JP4300756B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、遊技機の一種として、遊技盤面上における遊技球の挙動に起因して種々の遊技状態が導出されるパチンコ機が知られている。このようなパチンコ機は、外枠と、その前部に設けられた前面枠とを備えている。前面枠は外枠の一側部にて開閉可能に支持されている。前面枠の前面側には、その一側部にてガラス扉枠が開閉可能に設けられている。また、前面枠には、前記ガラス扉枠の奥側において、遊技盤が着脱可能に装着されており、発射された遊技球は遊技盤の上部に向けて案内され、遊技盤に沿って流下する。そして、遊技盤に設けられた入賞口等に遊技球が入賞することで、遊技者に景品球が払い出される。
【0003】
ところで、近年、ガラス扉枠に関し、様々な装飾や各種装置の搭載等が施されるようになってきており、重量が著しく増大する傾向にある。この点、前記ガラス扉枠を、板状のガラス及びガラスを支持するガラス支持枠と、その前面側に位置し開口を有する装飾枠とに分離することが考えられる。このように従来一体的に構成されていたガラス扉枠を前後に分離することで、荷重が分散され、支持する側の負荷が軽減される等のメリットがある。
【0004】
しかしながら、上記のような構成とした場合、ガラス支持枠と装飾枠との間に所定の隙間が形成されてしまうおそれがある。かかる隙間が存在すると、外部から針金等の治具が不正に侵入させられ、普段は閉状態に維持されている入賞装置等が不正に開放されてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、不正をより有効に防止することの可能な遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の目的を達成するべく、本願発明は、
外枠に対し開閉可能に支持された前面枠と、
前記前面枠に装着され、入賞装置を備える遊技盤とを備えた遊技機であって、
前記遊技盤の前面側において、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、前記遊技盤の遊技領域の視認を許容するべく開口を有する装飾枠とを具備し、
前記透明部材支持枠は前記透明部材の外周縁部を支持する支持フレームを有し、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、前記支持フレームの前面には、前記装飾枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす内周側リブを設けるとともに、前記装飾枠には、前記内周側リブに対向し、前記内周側リブの先端部を収容可能な内周側凹部を設け、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、前記装飾枠の後面から前記透明部材支持枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす装飾枠リブ、及び、前記前面枠の前面において、前記装飾枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす前面枠リブのうち少なくとも一方からなる外周側リブを設けるとともに、前記前面枠において、前記装飾枠リブに対向し、前記装飾枠リブの先端部を収容可能な凹部、及び、前記装飾枠において、前記前面枠リブに対向し、前記前面枠リブの先端部を収容可能な凹部のうち少なくとも一方からなる外周側凹部を設け、
前記各リブは、前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざすよう、前記遊技盤を囲む環状又は略環状をなすことを特徴とする。
本願発明によれば、不正をより有効に防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
手段1.遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において開閉可能に支持された第1の扉体と、該第1の扉体よりも前面側において開閉可能に支持された第2の扉体とを備えた遊技機であって、
前記両扉体の閉鎖状態にあって、外部から前記遊技部材への異物の侵入を規制するための侵入規制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0008】
手段1によれば、遊技部材の前面側において開閉可能に支持された扉体を第1及び第2の扉体により構成することで、支持する側の重量負担軽減等が図られる。一方で、第1の扉枠及び第2の扉枠との間に生じる隙間より、針金等の異物を侵入させることによる不正行為が懸念されるところ、上記手段では、侵入規制手段が設けられている。このため、両扉体の閉鎖状態にあって、外部から遊技部材への異物の侵入が規制される。従って、そのような不正行為を効果的に防止できる。
【0009】
