JP2004008332A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。前面枠3の前面側には、遊技球Bの発射部よりも上方においてガラス扉枠4が設けられている。前面枠3の後部には、遊技盤5が着脱可能に装着されている。ガラス扉枠4の下方には、遊技球Bを貯留するための上皿6の一体形成された前飾り枠9が設けられている。また、前面枠3の前面下部には、左右方向ほぼ中央部において下皿7が設けられている。ガラス扉枠4が複数の扉体により構成され、少なくとも1つには、当該扉体及び他の扉体のうち少なくとも1つの施錠状態を解除するための鍵部が臨んでおり、遊技盤5に最も近い側の鍵部が、非露出状態に被覆される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、遊技機の一種として、遊技盤面上における遊技球の挙動に起因して種々の遊技状態が導出されるパチンコ機が知られている。このようなパチンコ機は、外枠と、その前部に設けられた前面枠とを備えている。前面枠は外枠の一側部にて開閉可能に支持されている。前面枠の前面側には、その一側部にてガラス扉枠が開閉可能に設けられている。また、前面枠には、ガラス扉枠の奥側において、遊技盤が着脱可能に装着されており、発射された遊技球は遊技盤の上部に向けて案内され、遊技盤に沿って流下する。そして、遊技盤に設けられた入賞口等に遊技球が入賞することで、遊技者に景品球が払い出される。
【0003】
また、ガラス扉枠のうち支持部とは反対側の側部には切欠きが形成されており、そこは前面枠の一部が露出している。該露出部分に対応して、鍵部たるシリンダ錠が設けられている。そして、ガラス扉枠の閉鎖状態にあっては、シリンダ錠の鍵穴にキーが差し込まれた状態で、キーが所定方向へ回動操作されることにより、前面枠に対するガラス扉枠の施錠状態が解除され、ガラス扉枠が開放可能となる。
【0004】
近年、巧妙な手口で前記シリンダ錠を操作し、ガラス扉枠を開放した上で、不正に遊技球を入賞させるといった悪質な行為が散見されるようになってきている。ここで、従来の構造では、ガラス扉枠が一旦開かれてしまうと、遊技盤が露出状態となってしまうため、容易に上記不正が行われてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、不正をより有効に防止することの可能な遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
【0007】
手段1.遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において開閉可能に支持された複数の扉体を備えた遊技機であって、
前記複数の扉体のうち、少なくとも1つには、当該扉体及び他の扉体のうち少なくとも一つの施錠状態を解除するための鍵部が臨んでおり、前記遊技部材に最も近い側の鍵部を非露出状態に被覆するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0008】
手段1によれば、遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において複数の扉体が開閉可能に支持される。かかる複数の扉体のうち、少なくとも1つに臨む鍵部が操作されることにより、当該扉体及び他の扉体のうち少なくとも一つの施錠状態が解除される。さて、手段1では、遊技部材に最も近い側の鍵部が非露出状態で被覆されている。このため、遊技部材に最も近い側の鍵部を不正に操作して遊技部材を露出状態にしようとした場合、該鍵部に対する被覆を解除し、露出状態としなければならない。従って、上記不正行為をより行いにくいものとすることができる。また、前記被覆状態の解除に際し、不正行為をより発見しやすいというメリットもある。
【0009】
手段2.遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において開閉可能に支持された複数の扉体を備えた遊技機であって、
前記複数の扉体のうち、少なくとも1つには、当該扉体の施錠状態を解除するための鍵部が設けられており、前記遊技部材に最も近い側の鍵部をそれよりも前面側の扉体で非露出状態に被覆するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0010】
