JP6567741B1 - 有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法 - Google Patents

有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生ごみ等の有機廃棄物を攪拌して生ごみ等の有機廃棄物に対する酸素供給の均等化と、発酵による加熱された有機廃棄物の偏在を防止する攪拌手段を持つことなく、また、廃棄水等の汚水を生じさせることのなく廃棄物発酵処理が可能なこと。【解決手段】コンクリート製ハウジングHnの空気排出部30nから所定の空気が排出され、ハウジングHnの大気圧以下の室内圧力を維持できるように、ハウジングHnの下面の空気供給部40nから圧縮空気を噴出する。ハウジングHnの室内に供給された有機廃棄物及び好気性細菌を付着する有機材料は、加湿部60nによってハウジングHn室内に噴霧され、その水分によって好気性細菌が活性化される。好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料が活性化され、好気性細菌が糖、脂質を酸化してエネルギを出し、有機廃棄物及び有機材料が高温度となり、より活性化され、効率の良い発酵処理が可能となる。【選択図】図4

Description

本発明は、家庭、レストラン、料亭、ホテル、スーパーマーケット等で発生する生ごみ等の有機廃棄物を好気性細菌処理によってコンポスト化(堆肥化)する有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法に関するものである。
家庭、レストラン、料亭、ホテル、スーパーマーケット等の飲食物提供を行なう産業、学校、その他の事業所から排出される生活ごみ等の多くは自治体により指定された方法で数種類に分別収集され、生野菜、果実、肉類、その他の生ごみ等の有機廃棄物は、焼却処分場において可燃物として他の可燃ごみと一緒に焼却処分されている。
しかし、現在では、環境負荷の観点から生ごみを資源として再利用することにより少しでも焼却量を減少させる努力がなされ、例えば、生ごみを発酵熟成させて堆肥化し、有機肥料として使用する方法が一般化傾向にある。しかしながら、家庭での小規模なコンポスト化では大量処理が困難であり、また、24時間常時加熱ヒータを運転させて温度管理する微生物分解手法等を用いた生ごみの処理方法では採算性が取れない。
そこで、特許文献1では、室内を外気と遮断させるように密閉させた発酵舎と、発酵舎内に設置された生ごみが投入される発酵槽と、発酵槽内の生ごみを攪拌する攪拌手段と、発酵槽内に酸素供給を行なって生ごみの好気性発酵を促進させる空気供給管と、発酵舎に設けられた外気取り込み用の通気手段と、発酵舎の室内空気を吸引して発酵舎の外部に排出させる吸引手段と、吸引手段により排気された発酵舎内空気の脱臭手段とを備え、空気供給管に接続され、かつ、発酵舎内に設置されて発酵舎内の空気を発酵槽内の生ごみに向けて還気させる空気ブロワーを具備し、常時発酵舎内を負圧に保持させ、生ごみの発酵を促進させる生ごみの処理システムを紹介している。
即ち、当該構成によって、毎日排出される多量の生ごみを受け入れて、簡単な処理設備であっても確実に処理させ、焼却処分する生ごみの量を大幅に減少させて設備、人件コスト等の焼却設備に関連する経費を大幅に削減させ、生ごみを効果的に肥料化させて再資源として有効利用させ得る生ごみの処理システムを開示している。
また、特許文献2では、発酵槽内部を、上部に空間を有する複数の区画に区切り、全ての区画を貫通して水平方向に延びる回転軸を設けてそれに撹拌腕を固定し、一方の端の区画に有機廃棄物の投入口を設け、他方の端の区画に生成したコンポストの排出口を設けたものにおいて、前記発酵槽内部の上部空間を各区画毎に閉じる可動扉と該可動扉開閉制御手段とを設け、該可動扉開閉制御手段の前記コンポスト排出口を有する側の区画から順次前段の区画に向かって開閉動作が行われ、後段の扉が閉鎖されてから前段の扉が開くように構成し、有機廃棄物の短絡を抑制し、槽内での滞留時間を確保することができ、分解率が高く、かつ、乾燥顆粒状で扱いやすい上質のコンポストを得ることができる。
特開2002−316129 特開平10−118624号公報
このように、特許文献1は、発酵槽の生ごみ投入部に投入された生ごみを攪拌して下部に堆積した生ごみ等を攪拌し、生ごみに対する酸素供給の均等化と、発酵による加熱された生ごみの偏在を防止し、発酵の分布を均一に行なわせるための攪拌手段を設けている。この攪拌手段は、機枠の一端側に設置された駆動モータと、機枠において発酵槽の幅方向に適宜の間隔を置いて架設され、回転自在に設けた複数の攪拌羽根を配置させた羽根軸とを備え、機枠に支持された転動輪をレール上に転動自在に乗架させると共に、駆動モータとこれらのうち1個の転動輪をチェーン連結させ、羽根軸と駆動モータのスプロケットともチェーンによって連結させ、これによって攪拌羽根をパドル状に回転駆動させながら攪拌装置をレールに沿って移動させ、発酵槽内の生ごみを攪拌させている。
したがって、攪拌羽根を回転駆動する駆動モータに大きなエネルギを使用し、有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法として使用するエネルギコストが高額になるという問題があった。
また、特許文献2においては、発酵槽の中心部には、区画α及び区画βを貫通して回転軸が配設されており、回転軸には、複数の撹拌腕が取り付けられている。回転軸は、一端が駆動手段に接続されている。発酵槽の底部外壁には、ヒータが配設されており、発酵槽内は有機廃棄物が発酵するのに適した温度に保持されている。
発酵槽内の気体は、気体取り入れ管、熱交換装置、連結管、気体循環器、気体戻し管を循環系として、循環する構成になっている。気体取り入れ管は発酵槽の区画αの側壁に、気体戻し管は発酵槽の区画βに接続している。発酵によって生じた気体(発酵ガス)中の水蒸気は、熱交換装置を通過する過程で冷却されて水(凝縮水)になり、ドレイン管から系外に排出される。水分除湿後の除湿気体は、連結管、気体戻し管を通って、発酵槽の区画β内に導入される。なお、循環系の途中に設けられた空気取り入れ口から、新鮮な空気を循環系内に吸い込むことにより、発酵槽内の発酵を効率的に進行させている。
したがって、特許文献2においても、回転軸を回転させる駆動手段が必要であり、有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法として使用するエネルギコストが高額になるという問題があった。
そこで、本発明は、生ごみ等の有機廃棄物を攪拌して生ごみ等の有機廃棄物に対する酸素供給の均等化と、発酵による加熱された有機廃棄物の偏在を防止する攪拌手段を持つことなく、また、廃棄水等の汚水を生じさせることなく廃棄物発酵処理が可能な有機廃棄物発酵処理装置及びその処理方法の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかる有機廃棄物発酵処理装置は、室内と室外の空気流及び室温を遮断し、少なくとも3面以上がコンクリート製のハウジングと、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の空気を排出する空気排出部と、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部と、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に水を噴霧する加湿部と、前記ハウジングの室内の下部に配置され、好気性細菌が少なくとも冬眠(死滅しないが、活動もしてない状態)可能であり、また、前記ハウジングの室内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着した有機材料からなる基体部を具備するものである。
ここで、上記ハウジングは、室内と室外の空気流を見掛け上の遮断ができ、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたものであればよい。室内と室外との空気流の見掛け上の遮断とは、完全な遮断でなくとも、空気の漏れが生じていても、室内を室外よりも負圧にできればよい。また、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたものとは、下面及び左右側面を形成した場合が3面となり、更に、そこに上面を形成した場合には4面となる。前記3面の場合には、例えば、上面をテント地等でカバーし、軽量化したものでもよい。そして、断熱については、室温を独自に制御可能なもの(外部から温度制御するものではない)であればよく、具体的には、室内温度が室外温度と一致しない程度に断熱効果が得られ、自己の発熱によって運転できるものであればよい。
特に、上記ハウジングの形態としては、両端が扉で開閉できるトンネル状として、両端の開口からの作業が同時進行できるように、作業効率を良くした形態の使用が好ましい。
また、上記空気排出部は、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の空気を排出するものであり、前記ハウジングの上面に限られるものではなく、前記ハウジングの下面から供給される空気が新鮮な状態で、速やかに排出しないような上部位置であればよい。また、作業性に影響されない程度の位置であればよい。
そして、上記空気供給部は、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させるものであり、有機廃棄物の下部から空気が供給できる構造であればよい。特に、前記ハウジングの下面に空気供給部を設けることにより、空気流によって好気性細菌を付着する細菌保持有機体の見掛け上の重さを軽減し、その受ける浮力によって効率良く好気性細菌が活発に動作するように空気の補給が可能となる。
更に、上記加湿部は、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に噴霧するものである。噴霧する水は、粒子が細かいのが好ましい。しかし、前記ハウジング上部から噴霧しているので、重力で前記ハウジングの有機廃棄物及び好気性細菌を付着する細菌保持有機体に水分が供給される構造となる。また、使用する水は、工業用水ではなく、繰り返し使用するものとしたときには、噴霧する水の粒子を工業用水程度に細かくすることはできなくなるが、直径1mm程度以上でも問題にはならない。
なお、ここでは、好気性細菌の使用を前提として説明してきたが、嫌気性細菌の付着が皆無であることを意味するものではなく、好気性細菌の働く環境を作ることを意味するものである。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部は、前記空気排出部から排出される空気排出量が、常に、前記ハウジング内が大気圧以下の圧力を維持できるように、前記空気排出部から排出された空気を用いて前記室内空気を循環させる前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させるものである。
ここで、ハウジングの室内の空気圧は、運転中は、常に、前記ハウジングの室内が大気圧以下の圧力を維持できるように、前記空気排出部から排出される前空気排出量に対して、外部に排出する排出量を外部から導入する新鮮空気量よりも多くし、その状態を維持するものである。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に向かって噴霧する加湿部は、前記ハウジングの一部の底面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除き再利用するものである。
ここで、前記ハウジングの室内の下面に向かって噴霧する加湿部は、水を噴霧するものであり、その水滴の大きさは格別問われるものではない。しかし、有機廃棄物及び上部好気性細菌を付着する細菌保持有機体に水分を供給するものであるから、水滴は細かい方が望ましい。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジングの上部から前記ハウジング内の空気を排出する空気排出部は、排出した空気から異物を取り除き大気に放出するものである。
ここで、上記空気排出部は、前記ハウジングから排出した空気は、その空気のガス洗浄及びバイオフィルタによって異物を取り除き、大気に放出するものであればよい。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理方法は、室内と室外の空気流を遮断できる少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングの下面から圧縮空気を噴出させ、前記ハウジングの上部から前記ハウジングの室内の空気を排出し、前記空気排出部から排出された空気を用いて前記室内空気を循環させる。また、前記ハウジングの室内の下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、そして、前記ハウジングの室内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体に向かって、前記ハウジングの上部の加湿部から必要量の水を噴霧するものである。
ここで、上記ハウジングは、室内と室外の空気流を見掛け上の遮断ができ、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたものであればよい。室内と室外との空気流の見掛け上の遮断とは、完全な遮断でなくとも、空気の漏れが生じていても、室内を室外よりも負圧にできればよい。また、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたものとは、下面及び左右側面を形成した場合が3面となり、更に、そこに上面を形成した場合には4面となる。前記3面の場合には、例えば、上面をテント地等でカバーし、軽量化したものでもよい。そして、断熱については、室温を独自に制御可能なものであればよく、具体的には、室内温度が室外温度と一致しない程度に断熱効果が得られるものであればよい。
特に、上記ハウジングの形態としては、両端が扉で開閉できるトンネル状として、両端の開口からの作業が同時進行できるように、作業効率を良くした形態の使用が好ましい。
また、上記ハウジングの室内の空気の排出は、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の空気を排出するものであり、前記ハウジングの上面に限られるものではなく、前記ハウジングの下面から供給される空気が新鮮な状態で、速やかに排出しないような上部位置であればよい。また、作業性に影響されない程度の位置であればよい。
そして、上記ハウジングの室内への空気の供給は、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させるものであり、有機廃棄物の下部から空気が供給できる構造であればよい。特に、前記ハウジングの下面に空気供給部を設けることにより、空気流によって好気性細菌を付着する細菌保持有機体の見掛け上の重さを軽減し、その受ける浮力によって効率良く好気性細菌が活発に動作するように空気の補給が可能となる。
