JP2004008960A - 有機廃棄物処理方法及び有機廃棄物処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短期間で有機廃棄物をコンポスト化することが可能であり、投入される有機廃棄物の種類を問わず完熟コンポストを製造することが可能な有機廃棄物処理技術を提供する。
【解決手段】発酵処理槽2内に貯留された有機廃棄物2aの内部に循環空気を供給し、有機廃棄物2aの内部を循環空気を通過させた後、有機廃棄物2aの上部にある循環空気を好気性微生物が担持された微生物担体が収納された脱臭室4,5を通過させ、脱臭室4,5を通過させた循環空気を、微生物担体に担持された好気性微生物とともに有機廃棄物2aの下部に循環させることにより、有機廃棄物2aに好気性微生物を着床させる。これにより、有機廃棄物2aの好気性発酵を促進させコンポスト化させる。
【選択図】図1
【解決手段】発酵処理槽2内に貯留された有機廃棄物2aの内部に循環空気を供給し、有機廃棄物2aの内部を循環空気を通過させた後、有機廃棄物2aの上部にある循環空気を好気性微生物が担持された微生物担体が収納された脱臭室4,5を通過させ、脱臭室4,5を通過させた循環空気を、微生物担体に担持された好気性微生物とともに有機廃棄物2aの下部に循環させることにより、有機廃棄物2aに好気性微生物を着床させる。これにより、有機廃棄物2aの好気性発酵を促進させコンポスト化させる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊事場から出る、野菜・魚介などのくずのような厨芥(家庭厨芥や産業厨芥)、農産物芥、動物糞芥等の生物により生産される有機物を含む廃棄物を好気性発酵によりコンポストに変換するための有機廃棄物処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の好気性発酵により有機廃棄物をコンポスト化する有機廃棄物処理機としては、オガクズのような菌床の中で好気性微生物により有機廃棄物を分解する微生物分解方式のものが知られている。この、微生物分解方式の有機廃棄物処理機は、さらに電動モータの動力で有機廃棄物を攪拌機により攪拌して発酵処理槽内を均一化し、酸素供給を行う攪拌タイプのものと、加温して発酵処理槽内を微生物が働きやすい環境とする加温タイプのもの、及びこれらを組み合わせたタイプのものとが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の攪拌タイプの有機廃棄物処理装置は、投入された有機廃棄物の量が多すぎると、攪拌機に引っかかり、攪拌機が停止するトラブルが生じる場合がある。そのため、発酵処理槽一杯には有機廃棄物を投入することはできず、発酵処理槽内の空間利用に無駄が多いという欠点があった。また、投入された有機廃棄物の量が多すぎると、有機廃棄物の分解が追いつかないため、完熟コンポストに変化しないという欠点があった。
【0004】
また、有機廃棄物処理装置の発酵処理槽内に同一の種類の有機廃棄物ばかりを投入し続けると、発酵処理槽内に投入された有機廃棄物内に存在する各種の好気性微生物の菌のバランスが崩れ、有機廃棄物の発酵に支障が生じる。すなわち、本来、発酵処理槽内にバランスよく多種の好気性微生物が存在し、バランスを保つことで有効に有機物を分解していたところに、同一の有機物ばかりを投入すると、ある特定の種類の好気性微生物が増殖し、他の好気性微生物は減少又は消滅するため、好気性微生物の分布のバランスが壊れる。このように、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じるという欠点があった。
【0005】
また、発酵処理槽に投入された有機廃棄物を攪拌するために充分な動力を発生する為のモータが必要となる。一方、コンポスト化反応においては、メチルメルカプタンなどの硫黄化合物、メチルアミン類などの窒素化合物及び酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸等が生成され悪臭の原因となる。従って、悪臭を取り除くための脱臭装置がさらに別途必要であり、装置が大型化するという欠点があった。
【0006】
また、発酵処理槽内部の攪拌機の羽根を掃除することが必要であるが、比較的複雑な構造を有するため、攪拌機の掃除に労力を要するという欠点があった。
【0007】
また、投入された有機廃棄物を好気性発酵処理するために、好気性微生物が担持された着床材を投入するが、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の水分が多いと、着床材が水分や有機物によって攪拌機に付着し、固まる場合がある。このように、着床材が攪拌機の羽根に付着して固まると、攪拌機のモータに大きな負荷が加わり、安全装置が作動して攪拌機が停止する。また、山芋のように、粘性の大きな有機廃棄物を発酵処理槽に投入した場合、有機廃棄物が攪拌機の羽根に付着して、攪拌機のモータに大きな負荷が加わり、安全装置が作動して攪拌機が停止する。従って、攪拌機の羽根に付着した着床材や粘性の大きな有機廃棄物を除去する作業が必要であり、保守管理に労力を要するという欠点があった。
【0008】
また、ヒータや攪拌機は、電力を多く消費するため、ランニングコストが高いという欠点があった。
【0009】
また、攪拌タイプの有機廃棄物処理機は、発酵処理層の内壁と攪拌機の攪拌羽根との間に何mmかの隙間があるが、この隙間は攪拌羽根により有機廃棄物が直接攪拌されないため、発酵処理層の内壁に付着した有機廃棄物がこの隙間で固まる。特に、発酵処理層の外部から加温する場合、加温によって発酵処理層の内壁に付着した有機廃棄物が固まりやすくなることから、特に攪拌羽根と発酵処理層の内壁との隙間に固化した有機廃棄物の塊ができやすい。このように、発酵処理層の内壁に、固化した有機廃棄物の塊ができると、攪拌羽根に大きな負荷がかかるようになり、トラブルを生じる原因となるという欠点があった。
【0010】
また、誤ってナイフやフォークのような金属類が発酵処理槽に投入された場合、攪拌機の攪拌羽根を傷つけ、故障の原因となるという欠点があった。
【0011】
本発明は、上記従来の有機廃棄物処理技術の欠点を取り除くためになされたものであって、その目的とするところは、短期間で有機廃棄物をコンポスト化することが可能であり、投入される有機廃棄物の種類を問わず完熟コンポストを製造することが可能な有機廃棄物処理技術を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、発酵処理槽の内部に一杯となるまで有機廃棄物を投入しても、正常に好気性発酵を行い、完熟コンポストを製造することが可能であり、装置の大きさを小型化することにより、小スペースでも装置を設置することが可能であり、発酵処理槽の保守管理が容易であり、電力消費量が少なくランニングコストが低廉であり、装置の故障も生じにくい有機廃棄物処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
要するに、本発明の有機廃棄物処理方法の第1の構成は、有機廃棄物を好気性微生物群によって発酵処理する有機廃棄物処理方法であって、発酵処理槽内に貯留された有機廃棄物の内部に循環空気を供給し、前記有機廃棄物の内部を循環空気を通過させた後、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を好気性微生物が担持された微生物担体が収納された脱臭室を通過させ、前記脱臭室を通過させた循環空気を、前記微生物担体に担持された好気性微生物とともに前記有機廃棄物の下部に循環させることにより、前記有機廃棄物に好気性微生物を着床させることを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0014】
まず、発酵処理槽に投入される有機廃棄物に循環空気を通過させることにより、脱臭室内の微生物担体に担持された好気性微生物が循環空気にのって有機廃棄物内に運ばれ、有機廃棄物に着床する。有機廃棄物は、この着床した好気性微生物や空気中に自然に存在する好気性微生物によって発酵しコンポストに転換される。また、発酵処理槽の内部で有機廃棄物の発酵により発生するメチルメルカプタンなどの硫黄化合物、メチルアミン類などの窒素化合物及び酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸等の臭気は、循環空気により脱臭室に送られ、脱臭室において脱臭される。また、この臭気物質は、脱臭室の内部の好気性微生物の養分となり、脱臭室内部の好気性微生物が培養される。このように、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物に供給する場合に比べて有機廃棄物の発酵が促進される。従って、有機廃棄物を早期にコンポスト化することが可能となる。
また、一般に、発酵処理槽に投入される有機廃棄物の種類により、その廃棄物の発酵に適した好気性微生物は異なる。しかしながら、発酵処理槽に投入されることが予想される有機廃棄物に適したいくつかの種類の好気性微生物を、微生物担体に予め担持させておくことで、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、投入される有機物の種類を問わず、有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。また、単一の種類の有機廃棄物(例えば、キャベツだけの有機廃棄物等)であっても、有機廃棄物に直接好気性菌を送り込むことで、その有機廃棄物に適合した好気性微生物が繁殖する。そのため、好気性微生物のバランスが崩れて有機廃棄物の発酵に支障を生じるというようなことがなくなる。すなわち、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じることが防止される。従って、投入する有機廃棄物を単一の種類のものにしてはならないという制限がなくなる。また、常に安定して完熟コンポストを生成することが可能となる。
さらに、循環空気を循環させることで、有機廃棄物の内部には常に酸素が供給されるため、嫌気性発酵が起こることが抑制される。
【0015】
ここで、「好気性微生物」とは、好気条件で有機物を分解し、有機廃棄物の発酵を促進する微生物をいい、例えば、藻類、酵母、糸状菌(カビ)などの真核生物や、細菌、ラン藻、放線菌などの原核生物がある。具体的には、Galactomyces geotrichum等がある。
【0016】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第2の構成は、前記第1の構成において、前記発酵処理槽内の温度を検出し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始することを特徴としたものである。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0017】