手段2.遊技者の利益を左右する遊技部材の前面側において開閉可能に支持され、少なくとも閉状態にあっては前記遊技部材の外部からの視認を許容しうる扉枠を備えた遊技機であって、
前記扉体を、第1の扉体と、該第1の扉体よりも前面側において開閉可能に支持された第2の扉体とに分離して構成し、
前記両扉体の閉鎖状態にあって、外部から前記遊技部材への異物の侵入を規制するための侵入規制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0010】
手段2によれば、遊技部材の前面側において開閉可能に支持された扉体が第1及び第2の扉体に分離して構成されることで、支持する側の重量負担軽減等が図られる。一方で、第1の扉枠及び第2の扉枠との間に生じる隙間より、針金等の異物を侵入させることによる不正行為が懸念されるところ、上記手段では、侵入規制手段が設けられている。このため、両扉体の閉鎖状態にあって、外部から遊技部材への異物の侵入が規制される。従って、そのような不正行為を効果的に防止できる。
【0011】
手段3.前記遊技部材は、特定条件が満たされた場合に開放が許容される可変入賞装置を備えた遊技盤であることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0012】
手段3によれば、遊技盤に備えられた可変入賞装置が異物を用いて開放されてしまうといった不正行為が効果的に防止される。
【0013】
手段4.前記侵入規制手段は、前記第1又は第2の扉体のうち少なくとも一方の扉体に設けられ、他方の扉体側に向かって延びる凸状部材であることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0014】
手段4によれば、第1又は第2の扉体のうち少なくとも一方の扉体に設けられ、他方の扉体側に向かって延びる凸状部材の存在により、針金等の異物の侵入が効果的に規制される。また、凸状部材を設けることで上記作用効果が奏されることから、構造自体が複雑なものになってしまうといった事態を抑制できる。
【0015】
手段5.前記凸状部材は、前記遊技部材を囲むようにして環状又は略環状に設けられたリブであることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0016】
手段5によれば、遊技部材を囲むようにして環状又は略環状に設けられたリブにより上記作用効果が奏される。ここで、リブが環状又は略環状に設けられていることから、あらゆる方向からの異物の侵入を規制でき、より効果的に不正行為を防止できる。
【0017】
手段6.前記凸状部材は、前記第1又は第2の扉体のうち少なくとも一方の扉体に一体形成されていることを特徴とする手段4又は5に記載の遊技機。
【0018】
手段6によれば、凸状部材が一体形成されることから、別途凸状部材を取り付けたりする手間を省くことができる。その結果、製造効率の悪化、コストの増大を抑制できる。
【0019】
手段7.前記凸状部材は、前記第1又は第2の扉体のうち少なくとも一方の扉体に別体で取付けられていることを特徴とする手段4又は5に記載の遊技機。
【0020】
手段7によれば、凸状部材が別体で取付けられていることから、例えば凸状部材と取付けられる扉体とが異種素材よりなる場合、リサイクルに供しやすいものとなる。
【0021】
手段8.前記侵入規制手段は、さらに、少なくとも前記凸状部材の先端部を収容可能とするべく前記凸状部材に対向して設けられた凹部を含んでいることを特徴とする手段4乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0022】
手段8によれば、凹部に対し、少なくとも凸状部材の先端部が収容されることで、より一層確実に隙間を閉ざすことができ、針金等の異物を侵入させようとする不正行為を一層効果的に防止できる。しかも、構造がさほど複雑なものとはならない。
【0023】
手段9.前記第1の扉体は、外部から前記遊技部材を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠であり、
前記第2の扉体は、前記透明部材支持枠の前面側に設けられ、開口を有する装飾枠であることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0024】
手段9によれば、従来一体とされていた扉体が、透明部材支持枠と装飾枠とに分離されることとなり、支持する側(例えば前面枠)にかかる負荷を分散させることができ、場合によっては装飾枠に対し比較的重い別部材等を設置することも可能となる。また、支持構造についても込み入った複雑なものとなりにくい。なお、「前記透明部材は、板状のガラスによって構成されていること」としてもよい。
【0025】
手段10.外枠に対し開閉可能に支持された前面枠と、
前記前面枠に装着され、遊技者の利益を左右する遊技盤と
を備えた遊技機であって、