更に、上記加湿は、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に噴霧するものである。噴霧する水は、粒子が細かいのが好ましい。しかし、前記ハウジング上部から噴霧しているので、重力で前記ハウジングの有機廃棄物及び好気性細菌を付着する細菌保持有機体に水分が供給されるものであればよい。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジングの下面からの圧縮空気の噴出は、前記ハウジングから排出される空気排出量が前記ハウジングの室内が大気圧以下の圧力を維持できるように、外部から必要量の新鮮空気を加えながら供給するものである。
ここで、上記ハウジングの下面からの圧縮空気の噴出は、前記ハウジングから排出される空気排出量が、前記ハウジングの室内が大気圧以下の圧力を維持できるように、外部から必要量の新鮮空気を加えながら供給することができればよい。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の下面に向かって噴霧する水は、前記ハウジングの一部の底面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除いて再利用するものである。
ここで、上記ハウジングの室内の下面に向かって噴霧する水は、前記ハウジングの一部の底面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水をフィルタによって混ざり込んだ固形物や異物を取り除き再利用するものであればよい。
請求項の発明にかかる有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジング上部からの空気の排出は、排出した空気をガス洗浄及びバイオフィルタを介して異物を取り除き大気に放出するものである。
ここで、上記ハウジング上部からの空気の排出は、バイオフィルタによって排出した空気から異物を取り除くものであればよい。
請求項1の有機廃棄物発酵処理装置は、室内と室外の空気流を遮断できる少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングの上部から前記ハウジングの室内の空気を排出する空気排出部と、前記空気排出部から排出される空気排出量が前記ハウジングの室内の大気圧以下の圧力を維持できるように、前記空気排出部から排出された空気を用いて前記室内空気の一部を循環させる前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部と、前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の下面に向かって噴霧する加湿部と、前記ハウジングの室内の下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、また、前記ハウジングの室内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体とを具備するものである。
したがって、本発明の有機廃棄物発酵処理装置は、コンクリート製ハウジング上部の空気排出部から所定の空気が排出され、また、前記ハウジングの大気圧以下の室内圧力を維持できるように、前記ハウジングの下面の空気供給部から圧縮空気を噴出させる。このとき、有機廃棄物が存在しておらず乾燥状態であれば、前記ハウジングの室内の下部に配置された細菌保持有機体の好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、前記ハウジングの室内に供給された有機廃棄物及び好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体は、加湿部によって前記ハウジングの上部から前記ハウジングの室内に噴霧され、その水分によって好気性細菌が活性化される。好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が活性化されると、まず、好気性細菌が糖、脂質を酸化してエネルギを出すから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が高温度となり、より活性化される。また、好気性細菌は前記ハウジングの下面からの圧縮空気で浮上し、上部にある有機廃棄物に付着したり、加湿部からの室内噴霧により落とされ、有機廃棄物に再度付着することになる。また、水滴により、好気性細菌を上から下に移動させることにもなり、効率の良い発酵処理が可能となる。
このように、好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体は、前記ハウジングの下面に空気供給部を設け、そこから圧縮空気を噴出させるものであるから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体に対して下方からの風圧を受け、浮力が生じ、空気の通り道を形成するから、生ごみを攪拌することなく生ごみに対する酸素供給の均等化と、生ごみ発酵による加熱された生ごみの偏在を防止することができ、廃棄物発酵処理が可能となる。
請求項の有機廃棄物発酵処理装置において、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部は、前記空気排出部から排出される空気排出量が前記ハウジングの室内が大気圧以下の圧力を維持できるように、外部に排出し、また、外部から必要量の新鮮空気を加えながら循環して供給するものであるから、前記空気排出部から排出する空気量と前記空気供給部で供給する空気量を、前記空気排出部から排出する空気量を大きく設定し、前記ハウジングの室内を常に負圧に設定することにより、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理中に前記ハウジングから臭いがもれる可能性がない。
請求項の有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に向かって噴霧する加湿部は、前記ハウジングの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除き再利用するものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の水分補給が繰り返し行われ、排気水として排出するものでないから、環境を汚染することがない。
請求項の有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の空気を排出する空気排出部は、排出した空気から異物を取り除き大気に放出するものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、環境を汚染する可能性がない。特に、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理は、主に好気性細菌による処理であるから、臭い等を発散する恐れがない。
請求項の有機廃棄物発酵処理方法は、室内と室外の空気流を遮断できる少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングの下面から圧縮空気を噴出させ、前記ハウジング上部から前記ハウジング内の空気を排出し、また、前記ハウジング内の下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、そして、前記ハウジング内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体に向かって、前記ハウジングの上部の加湿部から必要量の水を噴霧するものである。
したがって、本発明の有機廃棄物発酵処理方法は、コンクリート製ハウジングの上部のから所定の空気を排出し、前記ハウジング室内の大気圧以下の圧力を維持できるようにして、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させる。このとき、前記ハウジングの室内の下部に配置された細菌保持有機体の好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、前記ハウジングの室内に供給された有機廃棄物及び好気性細菌を付着する細菌保持有機体に対して、加湿部によって前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内に向かって噴霧し、その水分によって好気性細菌が活性化される。好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が活性化されると、まず、好気性細菌が糖、脂質を酸化してエネルギを出すから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が高温度となり、より活性化される。また、好気性細菌は前記ハウジングの下面からの圧縮空気で浮上し、上部にある有機廃棄物に付着し、加湿部からの室内噴霧により落とされ、有機廃棄物に再度付着することになる。また、水滴により、好気性細菌を上から下に移動させることにもなり、効率の良い発酵処理が可能となる。
このように、好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体は、前記ハウジングの下面から圧縮空気を噴出させるものであるから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体に対して下方からの風圧を受け、浮力が生じ、空気の通り道を形成するから、生ごみを攪拌することなく生ごみに対する酸素供給の均等化と、生ごみ発酵による加熱された生ごみの偏在を防止することができ、廃棄物発酵処理が可能となる。
請求項の有機廃棄物発酵処理方法における前記ハウジングの下面からの圧縮空気の噴出は、前記空気排出部から排出される空気排出量が前記ハウジングの室内の大気圧以下の圧力を維持できるように、外部に室内空気を排出し、同時に、外部から必要量の新鮮空気を加えながら供給するものであるから、自然に廃棄物発酵処理に必要な空気が欠乏したとき、その不足分の空気のみを補充することになるから、環境に対して空気汚染することがない。
請求項の有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジング上部から前記ハウジングの室内の下面に向かって噴霧する水は、前記ハウジングの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除き再利用するものであるから、請求項に記載の効果に加えて、自然に廃棄物発酵処理に必要な水分がなくなり、その不足分の水分のみを補充することになるから、環境に対して水質汚染することがない。
請求項の有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジング上部からの空気の排出は、排出した空気から異物を取り除き大気に放出するものであるから、請求項4または請求項5に記載の効果に加えて、環境を汚染する可能性がない。特に、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理は、主に好気性細菌による処理であるから、臭い等を発散する恐れがない。
図1は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置の有機廃棄物発酵処理工程の概念図である。 図2は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置を使用した処理システムの概念図である。 図3は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置を使用した別の堆肥化処理システムの概念図である。 図4は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置のハウジングの一方の扉側から見た全体構成斜視図である。 図5は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置の全体構成を示す説明図である。 図6は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置のハウジングの天井部分の断面構造図である。 図7は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置をコンピュータで制御する場合のハードウエアの説明図である。 図8は本発明の実施の形態1にかかる有機廃棄物発酵処理装置の処理を行うフローチャートである。 図9は本発明の実施の形態2にかかる有機廃棄物発酵処理装置の全体構成を示す説明図である。 図10は本発明の実施の形態1及び実施の形態2にかかる有機廃棄物発酵処理装置の圧縮空気を噴出させる構成を示す説明図である。 図11は本発明の実施の形態1及び実施の形態2の変形例にかかる有機廃棄物発酵処理装置の圧縮空気を噴出させる構成を示す説明図である。 図12は本発明の実施の形態2にかかる有機廃棄物発酵処理装置の処理を行う要部のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
図1は、有機廃棄物発酵処理の全体の流れを説明する。
家庭内または事業所で発生した燃やせるごみは、塵収集車1で集められ、処理場内に運搬される。そこで、ホイールローダー2が中継し、ベルトコンベア3等を介して破砕機4のホッパーに運搬される。破砕機4は外力を加えることにより細分化するもので、具体的には、低速回転する破砕機4は、受入れ廃棄物に対して、多段減容、均一化と破袋を行うという破袋機能、押し潰し機能及び切断機能を有し、処理した結果を有機廃棄破砕物aとしている。
この破砕機4では、生ごみを収容する塵袋の破袋が重要であり、最終的に塵袋の分離可能なように処理している。即ち、塵袋の破袋状態としても、選別機7(図2参照)の能力に応じて、塵袋を細分化しないものもある。
破砕機4で破砕した有機廃棄破砕物aは、再度ホイールローダー2が中継し、混合機5のホッパーに投入する。混合機5ではその投入された有機廃棄破砕物aと、前回処理した発酵処理物dと好気性細菌を付着させた有機材料からなる細菌保持有機体としての細菌保持木材チップeとを混合した未発酵処理物bを得る。必要に応じて、ハウジングH1、・・・、H6内に蓄える前にホイールローダー2で、この発酵処理物d入りの有機廃棄破砕物aが完全に混合されるように、必要回数混ぜ合わされる。結果として、有機廃棄破砕物aに発酵処理物d入りの有機廃棄破砕物aを混合したものを、ここでは未発酵処理物bという。
なお、最初に使用する場合には、発酵処理物dが存在していないので、通常、好気性細菌を付着した最大長2〜10cmの木材塊からなる細菌保持木材チップeが、有機材料からなる細菌保持有機体として使用される。連続運転においては、細菌保持木材チップeの混入を防止することもできる。このとき、好気性細菌が付着し、発酵処理された発酵処理物dが有機材料からなる細菌保持有機体として機能する。
ここで、有機物質の処理に使用する好気性細菌には、幾つかの種類があり、バクテリア、放線菌、カビが代表として挙げられる。バクテリアは、処理する有機物質のうち約80〜90%の生成に関与している。また、バクテリアは成長が早く、低酸素濃度や高温にも適応し、堆肥化工程の初期段階でも活発に活動する。放線菌は繊維状の微生物で青灰色の粉状のコロニーを作り低酸素や高温に弱い微生物である。カビは、バクテリアに比較して低酸素や高温に弱い微生物である。なお、好気性細菌による処理中の微生物数と温度は、有機物質の化合物分解によって変動する。