発酵処理槽の有機廃棄物の発酵が加速すると、好気性菌の発生する熱により発酵処理槽内部の温度が上昇する。この発酵熱により、発酵処理槽の内部温度が所定の閾値T1以上になった場合、循環空気の循環を停止する。循環空気の循環を停止すると、有機廃棄物への酸素の供給が停止されるため、好気性菌の活動が抑えられ、発酵熱が減少し、発酵処理槽の内部温度が低下する。これにより、発酵処理槽の内部温度が、好気性菌の活動に適した温度範囲を超えて上昇することが防止される。逆に、発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始する。これにより、有機廃棄物の内部の好気性菌の活動が活性化されるとともに、循環空気の供給とともに新たに有機廃棄物に好気性微生物が供給されるため、好気性微生物の活動が活発となり、発酵処理槽の内部の温度が上昇する。そのため、発酵処理槽の内部温度が、好気性菌の活動に適した温度範囲よりも低下することが防止される。このように、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができる。従って、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができる。
【0018】
ここで、「所定の閾値T1」及び「所定の閾値T2」は、特に温度を特定するものではないが、実際には好気性微生物の生育に適した温度範囲に設定される。具体的には、経験的に、好気性微生物の活動がもっとも活性化される温度は約42℃であるため、「所定の閾値T1」及び「所定の閾値T2」を42℃程度に設定するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記脱臭室に吐出口が接続された送風機により、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を吸引することで、前記循環空気を循環させることを特徴とする。
【0020】
この構成により、発酵処理槽内部の循環空気を送風機により吸引排気して循環空気を循環させることで、発酵処理槽の内部は常に負圧状態(大気圧よりも低い状態)に保たれる。従って、発酵処理槽の内部の循環空気が発酵処理槽の外部に漏洩することが防止され、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止される。
【0021】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第4の構成は、前記第1乃至第3何れか一の構成において、前記循環空気を循環させる過程で除湿することを特徴とする。
【0022】
この構成により、発酵処理槽の内部の有機廃棄物が水分過剰な状態にある場合でも、循環させる循環空気を除湿することで、有機廃棄物の水分を減少させ、好気性発酵に適した水分まで低下させることができる。そのため、水分過剰な状態が持続することによって、発酵処理槽の内部で嫌気性発酵が生じることが防止される。
【0023】
本発明の有機廃棄物処理装置の第1の構成は、投入された有機廃棄物を貯留し好気性微生物群によって発酵処理する発酵処理槽と、好気性微生物が担持された微生物担体が収容された脱臭室と、前記発酵処理槽と前記脱臭室とを連通する給気路及び排気路と、前記発酵処理槽から前記脱臭室へ前記排気路を通じて循環空気を送風するとともに、前記脱臭室から前記発酵処理槽内の有機廃棄物へ前記給気路を通じて循環空気を送風することで、循環空気を循環させる送風機と、を備えたことを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0024】
まず、送風機により、給気路及び排気路を通じて、脱臭室と発酵処理槽の間で循環空気を循環させることにより、脱臭室内部の微生物担体に担持された好気性微生物が、循環空気により発酵処理槽に気流搬送される。そして、発酵処理槽の内部に貯留された有機廃棄物に好気性微生物が着床する。有機廃棄物は、この着床した好気性微生物や空気中に自然に存在する好気性微生物によって発酵しコンポストに転換される。発酵に必要な酸素は、循環空気の循環によって供給される。
従って、発酵処理槽に投入されることが予想される有機廃棄物に適するいくつかの種類の好気性微生物を、微生物担体に予め担持させておくことで、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、有機廃棄物の種類を問わず有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。
また、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物に供給する場合に比べて有機廃棄物の発酵が促進される。それに加えて、循環空気により有機廃棄物内に気流を作ることで、有機廃棄物内部の好気性微生物は常に酸素に暴気されるため、好気性微生物の活動が活性化される。従って、有機廃棄物を早期にコンポスト化することが可能となる。
また、有機廃棄物の発酵により発生する臭気を含む循環空気は、排気路を通じて脱臭室へ送風され、脱臭室において好気性微生物の働きによって脱臭される。従って、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられる。
また、気流搬送により有機廃棄物に好気性微生物が継続的に供給されるため、単一の種類の有機廃棄物が発酵処理槽に投入された場合であっても、その有機廃棄物に適合した好気性微生物が繁殖し、好気性微生物のバランスが崩れて有機廃棄物の発酵に支障を生じるというようなことがなくなる。すなわち、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じることが防止される。
更に、攪拌機を必要としないため、有機廃棄物が貯留される発酵処理槽の内部の構造が単純となり、発酵処理槽内部の掃除が容易となる。また、発酵処理槽の内部には機械的に動く部分がないため、有機廃棄物が引っかかったり、発酵処理層の内壁に有機廃棄物が付着して固化したりすることにより故障することもない。従って、メンテナンス性に優れる。また、有機廃棄物を攪拌したり加熱したりせず、循環空気を循環させるだけであるため、電力消費が少なく、ランニングコストも低い。また、脱臭室が、発酵処理槽で発生する臭気を除去する機能と、発酵処理槽に好気性微生物を供給する機能の双方を兼ね備えているため、コンパクトに構成することができる。更に、脱臭室には高価な白金触媒等を使用せず、好気性微生物が担持された微生物担体を使用しているため、低廉なコストで製造することができる。また、攪拌を行わないため、発酵処理槽が一杯となるまで有機廃棄物を投入しても、動作に支障を来すことがない。そのため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽を小型化することが可能となる。
【0025】
ここで、「発酵処理槽」とは、有機廃棄物の好気性発酵を行う為の中空容器をいう。「脱臭室」とは、循環空気の脱臭を行うための槽をいう。「微生物担体」とは、好気性微生物を担持するものをいい、「微生物担体」としては、例えば、バーク剤、パーライト、ゼオライト等が使用される。「給気路」とは、脱臭室から発酵処理槽へ循環空気を給気する経路をいい、具体的には、例えば、脱臭室と発酵処理槽とを接続する管(給気管)により構成される。また、「給気路」は、発酵処理槽の内部に投入された有機廃棄物の内部に循環空気を供給する必要があるため、給気路の循環空気の吐出口は、発酵処理槽の底部又は底部近傍に配置されていることが必要とされる。「排気路」とは、発酵処理槽から脱臭室へ循環空気を排気する経路をいい、具体的には、例えば、脱臭室と発酵処理槽とを接続する管(排気管)により構成される。発酵処理槽の内部における排気路の吸気口の配置は特に限定されるものではないが、発酵処理槽に一杯に有機廃棄物が投入された場合においても発酵処理槽の内部での循環空気の流れを良好とするため、発酵処理槽の上部又は上部近傍に配置されていることが好ましい。「送風機」が配置される位置については、特に限定するものではなく、給気路又は排気路の経路上の何れかの位置に配置される。
【0026】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記発酵処理槽の内部の温度を検出する温度検出手段と、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始する循環空気制御手段と、を備えたことを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0027】
循環空気を発酵処理槽の内部に循環させると、好気性微生物による有機廃棄物の分解が進行し、発酵熱により発酵処理槽の内部の温度が上昇する。循環空気制御手段は、温度検出手段が検出する温度が所定の閾値T1以上となった場合、循環空気の循環を停止して循環空気の循環を停止する。循環空気の循環が停止されると、発酵処理槽の内部の好気性微生物への酸素の供給がなくなるため、好気性微生物の活動は抑制され、発酵処理槽の内部の温度は低下する。また、循環空気制御手段は、温度検出手段が検出する温度が所定の閾値T2以下となった場合、循環空気の循環を再開して循環空気の循環を開始する。循環空気の循環が再開されると、好気性微生物に酸素が供給されるとともに、有機廃棄物に新たに好気性微生物が供給されるため、再び好気性微生物は活性化され、発酵熱により発酵処理槽の内部温度は上昇する。このように、循環空気制御手段による循環空気の制御により、発酵処理槽の内部温度は常にある一定の温度範囲に維持される。従って、所定の閾値T1,T2を、好気性微生物の活動に最も適した温度範囲に設定しておくことにより、発酵処理槽の内部温度は常に好気性微生物の活動に最も適した温度に保たれ、有機廃棄物のコンポスト化が促進される。
【0028】
ここで、「温度検出手段」としては、サーモスタット等の温度センサや熱電素子等が使用される。「循環空気制御手段」としては、マイコン、電源回路、送風機を駆動するためのインバータ回路等で構成される制御回路により構成される。
【0029】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記排気路は、前記脱臭室に吐出口が接続された前記送風機が備えられており、前記発酵処理槽内の有機廃棄物の上部の循環空気を前記脱臭室に吸引排気することを特徴とする。
【0030】
この構成により、発酵処理槽内部の循環空気を送風機により吸引排気して、送風機の吐出口を脱臭室に接続することで、発酵処理槽の内部は常に負圧状態(大気圧よりも低い状態)に保たれる。従って、発酵処理槽の内部の循環空気は、発酵処理槽から脱臭室の間の区間において外部に漏洩することが防止され、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止される。
【0031】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第4の構成は、前記第1乃至第3の何れか一の構成において、前記脱臭室及び前記送風機を収容するコントロールボックスを備え、前記発酵処理槽は、前記コントロールボックスと分離して形成され、前記給気路及び前記排気路により接続されていることを特徴とする。
【0032】
このように、コントロールボックスと発酵処理槽を分離して構成したことにより、発酵処理槽を交換するだけで、有機廃棄物の処理能力を自由に変更することが可能となる。