前記遊技盤の前面側において、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、前記前面枠に対し開閉可能に支持され前記遊技盤の遊技領域の視認を許容するべく開口を有してなる装飾枠と
を具備し、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、外部から前記遊技盤への異物の侵入を規制するための侵入規制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0026】
手段10によれば、外枠に対し前面枠が開閉可能に支持される。前面枠に装着された遊技盤において遊技者の利益が左右される。かかる遊技機にあって、遊技盤の前面側において、透明部材支持枠が前面枠に対し開閉可能に支持されており、その透明部材を介して外部より遊技盤が視認される。さらに、透明部材支持枠の前面側にて、装飾枠が前面枠に対し開閉可能に支持されており、その開口から遊技盤の遊技領域の視認が許容される。さて、手段10では、遊技盤の前面側の枠体が透明部材支持枠と装飾枠とに分離されており、従来一体で形成されていた場合に比べて、支持する側の重量負担軽減等が図られる。一方で、透明部材支持枠と装飾枠との間に生じる隙間より、針金等の異物を侵入させることによる不正行為が懸念されるところ、上記手段では、侵入規制手段が設けられている。このため、両枠の閉鎖状態にあって、外部から遊技部材への異物の侵入が規制される。従って、そのような不正行為を効果的に防止できる。
【0027】
手段11.外枠に対し開閉可能に支持された前面枠と、
前記前面枠に装着され、遊技者の利益を左右する遊技盤と、
前記遊技盤の前面側において開閉可能に支持された透明部材扉枠と
を備えた遊技機であって、
前記透明部材扉枠は、
前記遊技盤の前面側において、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、前記前面枠に対し開閉可能に支持され前記遊技盤の遊技領域の視認を許容するべく開口を有してなる装飾枠と
からなり、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざすことで、外部から前記遊技盤への異物の侵入を規制するための侵入規制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段11によれば、一体で構成されていた従来の透明部材扉枠と異なり、透明部材扉枠が透明部材支持枠と装飾枠とに分離されているため、支持する側の重量負担軽減等が図られる。一方で、透明部材支持枠と装飾枠との間に生じる隙間より、針金等の異物を侵入させることによる不正行為が懸念されるところ、上記手段では、侵入規制手段が設けられている。この侵入規制手段により、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間が閉ざされ、両枠の閉鎖状態にあって、外部から遊技部材への異物の侵入が規制される。従って、そのような不正行為を効果的に防止できる。
【0029】
手段12.前記侵入規制手段は、前記透明部材支持枠、装飾枠及び前面枠のうち少なくとも1つに設けられ、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざすべく突出する凸状部材を含んでいることを特徴とする手段10又は11に記載の遊技機。
【0030】
手段12によれば、透明部材支持枠、装飾枠及び前面枠のうち少なくとも1つに設けられ、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざすべく突出する凸状部材により、針金等の異物の侵入が効果的に規制される。また、凸状部材を設けることで上記作用効果が奏されることから、構造自体が複雑なものになってしまうといった事態を抑制できる。
【0031】
手段13.前記凸状部材は、前記遊技盤を囲むようにして環状又は略環状に設けられたリブであることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0032】
手段13によれば、遊技盤を囲むようにして環状又は略環状に設けられたリブにより上記作用効果が奏される。リブが環状又は略環状に設けられていることから、あらゆる方向からの異物の侵入を規制でき、より効果的に不正行為を防止できる。
【0033】
手段14.前記遊技盤は特定条件が満たされた場合に開放が許容される可変入賞装置を備えており、前記凸状部材は、少なくとも前記可変入賞装置に最も近い辺に対応して設けられたリブを含んでいることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0034】
手段14によれば、少なくとも可変入賞装置に最も近い辺に対応して設けられたリブにより、上記作用効果が奏される。従来では、針金等を異物を遊技盤の方へ侵入させ可変入賞装置を開放状態とすることで不正に入賞状態を導出する不正行為が行われていたのであるが、かかる構成を採用することで、可変入賞装置の開放しづらくすることができ、より効果的かつ効率的に不正防止を図ることが可能となる。
