、あらかじめ対応表を作成しておき、その対応表を利用して変換するようにしても良い。即ち、図14に示す考え方を使用しなくても良い。ただし、信号のビット数が多くなった場合等には、図14に示す考え方を使用して処理を2進数変換値から電圧印加パターンの信号に変換することが有効である。なお、図14では、4ビットの信号を処理する場合を示しているが、ビット数(例えばnビット)が多い信号を処理する場合には、nビット目のデータが0か否かを判断して0であればn−1ビット目のデータを反転させ、次にn−1ビット目のデータが0か否かを判断して0であればn−2ビット目のデータを反転させ、このような処理をn−3,n−4,・・・と繰り返し行い、最後に、2ビット目のデータが0か否かを判断して0であれば1ビット目のデータを反転させる処理を行うようにすれば良い。
【0072】
また、各区間68〜71の長さの関係は1/2等比級数に限るものではなく、その他の長さ関係でも良いことは勿論である。また、分割する区間数は4つに限るものではなく、3以下又は5以上に区分しても良いことは勿論である。さらに、上述のように1本の形状記憶合金14を各区間68〜71に分割する場合に限らず、複数の形状記憶合金を直列的に繋いで1本の形状記憶合金を1の区間にしても良い。
【0073】
図11のアクチュエータの使用はワーク搬送パレット2のクランプ機構3の操作に限るものではなく、他の装置・機構類を操作するアクチュエータとして使用しても良いことは勿論である。例えば、図15に示すように、XYテーブル73を操作するアクチュエータ74として使用することもできる。アクチュエータ74を使用することで、XYテーブル73の中間位置の位置決めが可能になる。なお、XYテーブル73にはX方向の移動を行うアクチュエータ74とY方向の移動を行うアクチュエータ74が設けられているが、図15では片方のアクチュエータ74の図示を省略している。また、図16に示すように、一方向にのみ移動可能なテーブル75のアクチュエータ74として使用しても良い。さらに、アクチュエータ74を使用して、パレット2上でワーク1を動かすようにしても良い。即ち、製造ラインの加工装置に合わせてワーク1の位置を修正したり、ワーク1の大きさや形状等に応じてワーク1の位置を補正するようにしても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のワーク搬送パレットでは、ワークをクランプするクランプ機構とこのクランプ機構をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構とから構成されるクランプ装置を有しているので、パレットに設けられている作動機構によってクランプ機構を操作することができ、製造ライン側にパレットのクランプ機構を操作するアクチュエータ等を設ける必要がなくなる。このため、装置及び搬送系の構成が簡単なものとなり、小型化することができると共に、製造コストを下げることができる。また、クランプ装置のクランプ・アンクランプ操作(パレットクリアランスの拡大・縮小操作)が容易であり、高精度の位置決めを要求する加工装置と、比較的ラフな位置決めを要求する加工装置とが混在する製造ラインに適したワーク搬送パレットを提供することができる。
【0075】
また、請求項2記載のワーク搬送パレットでは、クランプ機構は弾性部材により構成され、作動機構の非作動時にワークのクランプ状態を維持するようにしているので、例えば電力等のエネルギーを使用しない状態でクランプすることができ、省エネルギーである。また、クランプ機構をアンクランプにする場合に作動機構を作動させるので、クランプ時に作動機構に無理な力が作用するのを防止することができ、作動機構の破損を防止することができる。
【0076】
また、請求項3記載のワーク搬送パレットでは、クランプ機構がクランプ状態にある場合においても、ワークとクランプ機構のワーククランプ部との間に隙間を有しているので、クランプ時のワークの微少変形を防止することができる。
【0077】
また、請求項4記載のワーク搬送パレットでは、作動機構が、形状記憶合金の熱変形を用いてクランプ機構を作動させる機構であるので、形状記憶合金を加熱したり冷却することで、クランプ機構を作動させることができ、構造を簡単なものにすることができる。特に、形状記憶合金に電流を流すことで形状記憶合金を発熱させるようにした場合には、形状記憶合金以外には特別の電気部品を必要としないので、構造をより一層簡単なものにすることができ、また、形状記憶合金の加熱制御が容易になる。さらに、形状記憶合金を使用することで、ワーク搬送パレットを洗浄することができる。
【0078】
さらに、請求項5記載のワーク搬送パレットは、形状記憶合金がワイヤー状の形状記憶合金である。したがって、形状記憶合金を短時間で加熱・冷却することができ、応答性を向上させることができる。また、形状記憶合金の伸縮変形量を大きくすることができるので、クランプ機構を大きく作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したワーク搬送パレットの第1の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】同ワーク搬送パレットの平面図である。
【図3】同ワーク搬送パレットのワーククランプ部の第1のレバーを示す側面図である。
【図4】同ワーク搬送パレットの位置決め機構を概念的に示す斜視図である。
【図5】同ワーク搬送パレットを使用したワーク搬送システムの一例を示し、ワーク搬送パレットがステーションに停止している様子を示す図である。
【図6】同ワーク搬送パレットを使用したワーク搬送システムの一例を示す平面図である。
【図7】本発明を適用したワーク搬送パレットの第2の実施形態を示し、遠赤外線ヒータによって形状記憶合金を加熱する様子を概念的に示す斜視図である。
【図8】本発明を適用したワーク搬送パレットの第3の実施形態を示し、ヒータプレートによって形状記憶合金を加熱する様子を概念的に示す斜視図である。
【図9】本発明を適用したワーク搬送パレットの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図9の形状記憶合金を示す概念図である。
【図11】ワイヤー状の形状記憶合金を使用したアクチュエータを示す概念図である。
【図12】図11の形状記憶合金の電圧印加パターンを示す概念図である。
【図13】図11の形状記憶合金の長さと指令値との関係を示す図である。
【図14】指令値の2進数表示から電圧印加パターンを導く変換アルゴリズムを示す図である。
【図15】形状記憶合金を使用したアクチュエータをXYテーブルの操作に適用した場合の斜視図である。
【図16】形状記憶合金を使用したアクチュエータを一方向に移動可能なテーブルの操作に適用した場合の斜視図である。
【図17】従来のワーク搬送パレットを示す斜視図である。
【図18】従来のワーク搬送パレットの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワーク
2 ワーク搬送パレット
3 クランプ機構
4 作動機構
5 クランプ装置
6 弾性部材
8 ワーククランプ部
14 形状記憶合金
Claims (5)
- ワークを搬送するワーク搬送パレットにおいて、前記ワークをクランプするクランプ機構とこのクランプ機構をクランプ状態またはアンクランプ状態に作動させる作動機構とから構成されるクランプ装置を有することを特徴とするワーク搬送パレット。
- 前記クランプ機構は弾性部材により構成され、前記作動機構の非作動時に前記ワークのクランプ状態が維持できることを特徴とする請求項1記載のワーク搬送パレット。
- 前記クランプ機構がクランプ状態にある場合においても、前記ワークと前記クランプ機構のワーククランプ部との間に隙間を有することを特徴とする請求項1又は2記載のワーク搬送パレット。
- 前記作動機構は、形状記憶合金の熱変形を用いて前記クランプ機構を作動させる機構であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワーク搬送パレット。
- 前記形状記憶合金はワイヤー状の形状記憶合金であることを特徴とする請求項4記載のワーク搬送パレット。
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