発酵処理物d入りの有機廃棄破砕物aは、ホイールローダー2によって、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングH1、・・・、H6に未発酵処理物bとして搬入される。
ここで、ハウジングH1、・・・、H6としているのは、6台のハウジングがあり、夫々のハウジングH1、・・・、H6はバッチ処理によって運転される。例えば、1台の有機廃棄物発酵処理を開始すると、その発酵処理の完了までに30日を要すると仮定すると、その間、該当するハウジングH1、・・・、H6は搬入、搬出ができなくなる。また、搬入に3日、搬出に2日間かかるとすれば、1台のハウジングH1、・・・、H6は35日の周期で運転可能になることを意味する。
例示のように、搬入に3日、搬出に2日間かかるとすれば、6台のハウジングH1、・・・、H6でローティションを組むと30日で1順することになる。6台のハウジングH1、・・・、H6がローティションで運転されているときには、1台からは搬出、その後、搬入を行うことになる。本発明を実施する場合のハウジングH1、・・・、H6の台数は、複数台が望ましいが、1台であってもよい。即ち、稼働日数及び処理量から、その容量及び台数が決定される。
なお、以下の説明では、ハウジングH1、・・・、H6は、説明の簡略化のためにハウジングH1、・・・、H6の1台毎に対応する機器をnを付して表現する。例えば、ハウジングHnは、ハウジングH1、・・・、H6の6台が所有する構成である。
なお、ハウジングHnは、その室内と室外の空気流を結果的に遮断できる程度の封止状態を維持するものであり、その室内温度を制御自在とした少なくとも、底面、両側面の3面以上がコンクリート製で形成されたものである。このハウジングHnの上部からハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nが形成されており、ハウジングHnの上部から室内の空気を循環させるファン(ブロワー)41-1,・・・,41-6(41n)が配設されている。室内空気を排出する空気排出部30nは、ハウジングHn室内の空気の排出により、ハウジングHnの室内を負圧にするため、及び酸素の供給量を増すために、ハウジングHnの上部から室内空気を排出する。
このファン41nの吹き出しは、ハウジングHnの下面に圧縮空気を噴出させる空気供給部40nに繋がっている。即ち、空気供給部40nは、空気排出部30nから排出される空気の排出量が、ハウジングHn内が大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面から圧縮空気として噴出させるものである。しかし、循環される空気量よりも、空気排出部30nから外部に排出される空気の排出量が絶対的に大きくなっており、排出空気は各種フィルタを介して大気側に排出している。
また、このファン41nの吸い込みには、新鮮な大気がファン41nの入力側に供給され、室内の酸素量を補充し、その大気と混合した排出空気をハウジングHnに再度導入することで、ハウジングHn内に酸素の補充をなしている。即ち、循環系のファン41nにより、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面の空気排出部30nから圧縮空気として噴出させるハウジングHnの室内循環空気を形成している。
ハウジングHnの室内が正圧にならないように、ハウジングHnの上部から室内空気が排出される。外部、即ち、大気中に排出する室内空気は、必要に応じて化学脱臭装置9を介し、また、スクラバー装置10で排出空気に含まれる有害物質を除去している。具体的には、水等の液体を洗浄液として、排出空気中の粒子を洗浄液や液膜で捕集して分離している。これは洗浄集じん装置とも呼ばれるものである。スクラバー装置10を通過し、有害物質を除去された排出空気は、ファン11で加圧されて、木材チップ等を充填してなるバイオフィルタ12を通過して、大気に放出される。
バイオフィルタ12では大気中に放出された排出空気に含まれる好気性細菌を木材チップ、堆肥床、土壌、ビート等で除去し、この木材チップは好気性細菌を付着した細菌保持木材チップeとして使用される。バイオフィルタ12で悪臭を除去制御するため、ハウジングHnや図示しない建物からの排気は、少なくとも屋外のバイオフィルタ12で処理される。バイオフィルタ12は、悪臭となるガスをフィルタの表面の水分で吸着し、生物的処理によって消化している。なお、バイオフィルタ12に当該排出空気を導くファン11は、必要に応じて回転数制御ができるようにインバータ制御されている。したがって、例えば、夜間に全工場の扉が閉まっているときには、処理する空気容積は少なくて済むので、回転速度を落として省エネルギ運転を行う。
なお、好気性細菌を付着した細菌保持木材チップeは、木材に限定されるものではなく、適当に湿度が維持でき、乾燥状態でも好気性細菌が死滅しないものであればよい。
バイオフィルタ12は、他の脱臭技術と比較して経済的で環境にやさしい。即ち、バイオフィルタ12は、通常、環境温度、圧力で運転されるので、動力消費が比較的少ない。フィルタ機能での圧力損失は、通常10cmH2Oより小さく、運転コストが安くなる。
また、通常、汚染物質は、CO2やH2Oのような無害な物質や、SO4 -やNO3 -のような無機イオンに分解されるから、バイオフィルタ12以外の廃活性炭や化学汚泥のような空気汚染制御では、後処理が必要な残渣を発生することになる。しかし、本実施の形態のバイオフィルタ12では、残渣が発生しない。加えて、焼却と異なり、バイオフィルタ12は最小限に抑えてCO2とNOXを排出する。
ハウジングHnの室内で好気性細菌を付着した細菌保持木材チップe及び発酵処理物d入りの有機廃棄破砕物aからなる未発酵処理物bは、好気性細菌によって分解され発酵処理物dとなる。したがって、ハウジングHnの室内で30日間熟成された未発酵処理物bは好気性細菌によって分解され、発酵処理物dとなり、ホイールローダー2によって次の後処理工程に搬出される。
図2において、ハウジングHnからホイールローダー2によって排出された発酵処理物dは、選別機7内に搬送される。選別機7内には、所定の空気流が形成されていて、発酵処理物dの粒子の浮力及び篩(フルイ)で比重、重量、粒子の大きさの選別を行っている。軽量物は生ごみを収容する塵袋である可能性が高いので、廃プラスチック処理工程に移行させる。また、所定のサイズのメッシュからなる複数段の篩の上を発酵処理物dが流れることで、粒子の大きさの選別を行っている。
この選別機7に導入した空気流は、サイクロン8に導き、渦流で塵芥を下に落として除去し、サイクロン8の上部から塵芥を除去した空気を排出している。なお、サイクロン8の出力側にもファンで吸引するのが効果的である。
選別機7で所定の粒度以下の微粒物を選別し、その中でも、所定の重さを有するものは鉄、磁器、硝子等の可能性が高いので、収集金属類fとして処理する。所定の粒度以下の微粒物を選別しても、その中でも所定の重さに達しない軽量物は、生ごみを収容する塵袋である可能性が高いので、廃プラスチック処理工程に搬送するため廃プラスチック処理物gとして収集する。
所定の粒度以下の微粒物を抽出し、所定の粒子の大きさで、その中に所定の範囲内の重さ、所定の範囲内の比重の物は、生ごみを好気性発酵処理した発酵処理物dとして排出する。また、所定の粒度以下の微粒物であっても、所定の範囲内の重さに満たないものは、生ごみを収容する塵袋である可能性が高いので、廃プラスチック処理工程に移行するため廃プラスチック処理物gとして収集する。
そして、選別機7で所定の重量以上の物を選別する。その中でも、所定の重さ以上の物は、鉄、磁器、硝子等の可能性が高いので、収集金属類fとして収集する。また、所定の重さ以下であっても、所定の粒度以上の物には、異物が混在している可能性があるので、人為的に異物を除去し、その残渣を発酵処理物dとする。この発酵処理物dは所定の重量以上の物として選別しているので、所定の塊となった発酵処理済のものも含まれている。
上記図2の汎用性の有機廃棄物発酵処理装置であるが、図3は肥料に利用可能性が高い処理システムの説明図である。
図3において、図2に示した選別機7と同様、選別機7には所定の空気流が供給されていて、発酵処理物dの粒子の浮力で比重、重量の概略の選別をしている。また、所定のサイズのメッシュからなる複数段の篩の上を発酵処理物dを流すことで、粒子の大きさの選別を行っている。選別機7に導入した空気流は、サイクロン8に導き、渦流で塵芥を下方に落下させて分離し、サイクロンの上部から塵芥を除去した空気のみを排出している。
選別機7で所定の重さに達しない軽量物を選別し、それは生ごみを収容する塵袋である可能性が高いので、廃プラスチック処理物gとして収集し、コンテナに入れてフォークリフト2aで廃プラスチック保管場に移動させ、廃プラスチック処理工程に搬送する。
そして、所定以上の重量物を選別し、その中でも所定の重さ以上の物は、鉄、磁器、硝子等の可能性が高いので、収集金属類fとして選別する。また、発酵処理物dであっても、十分に発酵できていない有機廃棄物或いは細菌保持有機体として使用する細菌保持木材チップeが選別された可能性が高いことから、生ごみを好気性発酵処理した発酵処理物dとして排出する。
この混合機5に投入する細菌保持有機体として使用する細菌保持木材チップeが含まれる発酵処理物dには、新たな木材チップが混合され、混合機5のホッパーに投入される細菌保持有機体として使用する発酵補助材として使用される。ここで、新たな木材チップが混合されて細菌保持有機体として使用する発酵処理物dが作成されたのは、所定の重量を有しているので、肥料化に適していないと判断したものである。勿論、ここで得られた発酵処理物dは固形燃料としての使用は可能である。ここで細菌保持有機体として使用する細菌保持木材チップeが含まれる有機廃棄破砕物a及び発酵処理物dは、発明者の実験によれば、嵩密度が0.3Kg/m3以上、0.8Kg/m3以下の範囲に設定するのが能率的に好適な処理になる。嵩密度が0.3Kg/m3未満では軽量化のために細菌保持木材チップe及び発酵処理物dを混入する量が増えるから、不経済な運転となる。しかし、0.8Kg/m3を超えると、細菌保持木材チップe及び発酵処理物dを混入する量が少なくなるが好気性発酵処理する処理速度が遅くなり、効率的な処理ができなくなる。したがって、細菌保持木材チップe、有機廃棄破砕物a及び発酵処理物dは、嵩密度が0.3Kg/m3以上、0.8Kg/m3以下の範囲に調整される。但し、本実施の形態の有機廃棄物は、細菌保持木材チップe、有機廃棄破砕物a及び発酵処理物dからなることを前提とするが、有機廃棄破砕物a及び発酵処理物d、または細菌保持木材チップe及び有機廃棄破砕物aとすることもできる。
所定の粒度以下の微粒物を選別し、その中でも所定の重さを有するものは鉄、磁器、硝子等の可能性が高いので、収集金属類fとして処理する。所定の粒子の大きさで、所定の範囲内の重さ、所定の範囲内の比重の粒子は、生ごみを好気性発酵処理した発酵処理物dとして排出する。しかし、所定の範囲を超える重さの粒子は、生ごみを好気性発酵処理した発酵処理物dであっても、堆肥として使用するには発酵処理が完全でない可能性があるので、発酵補助材として再度、混合機5のホッパーに投入され、細菌保持有機体として使用される。
そして、所定の範囲の重さの粒子は、生ごみを好気性発酵処理した発酵処理物dとして、熟成床15に格納される。熟成床15では、大気がこの熟成床15に送給されており、発酵処理物dの残留能力に応じた温度、湿度で熟成床15の発酵処理物dを熟成させる。特に、水等は使用しないで、熟成床15内の温度、湿度で熟成させている。
熟成床15に収容された細粒物からなる発酵処理物dは、堆肥として使用できる程度にハウジングHn内で熟成させるのは、ハウジングHnの使用効率を低下させると思われるものは、堆肥のための熟成床15を別に用意したものである。熟成床15は2重底になっていて、最下室は外気をファン16で導入している。その下室と上室の境界は、パンチングメタルや、グレーチングが敷かれた底面となっており、そこに発酵処理物dが積載されるようになっている。
そして、熟成床15で発酵処理物dは、3日から50日程度熟成し、堆肥工場にトラック2bで搬送し、または、農業、林業に堆肥として供給することになる。
本実施の形態の熟成床15は、コンクリートで区画された空間であり、そこに発酵処理物dが格納されたとき、発酵処理物dの低部から大気をファン16で供給し、発酵処理物dの残留能力に応じた温度、湿度で熟成床15の発酵処理物dを熟成させる。このときの熟成期間は、使途によって、また、発酵処理物dの粒子の大きさによって決まってくる。
次に、本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置を実施する全体構成について、図4乃至図6を用いて詳細に説明する。
ハウジングHnは、ここでは、1台の場合を前提に説明するが、本発明を実施する場合には、1台以上であればよい。
図4乃至図6に示すように、少なくとも3面以上、即ち、下面、両側面、上面の4面が強化コンクリート製で形成されたハウジングHnは、その室内と室外の空気流を遮断できる搬入搬出口50nの扉51nを有し、ハウジングHnの室内温度を制御自在としたものである。詳しくは、ハウジングHnは、その室内から室外方向の空気流を防止し、室外から室内方向の空気流を許容するものである。仮に、ハウジングHnの搬入口及び/または搬出口に扉51nとの間に隙間があっても、室内側が負圧で室外から室内方向に空気流が生ずるものであればよい。なお、扉51nは未発酵処理物bの積み込み及び発酵処理物dの積み出し時にのみ開けられ、処理工程時には常に閉じている。
通常、ハウジングHnは、両端部が搬入搬出口50nとなって扉51nで開閉自在となっている。特定方向を搬入口、他の方向を搬出口と別々にしていないのは、ハウジングHnに対する搬入及び搬出を同時に2方向から行うことを可能とし、作業効率の向上を目的としている。当然、ハウジングHnに対する搬入及び搬出を行う搬入搬出口50nを1個とすることもできる。
3面以上が強化コンクリート製で形成されたハウジングHnとは、一般に、図4乃至図6に示すように、下面となる底部56n、その下面から立ち上がる左側壁部53nと右側壁部54n、両側壁部の上に形成した天井部55nからなる断面4角形の筒状に形成されている。
なお、プラスチック製の各種配管及びプラスチック製のエアーダクトを露出させることにより、天井部55nをテント地として形成することもできる。したがって、ハウジングHnは3面以上がコンクリート製で形成されるものであればよい。
本実施の形態のハウジングHnの大きさは、具体的には、100〜1000m3で、長さ25m〜50m、幅は2.9m〜6m、高さは4m〜6m程度であるが本発明を実施する場合には、それを超えるものも可能である。特に、搬入搬出口50nの扉51nのサイズは、扉の密閉構造、耐圧性によって制限されが、それをクリヤすれば、機械的に拘束されるものはない。
なお、未発酵処理物bのハウジングHnでの積み上げ高さは3.3〜3.5m程度に制限すべきで、それよりも、高く積むと未発酵処理物bの下部が、圧縮して潰れ、原料の未発酵処理物b内の均一な通気が妨げられる。また、床面は0.15〜0.18Kg/cm2の重圧に耐え、腐敗作用のある浸出液にも耐えるものであることが必要である。