手段2によれば、遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において複数の扉体が開閉可能に支持される。かかる複数の扉体のうち、少なくとも1つに設けられた鍵部が操作されることにより、当該扉体の施錠状態が解除される。さて、手段2では、遊技部材に最も近い側の鍵部がそれよりも前面側の扉体で非露出状態に被覆されている。このため、遊技部材に最も近い側の鍵部を不正に操作して遊技部材を露出状態にしようとした場合、前面側の扉体による鍵部に対する被覆を解除し、露出状態としなければならない。従って、上記不正行為をより行いにくいものとすることができる。また、前記被覆状態の解除に際し、不正行為をより発見しやすいというメリットもある。ここで、「鍵部が設けられており、」とあるのは、必ずしも直接的に取付けられていなくてもよく、鍵部が操作可能に臨んでいる場合も含む趣旨である。
【0011】
手段3.前記鍵部は、それよりも前面側の扉体が所定開度以上開かれた場合にのみ操作可能となっていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0012】
手段3によれば、扉体が所定開度以上開かれない限り、鍵部を操作できないため、より一層不正行為を行いにくくすることができる。しかも、扉体が所定回度以上開かれた場合には、例えば遊技場関係者等の他の者に気付かれやすい。従って、不正行為をより容易に発見することができ、かかる意味でもより一層の不正防止を図ることができる。
【0013】
手段4.前記遊技部材は、入賞口を有する遊技盤であることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0014】
手段4のように、入賞口を有する遊技盤を備えた遊技機にあっては、該遊技盤を露出状態とすることで、入賞口に不正に入賞させたりするといった不正が行われることが懸念されるが、上記各手段の作用効果により、効果的に不正防止を図ることができる。
【0015】
手段5.前記複数の扉体は、
外部から前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側に設けられた装飾枠と
を含んでおり、前記遊技部材に最も近い鍵部は前記透明部材支持枠の施錠状態を解除するためのものであることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0016】
手段5によれば、従来であれば一体化されていた各枠が分離されることで、構成の複雑化を伴うことなく上記作用効果を奏せしめることができる。しかも、扉体の重量がそれぞれに分散されることとなり、分離された扉体について各支持部にかかる負荷が軽減される。その結果、特殊な支持構造を採用せずとも済み、また、装飾枠に対する装飾等の付加に関し、種々のバリエーションを持たせることも可能となる。なお、「前記透明部材は、板状のガラスによって構成されていること」としてもよい。
【0017】
手段6.遊技者の利益を左右する遊技盤の前面側において開閉可能に支持された第1の扉体と、
前記第1の扉体よりも前面側において開閉可能に支持された第2の扉体とを備え、
前記少なくとも第1の扉体には、当該第1の扉体の施錠状態を解除するための鍵部が設けられており、その鍵部を前記第2の扉体で非露出状態に被覆するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0018】
手段6によれば、遊技者の利益を左右する遊技盤の前面側において第1の扉体が開閉可能に支持され、それよりも前面側において第2の扉体が開閉可能に支持される。少なくとも第1の扉体に設けられた鍵部が操作されることにより、当該第1の扉体の施錠状態が解除される。さて、手段6では、遊技盤に近い側の第1の扉枠の鍵部が第2の扉枠で非露出状態に被覆されている。このため、遊技盤に近い側の鍵部を不正に操作して遊技盤を露出状態にしようとした場合、第2の扉体による鍵部に対する被覆を解除し、露出状態としなければならない。従って、上記不正行為をより行いにくいものとすることができる。また、前記被覆状態の解除に際し、不正行為をより発見しやすいというメリットもある。ここで、「鍵部が設けられており、」とあるのは、必ずしも直接的に取付けられていなくてもよく、鍵部が操作可能に臨んでいる場合も含む趣旨である。
【0019】
手段7.前記第1の扉体は、外部から前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠であり、
前記第2の扉体は、前記透明部材支持枠の前面側に設けられ、遊技盤の遊技領域の視認を許容するための開口を有する装飾枠であることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
【0020】
手段7によれば、従来であれば一体化されていた各枠が分離されることで、構成の複雑化を伴うことなく上記作用効果を奏せしめることができる。しかも、扉体の重量がそれぞれに分散されることとなり、分離された扉体について各支持部にかかる負荷が軽減される。その結果、特殊な支持構造を採用せずとも済み、また、装飾枠に対する装飾等の付加に関し、種々のバリエーションを持たせることも可能となる。