【0033】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第5の構成は、前記第1乃至第4の何れか一の構成において、前記発酵処理槽から排気された循環空気の脱水を行う脱水室を備えたことを特徴とする。
【0034】
この構成により、脱水槽において循環空気に含まれる水分が除去されることで、有機廃棄物の乾燥を即すことができる。従って、有機廃棄物の水分が過剰であることにより生じる嫌気性発酵を抑えることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機廃棄物処理装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態に係る有機廃棄物処理装置の構成図である。
図1において、本実施の形態の有機廃棄物処理装置1は、投入された有機廃棄物2aを貯留し好気性微生物群によって発酵処理する発酵処理槽2と、発酵処理槽2の内部の有機廃棄物の発酵状態を制御するコントロールボックス3とを有している。
【0036】
発酵処理槽2の天井部は、長方形平板状の床部2bに平行な長方形の中央天井部2cと、長方形天井部2cの両側に傾斜状に設けられた長方形の傾斜天井部2d,2eからなる。傾斜天井部2dには、有機廃棄物を投入するための長方形の投入口2fが設けられており、投入口2fには、気密性の開閉蓋2gが開閉自在に取り付けられている。また、発酵処理槽2の床部2b付近の側壁には、発酵処理槽2の内部に貯留する水分を排水するための排水管2hが設けられている。排水管2hには、開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことで、発酵処理槽2の内部の水分を排水することができる。
【0037】
コントロールボックス3の内部には、好気性微生物が担持された微生物担体が収容された2つの脱臭室4,5が設けられており、発酵処理槽2と脱臭室5とは給気管6で連通されており、発酵処理槽2と脱臭室4とは排気管7a,7b,7cを介して連通されている。
【0038】
脱臭室4,5に収容されている微生物担体は、木皮(バーク)材、ゼオライト、パーライト等を主要成分として配合した担体が使用されている。
【0039】
また、コントロールボックス3の内部の排気管7aと排気管7bとの間には、脱水槽8が設けられており、また、コントロールボックス3の内部の排気管7bと排気管7cとの間には、2つの送風機9,10が設けられている。この送風機9,10は、発酵処理槽2から脱臭室4,5へ排気路7a,7b,7cを通じて循環空気を送風するとともに、脱臭室4,5から発酵処理槽2内の有機廃棄物2aへ給気路6を通じて循環空気を送風することで、循環空気を循環させる。また、脱臭室4の上流側(循環空気の流れの方向に対する上流側をいう。以下同様。)には、気圧調整室11が設けられており、脱臭室4と脱臭室5の間にも気圧調整室12が設けられている。気圧調整室11は、排気管7cから流入する循環空気を脱臭室4の送入側から一様に送入するために設けられている空間であり、気圧調整室12は、脱臭室4,5に加わる差圧を分圧し、循環空気の流れをスムーズにするために設けられている空間である。
【0040】
脱水槽8は、発酵処理槽2から排気された循環空気の脱水を行う槽であり、床部に突設された仕切板8aにより隔てられた前室8b及び後室8cとからなる。前室8bと後室8cとは、上部で連通している。前室8bの上部には排気管7aの下流側(循環空気の流れの方向に対する下流側をいう。以下同様。)端部が下方に向けて開口しており、発酵処理槽8から送風される湿った循環空気は前室8bで脱水される。すなわち、水蒸気を多く含んだ循環空気は、前室8bの内壁に吹き付けられる。前室8bの内壁は自然冷却により冷たいため、循環空気に含まれる水蒸気は、前室8bの内壁表面で水滴となる。これによって、循環空気の脱水がされる。なお、ここでいう脱水とは、完全な脱水を意味するものではなく、ある程度湿度を低下させるという程の意味である。一方、後室8cの上部には排気管7bの上流側端部が下方に向けて開口している。従って、前室8bで脱水された循環空気は後室8cを通って、排気管7bへ排気される。前室8bの底部には開閉弁を備えた排水管8dが設けられており、この排水管8dの開閉弁を開けることにより前室8b内の水を排水することができる。
【0041】
給気管6の下流側端部は、発酵処理槽2の底部付近で、複数の枝管6a〜6fに分岐しており、各枝管6a〜6fの側面には、複数の吸気口が設けられている。給気管6から供給される循環空気は、これらの枝管6a〜6fの側面の吸気口から有機廃棄物2aの内部に噴射される。また、枝管6a,6bは、枝管6c〜6fよりも高い位置となるように、各枝管は段差をつけて配設されている。このように、段差をつけて枝管を配設したことで、有機廃棄物2aの内部に満遍なく循環空気を供給することができる。
【0042】
一方、排気管7aの上流側端部は、発酵処理槽2の中央天井部2cの付近に配設されており、2つの枝管7d,7eに分岐している。これらの枝管7d,7eの側面には複数の排気口が開口しており、発酵処理槽2内の中央天井部2c付近の循環空気を排気管7aへ排気する。
【0043】
送風機9,10の吐出口は、排気管7c及び気圧調整室11を介して脱臭室4に接続されており、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上部の循環空気を脱臭室4に吸引排気する。このように構成することで、発酵処理槽2の内部は負圧状態となるため、発酵処理槽2の内部の臭気が外部に漏れ出すことが防止される。
【0044】
発酵処理槽2の内部の床部2b付近には、温度センサ13が配設されている。この温度センサ13は、発酵処理槽2の内部の温度を検出する。温度センサ13は、コントロールボックス3内に設けられた循環空気制御手段である制御回路14に接続されている。この制御回路14は、発酵処理槽2内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には循環空気の循環を停止し、発酵処理槽2内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には循環空気の循環を開始するような制御を行う。なお、所定の閾値T1,T2は自由に設定することが可能であるが、好気性微生物が最も活動する温度範囲内に設定される。ここでは、T1=T2=42℃に設定されているとする。
【0045】
なお、給気管6及び排気管7aは、発酵処理槽2の下部の接続部分6’,7a’で切り離し可能に接続されている。従って、目的に応じて、発酵処理槽2を大きさの異なる発酵処理槽と交換することができる。
【0046】
以上のように構成された本発明の一実施の形態における有機廃棄物処理装置において、以下その有機廃棄物処理方法について説明する。
【0047】
まず、発酵処理槽2の開閉蓋2gを開けて、発酵処理槽2の内部に残渣等の有機廃棄物2aが投入されて貯留される。有機廃棄物2aが投入されると、発酵処理槽2の開閉蓋2gを閉める。開閉蓋2gを閉めると、発酵処理槽2の内部は気密状態とされる。
【0048】
有機廃棄物2aが投入された直後は、発酵処理槽2の内部温度は所定の閾値T1以下である。制御回路14は、温度センサ13により発酵処理槽2の槽内温度Tを検出すると、閾値T1と比較して、槽内温度Tが閾値T1以下であるため、送風機9,10を起動する。送風機9,10が起動されると、脱臭室4,5内の循環空気は、給気管6を通って発酵処理槽2の内部へ送風される。このとき、脱臭室4,5の中の微生物担体に担持された好気性微生物の一部が、循環空気によって発酵処理槽2の内部に気流搬送される。
【0049】
発酵処理槽2の内部においては、循環空気は枝管6a〜6fより槽内に噴射される。このとき、枝管6a,6bは枝管6c〜6fよりも上方位置に設けられており、各枝管6a〜6fは平面視で互いに重ならない位置に配置され、かつ、発酵処理槽2の床部2b全体にわたりほぼ等間隔に配置されている。そのため、循環空気は発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの内部にほぼ均等に供給される。
【0050】
尚、この際、枝管6c〜6fの噴射口が有機廃棄物2aや有機廃棄物2aから滲みだした水により閉塞しないようにするため、発酵処理槽2の床部2bに、各枝管6c〜6fが埋まる厚さに木製チップを敷きつめておいてもよい。このように木製チップを敷きつめておくと、枝管6c〜6fの噴射口が有機廃棄物2aにより閉塞されることは防止されるとともに、有機廃棄物2aから滲みだした水は木製チップに吸収され、枝管6c〜6fの噴射口がこの水により閉塞されることも防止される。また、このように敷きつめられた木製チップは、発酵処理層2の内部の水分を吸収することで、発酵処理層2の内部の湿度を低下させ、余分な水分が循環空気とともに排気されるのを抑制する作用も有する。
【0051】
循環空気は有機廃棄物2aの内部を通過し、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間に流れ出る。この際、循環空気によって気流搬送された好気性微生物は、有機廃棄物2aに着床する。そして、循環空気によって供給される酸素を利用して、有機廃棄物2aを好気性発酵により分解する。この好気性発酵により有機廃棄物2aの温度は上昇し、発酵処理槽2の槽内温度は上昇する。同時に、これにより有機廃棄物2aに含まれる水分は蒸発し、有機廃棄物2aの乾燥が進む。
【0052】
ここで、脱臭室4,5の微生物担体には、発酵処理槽8に投入されることが予想される有機廃棄物に適するいくつかの種類の好気性微生物を予め担持させておく。こうすることにより、発酵処理槽8に投入された有機廃棄物2aの種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進むため、有機廃棄物2aの種類を問わず有機廃棄物2aを効率よくコンポストに転換することができる。
【0053】
また、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物2aに気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物2aに継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物2aに供給する場合に比べて有機廃棄物2aの発酵が促進される。それに加えて、循環空気により有機廃棄物2a内に気流を作ることで、有機廃棄物2a内部の好気性微生物は常に酸素に暴気されるため、好気性微生物の活動が活性化される。従って、有機廃棄物2aを早期にコンポスト化することが可能となる。
【0054】
また、気流搬送により有機廃棄物2aに好気性微生物が継続的に供給されるため、単一の種類の有機廃棄物2aが発酵処理槽8に投入された場合であっても、その有機廃棄物2aに適合した好気性微生物が繁殖する。そのため、各種好気性微生物の数のバランスが崩れて、悪臭が発生したり、有機廃棄物2aの分解が悪くなったりして、発酵に支障を生じるというようなことが防止される。
【0055】