ハウジングHnの下面には、圧縮空気を噴出させる空気供給部40nが設けられている。空気供給部40nは空気排出部30nから排出される空気排出量が、ハウジングHn内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させるものである。
ハウジングHnの上部からハウジングHn室内の空気を排出する空気排出部30nは、ハウジングHnの室内高さの4/5以上の高さに吸引口31nが配設され、ハウジングHn室内上部から空気を吸引している。勿論、ハウジングHnの天井部に吸引口31nを配設してもよい。
本実施の形態の空気排出部30nは、図4に示すように、ハウジングHnの両側に配設した左側壁部53nと右側壁部54nの両側にダクト32nの吸引口31nを形成し、ハウジングHnの両側から室内空気の吸引を行っている。しかし、本発明を実施する場合には、ダクト32nに代えて天井に沿って配設した樹脂配管によって吸引するように形成してもよい。何れにせよ、ハウジングHn内に噴霧した水滴を吸引し、及び/または、空気供給部40nからの空気を室内で循環させることなく排出する可能性があるので、それを回避する高さとしてハウジングHnの室内高さの4/5以上の高さに吸引口31nが配設されないと効率的な運転ができ難い。
また、ホイールローダー2等がハウジングHn内で作業する場合にも、4/5未満の位置に配管等があると障害となる。ハウジングHn内での作業性を考慮すると、左側壁部53nと右側壁部54nの両側にダクト32nの吸引口31nを形成したものでは、ホイールローダー2の作業性に左右されることなく、自在な作業の動きがとれる。
空気排出部30nから排出される空気排出量が、ハウジングHn内を大気圧以下の圧力に維持できるように、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部40nを有している。空気供給部40nではハウジングHnの上部から室内の空気を排出する空気排出部30nで得られた排出空気を、ハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させ、ハウジングHn内を循環させるもので、そのため空気排出部30nと空気供給部40nとの間にファン41nを配設し、所定の空気圧を得ている。
ファン41nとして一般にブロワーが用いられる。本実施の形態では10〜12m3/hの流量以上の能力を持ち120〜150mmH2Oの最大圧力が出せるものを使用し、速度制御のためにインバータ制御可能なものとしている。
なお、このファン41nは、搬入搬出時を含めハウジングHn内の循環系の空気流を停止することはない。常に動作させることにより、ダクト32nの吸引口31n及び空気供給部40n側の目詰まりを防止している。
なお、ここで、空気排出部30nとは、吸引口31nからダクト32nを介してファン41nの入力までの排出路の構成であり、空気供給部40nとは、ファン41n及びハウジングHn内の下面から圧縮空気を噴出させる供給路の構成を意味する。また、ハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200を構成している。また、そのうち、ハウジング空気供給系200から排出された空気量A[m3/min]から毎分所定容積の空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220を有している。
したがって、ハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200において、ダクト32nを排出管路として、その吸引口31nからファン41nの入力までの排出路が空気排出部30nである。
また、ファン41n及びハウジングHn内の下面から圧縮空気を噴出させる供給路が管路であっても、コンクリートで作成された空間であっても供給路及びファン41nから構成されるのが空気供給部40nである。これは、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を形成している。
このファン41nの吸い込みには、大気を導入する大気導入路20、即ち、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230を有しており、その大気と混合した排出空気をハウジングHnに再度導入することで、ハウジングHn内に酸素の補充をなしている。ファン41nにより、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面の空気排出部30nから圧縮空気として噴出させるハウジングHnの室内循環空気路を形成している。また、必要によって、新鮮な大気がファン41nの入力側に供給され、室内の酸素量を補充している。
即ち、ハウジングHn内には、空気排出部30nから一部の空気をファン41nで取り込み、同時に、大気導入路20から大気をファン41nで取り込み、その混合された空気を空気供給部40nから供給しており、ハウジングHnからハウジング空気排出系200で排出された空気量A[m3/min]から大気に排出する大気側排出系220の毎分所定容積の空気量B[m3/min]の差が循環に供される。
空気排出部30nからハウジング空気排出系200として取り込んだ空気量A[m3/min]から大気に排出する大気側排出系220の毎分所定容積の空気量B[m3/min]の差の空気をファン41nで取り込み、同時に、大気導入路20から大気吸入系230として大気をファン41nで取り込み、その混合された空気を空気供給部40nからハウジング空気供給系240として供給した状態で、ハウジングHnの室内が正圧にならないように、ハウジングHnの上部から室内空気が濾過されて大気中に排出する大気側排出系220の値でハウジングHn内を負にしている。大気中に排出する室内空気は、必要に応じて化学脱臭装置9を介し、また、スクラバー装置10で排出空気に含まれる有害物質を除去している。
この大気中に排出する大気側排出系220の室内空気は、空気排出部30nを構成するダクト32nからファン41nの入力までの排出路で分岐され、ファン42nによって吸引され、化学脱臭装置9、スクラバー装置10に供給される。なお、このファン42nは、ハウジングHnの1台毎に配設してもよいし、複数台のハウジングHnに1台取り付けてもよい。ファン42nを複数台に1台の割合で配設する場合には、空気排出部30nとの間に流量調節のバルブを配設する必要がある。また、ファン42nはファン41nの入力よりも上流に配設しても結果的に同じである。
空気供給部40nは、ファン41n及びハウジングHn内の下面から圧縮空気を噴出させる供給路(管路)の構成であり、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240であるが、その供給路は、図10に示すように、ハウジングHnの底部56nに埋設した比較的太い金属管または樹脂管からなるハウジングHnの長さ方向またはその長さ方向に直角な方向に配設した均圧管43nに、ファン41nの出力が接続されている。均圧管43nには、等間隔に円孔44nが形成されていて、その円孔44nに硬質ゴムからなるスリーブ45nが配設されている。スリーブ45nの中央には、噴射孔46nが形成されていて、均圧管43nと連結されている。
この均圧管43nは、図10に示すように、ファン41nからの圧縮空気が、ベルヌーイの定理に従って、その流速に影響されないように、流速変化が少ない形状としたものである。勿論、噴射孔46nの口径でそれを調整することもできる。なお、均圧管43nは、圧力を保持するタンクとしても機能する。均圧管43nに配設したスリーブ45nは、ハウジングHn及びハウジング空気排出系200及びハウジング空気供給系240の空気の循環系で、流体抵抗が最大なものであり、その循環系では、そこに最大流体損失が発生する。この噴射孔46nの形状は正面から見て円に限定されるものではなく、楕円、三角形、四角形等の多角形等のいずれかとすることができる。また、噴射孔46nと排水溝47nとの関係は、排水溝47nの底面と同一平面になるように噴射孔46nの上端を設計できる。
スリーブ45nの均圧管43nの反対端部は、ハウジングHnの底部56nの上面であるハウジングHnの底面に形成された排水溝47nに露出し、スリーブ45nの中央の噴射孔46nは均圧管43nと排水溝47nとを連結している。排水溝47nは、噴霧ノズル66nから噴霧した水滴をまとめて排水し、排水溝70nで収集するものである。この排水溝47nは、ハウジングHnの下面に傾斜を付与して余剰水を収集するものでも、また、排水溝47nの底面を水平に形成し、排水が所定以上たまった時に流れるように設定してもよい。また、排水溝47nの底面を水平に形成し、排水が所定以上たまった時にスリーブ45nから均圧管43n側に流れるように設定し、均圧管43nで排水するように設定してもよい。なお、排水溝47nの清掃は、排水溝47nの幅のスクレバーにより、簡単に清掃可能である。
スリーブ45nの中央の噴射孔46nは、ファン41nで送給された圧縮空気を噴出させるもので、ハウジングHn内の下面から空気排出部30nから排出される空気排出量が、ハウジング内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30nから排出された空気を用いて室内空気の一部を循環させるハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部の一部を構成している。スリーブ45nはハウジングHn内の下面に縦横等間隔で、均等に多数配設している。
ここで、スリーブ45nの噴射孔46nが、ハウジングHn及びハウジング空気排出系200及びハウジング空気供給系240の空気の循環系で、流体抵抗が最大とし、そこに最大流体損失を発生させるとは、ハウジングHn内に積み上げ高さは3.3〜3.5m程度に未発酵処理物bを積み上げても、その密度が低く、少なくとも、ハウジングHn及びハウジング空気供給系240で形成される流体抵抗、ハウジングHn及びハウジング空気排出系200及びハウジング空気供給系240で形成される流体抵抗としては、大きな値にならない。したがって、ハウジングHnの内部に未発酵処理物bの存在する場合、存在していない場合、その積み上げの高低等に左右されないで使用できる。
ハウジングHnは、その上部からハウジングHn内に水を噴霧する加湿部60nを有している。加湿部60nは、水滴として噴霧する必要数の噴霧ノズル66nを有しており、ハウジングHn内に略均一に水滴を噴霧できる構造となっている。水滴として噴霧する水は、外部から供給された工業用水及び噴霧に使用した水滴がまとまって排水となった水を濾過して使用している。したがって、この水滴として噴霧する水には、運転状態では、好気性細菌を含むことになり、好気性細菌をも噴霧することになる。
原料の未発酵処理物bの水分率の調整は、ハウジングHnの天井側に設けられた散水ノズル66nで行う。ハウジングHnの空気排出部30nから排出された空気の水分率に応じてその投入量が定められる。各ハウジングHnは独立して制御されている。
このため、噴霧に使用した水滴は、ハウジングHnの下面に水が流れる程度の傾斜が付けられており、噴霧に使用された水はハウジングHnの下面に沿って流れ、ハウジングHnの搬入搬出口50nの排水溝70nで収集される。排水溝70nは通常グレーチング71nが被せられており、ホイールローダー2の移動には支障がない構造になっている。搬入搬出口50nの排水溝70nで収集された水は、排水路72nを介して場内排水タンク63でまとめられる。場内排水タンク63では、工業用水である補充水をそこに導入し、まとめられた排水は所定の濃度に希釈される。
場内排水タンク63には、隣接して供給タンク65を有しており、場内排水タンク63に導入された水をフィルタ64で濾過した後、その清浄水を供給タンク65に移動させ、供給タンク65からポンプ62nで加圧し、加圧水路61nを介して噴霧ノズル66nから噴霧される。この時使用するフィルタ64は、好気性細菌が含まれていてもよいから、ごみ、砂、微粒子等を除去するものであればよい。
本実施の形態では、水滴として噴霧する必要数の噴霧ノズル66nの加圧水路64である配管は、ハウジングHnの天井に埋設され、それに伴って天井に噴霧ノズル66nが配設されている。
したがって、噴霧ノズル66nから噴射される水滴の広がりが広くなり、かつ、ホイールローダー2等がハウジングHn内で作業する場合にも、天井に噴霧ノズル66nが配設されているから、ホイールローダー2の作業性が左右されることなく自在な動きがとれる。なお、加圧水路61n及び噴霧ノズル66n及び水を圧送するポンプ62nは、加湿部60nを構成している。
勿論、ハウジングHnの天井に沿って加圧水路61nを配管し、そこに噴霧ノズル66nを配設してもよい。
ハウジングHnの下部には、少なくとも乾燥状態で冬眠可能であり、また、ハウジングHn内に供給された有機廃棄破砕物aからなる有機廃棄物によって湿度が上昇すると活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体を収容し、それを所定の湿度で発酵させることにより、温度上昇させてより好気性細菌の活性を活発化させている。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、主な情報管理のみを取り上げると、図7に示すようにコンピュータ制御される。
まず、コンピュータCOMPには、ハウジングHnの室内温度、室内湿度、室内圧力の情報がセンサで検出され、それが入力されている。なお、室内湿度は必ずしも管理が必要ではなく、室温、噴霧する水量が決定されれば、維持されるものであるから、有機廃棄物発酵処理装置の全体から省略することができる。
また、扉51nの開閉についても、それが検出され、入力されている。空気排出部30nの排出空気の温度、湿度、圧力が検出され、それをコンピュータCOMPの入力としている。そして、空気供給部40nの供給空気の温度、湿度、圧力が検出され、それをコンピュータCOMPの入力としている。同様に、加湿部60nの水圧、水量、水温が検出され、それをコンピュータCOMPの入力としている。
空気排出部30n及び空気供給部40n及びハウジングHnの情報は、主に、ファン41nとファン42nの制御に使用している。また、加湿部60n及びハウジングHnの情報は、主に、ポンプ62nに使用している。
そして、破砕機4、混合機5、選別機7は、個々に駆動され、指定された処理材料が流れるように制御されている。化学脱臭装置9、スクラバー装置10、バイオフィルタ12等も独自に監視及び運転されている。熟成床15についても、単にファン16の制御のみではなく、日程管理情報として制御及び管理されている。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置においては、全体の概略流れが、図8のフローチャートのように制御される。
まず、ステップS1で生ごみが収集されて搬送されてくると、このフローチャートに従って、処理が開始される。ステップS2で生ごみが受入ストックヤードに下ろされると、ステップS3で所定の時間内に破砕機4によって破砕し、有機廃棄破砕物aとしている。ステップS4で破砕物ストックヤードにその有機廃棄破砕物aを収集する。ステップS5でその収集した有機廃棄破砕物aを所定の時間内に混合機5に投入し、そこで、好気性細菌を付着した細菌保持木材チップeを入れた発酵処理物dと混合し、ステップS6で混合破砕物ストックヤードにそれを収集する。即ち、ここで、有機廃棄破砕物aに発酵処理物d入りの有機廃棄破砕物aを混合した未発酵処理物bを作成する。必要に応じて、混合破砕物ストックヤードにおいても、混合状態を均一にする作業を行う。