【0021】
手段8.前記鍵部は、前記第2の扉体が所定開度以上開かれた場合にのみ操作可能となっていることを特徴とする手段6又は7に記載の遊技機。
【0022】
手段8によれば、第2の扉体が所定開度以上開かれない限り、鍵部を操作できないため、より一層不正行為を行いにくくすることができる。しかも、所定回度以上開かれた場合には、例えば遊技場関係者等の他の者に気付かれやすい。従って、不正行為をより容易に発見することができ、かかる意味でもより一層の不正防止を図ることができる。
【0023】
手段9.前記鍵部は、前記第2の扉体の支持部近傍に対応して設けられていることを特徴とする手段6乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0024】
手段9によれば、第2の扉体を所定以上開かない限り、鍵部を操作しづらくなるため、より一層不正行為を行いにくくすることができる。しかも、所定以上開いた場合には、その旨が例えば遊技場関係者等の他の者に気付かれやすい。従って、不正行為をより容易に発見することができ、かかる意味でもより一層の不正防止を図ることができる。
【0025】
手段10.前記第2の扉体の施錠状態を解除するための第2鍵部が設けられていることを特徴とする手段6乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0026】
手段10によれば、第2鍵部を操作して第2の扉体の施錠状態を解除しなければ、第1の扉体の鍵部を操作することができない。そのため、第1の扉体を開放することによる不正行為に対して、より厳重に対処することができる。
【0027】
手段11.前記第1の扉体は、前記第2の扉体の支持部とは異なる辺で支持されていることを特徴とする手段6乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0028】
手段11によれば、第1の扉体の支持部と、第2の扉体の支持部とが互いに異なる辺で支持されるため、第2の扉体を所定以上開放しないと第1の扉体の鍵部を操作できない。このため、より一層不正防止を図りやすい。また、同じ辺の支持部で支持される場合に比べて、支持する側にかかる負荷を分散させることができる。また、支持構造についても込み入った複雑なものとなりにくい。
【0029】
手段12.前記第1の扉体は、前記第2の扉体の支持部とは反対側の支持部にて支持されていることを特徴とする手段6乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0030】
手段12によれば、第1の扉体の支持部と、第2の扉体の支持部とが互いに反対側に位置しているため、第2の扉体をより大きく開放しないと第1の扉体の鍵部を操作できない。このため、より一層不正防止を図りやすい。また、同じ側の支持部で支持される場合に比べて、支持する側にかかる負荷を分散させることができる。また、支持構造についても込み入った複雑なものとなりにくい。
【0031】
手段13.遊技者の利益を左右する遊技盤の前面側において開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材扉枠を備えた遊技機であって、
前記透明部材扉枠を、
前記透明部材を支持する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、該透明部材支持枠と異なる支持部にて支持された装飾枠
とから構成し、少なくとも前記透明部材支持枠の施錠状態を解除するための鍵部が設けられており、該鍵部が前記装飾枠で保護されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0032】
手段13によれば、遊技者の利益を左右する遊技盤の前面側において透明部材扉枠が開閉可能に支持される。手段13では、透明部材扉枠が、透明部材支持枠と装飾枠とから構成される。すなわち、透明部材を支持する透明部材支持枠の前面側にて装飾枠が支持される。そして、透明部材支持枠の施錠状態を解除するための鍵部が装飾枠で保護される。従って、遊技盤に近い側の鍵部を不正に操作して遊技盤を露出状態にしようとした場合、まずは装飾枠による鍵部に対する保護を解除しなければならない。従って、上記不正行為をより行いにくいものとすることができる。また、前記保護の解除に際し、不正行為をより発見しやすいというメリットもある。
【0033】
手段14.外枠に対し開閉可能に支持された前面枠と、
前記前面枠に装着され、遊技者の利益を左右する遊技盤と
を備えた遊技機であって、