発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間に流出した循環空気は、排気管7aの上流側端部にある枝管7d,7eの排気口から排気管7aへ排気される。このとき、有機廃棄物2aから蒸発した水分も排出される。尚、有機廃棄物から蒸発した水分の一部は、発酵処理槽2の天井部の壁面で冷却され凝集して水滴となるが、天井部の両側の傾斜天井部2d,2eの部分が傾斜面状に形成されているため、水滴は、この傾斜面下部を伝って下方に流れ落ちる。
【0056】
排気管7aに排気された循環空気は、脱水槽8の前室8bに流入し、ここで脱水が行われる。
【0057】
このように、循環空気を脱水することにより、発酵処理槽2の内部の有機廃棄物2aの乾燥が促進される。一般に、有機廃棄物の好気性発酵に適した含水率は60重量%程度であるが、投入される有機廃棄物の含水率は80%以上である場合が多い。従って、嫌気性発酵が生じるのを避けるためには、この有機廃棄物2aの含水率を下げる必要がある。従って、脱水槽8で循環空気を脱水し、有機廃棄物2aの乾燥を促すことで、嫌気性発酵を抑制し、好気性発酵の最適条件に近づけることが可能となる。尚、発酵処理層2の内部に溜まった水は、脱水処理層2の下部に設けられた排水管2hの弁を開くことで、適宜排水することもできる。従って、排水管2hから排水することにより発酵処理層2の内部の乾燥を促進させることもできる。
【0058】
脱水槽8で脱水された循環空気は、脱水槽8の前室8cから排気管7bを通って送風機9,10に送られ、さらに送風機9,10から排気管7c及び気圧調整室11を通って脱臭室4に戻される。
【0059】
ここで、脱臭室4,5は一定の気流抵抗を持っており、また発酵処理槽2内の有機廃棄物2aも循環空気の気流抵抗となるため、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間は、送風機9,10の空気吸引によって負圧状態となる。従って、好気性発酵の際に発生する発酵処理槽2の内部の臭気が、発酵処理槽2の外に漏れ出すことが防止される。
【0060】
また、有機廃棄物2aの発酵により発生する臭気を含む循環空気は、脱臭室4,5において好気性微生物の働きによって脱臭される。従って、循環空気は脱臭され、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられる。
【0061】
好気性発酵が進行すると、発酵熱により発酵処理槽2の槽内温度は上昇する。発酵処理槽2の槽内温度が所定の閾値T1以上となると、制御回路14は、送風機9,10の送風を停止させる。これにより、循環空気の循環が停止し、有機廃棄物2aへの酸素及び好気性微生物の供給が停止される。酸素供給が停止されると、有機廃棄物2a内の好気性微生物の活動が抑えられ、発酵熱の発生も抑えられる。このため、発酵処理槽2の槽内温度も低下する。発酵処理槽2の槽内温度が所定の閾値T2以下まで低下すると、制御回路14は、再び送風機9,10の運転を再開する。これにより、有機廃棄物2aには酸素及び好気性微生物が供給され始める。従って、有機廃棄物2a内の好気性微生物の活動は活性化され、再び発酵熱により発酵処理槽2の内部温度は上昇する。
【0062】
このように、制御回路14による循環空気の送風制御によって、発酵処理槽2の内部温度は常に温度T1,T2の付近に保たれる。ここでは、温度T1,T2は42℃に設定されているため、発酵処理槽2の槽内温度は常に42℃程度に保たれることになる。このように、発酵処理槽2の槽内温度が好気性微生物の活動が最も活性化される温度に維持されるため、有機廃棄物2aの好気性発酵が促進され、有機廃棄物2aは早期に完熟コンポストに変換される。
【0063】
また、本実施の形態の有機廃棄物処理装置においては、攪拌機を用いず、循環空気の送風のみにより好気性発酵を行う構成としているため、有機廃棄物2aが貯留される発酵処理槽2の内部の構造が単純となり、発酵処理槽2内部の掃除が容易となる。すなわち、発酵処理槽2の内部は、床部2b付近に給気管6及びその枝管6a〜6f、並びに排気管7a及びその枝管7e,7dが配管されているだけであり、槽内構造は単純なため、掃除は極めて容易となる。また、発酵処理槽2の内部には機械的に動く部分がないため、有機廃棄物2aが引っかかったりするというような故障もない。従って、メンテナンス性に優れる。
【0064】
また、有機廃棄物2aを攪拌したり加熱したりせず、循環空気を循環させるだけであるため、電力消費が少なく、ランニングコストも低い。すなわち、有機廃棄物処理装置1を駆動するために電力を消費する部分は、送風機9,10及び制御回路14のみであり、攪拌機を運転する消費電力やヒータで加熱する際の消費電力に比べると格段に低い。従って、ランニングコストが低く、経済的な運転ができる。
【0065】
また、脱臭室4,5が、発酵処理槽8で発生する臭気を除去する機能と、発酵処理槽8に好気性微生物を供給する機能の双方を兼ね備えているため、コンパクトに構成することができる。すなわち、従来の攪拌タイプの有機廃棄物処理機のように、攪拌機に加えて脱臭機を備える必要がある場合に比べると、装置を小型化することができる。更に、脱臭室4,5には高価な白金触媒等を使用せず、好気性微生物が担持された微生物担体を使用しているため、低廉なコストで製造することができる。
【0066】
また、攪拌を行わないため、発酵処理槽8が一杯となるまで有機廃棄物2aを投入しても、動作に支障を来すことがないため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽8を小型化することが可能となる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明の有機廃棄物処理方法の第1の構成によれば、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、有機廃棄物を早期にコンポスト化することができる。これにより、有機廃棄物の処理の効率化が図られ、有機廃棄物を貯留するのに広い場所を要しなくてもすむ。また、循環空気を循環させることで、嫌気性発酵が生じることが防止され、完熟コンポストを安定して生成することができる。
また、循環空気により有機廃棄物内に継続して酸素を供給することで、嫌気性発酵が抑制され、有機物の分解過程で生じる不完全な酸化物の量を抑えることができる。
【0068】
本発明の有機廃棄物処理方法の第2の構成によれば、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができるため、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができるようになる。
【0069】
本発明の有機廃棄物処理方法の第3の構成によれば、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止されるため、悪臭による環境悪化を防止することが可能となる。
【0070】
本発明の有機廃棄物処理方法の第4の構成によれば、水分過剰な状態が持続することによって、発酵処理槽の内部で嫌気性発酵が生じることが防止されるため、発酵処理槽の内部の有機廃棄物を安定してコンポスト化することが可能となる。
【0071】
本発明の有機廃棄物処理装置の第1の構成によれば、循環空気による気流搬送によって、脱臭室から発酵処理槽へ好気性微生物が供給されるため、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、投入された有機物の種類を問わず、完熟コンポストを製造することが可能となる。また、同時に、循環空気の循環により、有機廃棄物の内部の好気性微生物の活動が活性化され、有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。そのため、有機廃棄物を攪拌しなくても充分に発酵を促進することができ、有機廃棄物を攪拌する攪拌装置を必要としない。従って、装置の消費電力が少なく、ランニングコストも低く抑えることができる。また、発酵処理槽の内部に機械的動作を行う部分がないため、構造が簡単であり、保守管理も容易となる。さらに、発酵処理槽が一杯となるまで有機廃棄物を投入して発酵処理することが可能であるため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽を小型化することが可能となる。また、脱臭室は、循環空気の脱臭と、発酵処理槽への好気性微生物の貯留槽との双方の機能を兼ね備えている。従って、装置をコンパクトに構成することができ、小スペースでも装置を設置することが可能となる。また、循環空気を発酵処理槽と脱臭室との間を循環させることにより、循環空気の脱臭が行われるため、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられ、不快臭気の抑制された有機廃棄物処理装置を提供することができる。
【0072】
本発明の有機廃棄物処理装置の第2の構成によれば、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができるため、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができるようになる。従って、有機廃棄物の処理サイクルが短縮されるため、有機廃棄物処理装置の処理能力を向上させることができる。
【0073】
本発明の有機廃棄物処理装置の第3の構成によれば、発酵処理槽からの臭気の漏洩が防止されるため、有機廃棄物処理装置の周囲の環境が臭気により汚染されることが防止される。
【0074】
本発明の有機廃棄物処理装置の第4の構成によれば、有機廃棄物の処理能力を自由に変更することが可能な有機廃棄物処理装置を提供することができる。
【0075】
本発明の有機廃棄物処理装置の第5の構成によれば、嫌気性発酵を抑えることが可能となるため、良質のコンポストを安定して生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る有機廃棄物処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1 有機廃棄物処理装置
2 発酵処理槽
2a 有機廃棄物
2b 床部
2c 中央天井部
2d,2e 傾斜天井部
2f 投入口
2g 開閉蓋
2h 排水管
3 コントロールボックス
4,5 脱臭室
6 給気管
6a〜6f 枝管
7a,7b,7c 排気管
7d,7e 枝管
8 脱水槽
8a 仕切板
8b 前室
8c 後室
8d 排水管
9,10 送風機
11,12 気圧調整室
13 温度センサ
14 制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊事場から出る、野菜・魚介などのくずのような厨芥(家庭厨芥や産業厨芥)、農産物芥、動物糞芥等の生物により生産される有機物を含む廃棄物を好気性発酵によりコンポストに変換するための有機廃棄物処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の好気性発酵により有機廃棄物をコンポスト化する有機廃棄物処理機としては、オガクズのような菌床の中で好気性微生物により有機廃棄物を分解する微生物分解方式のものが知られている。この、微生物分解方式の有機廃棄物処理機は、さらに電動モータの動力で有機廃棄物を攪拌機により攪拌して発酵処理槽内を均一化し、酸素供給を行う攪拌タイプのものと、加温して発酵処理槽内を微生物が働きやすい環境とする加温タイプのもの、及びこれらを組み合わせたタイプのものとが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の攪拌タイプの有機廃棄物処理装置は、投入された有機廃棄物の量が多すぎると、攪拌機に引っかかり、攪拌機が停止するトラブルが生じる場合がある。そのため、発酵処理槽一杯には有機廃棄物を投入することはできず、発酵処理槽内の空間利用に無駄が多いという欠点があった。また、投入された有機廃棄物の量が多すぎると、有機廃棄物の分解が追いつかないため、完熟コンポストに変化しないという欠点があった。