ステップS7で未発酵処理物bをハウジングHnに詰め込み、そこで温度管理及び湿度管理、気圧管理をし、発酵及び熟成させる。ステップS8で発酵及び熟成の完了が検出されると、ステップS9で発酵処理物dとして発酵処理物ストックヤードにそれを収集し、次の処理を待つ。本実施の形態では、発酵処理物ストックヤードの発酵処理物dを順次選別機7に送り、選別機7では、所定の風力を導入し、寸法及び重力(比重)の基準で3種類のパターンに選別している。
まず、ステップS10で寸法が40mm未満と判断したとき、ステップS11で重量選別を行い、所定の重量に満たないとき、破袋のプラスチックの可能性が高いから、廃プラスチック処理工程に移動させる。また、ステップS12で篩選別を行い、10mm以上の塊の場合には、再度熟成させるべく、ステップS5に移行させる。篩選別の結果、10mm未満の塊の場合には、熟成されて細分化された可能性があるので、再度粒径が小さいものの重量をステップS12で判断する。ステップS12で重いと判断された場合には、金属、陶磁器、ガラス等が混じっている可能性があるので、収集金属類として分離する。
しかし、ステップS13で軽いと判断された場合には、発酵処理物dとしてそのストックヤードにまとめられる。
ステップS10で40mm以上の軽量物と判断された場合には、ステップS15でその重量の選別を行い、軽い場合には、ステップS16で破袋のプラスチックの可能性が高いから、廃プラスチックストックヤードにまとめる。重い場合には、ステップS17の処理に入る。
ステップS10の40mm以上の重量物と判断された場合とステップS15で重い場合と判断されたときは、ステップS17で磁気選別を行い、鉄のときには、ステップS18でそのストックヤードに格納する。また、非鉄と判断されたときには、ステップS19で人為的に選別を行い、異物を発見した場合には、ステップS20の異物ストックヤードに集める。また、ステップS19で発酵処理物dと判断されても、ここで選択された発酵処理物dは大きいから、ステップS21で一時的に発酵処理物ストックヤードに格納するが、再度、ステップS5の処理から繰り返し、発酵処理を行う。
なお、これらの処理は、コンピュータCOMPによって時間管理ブログラム及び発酵熟成プログラムを実行することによって、適切な制御がなされる。
この発明の有機廃棄物発酵処理装置では、室内と室外の空気流を遮断でき、前記室内温度を制御自在とした少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングHnと、ハウジングHnの上部からハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nと、空気排出部30nから排出される空気排出量が、ハウジングHn内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30nから排出された空気を用いてハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させる空気供給部40nと、ハウジングHnの上部からハウジングHn内に水を噴霧する加湿部60nと、ハウジングHn下部に配置され、少なくとも乾燥状態で冬眠可能であり、また、ハウジングHn内に供給された有機廃棄物によって湿度が上昇すると活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料である有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体とを具備するものである。
したがって、本発明の実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、コンクリート製のハウジングHnの上部の空気排出部30nから所定の空気が排出され、また、ハウジングHnの大気圧以下の室内圧力を維持できるように、ハウジングHnの下面の空気供給部40nから圧縮空気を噴出させるものである。このとき、有機廃棄物が存在しておらず乾燥状態であれば、ハウジングHnの室内の下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能である。
ハウジングHnの室内に供給された有機廃棄物及び好気性細菌を付着する有機材料からなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体は、加湿部60nによってハウジングHnの上部からハウジングHnの室内に噴霧され、その水分によって好気性細菌が活性化される。好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料である有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体が活性化されると、まず、好気性細菌が糖、脂質を酸化してエネルギを出すから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が高温度となり、より活性化される。また、好気性細菌はハウジングHnの下面からの圧縮空気で浮上し、上部にある有機廃棄物に付着し、また、加湿部60nからの室内噴霧により落とされ、有機廃棄物に再度付着することになる。そして、水滴により、好気性細菌を上から下に移動させることにもなり、効率の良い発酵処理が可能となる。
このように、好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料でなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体は、ハウジングHnの下面に空気供給部40nを設け、そこから圧縮空気を噴出させるものであるから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体に対して下方からの風圧を受け、浮力が生じ、空気の通り道を形成するから、生ごみを攪拌することなく生ごみに対する酸素供給の均等化と、生ごみ発酵による加熱された生ごみの偏在を防止することができ、廃棄物発酵処理が可能となる。
このように構成されている有機廃棄物発酵処理装置では、次のような特徴がある。
まず、通常、ハウジングHn等の処理工程は、建屋内部を常に陰圧に保ち、閉ざされた建造物の内部で行われる。このため、敷地外からの悪臭の苦情が入ることがない。建物内から排出される空気は、化学脱臭装置9、スクラバー装置10等の粉塵除去システム、ガス洗浄装置を経た後、バイオフィルタ12で処理しているから、制御不能な臭いの漏れを防ぐことができる。しかし、念のため、これらの建造物の扉51nには快速閉鎖ドアの使用が好ましい。
ハウジングHn内における好気性発酵は、微生物活動の中では最も基本的な公知の発酵であり、微生物が酸素を利用して体内で消費するエネルギを得るもので、特に、酸素は非常に強い酸化性物質であるから高い効率で生物活動を営むことができ、かつ、この好気性発酵は物質循環の大切な役割を担っている。
即ち、植物は生まれて、光合成をして二酸化炭素から有機物を生産する生命活動を営んでいる。動物は生まれ、植物や他の動物から有機物を摂取して生命活動を営んでいる。しかし、何れも、やがて死に至り活動を停止する。死に至らない間は、代謝によってその体内の一部を新陳代謝し、廃棄と生成を繰り返している。生物界のリサイクルは、専ら好気性の微生物の働きによって行われ、自然に悪臭処理まで行っている。堆肥もその代表例で、堆肥化では殆どの生分解性の廃棄物、食物残渣、剪定枝、下水汚泥等を使用することができる。
また、堆肥化工程では、酸素が消費され二酸化炭素、水とエネルギ(熱)が生産され、この堆肥化中に生じる全反応は、
生物廃棄物+O2 → 微生物バイオマス+非分解性物質+CO2+H20+熱
ここで発生した熱は、堆肥の温度を上昇させ、堆肥化工程の初期において生物分解速度を増加させる。その後、易分解性有機物質の分解が終了すると変換速度が遅くなり温度が周囲温度のレベルまで下がることになる。
好気性発酵による堆肥化は、多種多様なシステムが提案されており、本発明の実施の形態もバイオセル方式とも呼ばれる密閉型のコンクリート製のハウジングHn内で堆肥化を行うものである。特に、近年では周辺環境に与える影響、例えば、悪臭の問題等から密閉容器や建物内での堆肥化方式が主流となっている。この発明の有機廃棄物発酵処理装置は、水分量、酸素濃度、工程変数の制御が自動化され、高効率化され、しかも、安全な均一処理であるばかりか、ロット毎の処理記録が残り、自治体の諸規制に対する適合性の証明もできる。
この発明の有機廃棄物発酵処理装置は、コンピュータ制御により各工程の自動制御が可能で、例えば、堆肥化過程に応じた通気制御が可能であり、センサによる温度、湿度、酸素濃度、或いは二酸化炭素濃度をモニタできる。これによって最終製品の品質保証が可能となる。
また、ハウジングHnを用いてガス・悪臭物質の排出がない制御が可能である。また、空気は簡単にハウジングHn内で循環することができ、外の空気を連続的に取り入れる必要がない。そして、作業員と堆肥化原料の接触が制限され、生廃棄物に雑菌汚染等の懸念がある使用済みオムツ、生理ナプキン等に触れることがないので特に有益である。
そして、排気は全てスクラバー装置10とバイオフィルタ12を経て処理された後、大気中に放出される構成とすることができるから、バイオフィルタ12は通常よりも大きく設計でき、ハウジングHn内を負圧に保ち、臭気が外へ漏れ出すのを防ぐことができる。
更に、トンネル内部の水分調整、加湿には主にトンネル自身からの浸出水を用いて不足分を外部の工業用水から補うものであるから、この発明の有機廃棄物発酵処理装置は施設からの汚水の排出を皆無にできる。
前述したバイオセル方式は、静的バイオセルと動的バイオセルに分けられるが、この発明の有機廃棄物発酵処理装置は、静的バイオセルに分類される。即ち、原料はトンネル状のハウジングHnからなる構築物の中で静止され、好気性細菌による発酵過程中の移動は生じない。
殊に、この発明の有機廃棄物発酵処理装置は、好気性細菌による発酵過程中の移動は生じない静的バイオセルに属するから、装置の維持管理の上で非常に大きな利点となる。即ち、ハウジングHnで処理する廃棄物は常に一定の性状でなく、毎回異なる種々雑多な原料で構成されているから、装置内部に可動部がある動的バイオセルでは、可動部が故障し、システムダウンのリスクを常に抱える。しかし、この発明の有機廃棄物発酵処理装置は、静的バイオセルで構成され、装置内部に可動部を持たないから、そのようなリスクは発生しない。
次に、この発明の有機廃棄物発酵処理装置によって堆肥化する場合について説明する。
堆肥化するには、初期過程、高温過程、中温過程、冷却過程の4過程に分けることができる。
まず、初期過程は、堆肥化初期の数日間には、易分解性の有機物質が、例えば、たんぱく質、アミノ酸、糖質等を豊富に含むから、バクテリア、糸状菌等が積極的にこれらを分解し、ハウジングHn内の温度を上昇させる。この過程で重要なことは、原料に水分過剰の部分が含まれていたり、通気不足で酸欠部分がでると、易分解性の物質が多く含まれると直ちに嫌気性細菌が働き出し、悪臭物質である脂肪酸類やアンモニア、硫化水素等を生成開始するので注意すべきである。また、嫌気性発酵は吸熱反応である場合が多く、周囲の温度を奪い、好気性発酵の活性化を妨害する。このため、原料投入前の水分調整や混合構造化、均一化作業は、堆肥化に非常に重要な作業である。
高温過程では、易分解性の物質が消費され温度が高温になると高温性好気性の放線菌が有機物の分解に携わるようになり、ヘミセルロースやセルロースの分解が始まり、温度は最高60℃〜80℃になる。この過程中に重要なことは、高温環境によって雑菌類が死滅し、堆肥の衛生化が図れることである。適切な温度とその持続時間が衛生条件として推奨される。
中温過程では、原料中から易分解性の有機物質が消費されて殆どなくなり、高温のため細菌の活動も弱くなる。すると、セルロースの積極的な分解とリグニン等の難分解性物質の分解が開始される。反応速度の低下から温度は35℃〜30℃の中温域へ降下する。この時期に新たに担子菌等のリグニン分解菌の働きが始まる。この時期の分解によって水分減少が最も進むので、原料の重量減少には、中温状態の45℃前後を維持することが堆肥化を効率化、高速化する上で重要である。
この過程中で重要なことは、水分と酸素濃度を適切に保つことである。この過程では、セルロースの分解は、好気性細菌のみで行われるのではなく、嫌気性細菌と好気性細菌の役割分担によって、より効率的に進められている。このため、効率的な堆肥化の進行のためには水分の過不足には注意を払う必要がある。この時点で一次発酵は終了し、この過程以降では嫌気性発酵による悪臭物質の生成は生じなくなる。
冷却過程では、温度は環境周囲温度とほぼ変わらない温度まで下がってくる。この過程での分解速度は遅く土壌と変わらなくなる。この過程でのPHは約8と一定である。また、大型の生物、例えば、ダニ、トビムシ、ミミズや昆虫が分解に参加してくる。この過程を経て、熟成堆肥となる。
この冷却過程では、熟成床15で処理される。熟成床15では、大気がこの熟成床15に送給され、発酵処理物dの残留能力に応じた温度、湿度で熟成床15の発酵処理物dを熟成させる。
ハウジングHn内では、堆肥化における初期過程から中温過程までの過程を行う。その理由は、堆肥化の最終工程である冷却過程では反応速度が遅くなり、非常に処理時間がかかるので、ハウジングHn内で行うのは非経済的である。また、工程変数の調整が不要である。そして、再発酵や悪臭発生の心配がなく屋外に放置可能であることが要因である。
しかし、完熟した堆肥においては、熟成は必要不可欠であるため、図3に示すハウジングHnの外に熟成床15を準備するか、ハウジングHn内でエアレーション設備を備え付けた熟成床15を準備する必要がある。
この熟成床15で、ハウジングHnから出た原料の発酵処理物dを数日から数週間寝かせ、発酵完了の確認と最終水分調整を行う。その後、用途や使用条件に合わせた篩分けや、必要があれば更なる熟成を経て、高品位な堆肥を得ることができる。
この発明の有機廃棄物発酵処理装置による悪臭対策は次のようになっている。
一般に、悪臭物質は、原料の腐敗、主に、嫌気性発酵によって発生する。この有機廃棄物発酵処理装置では、原料受入れと同時に、有機廃棄破砕物aと共に発酵処理物dの混合破砕を行い未発酵処理物bの水分調整し、嫌気性発酵の発生を抑制することで悪臭物質の発生を最低限に抑えるようにしている。
また、水分調整が終わった未発酵処理物bは直ちに空きハウジングHnに投入される。ハウジングHnの内部は、常に通気されており、好気性発酵が直ちに始まり、悪臭物質の生成がされないような環境で保管処理される。
一般に、悪臭処理方法としては、ガス燃焼、活性炭吸着、生物脱臭法等の方法が提案されているが、この実施の形態では生物脱臭法を採用した。生物脱臭法は、堆肥化施設から排出される臭気を含んだガスの処理としては、スクラバー装置10とバイオフィルタ12を組み合わせた脱臭法である。この方法は、比較的薄いが大量に発生する臭気を経済的に処理するのに最も適している。