前記遊技盤の前面側において、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、前記前面枠に対し開閉可能に支持され前記遊技盤の遊技領域の視認を許容するべく開口を有してなる装飾枠と
を具備し、少なくとも前記透明部材支持枠の施錠状態を解除するための鍵部が設けられており、該鍵部が前記装飾枠で保護されるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0034】
手段14によれば、外枠に対し前面枠が開閉可能に支持される。前面枠に装着された遊技盤において遊技者の利益が左右される。かかる遊技機にあって、遊技盤の前面側において、透明部材支持枠が前面枠に対し開閉可能に支持されており、その透明部材を介して外部より遊技盤が視認される。さらに、透明部材支持枠の前面側にて、装飾枠が前面枠に対し開閉可能に支持されており、その開口から遊技盤の遊技領域の視認が許容される。そして、透明部材支持枠の施錠状態を解除するための鍵部が装飾枠で保護される。従って、遊技盤に近い側の鍵部を不正に操作して遊技盤を露出状態にしようとした場合、まずは装飾枠による鍵部に対する保護を解除しなければならない。従って、上記不正行為をより行いにくいものとすることができる。また、前記保護の解除に際し、不正行為をより発見しやすいというメリットもある。
【0035】
手段15.前記鍵部はキーの差し込まれる鍵穴を有しており、前記装飾枠は自身の閉状態にあって前記鍵穴を塞ぐものであることを特徴とする手段13又は14に記載の遊技機。
【0036】
手段15によれば、装飾枠の閉状態にあっては、鍵部の鍵穴が塞がれる。このため、鍵穴に不正にキーを差し込んで操作しようとしても、上記のように、まずは装飾枠による鍵部に対する保護を解除しなければならない。従って、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
【0037】
手段16.前記鍵部は、前記装飾枠が所定開度以上開かれた場合にのみ操作可能となっていることを特徴とする手段13乃至15のいずれかに記載の遊技機。
【0038】
手段16によれば、装飾枠が所定開度以上開かれない限り、鍵部を操作できないため、より一層不正行為を行いにくくすることができる。しかも、装飾枠が所定回度以上開かれた場合には、例えば遊技場関係者等の他の者に気付かれやすい。従って、不正行為をより容易に発見することができ、かかる意味でもより一層の不正防止を図ることができる。
【0039】
手段17.前記装飾枠の施錠状態を解除するための装飾枠鍵部が設けられていることを特徴とする手段13乃至16のいずれかに記載の遊技機。
【0040】
手段17によれば、装飾枠鍵部を操作して装飾枠の施錠状態を解除しなければ、透明部材支持枠の鍵部を操作することができない。そのため、透明部材支持枠を開放することによる不正行為に対して、より厳重に対処することができる。
【0041】
手段18.外枠に対し開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技盤が装着され、前記装飾枠鍵部は、前記外枠に対する前記前面枠の施錠状態を解除するための前面枠鍵部をも兼ねていることを特徴とする手段17に記載の遊技機。
【0042】
手段18によれば、装飾枠鍵部と前面枠鍵部とを兼用することができる。従って、鍵部の増大に伴う構成の複雑化、設置スペースの制限による不具合を防止できる。
【0043】
手段19.前記透明部材支持枠は、前記装飾枠の支持部とは反対側の支持部にて支持されていることを特徴とする手段13乃至18のいずれかに記載の遊技機。
【0044】
手段19によれば、透明部材支持枠の支持部と、装飾枠の支持部とが互いに反対側に位置しているため、装飾枠をより大きく開放しないと透明部材支持枠の鍵部を操作できない。このため、より一層不正防止を図りやすい。また、同じ側の支持部で支持される場合に比べて、支持する側(例えば前面枠)にかかる負荷を分散させることができる。また、支持構造についても込み入った複雑なものとなりにくい。
【0045】
手段20.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置の表示部において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止表示されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球等のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。
【0046】
手段21.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。