【0004】
また、有機廃棄物処理装置の発酵処理槽内に同一の種類の有機廃棄物ばかりを投入し続けると、発酵処理槽内に投入された有機廃棄物内に存在する各種の好気性微生物の菌のバランスが崩れ、有機廃棄物の発酵に支障が生じる。すなわち、本来、発酵処理槽内にバランスよく多種の好気性微生物が存在し、バランスを保つことで有効に有機物を分解していたところに、同一の有機物ばかりを投入すると、ある特定の種類の好気性微生物が増殖し、他の好気性微生物は減少又は消滅するため、好気性微生物の分布のバランスが壊れる。このように、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じるという欠点があった。
【0005】
また、発酵処理槽に投入された有機廃棄物を攪拌するために充分な動力を発生する為のモータが必要となる。一方、コンポスト化反応においては、メチルメルカプタンなどの硫黄化合物、メチルアミン類などの窒素化合物及び酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸等が生成され悪臭の原因となる。従って、悪臭を取り除くための脱臭装置がさらに別途必要であり、装置が大型化するという欠点があった。
【0006】
また、発酵処理槽内部の攪拌機の羽根を掃除することが必要であるが、比較的複雑な構造を有するため、攪拌機の掃除に労力を要するという欠点があった。
【0007】
また、投入された有機廃棄物を好気性発酵処理するために、好気性微生物が担持された着床材を投入するが、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の水分が多いと、着床材が水分や有機物によって攪拌機に付着し、固まる場合がある。このように、着床材が攪拌機の羽根に付着して固まると、攪拌機のモータに大きな負荷が加わり、安全装置が作動して攪拌機が停止する。また、山芋のように、粘性の大きな有機廃棄物を発酵処理槽に投入した場合、有機廃棄物が攪拌機の羽根に付着して、攪拌機のモータに大きな負荷が加わり、安全装置が作動して攪拌機が停止する。従って、攪拌機の羽根に付着した着床材や粘性の大きな有機廃棄物を除去する作業が必要であり、保守管理に労力を要するという欠点があった。
【0008】
また、ヒータや攪拌機は、電力を多く消費するため、ランニングコストが高いという欠点があった。
【0009】
また、攪拌タイプの有機廃棄物処理機は、発酵処理層の内壁と攪拌機の攪拌羽根との間に何mmかの隙間があるが、この隙間は攪拌羽根により有機廃棄物が直接攪拌されないため、発酵処理層の内壁に付着した有機廃棄物がこの隙間で固まる。特に、発酵処理層の外部から加温する場合、加温によって発酵処理層の内壁に付着した有機廃棄物が固まりやすくなることから、特に攪拌羽根と発酵処理層の内壁との隙間に固化した有機廃棄物の塊ができやすい。このように、発酵処理層の内壁に、固化した有機廃棄物の塊ができると、攪拌羽根に大きな負荷がかかるようになり、トラブルを生じる原因となるという欠点があった。
【0010】
また、誤ってナイフやフォークのような金属類が発酵処理槽に投入された場合、攪拌機の攪拌羽根を傷つけ、故障の原因となるという欠点があった。
【0011】
本発明は、上記従来の有機廃棄物処理技術の欠点を取り除くためになされたものであって、その目的とするところは、短期間で有機廃棄物をコンポスト化することが可能であり、投入される有機廃棄物の種類を問わず完熟コンポストを製造することが可能な有機廃棄物処理技術を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、発酵処理槽の内部に一杯となるまで有機廃棄物を投入しても、正常に好気性発酵を行い、完熟コンポストを製造することが可能であり、装置の大きさを小型化することにより、小スペースでも装置を設置することが可能であり、発酵処理槽の保守管理が容易であり、電力消費量が少なくランニングコストが低廉であり、装置の故障も生じにくい有機廃棄物処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
要するに、本発明の有機廃棄物処理方法の第1の構成は、有機廃棄物を好気性微生物群によって発酵処理する有機廃棄物処理方法であって、発酵処理槽内に貯留された有機廃棄物の内部に循環空気を供給し、前記有機廃棄物の内部を循環空気を通過させた後、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を好気性微生物が担持された微生物担体が収納された脱臭室を通過させ、前記脱臭室を通過させた循環空気を、前記微生物担体に担持された好気性微生物とともに前記有機廃棄物の下部に循環させることにより、前記有機廃棄物に好気性微生物を着床させることを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0014】
まず、発酵処理槽に投入される有機廃棄物に循環空気を通過させることにより、脱臭室内の微生物担体に担持された好気性微生物が循環空気にのって有機廃棄物内に運ばれ、有機廃棄物に着床する。有機廃棄物は、この着床した好気性微生物や空気中に自然に存在する好気性微生物によって発酵しコンポストに転換される。また、発酵処理槽の内部で有機廃棄物の発酵により発生するメチルメルカプタンなどの硫黄化合物、メチルアミン類などの窒素化合物及び酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸等の臭気は、循環空気により脱臭室に送られ、脱臭室において脱臭される。また、この臭気物質は、脱臭室の内部の好気性微生物の養分となり、脱臭室内部の好気性微生物が培養される。このように、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物に供給する場合に比べて有機廃棄物の発酵が促進される。従って、有機廃棄物を早期にコンポスト化することが可能となる。
また、一般に、発酵処理槽に投入される有機廃棄物の種類により、その廃棄物の発酵に適した好気性微生物は異なる。しかしながら、発酵処理槽に投入されることが予想される有機廃棄物に適したいくつかの種類の好気性微生物を、微生物担体に予め担持させておくことで、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、投入される有機物の種類を問わず、有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。また、単一の種類の有機廃棄物(例えば、キャベツだけの有機廃棄物等)であっても、有機廃棄物に直接好気性菌を送り込むことで、その有機廃棄物に適合した好気性微生物が繁殖する。そのため、好気性微生物のバランスが崩れて有機廃棄物の発酵に支障を生じるというようなことがなくなる。すなわち、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じることが防止される。従って、投入する有機廃棄物を単一の種類のものにしてはならないという制限がなくなる。また、常に安定して完熟コンポストを生成することが可能となる。
さらに、循環空気を循環させることで、有機廃棄物の内部には常に酸素が供給されるため、嫌気性発酵が起こることが抑制される。
【0015】
ここで、「好気性微生物」とは、好気条件で有機物を分解し、有機廃棄物の発酵を促進する微生物をいい、例えば、藻類、酵母、糸状菌(カビ)などの真核生物や、細菌、ラン藻、放線菌などの原核生物がある。具体的には、Galactomyces geotrichum等がある。
【0016】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第2の構成は、前記第1の構成において、前記発酵処理槽内の温度を検出し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始することを特徴としたものである。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0017】
発酵処理槽の有機廃棄物の発酵が加速すると、好気性菌の発生する熱により発酵処理槽内部の温度が上昇する。この発酵熱により、発酵処理槽の内部温度が所定の閾値T1以上になった場合、循環空気の循環を停止する。循環空気の循環を停止すると、有機廃棄物への酸素の供給が停止されるため、好気性菌の活動が抑えられ、発酵熱が減少し、発酵処理槽の内部温度が低下する。これにより、発酵処理槽の内部温度が、好気性菌の活動に適した温度範囲を超えて上昇することが防止される。逆に、発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始する。これにより、有機廃棄物の内部の好気性菌の活動が活性化されるとともに、循環空気の供給とともに新たに有機廃棄物に好気性微生物が供給されるため、好気性微生物の活動が活発となり、発酵処理槽の内部の温度が上昇する。そのため、発酵処理槽の内部温度が、好気性菌の活動に適した温度範囲よりも低下することが防止される。このように、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができる。従って、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができる。
【0018】
ここで、「所定の閾値T1」及び「所定の閾値T2」は、特に温度を特定するものではないが、実際には好気性微生物の生育に適した温度範囲に設定される。具体的には、経験的に、好気性微生物の活動がもっとも活性化される温度は約42℃であるため、「所定の閾値T1」及び「所定の閾値T2」を42℃程度に設定するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記脱臭室に吐出口が接続された送風機により、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を吸引することで、前記循環空気を循環させることを特徴とする。
【0020】
この構成により、発酵処理槽内部の循環空気を送風機により吸引排気して循環空気を循環させることで、発酵処理槽の内部は常に負圧状態(大気圧よりも低い状態)に保たれる。従って、発酵処理槽の内部の循環空気が発酵処理槽の外部に漏洩することが防止され、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止される。
【0021】