【0035】
手段15.前記凸状部材は、前記装飾枠の支持辺とは反対側の側部に対応して設けられたリブを含んでいることを特徴とする手段12又は14に記載の遊技機。
【0036】
手段15によれば、装飾枠の支持辺とは反対側の側部に対応して設けられたリブにより、上記作用効果が奏される。一般に、側部にて開閉可能に支持された装飾枠に関しては、その支持辺よりも、該支持辺とは反対側の側部において隙間が形成されやすい傾向にあるが、かかる構成を採用することで、そのような隙間を閉ざすことができ、より効果的かつ効率的に不正防止を図ることが可能となる。
【0037】
手段16.前記凸状部材は、前記透明部材支持枠、装飾枠及び前面枠のうち少なくとも1つに一体形成されていることを特徴とする手段12乃至15のいずれかに記載の遊技機。
【0038】
手段16によれば、凸状部材が一体形成されることから、別途凸状部材を取り付けたりする手間を省くことができる。その結果、製造効率の悪化、コストの増大を抑制できる。
【0039】
手段17.前記凸状部材は、前記透明部材支持枠、装飾枠及び前面枠のうち少なくとも1つに別体で取付けられていることを特徴とする手段12乃至15のいずれかに記載の遊技機。
【0040】
手段17によれば、凸状部材が別体で取付けられていることから、例えば凸状部材と取付けられる枠とが異種素材よりなる場合、リサイクルに供しやすいものとなる。
【0041】
手段18.前記侵入規制手段は、さらに、少なくとも前記凸状部材の先端部を収容可能とするべく前記凸状部材に対向して設けられた凹部を含んでいることを特徴とする手段12乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0042】
手段18によれば、凹部に対し、少なくとも凸状部材の先端部が収容されることで、より一層確実に隙間を閉ざすことができ、針金等の異物を侵入させようとする不正行為を一層効果的に防止できる。しかも、構造がさほど複雑なものとはならない。
【0043】
手段19.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置の表示部において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止表示されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球等のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。
【0044】
手段20.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を遊技部材として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう遊技部材として捉えてもよい。
【0045】
手段21.手段1乃至18のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を遊技部材として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう遊技部材して捉えてもよい。
【0046】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0047】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。
【0048】
前面枠3の前面側には、扉体、透明部材扉枠を構成するガラス扉枠4が設けられている。前面枠3の後部(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技部材としての遊技盤5が着脱可能に装着されている。
【0049】
ガラス扉枠4の下方には、遊技球Bを貯留するための上皿6の一体形成された前飾り枠9が設けられている。また、前面枠3の前面下部には、左右方向ほぼ中央部において下皿7が設けられている。下皿7の側部には、遊技球発射用ハンドル8が設けられている。ハンドル8は図示しない遊技球発射装置に連結されており、遊技者がハンドル8を回転させることにより、遊技球Bが遊技球発射装置から発射される。
【0050】
遊技盤5には、ルータ加工が施されることによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13、可変表示装置14、スルーチャッカー15等が配設されている。
【0051】