【0047】
手段22.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0049】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。
【0050】
前面枠3の前面側には、扉体、透明部材扉枠を構成するガラス扉枠4が設けられている。前面枠3の後部(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技盤5が着脱可能に装着されている。
【0051】
ガラス扉枠4の下方には、遊技球Bを貯留するための上皿6の一体形成された前飾り枠9が設けられている。また、前面枠3の前面下部には、左右方向ほぼ中央部において下皿7が設けられている。下皿7の側部には、遊技球発射用ハンドル8が設けられている。ハンドル8は図示しない遊技球発射装置に連結されており、遊技者がハンドル8を回転させることにより、遊技球Bが遊技球発射装置から発射される。
【0052】
遊技盤5には、ルータ加工が施されることによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13、可変表示装置14、スルーチャッカー15等が配設されている。
【0053】
遊技盤5の一側部には、遊技球発射装置によって発射される遊技球Bを遊技盤5の上部に案内する内レール16a及び外レール16bが設けられている。内レール16aの下端部付近において、遊技盤5には遊技球Bを導出するアウト口17が形成されている。そして、遊技盤5の下部に流下した遊技球Bの多くは、このアウト口17を通って図示しない球排出路へと案内される。本実施の形態では、遊技盤5のうち内レール16a及び外レール16bによって囲まれ、可変表示装置14等が配設された部分が、遊技球Bが流下可能な遊技領域となっている。
【0054】
可変表示装置14は、液晶表示部20と、該液晶表示部20を囲むように設けられたセンターフレーム21とを備えている。液晶表示部20には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は識別情報としての複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールするように可変表示される。
【0055】
より詳しくは、可変表示装置14の下方に設けられた作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置14の液晶表示部20の図柄が可変表示される。そして、停止された図柄の組合せが予め設定した特定の組合せとなった場合には特別遊技価値が付与される。すなわち、大当たり状態が発生し、可変入賞装置12の大入賞口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞しやすい状態になる。なお、可変入賞装置12は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。
【0056】
また、周知のとおり、前記普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、上皿6又は下皿7に対し所定数の景品球(遊技球B)が払い出される。また、遊技盤5には、遊技球Bの流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0057】
次に、本実施の形態の特徴部分であるガラス扉枠4の構成について説明する。図2,3に示すように、本実施の形態では、ガラス扉枠4は、透明部材としてのガラス41,42を支持するガラス支持枠31と、その前面側に位置する装飾枠32とから構成されている。換言すれば、ガラス扉枠4は、第1の扉体、透明部材支持枠を構成するガラス支持枠31及び第2の扉体を構成する装飾枠32に分離されている。
【0058】
ガラス支持枠31は、透明部材を構成する前後2枚の板状のガラス41,42と、これらガラス41,42の周縁を支持するための金属製の支持フレーム43とを備えている。そして、ガラス支持枠31は、支持フレーム43の右側部の上下2カ所の軸支部(図示略)において、前面枠3に対し、開閉可能に支持されている。かかる軸支部の構成については、特に限定されるものではなく、例えば一般に採用されている軸支構造を採用することができる。すなわち、蝶番等で開閉可能に支持することとしてもよいし、支持フレーム43の上下両端に係合突部又は係合凹部を設け、それに対応する前面枠3に係合凹部又は係合突部を設け、両者を係合させることで開閉可能に支持することとしてもよい。
【0059】