また、本発明の有機廃棄物処理方法の第4の構成は、前記第1乃至第3何れか一の構成において、前記循環空気を循環させる過程で除湿することを特徴とする。
【0022】
この構成により、発酵処理槽の内部の有機廃棄物が水分過剰な状態にある場合でも、循環させる循環空気を除湿することで、有機廃棄物の水分を減少させ、好気性発酵に適した水分まで低下させることができる。そのため、水分過剰な状態が持続することによって、発酵処理槽の内部で嫌気性発酵が生じることが防止される。
【0023】
本発明の有機廃棄物処理装置の第1の構成は、投入された有機廃棄物を貯留し好気性微生物群によって発酵処理する発酵処理槽と、好気性微生物が担持された微生物担体が収容された脱臭室と、前記発酵処理槽と前記脱臭室とを連通する給気路及び排気路と、前記発酵処理槽から前記脱臭室へ前記排気路を通じて循環空気を送風するとともに、前記脱臭室から前記発酵処理槽内の有機廃棄物へ前記給気路を通じて循環空気を送風することで、循環空気を循環させる送風機と、を備えたことを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0024】
まず、送風機により、給気路及び排気路を通じて、脱臭室と発酵処理槽の間で循環空気を循環させることにより、脱臭室内部の微生物担体に担持された好気性微生物が、循環空気により発酵処理槽に気流搬送される。そして、発酵処理槽の内部に貯留された有機廃棄物に好気性微生物が着床する。有機廃棄物は、この着床した好気性微生物や空気中に自然に存在する好気性微生物によって発酵しコンポストに転換される。発酵に必要な酸素は、循環空気の循環によって供給される。
従って、発酵処理槽に投入されることが予想される有機廃棄物に適するいくつかの種類の好気性微生物を、微生物担体に予め担持させておくことで、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、有機廃棄物の種類を問わず有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。
また、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物に供給する場合に比べて有機廃棄物の発酵が促進される。それに加えて、循環空気により有機廃棄物内に気流を作ることで、有機廃棄物内部の好気性微生物は常に酸素に暴気されるため、好気性微生物の活動が活性化される。従って、有機廃棄物を早期にコンポスト化することが可能となる。
また、有機廃棄物の発酵により発生する臭気を含む循環空気は、排気路を通じて脱臭室へ送風され、脱臭室において好気性微生物の働きによって脱臭される。従って、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられる。
また、気流搬送により有機廃棄物に好気性微生物が継続的に供給されるため、単一の種類の有機廃棄物が発酵処理槽に投入された場合であっても、その有機廃棄物に適合した好気性微生物が繁殖し、好気性微生物のバランスが崩れて有機廃棄物の発酵に支障を生じるというようなことがなくなる。すなわち、各種好気性微生物の数のバランスが崩れることにより、悪臭が発生したり有機廃棄物の分解が悪くなったりして、発酵に支障が生じることが防止される。
更に、攪拌機を必要としないため、有機廃棄物が貯留される発酵処理槽の内部の構造が単純となり、発酵処理槽内部の掃除が容易となる。また、発酵処理槽の内部には機械的に動く部分がないため、有機廃棄物が引っかかったり、発酵処理層の内壁に有機廃棄物が付着して固化したりすることにより故障することもない。従って、メンテナンス性に優れる。また、有機廃棄物を攪拌したり加熱したりせず、循環空気を循環させるだけであるため、電力消費が少なく、ランニングコストも低い。また、脱臭室が、発酵処理槽で発生する臭気を除去する機能と、発酵処理槽に好気性微生物を供給する機能の双方を兼ね備えているため、コンパクトに構成することができる。更に、脱臭室には高価な白金触媒等を使用せず、好気性微生物が担持された微生物担体を使用しているため、低廉なコストで製造することができる。また、攪拌を行わないため、発酵処理槽が一杯となるまで有機廃棄物を投入しても、動作に支障を来すことがない。そのため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽を小型化することが可能となる。
【0025】
ここで、「発酵処理槽」とは、有機廃棄物の好気性発酵を行う為の中空容器をいう。「脱臭室」とは、循環空気の脱臭を行うための槽をいう。「微生物担体」とは、好気性微生物を担持するものをいい、「微生物担体」としては、例えば、バーク剤、パーライト、ゼオライト等が使用される。「給気路」とは、脱臭室から発酵処理槽へ循環空気を給気する経路をいい、具体的には、例えば、脱臭室と発酵処理槽とを接続する管(給気管)により構成される。また、「給気路」は、発酵処理槽の内部に投入された有機廃棄物の内部に循環空気を供給する必要があるため、給気路の循環空気の吐出口は、発酵処理槽の底部又は底部近傍に配置されていることが必要とされる。「排気路」とは、発酵処理槽から脱臭室へ循環空気を排気する経路をいい、具体的には、例えば、脱臭室と発酵処理槽とを接続する管(排気管)により構成される。発酵処理槽の内部における排気路の吸気口の配置は特に限定されるものではないが、発酵処理槽に一杯に有機廃棄物が投入された場合においても発酵処理槽の内部での循環空気の流れを良好とするため、発酵処理槽の上部又は上部近傍に配置されていることが好ましい。「送風機」が配置される位置については、特に限定するものではなく、給気路又は排気路の経路上の何れかの位置に配置される。
【0026】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記発酵処理槽の内部の温度を検出する温度検出手段と、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始する循環空気制御手段と、を備えたことを特徴とする。この構成により、以下のような作用が得られる。
【0027】
循環空気を発酵処理槽の内部に循環させると、好気性微生物による有機廃棄物の分解が進行し、発酵熱により発酵処理槽の内部の温度が上昇する。循環空気制御手段は、温度検出手段が検出する温度が所定の閾値T1以上となった場合、循環空気の循環を停止して循環空気の循環を停止する。循環空気の循環が停止されると、発酵処理槽の内部の好気性微生物への酸素の供給がなくなるため、好気性微生物の活動は抑制され、発酵処理槽の内部の温度は低下する。また、循環空気制御手段は、温度検出手段が検出する温度が所定の閾値T2以下となった場合、循環空気の循環を再開して循環空気の循環を開始する。循環空気の循環が再開されると、好気性微生物に酸素が供給されるとともに、有機廃棄物に新たに好気性微生物が供給されるため、再び好気性微生物は活性化され、発酵熱により発酵処理槽の内部温度は上昇する。このように、循環空気制御手段による循環空気の制御により、発酵処理槽の内部温度は常にある一定の温度範囲に維持される。従って、所定の閾値T1,T2を、好気性微生物の活動に最も適した温度範囲に設定しておくことにより、発酵処理槽の内部温度は常に好気性微生物の活動に最も適した温度に保たれ、有機廃棄物のコンポスト化が促進される。
【0028】
ここで、「温度検出手段」としては、サーモスタット等の温度センサや熱電素子等が使用される。「循環空気制御手段」としては、マイコン、電源回路、送風機を駆動するためのインバータ回路等で構成される制御回路により構成される。
【0029】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記排気路は、前記脱臭室に吐出口が接続された前記送風機が備えられており、前記発酵処理槽内の有機廃棄物の上部の循環空気を前記脱臭室に吸引排気することを特徴とする。
【0030】
この構成により、発酵処理槽内部の循環空気を送風機により吸引排気して、送風機の吐出口を脱臭室に接続することで、発酵処理槽の内部は常に負圧状態(大気圧よりも低い状態)に保たれる。従って、発酵処理槽の内部の循環空気は、発酵処理槽から脱臭室の間の区間において外部に漏洩することが防止され、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止される。
【0031】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第4の構成は、前記第1乃至第3の何れか一の構成において、前記脱臭室及び前記送風機を収容するコントロールボックスを備え、前記発酵処理槽は、前記コントロールボックスと分離して形成され、前記給気路及び前記排気路により接続されていることを特徴とする。
【0032】
このように、コントロールボックスと発酵処理槽を分離して構成したことにより、発酵処理槽を交換するだけで、有機廃棄物の処理能力を自由に変更することが可能となる。
【0033】
また、本発明の有機廃棄物処理装置の第5の構成は、前記第1乃至第4の何れか一の構成において、前記発酵処理槽から排気された循環空気の脱水を行う脱水室を備えたことを特徴とする。
【0034】
この構成により、脱水槽において循環空気に含まれる水分が除去されることで、有機廃棄物の乾燥を即すことができる。従って、有機廃棄物の水分が過剰であることにより生じる嫌気性発酵を抑えることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機廃棄物処理装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態に係る有機廃棄物処理装置の構成図である。
図1において、本実施の形態の有機廃棄物処理装置1は、投入された有機廃棄物2aを貯留し好気性微生物群によって発酵処理する発酵処理槽2と、発酵処理槽2の内部の有機廃棄物の発酵状態を制御するコントロールボックス3とを有している。
【0036】
発酵処理槽2の天井部は、長方形平板状の床部2bに平行な長方形の中央天井部2cと、長方形天井部2cの両側に傾斜状に設けられた長方形の傾斜天井部2d,2eからなる。傾斜天井部2dには、有機廃棄物を投入するための長方形の投入口2fが設けられており、投入口2fには、気密性の開閉蓋2gが開閉自在に取り付けられている。また、発酵処理槽2の床部2b付近の側壁には、発酵処理槽2の内部に貯留する水分を排水するための排水管2hが設けられている。排水管2hには、開閉弁が設けられており、この開閉弁を開くことで、発酵処理槽2の内部の水分を排水することができる。
【0037】
コントロールボックス3の内部には、好気性微生物が担持された微生物担体が収容された2つの脱臭室4,5が設けられており、発酵処理槽2と脱臭室5とは給気管6で連通されており、発酵処理槽2と脱臭室4とは排気管7a,7b,7cを介して連通されている。
【0038】
脱臭室4,5に収容されている微生物担体は、木皮(バーク)材、ゼオライト、パーライト等を主要成分として配合した担体が使用されている。
【0039】