生物脱臭法については、処理空気量、処理速度等以上にフィルタ媒体、例えば、木材チップの乾燥状態等が問題になる。基本設計に加え、操業時の水分補給を怠らなければバイオフィルタ12の脱臭能力は維持され、適切に働くことが確認された。このバイオフィルタ12は、排気ガス中の化合物を微生物によって分解する。バイオフィルタ12は、堆肥床、木材チップ、土壌、ビートや他の物質(フィルタ媒体)からなっている。
バイオフィルタ12の性能と信頼性は、微生物細胞が、望ましくない副生成物を生産することなく汚染物質を食物或いはエネルギ源として分解するようにフィルタ内の環境を確立することによって改善できる。バイオフィルタ12内で生じている分解に作用する微生物は、自然の状態で既にフィルタ媒体内に存在している。臭い分子の除去は、
有機性汚染物質+O2 → 微生物バイオマス+CO2+H20+熱
として表現でき、二酸化炭素、水、無機化合物と低濃度の臭い分子のみがバイオフィルタ12から放出される。
化学脱臭装置9は、フィルタ媒体中を強制通過させ、そこで、ガス中に含まれる水溶性の化合物がフィルタ媒体を覆っている湿潤状態のバイオフィルムに溶解吸収される。バイオフィルムは、水分と多糖類、バクテリアのエコシステムに起因する物質や微生物に由来する物質で構成された薄い層である。気流中のガスがバイオフィルムの中に入ると、汚染物質は、微生物と接触し、化合物が分解される。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置におけるハウジングHn内部を負圧にする構成は、次のように行われる。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200と、前記ハウジング空気排出系200から排出された空気量A[m3/min]から毎分所定容積の空気量B[m3/min]を、必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220と、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230と、前記ハウジングに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を具備し、前記毎分の各空気量A、B、C、D[m3/min] がA−B+C−D>0またはA−B−D>0の何れかの関係を維持し、有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を収容した前記ハウジングが大気圧に対して負圧とした状態で、前記ハウジングに供給された有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化するものである。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200と、ハウジング空気排出系200から排出された空気量A[m3/min]から毎分所定容積の空気量B[m3/min]を、必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220と、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230と、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を具備し、ハウジング空気排出系200はハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出すると同時に大気側排出系220が空気量A[m3/min]から毎分所定容積の空気量B[m3/min]を大気に排出しているから、ハウジングHnからは毎分所定容積の空気量A−B[m3/min]だけ内部の空気が循環に使用され、循環空気としてる。ハウジングHnからは毎分所定容積の空気量B[m3/min]だけ内部の空気が排出される。しかし、ハウジング空気供給系240からハウジングHnに毎分空気量D[m3/min]を供給するが、その供給量は空気量A−B+C[m3/min]であり、前記毎分の各空気量A、B、C、D[m3/min] はA−B+C−D>0またはA−B−D>0の何れかの関係を維持し、有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を収容したハウジングHnが大気圧に対して負圧とした状態で、前記ハウジングに供給された有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化するものである。
したがって、ハウジングHn内が常に大気圧に対して負の状態であるから、有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化処理しても、ハウジングHnの外に臭気が出る可能性を皆無とし、有機廃棄物発酵処理装置の特性が如何なく発揮され、ハウジングHn外に臭気がでる可能性を否定できる。
特に、本発明の実施の形態では、ハウジングHnから空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200と、ハウジング空気供給系240から排出された空気量A[m3/min]から空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220とが1系統になっているから、ファン42nの制御のみで大気側排出系220の出力を大きくし、ハウジングHnを負圧に設定することができ、任意の制御が可能となる。
ところで、図4の実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、ファン42nで大気側排出系220の空気量B[m3/min]を決定しているが、本発明を実施する場合には、空気排出部30nからファン41nとファン42nに分岐する前にファンを配設することもできる。そのとき、ファン42nを省略し、当該分岐点にバルブを配設してもよい。また、図9に示す構造としてもよい。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから毎分所定容積の空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200と、ハウジング空気排出系200から排出された空気量A[m3/min]から毎分所定容積の空気量B[m3/min]を、必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220と、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230と、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を具備し、前記ハウジング空気供給系240からハウジングHn内に空気を噴射する複数個の噴射孔46nの総合面積がハウジング空気供給系240の空気供給部40nの管路の断面積よりも小さく設定し、有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を収容したハウジングHn内が大気圧に対して負圧とした状態で、ハウジングHn内に供給された有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化するものである。
このように、ハウジング空気供給系240からハウジングHn内に空気を噴射する複数個の噴射孔46nの総合面積がハウジング空気供給系240の管路の断面積よりも小さく設定し、その流体抵抗が大きいからハウジング空気供給系240から供給される流体損失は複数個の噴射孔46nで最大となる。
したがって、ハウジングHnの内部で未発酵処理物bの積載量のばらつきがあっても、噴射孔46nの開口面積が一定であるから、その流体抵抗が下がることはない。未発酵処理物bの積載量が多いと、そこで空気の流速が遅くなるから、その部位の圧力が上昇し、未発酵処理物の浮力が大きくなり、未発酵処理物bの積載密度を低下させる。未発酵処理物bの積載量がないと、または少ないと、そこで空気の流速が速くなり、その部位の流体抵抗が大きくなるから、ハウジングHn内部の未発酵処理物bの積載量に左右されないで有機廃棄物を好気性発酵処理によって撹拌または温度上昇させる外部エネルギをなくして堆肥化することができる。
そして、ハウジングHn内が常に大気圧に対して負の状態であるから、有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化処理しても、ハウジングHnの外に臭気が出る可能性を皆無とし、有機廃棄物発酵処理装置の特性が如何なく発揮され、ハウジングHn外に臭気がでる可能性をなくすことができる。
特に、本発明の実施の形態では、ハウジングHnから空気量A[m3/min]を排出するハウジング空気排出系200と、ハウジング空気排出系200から排出された空気量A[m3/min]から空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系Bとが1系統になっているから、電動機またはバルブの制御のみで大気側排出系Bの出力を大きくし、ハウジングHnを負圧に設定することができ、任意の制御が可能となる。
[実施の形態2]
図9に示すように、本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから毎分所定容積の空気量E[m3/min]を排出するハウジング空気排出系210と、ハウジングHnから毎分所定容積の空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220と、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230と、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を具備し、ハウジング空気排出系210はハウジングHnから毎分所定容積の空気量E[m3/min]を排出すると同時にそれをハウジング空気供給系240に戻して循環空気とする。しかし、大気側排出系220がハウジングHnから毎分所定容積の空気量B[m3/min]を大気に排出しているから、ハウジングHnからは毎分所定容積の空気量E+B[m3/min]だけ内部の空気が排出される。しかし、ハウジング空気供給系240からハウジングHnに毎分空気量D[m3/min]を供給するが、その供給量は空気量E+C[m3/min]であり、前記毎分の各空気量E、B、C、D[m3/min] はE−B+C−D>0またはE−B−D>0の何れかの関係を維持し、有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を収容したハウジングHnが大気圧に対して負圧とした状態で、ハウジングHnに供給された有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化するものである。
したがって、ハウジングHn内が常に大気圧に対して負の状態であるから、有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化処理しても、ハウジングHnの外に臭気が出る可能性を皆無とし、有機廃棄物発酵処理装置の特性が如何なく発揮され、ハウジングHn外に臭気がでる可能性を否定できる。
特に、本発明の実施の形態では、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから空気量E[m3/min]を排出するハウジング空気排出系210と、ハウジングHnから空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220とが別系統になっているから、制御系の設計が大気側排出系220のみでハウジングHnを負圧に設定することができ、任意の制御が可能となる。
よって、生ごみ等の有機廃棄物に対する酸素供給を行っても、悪臭の洩れを生じさせない廃棄物発酵処理が可能な有機廃棄物発酵処理装置を提供できる。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置において、ハウジングHn全体に設けた複数個の噴射孔46nは、ハウジングHn内の底面に排水溝47nのような溝を形成し、排水溝47nのような溝の底部に隣接配設したものであるから、複数個の噴射孔46nの排水溝47nのような溝は、排水溝47nとしての排水用溝の他、圧力調整用均圧溝として機能する溝とすることもできる。
図8のソフトウエアでは、有機廃棄物発酵処理装置の全体の構成を説明したが、本発明を実施する場合には、排水処理について均圧管43nを用いた廃水の場合には、図8のアルゴリズムを図12のように変更するのが望ましい。
即ち、ステップS7及びステップS8の処理では、ステップS7でハウジングHnに詰め込んだ未発酵処理物bを、少なくとも、温度管理及び気圧管理をし、発酵及び熟成させる。ステップS8で発酵及び熟成の完了を検出するものである。この時、廃水処理を行うルーチンに所定のタイミングをタイマt0で監視し、例えば、数時間に1回廃水を排出する処理に入る。まず、ステップS71でそのタイミングが検出されると、ステップS72でハウジングHnに詰め込んだ未発酵処理物bの発酵及び熟成を中止させ、ファン41 n及びファン42を停止させ、かつ、噴霧ノズル66nからの噴霧も停止させる。そして、図9に示す均圧管43nに配設された開閉バルブ付の排出口48nを開とする。
この未発酵処理物bの発酵及び熟成の中止により、ハウジングHn内の水滴は、ステップS73で底面に形成した排水溝47nを経て、スリーブ45の複数個の噴射孔46nを介して均圧管43nに集められる。それをポンプ49nで吸引し、場内廃水タンク63に回収される。
なお、本実施の形態では、数時間に1回廃水を行うと説明したが、初期の場合と発酵及び熟成が完了間際ではその条件は変更されるのが普通である。通常、1/2〜6時間に1回程度、このルーチンの処理に入る。ステップS74で廃水処理時間をタイマt1の経過で確認し、タイマt1の経過するまで、この廃水処理を継続し、タイマt1の経過が確認されると、ポンプ49nを停止させ、排出口48nの開閉バルブを閉じ、ファン41n及びファン42を動作させ、かつ、噴霧ノズル66nからの噴霧も動作させ、ステップS7からのルーチンの処理に入る。
本実施の形態のように、発酵及び熟成の途中に、廃水処理を行う場合には、格別廃水処理の構造物を有しなくとも、発酵及び熟成に使用する構成部品をそのまま使用して切り替えを行うことができるから、部品点数が少なく、ソフトウエアのみで対応が可能である。
また、ハウジングHnの底面を傾斜させていないので、ハウジングHn内でのホイールローダー2の作業性を上げることができる。
上記実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置において、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30と、空気排出部30から排出される空気排出量(AまたはE+B)が、ハウジングHn内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30から排出された室内空気の一部を循環させ、ハウジングHnの下面から圧縮空気を室内に噴出させる空気供給部40と、ハウジングHn上部からハウジングHn内に水を噴霧する加湿部60とを具備し、ハウジングHn内に供給される有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を付着した細菌保持木材チップe等の細菌保持有機体は、その嵩密度を0.3Kg/m3以上、0.8Kg/m3以下に調整したものである。