また、ガラス支持枠31の支持フレーム43の軸支部とは反対側の側部(閉状態における左端部)及びそれに対応する前面枠3には、ロック機構44A,44Bがそれぞれ設けられている。該ロック機構44A,44Bによって、ガラス支持枠31が閉状態にある場合に、該ガラス支持枠31が開放不能な状態にロック(施錠)されるようになっている。また、そのロック状態は、鍵部としてのキーシリンダ装置45A,45Bに対する所定のキー操作によって解除されるように構成されている。なお、図では、45A,45Bによりキーシリンダ装置が構成されているが、図中45Bに相当する部位を開口形状とし、45Aの鍵穴に対しキーを差し込むよう構成されていてもよい。
【0060】
さらに、装飾枠32は、その中央において前記遊技領域にほぼ対応するようにして略円形状の開口部51が形成されている。かかる開口部51の存在により、前記ガラス41,42を介して遊技盤5等を外部から視認できるようになっている。装飾枠32は、その前面側において、所定の凹凸加工が施された外装部材52が取着されている。本実施の形態において、前記外装部材52は、前記開口部51の下部を除く周縁を囲むようにして設けられ、例えば透明性を有する樹脂材料により構成されている。
【0061】
かかる装飾枠32は、その左側部の上下2カ所の軸支部において、前面枠3に対し、開閉可能に支持されている。かかる軸支部の構成についても特に限定されるものではなく、例えば一般に採用されている軸支構造を採用することができる。
【0062】
また、装飾枠32の軸支部とは反対側の側部(閉状態における左端部)及びそれに対応する前面枠3には、ロック機構53(前面枠3側のロック機構については図示略)がそれぞれ設けられている。該ロック機構53によって、装飾枠32が閉状態にある場合に、該装飾枠32が開放不能な状態にロックされるようになっている。さらに、装飾枠32の軸支部とは反対側の側部中央には切欠き54が形成されている。そして、前記ロック状態は、該切欠き54に対応して前面枠3に設けられた装飾枠鍵部としてのキーシリンダ55に対する所定のキー操作によって解除されるように構成されている。なお、本実施の形態では、前記キーシリンダ55は、外枠2に対する前面枠3のロック状態を解除するための鍵部をも兼用している。すなわち、前記装飾枠32のロック状態を解除するためのキー操作とは異なるキー操作(例えば前記装飾枠32のロック解除に際しては時計方向への回動操作であるのに対し、前面枠3のロック解除に際しては反時計方向への回動操作)によって解除されるように構成されている。
【0063】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0064】
本実施の形態では、ガラス扉枠4をガラス支持枠31及び装飾枠32により構成することとしている。そして、通常の遊技状態、つまり、ガラス支持枠31及び装飾枠32の閉鎖状態にあっては、ガラス支持枠31のロック状態を解除するためのキーシリンダ装置45A,45Bが装飾枠32で保護される。より詳しくは、キーシリンダ装置45A,45B、特にその鍵穴が装飾枠32で非露出状態に被覆される。ここで、キーシリンダ装置45A,45Bは、遊技盤5に最も近い側の鍵部に相当するものであるが、かかるキーシリンダ装置45A,45Bを不正に操作して遊技盤5を露出状態にしようとした場合、まずは装飾枠31による前記保護を解除しなければならない。従って、不正行為をより行いにくいものとすることができる。
【0065】
特に、本実施の形態ではガラス支持枠31及び装飾枠32が互いに反対側の軸支部で支持されていることから、装飾枠31を所定開度以上開かなければキーシリンダ装置45A,45Bの操作を行うことができない。ここで、装飾枠31を相当開度開いた場合には、遊技場関係者等に容易にその事実が把握される。従って、不正行為をより発見しやすく、かかる意味で、不正行為のさらなる防止を図ることができる。
【0066】
また、本実施の形態では、装飾枠32の施錠状態を解除するためのキーシリンダ55に関して所定のキー操作を行い装飾枠32のロック状態を解除しなければ、ガラス支持枠31のキーシリンダ装置45A,45Bを操作することができない。そのため、上述したガラス支持枠31を開放することによる不正行為に対して、より厳重に対処することができる。なお、前記キーシリンダ55は外枠2に対する前面枠3のロック状態を解除するための鍵部をも兼ねているため、鍵部の増大に伴う構成の複雑化、設置スペースの制限による不具合を防止できる。
【0067】
さらに、ガラス扉枠4の重量が、ガラス支持枠31及び装飾枠32にそれぞれ分散されることとなる。従って、1つのガラス扉枠でガラスを支持し、かつ、装飾機能を具備するガラス扉枠を一側にて軸支する必要のあった従来技術とは異なり、ガラス支持枠31の軸支部及び装飾枠32の軸支部にかかる負荷を軽減することができる。その結果、特殊な軸支部を採用せずとも済み、従来より存在する軸支構造を採用することができる。また、ガラス扉枠4に対する装飾等の付加に関し、様々なバリエーションを持たせることが可能となる。