遊技盤5の一側部には、遊技球発射装置によって発射される遊技球Bを遊技盤5の上部に案内する内レール16a及び外レール16bが設けられている。内レール16aの下端部付近において、遊技盤5には遊技球Bを導出するアウト口17が形成されている。そして、遊技盤5の下部に流下した遊技球Bの多くは、このアウト口17を通って図示しない球排出路へと案内される。本実施の形態では、遊技盤5のうち内レール16a及び外レール16bによって囲まれ、可変表示装置14等が配設された部分が、遊技球Bが流下可能な遊技領域となっている。
【0052】
可変表示装置14は、液晶表示部20と、該液晶表示部20を囲むように設けられたセンターフレーム21とを備えている。液晶表示部20には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は識別情報としての複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールするように可変表示される。
【0053】
より詳しくは、可変表示装置14の下方に設けられた作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置14の液晶表示部20の図柄が可変表示される。そして、停止された図柄の組合せが予め設定した特定の組合せとなった場合には特別遊技価値が付与される。すなわち、大当たり状態が発生し、可変入賞装置12の大入賞口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞しやすい状態になる。なお、可変入賞装置12は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。
【0054】
また、周知のとおり、前記普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、上皿6又は下皿7に対し所定数の景品球(遊技球B)が払い出される。また、遊技盤5には、遊技球Bの流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0055】
次に、本実施の形態の特徴部分であるガラス扉枠4の構成について説明する。図2,3に示すように、本実施の形態では、ガラス扉枠4は、透明部材としてのガラス41,42を支持するガラス支持枠31と、その前面側に位置する装飾枠32とから構成されている。換言すれば、ガラス扉枠4は、第1の扉体、透明部材支持枠を構成するガラス支持枠31及び第2の扉体を構成する装飾枠32に分離されている。
【0056】
ガラス支持枠31は、透明部材を構成する前後2枚の板状のガラス41,42と、これらガラス41,42の周縁を支持するための金属製の支持フレーム43とを備えている。そして、ガラス支持枠31は、支持フレーム43の右側部の上下2カ所の軸支部(図示略)において、前面枠3に対し、開閉可能に支持されている。かかる軸支部の構成については、特に限定されるものではなく、例えば一般に採用されている軸支構造を採用することができる。すなわち、蝶番等で開閉可能に支持することとしてもよいし、支持フレーム43の上下両端に軸状の係合突部又は係合凹部を設け、それに対応する前面枠3に係合凹部又は軸状の係合突部を設け、両者を係合させることで開閉可能に支持することとしてもよい。
【0057】
また、ガラス支持枠31の支持フレーム43の軸支部とは反対側の側部(閉状態における左端部)及びそれに対応する前面枠3には、ロック機構44A,44Bがそれぞれ設けられている。該ロック機構44A,44Bによって、ガラス支持枠31が閉状態にある場合に、該ガラス支持枠31が開放不能な状態にロック(施錠)されるようになっている。また、そのロック状態は、キーシリンダ装置45A,45Bに対する所定のキー操作によって解除されるように構成されている。なお、図では、45A,45Bによりキーシリンダ装置が構成されているが、図中45Bに相当する部位を開口形状とし、45Aの鍵穴に対しキーを差し込むよう構成されていてもよい。
【0058】
さらに、装飾枠32は、その中央において前記遊技領域にほぼ対応するようにして略円形状の開口部51が形成されている。かかる開口部51の存在により、前記ガラス41,42を介して遊技盤5等を外部から視認できるようになっている。装飾枠32は、その前面側において、所定の凹凸加工が施された外装部材52が取着されている。本実施の形態において、前記外装部材52は、前記開口部51の下部を除く周縁を囲むようにして設けられ、例えば透明性を有する樹脂材料により構成されている。
【0059】
かかる装飾枠32は、その左側部の上下2カ所の軸支部において、前面枠3に対し、開閉可能に支持されている。かかる軸支部の構成についても特に限定されるものではなく、例えば一般に採用されている軸支構造を採用することができる。
【0060】