したがって、嵩密度が0.3Kg/m3未満では軽量化されているから、有機廃棄物発酵処理の処理速度は速くなる。しかし、処理対象の有機廃棄破砕物aの量を多くすることができないから、効率的処理ができなくなり不経済な運転となる。逆に、0.8Kg/m3を超える処理では、処理速度が遅くなり、効率的な処理ができなくなるばかりか、嫌気性細菌による処理が生じ、臭いの発生が伴う場合もある。よって、ハウジングHn内で一体に処理される細菌保持木材チップe、有機廃棄破砕物a及び発酵処理物dからなる有機廃棄物は、嵩密度が0.3Kg/m3以上、0.8Kg/m3以下の範囲に調整されるのが好ましい運転といえる。
また、上記実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置において、少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30と、空気排出部30から排出される空気排出量(AまたはE+B)が、ハウジングHn内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30から排出された室内空気の一部を循環させ、ハウジングHnの下面から圧縮空気を前記室内に噴出させる空気供給部40と、ハウジングHn内上部からハウジングHn内に水を噴霧する加湿部60と、ハウジングHn内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持木材チップe等の細菌保持有機体とを具備し、ハウジングHn内に噴霧された加湿部60から供給された水は、空気供給部40の圧縮空気をハウジングHn室内に噴出させる機能を停止させ、空気供給部40から排水するものである。
したがって、ハウジングHn内に噴霧された加湿部60から供給された水は、空気供給部40の圧縮空気をハウジングHn内に噴出させる機能で使用する構成部品を介して、空気供給部40から排水することができ、装置自身の値段を廉価にすることができる。また、ハウジングHnの底面を傾斜させていないので、ハウジングHn内でのホイールローダー2の安全性、作業性を上げることができる。
このように、上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置においては、ハウジングHnの下面から圧縮空気を均圧管43nを介してスリーブ45nの中央の噴射孔46nから噴出させる空気供給部40nは、空気排出部30nから排出される空気排出量がハウジングHnの室内が大気圧以下の圧力を維持できるように、外部に排出し、また、外部から必要量の新鮮空気を加えながら循環して供給するものであるから、空気排出部30nから排出する空気量と空気供給部40nで供給する空気量を、空気排出部30nから排出する空気量を大きく設定し、ハウジングHnの室内を常に負圧に設定することにより、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理中にハウジングHnから臭いがもれる可能性がない。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置は、有機廃棄物の供給によって活性化する好気性細菌を収容し、上部から必要量の水を噴霧自在なハウジングHnから毎分所定容積の空気量E[m3/min]を排出するハウジング空気排出系210と、ハウジングHnから毎分所定容積の空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系220と、大気から新鮮空気を毎分所定容積の空気量C[m3/min]を取込む大気吸入系230と、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給するハウジング空気供給系240を具備し、前記ハウジング空気供給系240からハウジングHn内に空気を噴射する複数個の噴射孔46nの総合面積がハウジング空気供給系240の空気供給部40nの管路の断面積よりも小さく設定し、有機廃棄物によって活性化する好気性細菌を収容したハウジングHn内が大気圧に対して負圧とした状態で、ハウジングHn内に供給された有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化するものである。
このように、ハウジング空気供給系240からハウジングHn内に空気を噴射する複数個の噴射孔46nの総合面積がハウジング空気供給系240の管路の断面積よりも小さく設定し、その流体抵抗が大きいからハウジング空気供給系240から供給される流体損失は複数個の噴射孔46nで最大となる。
したがって、ハウジングHnの内部で未発酵処理物bの積載量のばらつきがあっても、噴射孔46nの開口面積が一定であるから、その流体抵抗が下がることはない。未発酵処理物bの積載量が多いと、そこで空気の流速が遅くなるから、その部位の圧力が上昇し、未発酵処理物の浮力が大きくなり、未発酵処理物bの積載密度を低下させる。未発酵処理物bの積載量がないと、または少ないと、そこで空気の流速が速くなり、その部位の流体抵抗が大きくなるから、ハウジングHn内部の未発酵処理物bの積載量に左右されないで有機廃棄物を好気性発酵処理によって撹拌または温度上昇させる外部エネルギをなくして堆肥化することができる。
そして、ハウジングHn内が常に大気圧に対して負の状態であるから、有機廃棄物を好気性発酵処理によって堆肥化処理しても、ハウジングHnの外に臭気が出る可能性を皆無とし、有機廃棄物発酵処理装置の特性が如何なく発揮され、ハウジングHn外に臭気がでる可能性をなくすことができる。
特に、本発明の実施の形態では、ハウジングHnから空気量E[m3/min]を排出するハウジング空気排出系210と、ハウジング空気排出系210から排出された空気量E[m3/min]から空気量B[m3/min]を必要なフィルタを介して大気に排出する大気側排出系Bとが1系統になっているから、電動機またはバルブの制御のみで大気側排出系Bの出力を大きくし、ハウジングHnを負圧に設定することができ、任意の制御が可能となる。
本実施の形態の有機廃棄物発酵処理装置において、ハウジングHn全体に設けた複数個の噴射孔46nは、ハウジングHn内の底面に排水溝47nのような溝を形成し、排水溝47nのような溝の底部に隣接配設したものであるから、複数個の噴射孔46nの排水溝47nのような溝は、排水溝47nとしての排水用溝の他、圧力調整用均圧溝として機能する溝とすることもできる。
図8のソフトウエアでは、有機廃棄物発酵処理装置の全体の構成を説明したが、本発明を実施する場合には、排水処理について均圧管43nを用いた廃水の場合には、図8のアルゴリズムを図12のように変更するのが望ましい。なお、図8と重複する説明を省略する。
即ち、ステップS7及びステップS8の処理では、ステップS7でハウジングHnに詰め込んだ未発酵処理物bを、少なくとも、温度管理及び気圧管理をし、発酵及び熟成させる。ステップS8で発酵及び熟成の完了を検出するものである。この時、廃水処理を行うルーチンに所定のタイミングをタイマt0で監視し、例えば、数時間に1回廃水を排出する処理に入る。まず、ステップS71でそのタイミングが検出されると、ステップS72でハウジングHnに詰め込んだ未発酵処理物bの発酵及び熟成を中止させ、ファン41 n及びファン42を停止させ、かつ、噴霧ノズル66nからの噴霧も停止させる。そして、図9に示す均圧管43nに配設された開閉バルブ付の排出口48nを開とする。
この未発酵処理物bの発酵及び熟成の中止により、ハウジングHn内の水滴は、ステップS73で底面に形成した排水溝47nを経て、スリーブ45の複数個の噴射孔46nを介して均圧管43nに集められる。それをポンプ49nで吸引し、場内廃水タンク63に回収される。
なお、本実施の形態では、数時間に1回廃水を行うと説明したが、初期の場合と発酵及び熟成が完了間際ではその条件は変更されるのが普通である。通常、1/2〜6時間に1回程度、このルーチンの処理に入る。ステップS74で廃水処理時間をタイマt1の経過で確認し、タイマt1の経過するまで、この廃水処理を継続し、タイマt1の経過が確認されると、ポンプ49nを停止させ、排出口48nの開閉バルブを閉じ、ファン41n及びファン42を動作させ、かつ、噴霧ノズル66nからの噴霧も動作させ、ステップS7からのルーチンの処理に入る。
本実施の形態のように、発酵及び熟成の途中に、廃水処理を行う場合には、格別廃水処理の構造物を有しなくとも、発酵及び熟成に使用する構成部品をそのまま使用して切り替えを行うことができるから、部品点数が少なく、ソフトウエアのみで対応が可能である。
また、ハウジングHnの底面を傾斜させていないので、ハウジングHn内でのホイールローダー2の作業性を上げることができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHn上部からハウジングHnの室内に向かって噴霧する加湿部60nは、ハウジングHnの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物をフィルタ64で取り除き再利用するものであるから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の水分補給が繰り返し行われ、排気水として排出するものでないから、環境を汚染することがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHn上部からハウジングHnの室内の空気を排出する空気排出部30nは、排出した空気から異物を取り除き大気に放出するものであるから、環境を汚染する可能性がない。特に、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理は、主に好気性細菌による処理であるから、臭い等を発散する恐れがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、圧縮空気を噴出させる空気供給部40nの管路を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集することもできるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によってハウジングHn内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。
例えば、図9に示すように、排出口48nを付設することにより、空気供給部40nの管路の圧縮空気によって余剰水を排出させることができる。このとき、空気供給部40nを一時的停止してもよいが、連続運転であってもよい。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部40nの風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によってハウジングHn内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。そして、作業車及び作業者の動きが、空気供給部40nの風路を形成する下面を所定の傾斜面によって左右されることがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置は、室内と室外の空気流を遮断できる少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させ、ハウジングHn上部からハウジングHn内の空気を排出し、また、ハウジングHn内の下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、そして、ハウジングHn内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体に向かって、ハウジングHnの上部の加湿部60nから必要量の水を噴霧するものである。
したがって、上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置は、コンクリート製のハウジングHnの上部のから所定の空気を排出し、ハウジングHnの室内の大気圧以下の圧力を維持できるようにして、ハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させる。このとき、ハウジングHnの室内の下部に配置された細菌保持有機体の好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、ハウジングHnの室内に供給された有機廃棄物及び好気性細菌を付着する細菌保持有機体に対して、加湿部60nによってハウジングHnの上部からハウジングHnの室内に向かって噴霧し、その水分によって好気性細菌が活性化される。好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が活性化されると、まず、好気性細菌が糖、脂質を酸化してエネルギを出すから、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体が高温度となり、より活性化される。また、好気性細菌はハウジングHnの下面からの圧縮空気で浮上し、上部にある有機廃棄物に付着し、加湿部60nからの室内噴霧により落とされ、有機廃棄物に再度付着することになる。また、水滴により、好気性細菌を上から下に移動させることにもなり、効率の良い発酵処理が可能となる。