また、コントロールボックス3の内部の排気管7aと排気管7bとの間には、脱水槽8が設けられており、また、コントロールボックス3の内部の排気管7bと排気管7cとの間には、2つの送風機9,10が設けられている。この送風機9,10は、発酵処理槽2から脱臭室4,5へ排気路7a,7b,7cを通じて循環空気を送風するとともに、脱臭室4,5から発酵処理槽2内の有機廃棄物2aへ給気路6を通じて循環空気を送風することで、循環空気を循環させる。また、脱臭室4の上流側(循環空気の流れの方向に対する上流側をいう。以下同様。)には、気圧調整室11が設けられており、脱臭室4と脱臭室5の間にも気圧調整室12が設けられている。気圧調整室11は、排気管7cから流入する循環空気を脱臭室4の送入側から一様に送入するために設けられている空間であり、気圧調整室12は、脱臭室4,5に加わる差圧を分圧し、循環空気の流れをスムーズにするために設けられている空間である。
【0040】
脱水槽8は、発酵処理槽2から排気された循環空気の脱水を行う槽であり、床部に突設された仕切板8aにより隔てられた前室8b及び後室8cとからなる。前室8bと後室8cとは、上部で連通している。前室8bの上部には排気管7aの下流側(循環空気の流れの方向に対する下流側をいう。以下同様。)端部が下方に向けて開口しており、発酵処理槽8から送風される湿った循環空気は前室8bで脱水される。すなわち、水蒸気を多く含んだ循環空気は、前室8bの内壁に吹き付けられる。前室8bの内壁は自然冷却により冷たいため、循環空気に含まれる水蒸気は、前室8bの内壁表面で水滴となる。これによって、循環空気の脱水がされる。なお、ここでいう脱水とは、完全な脱水を意味するものではなく、ある程度湿度を低下させるという程の意味である。一方、後室8cの上部には排気管7bの上流側端部が下方に向けて開口している。従って、前室8bで脱水された循環空気は後室8cを通って、排気管7bへ排気される。前室8bの底部には開閉弁を備えた排水管8dが設けられており、この排水管8dの開閉弁を開けることにより前室8b内の水を排水することができる。
【0041】
給気管6の下流側端部は、発酵処理槽2の底部付近で、複数の枝管6a〜6fに分岐しており、各枝管6a〜6fの側面には、複数の吸気口が設けられている。給気管6から供給される循環空気は、これらの枝管6a〜6fの側面の吸気口から有機廃棄物2aの内部に噴射される。また、枝管6a,6bは、枝管6c〜6fよりも高い位置となるように、各枝管は段差をつけて配設されている。このように、段差をつけて枝管を配設したことで、有機廃棄物2aの内部に満遍なく循環空気を供給することができる。
【0042】
一方、排気管7aの上流側端部は、発酵処理槽2の中央天井部2cの付近に配設されており、2つの枝管7d,7eに分岐している。これらの枝管7d,7eの側面には複数の排気口が開口しており、発酵処理槽2内の中央天井部2c付近の循環空気を排気管7aへ排気する。
【0043】
送風機9,10の吐出口は、排気管7c及び気圧調整室11を介して脱臭室4に接続されており、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上部の循環空気を脱臭室4に吸引排気する。このように構成することで、発酵処理槽2の内部は負圧状態となるため、発酵処理槽2の内部の臭気が外部に漏れ出すことが防止される。
【0044】
発酵処理槽2の内部の床部2b付近には、温度センサ13が配設されている。この温度センサ13は、発酵処理槽2の内部の温度を検出する。温度センサ13は、コントロールボックス3内に設けられた循環空気制御手段である制御回路14に接続されている。この制御回路14は、発酵処理槽2内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には循環空気の循環を停止し、発酵処理槽2内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には循環空気の循環を開始するような制御を行う。なお、所定の閾値T1,T2は自由に設定することが可能であるが、好気性微生物が最も活動する温度範囲内に設定される。ここでは、T1=T2=42℃に設定されているとする。
【0045】
なお、給気管6及び排気管7aは、発酵処理槽2の下部の接続部分6’,7a’で切り離し可能に接続されている。従って、目的に応じて、発酵処理槽2を大きさの異なる発酵処理槽と交換することができる。
【0046】
以上のように構成された本発明の一実施の形態における有機廃棄物処理装置において、以下その有機廃棄物処理方法について説明する。
【0047】
まず、発酵処理槽2の開閉蓋2gを開けて、発酵処理槽2の内部に残渣等の有機廃棄物2aが投入されて貯留される。有機廃棄物2aが投入されると、発酵処理槽2の開閉蓋2gを閉める。開閉蓋2gを閉めると、発酵処理槽2の内部は気密状態とされる。
【0048】
有機廃棄物2aが投入された直後は、発酵処理槽2の内部温度は所定の閾値T1以下である。制御回路14は、温度センサ13により発酵処理槽2の槽内温度Tを検出すると、閾値T1と比較して、槽内温度Tが閾値T1以下であるため、送風機9,10を起動する。送風機9,10が起動されると、脱臭室4,5内の循環空気は、給気管6を通って発酵処理槽2の内部へ送風される。このとき、脱臭室4,5の中の微生物担体に担持された好気性微生物の一部が、循環空気によって発酵処理槽2の内部に気流搬送される。
【0049】
発酵処理槽2の内部においては、循環空気は枝管6a〜6fより槽内に噴射される。このとき、枝管6a,6bは枝管6c〜6fよりも上方位置に設けられており、各枝管6a〜6fは平面視で互いに重ならない位置に配置され、かつ、発酵処理槽2の床部2b全体にわたりほぼ等間隔に配置されている。そのため、循環空気は発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの内部にほぼ均等に供給される。
【0050】
尚、この際、枝管6c〜6fの噴射口が有機廃棄物2aや有機廃棄物2aから滲みだした水により閉塞しないようにするため、発酵処理槽2の床部2bに、各枝管6c〜6fが埋まる厚さに木製チップを敷きつめておいてもよい。このように木製チップを敷きつめておくと、枝管6c〜6fの噴射口が有機廃棄物2aにより閉塞されることは防止されるとともに、有機廃棄物2aから滲みだした水は木製チップに吸収され、枝管6c〜6fの噴射口がこの水により閉塞されることも防止される。また、このように敷きつめられた木製チップは、発酵処理層2の内部の水分を吸収することで、発酵処理層2の内部の湿度を低下させ、余分な水分が循環空気とともに排気されるのを抑制する作用も有する。
【0051】
循環空気は有機廃棄物2aの内部を通過し、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間に流れ出る。この際、循環空気によって気流搬送された好気性微生物は、有機廃棄物2aに着床する。そして、循環空気によって供給される酸素を利用して、有機廃棄物2aを好気性発酵により分解する。この好気性発酵により有機廃棄物2aの温度は上昇し、発酵処理槽2の槽内温度は上昇する。同時に、これにより有機廃棄物2aに含まれる水分は蒸発し、有機廃棄物2aの乾燥が進む。
【0052】
ここで、脱臭室4,5の微生物担体には、発酵処理槽8に投入されることが予想される有機廃棄物に適するいくつかの種類の好気性微生物を予め担持させておく。こうすることにより、発酵処理槽8に投入された有機廃棄物2aの種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進むため、有機廃棄物2aの種類を問わず有機廃棄物2aを効率よくコンポストに転換することができる。
【0053】
また、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物2aに気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物2aに継続的に供給することで、単に空気のみを有機廃棄物2aに供給する場合に比べて有機廃棄物2aの発酵が促進される。それに加えて、循環空気により有機廃棄物2a内に気流を作ることで、有機廃棄物2a内部の好気性微生物は常に酸素に暴気されるため、好気性微生物の活動が活性化される。従って、有機廃棄物2aを早期にコンポスト化することが可能となる。
【0054】
また、気流搬送により有機廃棄物2aに好気性微生物が継続的に供給されるため、単一の種類の有機廃棄物2aが発酵処理槽8に投入された場合であっても、その有機廃棄物2aに適合した好気性微生物が繁殖する。そのため、各種好気性微生物の数のバランスが崩れて、悪臭が発生したり、有機廃棄物2aの分解が悪くなったりして、発酵に支障を生じるというようなことが防止される。
【0055】
発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間に流出した循環空気は、排気管7aの上流側端部にある枝管7d,7eの排気口から排気管7aへ排気される。このとき、有機廃棄物2aから蒸発した水分も排出される。尚、有機廃棄物から蒸発した水分の一部は、発酵処理槽2の天井部の壁面で冷却され凝集して水滴となるが、天井部の両側の傾斜天井部2d,2eの部分が傾斜面状に形成されているため、水滴は、この傾斜面下部を伝って下方に流れ落ちる。
【0056】
排気管7aに排気された循環空気は、脱水槽8の前室8bに流入し、ここで脱水が行われる。
【0057】
このように、循環空気を脱水することにより、発酵処理槽2の内部の有機廃棄物2aの乾燥が促進される。一般に、有機廃棄物の好気性発酵に適した含水率は60重量%程度であるが、投入される有機廃棄物の含水率は80%以上である場合が多い。従って、嫌気性発酵が生じるのを避けるためには、この有機廃棄物2aの含水率を下げる必要がある。従って、脱水槽8で循環空気を脱水し、有機廃棄物2aの乾燥を促すことで、嫌気性発酵を抑制し、好気性発酵の最適条件に近づけることが可能となる。尚、発酵処理層2の内部に溜まった水は、脱水処理層2の下部に設けられた排水管2hの弁を開くことで、適宜排水することもできる。従って、排水管2hから排水することにより発酵処理層2の内部の乾燥を促進させることもできる。
【0058】
脱水槽8で脱水された循環空気は、脱水槽8の前室8cから排気管7bを通って送風機9,10に送られ、さらに送風機9,10から排気管7c及び気圧調整室11を通って脱臭室4に戻される。
【0059】
ここで、脱臭室4,5は一定の気流抵抗を持っており、また発酵処理槽2内の有機廃棄物2aも循環空気の気流抵抗となるため、発酵処理槽2内の有機廃棄物2aの上方の空間は、送風機9,10の空気吸引によって負圧状態となる。従って、好気性発酵の際に発生する発酵処理槽2の内部の臭気が、発酵処理槽2の外に漏れ出すことが防止される。
【0060】
また、有機廃棄物2aの発酵により発生する臭気を含む循環空気は、脱臭室4,5において好気性微生物の働きによって脱臭される。従って、循環空気は脱臭され、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられる。
【0061】