また、装飾枠32の軸支部とは反対側の側部(閉状態における左端部)及びそれに対応する前面枠3には、ロック機構53(前面枠3側のロック機構については図示略)がそれぞれ設けられている。該ロック機構53によって、装飾枠32が閉状態にある場合に、該装飾枠32が開放不能な状態にロックされるようになっている。さらに、装飾枠32の軸支部とは反対側の側部中央には切欠き54が形成されている。そして、前記ロック状態は、該切欠き54に対応して前面枠3に設けられたキーシリンダ55に対する所定のキー操作によって解除されるように構成されている。なお、本実施の形態では、前記キーシリンダ55は、外枠2に対する前面枠3のロック状態を解除するための鍵部をも兼用している。すなわち、前記装飾枠32のロック状態を解除するためのキー操作とは異なるキー操作(例えば前記装飾枠32のロック解除に際しては時計方向への回動操作であるのに対し、前面枠3のロック解除に際しては反時計方向への回動操作)によって解除されるように構成されている。
【0061】
さらに、図3,4に示すように、前記装飾枠32の裏面側には、ガラス支持枠31及び装飾枠32の閉鎖状態にあって、両者31,32間の隙間を閉ざすための侵入規制手段を構成するリブ61が一体的に形成されている。該リブ61は、前記遊技盤5の周囲を囲むようにして環状に形成されており、ガラス支持枠31側(すなわち、後面側)に突出している。また、前面枠3には、前記リブ61に対向するようにして環状の凹部62が形成されている。かかる凹部62も侵入規制手段を構成するものであって、前記装飾枠32の閉時には、リブ61の少なくとも先端部分が該凹部62内に収容されるようになっている。
【0062】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0063】
本実施の形態では、ガラス扉枠4の重量が、ガラス支持枠31及び装飾枠32にそれぞれ分散されることとなる。従って、1つのガラス扉枠でガラスを支持し、かつ、装飾機能を具備するガラス扉枠を一側にて軸支する必要のあった従来技術とは異なり、ガラス支持枠31の軸支部及び装飾枠32の軸支部にかかる負荷を軽減することができる。その結果、特殊な軸支部を採用せずとも済み、従来より存在する軸支構造を採用することができる。また、ガラス扉枠4に対する装飾等の付加に関し、様々なバリエーションを持たせることが可能となる。
【0064】
また、ガラス支持枠31と装飾枠32との間に生じる隙間より、針金等の異物を侵入させることによる不正行為が懸念されるところではあるが、本実施の形態では、上述したような侵入規制手段が設けられている。これにより、ガラス支持枠31及び装飾枠32間の隙間が閉ざされ、両枠31,32の閉鎖状態にあって、外部から遊技盤5への針金等の異物の侵入が規制される。従って、そのような不正行為を効果的に防止できる。
【0065】
また、リブ61や凹部62を設けるといった比較的簡単な構成でもって上記作用効果が奏されるため、構造上の複雑化を招いてしまうことがない。さらに、リブ61を装飾枠32に一体形成することとしたため、別途リブを取り付けたりする手間を省くことができる。その結果、製造効率の悪化、コストの増大を抑制できる。さらに、リブ61は、遊技盤5を囲むようにして環状に設けられているため、あらゆる方向からの異物の侵入を規制でき、より効果的に不正行為を防止できる。
【0066】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0067】
(a)上記実施の形態では、装飾枠32にリブ61を設け、前面枠3に凹部62を形成することとしているが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、上記構成に代えて、或いは加えて、図5(a)に示すように、前面枠3にリブ71を設けることとしてもよい。また、この場合、同図に示すように、装飾枠32に対し、リブ71のうち少なくとも先端部分が収容される凹部72を設けることとしてもよい。
【0068】
(b)また、上記構成に代えて、或いは加えて、図5(b)に示すように、ガラス支持枠31(図では支持フレーム43)にリブ81を設けることとしてもよい。さらにこの場合、同図に示すように、装飾枠32に対し、リブ81のうち少なくとも先端部分が収容される凹部72を設けることとしてもよい。さらにまた、図5(a)と図5(b)との構成を組み合わせて採用することとしてもよい。
【0069】
(c)また、図示はしないが、前面枠3、装飾枠32、ガラス支持枠31のうち少なくとも1つから、遊技盤5の方へ向かって延びる凸状部材(リブ)を設けることとしてもよい。逆に、遊技盤5から前面枠3、装飾枠32、ガラス支持枠31のうち少なくとも1つの方へ向かって延びる凸状部材(リブ)を設けることとしてもよい。かかる構成を採用することで、より一層の不正防止を図ることができる。
【0070】
(d)上記実施の形態では、環状にリブ61を設けることとしているが、必ずしも環状でなくてもよい。例えば、上記実施の形態のように可変入賞装置12が遊技盤5の下部に設けられている場合、当該可変入賞装置12に最も近い辺(下辺)に対応してリブを設けることとしてもよい。また、これに代えて、或いは加えて、装飾枠32の支持辺とは反対側の側部(例えば図3の右部)に対応してリブを設けることとしてもよい。一般に、側部にて開閉可能に支持された装飾枠32に関しては、その支持辺よりも、該支持辺とは反対側の側部において隙間が形成されやすい傾向にあるが、かかる構成を採用することで、そのような隙間を閉ざすことができ、より効果的かつ効率的に不正防止を図ることが可能となる。