【0068】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0069】
(a)上記実施の形態では、装飾枠32の前面枠3に対するロック状態を解除するためのキーシリンダ55を露出することとしたが、必ずしも装飾枠32はロック状態に維持されなくてもよい。例えば、図4に示す例では、前面枠3には、該前面枠3の外枠2に対するロック状態を解除するためのキーシリンダ55が設けられているものの、該キーシリンダ55は装飾枠32の閉鎖状態にあっては塞がれる構成となっている。つまり、装飾枠32には前記実施の形態のような切り欠き54は形成されていない。かかる構成下、装飾枠32を閉鎖状態に維持するためのマグネット機構61等を設けることとしてもよい。この場合、マグネット機構61は、単なるマグネットによる取着のみが行われていてもよいし、遊技場関係者のみが操作可能ななマグネットキーによって構成されていてもよい。
【0070】
(b)上記実施の形態では、ガラス支持枠31及び装飾枠32の軸支部を互いに反対側に設定することとしているが、同じ側で支持されることとしてもよい。
【0071】
(c)上記実施の形態では、ガラス扉枠4をガラス支持枠31及び装飾枠32に分離することとし、ガラス支持枠31のロック状態を解除するためのキーシリンダ装置45A,45Bを装飾枠32で保護する構成を採用している。これに対し、従来よりあるガラス扉枠に対し、キーシリンダ55を非露出状態に被覆する被覆枠を別途設ける構成であってもよい。
【0072】
(d)上記実施の形態では、ガラス支持枠31の支持フレーム43が2枚のガラス41,42を支持する場合について具体化しているが、図5に示すように、支持フレーム43により1枚のガラス41のみが支持されるよう構成してもよい。そして、装飾枠32側に別途支持フレーム71を設け、該支持フレーム71によってもう1枚のガラス42を支持することとしてもよい。このように構成しても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
【0073】
(e)透明部材としての2枚のガラス41,42に代えて、1枚のガラスとしてもよいし、3枚以上のガラスとしてもよい。また、ガラス以外にも透明の樹脂板(例えばアクリル樹脂板)等で透明部材を構成してもよい。
【0074】
(f)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用してもよい。従って、可変表示装置14のないパチンコ機にも応用できる。また、所謂パチコンと称される遊技機も、ここにいうパチンコ機と同じ概念に含まれるものである。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。さらには、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0075】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】装飾枠を開いたパチンコ機を斜め上方からみた状態を簡易的に示す斜視図である。
【図3】装飾枠及びガラス支持枠を開いたパチンコ機を斜め上方からみた状態を簡易的に示す斜視図である。
【図4】別の実施の形態におけるパチンコ機を簡易的に示す斜視図である。
【図5】別の実施の形態におけるパチンコ機を簡易的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、2…外枠、3…前面枠、4…ガラス扉枠(扉体)、5…遊技盤、31…扉体、第1の扉体、透明部材支持枠を構成するガラス支持枠、32…扉体、第2の扉体を構成する装飾枠、41,42…透明部材としてのガラス、43,71…支持フレーム、45A,45B…鍵部としてのキーシリンダ装置、51…開口部、55…装飾枠鍵部、第2鍵部を構成するキーシリンダ、B…遊技球。
Claims (1)
- 遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において開閉可能に支持された複数の扉体を備えた遊技機であって、
前記複数の扉体のうち、少なくとも1つには、当該扉体及び他の扉体のうち少なくとも1つの施錠状態を解除するための鍵部が臨んでおり、前記遊技部材に最も近い側の鍵部を、非露出状態に被覆するよう構成したことを特徴とする遊技機。
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