好気性発酵が進行すると、発酵熱により発酵処理槽2の槽内温度は上昇する。発酵処理槽2の槽内温度が所定の閾値T1以上となると、制御回路14は、送風機9,10の送風を停止させる。これにより、循環空気の循環が停止し、有機廃棄物2aへの酸素及び好気性微生物の供給が停止される。酸素供給が停止されると、有機廃棄物2a内の好気性微生物の活動が抑えられ、発酵熱の発生も抑えられる。このため、発酵処理槽2の槽内温度も低下する。発酵処理槽2の槽内温度が所定の閾値T2以下まで低下すると、制御回路14は、再び送風機9,10の運転を再開する。これにより、有機廃棄物2aには酸素及び好気性微生物が供給され始める。従って、有機廃棄物2a内の好気性微生物の活動は活性化され、再び発酵熱により発酵処理槽2の内部温度は上昇する。
【0062】
このように、制御回路14による循環空気の送風制御によって、発酵処理槽2の内部温度は常に温度T1,T2の付近に保たれる。ここでは、温度T1,T2は42℃に設定されているため、発酵処理槽2の槽内温度は常に42℃程度に保たれることになる。このように、発酵処理槽2の槽内温度が好気性微生物の活動が最も活性化される温度に維持されるため、有機廃棄物2aの好気性発酵が促進され、有機廃棄物2aは早期に完熟コンポストに変換される。
【0063】
また、本実施の形態の有機廃棄物処理装置においては、攪拌機を用いず、循環空気の送風のみにより好気性発酵を行う構成としているため、有機廃棄物2aが貯留される発酵処理槽2の内部の構造が単純となり、発酵処理槽2内部の掃除が容易となる。すなわち、発酵処理槽2の内部は、床部2b付近に給気管6及びその枝管6a〜6f、並びに排気管7a及びその枝管7e,7dが配管されているだけであり、槽内構造は単純なため、掃除は極めて容易となる。また、発酵処理槽2の内部には機械的に動く部分がないため、有機廃棄物2aが引っかかったりするというような故障もない。従って、メンテナンス性に優れる。
【0064】
また、有機廃棄物2aを攪拌したり加熱したりせず、循環空気を循環させるだけであるため、電力消費が少なく、ランニングコストも低い。すなわち、有機廃棄物処理装置1を駆動するために電力を消費する部分は、送風機9,10及び制御回路14のみであり、攪拌機を運転する消費電力やヒータで加熱する際の消費電力に比べると格段に低い。従って、ランニングコストが低く、経済的な運転ができる。
【0065】
また、脱臭室4,5が、発酵処理槽8で発生する臭気を除去する機能と、発酵処理槽8に好気性微生物を供給する機能の双方を兼ね備えているため、コンパクトに構成することができる。すなわち、従来の攪拌タイプの有機廃棄物処理機のように、攪拌機に加えて脱臭機を備える必要がある場合に比べると、装置を小型化することができる。更に、脱臭室4,5には高価な白金触媒等を使用せず、好気性微生物が担持された微生物担体を使用しているため、低廉なコストで製造することができる。
【0066】
また、攪拌を行わないため、発酵処理槽8が一杯となるまで有機廃棄物2aを投入しても、動作に支障を来すことがないため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽8を小型化することが可能となる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明の有機廃棄物処理方法の第1の構成によれば、循環空気により好気性微生物を有機廃棄物に気流搬送し、好気性微生物を有機廃棄物に継続的に供給することで、有機廃棄物を早期にコンポスト化することができる。これにより、有機廃棄物の処理の効率化が図られ、有機廃棄物を貯留するのに広い場所を要しなくてもすむ。また、循環空気を循環させることで、嫌気性発酵が生じることが防止され、完熟コンポストを安定して生成することができる。
また、循環空気により有機廃棄物内に継続して酸素を供給することで、嫌気性発酵が抑制され、有機物の分解過程で生じる不完全な酸化物の量を抑えることができる。
【0068】
本発明の有機廃棄物処理方法の第2の構成によれば、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができるため、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができるようになる。
【0069】
本発明の有機廃棄物処理方法の第3の構成によれば、発酵処理槽で有機廃棄物が発酵する際に発生する臭気が外部に漏洩することが防止されるため、悪臭による環境悪化を防止することが可能となる。
【0070】
本発明の有機廃棄物処理方法の第4の構成によれば、水分過剰な状態が持続することによって、発酵処理槽の内部で嫌気性発酵が生じることが防止されるため、発酵処理槽の内部の有機廃棄物を安定してコンポスト化することが可能となる。
【0071】
本発明の有機廃棄物処理装置の第1の構成によれば、循環空気による気流搬送によって、脱臭室から発酵処理槽へ好気性微生物が供給されるため、発酵処理槽に投入された有機廃棄物の種類に適した好気性微生物が繁殖し発酵が進む。そのため、投入された有機物の種類を問わず、完熟コンポストを製造することが可能となる。また、同時に、循環空気の循環により、有機廃棄物の内部の好気性微生物の活動が活性化され、有機廃棄物を効率よくコンポストに転換することができる。そのため、有機廃棄物を攪拌しなくても充分に発酵を促進することができ、有機廃棄物を攪拌する攪拌装置を必要としない。従って、装置の消費電力が少なく、ランニングコストも低く抑えることができる。また、発酵処理槽の内部に機械的動作を行う部分がないため、構造が簡単であり、保守管理も容易となる。さらに、発酵処理槽が一杯となるまで有機廃棄物を投入して発酵処理することが可能であるため、攪拌機を有する有機廃棄物処理装置に比べ、発酵処理槽を小型化することが可能となる。また、脱臭室は、循環空気の脱臭と、発酵処理槽への好気性微生物の貯留槽との双方の機能を兼ね備えている。従って、装置をコンパクトに構成することができ、小スペースでも装置を設置することが可能となる。また、循環空気を発酵処理槽と脱臭室との間を循環させることにより、循環空気の脱臭が行われるため、発酵に伴う異臭の拡散は抑えられ、不快臭気の抑制された有機廃棄物処理装置を提供することができる。
【0072】
本発明の有機廃棄物処理装置の第2の構成によれば、発酵処理槽の内部温度により、循環空気の循環・停止を制御することで、発酵処理槽の内部の温度を常に好気性微生物が活動するのに適した最適な温度に保つことができるため、有機廃棄物の発酵が促進され、有機廃棄物をより効率よくコンポストに転換することができるようになる。従って、有機廃棄物の処理サイクルが短縮されるため、有機廃棄物処理装置の処理能力を向上させることができる。
【0073】
本発明の有機廃棄物処理装置の第3の構成によれば、発酵処理槽からの臭気の漏洩が防止されるため、有機廃棄物処理装置の周囲の環境が臭気により汚染されることが防止される。
【0074】
本発明の有機廃棄物処理装置の第4の構成によれば、有機廃棄物の処理能力を自由に変更することが可能な有機廃棄物処理装置を提供することができる。
【0075】
本発明の有機廃棄物処理装置の第5の構成によれば、嫌気性発酵を抑えることが可能となるため、良質のコンポストを安定して生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る有機廃棄物処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1 有機廃棄物処理装置
2 発酵処理槽
2a 有機廃棄物
2b 床部
2c 中央天井部
2d,2e 傾斜天井部
2f 投入口
2g 開閉蓋
2h 排水管
3 コントロールボックス
4,5 脱臭室
6 給気管
6a〜6f 枝管
7a,7b,7c 排気管
7d,7e 枝管
8 脱水槽
8a 仕切板
8b 前室
8c 後室
8d 排水管
9,10 送風機
11,12 気圧調整室
13 温度センサ
14 制御回路
Claims (9)
- 有機廃棄物を好気性微生物群によって発酵処理する有機廃棄物処理方法であって、発酵処理槽内に貯留された有機廃棄物の内部に循環空気を供給し、前記有機廃棄物の内部を循環空気を通過させた後、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を好気性微生物が担持された微生物担体が収納された脱臭室を通過させ、前記脱臭室を通過させた循環空気を、前記微生物担体に担持された好気性微生物とともに前記有機廃棄物の下部に循環させることにより、前記有機廃棄物に好気性微生物を着床させることを特徴とする有機廃棄物処理方法。
- 前記発酵処理槽内の温度を検出し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、
前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始することを特徴とする請求項1に記載の有機廃棄物処理方法。 - 前記脱臭室に吐出口が接続された送風機により、前記有機廃棄物の上部にある循環空気を吸引することで、前記循環空気を循環させることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機廃棄物処理方法。
- 前記循環空気を循環させる過程で除湿することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の有機廃棄物処理方法。
- 投入された有機廃棄物を貯留し好気性微生物群によって発酵処理する発酵処理槽と、
好気性微生物が担持された微生物担体が収容された脱臭室と、
前記発酵処理槽と前記脱臭室とを連通する給気路及び排気路と、
前記発酵処理槽から前記脱臭室へ前記排気路を通じて循環空気を送風するとともに、前記脱臭室から前記発酵処理槽内の有機廃棄物へ前記給気路を通じて循環空気を送風することで、循環空気を循環させる送風機と、
を備えたことを特徴とする有機廃棄物処理装置。 - 前記発酵処理槽の内部の温度を検出する温度検出手段と、
前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T1以上となった場合には、前記循環空気の循環を停止し、前記発酵処理槽内の温度が所定の閾値T2以下となった場合には、前記循環空気の循環を開始する循環空気制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の有機廃棄物処理装置。 - 前記排気路は、前記脱臭室に吐出口が接続された前記送風機が備えられており、前記発酵処理槽内の有機廃棄物の上部の循環空気を前記脱臭室に吸引排気することを特徴とする請求項5又は6に記載の有機廃棄物処理装置。
- 前記脱臭室及び前記送風機を収容するコントロールボックスを備え、
前記発酵処理槽は、前記コントロールボックスと分離して形成され、前記給気路及び前記排気路により接続されていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一に記載の有機廃棄物処理装置。 - 前記発酵処理槽から排気された循環空気の脱水を行う脱水室を備えたことを特徴とする請求項5乃至8の何れか一に記載の有機廃棄物処理装置。
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- 2002-06-07 JP JP2002167225A patent/JP2004008960A/ja active Pending
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