【0071】
(e)上記実施の形態では、リブ61を装飾枠32に一体形成することとしているが、1つに別体で取付けることとしてもよい。このように構成した場合において、例えばリブと取付けられる枠とが異種素材よりなる場合、分離してリサイクルに供しやすいものとすることができる。
【0072】
(f)上記実施の形態では、リブ61に対向して凹部62を設けることとしているが、該凹部を省略することとしても差し支えない。
【0073】
(g)上記実施の形態では、ガラス支持枠31及び装飾枠32の軸支部を互いに反対側に設定することとしているが、同じ側で支持されることとしてもよい。
【0074】
(h)透明部材としての2枚のガラス41,42に代えて、1枚のガラスとしてもよいし、3枚以上のガラスとしてもよい。また、ガラス以外にも透明の樹脂板(例えばアクリル樹脂板)等で透明部材を構成してもよい。
【0075】
(i)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用してもよい。従って、可変表示装置14のないパチンコ機にも応用できる。また、所謂パチコンと称される遊技機も、ここにいうパチンコ機と同じ概念に含まれるものである。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。さらには、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0076】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】装飾枠を開いたパチンコ機を斜め上方からみた状態を簡易的に示す斜視図である。
【図3】装飾枠及びガラス支持枠を開いたパチンコ機を斜め上方からみた状態を簡易的に示す斜視図である。
【図4】リブ及び凹部の関係を模式的に説明するための部分断面図である。
【図5】別の実施の形態におけるリブ等の関係を模式的に説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、2…外枠、3…前面枠、4…ガラス扉枠(扉体)、5…遊技盤、31…第1の扉体、透明部材支持枠を構成するガラス支持枠、32…第2の扉体を構成する装飾枠、41,42…透明部材としてのガラス、43…支持フレーム、51…開口部、61,71,81…侵入規制手段を構成するリブ、62,72,82…侵入規制手段を構成する凹部、B…遊技球。
Claims (1)
- 外枠に対し開閉可能に支持された前面枠と、
前記前面枠に装着され、入賞装置を備える遊技盤とを備えた遊技機であって、
前記遊技盤の前面側において、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、外部より前記遊技盤を視認可能とするための透明部材を有する透明部材支持枠と、
前記透明部材支持枠の前面側にて、前記前面枠に対し開閉可能に支持され、前記遊技盤の遊技領域の視認を許容するべく開口を有する装飾枠とを具備し、
前記透明部材支持枠は前記透明部材の外周縁部を支持する支持フレームを有し、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、前記支持フレームの前面には、前記装飾枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす内周側リブを設けるとともに、前記装飾枠には、前記内周側リブに対向し、前記内周側リブの先端部を収容可能な内周側凹部を設け、
前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、前記装飾枠の後面から前記透明部材支持枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす装飾枠リブ、及び、前記前面枠の前面において、前記装飾枠側に向かって突出することで前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざす前面枠リブのうち少なくとも一方からなる外周側リブを設けるとともに、前記前面枠において、前記装飾枠リブに対向し、前記装飾枠リブの先端部を収容可能な凹部、及び、前記装飾枠において、前記前面枠リブに対向し、前記前面枠リブの先端部を収容可能な凹部のうち少なくとも一方からなる外周側凹部を設け、
前記各リブは、前記透明部材支持枠及び装飾枠の閉鎖状態にあって、少なくとも前記透明部材支持枠及び装飾枠間の隙間を閉ざすよう、前記遊技盤を囲む環状又は略環状をなすことを特徴とする遊技機。
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