このように、好気性細菌によって有機廃棄物及び有機材料からなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体は、ハウジングHnの下面から圧縮空気を噴出させるものであるから、有機廃棄物及び有機材料からなる有機廃棄破砕物a及び/または発酵処理物dからなる未発酵処理物b、及び/または細菌保持木材チップeからなる細菌保持有機体に対して下方からの風圧を受け、浮力が生じ、空気の通り道を形成するから、生ごみを攪拌することなく生ごみに対する酸素供給の均等化と、生ごみ発酵による加熱された生ごみの偏在を防止することができ、廃棄物発酵処理が可能となる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの下面からの圧縮空気の噴出は、空気排出部30nから排出される空気排出量がハウジングHnの室内の大気圧以下の圧力を維持できるように、外部に室内空気を排出し、同時に、外部から必要量の新鮮空気を加えながら供給するものであるから、自然に廃棄物発酵処理に必要な空気が欠乏したとき、その不足分の空気のみを補充することになるから、環境に対して空気汚染することがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHn上部からハウジングHnの室内の下面に向かって噴霧する水は、ハウジングHnの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除き再利用するものであるから、自然に廃棄物発酵処理に必要な水分がなくなり、その不足分の水分のみを補充することになるから、環境に対して水質汚染することがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの上部からの空気の排出は、排出した空気から異物を取り除き大気に放出するものであるから、環境を汚染する可能性がない。特に、有機廃棄物及び有機材料からなる細菌保持有機体の発酵処理は、主に好気性細菌による処理であるから、臭い等を発散する恐れがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部40nを除く面を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によってハウジングHn内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置のハウジングHnの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部40nの風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によってハウジングHn内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。そして、作業車及び作業者の動きが、空気供給部40nの風路を形成する下面を所定の傾斜面によって左右されることがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置では、ハウジングHnの上部からハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nと、空気排出部30nから排出される空気排出量が、ハウジングHn内の大気圧以下の圧力を維持できるように、空気排出部30nから排出された室内空気の一部を循環させ、ハウジングHnの下面から圧縮空気を室内に噴出させる空気供給部40nとして、ハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nの空気量は、空気排出部30nで排出した一部の空気量と大気導入路20を介して導入した空気供給部40nの室内に噴射する空気量の和よりも大きくする事例を説明した。
しかし、本発明を実施する場合には、ハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nの空気量と、空気排出部30nで排出した全空気量と大気導入路20を介して導入した空気供給部40nの室内に噴射する空気量の和を一致させることもできる。但し、この実施の形態では、ハウジングHn内の空気を排出する第2空気排出部が必要となる。
何れにせよ、ハウジングHn内の空気圧を負にして運転するには、ハウジングHn内の空気を排出する空気排出部30nの総空気量は、空気排出部30nで排出した一部の空気量と大気導入路20を介して導入した空気供給部40nの室内に噴射する空気量の和よりも大きくするという要件が必要である。
ハウジング空気供給系240の空気供給部40nは、ハウジングHn内の下面から圧縮空気を噴出させる供給管路の構成であり、ハウジングHnに毎分所定容積の空気量D[m3/min]を供給する。しかも、均圧管43nに配設したスリーブ45nは、ハウジングHn及びハウジング空気排出系210及びハウジング空気供給系240の空気の循環系で、流体抵抗が最大なものとし、この循環系ではスリーブ45nに最大流体損失が発生するようにしている。
しかし、図10に示すスリーブ45nは、スリーブ45nの中央に設けた噴射孔46nがテーパ−になっており、流体抵抗が徐々に大きくなるので、更に最大流体損失箇所を特定するには、図11に示すように、釣鐘状の噴射孔46nとするのが望ましい。
何れにせよ、ハウジング空気排出系200またはハウジング空気排出系210の循環系のハウジングHnから排出されハウジング空気供給系240側に循環される。簡単化すると、ハウジング空気排出系200またはハウジング空気排出系210とハウジング空気供給系240は、所定の流体抵抗を有し、その流体損失は最小に設定されている。ハウジングHnは、有機廃棄物及び有機材料からなる有機廃棄破砕物a、発酵処理物d及び細菌保持木材チップeとを混合してなる未発酵処理物bは、好気性細菌によって廃棄物発酵処理されるが、このとき、廃棄物発酵処理される有機廃棄破砕物a及び発酵処理物d及び細菌保持木材チップeとを混合してなる未発酵処理物bの密度は低く、その流体抵抗は低くなっている。
上記実施の形態1の有機廃棄物発酵処理装置では、ハウジング空気排出系200とハウジング空気供給系240は、単位面積当たりの流速が同じと仮定し、かつ、流体抵抗が均一とすると、ハウジング空気排出系200の供給管路の断面は、ハウジング空気供給系240の方が細くなってもよいことになる。しかし、通常は、ハウジング空気排出系200とハウジング空気供給系240は同じ太さに設計される。また、前述のように、廃棄物発酵処理される有機廃棄破砕物a及び発酵処理物d及び細菌保持木材チップeとを混合してなる未発酵処理物bの密度は低く、その流体抵抗は低くなっているから、ハウジングHnの流体抵抗は最小である。
ここで最大の流体抵抗を有する均圧管43nに配設したスリーブ45nは、循環系においてスリーブ45nに最大流体損失が発生するようにしたものであるから、安定状態では、スリーブ45nの噴射孔46nの総合面積及びその流速の積は、ハウジング空気供給系240の断面積及びその流速の積に等しくなる。一方、ハウジングHnでは断面積が非常に広く及びその流速の積がハウジング空気供給系240の断面積及びその流速の積に等しいとすると、スリーブ45nの噴射孔46nでは最大の吹き出しの流速が得られる。
スリーブ45nの噴射孔46nからは直接的には、最大の吹き出しの流速が得られ、同時に、ハウジングHnの底面に形成された排水溝47nによって、スリーブ45nの中央の噴射孔46nから噴射される圧力を均圧化してハウジングHnの下部の排水溝47nが吹き出し口となる。したがって、スリーブ45nの噴射孔46n開口面積が一定であるから、スリーブ45nの噴射孔46nからは直接的な噴射が得られる。また、未発酵処理物bの積載量が多いと、そこで空気の流速が遅くなるから、その部位の圧力が上昇し、未発酵処理物bの浮力が大きくなり、未発酵処理物bの積載密度を低下させる。
また、ハウジングHnの底面に形成された排水溝47nが水切りとして機能し、最下部に位置する未発酵処理物bが好気性細菌以外の細菌、例えば、嫌気性細菌等により未発酵処理物bが処理され、臭いが発生するという事態を回避できる。
ハウジングHnの内部で未発酵処理物bの積載量のばらつきがあっても、スリーブ45nの噴射孔46n開口面積が一定であるから、その流体抵抗が下がることはない。未発酵処理物bの積載量が多いと、そこで空気の流速が遅くなるから、その部位の圧力が上昇し、未発酵処理物bの浮力が大きくなり、未発酵処理物bの積載密度を低下させる。未発酵処理物bの積載量がないとまたは少ないと、そこで空気の流速が速くなり、その部位の流体抵抗が大きくなるから、負荷の増加と同様の作用をすることになる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものである。
ここで、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面とは、前記圧縮空気を噴出させる部位以外の面を意味し、その面の全面または一部の面とすることができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置における前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によって前記ハウジング内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置の前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものである。
ここで、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面とは、前記圧縮空気を噴出させる前記ハウジングの下面の部分ではなく、その風路を形成する下面を意味する。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理装置における前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によって前記ハウジング内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。そして、作業車及び作業者の動きが、空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面によって左右されることがない。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものである。
ここで、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面とは、前記圧縮空気を噴出させる部位以外の面を意味し、その面の全面または一部の面とすることができる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理方法における前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部を除く面を、所定角度の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によって前記ハウジング内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものである。
ここで、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面とは、前記圧縮空気を噴出させる前記ハウジングの下面の部分ではなく、その風路を形成する下面を意味する。
上記実施の形態1及び実施の形態2の有機廃棄物発酵処理方法の前記ハウジングの下面に傾斜を付与してなる余剰水の収集は、前記圧縮空気を噴出させる空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面とし、前記傾斜面の低部位置で収集するものであるから、重力のみで余剰水の収集ができ、省エネルギの装置となる。また、洗浄によって前記ハウジング内を清潔に保てることができ、悪臭の発生が防止できる。そして、作業車及び作業者の動きが、空気供給部の風路を形成する下面を所定の傾斜面によって左右されることがない。
a 有機廃棄破砕物
b 未発酵処理物
d 発酵処理物
e 細菌保持木材チップ
f 収集金属類
g 廃プラスチック処理物
Hn,H1,・・・,H6 ハウジング
4 破砕機
5 混合機
7 選別機
10 スクラバー装置
12 バイオフィルタ
15 熟成床
30 空気排出部
31 吸引口
32 ダクト
40 空気供給部
41 ファン(ブロワー)
42 ファン(ブロワー)
45 スリーブ
43 均圧管
50 搬入搬出口
51 扉
60 加湿部
61 加圧水路
62 ポンプ
66 噴霧ノズル
70 排水溝
200 ハウジング空気排出系
210 ハウジング空気排出系
220 大気側排出系
230 大気吸入系
240 ハウジング空気供給系

Claims (6)

  1. 室内と室外の空気流を遮断でき、前記室内温度を制御自在とした少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングと、
    前記ハウジング上部から前記ハウジング内の空気を排出する空気排出部と、
    前記空気排出部から排出される空気排出量が、前記ハウジング内の大気圧以下の圧力を維持できるように、前記空気排出部から排出された室内空気の一部を循環させ、また、外部から必要量の新鮮な空気を加え、前記ハウジングの下面から圧縮空気を前記室内に噴出させる空気供給部と、
    前記ハウジング上部から前記ハウジング内に水を噴霧する加湿部と、
    前記ハウジング下部に配置され、少なくとも乾燥状態で冬眠可能であり、また、前記ハウジング内に供給された有機廃棄物によって湿度が上昇すると活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体と
    を具備し、
    前記空気供給部は、前記加湿部から噴霧された水滴の余剰水を収集する溝が前記ハウジングの底面に形成されると共に、前記溝の底部に前記圧縮空気を噴出させる複数の噴射孔が隣接配設され、また、前記ハウジングの底部に均圧管が埋設されると共に、前記均圧管に形成された複数の円孔にスリーブが配設され、前記スリーブの中央に前記噴射孔が形成されており、前記複数個の噴射孔の総合面積が前記均圧管の管路の断面積よりも小さく設定された前記複数個の噴射孔から前記圧縮空気を前記室内に噴出させることを特徴とする有機廃棄物発酵処理装置。
  2. 前記ハウジング上部から前記ハウジング内の下面に向かって噴霧する加湿部は、前記ハウジングの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除くフィルタを介して繰り返し再使用することを特徴とする請求項1に記載の有機廃棄物発酵処理装置。
  3. 前記ハウジング上部から前記ハウジング内の空気を排出する空気排出部は、排出した空気から異物を取り除き大気に放出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機廃棄物発酵処理装置。
  4. 室内と室外の空気流を遮断でき、前記室内温度を制御自在とした少なくとも3面以上がコンクリート製で形成されたハウジングの底部に均圧管が埋設されると共に、前記均圧管に形成された複数の円孔にスリーブが配設され、前記スリーブの中央に噴射孔が形成されており、前記ハウジングの下面であって前記ハウジングの底面に形成した溝の底部に隣接配設された総合面積が前記均圧管の管路の断面積よりも小さい設定の複数個の前記噴射孔から圧縮空気を前記室内に噴出させ、前記ハウジング内が大気圧以下の圧力を維持できるように、前記ハウジング上部から前記ハウジング内の空気を排出して、前記室内空気の一部を用いて、また、外部から必要量の新鮮な空気を加え、前記室内空気を循環させ、
    また、前記ハウジング下部に配置された好気性細菌が少なくとも冬眠可能であり、そして、前記ハウジング内に供給された有機廃棄物によって活性化可能となる好気性細菌を付着する有機材料からなる細菌保持有機体に、前記ハウジング上部の加湿部から必要量の水を噴霧し、前記加湿部から噴霧された水滴の余剰水を前記ハウジングの底面に形成された前記溝で収集することを特徴とする有機廃棄物発酵処理方法。
  5. 前記ハウジング上部から前記ハウジング内の下面に向かって噴霧する水は、前記ハウジングの下面に傾斜を付与して余剰水を収集し、その収集した余剰水に混ざり込んだ固形物や異物を取り除くフィルタを介して再利用することを特徴とする請求項4に記載の有機廃棄物発酵処理方法。
  6. 前記ハウジング上部からの空気の排出は、排出した空気をガス洗浄及びバイオフィルタを介して異物を取り除き大気に放出することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の有機廃棄物発酵処理方法。
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